JP3648832B2 - 給紙装置及びこれを用いた印刷装置 - Google Patents

給紙装置及びこれを用いた印刷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホッパ内に積層された用紙を給紙ローラによって一枚ずつ送り出す給紙装置及びこれを用いた印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタに使用される給紙装置として、ホッパの最上位の用紙をその表面に当接する給紙ローラで所定の送り方向へ送り出しつつ、送り出される用紙の先端をホッパに連なる傾斜面に当接させ、そのときの用紙の撓みを利用して最上位の用紙をその下の用紙から分離してホッパ外の所定位置(例えば印刷位置)に供給するものが知られている(例えば特開平2−132018号公報、米国特許第5026042号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の装置では、傾斜面の性質、例えば勾配や摩擦係数等によって用紙の分離性能が限定され、適用可能な用紙の種類が限られる。例えば、剛性の小さい用紙は分離し難いため、傾斜面の勾配を大きくして十分な撓みを与える必要がある。しかし、勾配の大きい傾斜面に対してはがきや封筒のように剛性の大きい用紙を突き当てると、用紙に作用する抵抗が大き過ぎて給紙ローラが空転するおそれがある。そこで、傾斜面の一部にストッパを設けて剛性の小さい用紙の分離性能を向上させることが考えられる。しかし、給紙装置に種々の幅の用紙が装着されることを考慮すると、ストッパが用紙の送り出しに対して局部的な抵抗となるため、用紙の斜行等を生じるおそれがあり、ストッパの設置個所に配慮が必要となる。
【0004】
従って、本発明では、傾斜面にストッパを突出させて用紙の分離を促す場合において、そのストッパの配置を最適化した給紙装置及び印刷装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の実施形態を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発明は図示の形態に限定されない。
【0006】
請求項1の発明は、用紙Sを積層状態で収容可能であり、積層された用紙Sの幅方向の一側を用紙幅に拘りなくほぼ一定位置に保持する用紙ガイド32を備えたホッパ3と、ホッパ3に収容された用紙Sの表面に当接して当該用紙Sを所定の送り方向へ送り出す給紙ローラ41と、を具備し、ホッパ3の送り方向の端部には、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるようにして壁部5が設けられ、壁部5には、ホッパ3よりも上方へ離れるに従って送り方向に漸次傾く傾斜面51と、この傾斜面51から出没するとともに、前記傾斜面51から突出したときに前記ホッパ3に収容された用紙Sと接触する接触面が前記ホッパ3よりも上方へ離れるに従って前記送り方向と逆方向に漸次傾く接触面610を持つストッパ61とが設けられ、ストッパ61は、用紙Sの幅方向に関して用紙ガイド32と給紙ローラ41との間に配置された給紙装置を特徴とする。この発明によれば、給紙ローラ41と用紙ガイド32との間にストッパ61が存在するから、給紙ローラ41にて送り出される用紙Sが必ず1以上のストッパ61に突き当たる。用紙の幅によって偏った位置でストッパ61が当たっても、用紙ガイド32に案内された斜行等が防がれる。また、ストッパ61は、ホッパ3よりも上方へ離れるに従って送り方向と逆方向に漸次傾く接触面610を持つので、傾斜面51から突出した場合、傾斜面51下に没した場合と比較して用紙Sの先端部を大きく撓ませることとなり、剛性の小さい用紙Sでも十分に分離することができる。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の給紙装置において、給紙ローラ41a、41bが用紙Sの幅方向に間隔をおいて複数設けられ、ストッパ61は、用紙Sの幅方向に関して、用紙ガイド32に最も近い給紙ローラ41aよりも遠方でかつ用紙ガイド32から最も遠い給紙ローラ41bよりも近い位置に配置されている。この発明によれば、用紙ガイド32に近い側の給紙ローラ41aのみで送り出す用紙S1と、複数の給紙ローラ41a、41bで送り出す用紙S2の両者を共通のストッパ61に突き当てることができる。そのため、ストッパ61の個数を最小限に抑えられる。また、ストッパ61と用紙S2との接触位置に対して用紙S2の幅方向両側から給紙ローラ41a、41bの送り力が作用するから、用紙S2の斜行(送り方向に対して斜めに移動する状態)を抑えることができる。
【0008】
請求項3の発明では、請求項1の給紙装置において、ストッパ61は、用紙Sの幅に応じて接触個数が変化するように用紙Sの幅方向に間隔をおいて複数設けられている。この発明によれば、用紙幅の変化に伴って壁部5に加わる用紙Sの重量が変動しても、それに応じて用紙Sとストッパ61との接触個数を変化させて各ストッパ61と用紙Sとの間に作用する抵抗を所望の範囲に保つことができる。
【0009】
請求項4の発明では、請求項1の給紙装置において、給紙ローラ41a、41bが用紙Sの幅方向に間隔をおいて複数設けられ、ストッパ61は、用紙Sの幅方向に関して、隣接する一対の給紙ローラ41a、41bの間の略中央に配置されている。この発明によれば、一対の給紙ローラ41a、41bの略中央で用紙Sがストッパ61に突き当たる。そのため、ストッパ61の抵抗で用紙Sが斜行するおそれがない。
【0010】
請求項5の発明では、請求項1の給紙装置において、ストッパ61は、送り方向に関して給紙ローラ41a、41bの延長上に配置されている(図5参照)。この発明によれば、各給紙ローラ41a、41bの送り力とストッパ61の抵抗とが送り方向に関して同一線上に作用するから、用紙Sの斜行が防がれる。
【0011】
請求項6の発明は、用紙Sを積層状態で収容可能であり、積層された用紙Sの幅方向の一側を用紙幅に拘りなく一定位置に保持する用紙ガイド32を備えたホッパ3と、ホッパ3に収容された用紙Sの表面に当接して当該用紙Sを所定の送り方向へ送り出す少なくとも二つの給紙ローラ41a、41bと、を具備し、ホッパ3の送り方向の端部には、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるようにして壁部5が設けられ、壁部5には、ホッパ3よりも上方へ離れるに従って送り方向に漸次傾く傾斜面51と、この傾斜面51から出没するとともに、前記傾斜面51から突出したときに前記ホッパ3に収容された用紙Sと接触する接触面が前記ホッパ3よりも上方へ離れるに従って前記送り方向と逆方向に漸次傾く接触面610を持つストッパ61とが設けられ、ストッパ61は、各給紙ローラ41a、41bから用紙Sに作用する力F1、F2の合力F3の作用線AL(図7参照)に対して用紙Sの幅方向に対称に配置された給紙装置を特徴とする。この発明によれば、ストッパ61の抵抗が合力F3の作用線ALに対して用紙Sの幅方向に対称に作用するため、各給紙ローラ41a、41bから相互に異なる送り力F1、F2が加えられる場合でも用紙Sの斜行が防がれる。また、ストッパ61は、ホッパ3よりも上方へ離れるに従って送り方向と逆方向に漸次傾く接触面610を持つので、傾斜面51から突出した場合、傾斜面51下に没した場合と比較して用紙Sの先端部を大きく撓ませることとなり、剛性の小さい用紙Sでも十分に分離することができる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の給紙装置2と、給紙装置2の壁部5よりも送り方向前方に配置されて用紙Sにインク滴を噴出する印刷ヘッド13と、を備えた印刷装置を特徴とする。従って、用紙の供給不良に起因する印刷ミスを減らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明をインクジェットプリンタに適用した実施形態を示すものである。図2から明らかなように、このインクジェットプリンタは、用紙Sに所定の印刷を施す印刷機構1と、この印刷機構1に用紙Sを一枚ずつ供給する給紙装置2とを有する。用紙Sは、一定寸法の矩形状に裁断されたいわゆる単票用紙である。
【0014】
印刷機構1には、ガイドレール10に沿って往復移動するキャリッジ11と、キャリッジ11に支持されたインクカートリッジ12及び印刷ヘッド13が設けられる。ガイドレール10は、給紙装置2から供給される用紙Sの幅方向、すなわち用紙Sの表面と平行でかつ用紙Sの送り方向(図中の矢印A方向)と直交する方向に配置される。印刷時には、キャリッジ11が不図示の駆動源(例えばモータ)にて往復駆動されつつ印刷ヘッド13からその下方を通過する用紙Sに向かってインク滴が噴出され、それにより用紙Sに文字や図形が印刷される。なお、用紙Sの送り方向はその用紙Sの移動経路の構成によって適宜変化するが、図2ではホッパ3から用紙Sが送り出される方向によって代表している。以下でも特に断らない限り送り方向は図2の矢印A方向を意味する。
【0015】
給紙装置2は、用紙Sを積層状態で収容するホッパ3と、ホッパ3から用紙Sを送り出すための送出機構4と、ホッパ3から送り出される用紙Sが突き当たるように設けられた壁部5と、その壁部5に設けられたストッパ機構6と、壁部5よりも用紙Sの送り方向前方に配置されて印刷ヘッド13の直下に用紙Sを搬送する搬送機構7とを有する。
【0016】
ホッパ3には、プリンタに対して着脱可能な給紙カセット30が設けられる。給紙カセット30は、プリンタフレーム8に形成されたカセット受け面80、81により、その先端300側(用紙Sの排出端側)を下にして斜めに傾いた状態で支持される。給紙カセット30の内部には押上板31が設けられ、この押上板31の上面310に用紙Sが積層される。図1に示したように、押上板31の側方には、用紙Sをその幅方向(図1の上下方向)に挟み込む一対の用紙ガイド32、33が設けられる。図1において下側に配置された第1の用紙ガイド32は固定され、反対側の第2の用紙ガイド33は用紙Sの幅方向に移動自在である。
【0017】
押上板31に載置される用紙Sは第1の用紙ガイド32に突き当てられて幅方向に位置決めされ、その位置決めされた用紙Sに第2の用紙ガイド33が突き当てられる。従って、ホッパ3内に収容された用紙Sは、その用紙幅に拘りなく、第1の用紙ガイド32に突き当たる側がほぼ一定位置となるよう保持される。
【0018】
図2に示すように、押上板31は給紙カセット30の後端301側に設けられた回動軸34を中心として回動可能であり、ばね35により送出機構4側に付勢される。これにより用紙Sの先端側が押し上げられる。なお、回動軸34は用紙Sの幅方向と平行である。押上板31は例えば樹脂にて形成され、その素材が露出する上面310の摩擦係数は比較的小さい。従って、積層された用紙Sの相互間の摩擦抵抗と比較して、ホッパ3内の最下位の用紙Sと押上板31の上面310との間の摩擦抵抗は小さく、そのため、用紙Sの枚数が少ないとき(例えば2、3枚のとき)には全ての用紙Sが押上板31の上面310を滑って一度に送り出されるおそれがある。そこで、押上板31の上面310には、最下位の用紙Sをホッパ3内に拘束するための摩擦部材36が取付けられる。摩擦部材36としては例えばコルクが使用される。
【0019】
図1及び図2に示したように、送出機構4は、用紙Sの幅方向と平行な支持軸40と、支持軸40上に間隔をおいて取付けられた一対の給紙ローラ41a、41b及び5枚のカラー42a、42b、42c、42d、42eを有する。なお、各給紙ローラ41a、41bを区別する必要がないときはこれらを給紙ローラ41と表記し、各カラー42a〜42eを区別する必要がないときはこれらをカラー42と表記する。
【0020】
支持軸40は、不図示の駆動源により図2の時計方向及び反時計方向の双方に回転可能である。給紙ローラ41は略半円形状に形成され、支持軸40と一体に回転可能である。支持軸40の外周には、その摩擦係数を高めるためにゴム等の摩擦部材(不図示)が被せられる。カラー42は給紙ローラ41よりも幾らか小径の円板状に形成され、支持軸40に対して相対的に回転自在である。支持軸40が図2の時計方向に回転して給紙ローラ41の円周部分がホッパ3と対向すると、押上板31にて押し上げられた用紙Sが給紙ローラ41の外周に押し付けられ、それによりホッパ3の最上位の用紙Sが押し出される。給紙ローラ41の回転が進行してその切り欠かれた部分がホッパ3側に繰り出されると、ホッパ3内に残された用紙Sがカラー42の外周面に突き当てられる。これにより、用紙Sの送出完了後、次の用紙Sの送り出しが開始される迄の間、用紙Sの浮き上がりが阻止され、その結果、用紙Sの浮き上がりに起因する重送(二以上の用紙が重なり合って送られる状態)が防がれる。
【0021】
図1に示したように、給紙ローラ41a、41bは、用紙Sの幅方向に関してホッパ3の中心線CLに対称に配置されている。また、カラー42としては、ホッパ3の中心線CL上に配置される第1のカラー42aと、一方の給紙ローラ41aと第1のカラー42aとの間に配置される第2のカラー42bと、給紙ローラ41aよりも一方の用紙ガイド32に近づけて配置された第3のカラー42cと、他方の給紙ローラ41bと第1のカラー42aとの間に配置される第4のカラー42dと、第1の用紙ガイド32に対して給紙ローラ41bよりも遠ざけて配置された第5のカラー42eとが設けられている。用紙ガイド32に突き当てられる用紙Sの幅により、給紙ローラ41a、41b及びカラー42a〜42eと用紙Sとの接触数は変化する。第2のカラー42bと第4のカラー42d、第3のカラー42cと第5のカラー42eは、ホッパ3の中心線CLに対して用紙Sの幅方向にそれぞれ対称に配置されている。
【0022】
押上板31の摩擦部材36は、給紙ローラ41a、41b及びそれらに隣接する第2のカラー42b及び第4のカラー42dと対向するように一対設けられている。これにより、押上板31に作用するばね35の力を給紙ローラ41a、41b及びカラー42b、42dと摩擦部材36との間に直線的に作用させて摩擦部材36による用紙Sの分離効果を高めることができる。
【0023】
図2に示したように、壁部5はプリンタフレーム8に一体に形成される。壁部5の詳細を図3及び図4に示す。壁部5には、給紙カセット30の先端から下降する用紙Sを受け止める用紙受け面50と、この用紙受け面50の上方に連続し、給紙カセット30から上方へ離れるに従って用紙Sの送り方向へ傾く傾斜面51とが形成される。給紙カセット30から送り出される用紙Sは壁部5を乗り越えて搬送機構7側へ移動する。図1にも示したように、傾斜面51には抜き孔510が設けられ、その抜き孔510内に上述したストッパ機構6が配置される。なお、傾斜面51は湾曲させてもよく、その表面に送り方向へ延びる突条部511を設けてもよい。突条部511が設けられている場合には、その突条部511の上面によって傾斜面51の形状が規定される。
【0024】
ストッパ機構6は、ホッパ3の底側に用紙Sの幅方向と平行に設けられた回転軸60を中心に回動して傾斜面51から出没可能なストッパ61と、このストッパ61を傾斜面51からホッパ3側へ突出するように付勢するコイルばね62とを有する。回転軸60及びコイルばね62はフレーム8に支持される。ストッパ61には用紙Sに対する接触面610が設けられる。ストッパ61が傾斜面51から突出した状態では、用紙Sの送り方向に関して傾斜面51よりも接触面610の方が勾配が大きい。
【0025】
図4(a)に示したように、ストッパ61が傾斜面51から最大に突出したときに、接触面610と傾斜面51とが交差する位置P1は、ホッパ3から送り出された用紙Sの先端が壁部5に突き当たる位置にほぼ等しい。なお、ホッパ3内の用紙Sの枚数に応じて押上板31の角度が変化し、それに応じて用紙Sの先端が壁部5と接触を開始する位置も変化する。従って、上記の交差位置P1は、用紙Sの先端の接触位置が傾斜面51側に最も偏るとき、すなわちホッパ3内の用紙Sの枚数が最も少ないときを基準に設定することが望ましい。
【0026】
ストッパ61はプリンタフレーム8と同じく樹脂にて形成され、その剛性は接触面610に突き当たる用紙Sが押す力に抗して一定形態を保つように高く設定されている。コイルばね62がストッパ61を押す力は、用紙Sの剛性に応じてストッパ61が傾斜面51から出没するように設定され、それにより用紙Sの剛性に応じた適切な分離効果が保障される。
【0027】
すなわち、剛性の大きい用紙S(例えばはがきや封筒のような厚紙)が接触面を押すときには、図3に実線で示すようにストッパ61が傾斜面51とほぼ同一面まで押し込まれ、用紙Sの先端が傾斜面51を滑りつつホッパ3から送り出される。このとき、ホッパ3から複数の用紙Sが同時に送り出されても、それらの用紙Sは傾斜面51に突き当たってその傾斜面に沿う撓みによって容易に相互に分離される。その結果、最上位の用紙Sのみが給紙ローラ41に押されて傾斜面51を乗り越える。一方、薄くて剛性の小さい用紙Sがストッパ61を押すときには、図4(a)に示すようにその用紙の剛性ではばね62がほとんど圧縮されずストッパ61が傾斜面51から突出し、図4(b)、(c)に示したように、用紙Sはストッパ61を乗り越えるようにして送り出される。この場合、ストッパ61が傾斜面51下に没した場合と比較して用紙Sの先端部が大きく撓むので、剛性の小さい用紙Sでも十分に分離され、最上位の用紙Sよりも下の用紙Sがストッパ61にて確実に拘束される。
【0028】
このように剛性の小さい用紙Sは専らストッパ61にて分離されるので、傾斜面51の勾配は剛性の大きい用紙Sに対して適切な分離作用が働くように設定すればよく、それにより種々の用紙Sをそれらの剛性の大小に拘りなく確実に分離できる。なお、剛性の小さい用紙Sに合わせて傾斜面51の勾配を大きく設定した場合には、剛性の大きい用紙Sが傾斜面51を乗り越えられず、用紙Sがホッパ3内に止まったまま給紙ローラ41が空転するおそれが大きい。
【0029】
図1に示すように、用紙Sの幅方向に関してストッパ61は一対の給紙ローラ41の中心線L上に配置されている。このため、給紙ローラ41aのみと接触する用紙S1と、給紙ローラ41a、41bの双方に接触する用紙S2の双方に対して共通のストッパ61を利用でき、ストッパ61の個数が最小限で足りる。また、用紙Sの幅方向に関して、一対の給紙ローラ41a、41bの間を略二等分する位置にストッパ61の抵抗が加わるから、用紙Sの斜行が防がれる。なお、図1に想像線で示すように、第1の給紙ローラ41aと第1の用紙ガイド32との間にストッパ機構6を追加してもよい。その他にも、給紙ローラ41とストッパ61との用紙幅方向に関する配置は種々変更できるが、それらについては後述する。
【0030】
傾斜面51には、用紙Sの送り方向において一対の給紙ローラ41の延長上に位置するようにして凹部512が設けられる。図1に想像線S´で示したように、給紙ローラ41に押された用紙Sの先端部はこれらの凹部512に落ち込むように変形すると同時に、凹部512の間の略中央位置でストッパ61にて反対方向へ押し返される。これにより用紙Sの分離効果が高まる。凹部512の幅は給紙ローラ41の幅よりも幾らか大きく設定されているが、給紙ローラ41の幅と同一又はそれよりも小さく設定してもよい。
【0031】
壁部5にはストッパ61と用紙Sの幅方向に並ぶようにして一対の溝部52が形成されている。これらの溝部52には摩擦部材53がそれぞれ接着され、それらの摩擦部材53は溝部52から送り方向へ引き出されて傾斜面51上に露出する。これらの摩擦部材53は、傾斜面51の摩擦係数をストッパ61の接触面のそれよりも高めて傾斜面51による用紙Sの分離性能を改善する。なお、摩擦部材53も中心線Lに対称に配置することが望ましい。
【0032】
壁部5を乗り越えた用紙Sは搬送機構7の搬送ローラ70と従動ローラ71との間に導かれる。搬送ローラ70は、用紙Sが給紙ローラ41にて所定長さ送り出されるまで図2の時計方向に回転駆動され、その後に図2の反時計方向へ回転駆動される。これにより用紙Sの先端が搬送ローラ70の軸線方向に揃えられつつ印刷機構1側へ送られる。
【0033】
本発明は上述した実施形態に限らず、種々の形態にて実施可能である。図5〜図7に異なる実施形態を示す。図5は、ストッパ機構6を給紙ローラ41a、41bに対して送り方向の延長上にそれぞれ1個ずつ配置した例である。この場合には、給紙ローラ41a、41bの送り力がそれらの作用線に位置するストッパ61にて直線的に受け止められるので、用紙Sの斜行をより確実に防止できる。
【0034】
図6は、図1の例よりもストッパ機構6を第1の給紙ローラ41a側に接近させ、かつ第1の用紙ガイド32に対して第2の給紙ローラ41bよりも遠い側にストッパ機構6を追加した例である。この場合には、幅の大きい用紙S2に対して2つのストッパ61が当接し、幅の小さい用紙S1に対しては単一のストッパ61のみが当接する。用紙幅に応じて用紙Sから壁部5に作用する重量が変化するため、仮にストッパ61の接触数が一定であればストッパ61から用紙Sに加わる抵抗が用紙幅に応じて変動する。この点で、図6の例では特に重量の大きい用紙S2に対してストッパ61の接触個数を増加させているので、各ストッパ61の抵抗の変化を抑えることができる。
【0035】
図5及び図6においても、図1に示した摩擦部材36、53を設けてもよい。また、図6の例では凹部512を設けてもよい。幅の等しい給紙ローラ41a、41bに代え、図7に示すように相互に幅の異なる給紙ローラ41c、41dを使用してもよい。この場合、各給紙ローラ41c、41dの送り力F1、F2の大きさが互いに異なるため、それらの送り力F1、F2の合力F3の作用線ALに対して用紙Sの幅方向に対称に1又は2以上のストッパ機構6を設けるとよい。摩擦部材53についても作用線ALに対称(すなわち図7においてδ1=δ2)に配置するとよい。3個以上の給紙ローラ41が使用される場合も同様である。
【0036】
以上の他にも、本発明は種々の形態にて実施可能である。例えば、ストッパ61は手動にて傾斜面51に出没させてもよく、傾斜面51から突出したままでもよい。ストッパ61をゴム等の弾性材料で構成して用紙Sの押す力で幾らか変形させるようにしてもよい。本発明の給紙装置は、インクジェットプリンタに限らず、レーザープリンタ等の他のプリンタ、コピー機、ファクシミリ等の各種の印刷装置に適用できる。用紙を水平に保持する給紙装置であっても本発明は適用できる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1〜5の発明によれば、用紙を幅方向に突き当てて位置決めするための用紙ガイドと給紙ローラとの間に必ずストッパが存在するので、給紙ローラにて送り出される用紙を必ず1以上のストッパに突き当てて用紙相互の分離を促し、また用紙の幅によって偏った位置でストッパが当たっても、用紙ガイドにて斜行を抑えることができる。また、ストッパが傾斜面から突出した場合、用紙の先端部を大きく撓ませるので、剛性の小さい用紙でも十分に分離することができる。加えて、請求項2の発明によれば、ストッパの個数を最小限に抑えてコストダウンを達成できる。ストッパに対して用紙の幅方向両側から給紙ローラの送り力を作用させて用紙の斜行を一層効果的に抑えることもできる。請求項3の発明によれば、用紙幅に応じた用紙の重量の変化に合わせて用紙とストッパとの接触個数を変化させてストッパによる抵抗の変動を抑え、それにより用紙幅に拘りなく分離作用を略一定に保つことができる。請求項4の発明によれば、一対の給紙ローラの間を略二等分する位置で用紙とストッパとを接触させてストッパの抵抗に起因する用紙の斜行を防止できる。請求項5の発明によれば、給紙ローラの送り力とストッパの抵抗とを送り方向に関して同一線上に作用させて用紙の斜行を防止できる。
【0038】
請求項6の発明によれば、複数の給紙ローラから用紙へ等しい力が加えられる場合のみならず、相互に異なる力が加えれる場合についても用紙の斜行を確実に防止できる。また、ストッパが傾斜面から突出した場合、用紙の先端部を大きく撓ませるので、剛性の小さい用紙でも十分に分離することができる。
【0039】
請求項7の発明によれば、請求項1〜6の給紙装置の優れた給紙性能を利用して、用紙の供給不良に起因する印刷ミスが少なくて信頼性の高いインクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのホッパから印刷機構に至る部分を図2の矢印I方向から示した平面図。
【図2】 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのホッパから印刷機構に至る部分の縦断面図。
【図3】 剛性の大きい用紙によってストッパが押し込まれた状態を示す図。
【図4】 剛性の小さい用紙がストッパを乗り越えて送り出される状態を示す図。
【図5】 図1に対してストッパの個数を二つに変更した実施形態を示す図。
【図6】 図5に対してストッパの位置を変更した実施形態を示す図。
【図7】 幅が異なる給紙ローラを使用したときのストッパの配置を示す図。
【符号の説明】
1…印刷機構
2…給紙装置
3…ホッパ
4…送出機構
5…壁部
6…ストッパ機構
7…搬送機構
8…プリンタフレーム
13…印刷ヘッド
30…給紙カセット
31…押上板
32…用紙ガイド
41…給紙ローラ
42…カラー
51…壁部の傾斜面
61…ストッパ

Claims (7)

  1. 用紙を積層状態で収容可能であり、積層された用紙の幅方向の一側を用紙幅に拘りなくほぼ一定位置に保持する用紙ガイドを備えたホッパと、
    前記ホッパに収容された用紙の表面に当接して当該用紙を所定の送り方向へ送り出す給紙ローラと、を具備し、
    前記ホッパの前記送り方向の端部には、前記ホッパから送り出される用紙が突き当たるようにして壁部が設けられ、
    前記壁部には、前記ホッパよりも上方へ離れるに従って前記送り方向に漸次傾く傾斜面と、この傾斜面から出没するとともに、前記傾斜面から突出したときに前記ホッパに収容された用紙と接触する接触面が前記ホッパよりも上方へ離れるに従って前記送り方向と逆方向に漸次傾く接触面を持つストッパとが設けられ、
    前記ストッパは、前記用紙の幅方向に関して前記用紙ガイドと前記給紙ローラとの間に配置されていることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記給紙ローラが前記用紙の幅方向に間隔をおいて複数設けられ、前記ストッパは、前記用紙の幅方向に関して、前記用紙ガイドに最も近い給紙ローラよりも遠方でかつ前記用紙ガイドから最も遠い給紙ローラよりも近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記ストッパは、前記用紙の幅に応じて接触個数が変化するように、前記用紙の幅方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  4. 前記給紙ローラが前記用紙の幅方向に間隔をおいて複数設けられ、前記ストッパは、前記用紙の幅方向に関して、隣接する一対の給紙ローラの間の略中央に配置されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  5. 前記ストッパは、前記送り方向に関して前記給紙ローラの延長上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  6. 用紙を積層状態で収容可能であり、積層された用紙の幅方向の一側を用紙幅に拘りなく一定位置に保持する用紙ガイドを備えたホッパと、
    前記ホッパに収容された用紙の表面に当接して当該用紙を所定の送り方向へ送り出す少なくとも二つの給紙ローラと、を具備し、
    前記ホッパの前記送り方向の端部には、前記ホッパから送り出される用紙が突き当たるようにして壁部が設けられ、
    前記壁部には、前記ホッパよりも上方へ離れるに従って前記送り方向に漸次傾く傾斜面と、この傾斜面から出没するとともに、前記傾斜面から突出したときに前記ホッパに収容された用紙と接触する接触面が前記ホッパよりも上方へ離れるに従って前記送り方向と逆方向に漸次傾く接触面を持つストッパとが設けられ、
    前記ストッパは、各給紙ローラから前記用紙に作用する力の合力の作用線に対して前記用紙の幅方向に対称に配置されていることを特徴とする給紙装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置の前記壁部よりも前記送り方向前方に配置されて前記用紙にインク滴を噴出する印刷ヘッドと、を備えたことを特徴とする印刷装置。
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