JP3708055B2 - 液化ガスタンクの支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、荷液の温度変化による熱収縮により大きく形状変化する線膨張係数の大きな材料で形成された液化ガスタンクの支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、様々な液化ガスがタンクに貯蔵され、またタンクに貯蔵されて搬送されている。タンクに貯蔵される液化ガスとして、例えば、LPG,LEG,LNG等の低温液化ガスがあり、その貯蔵タンクの一例として、円筒形の低温液化ガスタンクがある。
【0003】
この円筒形の低温液化ガスタンクは、通常前後2箇所に設けられたサドル構造により支持されており、このサドル構造の頂板とタンクの間には断熱ライナー材(例えば「木材」)が設けられている。また、この断熱ライナー材が設けられた部分以外のタンク外面は防熱材で覆われており、タンク外面に断熱ライナー材と一体に取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなタンクに貯蔵する荷液は低温であり、例えば、LPG(約−45℃)、LEG(約−100℃)、LNG(約−160℃)程度の温度となる。そのため、タンクが空で常温の状態と荷液を貯蔵して低温となった状態とでは、サドル部において、外面が常温で熱収縮が小さい断熱ライナー材と、剛性が小さくタンクに引きずられて収縮するタンク外面を覆う防熱材との固着部(取り合い部)に変形差を生ずる。
【0005】
前記LPGやLEGを貯蔵する液化ガスタンクは、通常、タンクが鋼製であるため線膨張係数が小さく、熱収縮の差による前記変形差も問題となるような大きさではないが、前記LNGを貯蔵する液化ガスタンクの場合、荷液が約−160℃と低温であり、また、タンク材に線膨張係数が鋼材の約2倍であるアルミニウム材を採用する場合、前記したような熱収縮の差による変形差が大きくなる。
【0006】
図6は従来の液化ガスタンクの支持構造を示す図面であり、(a) は支持部の全体横断面図、(b) は(a) に示すA部拡大図、(c) はタンクの収縮状態を示すA部拡大図、(d) はタンクの戻り状態を示すA部拡大図である。LNGの液化ガスタンクを例に説明すると、(a) に示すように、タンク51を支持するサドル構造頂板52では、タンク51の外周に断熱ライナー材53が設けられ、他のタンク外面は防熱材54で覆われている。これらサドル構造頂板52上の断熱ライナー材53とその周囲の防熱材54とは、タンクの防熱工事が常温の状態で行われるため、タンク51内が空で常温の時に固着される。このサドルの頂板52がサドル55で支持され、このタンク51内にLNG(約−160℃)が貯蔵される。
【0007】
(b) に示すように、タンクが空で常温の状態では、断熱ライナー材53と防熱材54とが固着されてタンク51の外面に設けられる。そして、(c) に示すように、タンク51内にLNGが貯蔵されると、タンク51は低温状態となって熱収縮し、その外面の剛性の弱い防熱材54はタンク51に追従して収縮する。一方、剛性が強く線膨張係数が小さい断熱ライナー材53はほとんど熱収縮しない。そのため、サドル頂板52上の熱収縮量が大きくなる周方向では、防熱材54の断熱ライナー材53との固着部56で熱収縮量分Vが押しつぶされながらタンク51が収縮することとなる。
【0008】
その後、(d) に示すように、タンク51から荷液が排出されタンクが常温となると収縮したタンク51は元に戻るが、収縮時につぶれた防熱材54は元に戻ることはなく、そのつぶれた部分と断熱ライナー材53との間に隙間57を生じて損傷した状態のままとなる。また、このようなタンク51は、荷液の入出で常温と低温とを繰り返すので、断熱ライナー材53と防熱材54との固着部56では、つぶれる方向と開く方向に開閉現象を生じることとなる。この開閉現象を生じると、低温液化ガスを貯蔵した時に隙間57から外部の熱が進入し防熱性能が悪化する。
【0009】
しかしながら、この開閉現象を生じる断熱ライナー材53と防熱材54との固着部56において、隙間57を塞ぎながら変形できるようなフレキシブルで且つ防熱性に優れた防熱材はない。そのため、この固着部56における防熱材54のつぶれを回避できるような手段が切望されている。このことは円筒形タンク以外に方形タンク等であっても同様である。
【0010】
なお、球形又は円筒形タンクの支持装置としては、特開昭50−136715号公報記載の発明があるが、この発明は、タンクの外周面から突設した支持リングを支持する構成であり、本願発明のような支持構造において前記課題を解決できるものではない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、鋼材のほぼ2倍の大きさの線膨張係数を有する材料製形タンクの支持構造であって、前記タンク外面の周方向の一部に支持部を設け、該支持部のタンク周方向を複数に仕切る仕切部材をタンク外面に設け、該支持部のタンク周方向に反タンク側が開放した複数のライナー材設置スペースを形成し、該複数のライナー材設置スペースに、前記仕切部材との間に所定の隙間を設け断熱ライナー材をタンク外面にそれぞれ配設し、該反タンク側に突出する断熱ライナー材の間に前記タンクの熱収縮量を分散して吸収できる可撓性防熱材をそれぞれ設けている。このように、タンクの支持部における断熱ライナー材をタンク周方向に複数に分割して可撓性防熱材で連結することにより、支持部における熱収縮量を複数の断熱ライナー材間に分散させ、これら断熱ライナー材間において小さくなった収縮量はタンク周方向に設けた複数の可撓性防熱材で吸収することができる。これにより、タンクの外面に設けられる防熱材と断熱ライナー材との間に防熱材のつぶれを生じさせることなくタンク及び防熱材の熱収縮を吸収することができる。
【0012】
前記ライナー材設置スペースを、タンクの支持部をほぼ等間隔に分割して形成すれば、このライナー材設置スペースに配設する断熱ライナー材の大きさを統一することができる。
【0013】
また、前記断熱ライナー材の反タンク側周方向端部に、該断熱ライナー材の半径方向に所定深さで周方向に所定幅の切除部を形成し、隣接する断熱ライナー材間の該切除部に可撓性防熱材を一体的に設けて連結すれば、周方向に分割した断熱ライナー材間の切除部寸法を設定することにより、この切除部に設ける可撓性防熱材の変形可能量を調整してタンク支持部における熱収縮量に応じた可撓性防熱材の変形可能量で熱収縮を吸収することができる。
【0014】
さらに、前記断熱ライナー材をタンク周方向の所定範囲で移動可能に保持し、該断熱ライナー材の周方向移動範囲を、該断熱ライナー材と仕切部材との間に設ける隙間の範囲に制限するようにすれば、断熱ライナー材の周方向移動範囲を、仕切部材と断熱ライナー材との間の隙間で設定することができる。
【0015】
また、前記断熱ライナー材と仕切部材との間の隙間を、前記可撓性防熱材の変形可能範囲とすれば、断熱ライナー材の周方向移動を可撓性防熱材の変形可能範囲で拘束することなく、可撓性防熱材の変形で熱収縮を吸収することができる。
【0016】
その上、前記可撓性防熱材をポリウレタンフォームで形成すれば、断熱ライナー材を所定位置に保持した状態でこれら断熱ライナー材間に可撓性防熱材を発泡により充填して連結することが容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1実施形態を示す液化ガスタンクの支持構造の部分拡大図であり、(a) は横断面図、(b) は(a) の底面図である。図2は図1(a) の一部を拡大した断面図である。図3は図1に示す液化ガスタンクの支持構造を適用したタンク下部の図面であり、(a) は一部の横断面図、(b) は(a) を平面状に展開したタンク外面を下から見た図である。この第1実施形態では円筒形タンクを例に説明する。
【0018】
図1(a),(b) に示すように、円筒形タンク1の所定位置に形成されたサドル支持部2には、タンク外面に補強板3(ウエアプレート)が設けられ、この補強板3の外面の周方向に所定間隔で2枚の保持板4が立設されるとともに、これらの保持板4の間を周方向に所定間隔で仕切る複数の仕切部材5が設けられている。このように保持板4と仕切部材5とでサドル支持部2を周方向に仕切ることにより、サドル支持部2には、周方向に分割された所定の大きさのライナー材設置スペース6が複数形成されている。そして、それぞれのライナー材設置スペース6に断熱ライナー材7が設けられている。
【0019】
図2に示すように、このライナー材設置スペース6に設けられた断熱ライナー材7と仕切部材5とは、その間に所定の隙間8を形成した状態で設けられており、断熱ライナー材7の周方向移動がこの隙間8の所定範囲内では可能で、この隙間8を超える場合は仕切部材5に当接して制限するようにしている。
【0020】
一方、断熱ライナー材7の反タンク側の周方向端部には、この断熱ライナー材7の半径方向に所定深さで周方向に所定幅の切除部9が形成されている。これらの切除部9により、隣接して設けられた断熱ライナー材7の対向する切除部9が所定幅Wの溝部10を形成している。
【0021】
そして、この断熱ライナー材7間に形成された溝部10に可撓性防熱材11が一体的に設けられており、この可撓性防熱材11によって隣接する断熱ライナー材7が一体的となるように連結されている。可撓性防熱材11としては、ポリウレタンフォーム等の柔軟で変形に対して強い材質のものが採用され、可撓性防熱材11の変形によってタンク1の熱収縮を吸収できるようにしている。この実施形態では可撓性防熱材11にポリウレタンフォームを採用しているが、タンク1が熱収縮した時に変形により壊れないものであればよい。なお、仕切部材5と可撓性防熱材11との間は、グラスウール等の防熱材でもよい。
【0022】
このタンク1に生じる熱収縮量から溝部10の幅Wが決定され、この溝部10の幅での可撓性防熱材11の変形可能量から前記隙間8の寸法が決定される。これにより、タンク1が熱収縮して断熱ライナー材7が周方向に移動しようとした時に、可撓性防熱材11が隙間8の範囲で変形して熱収縮を吸収するようにしている。
【0023】
図3(a),(b) に示すように、この実施形態では、タンク1の下部に形成されたサドル支持部2の約半分(図示する右半分)の長さL間で断熱ライナー材7を12分割するように幅Xのライナー材設置スペース6が形成されており、これらのライナー材設置スペース6に断熱ライナー材7がそれぞれ配設されている。これらの各断熱ライナー材7とライナー材設置スペース6を形成する仕切部材5との関係は、前記図2に示す関係と同一である。
【0024】
このようにサドル支持部2を周方向に分割して形成したライナー材設置スペース6に断熱ライナー材7をそれぞれ設けてタンク1を支持し、これらの断熱ライナー材7の間を連結する複数の可撓性防熱材11によってタンク1の熱収縮量を分散して吸収するようにしているので、断熱ライナー材7とタンク外面の防熱材12との固着部13につぶれを生じることなくタンク1の熱収縮を吸収することができる。
【0025】
以上のように構成された液化ガスタンクの支持構造20によれば、常温から荷液(例えば、LNG)の積載による低温(約−160℃)への変化時に生ずる図示する長さLの間での補強板3(タンク1)の全収縮量が、この長さLの間で12分割された断熱ライナー材7の間を結合する可撓性防熱材11によって分散して吸収される。
【0026】
つまり、断熱ライナー材7を周方向に分割することによりサドル支持部2における全熱収縮量を分散し、各ライナー材設置スペース6における小さくなった収縮量を複数の可撓性防熱材11によって分散して吸収することができる。
【0027】
また、このように分散して吸収する熱収縮は、各断熱ライナー材7がタンク1の周方向にある程度移動可能なように保持されて拘束されているため、一部の可撓性防熱材11(ポリウレタンフォーム等)において吸収できない場合には隣接する断熱ライナー材7の可撓性防熱材11やその次に隣接する可撓性防熱材11によって分散して吸収され、結果として、周方向に設けられた複数の可撓性防熱材11で全収縮量を吸収することができる。
【0028】
したがって、タンク1に生じる熱収縮をそれぞれの断熱ライナー材7間に分散させ、各可撓性防熱材11で吸収すべき熱収縮量を小さくして全体の熱収縮を吸収できるようにしているので、断熱ライナー材7の両端部に固着された防熱材12につぶれを生じさせることなくタンク1の熱収縮を可能にすることができる。
【0029】
すなわち、防熱された円筒形タンク1のサドル支持部2において、タンク1及び断熱材12と断熱ライナー材7との間に生ずる熱収縮による変形差を、断熱ライナー材7を分割して各断熱ライナー材7間に分散させて無理なく吸収することができるようにしている。
【0030】
図4は図1に示す液化ガスタンクの支持構造を適用した円筒形タンクを示す側面図である。一般的な円筒形の液化ガスタンク1は、前後の2箇所に設けられたサドル支持部2がベース21のサドル22で支持されている。この支持される液化ガスタンク1は、サドル支持部2のみが断熱ライナー材7で支持され、他の外面は防熱材12によって覆われている。また、液化ガスタンク1は、熱収縮によって形状変化するため、一方(例えば、図の左側)が長さ方向にも拘束され、他方は熱収縮による長手方向移動が可能なように構成されている。
【0031】
このようにタンク1を2箇所で支持した支持構造20によれば、タンク1が熱収縮で縮んだとしても、サドル支持部2ではタンク1の収縮量を分散して吸収することができ、防熱材12につぶれを生じることはない。
【0032】
図5は本願発明の第2実施形態を示す液化ガスタンクの支持構造の図面であり、(a) は縦断面図、(b) はB部拡大図である。この第2実施形態は、方形タンク23に断熱ライナー材24を適用した場合を示している。なお、上述した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
図示するように、方形タンク23はその下面の支持部25で支持されており、この支持部25も、その長手方向に設けられた複数の仕切部材26によって複数のライナー材設置スペース27が形成され、各ライナー材設置スペース27に断熱ライナー材24がそれぞれ配設されている。
【0034】
そして、この断熱ライナー材24の反タンク側の端部に溝部28が形成され、この溝部28に可撓性防熱材29が設けられている。この可撓性防熱材29は、上述した第1実施形態と同様にポリウレタンフォーム等から形成されている。
【0035】
なお、仕切部材26と断熱ライナー材24との関係は上述した第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、タンク23の断熱ライナー材24が設けられた以外の外面は防熱材30で覆われている。
【0036】
このように構成された液化ガスタンクの支持構造31によっても、タンク内の荷液温度によりタンク23が熱収縮しても、複数に分割した断熱ライナー材24の間の可撓性防熱材29によって全熱収縮量を分散して吸収するので、タンク全体の熱収縮を吸収して断熱ライナー材24と防熱材30との間でのつぶれを生じないようにできる。
【0037】
なお、上述した実施形態では、円筒形タンク1と方形タンク23において断熱ライナー材7,24を適用した例を説明したが、タンクの形態はこれらの形態に限定されるものではなく、本願発明は他の形態のタンクへの応用/適用は可能である。
【0038】
さらに、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
以下、線膨張係数の大きいアルミニウム製円筒形液化ガスタンクにLNGを貯蔵する場合の一例を説明する。なお、この説明ではアルミニウム製タンクの直径を10mとし、図3に示す90°の範囲における断熱ライナー材を例に説明し、図3に示す構成には同一符号を付す。また、この実施例では、可撓性防熱材としてポリウレタンフォームを例に説明する。
【0040】
タンク1内にLNG(約−160℃)が貯蔵されると、このタンク1を支持する長さLの範囲で常温(約+20℃)からLNG温度(約−160℃)へタンクが冷却されるので、図示するタンクプレートの長さLの範囲で約−20mm分の熱収縮量を生じる。
【0041】
そこで、前記図3に示すように、断熱ライナー材7を12分割(断熱ライナー材7全体では24分割)し、図2に示すように、この断熱ライナー材7の反タンク側(サドル側)端部に幅Wの溝部10を形成する。そして、この溝部10に可撓性防熱材11たるポリウレタンフォームを設けている。この実施例ではポリウレタンフォーム11を採用しているため、タンク1の全熱収縮量を分散して吸収することができるように、ポリウレタンフォーム11の周方向幅Wを100mmとし、このポリウレタンフォーム11における許容変形量である2%の2mmが、断熱ライナー材7の両端と仕切部材5との間に各1mmの隙間8として設けられている。
【0042】
このように形成された液化ガスタンクの支持構造20によれば、断熱ライナー材7の円周方向の位置は、仕切部材5との間に形成された隙間8により拘束されないので、タンク1の熱収縮による周方向の移動は、各ポリウレタンフォームの変形(圧縮)によって吸収することができる。
【0043】
この熱収縮の吸収としては、サドル支持部2における距離Lの間で補強板3(タンクプレート)に20mmの収縮を生じたとしても、この距離Lの間で断熱ライナー材7は12分割されているので、各仕切部材5間の幅Xの間の収縮量は20mm/12=約1.7mm(片側、約0.85mm)となり、各断熱ライナー材7間において100mmの幅Wで設けられた溝部10のポリウレタンフォーム11における許容変形量である2%の2mm(断熱ライナー材7の両端に各1mm)以下の範囲内での変形量となり、全体のポリウレタンフォーム11によって全収縮量を吸収することができる。
【0044】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0045】
タンクの支持部における熱収縮量を周方向に分割した複数の断熱ライナー材間の可撓性防熱材に分散させて吸収することができるので、タンクの外面に設けた防熱材がつぶれることのない液化ガスタンク支持構造を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す液化ガスタンクの支持構造の部分拡大図であり、(a) は横断面図、(b) は(a) の底面を下から見た図である。
【図2】図1(a) の一部を拡大した断面図である。
【図3】図1に示す液化ガスタンクの支持構造を適用したタンク下部の図面であり、(a) は一部の横断面図、(b) は(a) を平面状に展開した底面図である。
【図4】図1に示す液化ガスタンクの支持構造を適用した円筒形タンクを示す側面図である。
【図5】本願発明の第2実施形態を示す液化ガスタンクの支持構造の図面であり、(a) は縦断面図、(b) はB部拡大図である。
【図6】従来の液化ガスタンクの支持構造を示す図面であり、(a) は支持部の全体横断面図、(b) は(a) に示すA部拡大図、(c) はタンクの収縮状態を示すA部拡大図、(d) はタンクの戻り状態を示すA部拡大図である。
【符号の説明】
1…タンク
2…サドル支持部
3…補強板
4…保持板
5…仕切部材
6…ライナー材設置スペース
7…断熱ライナー材
8…隙間
9…切除部
10…溝部
11…可撓性防熱材
12…防熱材
13…固着部
20…支持構造
21…ベース
22…サドル
23…タンク
24…断熱ライナー材
25…支持部
26…仕切部材
27…ライナー材設置スペース
28…溝部
29…可撓性防熱材
30…防熱材
31…支持構造
L…長さ
W…幅
X…幅

Claims (6)

  1. 鋼材のほぼ2倍の大きさの線膨張係数を有する材料製形タンクの支持構造であって、
    前記タンク外面の周方向の一部に支持部を設け、該支持部のタンク周方向を複数に仕切る仕切部材をタンク外面に設け、該支持部のタンク周方向に反タンク側が開放した複数のライナー材設置スペースを形成し、該複数のライナー材設置スペースに、前記仕切部材との間に所定の隙間を設け断熱ライナー材をタンク外面にそれぞれ配設し、該反タンク側に突出する断熱ライナー材の間に前記タンクの熱収縮量を分散して吸収できる可撓性防熱材をそれぞれ設けた液化ガスタンクの支持構造。
  2. 前記ライナー材設置スペースを、タンクの支持部をほぼ等間隔に分割して形成したことを特徴とする請求項1記載の液化ガスタンクの支持構造。
  3. 前記断熱ライナー材の反タンク側周方向端部に、該断熱ライナー材の半径方向に所定深さで周方向に所定幅の切除部を形成し、隣接する断熱ライナー材の該切除部に可撓性防熱材を一体的に設けて連結したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液化ガスタンクの支持構造。
  4. 前記断熱ライナー材をタンク周方向の所定範囲で移動可能に保持し、該断熱ライナー材の周方向移動範囲を、該断熱ライナー材と仕切部材との間に設ける隙間の範囲に制限したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液化ガスタンクの支持構造。
  5. 前記断熱ライナー材と仕切部材との間の隙間を、前記可撓性防熱材の変形可能範囲としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化ガスタンクの支持構造。
  6. 前記可撓性防熱材をポリウレタンフォームで形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液化ガスタンクの支持構造。
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