JP3708456B2 - 地震リスク診断システム、地震リスク診断方法、地震リスク診断プログラムおよび地震リスク診断プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

地震リスク診断システム、地震リスク診断方法、地震リスク診断プログラムおよび地震リスク診断プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震リスク診断システム、地震リスク診断方法、地震リスク診断プログラムおよび地震リスク診断プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
施設が地震に遭った場合に発生する損害の程度を示す地震リスクを算出する方法が数々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の地震リスクの算出方法は、耐震専門技術者の経験に基づくものが多く、算出結果の精度が悪いという問題があった。具体的には、施設を構成する建物や設備の、地動加速度と損傷確率との関係を示すフラジリティ曲線を、精度良く算出することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、施設を構成する建物や設備のフラジリティ曲線を精度良く算出することができ、従って、地震リスクを精度良く算出することができる地震リスク診断システム、地震リスク診断方法、地震リスク診断プログラムおよび地震リスク診断プログラムを記録した記録媒体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断システムであって、地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成手段と、施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成手段と、前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出手段と、歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出手段と、前記予想損害額算出手段が算出した所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出手段が算出した所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出手段とを含むことを特徴とする地震リスク診断システムである。
上記地震リスク診断システムにおいて、好ましくは、前記設備は、情報流通設備に電源を供給する電力設備であり、少なくとも受電装置、商用電源、予備発電本体装置、移動電源車、燃料、冷却水槽、排気筒、保水水槽、屋上水槽、燃料小出槽、地下油槽からなる。
上記地震リスク診断システムにおいて、好ましくは、前記設備は、少なくとも空調室内機、空調室外機、電力装置からなる。
上記地震リスク診断システムにおいて、好ましくは、前記設備は、建物を構成する構成要素として屋外空調設備、屋上水槽を含む。
【0007】
また、本発明は、地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断方法であって、地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップとを含むことを特徴とする地震リスク診断方法である。
【0009】
また、本発明は、地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断プログラムであって、地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップとをコンピュータに実行させる地震リスク診断プログラムである。
【0011】
また、本発明は、地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断プログラムを記録した媒体であって、地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップとをコンピュータに実行させる地震リスク診断プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1 は、本発明の一実施形態における地震リスク診断システムの構成を示すブロック図である。この地震リスク診断システムは、記録媒体1 、演算処理装置2 、入力装置3 、表示装置4 を有する。
【0014】
記録媒体1は、地震リスク診断プログラムを記録した媒体であって、具体的には、ハードディスクやCD−ROM等である。演算処理装置2は、記録媒体1に記録された地震リスク診断プログラムを実行する装置であって、具体的には、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等によって構成され、記録媒体1からRAMにロードされる地震リスク診断プログラムに従って、CPUが地震リスク(予想損害額)を算出する。入力装置3は、ユーザーが、地震リスク診断システムに与える命令やデータを入力するための装置であって、具体的には、キーボードやマウス等によって構成されている。表示装置4は、CPUによって算出された地震リスク(予想損害額)等が表示される装置であって、具体的には、CRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)ディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0015】
地震リスク診断システムは地盤及び建物、収容設備を含めたトータルなリスクを対象としており、図2 はデータセンターの構成要素を示した例である。すなわち、このデータセンターは、地盤と、この地盤上に建てられた建物と、この建物に収容された電力設備および情報流通設備とで構成されている。電力設備は、情報流通設備に電力を供給する。情報流通設備は、ユーザーに各種情報流通サービスを提供する。さらに、情報流通設備は、共通設備Aと、共通設備Bと、Aサービス設備と、Bサービス設備と、Cサービス設備とで構成されている。
【0016】
図3 は、最大地動加速度と、建物が小破、中破、または大破・全壊の損傷を受ける確率すなわち損傷確率との関係を示した構造躯体(建物)のフラジリティ曲線のグラフである。なお、このグラフは、耐震性能を示すIs値(構造耐震指標)が0.6の建物のフラジリティ曲線の例である。このフラジリティ曲線のデータは、地震リスク診断プログラムに含まれている。このグラフの横軸は最大地動加速度PGA(Peak Ground Acceleration、単位はcm/s2)、縦軸は損傷確率である。例えば、Is値=0.6の場合、最大地動加速度PGAが650cm/s2では、損傷の程度が大破・全壊に至る確率は0.339すなわち33.9%である。また、損傷の程度が中破に至る確率は、中破以上となる損傷確率と大破・全壊に至る損傷確率との差であるため、0.24すなわち24%になる。
【0017】
図4 は、上記の図3に示した建物のフラジリティ曲線を作成するために用いられた基本データを示す表である。この基本データも、地震リスク診断プログラムに含まれている。この表は、建物の耐震性能を示すIs値(構造耐震指標)別に、小破、中破、大破・全壊の損傷確率を算出するために用いた中央値と、対数標準偏差とを示している。
【0018】
この表において、Is=0.6の建物の損傷の程度は、小破、中破または大破・全壊の中央値(最大地動加速度)を、阪神・淡路大震災において建物が受けた損傷の程度と、最大推定地動加速度との関係に基づいて定めている。
【0019】
また、Is=0.6以外の建物の損傷の程度は、小破、中破または大破・全壊の中央値(最大地動加速度)Aを、下記の式(1)により算出する。
A=Ao×(Is/0.6) …(1)
ただし、Aoは、Is=0.6の場合の、小破、中破または大破・全壊の中央値(最大地動加速度)、Aは、任意のIs値の建物の損傷の程度が、小破、中破または大破・全壊の中央値(最大地動加速度)である。なお、上記の式(1)による、任意のIs値の建物の最大地動加速度Aの算出は、地震リスク診断プログラムに基づいて、演算処理装置2が行う。
【0020】
例えば、Is=0.3の、小破の中央値(最大地動加速度)Aは、Is=0.6の建物の、小破の中央値(最大地動加速度)Aoが400cm/s2なので、A=400×(0.3/0.6)=200cm/s2
のようにして算出される。
【0021】
図5 は、構成部分のうち、電力設備や情報流通設備といった設備が、所定の地動加速度の地震に遭った場合に損傷を受ける確率すなわち損傷確率を求めるための設備のフラジリティ曲線を示すグラフである。設備のフラジリティ曲線は、後述する方法で判定される耐震信頼性ランク、すなわちランクA、B、C毎に決められている。換言すれば、設備のフラジリティ曲線は、設備がランクAと判定された場合の曲線と、ランクBと判定された場合の曲線と、ランクCと判定された場合の曲線との、3本の曲線で構成されている。このフラジリティ曲線のデータも、地震リスク診断プログラムに含まれている。
【0022】
図5に示した例では、ランクAと判定された設備が、1050cm/s2の地動加速度の地震に遭った場合の損傷確率は0.5すなわち50%である。また、ランクCと判定された構成部分が、600cm/s2の地動加速度の地震に遭った場合の損傷確率は0.5すなわち50%である。
【0023】
図6 は、上記の図5に示した建物のフラジリティ曲線を作成するために用いられたデータを示す表である。このデータも、地震リスク診断プログラムに含まれている。耐震信頼性ランクがランクAの場合には、最大地動加速度の中央値(損傷確率が0.5すなわち50%となる最大地動加速度)は、T基準値に1.75を掛けた値とされ、ランクBの場合には、T基準値に1.50を掛けた値とされ、ランクCの場合には、T基準値に1.00を掛けた値とされている。
【0024】
T基準値とは、各設備の地震力に対する耐震性能基準値を示す。T基準値が400(cm/sec2)であれば、この地震力までは損傷を受けないことを目標として、設備が作成されていることを意味する。
【0025】
図7 および図8 は、データセンターを構成する構成要素のうち、設備に関する構成要素を、さらに細かく分けた各構成部分の耐震信頼性ランクを判定するための表である。各構成部分の耐震信頼性ランクは、調査員が、データセンターの現地調査を行い、この表に挙げられた各チェック項目をチェックし、チェックの結果を総合して判定する。チェック項目としては、表中の「機器本体」の欄に示された、設備の耐震設計方法に関する項目と、表中の「固定方法等」の欄に示された、設備の耐震固定実施状況に関する項目とがある。設備の耐震設計方法に関する項目とは、設備自体の耐震性をチェックするための項目であり、設備の耐震固定実施状況に関する項目とは、設備の固定方法の耐震性をチェックするための項目である。そして、判定結果が、地震リスク診断システムに与えられる。
【0026】
耐震信頼性ランクは、ランクA、ランクB、ランクCに分けられている。ランクAは、構成部分が、耐震性能の目標を満足している場合であり、耐震試験等によって耐震性能が精密に評価されている場合を想定している。ランクBは、構成部分が、耐震性能の目標をほぼ満足している場合であり、構造計算等によって耐震性能が確認されている場合を想定している。ランクCは、ランクAおよびランクB以外の場合である。
【0027】
図7は、データセンターを構成する、設備に関する構成要素の一つである電力設備を、さらに細かく分けた各構成部分(例えば、受電装置、本体装置等)の耐震信頼性ランクを判定するための表である。この表には、「機器本体」の欄に示された、設備の耐震設計方法に関するチェック項目として、例えば、機器の耐震試験を実施しているか否か、といったチェック項目が挙げられている。また、「固定方法等」の欄に示された、設備の耐震固定実施状況に関するチェック項目として、例えば、防振支持型の設備には、変位・移動防止のためダンパー、ストッパーが強固に取り付けられているか否か、といったチェック項目が挙げられている。また、この表の例では、構成部分の一つである受電装置の耐震信頼性ランクが、ランクAと判定されている。
【0028】
図8は、データセンターを構成する、設備に関する構成要素の一つである共通設備Aを、さらに細かく分けた各構成部分(例えば、共通装置、電力装置等)の耐震信頼性ランクを判定するための表である。この表には、「機器本体」の欄に示された、設備の耐震設計方法に関するチェック項目として、例えば、機器の耐震試験を実施しているか否か、といったチェック項目が挙げられている。また、「固定方法等」の欄に示された、設備の耐震固定実施状況に関するチェック項目として、例えば、耐震架台に固定されているか否か、といったチェック項目が挙げられている。また、この表の例では、構成部分の一つである共通装置の耐震信頼性ランクが、ランクAと判定されている。
【0029】
図9 は、各最大地動加速度での地震リスク(予想損害額)を示すグラフ(地震ロス関数)である。このグラフは、演算処理装置2によって作成され、表示装置4に表示される。このグラフの横軸は最大地動加速度、縦軸は地震リスク(予想損害額)である。例えば、このグラフによれば、最大地動加速度が800cm/s2での地震リスク(予想損害額)は約24億円である。
【0030】
図10 は、対象地点における最大地動加速度と、各最大地動加速度の地震が1年間あたりに発生する確率との関係を示すグラフ(地震ハザード曲線)である。このグラフも、演算処理装置2によって作成され、表示装置4に表示される。このグラフは、歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて作成される。この例によれば、最大地動加速度が800cm/s2の地震が発生する確率は、1.0×10-6すなわち0.0001%である。
【0031】
図11 は、地震リスク(予想損害額)と、この額の損害が発生する確率との関係を示すグラフ(リスクカーブ)である。このグラフも、演算処理装置2によって作成され、表示装置4に表示される。このグラフは、上記の図9に示した、各最大地動加速度と地震リスク(予想損害額)との関係と、上記の図10に示した、各最大地動加速度の地震が発生する確率すなわち地震発生確率とから作成される。この例によれば、地震リスク(予想損害額)が24億円となる確率は、1.0×10-6すなわち0.0001%である。
【0032】
図12 は、データセンターが地震によって損傷を受ける場合の、起こり得る損傷モードを示すイベントツリーの図である。このイベントツリーによって、地震による営業損失(データセンターの営業が停止することによる損失)が算出される。このイベントツリーは、地震リスク診断プログラムに基づいて、演算処理装置2が生成し、表示装置4に表示される。この図の例では、データセンターに起こりうる損傷モードとして、モード1からモード10までが挙げられている。
【0033】
例えば、モード2とは、データセンターの構成要素である地盤、建物、電力設備、共通設備A、共通設備B、Aサービス設備には損傷が無く(n)、Bサービス設備のみが損傷を受けた(y)場合である。この場合には、Bサービスのみが停止される。なお、Bサービスは、Bサービス設備だけではなく、Aサービス設備をも用いているので、モード3のようにAサービス設備が損傷を受ける(y)と、Bサービス設備が損傷を受けたか否かに関わらず停止する。また、モード7からモード10のように、共通設備A、電力設備、建物、地盤が損傷を受ける(y)と、Aサービス、Bサービス共に停止する。
【0034】
このイベントツリーにおけるn(損傷無し)には、所定の最大地動加速度で各構成要素が損傷を受けない確率が、演算処理装置2によって当てはめられ、y(損傷有り)には、所定の最大地動加速度で各構成要素が損傷を受ける確率が、演算処理装置2によって当てはめられる。各構成要素が損傷を受ける確率とは、後述するフォールトツリーを用いて算出される、各構成要素の損傷確率であり、各構成要素が損傷を受けない確率とは、(1−各構成要素の損傷確率)である。
【0035】
そして、演算処理装置2によって、損傷モード毎に、各構成要素(例えば、地盤、建物等)の損傷を受けない確率または損傷を受ける確率どうしの積がとられ、所定の最大地動加速度で各損傷モードに至る確率が算出される。
【0036】
一方、演算処理装置2によって、各損傷モードとなったときの損害額も算出される。そして、各損傷モードとなったときの損害額と、各損傷モードに至る確率との積がとられ、損害額の期待値が算出される。そして、各損傷モードにおける損害額の期待値が、全ての損傷モードについて合計され、所定の最大地動加速度での営業的な地震リスク(予想される営業的な損害額)が算出される。さらに、この地震リスク(予想損害額)が、各最大地動加速度の場合(例えば、最大地動加速度が5cm/s2から1050cm/s2までの場合)について算出される。
【0037】
図13 および図14 は、ユーザーが地震リスク診断システムに与える、データセンターを構成する構成要素が、所定の強さの地震(所定の地動加速度の地震)によって損傷を受ける確率を計算するためのフォールトツリー(FT)の例を示す図である。これらの図においては、データセンターを構成する構成要素が、さらに細かい構成部分に分けられている。
【0038】
図13は、データセンターを構成する構成要素の一つである電力設備のフォールトツリーを示す図である。この図においては、電力設備が、受電装置、電源に分けられ、電源が、予備発電装置、移動電源車、商用電源に分けられている。さらに、予備発電装置が、始動用装置、本体装置、燃料、冷却水槽、排気筒に分けられている。さらに、始動用装置が、始動用蓄電池、水槽に分けられ、水槽が、保水水槽、屋上水槽に分けられている。また、燃料が、燃料小出槽、地下油槽に分けられている。
【0039】
電力設備の構成部分のうち、保水水槽、屋上水槽のうちのいずれか1つが損傷を受けると、水槽は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、保水水槽、屋上水槽は、水槽に対するOR事象となっている。
【0040】
始動用蓄電池、水槽のうちのいずれか1つが損傷を受けると、始動用装置は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、始動用蓄電池、水槽は、始動用装置に対するOR事象となっている。
【0041】
燃料小出槽、地下油槽の両方が損傷を受けると、燃料は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、燃料小出槽、地下油槽は、燃料に対するOR事象となっている。
【0042】
始動用装置、本体装置、燃料、冷却水槽、排気筒のうちのいずれか1つが損傷を受けると、予備発電装置は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、始動用装置、本体装置、燃料、冷却水槽、排気筒は、予備発電装置に対するOR事象となっている。
【0043】
予備発電装置、移動電源車、商用電源の全てが損傷を受けると、電源は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、予備発電装置、移動電源車、商用電源は、電源に対するAND事象となっている。これは、例えば、商用電源から電源が供給されなくなった場合であっても、予備発電装置または移動電源車から電源が供給されれば、電源は機能することを意味する。
【0044】
受電装置、電源のうちのいずれか1つが損傷を受けると、電力設備は損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、受電装置、電源は、電力設備に対するOR事象となっている。
【0045】
図14は、データセンターを構成する構成要素の一つである共通設備Aのフォールトツリーを示す図である。この図においては、共通設備Aが、共通装置、空調室内機、空調室外機、電力装置に分けられている。
【0046】
共通装置、空調室内機、空調室外機、電力装置のうちのいずれか1つが損傷を受けると、共通設備Aは損傷を受ける(機能しなくなる)。すなわち、共通装置、空調室内機、空調室外機、電力装置は、共通設備Aに対するOR事象となっている。これは、例えば、共通装置が常に発熱しており、共通設備Aの機能を維持するためには、常に共通装置を冷却する空調室内機、空調室外機が機能している必要があることを意味する。
【0047】
次に、本実施形態の動作、すなわちデータセンターの地震リスク(予想損害額)を算出する手順を説明する。まず、物的な予想損害額を算出する手順を説明する。
【0048】
まず、ユーザーは、図2に示したように、データセンターを構成要素に分解し、分解した構成要素を地震リスク診断システムに与える。この図の例では、データセンターが、地盤、建物、電力設備、情報流通設備に分解されている。さらに、情報流通設備が、共通設備A、共通設備B、Aサービス設備、Bサービス設備に分解されている。
【0049】
次に、図3に示した建物のフラジリティ曲線から、各地動加速度における建物の損傷確率が算出される。詳細には、建物が全壊・大破、中破および小破に至る確率と、建物が無被害である確率とが算出される。
【0050】
次に、図5に示した設備のフラジリティ曲線から、各床応答加速度における設備の損傷確率が算出される。
【0051】
このとき、予め、調査員が、図7および図8に示したような表を用いて、構成要素における各構成部分の耐震信頼性ランクを判定し、判定結果が地震リスク診断システムに与えられる。図7に示した電力設備の例では、例えば、受電装置の耐震信頼性ランクがランクAと判定されている。また、図8に示した共通設備Aの例では、例えば、共通装置の耐震信頼性ランクがランクAと判定されている。
【0052】
すると、地震リスク診断システムにおける演算処理装置2は、図5に示した設備のフラジリティ曲線を用いて、耐震信頼性ランクが判定された各構成部分が、所定の地動加速度の地震に遭った場合に、損傷を受ける確率すなわち損傷確率を求める。例えば、耐震信頼性ランクがランクAと判定された共通装置が、1050cm/s2の床応答加速度の地震に遭った場合の損傷確率は0.5すなわち50%となる。
【0053】
そして、図3に示した建物のフラジリティ曲線から算出された、建物が全壊・大破に至る確率と、建物が全壊・大破に至った場合の損害額とがかけ合わされ、各地動加速度における、建物の物的な地震リスク、すなわち損害額の期待値が算出される。
【0054】
また、図5に示した設備のフラジリティ曲線から算出された、設備の損傷確率と、設備が損傷を受けた場合の損害額とがかけ合わされ、各地動加速度における設備の物的な地震リスク、すなわち損害額の期待値が算出される。
【0055】
そして、各地動加速度における、建物の物的な地震リスクと、設備の物的な地震リスクとが合計され、図9に示すような、各地動加速度における施設(データセンター)の物的な地震リスク、すなわち損害額の期待値が算出される。
【0056】
算出された、各地動加速度における施設(データセンター)の物的な地震リスク、すなわち損害額の期待値と、図10に示した各地動加速度の地震が発生する確率とから、図11に示したリスクカーブ、すなわち地震リスク(予想損害額)と、この損害額が発生する確率との関係が求められる。
【0057】
次に、営業損失を算出する手順を説明する。
【0058】
演算処理装置2は、図12に示したようなイベントツリーを作成し、表示装置3に表示する。この図の例では、データセンターに起こりうる損傷モードとして、モード1からモード10までが挙げられている。これらの損傷モードのうち、例えば、モード2とは、データセンターの構成要素である地盤、建物、電力設備、共通設備A、共通設備B、Aサービス設備には損傷が無く(n)、Bサービス設備のみが損傷を受けた(y)場合である。
【0059】
そして、演算処理装置2は、このイベントツリーにおけるn(損傷無し)に、各構成要素が所定の最大地動加速度で損傷を受けない確率を当てはめ、y(損傷有り)に、各構成要素が所定の最大地動加速度で損傷を受ける確率を当てはめる。各構成要素が損傷を受ける確率とは、後述するフォールトツリーを用いて算出された、各構成要素の損傷確率であり、各構成要素が損傷を受けない確率とは、(1−各構成要素の損傷確率)である。
【0060】
そして、演算処理装置2は、損傷モード毎に、各構成要素(例えば、地盤、建物等)の損傷を受けない確率または損傷を受ける確率どうしの積をとり、所定の最大地動加速度で、データセンターが各損傷モードに至る確率を算出する。
【0061】
一方、演算処理装置2は、データセンターが各損傷モードとなったときの損害額も算出する。そして、データセンターが各損傷モードとなったときの損害額と、データセンターが各損傷モードに至る確率との積をとり、損害額の期待値を算出する。そして、各損傷モードにおける損害額の期待値を、全ての損傷モードについて合計し、所定の最大地動加速度における、データセンターの営業的な地震リスク(予想される営業的な損害額)を算出する。さらに、この地震リスク(予想損害額)を、各最大地動加速度の場合(例えば、最大地動加速度が5cm/s2から1050cm/s2までの場合)について算出する。
【0062】
構成要素の損傷確率は図13、図14に例示するようなフォールトツリーで算出される。図13の例では、構成要素として電力設備が、構成部分として受電装置、電源、予備発電装置、移動電源車、商用電源、予備発電装置、始動用装置、本体装置、燃料、冷却水槽、排気筒、始動用蓄電池、水槽、保水水槽、屋上水槽、燃料小出槽、地下油槽が地震リスク診断システムに与えられる。図4の例では、構成要素として共通設備Aが、構成部分として共通装置、空調室内機、空調室外機、電力装置が地震リスク診断システムに与えられる。なお、構成部分のうちのいくつかが与えられなかった場合、すなわち診断対象の構成要素が、フォールトツリーにある構成部分のうちのいくつかを、実際には有していなかった場合には、与えられなかった項目(構成部分)は無視される。
【0063】
図13の例では、電力設備が、OR事象として、受電装置、電源に分解されている。さらに、電源が、AND事象として、予備発電装置、移動電源車、商用電源に分解されている。さらに、予備発電装置が、OR事象として、始動用装置、本体装置、燃料、冷却水槽、排気筒に分解されている。さらに、始動用装置が、OR事象として、始動用蓄電池、水槽に分解されている。さらに、水槽が、OR事象として、保水水槽、屋上水槽に分解されている。また、燃料が、OR事象として、燃料小出槽、地下油槽に分解されている。図4の例では、共通設備Aが、OR事象として、共通装置、空調室内機、空調室外機、電力装置に分解されている。
【0064】
構成要素毎の損傷確率は、以下のようにして求められる。
【0065】
演算処理装置2は、図13および図14に示したようなフォールトツリー内の各構成部分(例えば、図13における保水水槽等)に、それぞれの損傷確率を当てはめる。そして、AND事象となっている構成部分の損傷確率どうしの積をとって上位の構成部分の損傷確率とし、OR事象となっている構成部分の損傷確率どうしの和をとって上位の構成部分の損傷確率とするという演算を行い、構成要素(例えば、図12における電力設備)の損傷確率を算出する。
【0066】
例えば、図13に示した電力設備の例では、演算処理装置2は、以下のような演算を行う。まず、保水水槽の損傷確率と、屋上水槽の損傷確率との和をとり、上位の構成部分である水槽の損傷確率とする。次に、この水槽の損傷確率と、始動用蓄電池の損傷確率との和をとり、さらに上位の構成部分である始動用装置の損傷確率とする。また、燃料小出槽の損傷確率と、地下油槽の損傷確率との和をとり、上位の構成部分である燃料の損傷確率とする。
【0067】
次に、始動用装置の損傷確率と、本体装置の損傷確率と、燃料の損傷確率と、冷却水槽の損傷確率と、排気筒の損傷確率との和をとり、上位の構成部分である予備発電装置の損傷確率とする。次に、この予備発電装置の損傷確率と、移動電源車の損傷確率と、商用電源の損傷確率との積をとり、上位の構成部分である電源の損傷確率とする。そして、この電源の損傷確率と、受電装置の損傷確率との和をとり、データセンターを構成する構成要素の一つである電力設備の損傷確率を算出する。
【0068】
例えば、図14に示した共通設備Aの例では、演算処理装置2は、共通装置の損傷確率と、空調室内機の損傷確率と、空調室外機の損傷確率と、電力装置の損傷確率との和をとり、データセンターを構成する構成要素の一つである共通設備Aの損傷確率を算出する。
【0069】
そして、演算処理装置2は、図9に示したような、各最大地動加速度における、データセンターの営業的な地震リスク(予想される営業的な損害額)を示すグラフを作成し、表示装置4に表示する。このグラフの横軸は最大地動加速度、縦軸はデータセンターの地震リスク(予想損害額)である。例えば、このグラフによれば、最大地動加速度が800cm/s2における、データセンターの地震リスク(予想損害額)は約24億円となる。
【0070】
さらに、演算処理装置2は、図10に示したような、対象地点における最大地動加速度と、各最大地動加速度の地震が1年間あたりに発生する確率との関係を示すグラフを作成し、表示装置4に表示する。このグラフは、歴史地震の再現期待値が蓄積された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて作成される。この例によれば、最大地動加速度が800cm/s2の地震が発生する確率は、1.0×10-6すなわち0.0001%である。
【0071】
さらに、演算処理装置2は、図11に示したような、データセンターの地震リスク(予想損害額)と、この額の損害が発生する確率との関係を示すグラフを作成し、表示装置4に表示する。このグラフは、上記の図9に示した、各最大地動加速度とデータセンターの地震リスク(予想損害額)との関係と、上記の図10に示した、各最大地動加速度の地震が発生する確率すなわち地震発生確率とから作成される。例えば、このグラフによれば、データセンターの地震リスク(予想損害額)が24億円となる確率は、1.0×10-6すなわち0.0001%となる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、建物のフラジリティ曲線が、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成されるので、任意のIs値の施設の地震リスクを算出することができ、従って、建物のフラジリティ曲線を精度良く算出することができ、従って、地震リスクを精度良く算出することができる。
【0073】
また、本発明によれば、電力設備や情報流通設備といった設備のフラジリティ曲線が、各設備の耐震性能基準値を基本として、各設備の耐震設計方法と、耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて作成されるので、設備のフラジリティ曲線を精度良く算出することができ、従って、地震リスクを精度良く算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における地震リスク診断システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 ユーザーが地震リスク診断システムに与える、データセンターを構成する構成要素を示す図である。
【図3】 最大地動加速度と、建物が小破、中破、または大破・全壊の損傷を受ける確率すなわち損傷確率との関係を示した構造躯体(建物)のフラジリティ曲線のグラフである。
【図4】 図3に示したフラジリティ曲線を作成するために用いられたデータを示す表である。
【図5】 耐震信頼性ランクが判定された構成部分が、所定の地動加速度の地震に遭った場合に、損傷を受ける確率すなわち損傷確率を求めるための、電力設備や情報流通設備といった設備のフラジリティ曲線のグラフである。
【図6】 図5に示したフラジリティ曲線を作成するために用いられたデータを示す表である。
【図7】 データセンターを構成する構成要素の一つである電力設備を、さらに細かく分けた各構成部分の耐震信頼性ランクを判定するための表である。
【図8】 データセンターを構成する構成要素の一つである共通設備Aを、さらに細かく分けた各構成部分の耐震信頼性ランクを判定するための表である。
【図9】 各最大地動加速度での地震リスク(予想損害額)を示すグラフ(地震ロス関数)である。
【図10】 対象地点における最大地動加速度と、各最大地動加速度の地震が1年間あたりに発生する確率との関係を示すグラフ(地震ハザード曲線)である。
【図11】 地震リスク(予想損害額)と、この額の損害が発生する確率との関係を示すグラフ(リスクカーブ)である。
【図12】 データセンターが地震によって損傷を受ける場合の、起こり得る損傷モードを示すイベントツリーの図である。
【図13】 データセンターを構成する構成要素の一つである電力設備のフォールトツリーを示す図である。
【図14】 データセンターを構成する構成要素の一つである共通設備Aのフォールトツリーを示す図である。
【符号の説明】
1 記録媒体
2 演算処理装置(フラジリティ曲線作成手段、予想損害額算出手段、地震発生確率算出手段、被害発生確率算出手段)
3 入力装置
4 表示装置

Claims (7)

  1. 地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断システムであって、
    地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成手段と、
    施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成手段と、
    前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出手段と、
    歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出手段と、
    前記予想損害額算出手段が算出した所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出手段が算出した所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出手段と
    を含むことを特徴とする地震リスク診断システム。
  2. 前記収容設備は、情報流通設備に電源を供給する電力設備であり、少なくとも受電装置、商用電源、予備発電本体装置、移動電源車、燃料、冷却水槽、排気筒、保水水槽、屋上水槽、燃料小出槽、地下油槽からなることを特徴とする請求項1に記載の地震リスク診断システム。
  3. 前記収容設備は、少なくとも空調室内機、空調室外機、電力装置からなる共通設備であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の地震リスク診断システム。
  4. 前記収容設備は、建物を構成する構成要素として屋外空調設備、屋上水槽を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の地震リスク診断システム。
  5. 地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断方法であって、
    地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、
    施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、
    前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構 成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、
    歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、
    前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップと
    を含むことを特徴とする地震リスク診断方法。
  6. 地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断プログラムであって、
    地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、
    施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、
    前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、
    歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、
    前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップと
    をコンピュータに実行させる地震リスク診断プログラム。
  7. 地盤およびその地盤上に立てられた建物ならびにその建物に収容された収容設備から構成される施設の物的損失と収容設備の損傷によって発生する営業損失を含むトータルリスクを得るための地震リスク診断プログラムを記録した媒体であって、
    地震加速度と施設を構成する要素が損傷を受ける確率との関係が示されたフラジリティ曲線であって、施設を構成する要素が建物である場合に建物が大破・全壊の損傷を受ける確率を含む第1のフラジリティ曲線を、建物の耐震性能を示すIs値に応じて作成する第1のフラジリティ曲線作成ステップと、
    施設を構成する要素が建物に収容された収容設備である場合の第2のフラジリティ曲線 を、各設備の耐震性能基準値に対して、各設備の耐震設計方法と耐震固定実施状況とにより決定される耐震信頼性ランクに応じて定めた係数を掛けた値を用いて、耐震信頼性ランク毎に作成する第2のフラジリティ曲線作成ステップと、
    前記第1のフラジリティ曲線の全壊・大破の損傷を受ける確率と、診断対象の施設を構成する建物が全壊・大破に至った場合の損害額を掛け合わせて所定の地動加速度の地震が発生した場合の該建物の損害額の期待値を求めるとともに、前記第2のフラジティ曲線を用いて前記診断対象の施設を構成する収容設備の耐震信頼性ランクより得られる損傷確率と該収容設備が損傷を受けた場合の損害額とを掛け合わせて所定の地震加速度の地震が発生した場合の該収容設備の損害額の期待値を求め、前記建物の損害額の期待値と前記収容設備の損害額の期待値を合計して所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額を算出する予想損害額算出ステップと、
    歴史地震の再現期待値が格納された被害地震データベースより、対象地点に影響を及ぼす地震動を抽出し、統計解析を行うことにより計算される回帰曲線の係数を用いて、所定の地動加速度の地震が発生する確率を算出する地震発生確率算出ステップと、
    前記予想損害額算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生した場合に前記診断対象の施設に発生する予想損害額と、前記地震発生確率算出ステップにて算出した、所定の地動加速度の地震が発生する確率とから、前記診断対象の施設に所定の予想損害額が発生する確率を算出する被害発生確率算出ステップと
    をコンピュータに実行させる地震リスク診断プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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