JP3709268B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像読取装置に係り、特に、写真フィルムに記録された画像を複数の成分色に分解して読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、写真フィルムに記録されているフィルム画像をR、G、Bの各成分色に分解して読み取り、該読み取りによって得られた画像データに対して各種の補正等の画像処理を行った後に、記録材料への画像の記録やディスプレイへの画像の表示等を行う写真処理方法が提案されている。この写真処理方法は、フィルム画像を面露光により印画紙に記録する従来の写真処理方法と比較して、画像データに対する画像処理により記録画像の画質を自在にコントロールできるという利点を有しているが、記録画像の画質は画像処理前の画像データの品質、すなわちフィルム画像の読取精度にも依存するので、フィルム画像の読み取りを高精度かつ従来の写真処理方法における処理速度と同等以上の速度で高速に行うことができる画像読取装置が必要となる。
【0003】
上記のように記録材料への画像の記録等を目的として、写真フィルム等の原稿に記録された画像を複数の成分色に分解して読み取って画像データを出力する画像読取装置としては従来より種々の構成のものが提案されており、例えば、円筒状のドラムの外周に該ドラムの周方向に沿って原稿を巻き付け、ドラムと原稿を一体的に回転させることでドラムの外周側に配置された読取ヘッドと原稿とを相対的に移動させると共に、ドラムの内側に配置した光源から原稿に白色光を照射して原稿を透過した光を複数の成分色に分解して読取ヘッドで読み取ることで、原稿に記録された画像の画像データを得る製版用カラースキャナが知られている(特開昭58−9145号公報参照)。
【0004】
しかし、上記のカラースキャナはドラムの周長が記録材料の長さよりも長いことが前提であり、上記のカラースキャナを長尺状の写真フィルムに記録されたフィルム画像の読み取りに適用した場合、例えば36枚撮り135サイズ写真フィルム等の長尺写真フィルムの長さに応じてドラムの直径を非常に大きくする必要があるので、装置が極端に大型化するという欠点がある。また、フィルム画像の読み取りに際しては、読取対象の写真フィルムをドラムに巻き付け、ドラムの外周面上の一定位置に位置決めしてセットする、という煩雑な作業を行う必要があるので、オペレータに多大な負担がかかり、大量の写真フィルムのフィルム画像を高速で読み取ることは困難である。更に上記のカラースキャナは、原稿に記録されたポジ画像を読み取ることを前提としているため、光源から原稿に照射される光の各成分色毎の光量の割合を任意の割合とするための調光フィルタ等が設けられていないが、ネガ画像を精度良く読み取るためには調光フィルタ等を設けることが望ましい。しかし、上述した構成では調光フィルタ等を設けることも困難である。
【0005】
また、印刷の分野では画像の画質に対する要求レベルが非常に高く、印刷に用いる画像データを取得するためには画像を極めて高精度に読み取る必要があるので、印刷用の画像読取装置の中には、原稿をカセットにセットし透明な平板で原稿の全面を挟持することで原稿の平面性を向上させ、原稿をセットしたカセットを一定速度で搬送することで読取センサと原稿とを相対移動させ、原稿に記録された画像を読み取る構成も見受けられる。
【0006】
しかし、この構成をフィルム画像の読み取りに適用した場合にも、前述したカラースキャナと同様に、フィルム画像の読み取りに際し、読取対象の写真フィルムをカセットにセットするという煩雑な作業を行う必要があるので、オペレータに多大な負担がかかると共に、大量の写真フィルムのフィルム画像を高速で読み取ることは困難である。また、長尺状の写真フィルムを全面に亘って挟持できるようにカセットを構成するとカセットが極端に大型化するので、上記技術を適用して長尺写真フィルムに記録されたフィルム画像の読み取りを行うことは現実的ではない。
【0007】
また、フィルム画像を読み取るための画像読取装置として、光電変換素子及びCCDセルが2次元に多数配列されて成るエリアCCDセンサを読取センサとして用い、長尺写真フィルムに記録された各フィルム画像がエリアCCDセンサによる画像読取位置に順次位置決めされるように写真フィルムを間欠搬送し、各フィルム画像をエリアCCDによって順に読み取る構成が知られている(富士写真フイルム製のデジタルラボシステム フロンティアの入力機(高速スキャナ/画像処理ワークステーション)SP-100等)。
【0008】
しかしエリアCCDセンサは、多数の光電変換素子及びCCDセルを備えているため一般に高価であり、画像をより高解像度で読み取るためには解像度の2乗に比例する非常に多数のセルを備えたエリアCCDセンサを用いる必要があるのでコストが嵩むという欠点がある。また、製品として市場に出回っているエリアCCDセンサは、製造時の歩留りとの兼ね合いで、入射光の光量に正確に対応した信号が出力されないセル(所謂欠陥画素)が多少存在していることがあり、画素欠陥を補正するために複雑な補正回路が必要になるという問題もある。
【0009】
また、フィルム画像を読み取る簡易な構成の画像読取装置も知られているが、この装置は光源として蛍光管を用いていると共に、写真フィルムに照射する光の各成分色毎の光量の割合を調整するための調光フィルタや、写真フィルムに照射する光を拡散させて光量むらを低減する光拡散ボックスが設けられておらず、光源からの光が直接写真フィルムに照射される。このように、上記の画像読取装置はフィルム画像を簡易的に読み取るためのものであり、フィルム画像を高精度に読み取ることはできない。
【0010】
更に、特開平6−242521号公報、特開平6−242522号公報には、長尺写真フィルムの搬送方向に沿って、フィルム画像をラインCCDによって予備的に粗く読み取るプレスキャン部と、フィルム画像をラインCCDによって高解像度で読み取るファインスキャン部を並列に設け、プレスキャン部でフィルム画像を読み取ることによって得られたプレスキャン画像データに基づいて階調変換条件を作成し、ファインスキャン部でフィルム画像を読み取ることによって得られたファインスキャン画像データに対し、前記階調変換条件に従って階調変換を行う構成の画像読取装置が開示されている。
【0011】
しかしながら、上記構成ではラインCCDや光源、結像レンズ等の光学部品を2組設ける必要があるので、コストが嵩むと共に構成が複雑になるという問題がある。また、上記の画像読取装置において、ファインスキャン部に要求される画像読み取りの解像度や、プレスキャン画像データに基づいて行う処理に要する時間等を考慮すると、ファインスキャン部での画像読み取りの解像度は、プレスキャン部での画像読み取りの解像度の10倍程度にする必要がある。このため、プレスキャン部における写真フィルムの搬送速度とファインスキャン部における写真フィルムの搬送速度とを大きく異ならせる必要があると共に、プレスキャン部とファインスキャン部との間に写真フィルムの搬送速度差を吸収するためのフィルムバッファを設ける必要もあり、このフィルムバッファも構成の複雑化の一因となっている。
【0012】
また、フィルム画像は写真フィルム上での記録位置が不定であるので、上記構成では、写真フィルムを搬送しながら画面検出センサによって順次フィルム画像の記録位置を判定してフィルム画像を読み取っており、記録位置の判定とフィルム画像の読み取りを並行して行うために写真フィルムの搬送速度を比較的低速とする必要があるので、フィルム画像を高速で読み取ることができない、という問題もあった。
【0013】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、写真フィルムに記録されたフィルム画像を各成分色毎に精度良くかつ高速で読み取ることを、簡易かつ低コストの構成で実現できる画像読取装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像読取装置は、各成分色光毎に射出光量を調整可能な光源部と、画像が記録された長尺状の写真フィルムを挟持するローラ又はベルトを回転駆動させることで、前記光源部から射出された光の光路と交差する搬送経路に沿って前記写真フィルムを所定の搬送速度で搬送する搬送手段と、前記写真フィルムを透過した光が入射され、写真フィルムに記録された画像を結像させる結像手段と、前記結像手段を透過した光が入射され、前記写真フィルムを各成分色に分解して読み取るラインセンサと、写真フィルム上の画像部及び非画像部を区別することなく前記写真フィルムを末尾まで順に読み取る予備読み取りが所定の読取条件で行われるように、少なくとも前記光源部、前記搬送手段及び前記ラインセンサを制御する予備読取制御手段と、前記予備読み取りが行われることで順次得られる前記予備読み取りの結果に基づいて写真フィルム上の各画像の記録位置を順次判定することを、前記予備読み取りと並行して行う判定手段と、前記予備読み取りが行われることで順次得られる前記予備読み取りの結果及び前記予備読み取りと並行して順次得られる前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて、本読み取りを行う際の読取条件を各画像毎に順次設定することを、前記予備読み取りと並行して行う読取条件設定手段と、前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づき、写真フィルムに記録された各画像を前記読取条件設定手段によって設定された読取条件で読み取る本読み取りが行われるように、少なくとも前記光源部、前記搬送手段及び前記ラインセンサを制御する本読取制御手段と、を含んで構成している。
【0015】
請求項1記載の発明では、各成分色光毎に射出光量を調整可能な光源部を備えており、搬送手段は、画像が記録された長尺状の写真フィルムを挟持するローラ又はベルトを回転駆動させることで、光源部から射出された光の光路と交差する搬送経路に沿って所定の搬送速度で写真フィルムを搬送する。従って、写真フィルムの長さに拘らず、ローラ又はベルトに写真フィルムを挟持させれば前記写真フィルムの搬送が可能な状態となり、ローラ又はベルトが回転駆動することで、写真フィルムに記録された画像を光源部から射出された光の光路と交差する位置に順に位置させることができるので、写真フィルムに記録された画像の読み取りを行うために、写真フィルムをドラムやカセットにセットする等の煩雑な作業を行う必要もなく、大量の写真フィルムに記録されたフィルム画像を各々読み取る場合にも、オペレータに負担がかかることもない。
【0016】
また請求項1の発明は、写真フィルムに記録された画像を結像させる結像手段を透過した光が入射され、写真フィルムを各成分色に分解して読み取るラインセンサが設けられている。このラインセンサにより写真フィルムに記録された画像(2次元画像)を読み取るためには、読み取りを行いながら写真フィルムを一定速度で搬送する必要があるものの、エリアセンサと比較して、同一の解像度で画像を読み取るために必要なセル数が大幅に少なくて済み、画素欠陥の無いセンサを入手することも容易であるので、低コストで済むと共に画素欠陥を補正する補正回路を設ける必要がなくなるか、又は補正回路の構成が非常に簡単で済む。
【0017】
また予備読取制御手段は、写真フィルム上の画像部及び非画像部を区別することなく写真フィルムを末尾まで順に読み取る予備読み取りが所定の読取条件で行われるように、少なくとも光源部、搬送手段及びラインセンサを制御する。予備読み取りは写真フィルム上の画像部(画像が記録されている部分)及び非画像部(画像が記録されていない部分)を区別することなく読み取るので、写真フィルム上の各画像の記録位置を判定しながら写真フィルム上の画像部のみを読み取る場合と比較して、写真フィルムを高速で搬送して読み取りを行うことができ、予備読み取りに要する時間を短縮することができる。
【0018】
写真フィルム上の各画像の記録位置の判定は、予備読み取りが行われることで順次得られる予備読み取りの結果に基づいて判定手段により予備読み取りと並行して順次行われ、読取条件設定手段は、予備読み取りが行われることで順次得られる予備読み取りの結果及び予備読み取りと並行して順次得られる写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて、本読み取りを行う際の読取条件を各画像毎に順次設定することを、予備読み取りと並行して行う。そして本読取制御手段は、写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づき、写真フィルムに記録された各画像を読取条件設定手段によって設定された読取条件で読み取る本読み取りが行われるように、少なくとも光源部、搬送手段及びラインセンサを制御する。
【0019】
従って、単一のラインセンサによって画像の予備読み取り及び本読み取りが行われるので、予備読み取り用のセンサと本読み取り用のセンサを各々設けることでコストが嵩むことを回避できると共に、画像の予備読み取りを行う場合と本読み取りを行う場合とで写真フィルムの搬送速度が大きく異なっていたとしても、速度差を吸収するためのフィルムバッファ等を設ける必要はなく、装置の構成が複雑になることを防止できると共に装置を小型化できる。
【0020】
また、画像読み取りにおける読取条件には、写真フィルムに照射される光の各成分色光毎の光量、写真フィルムの搬送速度、及びラインセンサによる画像読み取りの1周期の長さ等が含まれる。写真フィルムに照射される光の各成分色光毎の光量は光源部を制御することで変更することができる。また、写真フィルムの搬送速度は搬送手段を制御することで変更することができ、ラインセンサによる画像読み取りの1周期の長さはラインセンサを制御することで変更することができる。
【0021】
一般に、ラインセンサを含む画像読取センサは、画像読み取りの1周期の間に入射される光量の積算値が許容値を越えると出力が飽和し、前記光量の積算値が非常に小さいと画像の濃淡を精度良く表す出力が得られないという特性を有している。これに対し請求項1の発明では、読取対象画像の画像特徴量が未知である画像の予備読み取り時には所定の読取条件で読み取りを行うが、予備読み取りの結果から読取対象画像の画像特徴量が既知となる画像の本読み取り時には、読取条件設定手段によって設定された読取条件で読み取りを行う。
【0022】
読取条件設定手段は、例えば予備読み取りの結果、読取対象画像の濃度が全体的に低いことが判明した等の場合には、写真フィルムに照射される光の各成分色光毎の光量を全体的に低くするか、又は写真フィルムの搬送速度を速くするか、又はラインセンサによる画像読み取りの1周期の長さを短くするか、又は上記を組み合わせた読取条件を設定する。これにより、画像の本読み取りにおいて、ラインセンサの出力の飽和等が生ずることなく高精度に画像を読み取ることができる。
【0023】
また読取条件設定手段は、例えば予備読み取りの結果、読取対象画像の濃度が全体的に高いことが判明した等の場合には、写真フィルムに照射される光の各成分色光毎の光量を全体的に高くするか、又は写真フィルムの搬送速度を遅くするか、又はラインセンサによる画像読み取りの1周期の長さを長くするか、又は上記を組み合わせた読取条件を設定する。これにより、画像の本読み取りにおいて、充分な入射光量により高精度に画像を読み取ることができる。
【0024】
また読取条件設定手段は、例えば予備読み取りの結果、読取対象画像の特定の成分色の濃度が高い又は低いことが判明した等の場合には、写真フィルムに照射される光の前記特定の成分色光の光量を高く又は低くする読取条件を設定する。これにより、画像の本読み取りにいて、前記特定の成分色光の過不足が生ずることなく、画像を各成分色毎に高精度に読み取ることができる。
【0025】
従って請求項1の発明によれば、上述したように、写真フィルムに記録されたフィルム画像を各成分色毎に精度良くかつ高速で読み取ることを、簡易かつ低コストの構成で実現することができる。
【0026】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、画像を表示するための表示手段と、前記予備読み取りと並行して順次得られる前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて、前記予備読み取りの結果から各画像のデータを切り出すことを、前記予備読み取りと並行して行う切り出し手段と、前記切り出し手段によって切り出されたデータを用いて各画像を前記表示手段に表示させることを、前記予備読み取りと並行して行う表示制御手段と、画像の切り出し位置を修正する情報を入力するための入力手段と、を更に備え、前記判定手段は、前記入力手段を介して画像の切り出し位置を修正する情報が入力された場合に、写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果を前記入力された情報に基づいて修正することを特徴としている。
【0027】
請求項2記載の発明では、予備読み取りと並行して順次得られる写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて各画像のデータを切り出すことを、予備読み取りと並行して行い、切り出したデータを用いて各画像を表示手段に表示させることを、予備読み取りと並行して行うので、表示手段に表示された画像をオペレータが視認することで、判定手段による各画像の記録位置の判定結果が適正か否かをオペレータが容易に判断することができる。また判定手段は、画像の切り出し位置を修正する情報が入力された場合に、写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果を修正するので、例えば特定の画像の記録位置の判定結果が適正でないとオペレータが判断した場合、画像の切り出し位置を修正する情報をオペレータが入力すれば、前記特定の画像についての判定手段の判定結果が前記入力された情報に従って自動的に修正される。
【0028】
従って請求項2の発明によれば、例えば写真フィルムに記録された画像のコマエッジが明瞭でない(濃度変化が小さい)等の場合にも、画像の記録位置を確実に判定することができ、画像の本読み取り時に、写真フィルム上の実際に画像が記録されている位置を確実に読み取ることができる。
【0029】
請求項3記載の発明は、請求項1の発明において、前記切り出し手段によって切り出されたデータに基づいて、各画像の本読み取りを行った結果に対する画像処理の処理条件を各画像毎に演算することを、前記予備読み取りと並行して行う処理条件演算手段と、前記処理条件演算手段によって演算された処理条件に従って、各画像の本読み取りを行った結果に対して画像処理を行う画像処理手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、前記切り出し手段によって切り出されたデータを用いて、各画像に対して前記処理条件演算手段によって演算された処理条件で画像処理を行った結果に相当する画像を前記表示手段に表示させ、前記処理条件演算手段は、前記入力手段を介して処理条件を修正する情報が入力された場合に、入力された情報に基づいて処理条件を修正することを特徴としている。
【0030】
請求項3記載の発明では、切り出し手段によって切り出されたデータに基づいて、各画像の本読み取りを行った結果に対する画像処理の処理条件を各画像毎に演算することが、処理条件演算手段によって予備読み取りと並行して行われ、画像処理手段は、各画像の本読み取りを行った結果に対し、演算された処理条件に従って画像処理を行う。写真フィルムに記録される画像の画質は画像を撮影記録する際の撮影条件等の影響を大きく受け、写真フィルム上に画質が適正でない画像が記録されていることも多い。これに対し、上記のように各画像毎に画像処理の処理条件を演算し、各画像の本読み取りを行った結果に対して前記処理条件に従って画像処理を行うことにより、適正な画質で記録された画像を読み取ったに等しいデータを得ることが可能となる。しかしながら、処理条件演算手段によって常に適切な処理条件が演算されるとは限らず、画像によっては適切な処理条件を演算によって得ることが困難な場合もある。
【0031】
これに対し、請求項3の発明に係る表示制御手段は、切り出し手段によって切り出されたデータを用い、各画像に対して処理条件演算手段によって演算された処理条件で画像処理を行った結果に相当する画像を表示手段に表示させる。これにより、表示手段に表示された画像をオペレータが視認し、その画質を確認することで、処理条件演算手段によって演算された処理条件が適切か否かをオペレータが容易に判断することができる。また処理条件演算手段は、入力手段を介して処理条件を修正する情報が入力された場合に、入力された情報に基づいて処理条件を修正するので、特定の画像に対して演算された画像処理の処理条件が適切でないとオペレータが判断した場合、処理条件を修正する情報をオペレータが入力すれば、前記特定の画像に対する画像処理の処理条件が自動的に修正されることになる。
【0032】
従って請求項3の発明によれば、例えば画像処理の適切な処理条件を演算によって得ることが困難な画像に対しても、適切な処理条件を確実に設定することができ、画像の本読み取りを行った結果に対し、常に適切な処理条件で画像処理を行うことができる。
【0033】
なお、本発明に係る光源部は、例えば請求項4に記載したように、光源と、光源から射出された光の光量を調整可能な調光手段と、光源から射出された光を拡散させる光拡散手段と、を含んで構成することができる。これにより、光源部から射出される各成分色光毎の光量を調光手段によって任意に調整することが可能となる。また、光源部から射出される光は、光拡散手段による拡散によって光量のむらが低減されて光量が略均一となるので、前記光量のむらの影響でラインセンサによる画像の読み取りの精度が低下することを防止することができる。
【0034】
なお、上記の調光手段は、光源から射出された光の光量を各成分色光毎に調整可能としてもよく、この場合、例えば特定の成分色光を減光する調光フィルタを各成分色毎に設け、光源から射出された光の光路への挿入量を各調光フィルタ毎に調節する構成が考えられる。しかし、この構成では、調光フィルタによって調光された光を光拡散手段によって拡散させても色むら(各成分色光毎の光量のむら)を完全に除去することは困難である。画像の色むらは視認され易いので、ラインセンサが画像を読み取ることによって得られたデータを用いて記録材料に画像を記録したとすると、記録画像上で色むらが視認される。このため、光源から射出された光の光量を各成分色光毎に調整可能に調光手段を構成する場合、特定の成分色光に対する減光率が互いに異なる複数のフィルタが取り付けられ複数のフィルタの何れかが光源から射出された光の光路上に位置するように配置されたターレットと、光源から射出された光の光量を調整する絞りと、で構成することが好ましい。
【0035】
これにより、ターレットを回転させて光路上に位置しているフィルタを変更することで、特定の成分色光の光量と他の成分色光の光量との比率を調整することができ、絞りによって全体的な光量を調整することができる。上記構成ではターレットに取付けられたフィルタを光路上に位置させ、該フィルタによって特定の成分色光の光量と他の成分色光の光量との比率を調整するので、原理的に色むらが発生しない。従って、光源から射出された光の光量を各成分色光毎に調整可能に調光手段を構成する場合にも、各成分色光の光量を、空間的に色むらが生ずることなく均一に調整することができる。
【0036】
また、画像を各成分色に分解して読み取るラインセンサとしては、3個のラインセンサを設け、写真フィルムと各ラインセンサとの間に、入射光を各成分色光に分解し各色毎に異なる方向に射出する色分解プリズムを配置することで実現できるが、色分解プリズムは高価であり、画像読取装置のコストアップに繋がると共に、色分解プリズム及び各ラインセンサの取付けに際し、高い位置精度が要求されるという欠点がある。このため、ラインセンサとして3ラインカラーCCDセンサを用いることが好ましい。3ラインカラーCCDセンサは、3個のラインセンサが間隔を隔てて配列された状態で一体化され、各ラインセンサの光入射側に互いに異なる成分色の色分解フィルタが設けられて構成される。これにより、色分解プリズムが不要になると共にセンサの取付けも容易になるので、画像読取装置をより低コストに構成することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下では、まず本実施形態に係るディジタルラボシステムについて説明する。
【0038】
(システム全体の概略構成)
図1には本実施形態に係るディジタルラボシステム10の概略構成が示されており、図2にはディジタルラボシステム10の外観が示されている。図1に示すように、このラボシステム10は、ラインCCDスキャナ14、画像処理部16、レーザプリンタ部18、及びプロセッサ部20を含んで構成されており、ラインCCDスキャナ14と画像処理部16は、図2に示す入力部26として一体化されており、レーザプリンタ部18及びプロセッサ部20は、図2に示す出力部28として一体化されている。
【0039】
ラインCCDスキャナ14は、ネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真フィルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、及び透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象とすることができる。ラインCCDスキャナ14は、上記の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、画像データを出力する。
【0040】
画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14から出力された画像データ(スキャン画像データ)が入力されると共に、デジタルカメラでの撮影によって得られた画像データ、フィルム画像以外の原稿(例えば反射原稿等)をスキャナで読み取ることで得られた画像データ、コンピュータで生成された画像データ等(以下、これらをファイル画像データと総称する)を外部から入力する(例えば、メモリカード等の記憶媒体を介して入力したり、通信回線を介して他の情報処理機器から入力する等)ことも可能なように構成されている。
【0041】
画像処理部16は、入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとしてレーザプリンタ部18へ出力する。また、画像処理部16は、画像処理を行った画像データを画像ファイルとして外部へ出力する(例えばメモリカード等の記憶媒体に出力したり、通信回線を介して他の情報処理機器へ送信する等)ことも可能とされている。
【0042】
レーザプリンタ部18はR、G、Bのレーザ光源を備えており、画像処理部16から入力された記録用画像データに応じて変調したレーザ光を印画紙に照射して、走査露光によって印画紙に画像を記録する。また、プロセッサ部20は、レーザプリンタ部18で走査露光によって画像が記録された印画紙に対し、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理を施す。これにより、印画紙上に画像が形成される。
【0043】
(ラインCCDスキャナの構成)
次にラインCCDスキャナ14の構成について説明する。図3にはラインCCDスキャナ14の光学系の概略構成が示されている。ラインCCDスキャナ14は入力部26の作業テーブル27の下方に配置された光源部30を備えている。光源部30は金属製のケーシング31内に収容されており、ケーシング31内の向かって右側(図3(A)参照)には、ハロゲンランプやメタルハライドランプ等から成るランプ32が配置されている。なお光源部30は本発明の光源部に対応しており、ランプ32は請求項4に記載の光源に対応している。
【0044】
ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設けられており、ランプ32から射出された光の一部はリフレクタ33によって反射され、一定の方向(図3(A)における左側)へ射出される。リフレクタ33の光射出側と反対側にはファン34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となることを防止する。リフレクタ33の光射出側には、リフレクタ33からの射出光の光軸に沿って、紫外域及び赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の温度上昇を防止し読取精度を向上させるUV/IRカットフィルタ35(紫外光・赤外光遮断手段)、ターレット36、37、絞り39、光拡散ボックス40が順に設けられている。
【0045】
図4(A)にも示すように、ターレット36には孔36Aが複数穿設されており、1つの孔36Aを除く残りの孔36Aには、R、G、Bのうちの特定の成分色の光を減光すると共に前記特定の成分色(以下、第1成分色という)の光に対する減光率が互いに異なる調光フィルタ41が各々嵌め込まれている。ターレット37はターレット36と略同一の構成とされているが、ターレット37の孔には、前述の調光フィルタ41と異なる成分色(以下、第2成分色という)の光を減光する調光フィルタが嵌め込まれている。ターレット36、37は、複数の孔の何れかが光軸上に位置し、かつ回転されることで光軸上に位置する孔が順次切り替わるように配置されている。
【0046】
絞り39は光軸を挟んで配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスライド移動可能とされている。図4(B)に示すように、絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成されている側が対向するように配置されている。
【0047】
上記構成では、ターレット36の複数の孔の何れが光軸上に位置しているかによって第1成分色の光と他の成分色の光との光量の割合が変化し、ターレット37の複数の孔の何れが光軸上に位置しているかによって第2成分色の光と他の成分色の光との光量の割合が変化し、絞り39の位置によって絞り39を通過する光の光量が変化する。従って、ターレット36、37及び絞り39を透過して射出される各成分色光の光量は、ターレット36、37及び絞り39により、空間的に色むらが生ずることなく均一に調整することができる。このように、ターレット36、37及び絞り39は請求項4に記載の調光手段に対応している。
【0048】
光拡散ボックス40は、中間部が直角に屈曲された略L字状とされており、屈曲部の内部には、光拡散ボックス40内部に入射された光を90°異なる方向に射出する全反射ミラーが設けられている。光拡散ボックス40は、光射出口が、作業テーブル27上にセットされるフィルムキャリア38(詳細は後述)によって搬送される写真フィルム22の搬送方向に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)を長手方向とする偏平な矩形状とされている(図3(A)及び(B)参照)と共に、写真フィルム22の幅方向に沿った寸法が、前記屈曲部から光射出口に向けてテーパ状に徐々に大きくされている。また、光拡散ボックス40の光入射側及び光射出側には光拡散板42A、42Bが各々取付けられている。
【0049】
従って、光拡散ボックス40に入射された光は、フィルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向けて光路が90°屈曲されると共に、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリット光とされ、更に光拡散板42A、42Bによって拡散光とされて射出される。このように、光拡散ボックス40から射出される光が拡散光とされることにより、写真フィルム22に照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくなる。このように、光拡散ボックス40、光拡散板42A、42Bは請求項4に記載の光拡散手段に対応している。
【0050】
なお、上述した光拡散ボックス40の形状に加えて、更に、写真フィルム22の長手方向に沿った光拡散ボックス40の寸法が前記屈曲部から光射出口に向けてテーパ状に徐々に小さくなるように光拡散ボックス40を成形するようにしてもよい。
【0051】
作業テーブル27を挟んで光源部30の反対側には、読取部43が、ケーシング44内部に収容された状態で配置されている。作業テーブル27には支持フレーム45が立設されており、ケーシング44は作業テーブル27と接近離間する方向にスライド移動可能に支持フレーム45に支持されている。ケーシング44の内部には載置台47が設けられており、載置台47からは支持レール49が複数本垂下されている。支持レール49には作業テーブル27と接近離間する方向にスライド移動可能にレンズユニット50が支持されている。
【0052】
レンズユニット50は複数枚のレンズから成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。なお、レンズユニット50は本発明の結像手段に対応している。図4(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51Aは光軸の周囲に均等に配置され一端部がピンに軸支されており、ピンを中心として回動可能とされている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸を中心として絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0053】
載置台47の上面にはラインCCD116が取付けられている。ラインCCD116は、CCDセル及びフォトダイオード等の光電変換素子が一列に多数配置されかつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部が、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられており、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けられて構成されている(所謂3ラインカラーCCD)。また、各センシング部の近傍には、多数のCCDセルから成る転送部が各センシング部に対応して各々設けられており、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0054】
このように、ラインCCD116は本発明のラインセンサに対応している。3ラインカラーCCDセンサは色分解プリズムを設ける必要がなく、取付けも容易であるので、ラインCCDスキャナ14の低コスト化を実現できる。
【0055】
またラインCCD116の光入射側には、ラインCCD116の暗補正用のCCDシャッタ52が設けられている。なお、このCCDシャッタ52にはNDフィルタが取付けられており(図示省略)、ラインCCD116に入射される光を遮光する全閉状態、ラインCCD116に光を入射させる全開状態、ラインCCD116に入射される光をNDフィルタによって減光する減光状態の何れかに切り替わるようになっている。
【0056】
図5にはラインCCDスキャナ14の電気系の概略構成が示されている。ラインCCDスキャナ14は、ラインCCDスキャナ14全体の制御を司るマイクロプロセッサ46を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス62を介してRAM64(例えばSRAM)、ROM66(例えば記憶内容を書換え可能なROM)が接続されていると共に、ランプドライバ53及びモータドライバ48が接続されている。ランプドライバ53は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させる。
【0057】
またモータドライバ48には、ターレット36、37の複数の孔のうちの任意の孔が光軸上に位置するようにターレット36、37を互いに独立に回転駆動するターレット駆動モータ54、ターレット36、37の位置(回転角度)を検出するターレット位置センサ55、絞り39をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の位置を検出する絞り位置センサ57、読取部43を収容したケーシング44を支持フレーム45に沿ってスライド移動させる読取部駆動モータ58、ケーシング44(すなわち読取部43)の位置を検出する読取部位置センサ59、レンズユニット50を支持レール49に沿ってスライド移動させるレンズ駆動モータ60、レンズユニット50の位置を検出するレンズ位置センサ61、レンズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64が接続されている。
【0058】
マイクロプロセッサ46は本発明の予備読取制御手段及び本読取制御手段に対応しており、ラインCCD116によるプレスキャン(予備読み取り)及びファインスキャン(本読み取り)を行う際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ57によって検出されるターレット36、37及び絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレット36、37を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に照射される光の光量を各成分色光毎に調節する。
【0059】
またマイクロプロセッサ46は、フィルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じてズーム倍率を決定し、フィルム画像が前記決定したズーム倍率でラインCCD116によって読み取られるように、読取部位置センサ59によって検出されるケーシング44の位置に基づき読取部駆動モータ58によってケーシング44をスライド移動させると共に、レンズ位置センサ61によって検出されるレンズユニット50の位置に基づきレンズ駆動モータ60によってレンズユニット50をスライド移動させる。
【0060】
なお、ラインCCD116の受光面をレンズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致させる合焦制御(オートフォーカス制御)を行う場合、マイクロプロセッサ46は、読取部駆動モータ58によりケーシング44のみをスライド移動させる。この合焦制御は、一例としてラインCCD116によって読み取られたフィルム画像のコントラストが最大となるように行う(所謂画像コントラスト法)ことができるが、これに代えて写真フィルムとレンズユニット50(又はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定する距離センサを設け、フィルム画像のデータに代えて距離センサによって検出された距離に基づいて行うようにしてもよい。
【0061】
一方、ラインCCD116にはタイミングジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネレータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変換器82等を動作させるための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生する。ラインCCD116の信号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラインCCD116から出力された信号は、増幅器76で増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換される。
【0062】
A/D変換器82の出力端は、相関二重サンプリング回路(CDS)88を介してインタフェース(I/F)回路90に接続されている。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算する。そして、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力する。
【0063】
なお、ラインCCD116からはR、G、Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画像データとしてR、G、Bの画像データが並列に出力される。
【0064】
(フィルムキャリアの構成)
次に図6を参照し、作業テーブル27上にセットされるフィルムキャリア38(本発明の搬送手段)の構成について説明する。なお、図6には一例として135サイズの写真フィルム22用のフィルムキャリアを示している。
【0065】
フィルムキャリア38は、上蓋302Aとベース302Bとで構成される略箱型の筐体302を備えており、この筐体302の中に、後述するフィルム搬送に係る各種部材が収納されている。筐体302の一方の端部には写真フィルム22を挿入するための挿入口304が設けられており、他方の端部には写真フィルム22を収納するための収納部306が設けられている。また筐体302は、開放スイッチ308を操作することで上蓋302Aとベース302Bとの係合が解除される構成であり、前記係合が解除された状態で、開放スイッチ308と反対側に設けられた図示しないヒンジを中心として上蓋302Aを略上方へ回動させることも可能とされている。
【0066】
筐体302の内部には、前述した挿入口304から収納部306に至るフィルム搬送路に沿って、写真フィルム22の先端を検出する先端検出センサ310、搬送ローラ対312、写真フィルム22の表面からゴミを除去するゴミ取り用ローラ対314、パーフォレーションを検出するパーフォセンサ316、搬送ローラ対318、写真フィルム22に照射されるスリット光のうちフィルム画像のサイズに応じた範囲を遮光する遮光装置320、及び搬送ローラ対322が順に設置されている。搬送ローラ対312、318、322は、各々図6において下側に位置しているローラ312A、318A、322Aが駆動ローラとされており、上側に位置しているローラ312B、318B、322Bが従動ローラとされている。
【0067】
搬送ローラ対318、322は本発明に係る搬送手段のローラに対応しており、ラインCCD116による写真フィルム22の読取位置を挟んで両側に設けられている。
【0068】
また、筐体302の内部には、駆動ローラ312A、318A、322Aの駆動力源であるパルスモータ324が設置されており、このパルスモータ324の駆動軸にはプーリー326が取付けられている。プーリー326には無端ベルト328が巻掛けられており、この無端ベルト328は駆動ローラ322Aの回転軸に取付けられたプーリー330にも巻き掛けられている。従って、パルスモータ324の駆動力はプーリー326、無端ベルト328、プーリー330を介して駆動ローラ322Aに伝達される。
【0069】
また、駆動ローラ322Aの回転軸にはプーリー332が取付けられており、このプーリー332には無端ベルト334が巻掛けられている。無端ベルト334は駆動ローラ318Aの回転軸に取付けられたプーリー336にも巻掛けられており、パルスモータ324の駆動力は、プーリー332、無端ベルト334、プーリー336を介して駆動ローラ318Aにも伝達される。また、駆動ローラ318Aの回転軸にはプーリー338が取付けられており、このプーリー338には無端ベルト340が巻掛けられている。無端ベルト340は駆動ローラ312Aの回転軸に取付けられたプーリー342にも巻掛けられており、パルスモータ324の駆動力は、プーリー338、無端ベルト340、プーリー342を介して駆動ローラ312Aにも伝達される。
【0070】
更に、筐体302の内部にはモータ344、346、348が設置されている。モータ344の駆動軸には円板350が偏心された状態で取付けられており、円板350の外縁付近の所定位置には、従動ローラ322Bを上下動させるための連結部材352の一端が回動可能に軸支されている。連結部材352は支軸354を中心に回転可能に支持されており、該連結部材352の他端側には従動ローラ322Bが回転可能に軸支されている。このため、モータ344の駆動力により円板350が矢印C方向に若干回転すると、連結部材352の上部(従動ローラ322Bの軸支部)は支軸354を中心に矢印D方向に若干回転し、従動ローラ322Bが駆動ローラ322Aから若干離間する。
【0071】
同様に、モータ348の駆動軸には円板356が偏心された状態で取付けられており、円板356の外縁付近の所定位置には、従動ローラ318Bを上下動させるための連結部材358の一端が固定されている。この連結部材358は支軸360を中心に回転可能に軸支されており、該連結部材358の他端側には従動ローラ318Bが回転可能に軸支されている。このため、モータ348の駆動力により円板356が矢印E方向に若干回転すると、連結部材358の上部(従動ローラ318Bの軸支部)は支軸360を中心に矢印F方向に若干回転し、従動ローラ318Bが駆動ローラ318Aから若干離間する。
【0072】
ところで、搬送ローラ対318、322間の略中央部は写真フィルム22の読取位置とされており、上蓋302Aには読取位置の直上に細長い開口302Cが設けられている。なお、図示は省略したが、ベース302Bにも読取位置の直下に、光源部30から射出されたスリット光が通過するための同様の開口が設けられており、図3に示すようにフィルムキャリア38によって搬送される写真フィルム22に対し、読取位置において下方からスリット光が照射され、写真フィルム22を透過した光が、フィルムキャリア38の上方に位置している読取部43に入射されるようになっている。
【0073】
また、前述した遮光装置320は、図7に示すように、読取位置を通過する写真フィルム22に照射されるスリット光のうち各フィルム画像のサイズに応じた範囲を遮光するものであり、写真フィルム22の搬送路を挟んで一対設けられている(図6では手前側の遮光装置のみを示している)。この遮光装置320は、図6に示すようにモータ346、歯車362、364、及び歯車364の回転軸に取付けられたカム状の遮光板366を含んで構成されており、例えば、パノラマサイズのフィルム画像を読み取る場合は、図7に示すように、モータ346の駆動力により遮光板366を実線の位置まで回転させる。また、標準サイズ(所謂Lサイズ)のフィルム画像を読み取る場合は、遮光板366を図7の点線の位置まで回転させる。このように読取対象外の領域を遮光することにより、ラインCCD116(図3参照)で蓄積電荷の飽和が生ずることを防止している。
【0074】
上述したように、フィルムキャリア38は搬送ローラ対312、318、322によって写真フィルムを挟持して搬送する構成であるので、オペレータが挿入口304に写真フィルム22の先端を挿入すれば、先端検出センサ310によって写真フィルム22の先端が検出され、このタイミングで搬送ローラ対312、318、322を回転駆動することで写真フィルム22を挟持搬送することができ、写真フィルム22に記録された各フィルム画像を読取位置に順に位置させることができる。従って、大量の写真フィルム22に記録されたフィルム画像を各々読み取る場合にも、オペレータに負担がかかることはない。
【0075】
なお、上記では135サイズの写真フィルムを搬送するためのフィルムキャリア38を例に説明したが、1コマ毎にスライド用のホルダに保持されたスライドフィルム(リバーサルフィルム)やAPSフィルムについては、各々専用のフィルムキャリアが用意されており(APSフィルム用のフィルムキャリアは磁気層に磁気記録された情報を読み取る磁気ヘッドを有している)、これらのフィルムキャリアを作業テーブル27上にセットすることにより、前述した各種写真フィルムを読取位置に搬送してラインCCD116によってフィルム画像を読み取ることも可能とされている。
【0076】
(画像処理部の構成)
次に画像処理部16の構成について図8を参照して説明する。画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14に対応してラインスキャナ補正部122が設けられている。ラインスキャナ補正部122は、ラインCCDスキャナ14から並列に出力されるR、G、Bの画像データに対応して、暗補正回路124、欠陥画素補正部128、及び明補正回路130から成る信号処理系が3系統設けられている。
【0077】
暗補正回路124は、ラインCCD116の光入射側がCCDシャッタ52により遮光されている状態でラインCCDスキャナ14から入力されたデータ(ラインCCD116のセンシング部の各セルの暗出力レベルを表すデータ)を各セル毎に記憶しておき、ラインCCD116が写真フィルム22を読み取ることによってラインCCDスキャナ14から入力された画像データから、各画素毎に対応するセルの暗出力レベルを減ずることによって補正する。
【0078】
また、ラインCCD116の光電変換特性は各セル単位でのばらつきもある。欠陥画素補正部128の後段の明補正回路130では、ラインCCDスキャナ14に画面全体が一定濃度の調整用のフィルム画像がセットされている状態で、ラインCCD116で前記調整用のフィルム画像を読み取ることによりラインCCDスキャナ14から入力された調整用のフィルム画像の画像データ(この画像データが表す各画素毎の濃度のばらつきは各セルの光電変換特性のばらつきに起因する)に基づいて各セル毎にゲインを定めておき、ラインCCDスキャナ14から入力された読取対象のフィルム画像の画像データを、各セル毎に定めたゲインに応じて各画素毎に補正する。
【0079】
一方、調整用のフィルム画像の画像データにおいて、特定の画素の濃度が他の画素の濃度と大きく異なっていた場合には、ラインCCD116の前記特定の画素に対応するセルには何らかの異常があり、前記特定の画素は欠陥画素と判断できる。欠陥画素補正部128は調整用のフィルム画像の画像データに基づき欠陥画素のアドレスを記憶しておき、ラインCCDスキャナ14から入力された読取対象のフィルム画像の画像データのうち、欠陥画素のデータについては周囲の画素のデータから補間してデータを新たに生成する。なお、ラインCCDはエリアCCDと比較してCCDセルの数が少ないので、欠陥画素補正部128は簡単な構成で済む。
【0080】
また、ラインCCD116は3本のライン(CCDセル列)が写真フィルム22の搬送方向に沿って所定の間隔を空けて順に配置されているので、ラインCCDスキャナ14からR、G、Bの各成分色の画像データの出力が開始されるタイミングには時間差がある。ラインスキャナ補正部122は、フィルム画像上で同一の画素のR、G、Bのデータが同時に出力されるように、各成分色毎に異なる遅延時間で画像データ出力タイミングの遅延を行う。
【0081】
ラインスキャナ補正部122の出力端はセレクタ132の入力端に接続されており、補正部122から出力されたデータはセレクタ132に入力される。また、セレクタ132の入力端は入出力コントローラ134のデータ出力端にも接続されており、入出力コントローラ134からは、外部から入力されたファイル画像データがセレクタ132に入力される。セレクタ132の出力端は入出力コントローラ134、イメージプロセッサ部136A、136Bのデータ入力端に各々接続されている。セレクタ132は、入力された画像データを、入出力コントローラ134、イメージプロセッサ部136A、136Bの各々に選択的に出力可能とされている。
【0082】
イメージプロセッサ部136Aは、メモリコントローラ138、イメージプロセッサ140、3個のフレームメモリ142A、142B、142Cを備えている。フレームメモリ142A、142B、142Cは各々1フレーム分のフィルム画像の画像データを記憶可能な容量を有しており、セレクタ132から入力された画像データは3個のフレームメモリ142の何れかに記憶されるが、メモリコントローラ138は、入力された画像データの各画素のデータが、フレームメモリ142の記憶領域に一定の順序で並んで記憶されるように、画像データをフレームメモリ142に記憶させる際のアドレスを制御する。
【0083】
イメージプロセッサ140は、フレームメモリ142に記憶された画像データを取込み、階調変換、色変換、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う。なお、上記の画像処理の処理条件は、オートセットアップエンジン144(後述)によって自動的に演算され、演算された処理条件に従って画像処理が行われる。イメージプロセッサ140は入出力コントローラ134に接続されており、画像処理を行った画像データは、フレームメモリ142に一旦記憶された後に、所定のタイミングで入出力コントローラ134へ出力される。なお、イメージプロセッサ部136Bは、上述したイメージプロセッサ部136Aと同一の構成であるので説明を省略する。
【0084】
ところで、本実施形態では個々のフィルム画像に対し、ラインCCDスキャナ14において異なる解像度で2回の読み取りを行う。1回目の比較的低解像度での読み取り(以下、プレスキャンという)では、フィルム画像の濃度が極端に低い場合(例えばネガフィルムにおける露光オーバのネガ画像)にも、ラインCCD116で蓄積電荷の飽和が生じないように決定した読取条件(写真フィルム22に照射する光のR、G、Bの各波長域毎の光量、CCDの電荷蓄積時間)でフィルム画像(写真フィルム22)の読み取りが行われる。このプレスキャンによって得られたデータ(プレスキャンデータ)は、セレクタ132から入出力コントローラ134に入力され、更に入出力コントローラ134に接続されたオートセットアップエンジン144に出力される。
【0085】
オートセットアップエンジン144は、CPU146、RAM148(例えばDRAM)、ROM150(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、入出力ポート152を備え、これらがバス154を介して互いに接続されて構成されている。
【0086】
オートセットアップエンジン144は、入出力コントローラ134から入力されたプレスキャンデータに基づいてフィルム画像を判定し、フィルム画像に対応する領域のデータ(プレスキャン画像データ)を抽出する。そして、プレスキャン画像データからフィルム画像の種別(サイズや濃度等)を判定し、コマ位置及び種別をラインCCDスキャナ14に出力すると共に、複数コマ分のフィルム画像のプレスキャン画像データに基づいて、ラインCCDスキャナ14による2回目の比較的高解像度での読み取り(以下、ファインスキャンという)によって得られる画像データ(ファインスキャン画像データ)に対する画像処理の処理条件を演算し、演算した処理条件をイメージプロセッサ部136のイメージプロセッサ140へ出力する。
【0087】
この画像処理の処理条件の演算では、撮影時の露光量、撮影光源種やその他の特徴量から類似のシーンを撮影した複数のフィルム画像が有るか否か判定し、類似のシーンを撮影した複数のフィルム画像が有った場合には、これらのフィルム画像のファインスキャン画像データに対する画像処理の処理条件が同一又は近似するように決定する。
【0088】
なお、画像処理の最適な処理条件は、画像処理後の画像データを、レーザプリンタ部18における印画紙への画像の記録に用いるのか、外部へ出力するのか等によっても変化する。画像処理部16には2つのイメージプロセッサ部136A、136Bが設けられているので、例えば、画像データを印画紙への画像の記録に用いると共に外部へ出力する等の場合には、オートセットアップエンジン144は各々の用途に最適な処理条件を各々演算し、イメージプロセッサ部136A、136Bへ出力する。これにより、イメージプロセッサ部136A、136Bでは、同一のファインスキャン画像データに対し、互いに異なる処理条件で画像処理が行われる。
【0089】
更に、オートセットアップエンジン144は、入出力コントローラ134から入力されたフィルム画像のプレスキャン画像データに基づいて、レーザプリンタ部18で印画紙に画像を記録する際のグレーバランス等を規定する画像記録用パラメータを算出し、レーザプリンタ部18に記録用画像データ(後述)を出力する際に同時に出力する。また、オートセットアップエンジン144は、外部から入力されるファイル画像データに対しても、上記と同様にして画像処理の処理条件を演算する。
【0090】
入出力コントローラ134はI/F回路156を介してレーザプリンタ部18に接続されている。画像処理後の画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合には、イメージプロセッサ部136で画像処理が行われた画像データは、入出力コントローラ134からI/F回路156を介し記録用画像データとしてレーザプリンタ部18へ出力される。また、オートセットアップエンジン144はパーソナルコンピュータ158に接続されている。画像処理後の画像データを画像ファイルとして外部へ出力する場合には、イメージプロセッサ部136で画像処理が行われた画像データは、入出力コントローラ134からオートセットアップエンジン144を介してパーソナルコンピュータ158に出力される。
【0091】
パーソナルコンピュータ158は、CPU160、メモリ162、請求項2に記載の表示手段としてのCRTディスプレイ164(LCDでもよい)及び請求項2に記載の入力手段としてのキーボード166(図2も参照、マウス等のポインティングデバイスでもよい)、ハードディスク168、CD−ROMドライバ170、搬送制御部172、拡張スロット174、画像圧縮/伸長部176を備えており、これらがバス178を介して互いに接続されて構成されている。搬送制御部172はフィルムキャリア38に接続されており、フィルムキャリア38による写真フィルム22の搬送を制御する。また、フィルムキャリア38にAPSフィルムがセットされた場合には、フィルムキャリア38がAPSフィルムの磁気層から読み取った情報(例えばプリントサイズ等)が入力される。
【0092】
また、メモリカード等の記憶媒体に対してデータの読出し/書込みを行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と通信を行うための通信制御装置は、拡張スロット174を介してパーソナルコンピュータ158に接続される。入出力コントローラ134から外部への出力用の画像データが入力された場合には、前記画像データは拡張スロット174を介して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御装置等)に出力される。また、拡張スロット174を介して外部からファイル画像データが入力された場合には、入力されたファイル画像データは、オートセットアップエンジン144を介して入出力コントローラ134へ出力される。この場合、入出力コントローラ134では入力されたファイル画像データをセレクタ132へ出力する。
【0093】
なお、画像処理部16は、プレスキャン画像データ等をパーソナルコンピュータ158に出力し、ラインCCDスキャナ14で読み取られたフィルム画像をディスプレイ164に表示したり、印画紙に記録することで得られる画像を推定してディスプレイ164に表示し、キーボード166を介してオペレータにより画像の修正等が指示されると、これを画像処理の処理条件に反映することも可能とされている。
【0094】
(レーザプリンタ部及びプロセッサ部の構成)
次にレーザプリンタ部18及びプロセッサ部20の構成について説明する。図9には、レーザプリンタ部18の光学系の構成が示されている。レーザプリンタ部18は、レーザ光源210R、210G、210Bの3個のレーザ光源を備えている。レーザ光源210RはRの波長のレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)で構成されている。また、レーザ光源210Gは、LDと、該LDから射出されたレーザ光を1/2の波長のレーザ光に変換する波長変換素子(SHG)から構成されており、SHGからGの波長のレーザ光が射出されるようにLDの発振波長が定められている。同様に、レーザ光源210BもLDとSHGから構成されており、SHGからBの波長のレーザ光が射出されるようにLDの発振波長が定められている。
【0095】
レーザ光源210R、210G、210Bのレーザ光射出側には、各々コリメータレンズ212、音響光学光変調素子(AOM)214が順に配置されている。AOM214は、入射されたレーザ光が音響光学媒質を透過するように配置されていると共に、AOMドライバ216(図10参照)に接続されており、AOMドライバ216から高周波信号が入力されると、音響光学媒質内を前記高周波信号に応じた超音波が伝搬し、音響光学媒質を透過するレーザ光に音響光学効果が作用して回折が生じ、前記高周波信号の振幅に応じた強度のレーザ光がAOM214から回折光として射出される。
【0096】
AOM214の回折光射出側にはポリゴンミラー218が配置されており、各AOM214から回折光として各々射出されたR、G、Bの波長の3本のレーザ光は、ポリゴンミラー218の反射面上の略同一の位置に照射され、ポリゴンミラー218で反射される。ポリゴンミラー218のレーザ光射出側にはfθレンズ220、平面ミラー222が配置されており、ポリゴンミラー218で反射された3本のレーザ光はfθレンズ220を透過し、平面ミラー222で反射されて印画紙224に照射される。
【0097】
図10にはレーザプリンタ部18及びプロセッサ部20の電気系の概略構成が示されている。レーザプリンタ部18は画像データを記憶するフレームメモリ230を備えている。フレームメモリ230はI/F回路232を介して画像処理部16に接続されており、画像処理部16から入力された記録用画像データ(印画紙224に記録すべき画像の各画素毎のR、G、B濃度を表す画像データ)はI/F回路232を介してフレームメモリ230に一旦記憶される。フレームメモリ230はD/A変換器234を介して露光部236に接続されていると共に、プリンタ部制御回路238に接続されている。
【0098】
露光部236は、前述のようにLD(及びSHG)から成るレーザ光源210を3個備えていると共に、AOM214及びAOMドライバ216も3系統備えており、ポリゴンミラー218、ポリゴンミラー218を回転させるモータを備えた主走査ユニット240が設けられている。露光部236はプリンタ部制御回路238に接続されており、プリンタ部制御回路238によって各部の動作が制御される。
【0099】
印画紙224への画像の記録を行う場合、プリンタ部制御回路238は、記録用画像データが表す画像を走査露光によって印画紙224に記録するために、画像処理部16から入力された画像記録用パラメータに基づき、記録用画像データに対して各種の補正を行って走査露光用画像データを生成し、フレームメモリ230に記憶させる。そして、露光部236のポリゴンミラー218を回転させ、レーザ光源210R、210G、210Bからレーザ光を射出させると共に、生成した走査露光用画像データをフレームメモリ230からD/A変換器234を介して露光部236へ出力させる。これにより、走査露光用画像データがアナログ信号に変換されて露光部236に入力される。
【0100】
AOMドライバ216は、入力されたアナログ信号のレベルに応じてAOM214に供給する超音波信号の振幅を変化させ、AOM214から回折光として射出されるレーザ光の強度をアナログ信号のレベル(すなわち、印画紙224に記録すべき画像の各画素のR濃度及びG濃度及びB濃度の何れか)に応じて変調する。従って、3個のAOM214からは印画紙224に記録すべき画像のR、G、B濃度に応じて強度変調されたR、G、Bのレーザ光が射出され、これらのレーザ光はポリゴンミラー218、fθレンズ220、ミラー222を介して印画紙224に照射される。
【0101】
そして、ポリゴンミラー218の回転に伴って各レーザ光の照射位置が図9矢印B方向に沿って走査されることにより主走査が成され、印画紙224が図9矢印C方向に沿って一定速度で搬送されることによりレーザ光の副走査が成され、走査露光によって印画紙224に画像が記録される。走査露光によって画像が記録された印画紙224はプロセッサ部20へ送り込まれる。
【0102】
プリンタ部制御回路238にはプリンタ部ドライバ242が接続されており、プリンタ部ドライバ242には、露光部236に対して送風するファン244、レーザプリンタ部に装填されたマガジンに収納されている印画紙をマガジンから引き出すためのマガジンモータ246が接続されている。また、プリンタ部制御回路238には、印画紙224の裏面に文字等をプリントするバックプリント部248が接続されている。これらのファン244、マガジンモータ246、バックプリント部248はプリンタ部制御回路238によって作動が制御される。
【0103】
また、プリンタ部制御回路238には、未露光の印画紙224が収納されるマガジンの着脱及びマガジンに収納されている印画紙のサイズを検出するマガジンセンサ250、オペレータが各種の指示を入力するための操作盤252(図2も参照)、プロセッサ部20で現像等の処理が行われて可視化された画像の濃度を測定する濃度計254、プロセッサ部20のプロセッサ部制御回路256が接続されている。
【0104】
プロセッサ部制御回路256には、プロセッサ部20の機体内の印画紙搬送経路を搬送される印画紙224の通過の検出や、処理槽内に貯留されている各種の処理液の液面位置の検出等を行う各種センサ258が接続されている。
【0105】
また、プロセッサ部制御回路256には、現像等の処理が完了して機体外に排出された印画紙を所定のグループ毎に仕分けするソータ260(図2参照)、処理槽内に補充液を補充する補充システム262、ローラ等の洗浄を行う自動洗浄システム264が接続されていると共に、プロセッサ部ドライバ266を介して、各種ポンプ/ソレノイド268が接続されている。これらのソータ260、補充システム262、自動洗浄システム264、及び各種ポンプ/ソレノイド268はプロセッサ部制御回路256によって作動が制御される。
【0106】
(作用)
次に本実施例の作用として、まずラインCCDスキャナ14のマイクロプロセッサ46によって実行されるラインスキャナ制御処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0107】
ラインCCDスキャナ14は、一例として次の表1に示すように、「初期状態モード」「プレスキャンモード」「ファインスキャンモード」「パワーセーブモード」「明補正モード」「暗補正モード」「リニアリティ補正モード」の複数のモードが予め定められていると共に、各モードにおけるラインCCDスキャナ14の各部の状態も予め定められている(「ファインスキャンモード」については更にファインスキャンを行うフィルム画像の濃度種別(例えば高濃度/低濃度/パノラマサイズ/超高濃度/標準濃度)毎に各部の状態が定められている)。
【0108】
【表1】
Figure 0003709268
なお、表1では非標準サイズとしてパノラマサイズのみを示しているが、ハイビジョンサイズ等の他のサイズのフィルム画像に対してファインスキャンを行うときの各部の状態についても、別個に定めるようにしてもよい。
【0109】
ラインCCDスキャナ14の電源が投入されると、マイクロプロセッサ46では図11に示すラインスキャナ制御処理を実行し、まずステップ400では「初期状態モード」に移行し、「初期状態モード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわちランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39を全開位置に移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り52を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。
【0110】
次のステップ402ではラインCCD116の暗補正を行うか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ404へ移行し、ラインCCD116の明補正を行うか否か判定する。この判定も否定された場合にはステップ406へ移行し、ラインCCD116のリニアリティ補正を行うか否か判定する。この判定も肯定された場合にはステップ408へ移行し、パワーセーブモードに移行するか否か判定する。この判定も否定された場合にはステップ410へ移行し、フィルム画像の読み取りを行うか否か判定する。ステップ410の判定も否定された場合にはステップ402に戻り、ステップ402〜410を繰り返す。
【0111】
暗補正、明補正及びリニアリティ補正は定期的(例えば1日の始業時等)に行われる。暗補正の実行タイミングが到来すると、ステップ402の判定が肯定されてステップ412へ移行する。ステップ412では「暗補正モード」に移行し、「暗補正モード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわちランプドライバ53によってランプ32を消灯させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全閉位置に移動させる。また、ターレット駆動モータ54によってターレット36、37を全開位置(調光フィルタが嵌め込まれていない孔が光軸上に位置する位置)へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によってケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、絞り駆動モータ56によって絞り39を全開位置に移動させる。更に、暗補正モードであることを画像処理部16に通知する。
【0112】
上記によりラインCCD116に光が入射されない状態となる。画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から入力されたデータ(ラインCCD116からは出力された暗出力に相当する信号がA/D変換されたデータ)をラインCCD116の暗補正用のデータとして記憶する。次のステップ414では暗補正モードを終了するか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。ステップ414の判定が肯定されるとステップ400に戻って初期状態モードに移行した後に、前述のステップ402〜410を繰り返す。
【0113】
また、明補正の実行タイミングが到来すると、ステップ404の判定が肯定されてステップ416へ移行する。ステップ416では「明補正モード」に移行し、「明補正モード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわちランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39を明補正時の位置(P5 )に移動させ、ターレット駆動モータ54によってターレット36、37を全開位置へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によってケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、明補正モードであることを画像処理部16に通知する。
【0114】
これにより画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から入力されたデータに基づいて、ラインCCD116の各セル毎に明補正用のゲインを定める。次のステップ418では明補正モードを終了するか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。ステップ418の判定が肯定されるとステップ400に戻って初期状態モードに移行した後に、前述のステップ402〜410を繰り返す。
【0115】
また、リニアリティ補正の実行タイミングが到来すると、ステップ406の判定が肯定されてステップ420へ移行する。ステップ416では「リニアリティ補正モード」に移行し、「リニアリティ補正モード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわち、ランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39をリニアリティ補正時の位置(P6 )に移動させ、ターレット駆動モータ54によってターレット36、37を全開位置へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によってケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってNDフィルタが光路上に位置するようにCCDシャッタ52を移動させる。また、リニアリティ補正モードであることを画像処理部16に通知する。
【0116】
これにより画像処理部16では、ラインCCDスキャナ14から入力されたデータに基づいて、ラインCCD116の各セル毎にリニアリティ補正用の補正値を定める。次のステップ422ではリニアリティ補正モードを終了するか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。ステップ422の判定が肯定されるとステップ400に戻って初期状態モードに移行した後に、前述のステップ402〜410を繰り返す。
【0117】
また、ラインCCDスキャナ14の電源が投入されたものの、何ら処理が実行されない状態が所定時間以上継続した等の場合には、ステップ408の判定が肯定されてステップ424へ移行する。ステップ416では「パワーセーブモード」に移行し、「パワーセーブモード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわち、ランプドライバ53によってランプ32を消灯させ(低デューティー比で点灯させてもよい)、絞り駆動モータ56によって絞り39を全閉位置に移動させる。これにより、処理の実行を待機している状態でのラインCCDスキャナ14による電力消費が低減される。
【0118】
次のステップ422ではパワーセーブモードを終了するか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。何らかの処理の実行が指示されると、ステップ422の判定が肯定されてステップ400に戻り、初期状態モードに移行した後に前述のステップ402〜410を繰り返す。
【0119】
また、オペレータによってフィルム画像の読み取りが指示されると、ステップ410の判定が肯定されてステップ428へ移行し、読取対象の写真フィルム22がフィルムキャリア38に挿入されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。フィルムキャリア38の挿入口304に読取対象の写真フィルム22の先端が挿入され、これが先端検出センサ310によって検出されると、ステップ428の判定が肯定されてステップ430へ移行し、フィルム画像読取処理が行われる。以下、このフィルム画像読取処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0120】
ステップ450では「プレスキャンモード」に移行し、写真フィルム22に対するプレスキャンが所定の読取条件で行われるように、「プレスキャンモード」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御する。すなわち、ランプドライバ53によってランプ32を点灯させ、絞り駆動モータ56によって絞り39をプレスキャン時の位置(P0 )に移動させ、ターレット駆動モータ54によってターレット36、37を全開位置へ回転させ、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるように読取部駆動モータ58、レンズ駆動モータ60によってケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り駆動モータ62によってレンズ絞り51を全開位置に移動させ、シャッタ駆動モータ64によってCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(ラインCCD116によるライン単位の読取周期(電荷蓄積時間))として最短値であるtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度として最速値である5×vを設定する。従って、写真フィルム22に対するプレスキャンは比較的粗い解像度で高速に行われ、短時間で処理が完了する。
【0121】
次のステップ452ではフィルムキャリア38に対し、所定方向(図6の矢印A方向)への写真フィルム22の搬送を指示し、最速の搬送速度(5×v)で搬送される写真フィルム22をラインCCD116によって最短の読取周期(t)で読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってプレスキャンデータとして画像処理部16へ順次出力するプレスキャンを開始する。次のステップ454では写真フィルム22の末尾までプレスキャンを行ったか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0122】
上述したステップ450〜454は本発明の予備読取制御手段に対応している。このプレスキャン時には、写真フィルム22上でのフィルム画像のコマ位置は未知であるが、プレスキャンではコマ位置の判定等は行わず、写真フィルム22上の画像部と非画像部を区別することなく、写真フィルム22の全面をラインCCD116によって読み取る。
【0123】
また、プレスキャンは写真フィルム22の全面を読み取るので素抜け部も読取範囲に入ると共に、各フィルム画像のサイズ、濃度も未知であり、素抜けに近い低濃度のフィルム画像や、一部が素抜けになっている画像(例えばネガフィルムに記録されたパノラマサイズの画像等)が存在している可能性もあり、ラインCCD116で蓄積電荷の飽和が生ずる恐れがある。このため、プレスキャン時の絞り39の位置(P0 )を全閉状態に近い位置としており、これにより、写真フィルム22上の素抜け部を透過した光がラインCCD116に入射されたときにも、ラインCCD116で蓄積電荷の飽和が生ずることが防止される。
【0124】
一方、ラインCCDスキャナ14でプレスキャンが開始され、ラインCCDスキャナ14から画像処理部16へのプレスキャンデータの入力が開始されると、オートセットアップエンジン144のCPU146では、ラインスキャナ補正部122、セレクタ132を介して入力されたプレスキャンデータをRAM148に順次記憶させると共に、この処理と並行してオートセットアップ処理を行う。以下、このオートセットアップ処理について図13のフローチャートを参照して説明する。
【0125】
ステップ500では、未処理のプレスキャンデータがRAM148に所定量以上蓄積されたか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ502へ移行し、パーソナルコンピュータ158から修正指示(詳細は後述)が入力されたか否か判定する。この判定も否定された場合にはステップ504へ移行し、パーソナルコンピュータ158から検定完了(詳細は後述)が通知されたか否か判定する。この判定も否定された場合にはステップ500へ戻り、何れかの判定が肯定される迄ステップ500〜504を繰り返す。
【0126】
RAM148に未処理のプレスキャンデータが所定量以上蓄積されると、ステップ500の判定が肯定されてステップ506へ移行し、RAM148に蓄積されたプレスキャンデータに基づき、写真フィルム22に記録されているフィルム画像の写真フィルム22の搬送方向に沿った両側(上流側及び下流側)のエッジ位置を各々判定する。このステップ506は本発明の判定手段に対応している。
【0127】
エッジ位置の判定は、たとえ本願出願人が特開平8−304932号公報、特開平8−304933号公報、特開平8−304934号公報、特開平8−304935号公報で提案しているように、プレスキャンデータが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎にフィルム長手方向に沿った濃度変化値を各々演算し、各画素のフィルム長手方向に沿った濃度変化値をフィルム幅方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積算値を比較することで行うことができる。また、写真フィルム22がAPSフィルムであれば、パーフォレーションが穿設されている位置からエッジが存在している可能性がある領域を探索範囲として設定し、該探索範囲内でエッジを探索することで、エッジ位置の判定に要する時間を短縮することも可能である。
【0128】
次のステップ508では、上記で判定したエッジ位置に基づき、パーフォレーションの位置等と対応付けてフィルム画像のコマ位置を判定し、判定したコマ位置をRAM148に記憶する。ステップ510では、上記で判定したエッジ位置又はコマ位置に基づいて、RAM148に記憶されているプレスキャンデータからフィルム画像が記録されている領域のデータ(プレスキャン画像データ)を切り出してRAM148に記憶し(請求項2に記載の切り出し手段に対応)、次のステップ512では切り出したプレスキャン画像データからフィルム画像の所定の画像特徴量を演算する。なお、所定の画像特徴量には、フィルム画像の色バランス値(詳しくは、フィルム画像の各成分色毎の最小濃度値(最大輝度値)の比率)も含まれる。
【0129】
そして、次のステップ514では、演算した画像特徴量に基づいて、フィルム画像の種別(サイズ、濃度種別)及びファインスキャン画像データに対する画像処理の処理条件を演算により設定する。なお、後述するファインスキャンではフィルム画像の種別によって読取条件が切り替わるので、ステップ514の処理のうち、フィルム画像の種別を設定する処理は本発明の読取条件設定手段に対応しており、画像処理の処理条件を設定する処理は請求項3に記載の処理条件演算手段に対応している。
【0130】
なお、読取対象の写真フィルム22が135サイズの写真フィルムであれば、フィルム画像のサイズ(この場合はフィルム画像のフレームサイズ)は、例えば標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲内となり、パノラマサイズ等の非標準サイズのフィルム画像では画像記録範囲外となる所定部分の濃度や色味が、未露光部(ネガフィルムであれば素抜け)に相当する濃度や色味であるか否かに基づいて判定することができる。
【0131】
また、特開平8−304932号公報、特開平8−304933号公報、特開平8−304934号公報、特開平8−304935号公報のように、プレスキャン画像データが表す各画素毎の濃度値に基づき、各画素毎にフィルム幅方向に沿った濃度変化値を各々演算し、各画素のフィルム幅方向に沿った濃度変化値をフィルム長手方向に沿ったライン単位で積算し、各ライン毎の積算値を比較することでフィルム画像のサイズ(アスペクト比)を判定したり、濃度ヒストグラムから閾値を定めて画像を二値化し、画像中の各領域における画像の存在率に基づいて判定したり、前述の所定部分における濃度変化値の分散及び平均値に基づいて判定したり、上記の手法を組み合わせて判定するようにしてもよい。
【0132】
また、読取対象の写真フィルム22がAPSフィルムであれば、フィルム画像のサイズ(この場合はプリントサイズ)は、APSフィルムの磁気層にデータとして磁気記録されているプリントサイズを読み取ることで判定できる。
【0133】
フィルム画像の濃度種別については、例えば平均濃度、最大濃度、最小濃度等を予め定められた所定値と比較することで、低濃度/通常濃度/高濃度/超高濃度等に分類することができる。また、画像処理の処理条件としては、例えば画像の拡大縮小率、ハイパートンやハイパーシャープネス等の画像処理の処理条件(具体的には、画像の超低周波輝度成分に対する階調の圧縮度、画像の高周波成分や中周波成分に対するゲイン(強調度))、階調変換条件等が演算される。
【0134】
上記のようにして単一のフィルム画像について、エッジ位置の判定、プレスキャン画像データの切り出し、種別及び画像処理の処理条件の設定を行うとステップ516へ移行し、所定数(例えば6コマ程度)のフィルム画像に対して上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ520へ移行し、RAM148に蓄積されている未処理のプレスキャンデータの中に他のフィルム画像が含まれているか否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ506に戻り、ステップ506〜520を繰り返す。また、ステップ520の判定が否定されるとステップ500に戻ってステップ500〜504を繰り返す。そして、未処理のプレスキャンデータが再度RAM148に所定量以上蓄積されると、ステップ500の判定が肯定されてステップ506〜520を繰り返す。
【0135】
また、所定数のフィルム画像についてエッジ位置の判定、プレスキャン画像データの切り出し、種別及び画像処理の処理条件の設定を行うとステップ516の判定が肯定され、ステップ518でパーソナルコンピュータ158に対して画像検定処理の実行を指示した後にステップ520へ移行する。これにより、パーソナルコンピュータ158のCPU160は画像検定処理を実行する。この画像検定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0136】
ステップ540では、オートセットアップエンジン144から、所定数のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件を取り込むと共に、読取対象の写真フィルム22上の前記所定数のフィルム画像が記録されている範囲に対応するプレスキャンデータを取り込む。
【0137】
次のステップ542では、先に取り込んだ所定数のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件から、何れか1つのフィルム画像のプレスキャン画像データ及び画像処理の処理条件を取り出し、取り出したプレスキャン画像データに対し、取り出した処理条件に従って所定の画像処理(画像の拡大縮小、階調変換、ハイパートーン処理、ハイパーシャープネス処理等)を行う。この所定の画像処理は、ファインスキャン画像データに対してイメージプロセッサ140で行われる画像処理と等価な画像処理であるが、プレスキャンはファインスキャンよりも低解像度でフィルム画像を読み取るものであり、プレスキャン画像データはファインスキャン画像データよりもデータ量が少ないので、ステップ542における画像処理は比較的短時間で完了する。
【0138】
次のステップ544では、画像処理を行った画像データに対し、画像を表示するディスプレイ164の特性に応じて画像データを補正し、補正後のデータ(シミュレーション画像データ)をメモリ162に一旦記憶する。ステップ546では、所定数のフィルム画像に対して上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ542に戻り、ステップ540でプレスキャン画像データ及び処理条件を取り込んだ所定数の画像のうち、画像処理を未実行のフィルム画像に対してステップ542、544の処理を繰り返す。
【0139】
ステップ546の判定が肯定されるとステップ548へ移行し、先のステップ540で取り込んだプレスキャンデータを用い、例として図15に示すように、読取対象の写真フィルム22上の前記所定数のフィルム画像が記録されている範囲をイメージ302としてディスプレイ164に表示し、次のステップ550では、所定数のフィルム画像のシミュレーション画像データに基づいて、前記所定数のフィルム画像の画像データに対し、オートセットアップエンジン144で設定された処理条件で各々画像処理を行った結果を表す所定数のシミュレーション画像300をディスプレイ164に表示する(図15参照)。上記のステップ540〜550は請求項2及び請求項3に記載の表示制御手段に対応している。
【0140】
なお、図15ではイメージ302として表示している写真フィルム上で、表示しているシミュレーション画像300に対応するフィルム画像を枠304で囲んで明示している。シミュレーション画像の表示は、図15に示した例に限定されるものではなく、オペレータが表示画像の切替えを指示する毎に、所定数のシミュレーション画像を1フレームずつ順次表示するようにしてもよい。また、表示しているシミュレーション画像300に対応するフィルム画像を枠304で囲んで表示することに代えて、周囲の色を変えて表示するようにしてもよい。
【0141】
次のステップ552では、オペレータにシミュレーション画像の検定を要請するメッセージをディスプレイ164に表示する等により、オペレータにシミュレーション画像の検定を要請する。
【0142】
これにより、オペレータはディスプレイ164に表示されているシミュレーション画像を目視で確認し、各種の判定を行って判定結果を入力する検定作業を行う。すなわち、まずオートセットアップエンジン144で判定されたフィルム画像のコマ位置が適正か否かを判定する。コマ位置が適正であると判断した場合にシミュレーション画像の画質が適正か否か(すなわちオートセットアップエンジン144で演算された処理条件が適正か否か)を判定し、画質(処理条件)が適正でないと判定した場合には処理条件をどのように修正すべきかを判断する。
【0143】
そして、表示されている全てのシミュレーション画像のコマ位置及び画質を適正と判定した場合には、検定結果として「検定OK」を表す情報をキーボード166を介して入力し、特定のシミュレーション画像のコマ位置が適正でないと判定した場合には、検定結果として、前記特定のシミュレーション画像のコマ位置をどのように修正するかを指示する情報をキーボード166を介して入力し、特定のシミュレーション画像の画質が適正でないと判定した場合には、検定結果として、前記特定のシミュレーション画像に対応する特定のフィルム画像に対して処理条件の修正を指示する情報をキーボード166を介して入力する。
【0144】
例えば、ストロボを用いて撮影したフィルム画像や逆光のシーンを撮影したフィルム画像はコントラストが過剰に高く、シミュレーション画像上で主要被写体に対して背景のとび、又はつぶれが発生する。このような場合、オペレータは画像中の背景に相当する領域についてのみ階調が圧縮されるように、すなわちハイパートーン処理による画像の超低周波明るさ成分(画像から抽出した超低周波輝度成分の画像における高輝度の領域)の階調の圧縮度合いが高くなるように、処理条件の修正を指示する情報として画像の超低周波輝度成分のうち高輝度のデータに対する強調度の修正を指示する情報を入力する。
【0145】
また、例えばシミュレーション画像上でシャープネスが不足している場合、オペレータはシャープネスが強調されるように、処理条件の修正を指示する情報として画像の高周波成分等に対する強調度の修正を指示する情報を入力する。また、例えばアンダ露光やオーバ露光のフィルム画像は、シミュレーション画像の濃度が全体的に高濃度側又は低濃度側に偏倚したり、シミュレーション画像のコントラストが過剰に低くなる。このような場合、オペレータは、全体的な濃度やコントラストが適正となるように、処理条件の修正を指示する情報として階調変換条件の変換カーブの修正を指示する情報を入力する。
【0146】
次のステップ554では、キーボード166を介してオペレータから検定結果が入力されたか否か判定し、検定結果が入力される迄待機する。検定結果が入力されるとステップ556へ移行し、検定結果として入力された情報の内容を判定する。検定結果として、特定のシミュレーション画像に対応する特定のフィルム画像に対し、コマ位置の修正又は処理条件の修正を指示する情報が入力された場合にはステップ558へ移行し、入力された特定のフィルム画像に対するコマ位置又は処理条件の修正指示をオートセットアップエンジン144へ出力する。そしてステップ560では、オートセットアップエンジン144から前記特定のフィルム画像のコマ位置又は処理条件の修正の完了が通知されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0147】
上記の修正指示が入力されると、オートセットアップエンジン144では、オートセットアップ処理(図13参照)のステップ502の判定が肯定され、ステップ522へ移行する。ステップ522では、パーソナルコンピュータ158から入力された修正指示に応じた修正処理を行う。
【0148】
すなわち、入力された修正指示が特定のフィルム画像のコマ位置を修正する指示であった場合には、特定のフィルム画像のコマ位置を前記修正指示に応じて修正した後に(この処理は請求項2に記載の判定手段に対応している)、先に説明したステップ510〜514と同様に、修正したコマ位置に従ってプレスキャンデータからプレスキャン画像データを再度切り出し、切り出したプレスキャン画像データから所定の画像特徴量を演算し、前記特定のフィルム画像の種別及び画像処理の処理条件を演算により再度設定する。上記のようにコマ位置を修正することで、ファインスキャン時に写真フィルム22上の画像部を確実に読み取ることができる。
【0149】
また、入力された修正指示が特定のフィルム画像の処理条件を修正する指示であった場合には、前記特定のフィルム画像の処理条件の修正のみを行う。例えば処理条件の修正指示が、特定の周波数成分に対する強調度を修正する指示であれば、画像処理の処理条件のうち、該当する周波数成分に対する強調度を修正し、処理条件の修正指示が、階調変換条件の変換カーブを修正する指示であれば、画像処理の処理条件のうち、階調変換条件が表す変換カーブを、修正指示に応じて全体的又は部分的に修正する。この処理は請求項3に記載の処理条件演算手段に対応している。これにより、各フィルム画像に対して適切な処理条件を確実に設定することができる。
【0150】
上記のようにしてコマ位置又は処理条件の修正を完了すると、ステップ524において、修正した処理条件をRAM148等に記憶すると共に、特定のフィルム画像に対するコマ位置又は処理条件の修正の完了をパーソナルコンピュータ158に通知し、ステップ500に戻ってステップ500〜504を繰り返す。
【0151】
上記のようにしてオートセットアップエンジン144からコマ位置又は処理条件の修正の完了が通知されると、パーソナルコンピュータ158では、画像検定処理(図14参照)のステップ560の判定が肯定されてステップ562へ移行し、コマ位置又は処理条件の修正が行われた特定のフィルム画像のプレスキャン画像データ及び処理条件をオートセットアップエンジン144から取り込み、ステップ542に戻る。
【0152】
これにより、コマ位置又は処理条件の修正が行われた特定のフィルム画像について、ステップ542、544の処理が再度行われ、特定のフィルム画像のシミュレーション画像がディスプレイ164に再表示されることになる。そして、再表示された特定のフィルム画像のシミュレーション画像をオペレータが目視で確認することにより、先に入力した修正指示の内容が適正か否かをオペレータが容易に判断することが可能となる。
【0153】
ステップ542〜562の処理は、オペレータにより、ディスプレイ164に表示されている全てのシミュレーション画像のコマ位置及び画質が各々適正と判定され、検定結果として「検定OK」を表す情報が入力される迄(ステップ556の判定が肯定される迄)繰り返され、表示しているシミュレーション画像に対応する各フィルム画像のコマ位置や処理条件がオペレータからの指示に応じて修正される。そして、オペレータからキーボード166を介して「検定OK」を表す情報が入力され、ステップ556の判定が肯定されると、ステップ564へ移行してオートセットアップエンジン144に対して検定処理の完了を通知する。上記により所定数のフィルム画像に対する検定処理が完了する。
【0154】
次のステップ566では、検定すべき全てのフィルム画像(読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像)に対して検定処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ540に戻り、ステップ540以降の処理を繰り返す。これにより、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像に対し、所定数のフィルム画像を単位として上記の画像検定処理が行われ、オートセットアップエンジン144で判定されたコマ位置や演算された処理条件が適正か否かが判定されると共に、必要に応じてコマ位置や処理条件が修正されることになる。
【0155】
またオートセットアップエンジン144では、検定完了が通知されると、オートセットアップ処理(図13参照)のステップ504の判定が肯定されてステップ526へ移行し、検定が完了した所定数のフィルム画像について、コマ位置、種別及びステップ512で演算したフィルム画像の色バランス値をラインCCDスキャナ14に通知する。次のステップ528では、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像について処理を完了したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ500に戻り、ステップ500〜504を繰り返す。
【0156】
従って、パーソナルコンピュータ158から検定完了が通知される毎に、ステップ526において、検定が完了した所定数のフィルム画像のコマ位置、種別及び色バランス値がラインCCDスキャナ14に通知される。そして、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像に対する検定処理が完了し、ラインCCDスキャナ14に対して前記全てのフィルム画像のコマ位置、種別及び色バランス値を通知すると、ステップ528の判定が肯定されてオートセットアップ処理を終了する。
【0157】
一方、ラインCCDスキャナ14では、読取対象の写真フィルム22の末尾迄プレスキャンを行うと、フィルム画像読取処理(図12参照)のステップ454が肯定され、ステップ456へ移行する。ステップ456では、画像処理部16のオートセットアップエンジン144から、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像のコマ位置、種別及び色バランス値が通知されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。ステップ456の判定が肯定されるとステップ458へ移行し、フィルム画像のファインスキャンを行うために、フィルムキャリア38に対し所定方向と反対の方向(図6の矢印B方向)への写真フィルム22の搬送を指示する。
【0158】
次のステップ460以降では、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別に適した読取条件で前記フィルム画像のファインスキャンが行われるように、ラインCCDスキャナ14の各部の作動を制御する。すなわちステップ460では、これからファインスキャンを行うフィルム画像(この場合は所定方向と反対の方向への写真フィルム22の搬送で最初に読取位置に到達するフィルム画像)の種別を取り込み、前記フィルム画像の種別が「高濃度コマ」か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ462で「ファインスキャンモード(高濃度コマ)」に移行し、「ファインスキャンモード(高濃度コマ)」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0159】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39を高濃度コマのファインスキャン時の位置(P1 )に移動させ、フィルム画像の色バランス値に応じた調光フィルタが光路上に位置するようにターレット36、37を回転させ(表1ではこのときのターレット36、37の位置を便宜的に「P1 」と表記)、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるようにケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてvを設定する。高濃度のフィルム画像は透過光量が少なく、高濃度のフィルム画像を高ダイナミックレンジで高精度に読み取るために、高濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P1 )は全開に近い位置とされている。
【0160】
また、ステップ460の判定が否定された場合にはステップ464へ移行し、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別が「低濃度コマ」か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ466で「ファインスキャンモード(低濃度コマ)」に移行し、「ファインスキャンモード(低濃度コマ)」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0161】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39を低濃度コマのファインスキャン時の位置(P2 )に移動させ、フィルム画像の色バランス値に応じた調光フィルタが光路上に位置するようにターレット36、37を回転させ(表1ではこのときのターレット36、37の位置を便宜的に「P2 」と表記)、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるようにケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてvを設定する。低濃度のフィルム画像は透過光量が多く、ラインCCD116で蓄積電荷の飽和が生ずることなく低濃度のフィルム画像を読み取るために、低濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P2 )は、絞り39による減光量が比較的大きくなる位置とされている。
【0162】
また、ステップ464の判定が否定された場合にはステップ468へ移行し、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別が「パノラマコマ」か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ470で「ファインスキャンモード(パノラマコマ)」に移行し、「ファインスキャンモード(パノラマコマ)」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0163】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39をパノラマコマのファインスキャン時の位置(P3 )に移動させ、フィルム画像の色バランス値に応じた調光フィルタが光路上に位置するようにターレット36、37を回転させ(表1ではこのときのターレット36、37の位置を便宜的に「P3 」と表記)、レンズユニット50によるズーム倍率が1.3倍となるようにケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51をパノラマコマのファインスキャン時の位置(P1 )に移動させ、CCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてv÷1.3を設定する。パノラマサイズのフィルム画像は記録材料に画像を記録する際の拡大率が大きいため、ズーム倍率を1.3倍、写真フィルム22の搬送速度を1/1.3としており、通常サイズのフィルム画像よりも相対的に細かく読み取るようにしている。
【0164】
また、ステップ468の判定が否定された場合にはステップ472へ移行し、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別が「超高濃度コマ」か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ473で「ファインスキャンモード(超高濃度コマ)」に移行し、「ファインスキャンモード(超高濃度コマ)」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0165】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39を超高濃度コマのファインスキャン時の位置(P4 )に移動させ、フィルム画像の色バランス値に応じた調光フィルタが光路上に位置するようにターレット36、37を回転させ(表1ではこのときのターレット36、37の位置を便宜的に「P4 」と表記)、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるようにケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)として4×tを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてv÷4を設定する。超高濃度のフィルム画像は透過光量が非常に少ないので、超高濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P4 )は略全開位置とされているが、絞り39を略全開にしても透過光量が不足しているので、超高濃度のフィルム画像を高ダイナミックレンジで高精度に読み取るために、更に電子シャッタの作動時間(読取周期)を4倍、写真フィルム22の搬送速度を1/4としており、通常サイズのフィルム画像よりも相対的に低速で読み取るようにしている。
【0166】
また、ステップ472の判定が否定された場合には、ステップ474へ移行し、これからファインスキャンを行うフィルム画像の種別が「標準濃度コマ」か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ475で「ファインスキャンモード(標準濃度コマ)」に移行し、「ファインスキャンモード(標準濃度コマ)」として定められている各部の状態に従って各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0167】
すなわち、ランプ32を点灯させ、絞り39を標準濃度コマのファインスキャン時の位置(P7 )に移動させ、フィルム画像の色バランス値に応じた調光フィルタが光路上に位置するようにターレット36、37を回転させ(表1ではこのときのターレット36、37の位置を便宜的に「P7 」と表記)、レンズユニット50によるズーム倍率が1.0倍となるようにケーシング44及びレンズユニット50をスライド移動させ、レンズ絞り51及びCCDシャッタ52を全開位置に移動させる。また、タイミングジェネレータ74に対し、ラインCCD116の電子シャッタの作動時間(読取周期)としてtを設定し、フィルムキャリア38に対し、写真フィルム22の搬送速度としてvを設定する。なお、標準濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P7 )は、その濃度に対応して、低濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P2 )よりは開いており、高濃度コマのファインスキャン時の絞り39の位置(P1 )よりは閉じている位置とされている。
【0168】
また、ステップ474の判定が否定された場合には、これからファインスキャンを行うフィルム画像は、サイズが標準サイズで、濃度も標準的な濃度範囲に入っていると判断できるので、ステップ476において、標準的な読取条件となるように各部の作動を制御し、ステップ478へ移行する。
【0169】
なお、ターレット36、37を回転させることによる各成分色光の光量の割合の変化は段階的であるので、色バランス値に応じたターレット36、37の回転に加えて、ラインCCD116の電子シャッタの各成分色毎の作動時間を色バランス値に応じて調整するようにしてもよい。これにより、ラインCCD116によるフィルム画像の読み取りにおいて、ラインCCD116に入射される各成分色光の1ライン毎の積算光量が、ラインCCD116の蓄積電荷の飽和が生じない範囲で最大とすることができ、フィルム画像を各成分色毎に高ダイナミックレンジで読み取ることができる。
【0170】
ステップ478では、オートセットアップエンジン144から通知されたコマ位置に基づき、これからファインスキャンを行うフィルム画像のエッジがラインCCD116の読取位置(光軸位置)に到達したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。ステップ478の判定が肯定されるとステップ480へ移行し、読取位置に到達したフィルム画像をラインCCD116によって読み取り、ラインCCD116から出力された信号に対して順次A/D変換を行ってファインスキャンデータとして画像処理部16へ順次出力するファインスキャンを行う。これにより、フィルム画像の種別毎に最適な読取条件で前記フィルム画像のファインスキャンが行われることになる。
【0171】
なお、ラインCCDスキャナ14から画像処理部16に出力されたファインスキャン画像データは、イメージプロセッサ140において、先にオートセットアップエンジン144で演算(及び修正)された処理条件で画像処理が行われ、レーザプリンタ部18へ出力されるか、画像ファイルとして外部へ出力されるか、又はハードディスク168等に記憶される。
【0172】
単一のフィルム画像に対するファインスキャンを完了するとステップ482へ移行し、読取対象の写真フィルム22に記録されている全てのフィルム画像に対するファインスキャンを完了したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ460に戻り、ステップ460〜482を繰り返す。このステップ460〜482は本発明の本読取制御手段に対応しており、読取対象の写真フィルム22に記録されている各フィルム画像の種別に応じた最適な読取条件で、各フィルム画像のファインスキャンが各々行われる。そして、ステップ482の判定が肯定されるとフィルム画像読取処理を終了し、ラインスキャナ制御処理(図11参照)のステップ432へ移行する。
【0173】
ステップ432ではフィルム画像の読み取りを終了するか否か判定する。次の読取対象の写真フィルム22に記録されたフィルム画像の読み取りを続けて行う場合には、ステップ432の判定が否定されてステップ428に戻り、次の読取対象の写真フィルム22がフィルムキャリア38に挿入されると(ステップ428の判定が肯定されると)、上記と同様にしてフィルム画像読取処理が行われることになる。また、ステップ432の判定が肯定されると、ステップ400に戻って初期状態モードに移行した後に、前述のステップ402〜410が繰り返される。
【0174】
このように、本実施形態では写真フィルム22を往復搬送し、単一のラインCCD116により往路で写真フィルム22上の画像部と非画像部を区別することなくプレスキャンを行い、フィルム画像の記録位置の判定、読取条件の設定(フィルム画像の種別の設定)を行った後に、復路で前記読取条件に従って各フィルム画像のファインスキャンを行うので、プレスキャン専用のセンサ及び光学系と、ファインスキャン専用のセンサ及び光学系を各々設けることでコストが嵩んだり、プレスキャン時とファインスキャン時の搬送速度差を吸収するためのフィルムバッファ等を設けることで装置の構成が複雑になることを防止することができ、ラインCCDスキャナ14の小型化、構成の簡素化、低コスト化を実現できる。
【0175】
なお、絞り39は、図4(B)に示したような切り欠き39Aが設けられた板材によって構成することに限定されるものではなく、例として図4(D)に示すように、板材のスライド方向に沿った一端側から他端側に向けて光透過率が連続的に変化するように光透過率のパターンが形成された板材67によって構成するようにしてもよいし、例として図4(E)に示すように、光透過性を有しない板材68によって構成するようにしてもよい。
【0176】
また、上記では各成分色毎の光量を絞り39及びターレット36、37によって調整するようにしていたが、これに限定されるものではなく、各成分色毎に調光フィルタを設けると共に、光路に対して調光フィルタを進退移動させる機構を各調光フィルタに対して各々設け、光路への各調光フィルタの挿入量を各々独立に制御することで各成分色毎の光量を調整するようにしてもよい。
【0177】
また、上記では読取位置の直下の側方に横向きにランプ32を配置し、中間部が直角に屈曲された形状の光拡散ボックス40により、ランプ32から射出された光を読取位置に導いて読取対象の写真フィルム22に光を照射するようにしていたが、光拡散ボックス40に代えて、例えば図16に示すように、多数本の光ファイバを束ね、中間部が緩やかに屈曲され、光入射口が円形、光射出口が偏平な矩形状に成形された光導光器を用いてもよい。この場合、光入射口及び光射出口の少なくとも一方に光拡散板を取付ければ、光拡散手段として用いることができる。また、図17に示すように、光源としてのランプ32を読取位置の直下に配置し、光拡散手段として、中間部が屈曲されていない形状の光拡散ボックス65を用いてもよい。
【0178】
更に、上記では搬送手段として、写真フィルム22を搬送ローラ対318、322で挟持して搬送する構成のフィルムキャリア38を例に説明したが、これに限定されるものではなく、写真フィルム22を無端のベルトによって挟持し、前記ベルトを回転駆動させることで写真フィルム22を搬送する構成であってもよい。
【0179】
また、上記では写真フィルム22を1回往復搬送させ、往路でプレスキャン、復路でファインスキャンを行う場合を説明したが、これに限定されるものではなく、写真フィルムを複数回往復搬送し、プレスキャン及びファインスキャンを各々往路で行ったり、プレスキャン及びファインスキャンを各々復路で行ったり、復路でプレスキャン、往路でファインスキャンを行うようにしてもよい。
【0180】
また、上記ではフィルム画像の読み取りにあたり、絞り39の位置及びラインCCD116の電荷蓄積時間(電子シャッタの作動時間)を変更することで、ラインCCD116に蓄積される電荷量を調節するようにしていたが、これに限定されるものではなく、ランプ32に供給する電圧の変更、又はランプ32に高周波電力を供給して点灯させる際のデューティー比の変更によりランプ32から射出される光の光量を変化させたり、レンズ絞り51の位置を変化させたり、或いはこれらを組み合わせることで蓄積電荷量を調節するようにしてもよい。
【0181】
更に、上記ではレンズユニット50のズーム倍率の変更と写真フィルム22の搬送速度の変更を組み合わせて読み取りの解像度を変更していたが(上記の実施形態ではパノラマコマの解像度を変更)、これに限定されるものではなく、搬送速度の変更に代えてラインCCD116の電荷蓄積時間を変更するようにしてもよいし、読み取りによって得られた画像データに対して電子変倍(解像度変換)の画像処理を行うようにしてもよい。
【0182】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、各成分色光毎に射出光量を調整可能な光源部、写真フィルムを挟持するローラ又はベルトを回転駆動させることで写真フィルムを搬送する搬送手段、及び写真フィルムを各成分色に分解して読み取るラインセンサを設け、写真フィルム上の画像部及び非画像部を区別することなく写真フィルムを末尾まで順に読み取る予備読み取りを所定の読取条件で行い、予備読み取りの結果に基づいて写真フィルム上の各画像の記録位置を順次判定すると共に各画像に対して本読み取りを行う際の読取条件を順次設定することを予備読み取りと並行して行い、写真フィルムに記録された各画像を前記設定した読取条件で読み取る各画像の本読み取りを行うので、写真フィルムに記録されたフィルム画像を各成分色毎に精度良くかつ高速で読み取ることを、簡易かつ低コストの構成で実現できる、という優れた効果を有する。
【0183】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、予備読み取りの結果から各画像のデータを切り出すことを予備読み取りと並行して行うと共に、切り出したデータを用いて各画像を表示手段に表示させることを予備読み取りと並行して行い、画像の切り出し位置を修正する情報が入力された場合に、写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果を入力された情報に基づいて修正するので、上記効果に加え、画像の本読み取り時に、写真フィルム上の実際に画像が記録されている位置を確実に読み取ることができる、という効果を有する。
【0184】
請求項3記載の発明は、請求項1の発明において、各画像の本読み取りを行った結果に対する画像処理の処理条件を各画像毎に演算することを予備読み取りと並行して行い、演算した処理条件に従って、各画像の本読み取りを行った結果に対して画像処理を行うにあたり、各画像に対して前記演算した処理条件で画像処理を行った結果に相当する画像を表示手段に表示させ、処理条件を修正する情報が入力された場合に、入力された情報に基づいて処理条件を修正するので、上記効果に加え、画像の本読み取りを行った結果に対し、常に適切な処理条件で画像処理を行うことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るディジタルラボシステムの概略ブロック図である。
【図2】ディジタルラボシステムの外観図である。
【図3】(A)及び(B)はラインCCDスキャナの光学系の概略構成の一例を示す概略構成図である。
【図4】(A)はターレット、(B)は絞り、(C)はレンズ絞りの一例を各々示す平面図、(D)及び(E)は絞りの他の例を示す平面図である。
【図5】ラインCCDスキャナの電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図6】135サイズ写真フィルム用のフィルムキャリアの構成を一部透視して示す斜視図である。
【図7】パノラマサイズのフィルム画像を読み取るときの遮光板の位置を示す平面図である。
【図8】画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】レーザプリンタ部の光学系の概略構成図である。
【図10】レーザプリンタ部及びプロセッサ部の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図11】ラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行されるラインスキャナ制御処理を示すフローチャートである。
【図12】ラインCCDスキャナのマイクロプロセッサで実行されるフィルム画像読取処理を示すフローチャートである。
【図13】画像処理部のオートセットアップエンジンで実行されるオートセットアップ処理を示すフローチャートである。
【図14】画像処理部のパーソナルコンピュータで実行される画像検定処理を示すフローチャートである。
【図15】ディスプレイへのシミュレーション画像の表示例を示すイメージ図である。
【図16】光拡散ボックスに代わる光導光器の一例を示す斜視図である。
【図17】(A)及び(B)はラインCCDスキャナの光学系の概略構成の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
14 ラインCCDスキャナ
22 写真フィルム
32 ランプ
36 ターレット
37 ターレット
38 フィルムキャリア
39 絞り
40 光拡散ボックス
46 マイクロプロセッサ
50 レンズユニット
116 ラインCCD
144 オートセットアップエンジン

Claims (4)

  1. 各成分色光毎に射出光量を調整可能な光源部と、
    画像が記録された長尺状の写真フィルムを挟持するローラ又はベルトを回転駆動させることで、前記光源部から射出された光の光路と交差する搬送経路に沿って前記写真フィルムを所定の搬送速度で搬送する搬送手段と、
    前記写真フィルムを透過した光が入射され、写真フィルムに記録された画像を結像させる結像手段と、
    前記結像手段を透過した光が入射され、前記写真フィルムを各成分色に分解して読み取るラインセンサと、
    写真フィルム上の画像部及び非画像部を区別することなく前記写真フィルムを末尾まで順に読み取る予備読み取りが所定の読取条件で行われるように、少なくとも前記光源部、前記搬送手段及び前記ラインセンサを制御する予備読取制御手段と、
    前記予備読み取りが行われることで順次得られる前記予備読み取りの結果に基づいて写真フィルム上の各画像の記録位置を順次判定することを、前記予備読み取りと並行して行う判定手段と、
    前記予備読み取りが行われることで順次得られる前記予備読み取りの結果及び前記予備読み取りと並行して順次得られる前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて、本読み取りを行う際の読取条件を各画像毎に順次設定することを、前記予備読み取りと並行して行う読取条件設定手段と、
    前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づき、写真フィルムに記録された各画像を前記読取条件設定手段によって設定された読取条件で読み取る本読み取りが行われるように、少なくとも前記光源部、前記搬送手段及び前記ラインセンサを制御する本読取制御手段と、
    を含む画像読取装置。
  2. 画像を表示するための表示手段と、
    前記予備読み取りと並行して順次得られる前記写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果に基づいて、前記予備読み取りの結果から各画像のデータを切り出すことを、前記予備読み取りと並行して行う切り出し手段と、
    前記切り出し手段によって切り出されたデータを用いて各画像を前記表示手段に表示させることを、前記予備読み取りと並行して行う表示制御手段と、
    画像の切り出し位置を修正する情報を入力するための入力手段と、
    を更に備え、
    前記判定手段は、前記入力手段を介して画像の切り出し位置を修正する情報が入力された場合に、写真フィルム上の各画像の記録位置の判定結果を前記入力された情報に基づいて修正する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記切り出し手段によって切り出されたデータに基づいて、各画像の本読み取りを行った結果に対する画像処理の処理条件を各画像毎に演算することを、前記予備読み取りと並行して行う処理条件演算手段と、
    前記処理条件演算手段によって演算された処理条件に従って、各画像の本読み取りを行った結果に対して画像処理を行う画像処理手段と、
    を更に備え、
    前記表示制御手段は、前記切り出し手段によって切り出されたデータを用いて、各画像に対して前記処理条件演算手段によって演算された処理条件で画像処理を行った結果に相当する画像を前記表示手段に表示させ、
    前記処理条件演算手段は、前記入力手段を介して処理条件を修正する情報が入力された場合に、入力された情報に基づいて処理条件を修正する
    ことを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  4. 前記光源部は、
    光源と、
    前記光源から射出された光の光量を調整可能な調光手段と、
    前記光源から射出された光を拡散させる光拡散手段と、
    を含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
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