JP3708685B2 - ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームの二軸延伸ブロー成形によるポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭酸飲料、果汁、ミネラルウォーター等の清涼飲料水の容器としてポリエチレンテレフタレート樹脂を延伸ブロー成形して得られたボトル(以下、樹脂について「ペット樹脂」、得られたボトルについて「ペットボトル」と略記する)が用いられている。前記ペットボトルは軽量で透明性に優れている上、ボトル本体を形成するペット樹脂が前記延伸ブロー成形により二軸延伸されているので、透明性、耐衝撃性、機械的強度、ガスバリア性等の諸物性に優れている。
【0003】
従来、前記ペットボトルは、例えば、図1(a)に示すようなペット樹脂製のプリフォーム(予備成形体)1を、赤外線ランプ等により加熱し、加熱された前記プリフォームを所定の金型内で延伸ブロー成形することにより二軸延伸して、金型の内面形状に沿って成形することにより製造されている。
【0004】
図1(a)示のプリフォーム1は、外周部2にねじ部3が形成された口部4と、サポートリング5と、胴部6と、外側に凸の半球状底部7とを備え、胴部6とサポートリング5とを接続する部分に胴部6からサポートリング5に向けて縮径するテーパー部8が設けられており、このようなプリフォーム1を延伸ブロー成形することにより、例えば図1(b)示のようなペットボトル18が得られる。
【0005】
ペットボトル18は、未延伸の口部4及びサポートリング5と、二軸延伸された肩部19、胴部20及び底部21とからなり、ペットボトル18のA〜Gの各部は、プリフォーム1のa〜gの各部に対応している。また、ペットボトル18は、底部21に設けられた凹部22により自立可能な形状が付与される。前記ペットボトル18は、内容物を充填する工程で座屈変形を生じず、また内容物充填後、多数のペットボトル18が相互に隣接して配列された状態で押圧搬送されるときにペットボトル18同士の当接部分が永久変形しないように、底部21が所定の肉厚を備えることが望まれる。
【0006】
ところで、プリフォーム1の延伸ブロー成形において、ペットボトル18は図8(a)乃至図8(f)示の過程を取って成形されることが知られている。すなわち、図8(a)は加熱されたプリフォーム1を示し、該プリフォーム1は延伸ブロー成形が開始されると、まず図8(b)示のように胴部6がその長さ方向に延伸され、次に図8(c)示のようにテーパー部8が急激に延伸されペットボトル18の肩部19が形成される。テーパー部8の急激な延伸に続いて、図8(d)示のように胴部6がテーパー部8に近い部分から順次延伸され、図8(e)示のようにペットボトル18の胴部20が形成されると共に、底部7が延伸されてペットボトル18の凹部22が形成される。そして、最後にペットボトル18の底部21、胴部20等の細部形状が形成される。
【0007】
図8(a)乃至図8(f)から明らかなように、ペットボトル18では肩部19が十分に延伸されることにより、胴部20及び底部21に対して適正な肉廻りが付与されるものと考えられる。そして、ペットボトル18の肩部19(A部)が十分に延伸されるためには、プリフォーム1の胴部6とサポートリング5とを接続するテーパー部8(a部)が胴部6及び底部7よりも強く加熱されていることが必要とされる。
【0008】
プリフォーム1の加熱は、従来、図2示の赤外線加熱装置9により行われている。赤外線加熱装置9は、搬送路10を搬送されるプリフォーム1に対向して垂直方向に配列された赤外線ランプ11a,11b,…,11jを備えている。
【0009】
赤外線加熱装置9によるプリフォーム1の加熱は、図9示のように、プリフォーム1の口部4及びサポートリング5を遮蔽部材14で遮蔽し、テーパー部8、胴部6及び底部7に対向する赤外線ランプ11a,11b,…,11jから赤外線を照射することにより行われる。
【0010】
ところが、図9のようにしてプリフォーム1を加熱するときに、プリフォーム1のテーパー部8に対向する赤外線ランプ11aの出力を他の赤外線ランプ11b,11c,…,11jより強くすると、前記プリフォーム1のテーパー部8に対応するペットボトル18の肩部19は十分に延伸されるものの、ペットボトル18の胴部20及び底部21の肉厚が薄くなる傾向があるとの問題がある。
【0011】
また、ペットボトル18の胴部20及び底部21に適正な肉厚を付与することができる場合でも、他の赤外線ランプ11b,11c,…,11jの出力の選択幅が狭くなるなど、各赤外線ランプの出力の調整が難しくなるとの問題がある。
【0012】
本発明者らは、前記のようにプリフォーム1の胴部6とサポートリング5とを接続するテーパー部8に対向する赤外線ランプ11aの出力を他より強くして、テーパー部8を強熱したときに、ペットボトル18の胴部20及び底部21の肉厚が薄くなる原因について検討した結果、図9に示す様に、赤外線ランプ11aから放射される赤外線24aが、プリフォーム1の胴部6に対向する他の赤外線ランプ11b,11c,…から放射される赤外線24b,24c,…と重複し、胴部6が必要以上に加熱されるためであることを見出した。
【0013】
そこで、前記問題を解決するために、図10示のようにプリフォーム1のテーパー部8に対向して設けられた赤外線ランプ11aと、胴部6に対向して設けられた赤外線ランプ11cとの間に、赤外線ランプ11aによる胴部6の加熱を遮る仕切り板23を設け、赤外線ランプ11bを削除した赤外線加熱装置9が用いられている。図10示の赤外線加熱装置9によれば、赤外線ランプ11aから放射される赤外線24aは、仕切り板23に遮られてプリフォーム1の胴部6には当たらず、テーパー部8にのみ照射される。この結果、赤外線ランプ11aによりテーパー部8のみを加熱することができ、ペットボトル18の肩部19が十分に延伸されると共に、胴部20及び底部21に対して適正な肉廻りを付与することができる。
【0014】
しかしながら、仕切り板23を設けた図10示の赤外線加熱装置9では、赤外線ランプ11aから放射される赤外線24aが仕切り板23に遮られる結果として仕切り板23の下方(赤外線ランプ11a側)に熱が籠もり、該熱により赤外線ランプ11aの寿命が短縮されたり、仕切り板23が短期間で変形して赤外線24aに対する遮蔽効果が得られなくなる等の不都合がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の底部に十分な肉厚を容易に付与することができるポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明の目的は、プリフォームを加熱する際に、各赤外線ランプの出力の調整が容易なポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法を提供することにもある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法は、外周部にねじ部が形成された口部と該口部の下方に形成されたサポートリングと該サポートリングの下方に連接された円筒状の胴部と底部とを備えるポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームを、該プリフォームの長さ方向に沿って該プリフォームに対向して配設された複数の赤外線ランプにより加熱し、加熱されたプリフォームを所定の金型内で延伸ブロー成形することにより、該プリフォームの胴部及び底部を該金型の内面形状に沿って成形するポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法において、上半部に赤外線の放射を妨げる被覆層を備える赤外線ランプを前記プリフォームの胴部とサポートリングとを接続する接続部分に対向して設け、該赤外線ランプにより該接続部分のみを加熱することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、前記プリフォームの前記接続部分に対向して設けられた赤外線ランプに前記被覆層が備えられているので、該赤外線ランプの上半部からは赤外線が放射されない。この結果、前記被覆層が備えられている赤外線ランプから放射される赤外線は、前記接続部分にのみ照射されることになり、プリフォームの胴部に当たらないので、前記接続部分が前記胴部よりも強く加熱される一方、前記胴部が過度に加熱されることがない。前記のように加熱されたプリフォームは、延伸ブロー成形時にはまず前記接続部分が十分に延伸され、次いで前記胴部が延伸されることとなり、ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の胴部及び底部に対する肉廻りがよくなる。
【0019】
従って、前記プリフォームを所定の金型内で延伸ブロー成形することにより、得られたポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の胴部の肉厚を薄くすることなく、しかも底部に十分な肉厚を付与することができる。また、前記被覆層が備えられた赤外線ランプを用いることにより、仕切り板が不要になり、熱が籠もらないので該赤外線ランプを長期間に亘って交換することなく使用することができる。さらに、前記被覆層が備えられた赤外線ランプを用いるときには、該赤外線ランプから放射される赤外線は全て前記接続部分に指向され、前記胴部方向に放射される赤外線が元々ないので、各赤外線ランプの出力調整を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明では、前記被覆層を備えた赤外線ランプを用いるときには、該赤外線ランプを前記プリフォームの前記接続部分に対向させて複数設けるようにしてもよい。前記被覆層を備えた赤外線ランプを複数設けることにより、各赤外線ランプの出力の選択幅を広げることができ、出力調整をさらに容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1はペット樹脂製プリフォーム及び該プリフォームの延伸ブロー成形により得られるペットボトルの一例を示す正面図、図2はプリフォームを加熱する赤外線加熱装置の一構成例を示す斜視図、図3はプリフォームを延伸ブロー成形する金型の一構成例を示す説明的断面図である。図4は本発明の第1の態様に対応する図2の要部断面図であり、図5は図4示の赤外線加熱装置により加熱されたプリフォームの延伸ブロー成形により得られたペットボトルの各部の肉厚を示すグラフである。また、図6は本発明の第2の態様に対応する図2の要部断面図、図7は図6示の赤外線加熱装置により加熱されたプリフォームの延伸ブロー成形により得られたペットボトルの各部の肉厚を示すグラフである。
【0022】
本実施形態に用いるプリフォーム1は、図1(a)に示すように、外周部2にねじ部3が形成された口部4と、口部4の下方に形成されたサポートリング5と、サポートリング5の下方に連接された円筒状の胴部6と、胴部6の下部を形成する外側に凸の半球状底部7とを備え、胴部6とサポートリング5とを接続する部分に胴部6の外周からサポートリング5下部に向けて縮径するテーパー部8が設けられている。
【0023】
前記プリフォーム1の加熱は、図2に示す赤外線加熱装置9により行われる。赤外線加熱装置9は、プリフォーム1が搬送される搬送路10の一方の側に、搬送路10と平行に設けられた10本の円筒状の赤外線ランプ11a,11b,…,11jが、プリフォーム1の長さ方向に沿って垂直に配列されている。また、搬送路10を挟んで赤外線ランプ11a,11b,…,11jの反対の側には、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jから放射される赤外線を反射する反射板12が備えられている。
【0024】
そして、プリフォーム1は、その口部4に嵌着されたマンドレル13により支持され、口部4を下方に向けて倒立された状態でその軸を中心に回転されながら、赤外線ランプ11a,11b,…,11jと反射板12とに挟まれた搬送路10を搬送され、赤外線ランプ11a,11b,…,11jから放射される赤外線により所定の温度に加熱される。尚、このとき、前記プリフォーム1の口部4及びサポートリング5は、遮蔽部材14により遮蔽されて、赤外線ランプ11aにより加熱されないようになっている。
【0025】
前記のように加熱されたプリフォーム1は、次に、口部4をマンドレル13により支持されたままの状態で、図3示の金型15a,15bに装着される。金型15a,15bは、内面16a,16bにボトルの外面形状を備えており、プリフォーム1はその口部4から内部に挿入されるストレッチロッド17で長さ方向に延伸される一方、内部に導入される高圧空気によりその外周方向に延伸されて、テーパー部8、胴部6及び底部7が金型16a,16bの内面に沿って延伸ブロー成形される。尚、このとき、口部4及びサポートリング5は延伸を受けず、プリフォーム1の形状が維持される。
【0026】
この結果、図3に仮想線示するように、金型15a,15bの内面16a,16bに沿った外面形状を備えるペットボトル18が得られる。
【0027】
ペットボトル18は耐熱容器であって、図1(b)示のように、外周部2にねじ部3が形成された口部4と、口部4の下方に形成されたサポートリング5と、サポートリング5に連接し、サポートリング5から離れるに従って次第に拡径するテーパ状の肩部19と、肩部19の下方に形成された略円筒状の胴部20と、胴部20の下部を形成する底部21とからなる。ペットボトル18は、耐圧性を考慮する必要がないので、底部21の接地部は平面であり、該接地部ににペットボトル18に自立性を付与するための胴部20内に円錐台状に膨出する凹部22が形成されている。また、耐熱容器にあっては、通常、内容物を熱間充填するために、ペットボトル18は成形後に熱固定(ヒート・セット)されている。
【0028】
本実施形態の第1の態様の製造方法は、前記赤外線加熱装置9によるプリフォーム1の加熱の際に、図4示のように、上半部に赤外線の放射を妨げるセラミック被覆層25を備える赤外線ランプ11aをプリフォーム1のテーパー部8に対向して設け、赤外線ランプ11aにより該テーパー部8のみを加熱することを特徴とするものである。
【0029】
図4示の赤外線加熱装置9によれば、赤外線ランプ11aからの赤外線24aは、セラミック被覆層25が設けられている上半部には放射されないので、プリフォーム1の胴部6には当たらず、テーパー部8にのみ照射される。この結果、赤外線ランプ11aによりテーパー部8のみを加熱することができる。
【0030】
次に、図4(実施例1)に示す赤外線加熱装置9により加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られた容量1.5リットルの耐熱容器であるペットボトル18の各部の肉厚を図5に示す。また、図9(比較例1)及び図10(比較例2)に示す赤外線加熱装置9により従来の製造方法で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られた前記ペットボトル18の各部の肉厚を図5に併せて示す。
【0031】
尚、実施例1及び比較例1,2の各赤外線加熱装置9では、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jの出力を表1のようにして、プリフォーム1の加熱を行った。
【0032】
【表1】
【0033】
図5から、比較例1(図9示、仕切り板23を使用しない従来の製造方法)で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル18では、肩部19に相当する高さ約230〜255mmの部分の肉厚が0.32mmと厚く十分に延伸されていないことが明らかであり、胴部20に相当する部分のうち高さ約120〜175mmの部分の肉厚が0.30〜0.32mm、底部21に相当する高さ約15mm以下の部分の肉厚が0.42mmとなっている。
【0034】
また、比較例2(図10示、仕切り板23を使用する従来の製造方法)で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル18では、肩部19に相当する高さ約230〜255mmの部分の肉厚が0.28〜0.32mmと薄く、前記比較例1で得られたペットボトル18に対してより大きく延伸されていることが明らかであり、胴部20に相当する部分のうち高さ約120〜230mmの部分の肉厚が0.32〜0.34mm、底部21に相当する高さ約15mm以下の部分の肉厚が0.46mmと、前記比較例1で得られたペットボトル18より厚くなっていることが明らかである。しかし、比較例2の製造方法では、仕切り板23の赤外線ランプ11a側に熱が籠もるため、赤外線ランプ11aの寿命が短くなり交換頻度が高くなる。また、仕切り板23もまた、前記熱により変形し易く、交換頻度が高くなる。
【0035】
これに対して、本発明に従う実施例1(図4示)の製造方法で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル18は、肩部19に相当する高さ約230〜255mmの部分の肉厚が0.28〜0.31mmと薄く、前記比較例1で得られたペットボトル18に対してより大きく延伸されていることが明らかであり、胴部20に相当する部分のうち高さ約120〜230mmの部分の肉厚が0.32〜0.36mm、底部21に相当する高さ約15mm以下の部分の肉厚が0.46mmであって、前記比較例1で得られたペットボトル18より厚くなっていることが明らかである。
【0036】
実施例1で得られたペットボトル18は、全体として前記比較例2で得られたペットボトル18と同様の傾向を示しているが、胴部20に相当する部分のうち高さ約120〜230mmの部分の肉厚がより厚くなっている。また、図4示の赤外線加熱装置9によれば、仕切り板23を使用しないので、赤外線ランプ11aを長期間に亘って交換することなく使用することができる。
【0037】
また、図9示の比較例1の赤外線加熱装置9によりプリフォーム1を加熱して、ペットボトル18を製造するときには、所定時間、例えば12時間毎に得られたペットボトル18の各部の肉厚を測定し、各部の肉厚が適正な範囲となるように、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jの出力を微調整することが行われる。
【0038】
しかし、図4示の実施例1の製造方法によるときには、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jの出力は、最初に設定すれば、その後の調整は全く必要が無く、出力調整が極めて容易である。
【0039】
次に、本実施形態の第2の態様は、図6示のように、上半部に赤外線の放射を妨げるセラミック被覆層25の備えられた2個の赤外線ランプ11a,11bを、プリフォーム1のテーパー部8に対向して設けた赤外線加熱装置9を用いるものであり、図7示のペットボトル26の製造に用いられる。
【0040】
図6示の赤外線加熱装置9によれば、赤外線ランプ11a,11bからの赤外線24a,24bは、セラミック被覆層25が設けられている上半部には放射されないので、プリフォーム1の胴部6には当たらず、テーパー部8にのみ照射される。この結果、赤外線ランプ11a,11bによりテーパー部8のみを加熱することができる。
【0041】
ペットボトル26は、容量1リットルの炭酸飲料用容器であって、耐圧性を付与するために半球状に膨出形成されている(図示せず)底部21に、自立性を付与するために5個の脚部27が形成されている。
【0042】
ペットボトル26を製造するときには、赤外線加熱装置9によるプリフォーム1の加熱に際し、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jを、赤外線ランプ11aと、赤外線ランプ11bと、赤外線ランプ11cと、赤外線ランプ11d,11eと、赤外線ランプ11f,11gと、赤外線ランプ11h,11i,11jとの6グループに分け、各グループの赤外線ランプの出力を同一にして制御することが行われている。
【0043】
次に、図6(実施例2)に示す赤外線加熱装置9により加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル26の各部の肉厚を図7に示す。また、図9(比較例3)に示す赤外線加熱装置9により前記従来の製造方法で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル26の各部の肉厚を図7に併せて示す。
【0044】
尚、図6及び図9の各赤外線加熱装置9では、各赤外線ランプ11a,11b,…,11jの出力を表2のようにして加熱を行った。
【0045】
【表2】
【0046】
図7から、本発明に従う図6示の製造方法(実施例2)で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル26では、図9示の従来の製造方法(比較例3)で加熱されたプリフォーム1を延伸ブロー成形して得られたペットボトル26に比較して、肩部19に相当する高さ約160〜230mmの部分の肉厚が薄く、より大きく延伸されていることが明らかであり、底部21に相当する高さ約50mm以下の部分の肉厚が厚くなっていることが明らかである。
【0047】
また、図9示の従来の製造方法では図7示の肉厚のペットボトル26を得るために赤外線ランプ11aの出力を略最大の99%としているために、赤外線ランプ11aの出力の選択幅が小さく、ペットボトル26の各部の肉厚を適正な範囲に制御できなくなることがあるのに対し、図6示の本実施例の製造方法では表3に示す様に、赤外線ランプ11aの出力を下げると共に、赤外線ランプ11cの出力を上げることができ、赤外線ランプ11aの出力の選択幅が広がるので、出力調整を容易に行うことができる。
【0048】
図6示の本実施例の製造方法で、赤外線ランプ11aの出力を下げてその選択幅を広げることができる理由としては、赤外線ランプ11a,11bの上半部にセラミック被覆層25を設け、赤外線ランプ11a,11bからの赤外線24a,24bが上方に放射されない様にした結果、従来とは逆に、赤外線ランプ11cから放射される赤外線24cが赤外線24a,24bに重複し、プリフォーム1のテーパー部8の加熱に寄与するためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリフォーム及び該プリフォームの延伸ブロー成形により得られるペットボトルの一例を示す正面図。
【図2】プリフォームを加熱する赤外線加熱装置の一構成例を示す斜視図。
【図3】プリフォームを延伸ブロー成形する金型の一構成例を示す説明的断面図。
【図4】本発明の第1の態様に対応する図2の要部断面図。
【図5】図4示の赤外線加熱装置により加熱されたプリフォームの延伸ブロー成形により得られたペットボトルの各部の肉厚を該ペットボトルと対比させて示すグラフ。
【図6】本発明の第2の態様に対応する図2の要部断面図。
【図7】図6示の赤外線加熱装置により加熱されたプリフォームの延伸ブロー成形により得られたペットボトルの各部の肉厚を該ペットボトルと対比させて示すグラフ。
【図8】ペットボトルの延伸ブロー成形過程を示す説明図。
【図9】従来の製造方法の一態様を示す図2の要部断面図。
【図10】従来の製造方法の他の態様を示す図2の要部断面図。
【符号の説明】
1…プリフォーム、 2…外周部、 3…ねじ部、 4…口部、 5…サポートリング、 6…胴部、 7…底部、 8…接続部、 11a,11b,…,11j…赤外線ランプ、 15a,15b…金型、 16a,16b…内面、 18,26…ポリエチレンテレフタレート製容器、 25…被覆層。
Claims (2)
- 外周部にねじ部が形成された口部と該口部の下方に形成されたサポートリングと該サポートリングの下方に連接された円筒状の胴部と底部とを備えるポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームを、該プリフォームの長さ方向に沿って該プリフォームに対向して配設された複数の赤外線ランプにより加熱し、加熱されたプリフォームを所定の金型内で延伸ブロー成形することにより、該プリフォームの胴部及び底部を該金型の内面形状に沿って成形するポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法において、
上半部に赤外線の放射を妨げる被覆層を備える赤外線ランプを前記プリフォームの胴部とサポートリングとを接続する接続部分に対向して設け、該赤外線ランプにより該接続部分のみを加熱することを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法。 - 前記被覆層を備える赤外線ランプを前記プリフォームの接続部分に対向させて複数設けることを特徴とする請求項1記載のポリエチレンテレフタレート樹脂製容器の製造方法。
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