JP3709133B2 - 鎖錠用ロッドの支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば分電盤や配電盤等の電気機器を収納するキャビネットの扉の鎖錠用ロッドの支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば分電盤や配電盤等の電気機器収納用キャビネットは、内部の電気機器が不用意に操作されることを防止するために蝶番によって扉が取り付けられ、扉を閉じた状態で鎖錠できるようにしてある。このようなキャビネットの鎖錠装置は扉内面の上部と下部に設けた支持部に支持されたロッドを扉面に取り付けたハンドルの操作により上下動させ、ロッドの先端をキャビネットの上部及び下部の横フレームにそれぞれ係合させて扉を閉じた状態に保持するものが一般的である。こうした鎖錠装置のロッドの支持装置は最も簡単なものではロッドの外径に対して若干の余裕を持たせた孔を空けた金属板によって構成していたが、折り曲げ部のあるロッドを後から装着することが困難であることから、例えば図9に示すような方向の異なる切り欠き部を設けた2枚の金属板からなる支持部を設け、この支持部にロッドを傾けて装着した後にロッドを正規の姿勢としハンドルを取り付ける構造が考えられた。
【0003】
ところが、こうした従来のロッドの支持装置では、図9に示すようなものであってもロッドの装着は面倒であり、ロッドがロッドと金属板との接触によって支持されていることからロッドの上下動がスムーズではなく、操作時に不快な音を発するという問題があった。こうした問題に対しては、支持部にプラスティック製のスリーブを装着することが考えられたが、ロッドを上下動させる間にスリーブが脱落してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ロッドの装着が容易であり、操作時にロッドの動きがスムーズで不快な音を発しない鎖錠用ロッドの支持装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、水平面の支持部を設けた支持具と、円周の一部に開口部を設けた円筒状のスリーブとから構成し、支持具の支持部には円形のロッド挿通孔と、該ロッド挿通孔と端面とを連通させたロッド挿入口と、ロッド挿通孔に連通させた切り欠き部とを一体の孔として設け、スリーブの上部には鍔を設けるとともに、スリーブの胴下部に凸部を設けてスリーブの胴下部の外形形状を上記支持具の支持部に一体の孔として設けた孔と同形状とし、スリーブを支持部に設けた孔に挿入したうえ回転させることにより鍔と凸部によって支持部を挟み、スリーブを支持部に保持させることを特徴とする本発明の鎖錠用ロッドの支持装置によって解決できる。また、スリーブの鍔の下面に突起を設け、スリーブを支持部に設けた孔に挿入したうえ回転させたとき突起を切り欠き部に係合してスリーブの回転を抑止させることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、図1乃至8に示す本発明の鎖錠用ロッドの支持装置の実施形態について具体的に説明する。
図1乃至8において、1はL字型に折り曲げて形成した支持具であって、該支持具1の水平面は支持部2としてロッド3を挿通するためのロッド挿通孔4を設け、垂直面は溶接等により扉に取り付ける取り付け面5としている。6はロッド挿通孔4と支持部2の端面との間に連通させて設けたロッド挿入口、7、7はロッド挿通孔4に連通して設けた切り欠き部であって、該切り欠き部7は支持部2の取り付け面5側に設けている。
【0007】
8は円周の一部に開口部9を設けた円筒状のスリーブであって、該スリーブ8の上端には鍔10を設けている。スリーブ8の鍔10の下面から支持部2の厚みだけ離れた下方の胴下部には凸部11、凸部12、12を設け、凸部11、凸部12、12を含む胴下部の外形形状はロッド挿通孔4、ロッド挿入口6、切り欠き部7、7により形成される孔形状に対し多少のがたを伴って挿入できる略同一の形状としてある。凸部11、凸部12、12はそれぞれロッド挿入口6、切り欠き部7、7に対応するものである。また、鍔10の下面には突起13が設けてあり、凸部11の上面にはテーパー部14が設けてある。
【0008】
ロッド3は図8に示すように上下のロッド3、3の端部をクランク板15に枢着して組み立てており、クランク板15は図示しないハンドルに取り付けられ、ハンドルの操作によるクランク板15の回動によりロッド3、3が上下させられる。16はロッド3の先端に取り付けたローラー、17はロッド3の一部をつぶして形成した扁平部、18はキャビネットの縦フレームに係合して扉を保持する係合部であって、該係合部18はクランク板15に接続して設け、ハンドル操作によりロッド3、3を横フレームに係合させたときに縦フレームに係合するようにしてある。
【0009】
前記構成の各部材について、まず支持具1の取り付け面5を扉内面端部の上部と下部に取り付ける。ここで、取り付け面5を支持部2の上側とするか下側とするかは任意である。次にロッド3をロッド挿入口6を通してロッド挿通孔4に挿入する。このとき、ロッド3に扁平部17を設けておけば、ロッド挿入口6を狭くしても挿入することが容易になる。続いてロッド3に開口部9を通してスリーブ8をその胴部が支持部2に面する方向にはめ込み、スリーブ8をロッド3に沿ってずらしてスリーブ8の胴部を支持具1の支持部2にはめ込む。この状態を図4、5に示し、図4においては支持部2を一点鎖線で表している。
【0010】
その後、スリーブ8を回転させると、図6、7に示すようにスリーブ8の鍔10と凸部11、凸部12、12により支持部2を挟み、突起13が切り欠き部7にはまり込んで回転が抑止され、スリーブ8は完全に固定される。なお、突起13は鍔10の下面に形成されているため、下方の胴下部に形成された凸部11、凸部12、12までの間隔は、支持部2の厚みよりも若干小さくなることとなり、はまり込んだ突起13が切り欠き部7から抜け出ることはない。この状態でロッド3を上下動させてもスリーブ8が脱落することはなく、ロッド3はスリーブ8により保持されることから動きがスムーズで不快な音を発することもない。スリーブ8を回転させるに際しては、凸部11にテーパー部14が設けてあることから容易に回転させることができる。
【0011】
なお、ロッド3に扁平部17を設け、ロッド挿入口6にロッド3を挿入する場合には、ハンドルにクランク板15を取り付ける前にロッド3、3をクランク板15枢着された状態で一体として上下させることができ、扁平部17をロッド挿入口6の位置に一致させることにより挿入することができる。また、ロッド3、3の先端にローラーを取り付けることにより、ロッド3、3の先端とキャビネットの横フレームとの係合、離脱がスムーズとなり、ロッド3、3の先端が直接接触して横フレームに疵をつけることが回避できる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、ロッドの装着が容易であり、操作時にロッドの動きがスムーズで不快な音を発しないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における支持部の形状を示す投影図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスリーブの形状を示す投影図である。
【図4】本発明の実施の形態において、支持部にスリーブをはめ込んだ状態を示す要部の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態において、支持部にスリーブをはめ込んだ状態を示す要部の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態において、支持部にはめ込んだスリーブを回転させた状態を示す要部の平面図である。
【図7】本発明の実施の形態において、支持部にはめ込んだスリーブを回転させた状態を示す要部の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるロッドの組み立て状態を示す正面図である。
【図9】従来のロッドの支持状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 支持具、2 支持部、3 ロッド、4 ロッド挿通孔、5 取り付け面、6ロッド挿入口、7 切り欠き部、8 スリーブ、9 開口部、10 鍔、11凸部、12 凸部、13 突起、14 テーパー部、15 クランク板、16
ローラー、17 扁平部、18 係合部
Claims (2)
- 水平面の支持部を設けた支持具と、円周の一部に開口部を設けた円筒状のスリーブとから構成し、支持具の支持部には円形のロッド挿通孔と、該ロッド挿通孔と端面とを連通させたロッド挿入口と、ロッド挿通孔に連通させた切り欠き部とを一体の孔として設け、スリーブの上部には鍔を設けるとともに、スリーブの胴下部に凸部を設けてスリーブの胴下部の外形形状を上記支持具の支持部に一体の孔として設けた孔と同形状とし、スリーブを支持部に設けた孔に挿入したうえ回転させることにより鍔と凸部によって支持部を挟み、スリーブを支持部に保持させることを特徴とする鎖錠用ロッドの支持装置。
- スリーブの鍔の下面に突起を設け、スリーブを支持部に設けた孔に挿入したうえ回転させたとき突起を切り欠き部に係合してスリーブの回転を抑止させることを特徴とする請求項1に記載の鎖錠用ロッドの支持装置。
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