JP3708216B2 - 酸化チタン微粒子及びその製造法 - Google Patents

酸化チタン微粒子及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分散性に優れた酸化チタン微粒子及びその製造法に関し、さらに詳しくは高性能のコンデンサー、サーミスター、太陽電池等の電子セラミックス材料や高級化粧品材料、プラスチック添加剤、塗料、インキ、消臭剤の薬品類の原料として好適な分散性に優れた酸化チタン微粒子及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン粒子をコンデンサーの誘電体やサーミスターの材料などの焼結材用として使用する場合は、粒子は小さい方がよく、さらに同じ粒径でも比表面積が大きい方がよい。これは例えばコンデンサーでは酸化チタンと例えば酸化バリウムとを反応焼結させるものであるが、比表面積が大きい方が反応焼結性が高いからである。
【0003】
酸化チタンの粒子を非常に小さい微粒子とする方法は、大別して四塩化チタンを気相で酸化分解する乾式法とチタンのアルコシド化合物(特開昭62−226814)や四塩化チタン(特開昭60−186418)を加水分解する湿式法がある。乾式法で得られる酸化チタン微粒子は粒径は十分に小さいが、表面が平滑であるため粒径の割には比表面積があまり大きくなく、焼結材料としては優れているとは言えない。
このため比表面積の大きな微粒子を得る湿式法が数多く提案されている。例えば上記の特開昭60−186418では粒径が0.05〜0.5μmと非常に小さい微粒子が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
酸化チタンの微粒子は活性が大きく、凝集し易い性質をもっている。微粒子が凝集すると微粒子としての特質が失われ、これは焼結材料のみでなく各種の添加材や塗料等に使用した場合にも不都合である。
酸化チタンや微粒子の活性に基づく凝集性は、また酸化チタン微粒子を用いて反応焼結させる際の加熱過程でも現れる。その結果酸化チタン微粒子からなる粉末は凝集してなくともこれを他の原料と混合し、反応焼結させる際、その焼結の前に酸化チタン微粒子が凝集して焼結し、それと共に他の原料もそれ自体で焼結する部分が生ずることから均一な反応焼結体が得られない。
【0005】
上記した特許の方法による微粒子は、この加熱過程での凝集回避について良好とは言えない。その他酸化チタン微粒子の表面活性を下げる方法として特開昭57−145007がある。この方法はポリアスパラギン酸塩等のポリアミノ酸塩を酸化チタン微粒子表面に吸着させた後に酸性物質で処理する方法である。しかしながら、このような塩を吸着させる方法は、通常生成した粒子に対して処理する方法であり、前提条件として粒子を一次粒子にまで均一に分散させる必要があり、技術的困難さを伴う。その結果、均一な吸着処理が十分に行われないために本発明のような焼結材料として用いた場合には、異常粒成長が認められるために好ましくない。
これらのことから酸化チタン微粒子に要求される特性としては、▲1▼反応焼結性を高めるに上から粒径は小さく、かつ比表面積が大きいこと、▲2▼そのように小さい微粒子であるが微粒子が凝集してないこと、即ち分散性がよいこと、▲3▼この微粒子を反応焼結材料等に用い加熱した際にも凝集性が小さいことである。 本発明は上記のような特性を有する酸化チタン微粒子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は四塩化チタンの加水分解法について種々研究した結果、特定の条件下で加水分解することにより上記の目的とする酸化チタン微粒子が得られることを発見し、本発明に到達した。
即ち、本発明の酸化チタン微粒子は、平均粒径が0.1〜0.5μm、比表面積が40〜95m2 /gであり、該微粒子を800℃に30分間加熱した場合に比表面積が10〜30m2 /gとなる特性を有するものである。
この酸化チタン微粒子の製造法は、四塩化チタン水溶液の加水分解による酸化チタン微粒子の製造法において、四塩化チタン、水及び多価カルボン酸を50℃未満の温度で混合し、次いでその混合物を加熱して加水分解反応を行ない、酸化チタンを生成させ、常法に従って濾過、乾燥、熱処理することからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化チタン微粒子は、平均粒径が0.1〜0.5μm、比表面積が 40〜95m2 /gからなっている。そしてこの微粒子は集合して粉末をなしている。この粉末中に含まれる上記の粒径及び比表面積を有する微粒子は多い程望ましいが、全体が該微粒子でなくとも大部分、例えば粒子の個数にして80%以上が該微粒子であれば本発明の目的に適したものとなる。
上記において酸化チタン微粒子の平均粒径が0.1μm未満であると凝集し易く、特に加熱時の凝集が大きくなる。また0.5μmを越えるものでは他の原料と混合した場合にミクロな均一混合に劣り、また表面積も小さくなるので反応焼結性が悪い。
【0008】
微粒子の比表面積は一般には粒径と相関関係があるが、粒子の表面状態や気孔等にも関係する。従って同じ粒径であっても反応焼結性や凝集性は異なる。本発明の酸化チタンの微粒子の比表面積は40〜95m2 /gである。比表面積が40m2 /gより小さいと反応の均一性が十分でなく、また95m2 /gを越えると凝集性、特に加熱時の凝集が起こり易くなる。なお、この酸化チタン微粒子の平均粒径及び比表面積は湿式法により酸化チタンを生成させた後、熱処理した微粒子についてのものである。湿式法で酸化チタン微粒子を得る場合、一般には乾燥後200〜700℃の範囲、多くは300〜500℃の温度範囲で熱処理される。
【0009】
本発明の酸化チタン微粒子は加熱された場合の凝集性が従来のものに較べ小さいことが一つの特徴である。本発明者の研究によると同じ平均粒径、比表面積を持つ微粒子でも上記の凝集性が異なることがわかった。その要因としては粒径や比表面積以外に他の因子が関係していると思われるが、その因子は定かでないので、本発明においては所定の条件で加熱した際の比表面積を測定し、この値をもって加熱時の凝集特性の尺度とした。所定の条件としては800℃、30分間、大気中での加熱を選んだ。800℃としたのは反応焼結では、多くの場合800℃迄の昇温過程での凝集が問題とされるからである。
【0010】
本発明の酸化チタン微粒子は上記の800℃、30分間、大気中で加熱した際の比表面積は10〜30m2 /gである。この比表面積は大きい程好ましいが、30m2 /gより大きくすることは困難である。また10m2 /g未満では凝集を避ける点から不十分である。この加熱後の比表面積が加熱に用いた前記の酸化チタン微粒子の比表面積よりかなり小さくなっているのは加熱により粒子の表面が平滑になったり、細孔が消滅したりするためである。本発明の酸化チタン微粒子を800℃で加熱処理し、これを実際に顕微鏡で観察すると凝集が少ないことがわかる。
【0011】
次に本発明の酸化チタン微粒子の製造法について説明する。本発明の製造法は四塩化チタン水溶液の加水分解法であるが、その際に多価カルボン酸を添加すること、及び四塩化チタンと水及び多価カルボン酸の混合物を50℃未満の温度で調製することが特徴である。
四塩化チタン水溶液の加水分解法で多価カルボン酸を添加することは特開平2−196029に記載されているように公知である。この特許の方法は、酸化チタン微粒子の細孔を多くして比表面積を特に大きくしている。ここで得られた酸化チタン微粒子はその細孔内にAg、Cu,Zn等の超微粒子を担持させ、殺菌や抗菌のために使用するものである。
この特許の酸化チタン微粒子の製造方法は、多価カルボン酸を溶解した水溶液を先ず50℃以上に加熱しておき、これに徐々に四塩化チタンを添加することを特徴としている。この四塩化チタンの添加により加水分解し、生成する水和酸化チタン〜有機酸の反応混合物からなる粒子を200〜400℃の温度に加熱し、粒子内部に含まれている有機酸及び水分の蒸発、分解ガスの逸散跡として細孔を生成せしめている。
【0012】
ところで本発明者の研究によると、この特許のように予め多価カルボン酸水溶液を50℃以上に加熱しておき、これに四塩化チタンを添加した場合と水、四塩化チタン及び多価カルボン酸の混合溶液を50℃未満の温度で調製し、これを加水分解温度に昇温し、加水分解した場合では得られる酸化チタン微粒子は相違することがわかった。酸化チタン微粒子を殺菌用等に使用するため表面積をできるだけ大きくするためには上記特許の方法が優れている。この方法によると比表面積は100m2 /g以上である。しかしこの方法で得られた酸化チタンの微粒子は加熱による比表面積の低下が大きい。即ち800℃、30分間の加熱による比表面積は前記した本発明の酸化チタン微粒子の比表面積より小さい。事実凝集性が本発明の微粒子に較べ、大きいことが確認される。
【0013】
上記した両者の相違についてさらに検討すると、上記の方法では高温の多価カルボン酸の水溶液に四塩化チタンを添加しているから水和反応が優先して行なわれる。これに対し本発明の方法では水、四塩化チタン、多価カルボン酸の混合溶液において、先ず錯体化反応が起こり、次いで水和反応が起きると推定される。例えば、両者における約104℃での反応生成物のX線解析をみると後述するように相違していることがわかる。
本発明において、多価カルボン酸は酸化チタン微粒子の表面に凹凸や粒子内に気孔を形成し、比表面積を大きくする作用を有すると共に上記したような製造条件により微粒子の加熱過程での凝集を少なくする作用をしている。
本発明において水、四塩化チタン及び多価カルボン酸の混合は50℃未満の温度で行なわれ、その温度の下限には特に制限なく、例えば常温でよい。混合割合については三者の混合溶液中、四塩化チタンは0.1〜2モル/リットルが好ましい。四塩化チタンの量が0.1モル/リットル未満であると生産性が悪く、また2モル/リットルを越えると生成する酸化チタン微粒子が凝集してしまい比表面積が小さくなる。
多価カルボン酸の量は三者の混合液中0.025〜0.5モル/リットルが適する。0.025モル/リットル未満だと酸化チタン微粒子の比表面積が小さくなり、上記した添加効果が少ない。また0.5モル/リットルを越えると錯体化が多く進行し、逆に凝集体が形成され、比表面が小さくなる。
【0014】
使用される多価カルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のカルボキシル基を2個以上有する二塩基性あるいは三塩基性等の有機多価カルボン酸である。これらは2種以上混合して使用してもよい。カルボン酸でもカルボキシル基が1個の例えば酢酸は適しない。その理由は四塩化チタンと錯化合物が生成しないためと考えられる。
四塩化チタン、水及び多価カルボン酸の50℃未満の混合溶液は次いで加熱して加水分解する。加水分解により塩化水素が発生し、水溶液は白濁状となる。水溶液には酸化チタン水和物や錯化合物が生じていると思われる。
加水分解の温度は60℃以上、水溶液の沸点までの範囲が好ましい。60℃未満では加水分解に長時間を要し、また沸点を越える温度では耐高圧装置が必要となる。加水分解は上記の温度範囲で1〜5時間程度保持して行なわれる。上記の時間は加水分解温度が高い場合は短くてよく、温度が低い場合は長い時間が選ばれる。
【0015】
加水分解する水溶液の加熱の昇温速度は0.2〜10℃/min、好ましくは0.5〜5.0℃/minである。昇温速度は早いほうが得られる酸化チタン微粒子は小さくなる傾向がある。
加水分解は通常の加水分解反応槽を用い、発生する塩化水素ガスを逸出させながら行なうこともできるが、望ましくは発生する塩化水素ガスが反応槽から逸出するのを抑制し、できるだけ水溶液中に残留させることである。この方法によって容易に本発明の範囲の酸化チタン微粒子とすることができる。
【0016】
この塩化水素ガスの反応槽からの逸出を制御する方法は特に限定されず、例えば加圧することによっても可能であるが、最も容易にして効果的な方法は加水分解の反応槽に還流冷却器を設置して加水分解を行なう方法である。この装置を図1に示す。図において1が四塩化チタン、水及び多価カルボン酸を50℃未満の温度で混合した溶液2を充填した反応槽で、これに還流冷却器3が設置されている。4は撹拌機、5は温度計、6は反応槽を加熱するための装置である。加水分解反応によって水及び塩化水素の蒸気が発生するが、その大部分は還流冷却器により凝縮し、反応槽に戻されるので反応槽から外に塩化水素が逸出することは殆どない。
【0017】
反応終了後は反応槽より酸化チタン水和物の沈澱を含む液を取り出し、例えば公知のロータリーフィルター等で濾過する。
濾過により得られたフィルターケーキは水洗後、空気中100℃程度の温度で乾燥される。乾燥は減圧下で行なうこともできる。乾燥後のケーキあるいは解砕後の粉末は次に熱処理する。この熱処理によって酸化チタン微粒子の比表面積の調整や結晶性等を高めることもできる。熱処理は温度が高くなると粒子が大きく成長するので平均粒径が0.1〜0.5μmの範囲になるようにする必要があり、一般的には200〜700℃が適し、好ましくは300〜500℃である。熱処理はまた粒子中に微量に存在する塩化水素の脱離作用にも有効である。
【0018】
以上はバッチ式反応について説明したが、反応槽の上部から四塩化チタン、水及び多価カルボン酸の混合溶液を連続的に装入し、反応槽の下部から沈澱物を含む液を連続的に取り出す連続方式や反応管内に混合溶液を流しながら加熱して反応させる連続方式も可能である。
本発明の四酸化チタン微粒子は前記した平均粒径及び比表面積を有し、これを加熱した場合にも凝集性が少ない、即ち比表面積で表わすと、その減少の程度が他の酸化チタン微粒子に較べ少ない。その理由は四塩化チタンの加水分解法において、多価カルボン酸を特定の条件下で加えることにより酸化チタンの水和物と錯化合物が生じ、その錯化合物が熱処理された場合に酸化チタンの表面構造等に関与して表面活性を小さくしていることが考えられる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示す撹拌装置及び還流装置付きのセパラブルフラスコに蓚酸2水和物1.25モルと純水1000グラムを室温で仕込み蓚酸を完全に溶解させる。この溶液の温度を室温に保ちながらこれに純水と四塩化チタンを添加して、蓚酸濃度が0.25モル/リットル、四塩化チタンの濃度が1.0モル/リットルとなるように調製する。調製終了段階では液には沈澱物はない状態であった。次に、この水溶液を5℃/minの昇温速度にて加熱し、沸点(約104℃)に到達してから1時間保持して加水分解反応を完全に行ない沈澱物を得た。冷却後、フラスコから沈澱物を含む液を取り出し、孔径0.1μmの濾紙を用いて濾過した。濾紙上の沈澱物を十分に水洗し、その後105℃の熱風乾燥機で乾燥した。引き続き、ボールミルで解砕し、空気雰囲気のもとマッフル炉で450℃で1時間熱処理して酸化チタンの微粒子を得た。この微粒子の比表面積をBET法で測定したところ61m2 /gであった。また、遠心沈降法を用いて粒度分布を測定した結果、平均粒径で0.3μmの微粒子であった。さらにこの酸化チタン微粒子を空気雰囲気のもとマッフル炉を用いて800℃、30分間の熱処理を行なった結果、比表面積は26m2 /gであった。上記における途中の105℃の熱風乾燥品をボールミルで解砕したものをX線で解析したところ図2の回折線が得られた。
【0020】
(比較例1)
実施例1と同様にセパラブルフラスコに純水と蓚酸2水和物を仕込む。次いで加熱して蓚酸水溶液を95℃に昇温する。これに純水と四塩化チタンを1ミリリットル/min.の速度で徐々に添加し、蓚酸濃度が0.25モル/リットル、四塩化チタンの濃度が1.0モル/リットルとなるように調整する。この間セパラブルフラスコを加熱して水溶液の温度を95℃に維持する。調整終了段階で液に白い沈澱が一部見られた。次にこの水溶液を5℃/minの昇温速度にて加熱し、沸点(約104℃)に到達してから1時間保持して加水分解反応を完全に行ない、沈澱物を得た。以下、実施例1と同様に濾過、乾燥、解砕、450℃での熱処理、及び800℃での熱処理を行なった。
この450℃で熱処理した酸化チタン微粒子のBET法による比表面積は、150m2 /g、遠心沈降法を用いて粒度測定したところ平均粒径が1.0μmであった。
また800℃で熱処理したものの比表面積は 4m2 /gであった。上記における途中の105℃の熱風乾燥品をボールミルで乾燥したものをX線で解析したところ図3の回折線が得られた。
【0021】
(実施例2)
実施例1において、水、四塩化チタン及び蓚酸2水和物の混合溶液中、蓚酸2水和物の濃度を0.5モル/リットル、混合溶液の調整時の温度を45℃とした以外は実施例1と同様にして酸化チタン微粒子を得た。得られた酸化チタン微粒子の比表面積は87m2 /gで、平均粒子径は0.2μmであった。また、同様に800℃、30分間熱処理を行なった結果、比表面積は20m2 /gであった。
【0022】
(実施例3)
実施例1において、蓚酸2水和物の代わりにクエン酸水和物を用い、混合溶液中のその濃度を0.25モル/リットルとした以外は実施例1と同様にして酸化チタン微粒子を得た。得られた酸化チタン微粒子の比表面積は88m2 /gで、平均粒子径は0.2μmであった。また同様に800℃、30分間熱処理した結果、比表面積は15m2 /gであった。
【0023】
(実施例4)
実施例1において、蓚酸2水和物の代わりにリンゴ酸を用い、混合液中のその濃度を0.025モル/リットルとした以外は、実施例1と同様にして酸化チタン微粒子を得た。得られた酸化チタン微粒子の比表面積は97m2 /gで、平均粒子径は0.15μmであった。また、同様に800℃、30分間熱処理した結果、比表面積は14m2 /gであった。
【0024】
(実施例5)
実施例1において、蓚酸2水和物の代わりにアジピン酸を用い、混合液中のその濃度を0.25モル/リットルとし、但し混合溶液の調整時に温度を40℃とした以外は実施例1と同様にして酸化チタン微粒子を得た。得られた酸化チタン微粒子の比表面積は90m2 /gで、平均粒子径は0.2μmであった。また、同様に800℃、30分間熱処理した結果、比表面積は12m2 /gであった。
【0025】
(比較例2)
実施例1において、蓚酸2水和物を用いない以外は実施例1と同様にして酸化チタン微粒子を得た。得られた酸化チタン微粒子の比表面積は45m2 /gで、平均粒子径は0.35μmであったが、同様に800℃、30分間熱処理した結果、比表面積は2m2 /gとなった。
比較例2に示すように、多価カルボン酸を使用しないで作られた酸化チタン微粒子は比表面積が小さく、また800℃で熱処理した場合に比表面積の減少が著しい。これは粒子が熱処理で凝集したことが主な原因である。
比較例1の酸化チタン微粒子は450℃熱処理では本発明のものと平均粒径や比表面積に殆ど差異がないが、800℃で熱処理すると比表面積の減少の度合いが本発明のものより大きくなる。これは800℃の熱処理による粒子の凝集が本発明のものより大きいことを示す。
【0026】
【発明の効果】
本発明の酸化チタン微粒子は平均粒径がかなり小さく、比表面積は大きい。それにも拘らず加熱時の凝集が少ない。従って特に焼結材料として好適である。また分散性がよいので焼結材以外にプラスチックの添加剤、塗料、インキ、化粧品材料、消臭剤などにも使用可能である。
本発明の四塩化チタンの加水分解反応には還流冷却器が設置され、発生する塩化水素が反応槽外に出ないので、塩化水素ガスの補集装置も不要となり、装置的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられる反応槽の概略断面図である。
【図2】本発明における反応生成物の105℃熱風乾燥品のX線解析図である。
【図3】比較例1における反応生成物の105℃熱風乾燥品のX線解析図である。
【符号の説明】
1 反応槽
2 四塩化チタンと多価カルボン酸を含む水溶液
3 還流冷却器
4 撹拌機
5 温度計
6 加熱装置

Claims (7)

  1. 四塩化チタン水溶液の加水分解による酸化チタン微粒子の製造法において、四塩化チタン、水及び多価カルボン酸を50℃未満の温度で混合し、次いでその混合溶液を加熱して発生する塩化水素の反応槽からの逸出を抑制しながら加水分解反応を行ない、酸化チタンを生成させることを特徴とする酸化チタン微粒子の製造法。
  2. 加水分解の反応槽に還流冷却器を設置し、発生する塩化水素の反応槽からの逸出を抑制することからなる請求項1に記載の酸化チタン微粒子の製造法。
  3. 上記の加水分解の加熱温度が60℃〜混合溶液の沸点の範囲である請求項1又は2に記載の酸化チタン微粒子の製造法。
  4. 四塩化チタン、水及び多価カルボン酸の混合溶液中の四塩化チタンの濃度が0.1モル/リットル〜2モル/リットル、多価カルボン酸の濃度が0.025モル/リットル〜0.5モル/リットルである請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン微粒子の製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにより得られた微粉末を300〜500℃で熱処理することからなる酸化チタン微粒子の製造法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン微粒子の製造法によって得られた平均粒径が0.1〜0.5μm、比表面積が40〜95m/gの酸化チタン微粒子であって、該微粒子を800℃に30分間加熱した場合に比表面積が10〜30m/gとなる酸化チタン微粒子。
  7. 焼結材料用である請求項6に記載の酸化チタン微粒子。
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