JP3708413B2 - サバキシート、サバキパッド、および給紙装置 - Google Patents

サバキシート、サバキパッド、および給紙装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機、ファクシミリ等の印字や転写、印刷等にて用紙に画像を形成する画像形成装置等に適用され、詳しくは、積載された用紙を順次一枚ずつ分離して画像形成部等へと送り出す画像形成装置の給紙装置、およびそれに用いるサバキシート、サバキパッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の給紙装置には、例えば図16に示すようなものがある。図16は、固定式の給紙カセットを採用した従来の給紙装置の構成を示す断面図である。この給紙装置は、以下のような構成になっている。
【0003】
固定式の給紙カセット50の底面は、画像形成装置本体の底板57であり、収容された用紙Sの先端を押し上げる用紙押上板59は、この底板57に取り付けられている。用紙押上板59は、ソレノイド58がOFFすることで上昇し、用紙押上板59上に積載された用紙Sの先端を給紙ローラ51に押し当てるようになっている。
【0004】
上記給紙ローラ51は、画像形成装置の右側側壁でもある本体フレーム54に沿って配設されており、フロント側からリヤ側へと配設された1本のシャフト51aに、ローラ部分を分割して形成されている(本願発明の説明図である図4参照。図4において給紙ローラは部材番号5にて示され、ローラ部分は4つに分割されている)。
【0005】
そして、給紙ローラ51の下方であって、積載された用紙Sの先端が押し当てられる位置より下流側には、給紙された用紙Sの重送を防止するための用紙捌き部が設けられている。この用紙捌き部は、給紙ローラ51の分割されたローラ部分毎に配設された、捌きユニット52から構成される。
【0006】
捌きユニット52は、上面にサバキシート55を有しており、このサバキシート55が給紙ローラ51に圧接されている。また、捌きユニット52は、支持体52aを有しており、これを介して上記本体フレーム54にビス60で固定されている。捌きユニット52は、画像形成装置本体の底板57に立設されたガイド53に沿って、底板57にその一端が固定されたスプリング56にて矢印d方向に付勢されており、このスプリング56の付勢力にて、上面のサバキシート55を給紙ローラ51に圧接させている。ここで、ガイド53は、サバキシート55を給紙ローラ51に対して押し付ける押し付け方向を規制するものである。
【0007】
このような構成において、給紙時、ソレノイド58がOFFして用紙押上板59が上昇し、用紙Sの先端が給紙ローラ51に押し当てられると、給紙ローラ51の回転にて、給紙カセット50内の用紙Sが繰り出され、給紙ローラ51とサバキシート55との間に送られる。このとき、仮に複数枚の用紙Sが重なった状態で繰り出されたとしても、給紙ローラ51に対して圧接されているサバキシート55と給紙ローラ51との間を通過することはできず、ここで用紙Sが1枚ずつに分離されることで重送が防止される。給紙ローラ51とサバキシート55との間を通過した用紙Sは、給紙ローラ51の回転に伴って画像形成部(図示せず)へと送り出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上記サバキシート55としては、ウレタンやEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等からなるシートに、用紙Sとの摩擦を低減させるためにシリコーンオイル等を含浸させたものが用いられていた。ところが、含浸されたオイルが用紙Sに付着し、用紙Sの品位を低下させるという問題があった。また、用紙Sのサバキシート55との接触面に画像を形成する特にUパス給紙系等の画像形成装置では、付着したオイルにより印刷ムラが生じ、形成する画像の品位をも低下させるという問題があった。この印刷ムラの問題は、特にインクジェットプリンタにおいて顕著であった。
【0009】
これに対して、シリコーンオイル等を含浸させずにウレタンやEPDM等からなるシートをサバキシート55として用いると、印刷ムラの問題は解決可能であるものの、サバキシート55と用紙Sとの間の摩擦が増大してしまう。
【0010】
ここで、従来の構成において、用紙搬送時のサバキシート55や用紙Sを用紙搬送方向から見た状態を図17に示す。従来のサバキシート55は長方形の平面形状(図示せず)および長方形の断面形状を有し、平面における互いに平行な2辺が用紙搬送方向(図17において紙面と垂直方向)に配置されている。
【0011】
この場合、用紙Sにおいて搬送時にサバキシート55の上記2辺の角(すみ)55a・55aが接触する部分付近では、図18に示すように用紙搬送方向と直交する方向の位置に応じて用紙Sに加わる摩擦力が大きく異なる。つまり、用紙Sにおいてサバキシート55が接触する部分では摩擦力が大きく、サバキシート55が接触しない部分では摩擦力は0になり、用紙Sにおけるサバキシート55の角55a・55aが接触する部分に、用紙搬送方向のせん断力が働くことになる。このようなストレスにより、用紙Sにおける角55a・55aが接触する部分、特に用紙Sの搬送方向先端のこの部分に「はがれ」や「めくれ」等が生じることがある。
【0012】
また、用紙Sに加わる圧力も上記摩擦力と同様の傾向を示す(この圧力により上記摩擦力が生じる)。これにより、用紙Sにおいてサバキシート55の角55a・55aが通過した部分に「微少な段差」等が用紙搬送方向に線状に延びて痕跡として残ることがある。
【0013】
これらは何れも用紙Sの品位を低下させてしまう。このような不具合は、用紙Sとしてコート紙、フォト光沢紙、葉書等の厚紙を用いた場合に特に顕著に生じる。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、用紙供給時にその用紙にかかるストレスを抑制することができる給紙装置およびそれに用いるサバキシート、サバキパッドを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、このサバキシートにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、上記給紙ローラに圧接された際に給紙ローラから受ける力の方向を圧接方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、サバキシートの、サバキシートを支持する支持体側の面の幅方向端部が切り取られることで、上記圧接方向の厚みが上記幅方向において変化しており、上記幅方向で、接触面内中央部より端部の方が圧接方向に対する剛性が小さくなるような剛性特性を有することを特徴としている。
【0016】
上記の構成では、サバキシートが給紙ローラに圧接された際に、サバキシートの接触面における幅方向端部が中央部よりたわみやすくなる、つまりサバキシートの曲げによる腰が弱くなる。これによりサバキシートと給紙ローラとの間を用紙が通過する際に、用紙が上記端部から受ける圧力・摩擦力が低減される。その結果、上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。
【0017】
本発明のサバキシートは、上記のサバキシートにおいて、上記圧接方向の厚みが上記幅方向において変化していることにより上記剛性特性を有することが好ましい。
【0018】
上記の構成では、上記剛性特性を得るために、サバキシートの厚みを接触面の幅方向において変化させる、例えば端部の厚みを中央部の厚みより小さくする。これにより、サバキシートに簡単な加工を施すことによって上記の効果を得ることができる。
【0019】
あるいは、本発明のサバキシートは、上記のサバキシートにおいて、上記接触面に切り込まれたスリットが形成されており、このスリットにより上記剛性特性を有することが好ましい。
【0020】
上記の構成では、上記剛性特性を得るために、サバキシートの接触面にスリットを形成する。これにより、サバキシートに簡単な加工を施すことによって上記の効果を得ることができる。
【0021】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、このサバキシートにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向を縦方向、この縦方向と直交する方向を幅方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、上記接触面の幅方向の長さが、上記縦方向の位置に応じて異なっていることを特徴としている。
【0022】
上記の構成では、用紙がサバキシート上を通過する際に、サバキシートの接触面における角(接触面の端がなす角)の用紙への接触位置が、用紙の移動に伴って幅方向に変化することになる。これにより、サバキシートの角による用紙への影響(ストレス)が、用紙において一箇所に集中せずに分散されるため、上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。
【0023】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、用紙との摩擦を低減させる液体が含浸されており、上記サバキシートにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、上記幅方向では、接触面内端部より中央部の方が上記液体の含浸量が少ないことを特徴としている。
【0024】
上記の構成では、サバキシートに用紙との摩擦を低減させる液体が含浸されていることにより、サバキシートの接触面の端部における用紙との摩擦が低減され、上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。また、「はがれ」等の発生との関連性が小さい中央部での液体含浸量を少なくすることで、含浸された液体が用紙に付着することを極力抑えることができ、印刷品位等の劣化を抑制することができる。
【0025】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、このサバキシートにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、上記接触面の幅方向の端がなす角に面取りが施されていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成では、サバキシートの接触面の角に面取り(例えば、カット面、R面など)が施されている。これにより、上記角が鈍角化され、この角の用紙への圧接力が弱くなるため、上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。
【0027】
本発明のサバキパッドは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられ、上記サバキシートと、このサバキシートの上記給紙ローラの外周面に圧接される面と対向する面を支持する支持体とを備えたサバキパッドであって、このサバキパッドにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向を縦方向、この縦方向と直交する方向を幅方向とし、上記サバキシートにおいて、上記給紙装置で給紙ローラの外周面に圧接される領域をニップ領域とすると、上記支持体におけるサバキシートを支持する支持面の上記ニップ領域に対向する部分において、上記支持面の幅方向の端部が切除されていることを特徴としている。
【0028】
上記の構成では、サバキシートが、そのニップ領域における幅方向の端部において、支持されていない状態となる。これによりその端部ではサバキシートがたわみやすくなり、用紙が上記端部から受ける圧力・摩擦力が低減される。その結果、上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。
【0029】
本発明の給紙装置は、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置であって、上記サバキシートにおいて、用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、上記給紙ローラとサバキシートとの間を用紙が通過する際に、その用紙の通過位置を規制するガイドリブが、上記接触面の外側に設けられており、このガイドリブは、サバキシートが給紙ローラに圧接させるニップ領域において、この用紙を上記接触面における幅方向の端がなす角から給紙ローラ側に引き離す方向の力を与え、用紙が上記角に押し付けられる力を低減することを特徴としている。
【0030】
上記の構成では、サバキシートの接触面の外側(例えば、幅方向の外側、あるいは用紙通過方向下流側の外側)に配置されたガイドリブにより、用紙がサバキシートの接触面における幅方向の端がなす角に押し付けられる力が低減される。その結果、この角に起因する上述した「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の発生を抑制することができる。
【0031】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記接触面が平面形状であり、上記ガイドリブが、上記接触面を含む平面から給紙ローラ側に突出していることが好ましい。
【0032】
上記の構成では、ガイドリブが接触面を含む平面から突出しているため、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【0033】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記ガイドリブが、上記接触面に対して幅方向の外側に配置されていることが好ましい。
【0034】
上記の構成では、ガイドリブがサバキシートの接触面の幅方向の外側に配置されていることで、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【0035】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記ガイドリブが、上記接触面に対して用紙通過方向の下流側の外側に配置されていることが好ましい。
【0036】
上記の構成では、ガイドリブがサバキシートの用紙通過方向の下流側の外側にに配置されていることで、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1から図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0038】
まず、図2から図4を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。図2は、上記インクジェットプリンタ1を正面左側より見た外観図であり、図3は、上記インクジェットプリンタ1の概略構成を示す縦断面図、図4は、インクジェットプリンタ1における給紙ローラ5の周辺部の構成を示す平面図である。
【0039】
インクジェットプリンタ1は、その底面部に積載された用紙Sを収納する給紙カセット2を備えている。この給紙カセット2は、着脱式とは異なる固定式であり、カセットの底板としてインクジェットプリンタ1の底板1aを利用している。したがって、インクジェットプリンタ1の底板1aに、給紙カセット2内に収容された用紙Sを押し上げる用紙押上板3が設けられており、給紙カセット2内に収容された用紙Sは、この用紙押上板3上に積載される。
【0040】
また、上記給紙カセット2を構成するインクジェットプリンタの底板1aには、リヤ側及びフロント側に用紙挿入ガイド16・17が各々設けられると共に、底板1aより所定距離隔てて用紙挿入ガイド18が形成されている。これら用紙挿入ガイド16〜18の案内で、用紙Sはインクジェットプリンタ1の図3中左側より給紙カセット2内に挿入されるようになっている。このうち、フロント側に設けられた用紙挿入ガイド17は、図4中両矢印aにて示す方向に平行移動可能で、給紙カセット2内に収容された用紙Sをリヤ−フロント方向に整合するようになっている。なお、ここでは特に図示してはいないが、給紙カセット2には、収容された用紙Sを用紙の挿入方向(給紙方向に同じ)に整合する整合板も設けられている。
【0041】
上記用紙押上板3の下方には、インクジェットプリンタ1に対して印字要求がなされたときにOFFして用紙押上板3を、シャフト3aを支点に上方に押し上げるソレノイド4が配設されている。ソレノイド4は、用紙押上板3のリヤ側とフロント側の両サイドに各々設けられている。用紙押上板3が上方に押し上げられることで、その上に載置された積載用紙Sの最上位の用紙Sの先端側が、上方に配設された給紙ローラ5に押し当てられることとなる。
【0042】
用紙Sが押し当てられる上記給紙ローラ5は、図3および図4中矢印bにて示す方向に回転するもので、その回転力で給紙カセット2内に積載された用紙Sの最上位の用紙Sを繰り出すと共に、繰り出した用紙Sを引き連れて給紙カセット2の上方に位置する後述の記録部(画像形成部)へと搬送するものである。給紙ローラ5は、インクジェットプリンタ1の右側側壁ともなる本体フレーム1bに沿って設けられた、モータ15の駆動力が伝達されるシャフト6に、ローラ部分が分割して配置されている。ここでは4分割して配置されている。
【0043】
給紙ローラ5の下方であって、上記給紙カセット2の給紙側には、給紙カセット2より繰り出された用紙Sの重送を防止するための用紙捌き部7が設けられている。詳細については後述するが、上記用紙捌き部7は、シャフト6に4分割して配置された個々の給紙ローラ5毎に設けられている。
【0044】
また、上記給紙ローラ5の周囲であって、上記用紙捌き部7の用紙搬送方向下流側には、給紙ローラ5による用紙Sの搬送を補助する搬送ローラ8と、画像の先端合わせを行うためのPSローラ(ペーパーストップローラ)9とが配設されている。PSローラ9は、用紙Sの先端位置と画像先端位置とを合わせるためのものであって、PSローラ9と共に給紙ローラ5の回転が一旦停止し、用紙Sの先端位置と画像先端位置とが合うタイミングで回転が再開されることで、用紙Sは記録部へと搬送される。
【0045】
記録部には、記録装置10と乾燥装置12とが順に配設されている。記録装置10は、画像データに対応して必要なインクを吐出し、用紙S上に印字を行うインクヘッド10aと、該インクヘッド10aを搭載するインクキャリッジ10bと、その走査を円滑にするために配置されたインクキャリッジ保持シャフト10cとによって構成される。
【0046】
記録時、用紙Sは一旦停止され、インクキャリッジ10bによる主走査方向1ライン(1方向)の走査が終了した時点で、インクヘッド10aが有する複数のインクノズルの副走査方向の形成長さに相当する距離だけ搬送される。画像データに対応したこのような処理が継続して実施されることによって、画像が用紙S上にインクにより書き込まれる。印字された用紙Sは、搬送ローラ対11にて、乾燥装置12へと搬送される。
【0047】
乾燥装置12は、用紙Sに対してエアを吹きつけるなどして用紙S上のインクを乾燥させるものである。インク乾燥後の用紙Sは、排紙ローラ対13によって、排紙トレイ14上に排出され印刷物としてユーザに提供される。なお、図3中、特に説明しなかった参照符号19・19にて示す部材は、給紙カセット2から給紙され、排紙トレイ14上に排出されるまでの用紙Sの搬送を案内する搬送ガイドである。
【0048】
次に、上記した用紙捌き部7の構成を、先の説明で用いた図4と、図5(a)および図5(b)を用いて詳細に説明する。図5(a)および図5(b)は、給紙装置を構成する用紙捌き部7とその周辺部の構成を示す縦断面図であって、図5(a)は給紙時、図5(b)は非給紙時、つまり、インクジェットプリンタ1の待機時の状態をそれぞれ示している。なお、給紙装置には給紙ローラ5も含まれる。
【0049】
用紙捌き部7は、上記給紙ローラ5の外周面に圧接されるサバキシート100を上方に有する可動式用紙捌きユニット21から構成されている。この可動式用紙捌きユニット21は、図5(a)に示す、サバキシート100が給紙ローラ5に圧接される圧接位置と、図5(b)に示す、サバキシート100が給紙ローラ5より離間した待機位置とに移動可能に構成されており、給紙時のみ圧接位置に保持され、サバキシート100を給紙ローラ5に圧接させるようになっている。このように、サバキシート100を給紙ローラ5に常時圧接させるのではなく、給紙時のみ圧接させる構成を採用したことで、サバキシート100の磨耗を抑制して耐久性を向上でき、長期にわたって安定した給紙を実現できる。
【0050】
上記可動式用紙捌きユニット21は、大きく分けて、ユニット本体でもある支持台部21aと、この支持台部21a上に設けられた、上記サバキシート100を支点Zで回動自在に支持する支持体200と、この支持体200の支持面に支持されたサバキシート100を給紙ローラ5へ圧接する圧接スプリング21dと、本体フレーム1bに係止されることで上記押上スプリング22による可動式用紙捌きユニット21の高さ位置を規制するストッパー21cとから構成されており、さらに、上記支持台部21aには、前述した用紙押上板3の昇降動作に連動して可動式用紙捌きユニット21の高さ位置の切り換えを可能にする操作片21eが形成されている。なお、サバキシート100と支持体200とによりサバキパッドが構成される。
【0051】
可動式用紙捌きユニット21は、インクジェットプリンタ1の底板1aに一端が固定された押上スプリング22の付勢力が支持台部21aに加えられることで、給紙ローラ5の配設された上方に常時付勢されているが、インクジェットプリンタ1が待機状態にある非給紙時、図5(b)に示すように、支持台部21aに形成された上記操作片21eに用紙押上板3が係合し、操作片21eが上方より押さえ込まれることで、上方への移動が抑止され、給紙ローラ5よりサバキシート100が離間した待機位置に保持されている。
【0052】
これに対し、給紙時は、図5(a)に示すように、ソレノイド4がOFFして用紙押上板3が上方に移動するため、この動作に連動して操作片21を押さえ込むことによる抑止が解除され、可動式用紙捌きユニット21は、押上スプリング22の付勢力で上方に移動する。そして、支持台部21aに設けられた上記ストッパー21cが本体フレーム1bに係止することで、可動式用紙捌きユニット21は、押上スプリング22の付勢力に係わらず予め定められた高さ位置にて停止する。この停止位置が、支持体200に支持されたサバキシート100を給紙ローラ5に圧接させた圧接位置である。
【0053】
可動式用紙捌きユニット21が圧接位置にあるとき、支持体200に支持されたサバキシート100は、支持体200を介してサバキシート100をその法線方向より付勢する圧接スプリング21dの付勢力にて、給紙ローラ5へと圧接される。このとき、サバキシート100は、給紙ローラ5に対し、給紙ローラ5の回転方向下流側を上方とした斜め方向より、捌きに必要な予め定められた圧接力にて圧接される。上記したストッパー21cが設けられることで押上スプリング22の付勢力がサバキシート100の給紙ローラ5への圧接力に直接関与せず、圧接スプリング21dの付勢力のみで制御でき、圧接力の設定が容易である。なお、サバキシート100が給紙ローラ5に圧接された際に、サバキシート100が給紙ローラ5から受ける圧接力の方向を圧接方向とする。
【0054】
サバキシート100が給紙ローラ5に圧接された状態で、給紙ローラ5の回転に伴いサバキシート100と給紙ローラ5との間に複数枚の用紙Sが搬入されると、サバキシート100には、重送された用紙Sの厚みによってサバキシート100と給紙ローラ5との間を広げようとする力が作用する。サバキシート100に給紙ローラ5との間を広げようとする力が作用すると、サバキシート100が図5(a)中矢印cにて示す方向に回動して給紙ローラ5より離間する方向に変位し、サバキシート100と給紙ローラ5との間が広がる。これにより、重送された用紙Sが必要以上の力で給紙ローラ5に押し付けられるようなことがない。もちろん、サバキシート100が回動して圧接スプリング21dが縮んだ分、サバキシート100を給紙ローラ5へ押し付ける圧接力は強くなるが、その際の圧接力の増加は適正な範囲であって、用紙Sの搬送性を大きく損なうものではない。
【0055】
上記した可動式用紙捌きユニット21においては、サバキシート100を給紙ローラ5に対して圧接する圧接スプリング21dの付勢方向とサバキシート100が押し下げられる方向とが一致しているので、圧接スプリング21dに必要とされる、サバキシート100の重送される用紙Sの厚みに対する変位が可能であって、かつ、用紙捌きに必要な圧接力を付与し得るといった条件を満足させやすい。
【0056】
上記可動式用紙捌きユニット21において使用している、2つのスプリング、つまり、サバキシート100を給紙ローラ5に圧接させる圧接スプリング21d及び可動式用紙捌きユニット21自体を待機位置より圧接位置へと押し上げる押上スプリング22それぞれの負荷荷重に対する変形性を比較すると、押上スプリング22よりも圧接スプリング21dの方を変形し易く設定することが必要である。このように設定することで、可動式用紙捌きユニット21を圧接位置に保持した状態で、サバキシート100と給紙ローラ5との間に搬送された用紙Sの厚みによってサバキシート100が受ける力を的確に圧接スプリング21dにて吸収して、用紙Sを効率良く捌くことができる。
【0057】
また、上記した用紙捌き部7では、可動式用紙捌きユニット21の位置の切り換えを、給紙時に用紙Sを押し上げる用紙押上板3の動作に連動させて行う構成としているので、部材点数を増加させることなく、給紙時のみサバキシート100を給紙ローラ5に圧接させるといった切換動作を容易に実現できる。
【0058】
ここで、サバキシート100と給紙ローラ5との関係について、先の説明で用いた図4を用いて説明する。サバキシート100は、前述のように用紙Sの重送を防止するためのものであるが、用紙Sの搬送時には搬送抵抗を生じさせてしまう。この搬送抵抗を小さくするためには、サバキシート100の給紙ローラ5に圧接される部分の面積を、重送防止の機能を確保できる範囲内で極力小さくすることが望ましい。また、用紙Sを用紙搬送方向にスムーズに搬送するためには、用紙Sに対してその幅方向にサバキシート100が均等に近い状態で作用することが望ましい。
【0059】
そこで、本給紙装置では、サバキシート100の幅(用紙搬送方向と直交する方向の長さ)を小さくするとともに、このサバキシート100が設けられた用紙捌き部7を4分割して用紙Sの幅方向にほぼ均等に配置している。
【0060】
また、用紙Sを確実に搬送するためには、給紙ローラ5の用紙Sとの接触部分がより大きくなるように設定することが望ましい。その結果、図17に示したようにサバキシート100の幅方向両端の角(図17における角55aに相当)が、必然的に給紙ローラ5と近くなる、あるいは給紙ローラ5と対向する配置となる。これにより、発明が解決しようとする課題の項で説明したような用紙の「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の問題が発生しやすくなる。
【0061】
本実施の形態では、用紙捌き部7におけるサバキシート100や支持体200を以下のような構成とすることにより、上記の問題の解決を図っている。なお、図2から図5におけるサバキシート100や支持体200は、以下に説明するサバキシートや支持体に適宜置き換えられるものである。また、以下のサバキシートや支持体は、図2から図5で説明した用紙捌き部7に限らず、図16で説明したものに適用してもよい。
【0062】
なお、各サバキシートの共通点としては、ウレタンやEPDM等からなるシートから構成されていること、支持体200に接着等により取り付けられていること、が挙げられる。また、各サバキシートの一般的な厚みとしては1mmから1.5mm程度である。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
【0063】
ここで、「用紙搬送方向」とは用紙Sが給紙ローラ5とサバキシート100との間を通過する際の用紙Sの移動方向(縦方向)を指し、「幅方向」とは用紙搬送方向と直交する方向を指し、「幅」とは幅方向の長さを指すものとする。「用紙搬送方向上流」および「用紙搬送方向下流」とは、用紙Sが給紙ローラ5により搬送される際の移動方向を基準としている。「幅方向端部」とは各サバキシートにおいて用紙搬送方向に沿った幅方向の端の領域(端部)を指し、その領域の幅は特に限定されるものではなく、以下で説明する効果が得られるように適宜設定されるものである。「給紙ローラニップ位置」とはサバキシート100が給紙ローラ5に圧接された際に、サバキシート100が給紙ローラ5から圧力を受ける領域(ニップ領域)の用紙搬送方向中央部分をいう。
【0064】
〔実施形態1〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図1(a)から図1(c)に基づいて説明する。図1(a)は第1の実施形態に係るサバキシート110および支持体200を給紙ローラ5(図5参照)側から見た平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線矢視断面図、図1(c)は図1(a)のサバキシート110および支持体200の側面図である。
【0065】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特にサバキシート110に特徴がある。本実施形態に係るサバキシート110は、その幅方向端部(端部)Ed・Ed(両端部)において厚さが薄くなっている。
【0066】
より具体的には、サバキシート110の上面(給紙ローラ5側の面を指す。以下において同じ。)は用紙Sの重送防止機能を果たすために平面となるように形成されている。このサバキシート110の上面は、用紙Sが通過する際にこの用紙Sが接触する接触面となる。サバキシート110の下面(支持体200側の面を指す。以下において同じ。)における幅方向中央部(中央部)Ctは支持体200に取り付けるために平面となるように形成されている。ただし、支持体200のサバキシート110を支持する面(支持面)が平面でない場合にはサバキシート110の下面もその面に沿ったものとなる。そして、サバキシート110の下面における幅方向端部Ed・Edが、厚み方向において斜めに切り取られた形状となっている。つまり、サバキシート110の幅方向端部Ed・Edでは、角110a・110aに近づくほどサバキシート110の厚さが薄くなるように形成されている。したがって、サバキシート110の幅方向端部Ed・Edでは、下面が支持体200から離れており、サバキシート110の剛性によって上面が平面に保たれている。なお、角110a・110aは、サバキシート110の幅方向の端がなす角である。
【0067】
サバキシート110は、前述したようにウレタンやEPDM等、剛性が比較的小さい材質からなっているため変形しやすい。したがって、サバキシート110が給紙ローラ5に圧接された場合には幅方向端部Ed・Edが若干たわむ。これにより、サバキシート110と給紙ローラ5との間に用紙Sが介在したとき、用紙Sの幅方向端部Ed・Edに対応する位置に加わる圧力が、角110a・110aに近づくにつれて徐々に小さくなる。また、これに伴って用紙Sの幅方向端部Ed・Edに対応する位置に加わる摩擦力も、角110a・110aに近づくにつれて徐々に小さくなる。その結果、用紙Sにおける角110a・110aが接触する部分に発生する「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等の問題を軽減または防止することができる。
【0068】
なお、支持体200は、その幅がサバキシート110の幅より小さいことが望ましい。図1(b)では、幅方向端部Ed・Edにおけるサバキシート110と支持体200との間の隙間を誇張して図示しているが、一般にはサバキシート110の厚みが薄いため、上記隙間は小さい。そのため、サバキシート110の幅方向端部Ed・Edがたわんだとしても、支持体200に接触することにより上記圧力や摩擦力の低減効果が小さい場合がある。これに対して、支持体200の幅をサバキシート110の幅より小さくすることにより、サバキシート110の幅方向端部Ed・Edがたわんだときに支持体200との接触部分を小さくすることができ、幅方向端部Ed・Edのたわみが制限されることを抑制することができる。
【0069】
また、ここではサバキシート110の下面における幅方向端部Ed・Edが、厚み方向において斜めに切り取られた形状となっている場合について説明したが、これに限らず、幅方向端部Ed・Edがたわみやすくなるようにサバキシート110の幅方向の厚みを変化させればよい。
【0070】
〔実施形態2〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図6に基づいて説明する。図6は第2の実施形態に係るサバキシート120および支持体200を給紙ローラ5(図5参照)側から見た平面図である。
【0071】
本実施形態に係る用紙捌き部7も、特にサバキシート120に特徴がある。本実施形態に係るサバキシート120は、その幅方向端部Ed・Edに複数のスリット120d…が形成されている。
【0072】
このスリット120d…は用紙搬送方向に対して左右対称に配置され、各スリット120dは用紙搬送方向に対して斜めに形成されている。そして、用紙搬送方向に対して左右対称に配置された一対のスリット120d・120dに注目すると、幅方向の互いの間隔が用紙搬送方向に沿って広がる、つまり「逆ハの字」状になっている。また、支持体200は、その幅がサバキシート120の幅より小さくなるように構成されている。
【0073】
このようにスリット120d…を形成することにより、サバキシート120の幅方向端部Ed・Edがたわみやすくなる。また、支持体200の幅をサバキシート120の幅よりも小さくすることにより、サバキシート120の幅方向端部Ed・Edにおいてサバキシート120の下面が支持体200に接触しない部分が形成され、その部分が実際にたわみ得る。
【0074】
これにより、実施形態1と同様にサバキシート120の幅方向端部Ed・Edにおいて用紙Sに加わる圧力や摩擦力の低減効果を得ることができ、その結果、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等が発生することを抑制または防止することができる。
【0075】
なお、スリット120d…を「逆ハの字」状に配置したのは次の理由による。スリット120d…を形成すると、その前後においてサバキシート120の上面に段差が生じることがある。用紙搬送方向の用紙搬送方向下流側が低くなるような段差であれば問題となりにくいが、逆に用紙搬送方向下流側が高くなるような段差であれば用紙Sが引っ掛かるという問題が生じる場合がある。
【0076】
ここで、スリット120d…を幅方向に平行に形成すると、用紙Sが引っ掛かりやすくなる。スリット120d…を上記とは逆に「正ハの字」状に配置すると、用紙Sは引っ掛かりにくくはなるが、引っ掛かった場合には用紙Sをサバキシート120の中央に寄せる向きの力が発生するため、用紙Sが薄いものであるとシワを形成することがある。これに対し、スリット120d…を上記のように「逆ハの字」状に配置すると、用紙Sが引っ掛かりにくくなり、かつ、引っ掛かった場合にも用紙Sをサバキシート120の外側に延ばす向きの力が発生するだけであるため、シワの発生の原因になりにくい。また、用紙Sをサバキシート120の外側に延ばす向きの力が発生したとしても、用紙Sが破れるほどの力が働くとは考え難い。
【0077】
以上より、スリット120d…を「逆ハの字」状に配置することが望ましい。ただし、上記段差が小さく引っ掛かりの問題が生じないような場合には、スリット120d…を幅方向に平行に形成してもよく、「正ハの字」状に配置してもよい。また、図7に示すように、用紙搬送方向に平行なスリット120d…を千鳥足状に配置してもよい。この場合、上記引っ掛かりの問題は発生しにくいため望ましい。図7は第2の実施形態に係る別のサバキシート120を給紙ローラ5側から見た平面図である。
【0078】
なお、スリット120d…はサバキシート120を貫通するものであってもよく、サバキシート120の上面から切り込まれ下面には達していないものであってもよい。後者のように貫通するものでない場合には、上記スリット120d…の前後においてサバキシート120の上面に段差が生じ難く望ましい。
【0079】
また、スリット120d…の形成に加えて、実施形態1と同様にサバキシート120の幅方向端部Ed・Edの厚さを薄くすることにより、さらにサバキシート120のたわみの効果が得られやすいため望ましい。
【0080】
以上のように、実施形態1および2に係るサバキシート110・120は、幅方向端部Ed・Edがたわみやすい、つまり、幅方向において幅方向中央部Ctより幅方向端部Ed・Edの方が給紙ローラ5から受ける圧接力の方向に対する剛性が小さくなるような剛性特性を有するものである。
【0081】
〔実施形態3〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図8(a)から図8(c)に基づいて説明する。図8(a)は第3の実施形態に係るサバキシート100および支持体210を給紙ローラ5(図5参照)側から見た平面図、図8(b)は図8(a)におけるB−B線矢視断面図、図8(c)は図8(a)のサバキシート100および支持体210の側面図である。
【0082】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特に支持体210に特徴がある。本実施形態に係る支持体210は、サバキシート100を支持する面において、サバキシート100の幅方向端部Ed・Edであり、かつ、給紙ローラニップ位置Npに対して用紙搬送方向前後の領域(図8(a)で破線のハッチングを付した部分。幅方向端部Ed・Edにおけるニップ領域を含んでいる。)に凹部210a・210aが形成されている。この支持体210に対して取り付けるサバキシート100は、単なるシート状のものでよい。
【0083】
この構成では、サバキシート100の幅方向端部Ed・Edがたわみやすくなり、実施形態1、2と同様にサバキシート100の幅方向端部Ed・Edにおいて用紙Sに加わる圧力や摩擦力の低減効果を得ることができる。その結果、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等が発生することを抑制または防止することができる。
【0084】
ここで、凹部210a・210aは、用紙搬送方向において、サバキシート100が給紙ローラ5から圧力を受ける領域より大きいことが望ましい。これにより上記「たわみ」の効果が得られやすくなる。また、凹部210a・210aの用紙搬送方向前後において支持体210がサバキシート100の下面を支持していることが望ましい。これにより、サバキシート100における支持体210の凹部210a・210aに対向する部分でも平面性が保たれ、サバキシート100による用紙Sの重送防止機能等が阻害されることを抑制できる。
【0085】
なお、凹部210a・210aに限らず、例えば凹部210a・210aに対応する部分が打ち抜かれていてもよく、給紙ローラニップ位置Npに対して用紙搬送方向前後の領域において、他の領域よりサバキシート100が支持されている幅が小さくなっておればよい。つまり、支持体210におけるサバキシート100を支持する支持面の上記ニップ領域に対向する部分において、支持面の幅方向の端部が切除されておればよい。
【0086】
〔実施形態4〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図9(a)から図9(c)に基づいて説明する。図9(a)は第4の実施形態に係るサバキシート100および支持体220を給紙ローラ5側(図5参照)から見た平面図、図9(b)は図9(a)におけるC−C線矢視断面図、図9(c)は図9(a)のサバキシート100および支持体220の側面図である。なお、図9(b)および図9(c)には用紙Sも図示している。
【0087】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特に支持体220に特徴がある。本実施形態に係る支持体220には、給紙ローラニップ位置Npに対して用紙搬送方向下流側であり、かつ、幅方向両端側に後方ガイドリブ(ガイドリブ)220a・220aが設けられている。この後方ガイドリブ220a・220aは、その上端面が用紙Sの通過位置を規制するものである。そして、この後方ガイドリブ220a・220aは、その上端面がサバキシート100の上面から給紙ローラ5側に突出するように形成されている。つまり、支持体220のサバキシート100を支持する面に対する後方ガイドリブ220a・220aの上端面の高さ(H)がサバキシート100の厚み(t)より大きくなる(H>t)ように後方ガイドリブ220a・220aが形成されている。
【0088】
この後方ガイドリブ220a・220aを設けることにより、用紙搬送時、給紙ローラニップ位置Npと後方ガイドリブ220a・220aの位置との間、つまり給紙ローラニップ位置Npから用紙搬送方向下流側において用紙Sがサバキシート100の上面から持ち上げられることになる。これにより、給紙ローラニップ位置Npから用紙搬送方向下流側において、サバキシート100の角100a・100aが用紙Sへ接触することを避ける、あるいは接触する力を低減することができる。
【0089】
このように、この構成ではサバキシート100の角100a・100aによる用紙Sへの影響を低減することができるため、用紙Sにおいてサバキシート100の角100a・100aが通過した部分に「微少な段差」等が用紙搬送方向に形成されることを抑制することができる。
【0090】
なお、ここでは後方ガイドリブ220a・220aが幅方向両端側に設けられている場合について説明したが、これに限らず用紙Sがサバキシート100の角100a・100aから持ち上げられる方向の力を受けるように後方ガイドリブが配置されておればよい。このためには、例えば、給紙ローラニップ位置Npに対して用紙搬送方向下流側であり、サバキシート100の幅方向ほぼ全体に後方ガイドリブが形成されていてもよい。
【0091】
〔実施形態5〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図10、図11(a)、および図11(b)に基づいて説明する。図10は第5の実施形態に係るサバキシート100、支持体200および側方ガイドリブ(ガイドリブ)300の側面図である。また、図11(a)は、図10のサバキシート100、支持体200および側方ガイドリブ300を給紙ローラ5側(図5参照)から見た平面図、図11(b)は図11(a)におけるD−D線矢視断面図である。なお、図11(c)には用紙Sも図示している。
【0092】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特に側方ガイドリブ300・300を設けた点に特徴がある。実施形態4における後方ガイドリブ220a・220aが給紙ローラニップ位置Npに対して用紙搬送方向下流側に設けられていたのに対し、側方ガイドリブ300・300は給紙ローラニップ位置Npの側方(サバキシート100に対して幅方向外側)にも位置するものである。ここでは、側方ガイドリブ300・300が可動式用紙捌きユニット21(図5参照)の支持台部21aの一部として構成されているものとしているが、支持体200の一部として構成されていてもよい。
【0093】
この側方ガイドリブ300・300も、後方ガイドリブ220a・220aと同様に、その上端面が用紙Sの通過位置を規制するものである。また、この側方ガイドリブ300・300も、サバキシート100が用紙Sを介して給紙ローラ5に圧接された際に、側方ガイドリブ300・300の上端面がサバキシート100の上面から給紙ローラ5側に突出するように形成されている。なお、側方ガイドリブ300・300と給紙ローラ5とが干渉しないように、側方ガイドリブ300・300の間隔は給紙ローラ5の幅よりも大きくなるように設定されている。
【0094】
この側方ガイドリブ300・300を設けることにより、用紙搬送時、給紙ローラニップ位置Npにおいて用紙Sがサバキシート100の幅方向両端で上面から持ち上げられることになる。これにより、給紙ローラニップ位置Npにおいて、サバキシート100の角100a・100aが用紙Sへ接触することを避ける、あるいは接触する力を低減することができる。
【0095】
このように、この構成ではサバキシート100の角100a・100aによる用紙Sへの影響を低減することができるため、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等が発生することを抑制または防止することができる。
【0096】
なお、側方ガイドリブ300・300は給紙ローラニップ位置Npの側方のみならず、給紙ローラニップ位置Npから用紙搬送方向上流側および/または下流側にまで延長して設けられていることが望ましい。これにより、用紙搬送方向上流側および/または下流側においてもサバキシート100の角100a・100aによる用紙Sへの影響を低減する効果が得られる。
【0097】
また、側方ガイドリブ300・300は、サバキシート100が用紙Sを介して給紙ローラ5に圧接された際に、サバキシート100の上面に対する側方ガイドリブ300・300の上端面の高さが、用紙搬送方向上流側より下流側において高くなっていることが望ましい。これにより、用紙への負荷や搬送時の衝撃を和らげる効果が得られる。
【0098】
〔実施形態6〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図12に基づいて説明する。図12は第6の実施形態に係るサバキシート130および支持体200を給紙ローラ5側(図5参照)から見た平面図である。
【0099】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特にサバキシート130に特徴がある。本実施形態に係るサバキシート130は、その幅方向両端が用紙搬送方向に対して傾斜している。つまり、サバキシート130の角130a・130aが、用紙搬送方向に対して傾斜している。より具体的には、用紙搬送方向上流側から用紙搬送方向下流側に向かって、サバキシート130の幅が最初徐々に大きくなり、途中から徐々に小さくなるようにサバキシート130が形成されている。
【0100】
この構成では、サバキシート130の角130a・130aが、用紙Sの幅方向において常に一定の位置に接触することを避け、用紙Sが搬送されるにつれて角130a・130aが接触する位置を用紙Sにおいて移動させることができる。これにより、サバキシート130の角130a・130aによる用紙Sへの影響が、用紙Sの特定の箇所に集中することを避け分散させることができる。その結果、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等が発生することを抑制または防止することができる。
【0101】
なお、サバキシート130の角130a・130aが、用紙搬送方向に対して一方向に傾斜していてもよい。ただし、この場合はサバキシート130の幅が用紙搬送方向上流側または用紙搬送方向下流側において必要以上に大きくなってしまうため、上記のように所定の位置を境にして傾斜方向を変化させる方が望ましい。また、サバキシート130の角130a・130aは、直線状に限らず曲線状であってもよい。ただし、直線状の方が加工が容易である。つまり、サバキシート130の各角130a・130aの幅(上面の幅)が、用紙搬送方向の位置に応じて異なるような形状であればよい。
【0102】
〔実施形態7〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図13に基づいて説明する。図13は第7の実施形態に係るサバキシート140および支持体200を給紙ローラ5側(図5参照)から見た平面図である。
【0103】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特にサバキシート140に特徴がある。本実施形態に係るサバキシート140は、幅方向端部Ed・Edに、用紙Sとの摩擦を低減させるための液体であるシリコーンオイルが含浸されたオイル含浸領域140e・140e(図13中ハッチングを付した領域)が形成されている。ただし、サバキシート140の幅方向中央部Ctにはシリコーンオイルは含浸されていない。
【0104】
この構成では、オイル含浸領域140e・140eにおけるシリコーンオイルの潤滑作用により、用紙Sの幅方向端部Ed・Edに働く摩擦力が低減される。その結果、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」等が発生することを抑制または防止することができる。また、従来のサバキシートのようにシート全体にシリコーンオイルを含浸させたものとは異なり、シリコーンオイルを含浸させる領域を上記の効果を得るための必要最小限の領域に留めることができる。これにより、用紙Sにシリコーンオイルが付着することによる印刷ムラの発生等の問題を最小限に抑えることができる。
【0105】
なお、シリコーンオイルは幅方向端部Ed・Edにのみ含浸され、幅方向中央部Ctには含浸されていないことが望ましいが、含浸量が幅方向端部Ed・Edより幅方向中央部Ctの方が少なくなっておれば上記の効果を得ることができる。
【0106】
〔実施形態8〕
本実施形態に係る用紙捌き部7(図5参照)について図14(a)から図14(c)に基づいて説明する。図14(a)は第8の実施形態に係るサバキシート150またはサバキシート160、および支持体200を給紙ローラ5側(図5参照)から見た平面図、図14(b)は図14(a)におけるサバキシート150および支持体200のE−E線矢視断面図、図14(c)は図14(a)におけるサバキシート160および支持体200のE−E線矢視断面図である。
【0107】
本実施形態に係る用紙捌き部7は、特にサバキシート150またはサバキシート160に特徴がある。本実施形態に係るサバキシート150は、従来のサバキシート55における角55a・55a(図17参照)が斜めに切り取られた面取り部(カット面)150f・150fが形成されていることにより、面取りが施されている。
【0108】
また、本実施形態に係るサバキシート160は、従来のサバキシート55における角55a・55aが曲面状に切り取られた曲面部(R面)160g・160gが形成されることにより、面取りが施されている。
【0109】
この構成では、サバキシート150またはサバキシート160の幅方向両端に鋭角な角(従来の角55a・55aのようなもの)が形成されず、より鈍角または丸みを帯びた角になるため、その角による用紙Sへの影響を低減することができる。これにより、用紙Sに「はがれ」や「めくれ」、「微少な段差」等が発生することを抑制または防止することができる。
【0110】
なお、上記の効果を得るためには、面取り部150fの形状としては、幅が0.3mm以上であることが望ましい。また、幅が1mm以下であることが望ましい。さらに、角度(サバキシート150の上面を含む平面と面取り部150fの面とが成す角度のうち小さい方の角度)が適宜設定される。
【0111】
また、上記の効果を得るために、曲面部160gの形状として曲率が適宜設定される。
【0112】
以上で説明した各実施形態の構成は、それら単独でも効果を奏し得るものであるが、各構成を適宜組み合わせることによりさらに望ましい形態となる。組合せの一例を図15に示す。図15は、実施形態3、4および6に係る構成を組み合わせた構成である。
【0113】
この構成における支持体230は、上記支持体220(図9(a)参照)に、さらに上記支持体210(図8(a)参照)の凹部210a・210aが形成されたものである。また、サバキシート130は図12に示したものと同等のものである。
【0114】
なお、本実施の形態では、給紙装置をインクジェットプリンタ1(図2参照)に適用した場合について説明したが、これに限らず、他のプリンタや複写機、ファクシミリ等、印字や転写、印刷等にて用紙に画像を形成する画像形成装置等にて積載された用紙を順次一枚ずつ分離して画像形成部等へと送り出す装置に適用することができる。
【0115】
【発明の効果】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、サバキシートの、サバキシートを支持する支持体側の面の幅方向端部が切り取られることで、上記圧接方向の厚みが上記幅方向において変化しており、上記幅方向で、接触面内中央部より端部の方が圧接方向に対する剛性が小さくなるような剛性特性を有する構成である。
【0116】
上記の構成では、サバキシートが給紙ローラに圧接された際に、サバキシートの接触面における端部が中央部よりたわみやすくなる、つまりサバキシートの曲げによる腰が弱くなる。これによりサバキシートと給紙ローラとの間を用紙が通過する際に、用紙が上記端部から受ける圧力・摩擦力が低減される。その結果、「はがれ」等の発生を抑制することができる。
【0117】
本発明のサバキシートは、上記のサバキシートにおいて、上記圧接方向の厚みが上記幅方向において変化していることにより上記剛性特性を有することが好ましい。
【0118】
上記の構成では、上記剛性特性を得るために、サバキシートの厚みを接触面の幅方向において変化させる、例えば端部の厚みを中央部の厚みより小さくする。これにより、サバキシートに簡単な加工を施すことによって上記の効果を得ることができる。
【0119】
あるいは、本発明のサバキシートは、上記のサバキシートにおいて、上記接触面に切り込まれたスリットが形成されており、このスリットにより上記剛性特性を有することが好ましい。
【0120】
上記の構成では、上記剛性特性を得るために、サバキシートの接触面にスリットを形成する。これにより、サバキシートに簡単な加工を施すことによって上記の効果を得ることができる。
【0121】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、接触面の幅方向の長さが、縦方向の位置に応じて異なっている構成である。
【0122】
上記の構成では、用紙がサバキシート上を通過する際に、サバキシートの接触面における角の用紙への接触位置が、用紙の移動に伴って幅方向に変化することになる。これにより、サバキシートの角による用紙への影響が、用紙において一箇所に集中せずに分散されるため、「はがれ」等の発生を抑制することができる。
【0123】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、用紙との摩擦を低減させる液体が含浸されており、幅方向では、接触面内端部より中央部の方が上記液体の含浸量が少ない構成である。
【0124】
上記の構成では、サバキシートに用紙との摩擦を低減させる液体が含浸されていることにより、サバキシートの接触面の端部における用紙との摩擦が低減され、「はがれ」等の発生を抑制することができる。また、「はがれ」等の発生との関連性が小さい中央部での液体含浸量を少なくすることで、含浸された液体が用紙に付着することを極力抑えることができ、印刷品位等の劣化を抑制することができる。
【0125】
本発明のサバキシートは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、接触面の幅方向の端がなす角に面取りが施されている構成である。
【0126】
上記の構成では、サバキシートの接触面の角に面取りが施されている。これにより、上記角が鈍角化され、この角の用紙への圧接力が弱くなるため、「はがれ」等の発生を抑制することができる。
【0127】
本発明のサバキパッドは、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられ、上記サバキシートと、このサバキシートの上記給紙ローラの外周面に圧接される面と対向する面を支持する支持体とを備えたサバキパッドであって、上記支持体におけるサバキシートを支持する支持面のニップ領域に対向する部分において、支持面の幅方向の端部が切除されている構成である。
【0128】
上記の構成では、サバキシートが、そのニップ領域における幅方向の端部において、支持されていない状態となる。これによりその端部ではサバキシートがたわみやすくなり、用紙が上記端部から受ける圧力・摩擦力が低減される。その結果、「はがれ」等の発生を抑制することができる。
【0129】
本発明の給紙装置は、回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置であって、上記給紙ローラとサバキシートとの間を用紙が通過する際に、その用紙の通過位置を規制するガイドリブが、上記接触面の外側に設けられており、このガイドリブは、サバキシートが給紙ローラに圧接されるニップ領域において、この用紙を上記接触面における幅方向の端がなす角から給紙ローラ側に引き離す方向の力を与え、用紙が上記角に押し付けられる力を低減する構成である。
【0130】
上記の構成では、サバキシートの接触面の外側に配置されたガイドリブにより、用紙がサバキシートの接触面における幅方向の端がなす角に押し付けられる力が低減される。その結果、この角に起因する「はがれ」等の発生を抑制することができる。
【0131】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記接触面が平面形状であり、上記ガイドリブが、接触面を含む平面から給紙ローラ側に突出していることが好ましい。
【0132】
上記の構成では、ガイドリブが接触面を含む平面から突出しているため、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【0133】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記ガイドリブが、接触面に対して幅方向の外側に配置されていることが好ましい。
【0134】
上記の構成では、ガイドリブがサバキシートの接触面の幅方向の外側に配置されていることで、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【0135】
本発明の給紙装置は、上記の給紙装置において、上記ガイドリブが、接触面に対して用紙通過方向の下流側の外側に配置されていることが好ましい。
【0136】
上記の構成では、ガイドリブがサバキシートの用紙通過方向の下流側の外側にに配置されていることで、用紙が上記角に押し付けられる力をより効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図、(c)は(a)のサバキシートおよび支持体の側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを正面左側より見た外観図である。
【図3】図2のインクジェットプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
【図4】、図2のインクジェットプリンタにおける給紙ローラの周辺部の構成を示す平面図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る給紙装置を構成する用紙捌き部とその周辺部の構成を示す縦断面図であって、(a)は給紙時、(b)は非給紙時をそれぞれ示している。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る別のサバキシートを給紙ローラ側から見た平面図である。
【図8】(a)は本発明の第3の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図、(c)は(a)のサバキシートおよび支持体の側面図である。
【図9】(a)は本発明の第4の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図、(b)は(a)におけるC−C線矢視断面図、(c)は(a)のサバキシートおよび支持体の側面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るサバキシート、支持体および側方ガイドリブの側面図である。
【図11】(a)は、図10のサバキシート、支持体および側方ガイドリブを給紙ローラ側から見た平面図、(b)は(a)におけるD−D線矢視断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図である。
【図14】(a)は本発明の第8の実施形態に係るサバキシートおよび支持体を給紙ローラ側から見た平面図、(b)は(a)におけるサバキシートおよび支持体のE−E線矢視断面図、(c)は(a)におけるサバキシートおよび支持体のE−E線矢視断面図である。
【図15】本発明の第3、第4および第6の実施形態に係る構成を組み合わせた構成である。
【図16】固定式の給紙カセットを採用した従来の給紙装置の構成を示す断面図である。
【図17】図16の給紙装置における用紙搬送時のサバキシートや用紙を用紙搬送方向から見た状態を示す説明図である。
【図18】図16の給紙装置において用紙搬送方向と直交する方向の用紙上の位置に対する摩擦力・圧力の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
5 給紙ローラ
7 用紙捌き部
21 可動式用紙捌きユニット
100 サバキシート
110 サバキシート
120 サバキシート
120d スリット
130 サバキシート
140 サバキシート
140e オイル含浸領域
150 サバキシート
150f 面取り部(カット面)
160 サバキシート
160g 曲面部(R面)
200 支持体
210 支持体
210a 凹部
220 支持体
220a 後方ガイドリブ(ガイドリブ)
230 支持体
300 側方ガイドリブ(ガイドリブ)
Ed 幅方向端部(端部)
Ct 幅方向中央部(中央部)
Np 給紙ローラニップ位置
S 用紙

Claims (3)

  1. 回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられるサバキシートであって、
    このサバキシートにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、上記給紙ローラに圧接された際に給紙ローラから受ける力の方向を圧接方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、
    サバキシートの、サバキシートを支持する支持体側の面の幅方向端部が切り取られることで、上記圧接方向の厚みが上記幅方向において変化しており、上記幅方向で、接触面内中央部より端部の方が圧接方向に対する剛性が小さくなるような剛性特性を有することを特徴とするサバキシート。
  2. 回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接されるサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置に用いられ、上記サバキシートと、このサバキシートの上記給紙ローラの外周面に圧接される面と対向する面を支持する支持体とを備えたサバキパッドであって、
    このサバキパッドにおいて、上記給紙装置での用紙が通過する方向を縦方向、この縦方向と直交する方向を幅方向とし、
    上記サバキシートにおいて、上記給紙装置で給紙ローラの外周面に圧接される領域をニップ領域とすると、
    上記支持体におけるサバキシートを支持する支持面の上記ニップ領域に対向する部分において、上記支持面の幅方向の端部が切除されていることを特徴とするサバキパッド。
  3. 回転可能な給紙ローラと、この給紙ローラの外周面に圧接される、請求項1に記載のサバキシートとを備え、上記給紙ローラの回転により引き連れられて給紙ローラとサバキシートとの間に挿入される用紙を1枚ずつ分離して通過させる給紙装置であって、
    上記サバキシートにおいて、用紙が通過する方向と直交する方向を幅方向、用紙が通過する際にこの用紙が接触する面を接触面とすると、
    上記給紙ローラとサバキシートとの間を用紙が通過する際に、その用紙の通過位置を規制するガイドリブが、上記接触面の外側に設けられており、
    このガイドリブは、サバキシートが給紙ローラに押圧されるニップ領域において、この用紙を上記接触面における幅方向の端がなす角から給紙ローラ側に引き離す方向の力を与え、用紙が上記角に押し付けられる力を低減することを特徴とする給紙装置。
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