JP3708029B2 - 部分洗い装置付洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯物を部分的に洗うことのできる部分洗い装置を備えた洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機(電気洗濯機)は、通常、洗濯槽の中に洗濯物を投入し、洗剤を溶かした水と一緒にして洗濯槽の中で流動させる(渦巻きを形成する、攪拌する)か、洗濯槽そのものを回転させるかして洗濯を行う。これにより、洗濯槽に投入された洗濯物を一斉に洗い、洗濯物の各部に均一な洗い効果を及ぼす。ところが、洗濯物の中でも汚れのひどい箇所、例えば襟や袖口といった箇所や、しみができた箇所などは上記のような一斉洗いでは汚れが十分には落ちないことがあり、そのような場合には該当箇所だけ手洗いする必要があった。
【0003】
そこで、通常の洗濯槽に加え、洗濯物を部分洗いすることのできる部分洗い装置を洗濯機に付加する試みがなされた。特開平2−5996号公報にその例を見ることができる。特開平2−5996号公報記載の部分洗い装置付洗濯機は、周囲にブラシ体と凸部を備えた洗浄用回転体と洗浄台とを組み合わせ、洗浄用回転体と洗浄台との間に洗濯物を挟んでブラシ洗い及びもみ洗いを行うようにした部分洗い装置を洗濯機の内部に備えている。
【0004】
部分洗い装置付洗濯機の他の例を特開2000−61192号公報に見ることができる。特開2000−61192号公報記載の洗濯機は部分洗い装置として超音波洗浄装置を用いるものである。同じように超音波式部分洗い装置を備えた洗濯機は本出願人の出願に係る特願2001−74255号、同2001−74581号でも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の部分洗い装置付洗濯機では、部分洗いの対象となる洗濯物が部分洗い装置にセットされているかどうかに関わりなく部分洗い装置を運転できるようになっている。洗濯物が存在していない状態で部分洗い装置が運転されていると、幼児等が手を近づけて洗浄用回転体や超音波振動ホーンに触れる可能性があり、危険である。
【0006】
そこで本発明は、洗濯物が存在していないにもかかわらず部分洗い装置が運転されることのないようにすることができる部分洗い装置付洗濯機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、洗濯槽を収容した本体に部分洗い装置を装着し、この部分洗い装置に洗濯物を受けるトレイを組み合わせるとともに、このトレイ上の洗濯物の存在を検知する洗濯物検知手段を設け、この洗濯物検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御する部分洗い装置付洗濯機において、トレイには部分洗い装置の洗い部に向き合う箇所に他の箇所より一段と隆起した形で洗濯物の受台部を設け、洗濯物検知手段はこの受台部の頂面を外れた位置で洗濯物の検知を行うこととした。
【0008】
このように、トレイ上の洗濯物の存在を検知する洗濯物検知手段を設けたので、トレイ上に洗濯物が存在しないときは部分洗い装置が駆動されないよう部分洗い装置を制御し、洗濯物によってカバーされることなくむき出しとなった洗浄用回転体や超音波振動ホーンに手が触れる危険を回避することが可能になる。また、洗濯物があるときとないときとの検知位置の高低差をもって洗濯物の有無を判定でき、判定が容易になる。
【0009】
また本発明では、トレイの存在を検知するトレイ検知手段を設け、トレイ検知手段と洗濯物検知手段それぞれの検知情報に基づき部分洗い装置を制御することとした。これにより、トレイが破損したり脱落した状態ではたとえ洗濯物が存在したとしても部分洗い装置が駆動されないようにすることができ、洗濯物を隔てて洗浄用回転体や超音波振動ホーンに手が触れる危険を回避することができる。
【0011】
また本発明では、洗濯物検知手段を光センサーで構成した。これにより、光が洗濯物で遮られるかを洗濯物の有無判定基準とすることができ、判定基準が明確になる。
【0022】
また本発明では、部分洗い装置を超音波式とし、この部分洗い装置には超音波の振動変化を検知する振動検知手段を設け、この振動検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御することとした。これにより、洗濯物やトレイで防護されていない超音波振動ホーンに手が触れる危険を超音波の状態観察からも回避することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明部分洗い装置付洗濯機の第1実施形態を図1〜15に示す。
【0026】
部分洗い装置付洗濯機1Aは全自動型のものであって、次のような構造の本体2Aを備える。10は外箱である。外箱10は直方体形状で、金属又は合成樹脂により成形され、その上面と底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には合成樹脂製の上面板11を重ね、外箱10にネジで固定する。図1において左側が本体2Aの正面、右側が背面であり、背面側に位置する上面板11の上面に同じく合成樹脂製のバックパネル12(図2参照)を重ね、上面板11にネジで固定する。外箱10の底面開口部には合成樹脂製のベース13を重ね、外箱10にネジで固定する。ベース13の四隅には本体2Aを床の上に支えるための脚部14が一体成型されている。なお、これまで述べてきたネジはいずれも図示しない。
【0027】
上面板11には後述する洗濯槽に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設される。16は洗濯物投入口15を上から覆う蓋である。蓋16は前蓋16aと後蓋16bとに2分割し、両者を軸17でヒンジ結合して二つ折りにできるようになっている。後蓋16bは上面板11に軸18でヒンジ結合する。軸18はバックパネル12の前の位置に、図1において紙面と直角の方向に延びるよう水平に設けられており、従って後蓋16bは垂直面内で回動する。軸17、18は平行であり、従って前蓋16aも後蓋16bに対し垂直面内で回動する。このように二つ折り可能な構造であるため、蓋16の旋回半径を小さくでき、洗濯機1Aの上部に障害物が接近していたとしても蓋16を開閉することができる。
【0028】
外箱10の内部には水槽20と洗濯槽30を配置する。水槽20も洗濯槽30も上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々軸線を垂直にし、水槽20が外側、洗濯槽30が内側となる形で同心的に配置される。21は水槽20を吊り下げるサスペンション機構であり、水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平面内で揺動可能に支持する。
【0029】
洗濯槽30は上方に向かい緩やかなテーパで広がる周壁を有する。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の水放出口31を除き、液体を通すための開口部はない。洗濯槽30の上部開口部の縁には、洗濯物を脱水するために洗濯槽30を高速回転させたときに振動を抑制する働きをする環状のバランサ32を装着する。洗濯槽30の内部底面には槽内で洗濯液あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33を配置する。
【0030】
40は水槽20の下面に装着した駆動ユニットである。駆動ユニット40はモータ41、クラッチ機構42、及びブレーキ機構43を含み、その中心部から脱水軸44とパルセータ軸45を上向きに突出させている。脱水軸44とパルセータ軸45は脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっており、水槽20の中に入り込んだ後、脱水軸44は洗濯槽30に連結されてこれを支える。パルセータ軸45はさらに洗濯槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結してこれを支える。脱水軸44と水槽20との間、及びパルセータ軸45と洗濯槽30との間には各々水もれを防ぐためのシール部材を配置する。
【0031】
上面板11とバックパネル12の間の空間には電磁的に開閉する給水弁50(図6参照)を配置する。給水弁50はバックパネル12を貫通して上方に突き出す接続管51を有し、この接続管51に、水道水等の上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続する。給水弁50は洗濯槽30の中に水を注ぐ給水ノズル(図示せず)に接続している。これまた図示しないが、給水弁50から給水ノズルの先端に至る水の流路中には洗剤や仕上剤等を水に混入する混入装置が設けられるものである。
【0032】
53は水槽20の底部に締結したエアートラップ、54はエアートラップ53から上方に延び出した導圧パイプ、55は導圧パイプ54の上端に接続された水位スイッチである。
【0033】
60は水槽20及び洗濯槽30の中の水を本体2Aの外に排水する排水ホースである。排水ホース60は水槽20の直下で分岐管60a、60bに接続する。一方の分岐管60aは水槽20の底面の外周寄り箇所に接続し、他方の分岐管60bは水槽20の底面の中心寄り箇所に接続する。水槽20の内部底面には分岐管60bの接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔壁61を固定する。隔壁61は上部に環状のシール部材62を取り付けており、このシール部材62が洗濯槽30の底部外面に固定したディスク63の外周面に接触することにより、水槽20と洗濯槽30との間に独立した排水空間64が形成される。排水空間64は洗濯槽30の底部に形設した排水口65を介して洗濯槽30の内部に連通する。エアートラップ53はこの排水空間64に接続するものである。66は分岐管60bに設けられた排水弁で、電磁的に開閉する。
【0034】
80は上面板11の下に配置した制御部で、駆動ユニット40及び給水弁50、排水弁66に動作指令を発する他、上面板11の上面に設けられた表示部(図示せず)にも表示指令を発するものである。制御部80は後述する部分洗い装置の制御回路を従属させている。
【0035】
本体2Aの外面には部分洗い装置100が装着される。140は部分洗い装置100のベースで、このベース140と部分洗い装置100とをユニット150として組み合わせた上でバックパネル12の上面に取り付ける。以下、ユニット150の構成を主として図6〜13を参照しつつ説明する。
【0036】
ベース140は正面から見ると上面が弧、下面が弦となった部分円の形状を呈しており、奥行き方向に所定の厚味を有する形に合成樹脂で成型する。ベース140は正面側左半分に部分洗い装置100を収納するための凹部141を有する。凹部141の右端には中空の支軸部142を、垂直に立ち上げた形で形設する。
【0037】
部分洗い装置100は中空のケース101を有するが、このケース101は上下対をなす合成樹脂製シェル102、103を合わせ、図示しないネジによりネジ止めして構成する。ケース101の一端には垂直な軸受部104を形設し、さらに、この軸受部104と中心を同じくするネジ通し凹部105をシェル102の上面から落ち込む形で形設する。軸受部104をベース140の支軸部142に上からかぶせ、ネジ通し凹部105の底部を通じて支軸部142にネジ106をねじ込むと、ケース101はベース140に対し上方への抜け止めがされた形で回動可能に取り付けられる。これにより部分洗い装置100とベース140よりなるユニット150が構成される。ネジ通し凹部105の入り口にはキャップ107を嵌合し、ネジ106の頭を隠す。
【0038】
ベース140はネジ143によりバックパネル12に固定する。図6、7においてネジ143は1個ずつしか図示していないが、言うまでもなく、ベース140の固定にあたっては複数個のネジ143を用いる。このようにしてユニット150を本体2Aに固定する。ユニット150が本体2Aに固定された状態において、部分洗い装置100は水平面内で回動可能であるが、ベース140の長手方向に対し90゜の角度をなすところをその回動限界とする。回動中心から離れたケース101の先端下部が洗い部110となる。
【0039】
洗い部110が本体2Aの外側から洗濯物投入口15に臨む位置が部分洗い装置100の使用時の位置、洗い部110が洗濯物投入口15に臨む位置から退避し、部分洗い装置100の全体がベース140の凹部141に収まる位置が部分洗い装置100の収納時の位置となる。使用時の位置と収納時の位置とは角度にして90゜異なる。部分洗い装置100が使用時の位置又は収納時の位置にあるとき、その位置を維持するロック手段160を部分洗い装置100とベース140との間に設ける。
【0040】
ロック手段160は次のように構成される。まず、ベース140の内部にロックピンガイド部144を形設する。ロックピンガイド部144は水平であり、且つベース140の長手方向に平行に設けられている。このロックピンガイド部144にロックピン161を水平方向にスライドできるように装着する。ロックピン161はロックピンガイド144に挿入された圧縮コイルバネ162により軸受部104の外周面に押し付けられる。このロックピン161の先端を受け入れる穴163、164を軸受部104の外周面に90゜間隔で形設する(図8参照)。ロックピン161は上部につまみ165を有し、このつまみ165はベース140の上面にロックピンガイド部144と平行する形で設けた溝145の中に収納されている。
【0041】
図6と図8はロックピン161が穴163に係合した状態を示す。部分洗い装置100はこの時、収納時の位置に維持される。部分洗い装置100を使用時の位置に変位させるときは、つまみ165を図6の右方に引いてロックピン161を穴163から抜き、それから部分洗い装置100を図8において反時計まわり方向に回動させる。ロックピン161の先端と穴163の位置がくい違った後はつまみ165から指を離し、圧縮コイルバネ162によりロックピン161の先端が軸受部104の外面に押しつけられるにまかせておけばよい。部分洗い装置100が90゜回動して使用時の位置に達すると穴164がロックピン161に整列し、ロックピン161は穴164に落ち込み、部分洗い装置100はその角度に維持される。収納時の位置に戻すときはもう一度つまみ165を引き、部分洗い装置100を反対方向に回動させる。
【0042】
図8に示すように、ベース140の内部には部分洗い装置100の位置検知手段170が設けられる。位置検知手段170は、スイッチ171と、スイッチ171から突き出して軸受部104の外面に接触するアクチュエータ172と、軸受部104の外面に形設されたアクチュエータ作動突起173からなる。図6と図8に示す収納時の位置ではアクチュエータ作動突起173はアクチュエータ172から離れている。部分洗い装置100が90゜回動し、使用時の位置に変位すると、アクチュエータ作動突起173がアクチュエータ172に接触し、アクチュエータ172が押し込まれてスイッチ171の開閉状態が反転する。これにより、部分洗い装置100の位置が変わったという信号を得ることができる。なお図8においてはスイッチ171が常開型のものとして描かれているが、これは常閉型のものであっても構わない。
【0043】
次に、洗い部110の構造につき説明する。111は洗い部110の中核をなす超音波振動デバイスである。図11に示すように、超音波振動デバイス111は振動素子113を含む加振部112と、この加振部112に取り付けられたT字形の振動ホーン114からなる。振動ホーン114は加振部112に固定されたシャンク部115と、シャンク部115の先端に連結したヘッド部116からなる。シャンク部115がT字形の縦棒、ヘッド部116がT字形の横棒をなすものである。ヘッド部116の両側面からは突起117が対称的に突出する。突起117は振動伝達の分岐点である無振動域にあたる箇所に設けられている。
【0044】
超音波振動デバイス111はT字形の振動ホーン114を横倒しにした形で部分洗い装置100のケース101の中に支持される。支持は次のようにして行う。まず加振部112の外側に環状の緩衝部材118を嵌合する。緩衝部材118は軟質のゴム又は合成樹脂により形成され、外周部には環状の溝118aを有している。突起117にもキャップ状の緩衝部材119をかぶせる。これらの緩衝部材118、119をシェル102、103の内面に一体形設したリブで挟む。加振部112にあってはシェル102側のリブ102aとシェル103側のリブ103aが各々リブ先端を溝118aに係合させる形で緩衝部材118を挟み、これにより加振部112を支持する。振動ホーン114の側にあってはシェル102側のリブ102bとシェル103側のリブ103bが緩衝部材119を挟み、これにより振動ホーン114を支持する。
【0045】
シェル103には開口部108が形設され、振動ホーン114のヘッド部116の下部がここからケース101の外に突き出す。この突き出した部分の先端が洗濯物に接触するものであり、この部分はクロームメッキ部116aとなっている。クロームメッキを施すのは、汚れが付着しにくくするためと、表面を滑らかにして洗濯物が引っかからないようにするためである。
【0046】
120は開口部108に装着される合成樹脂製のホーンカバーである。ホーンカバー120は、図10に示すように、上面が開口となった直方体形状をしており、この上面開口の縁に、水平に張り出すフランジ部121と、上方に突出する1対の弾性爪部122を形設している。ホーンカバー120の底面には振動ホーン114を露出させるスリット123を形設する。振動ホーン114はスリット123を通り抜けてホーンカバー120の外に1〜5mm突出する。なお振動ホーン114の下面と後述するトレイの上面との間隔は、洗濯物は入るが指は容易には入らないよう、5〜13mmといった数字に設定する。スリット123の両側には洗浄液滴下孔124を形設する。弾性爪部122を開口部108に押し込み、開口部108の上縁に係合させれば、弾性爪部122とフランジ部121とがシェル103を上下から挟む形になり、ホーンカバー120はシェル103に取り付けられる。
【0047】
部分洗い装置100には、超音波振動デバイス111の他、次のような要素を配置する。まず、ケース101の正面には操作パネル125を配置する。操作パネル125には図13に示す操作ボタン群と表示手段が縦方向に配列されている。まず一番下に電源ボタン126がある。その上には「強」「中」「弱」の三連ボタンからなる運転開始ボタン127がある。一番上にはLEDランプからなる運転状況表示手段128が配置される。電源ボタン126は「入/切」タイプのもので、部分洗い装置100の電源ON/OFFをボタンプッシュで切り替える。なお部分洗い装置100を電源ONにするためには電源ボタン126を一瞬押しただけでは駄目で、所定時間(例えば1〜2秒)連続して押し続けることを要する設定となっている。また運転開始ボタン127はランプ内蔵型であって、選択されたものが点灯するようになっている。
【0048】
ケース101の下面には洗濯物検知手段301とトレイ検知手段131を配置する。洗濯物検知手段301は部分洗い装置100の回動中心に関しホーンカバー120よりも外側、トレイ検知手段131は内側に位置する。洗濯物検知手段301は後述するトレイの上に洗濯物が存在するかどうか、トレイ検知手段131はトレイそのものが部分洗い装置100の下に存在するかどうかを検出するものであり、いずれも反射型の光センサーにより構成される。
【0049】
132はケース101の中に配管した洗浄液チューブである。洗浄液チューブ132は先端が二股の注水部132aとなっており、この注水部132aを図9に示すように振動ホーン114の両側に配置し、ヘッド部116の両側に洗浄液を注ぐ。
【0050】
超音波振動デバイス111への配線133、洗濯物検知手段301への配線302、トレイ検知手段131への配線135、及び洗浄液チューブ132は軸受部104と支軸部142とに形設したスリット136、137を通って支軸部142の中に入る。すなわち支軸部142の内部は通信や給電のための配線、あるいは給水(給液)のための配管を通すダクト142aとなる。部分洗い装置100が回動するにつれ配線133、302、135と洗浄液チューブ132も移動するので、スリット136、137はその移動を許容する長さに設定する。
【0051】
138はベース140の内部に配置した部分洗い装置の制御回路部である。この制御回路部138に、ダクト142aを抜けた配線133、302、135と、位置検出手段170に接続された配線(図示せず)を接続する。制御回路部138は超音波振動デバイス111の超音波発信回路も含む。制御回路部138からは制御部80に接続するための配線139を導出する。配線139と洗浄液チューブ132はバックパネル12に形設した穴12aを抜けてバックパネル12の下に出た後、これらを接続すべき箇所へと導かれる。
【0052】
給水弁50は各々独立して開閉する弁部50a、50bを有する。一方の弁部50aは洗濯槽30に水を注ぐ給水ノズルに接続する。他方の弁部50bは給水ジョイント56に接続し、この給水ジョイント56に洗浄液チューブ132が接続する。給水ジョイント56には排水手段として排水弁57を設ける。排水弁57を開くと、給水ジョイント56及び洗浄液チューブ132の中に残っていた水は水槽20と洗濯槽30の間に排出される。
【0053】
部分洗い装置100を本体2Aの外面に装着したことに伴い、蓋16の構造は次のようになる。まず、後蓋16bには軸18でヒンジ結合された方の縁から大きな切り欠きを形設し、部分洗い装置100をくぐらせるためのゲート開口180とする。後蓋16b自体も丁度門のような形状になる。ゲート開口180は、部分洗い装置100を使用時の位置まで引き出したとき、部分洗い装置100に干渉することなく後蓋16bを開閉できるだけの奥行(後蓋16bを立てた状態では「高さ」)となっている。
【0054】
後蓋16bを立て、前蓋16aを軸17のところで折り返して蓋16全体を図1のように二つ折りにしたとき、前蓋16aが部分洗い装置100に当たることのないように前蓋16aと後蓋16bの寸法関係を設定する。図2で言えば、前蓋16aの奥行L1は後蓋16bの奥行L2よりも小となっている。L1とL2の寸法比率は、L1がL2の50〜80%となるように設定する。このようにして、部分洗い装置100を使用時の位置に置いた場合でも、前蓋16aが部分洗い装置100に当たらないようにする。
【0055】
ゲート開口180には洗濯物を受けるトレイ181を配置する。トレイ181はゲート開口180を閉塞する大きさであり、図15に示すように、下から後蓋16bにあてがわれるものである。図14に示すように、トレイ181はその両側から突出した軸182により後蓋16bにヒンジ結合される。軸182の軸線と、後蓋16bを上面板11にヒンジ結合した軸18の軸線は一致する。従ってトレイ181は後蓋16bと同様に垂直面内で回動する。
【0056】
図4、5に示すように、トレイ181の両側には突起183が形設されており、この突起183が洗濯物投入口15の縁に係合する。従ってトレイ181は洗濯物投入口15よりも下に落ち込むことはない。
【0057】
トレイ181は上面が窪んだ形をしているが、中央部だけは他の箇所より一段と隆起した受台部184となっている。受台部184は洗濯物をこの高さに持ち上げて支えるためのものであり、使用時の位置にある部分洗い装置100の洗い部110に向き合う。
【0058】
洗濯物検知手段301が反射型の光センサーにより構成されることは前述のとおりであるが、その光センサーの光軸に交差するトレイ181の部分は光透過材料で構成される。図示の例では受台部184の洗濯物検知手段301に向かい合う箇所に透明合成樹脂ディスクからなる透過部303がはめ込まれている。
【0059】
受台部184の両側においては、トレイ181の底面は後方ほど低くなるよう傾斜している。そして受台部184の両側の最も低くなった箇所に各々排水口185を形設する。本体2Aの内部には、図1に示すように、排水口185から排水される水を受ける樋186を設置する。樋186自身も排水口187を有し、受けた水を水槽20と洗濯槽30の間に落下させるようになっている。
【0060】
後蓋16bとトレイ181の間には着脱自在な連結手段190を設ける。その仕組を図15により説明する。まず、後蓋16bの下面(後蓋16bを立てたとき、正面を向く面)に軸191によりフック192をヒンジ結合する。フック192は垂直面内で回動可能であり、図示しないねじりコイルバネにより、図15に示す位置まで付勢されている。他方トレイ181の自由端にはフック192に係合する突起193を形設する。フック192の突起193に対する係合面と突起193のフック192に対する係合面は斜面になっており、係合を外すのに適度の力を要し、また適度の力が加われば係合が外れるようになっている。
【0061】
上面板11には蓋16を閉状態に鎖錠する鎖錠手段200を設ける。鎖錠手段200の構造は図15中に付加した部分拡大図に示されている。鎖錠手段200を構成するのはソレノイド201で、ソレノイド201を配置するため、上面板11の洗濯物投入口15の前縁にあたる箇所にポケット部202を形設する。ポケット部202は上方に隆起し、下方に向かっては開口した形になっている。前蓋16aにはポケット部202の前面に重なり合う垂下片203を形設する。
【0062】
ポケット部202の中にソレノイド201を配置したうえで、そのプランジャ204をポケット部202の前面に突き出させる。そして垂下片203にはプランジャ204を係合させる穴205を形設する。蓋16が閉じた状態で、制御部80によりソレノイド201が励磁せしめられ、プランジャ204が突き出して穴205に係合すると、蓋16を開くことはできなくなる。ソレノイド201の励磁が解かれ、プランジャ204が引き込み位置に変位して穴205から外れれば、蓋16を開けることが可能になる。なお上面板11には前蓋16aの前縁に指をかけやすくするための凹部11aが形設されている。
【0063】
上面板11にはまた、蓋16の開閉状態を検知する蓋開閉状態検知手段210を設ける。図14に蓋開閉状態検知手段210の構成を示す。後蓋16bの回動中心に近い位置に配置したスイッチ211と、後蓋16bから突出したアーム212が蓋開閉状態検知手段210を構成する。蓋16が閉じるとアーム212がスイッチ211のアクチュエータ213に接触してこれを動かす。これによりスイッチ211が信号を発し、その信号が制御部80に伝えられる。蓋16が開くとアーム212がアクチュエータ213から離れてスイッチ211の状態が切り替わり、制御部80に異なる信号が伝わる。
【0064】
スイッチ211もアーム212も上面板11の下に配置する。アーム212とアクチュエータ213との関わりを逆にし、蓋16が開くとアーム212がアクチュエータ213に接触し、蓋16が閉じるとアーム212がアクチュエータ213から離れるようにしてもよい。
【0065】
上面板11の手前側上面は操作パネル部90となっている(図2参照)。操作パネル部90には、運転ボタンや洗濯コース選択ボタンといった、本体2Aの動作を司る各種操作ボタンの他、本体2Aの動作状態を示す表示手段を配置する。表示手段は液晶表示パネルやLEDランプにより構成される。
【0066】
次に部分洗い装置付洗濯機1Aの作用を説明する。
【0067】
部分洗い装置100を収納時の位置に置き、蓋16を開く。洗濯物を洗濯物投入口15から洗濯槽30の中へ投入し、蓋16を閉じ、操作パネル部90の操作ボタンを操作して洗濯コースを選ぶと、部分洗い装置付洗濯機1Aの自動運転が開始される。まず洗濯物の量についての判定が行われ、続いて洗濯槽30への給水が行われる。このとき排水弁66は閉じている。水位スイッチ55は洗濯槽30内の水位を監視する。洗濯物の量に見合った量の水が洗濯槽30に注ぎ込まれたことを水位スイッチ55が検知した時点で給水弁50は閉じられる。この時洗濯槽30内の水は、洗濯槽30に注がれる前に洗剤が混入することにより、洗剤を溶解した洗濯液となっている。
【0068】
続いて洗濯工程が開始される。すなわちパルセータ33が所定の運転パターンに従って正逆回転し、洗濯液を攪拌して洗濯物の洗浄を行う。このとき、洗濯槽30には次のいずれかのモードの回転を与える。
【0069】
第1モードでは洗濯槽30とパルセータ33とを互いに逆方向に回転させる。これにより、洗濯物に捻り作用が加わり、洗浄効率が向上する。洗濯槽30の回転数とパルセータ33の回転数とは同じでも異なってもよい。
【0070】
第2モードでは洗濯槽30とパルセータ33とを互いに同方向に回転させる。ある時間が経過すると洗濯槽30もパルセータ33も回転方向を切り替えるのであるが、この回転方向の逆転までの休止時間を長くする。このモードでは洗濯水も衣類も同方向に回転するので、捻れや引っ張りの力が加わることを避けたい、柔らかい洗濯物を洗うのに適する。
【0071】
第3モードでは洗濯槽30とパルセータ33とを互いに同方向に回転させるのであるが、回転方向の逆転を短いサイクルで行う。このモードでは回転方向が逆転する瞬間の衝撃力が洗濯物に捻り作用を与えるので、厚手の衣料や汚れのひどい衣料を洗うのに適する。
【0072】
第4モードでは洗濯槽30には駆動力を加えずフリーとし、パルセータ33にのみ駆動力を加える。パルセータ33の回転により洗濯水と洗濯物に動きが生じると洗濯槽30がこれに追随して回転する。パルセータ33の回転方向が逆転しても洗濯槽30はしばらくは惰性で従前の方向に回転する。このように洗濯槽30とパルセータ33とが互いに逆方向に回転している間は洗濯物に捻れ作用が加わり、強力洗浄となる。洗濯槽30がパルセータ33に追従する方向に回転を始めれば洗濯物にとってやさしい洗浄となる。
【0073】
所定時間経過後、モータ41が停止してパルセータ33が回転を止め、排水弁66が開く。洗濯槽30の中の洗濯液は排水空間64を通じて排水される。所定時間が経過し、洗濯物から大部分の洗濯液が抜けたところでクラッチ機構42が切り替わり、モータ41が今度は脱水軸44を回転させる。これにより洗濯槽30が高速で脱水回転を行う。この時パルセータ33も洗濯槽30とともに回転する。
【0074】
洗濯槽30が高速で回転すると、洗濯物は遠心力で洗濯槽30の内周壁に押しつけられる。洗濯物に含まれていた洗濯液も洗濯槽30の周壁内面に集まってくるが、前述の通り、洗濯槽30はテーパ状に上方に広がっているので、遠心力を受けた洗濯液は洗濯槽30の内面を上昇する。洗濯液は洗濯槽30の上端にたどりついたところで水放出口31から放出される。水放出口31を離れた洗濯液は水槽20の内面にたたきつけられ、水槽20の内面を伝って水槽20の底部に流れ落ちる。そして分岐管60aと、それに続く排水ホース60を通って本体2Aの外に排出される。
【0075】
洗濯物を十分脱水した後、排水弁66を閉じ、給水ノズルから今度はすすぎ水を注水する。所定量のすすぎ水が洗濯槽30にたまったらパルセータ33を回転させてすすぎ水と洗濯物を揺り動かし、洗濯物に残留していた汚れ成分や洗剤成分をすすぎ水の中に溶かし出す。所定時間経過後、パルセータ33を停止させるとともに排水弁66を開き、すすぎ水を排水する。それから、洗濯槽30を脱水回転させ、洗濯物からすすぎ水を振り切る。このようなすすぎと脱水の動作を所定回数繰り返し、最後の脱水が終了した時点で洗濯の全工程を終了する。蓋16を開けるとブレーキ機構43が働き、洗濯槽30は、もしその時点で慣性回転を続けていたとしても、強制的に停止させられる。
【0076】
上記説明では洗濯槽30の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を行うものとしたが、洗濯槽30を低速回転させながら給水ノズルより水を注ぐ「シャワー注水」を行うこともある。どちらを採用するか、あるいは両方とも採用するかは洗濯コースと洗濯物の量により決定される。
【0077】
洗濯はしたものの部分的に汚れが残っている場合、あるいは通常の洗濯では手に負えない汚れを事前に発見した場合には、部分洗い装置100を使う。部分洗い装置100は、収納時の位置にあるときは使うことができない。これは、部分洗い装置100が収納時の位置にある旨の信号が位置検知手段170より制御回路部138へ、あるいは制御回路部138を司る制御部80へと伝達され、部分洗い装置100は運転禁止の状態になっているからである。そこでまずロック手段160を解除して部分洗い装置100を水平面内で90゜回動させ、使用時の位置へと変位させる必要がある。
【0078】
部分洗い装置100の回動は蓋16を閉ざしておいて行う。これは、蓋16が開いていると、部分洗い装置100を収納時の位置から回動させようとしたとき、部分洗い装置100の先端が蓋16の付け根(後蓋16bの付け根)に当たるためである。閉鎖状態の蓋16の上を部分洗い装置100が回動し、使用時の角度に達すると、ロック手段160が再び係合して部分洗い装置100をその位置に固定する。位置検知手段170は部分洗い装置100が使用時の位置に達したことを検知し、制御回路部138と制御部80に信号を送る。
【0079】
部分洗い装置100が使用時の位置に達したところで操作パネル125の電源ボタン126を押すと、制御回路部138がトレイ検知手段131を動作させる。トレイ検知手段131はトレイ181が破損したり脱落したりすることなく使用に耐える状態で部分洗い装置100の下に存在するかどうかを検知する。この時運転状況表示手段128が点滅し、検知中であることを表示する。
【0080】
トレイ181を検知する動作は、電源ボタン126が押されてから所定の短時間(例えば0.5〜1秒)の間に行うものとする。時間を限ったのは、トレイ181が破損していたり脱落していたりすると指が振動ホーン114に接触する可能性があるので、振動ホーン114を振動させないということを早く決定する必要があるからである。
【0081】
トレイ181が破損したり脱落していたりしてトレイ検知手段131がトレイ181の存在を検知できなかったときは、運転状況表示手段128が点滅したり、あるいは異なる色で点灯したりして使用者に異常を報知する。運転開始ボタン127は操作を受け付けなくなり、部分洗い装置100は運転不能となる。そのまま所定時間が経過すると部分洗い装置100は電源OFFになる。
【0082】
トレイ181が使用に耐える状態で存在することが判明したら、制御回路部138は超音波発信回路を動作可能な状態に置く。運転状況表示手段128は点滅から連続点灯へと変わり、運転開始ボタン127の操作を受け付け可能な状態になったことを報知する。
【0083】
運転状況表示手段128が連続点灯したら蓋16を開く。蓋16が持ち上がると連結手段190に引かれてトレイ181も持ち上がる。持ち上がったトレイ181は部分洗い装置100に当たる。部分洗い装置100は垂直面内での回動以外の変位様式をもって、この場合には水平面内での回動をもって、変位を行うものであり、トレイ181で部分洗い装置100を持ち上げることはできない。そのためトレイ181が部分洗い装置100に当たるとトレイ181が蓋16に追随することが阻止され、連結手段190が外れて、蓋16は回動を続けるものの、トレイ181は部分洗い装置100の下に残ることになる。
【0084】
後に残ったトレイ181は、突起183が洗濯物投入口15の縁に係合することにより、受台部184と部分洗い装置100の洗い部110との間に隙間を空けた状態で保持される。この隙間は前述したように5〜13mmといった幅であり、洗濯物は入るが成人の指は容易には入らない。従って、超音波振動している振動ホーン114に成人の指が触れる危険性は小さい。
【0085】
蓋16を完全に開いたところでこれを二つ折りにする。このようにしても、前述の通り、前蓋16aが部分洗い装置100に接触することはない。図1のように本体2Aの上に障害物が迫っているような状況であれば、二つ折りへの形態変換を進めつつ蓋16を開く。
【0086】
鎖錠手段200は、本来は洗濯工程や脱水工程で洗濯槽30、パルセータ33、洗濯物等に手等が触れるのを防ぐために蓋16を閉状態にロックするものであるが、次のようにも用いることができる。すなわち、部分洗い装置100が収納時の位置か使用時の位置にあれば、蓋16は部分洗い装置100に干渉することなく開閉を行うことができる。しかしながら部分洗い装置100がそれ以外の角度位置にあると、角度によっては蓋16と部分洗い装置100が干渉することがある。
【0087】
そこで、位置検知手段170は部分洗い装置100が収納時の位置にあることも使用時の位置にあることも両方とも検知するものとする。これは、アクチュエータ作動突起173をもう1個増やすことにより簡単に実現できる。そして部分洗い装置100が収納時の位置と使用時の位置の中間にあり、位置検知手段170が信号を発しないときは、蓋16を開けると干渉の危険があるものと判断し、蓋16を鎖錠手段200でロックする。部分洗い装置100が収納時の位置又は使用時の位置に変位し、位置検知手段170が信号を発したら、鎖錠手段200によるロックを解除する。
【0088】
部分洗い装置100を使用時の位置に置いて蓋16を開いたのは、もし蓋16が閉じたままだと、部分洗い装置100に注がれる洗浄液が蓋16の上面、ひいては床面を濡らす可能性があるためである。
【0089】
このように部分洗い装置100を使用する準備を整えてからトレイ181に洗濯物を載せ、操作パネル125の運転開始ボタン127のいずれかを押すと、押されたボタンが連続点灯して選択されたことを報知するとともに、部分洗い装置100の運転が開始される。たとえば「強」のボタンを押せばこのボタンが連続点灯し、「強」運転が始まる。
【0090】
運転開始ボタン127のどれかが選択されると同時に給水弁50の弁部50bが開き、洗浄液チューブ132に所定水量の水、例えば50〜300cc/分の水が供給される。水は注水部132aから振動ホーン114の両側に注がれ、スリット123及び洗浄液滴下孔124からトレイ181の上に滴り落ちる。
【0091】
洗浄液の滴下が開始されるとともに超音波振動デバイス111が超音波振動を始める。この状態になったら振動ホーン114と受台部184との隙間に洗濯物をゆっくりと通す。洗濯物には超音波が集中し、汚れ成分が剥離する。剥離した汚れ成分は水とともに排水口185から流出し、樋186に受けられ、樋186の排水口187を通って水槽20と洗濯槽30の間の隙間に落下し、排水ホース60より本体2Aの外に排出される。
【0092】
部分洗い装置100の運転中、運転状況表示手段128が連続点灯し、超音波が発生していることを使用者に報知する。また運転中に運転開始ボタン127を操作して超音波洗浄の強さを切り替えることができる。
【0093】
部分洗い装置100の運転開始後、トレイ検知手段131は検知動作を再開する。この再検知は洗濯物の重量や使用者の手の圧力が加わったことによりトレイ181が破損しなかったかどうかをチェックするために行う。所定時間(例えば1〜10分)の間異常を検知しなかったらそれ以上チェックの必要なしということでトレイ検知手段131の電源を自動的に切るようにしておくとよい。
【0094】
同じく部分洗い装置100の運転開始後、洗濯物検知手段301が検知動作を行う。洗濯物検知手段301は透明体を検知せず、不透明体を検知する設定になっている。受台部184に洗濯物が載っていれば洗濯物検知手段301の発した光は洗濯物で反射されて洗濯物検知手段301に戻る。これをもって「洗濯物が存在する」と判定が下され、部分洗い装置100の運転が続行する。
【0095】
受台部184に洗濯物がまだ載置されていないか、一旦は載置されたもののその後受台部184から外れたようなときは洗濯物検知手段301の発した光は洗濯物によって反射されずにそのまま透過部303を通過し、洗濯物検知手段301に戻ってこない。このときは「洗濯物が存在しない」との判定が下され、部分洗い装置100は運転を停止する。これにより、振動ホーン114のヘッド部116が洗濯物にカバーされないまま振動を続け、幼児等の細い指がこれに触れるといった危険を回避できる。
【0096】
洗濯物の有無の判定は、洗濯物検知手段301の発射した光が透過部303を通過するか、あるいは洗濯物で遮られるかの2者択一で行われるので、不安定要素がなく、部分洗い装置100を誤作動させることがない。
【0097】
洗濯物検知手段301の検知信号に所定時間継続して変化がなかったときは部分洗い装置100の運転を停止し、電源OFFにする。これは次の理由に基づく。すなわち実際に部分洗いが行われていれば洗濯物が移動するので検知信号に変化が生じる。変化がないということは、洗濯物をセットしたまま放置しているか、あるいは何らかの故障で信号が一定化しているかであり、安全を確保するため運転を停止する。
【0098】
このように、部分洗い装置100の運転開始前にトレイ検知手段131が作動してトレイ181の有無を調べ、トレイ181が存在するという検知情報をもって運転開始ボタン127の操作の受け付け態勢が整い、運転開始ボタン127を操作して部分洗い装置100の運転が開始された後は洗濯物検知手段301が作動して洗濯物の有無を調べ、洗濯物が存在するかどうかという検知情報をもって部分洗い装置100の作動が制御されるといった具合に、工程順に検知を行い、その検知情報に基づき次工程に移るよう制御されるので、トレイ181が破損又は脱落しているにも関わらず部分洗い装置100が運転されるといった危険を排除し、安全性の高い部分洗い装置付洗濯機1Aを提供できる。
【0099】
十分に汚れが落ちたことが確認できたら電源ボタン126を押して部分洗い装置100を電源OFFにする。その後洗濯物を洗濯槽30に投入し、改めて洗濯を開始するか、あるいは洗濯を省いてすすぎと脱水を行う。安全と節電のため、部分洗い装置100は運転開始から所定時間(例えば3〜10分)経過後自動的に電源OFFになるようにしておくとよい。
【0100】
洗濯やすすぎを行うためには蓋16を閉じる必要がある。蓋16を閉じるのは、部分洗い装置100を使用時の位置にそのまま残して行うか、部分洗い装置100を収納時の位置に戻して行う。部分洗い装置100が使用時の位置と収納時の位置の中間にあるときは、部分洗い装置100と蓋16が干渉する可能性があるので蓋16の開閉は行わない。
【0101】
蓋16を閉じると連結手段190が連結状態に入り、以後トレイ181は蓋16と一体になって開閉する。
【0102】
上記第1実施形態の部分洗い装置付洗濯機1Aは、部分構成を以下に述べるように変更することが可能である。
【0103】
まず部分洗い装置100のロック手段である。これは図16のように構成することができる。図16に示すロック手段160aは手動部分を有さず、ソレノイド166のプランジャ167で部分洗い装置100をロックする構成となっている。プランジャ167は軸受部104に設けた穴168を通じて支軸部142の穴169に係合する。図8に示した穴163、164と同様、穴169も90゜の角度間隔を置いて2個設けられている。いずれかの穴169にプランジャ167が係合することにより、部分洗い装置100は収納時の位置又は使用時の位置に固定される。ソレノイド166の励磁状態が変わり、プランジャ167が穴169から抜ければ、部分洗い装置100の回動が可能になる。
【0104】
手動式のロック手段160とソレノイド式のロック手段160aはどちらか一方だけを使用することとしてももよく、両方を併用するものとしてもよい。また手動式ロック手段160はベース140の中に設けられ、ソレノイド式ロック手段160aは部分洗い装置100の中に設けられるものとして説明したが、この位置関係は取り替えることができる。
【0105】
後蓋16bとトレイ181の間の連結手段を図17のようにすることもできる。図17に示す連結手段190aは、対をなす吸着手段194a、194bを後蓋16bとトレイ181とに振り分けて装着することにより構成される。吸着手段194a、194bは一方が磁石、他方が鉄等の磁性体からなる。あるいは、両方とも磁石としてもよい。吸着手段194a、194bの吸着力は、トレイ181が後蓋16bに追随して持ち上がる程度に、且つトレイ181が部分洗い装置100に当たれば吸着が切り離される程度に設定しておく。
【0106】
連結手段をソレノイド式にすることもできる。つまり鎖錠手段200に用いたのと同様のソレノイドを後蓋16bかトレイ181かどちらかに装着し、他方にはソレノイドのプランジャが係合する穴を設けるのである。このソレノイドを制御部80が次のように制御する。すなわち部分洗い装置100が収納時の位置にあることを位置検知手段170が検知している間は、ソレノイドは後蓋16bとトレイ181を連結状態に置く。部分洗い装置100が使用時の位置に変位したことを位置検知手段170が検知したら、ソレノイドは後蓋16bとトレイ181の連結を切り離し、トレイ181を洗濯物投入口15の縁に残す。部分洗い作業を終え、部分洗い装置100が収納時の位置に復帰した後、蓋16が閉じられると、蓋開閉状態検知手段210からの信号を受けて制御部80がソレノイドの励磁状態を切り替え、後蓋16bとトレイ181を再び連結する。
【0107】
トレイ181を後蓋16bにではなく上面板11に支持させる構成とすることもできる。上面板11に軸受部を形設し、この軸受部にトレイ181の軸182を係合させることになるが、この場合もやはり、軸18と軸182の軸線を一致させておくのが、動きに無理がなくてよい。
【0108】
トレイ181が破損したり脱落していたりした場合、運転状況表示手段128による警告表示に代え、あるいは運転状況表示手段128の警告表示とともに、音声による警告を行うようにしてもよい。
【0109】
トレイ181に設ける透過部303は無色透明である必要はなく、着色透明体であってもよい。要は洗濯物検知手段301が透明体であると認識しさえすればよい。また、トレイ181の一部だけを透過部303とするのでなく、トレイ181全体を光透過材料で成型してもよい。あるいは、光透過材料に代え、光を吸収し反射を生じない材料を使用することも可能である。
【0110】
トレイ181の洗濯物検知手段301の光軸に交差する部分を貫通穴としてもよい。この構成では光透過材料のように汚れが蓄積して光透過率が低下し、認識エラーを生じることを懸念せずに済む。この貫通穴は洗浄液の水抜き穴としても機能するので、トレイ181から水があふれるといった事態は一層起こりにくくなる。
【0111】
洗浄液として単なる水が注水部132aから注がれることとなっているが、水に洗剤等の添加剤を加え、洗浄効果の向上を図ることも可能である。これは、洗浄液チューブ132の途中に添加剤混入部を設けたり、あるいは別途設けた洗浄液タンクに洗浄液チューブ132を接続したりすることによって実現できる。
【0112】
またこれまで、部分洗い装置100の回動は蓋16を閉ざしておいて行うと説明してきた。これは、蓋16が開いていると、部分洗い装置100を収納時の位置から使用時の位置へ、あるいはその逆へと回動させようとしたとき、部分洗い装置100の先端が蓋16の付け根(後蓋16bの付け根)に当たるためであった。しかしながら、ゲート開口180の幅、部分洗い装置100の長さ(旋回半径)、部分洗い装置100の回動中心の位置といった寸法ファクターを調整して、蓋16が開いていても蓋16との干渉を生じることなく部分洗い装置100を回動させられるようにすることも可能である。
【0113】
さらに、部分洗い装置100を固定式とする構成も可能である。すなわち、洗い部110を本体2Aの外側から洗濯物投入口15に臨ませた形のまま、部分洗い装置100を固定するのである。このようにすれば、部分洗い装置100が可動式であることに伴って設けていた構成要素、例えば部品洗い装置100の位置検出手段170であるとか、後蓋16bとトレイ181の間の連結手段190を廃止することができる。
【0114】
この構成の場合、トレイ検知手段131は部分洗い装置100の電源ボタン126が押されることにより検知を開始する。所定の短時間の間に検知動作を終えることは可動式の部分洗い装置100の場合と同様である。トレイ181の存在が検知されれば部分洗い装置100はそのまま運転を開始する。トレイ181の存在が検知されなければ部分洗い装置100は運転不能となり、運転状況報知手段128が点滅したり異なる色で点灯したりして使用者に異常を報知する。
【0115】
図18に本発明部分洗い装置付洗濯機の第2実施形態を示す。なおこの実施形態を含む以下の実施形態において、第1の実施形態に現れたものと共通の構成要素ないし同等の機能を有する構成要素には第1の実施形態の説明で使用したのと同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0116】
第1実施形態では洗濯物検知手段301の真下にトレイ181の受台部184が存在したが、第2実施形態では受台部184が後退しており、受台部184以外の箇所が洗濯物検知手段301に対面している。洗濯物検知手段301は、受台部184の頂面との間にH1のレベル差を有し、受台部184以外の箇所との間にH2のレベル差を有する。そして洗濯物検知手段301は、H2未満の距離にある物体を検知する設定となっている。従って、受台部184に洗濯物が掛けられるとH2未満の距離に洗濯物が存在することになり、洗濯物はその存在を検知される。
【0117】
図19に本発明部分洗い装置付洗濯機の第3実施形態を示す。ここでは光センサーに代え、機械的なスイッチ311で洗濯物検知手段301aを構成している。スイッチ311のアクチュエータ312の先端はスイッチ311と受台部184の頂面とのレベル差H1を越えて受台部184の頂面より低い位置まで突き出している。受台部184の上に洗濯物が載ると、洗濯物によってアクチュエータ312が押し上げられ、スイッチ311の開閉状態が逆転する。これにより、洗濯物はその存在を検知される。
【0118】
この第3実施形態の場合、トレイ検知手段131は光センサーのままであり、トレイ検知手段131と洗濯物検知手段301aとで検知方式が異なることになる。このように検知方式が異なることにより、一方の検知方式に故障が生じても他の検知方式は無事といったケースが生じる。例えば制御回路部138の中の光信号処理部が故障し、トレイ検知手段131による安全確保ができなくなっても、少なくとも洗濯物検知手段301aによる安全確保はできる。
【0119】
図20に本発明部分洗い装置付洗濯機の第4実施形態を示す。この実施形態では部分洗い装置100に反射型光センサーにより構成される単一の検知手段321を設け、この検知手段321をトレイ検知手段と洗濯物検知手段に兼用する。第2実施形態と同様、ここでも受台部184が後退しており、受台部184以外の箇所が検知手段321に対面している。検知手段321と受台部184の頂面との間にはH1のレベル差があり、受台部184以外の箇所との間にはH2のレベル差がある。
【0120】
検知手段321は、トレイ検知手段としての役割と洗濯物検知手段としての役割をタイムシェアリングにより使い分けるものである。まず、部分洗い装置100の運転開始前には検知手段321はトレイ検知手段として機能する。すなわちH2を含む距離レンジの物体を検知するモードになるので、H2の位置にトレイ181が存在すれば、トレイ181はその存在を検知される。
【0121】
部分洗い装置100の運転開始後は検知手段321は洗濯物検知手段として機能する。すなわちH1未満の距離レンジの物体を検知するモードとなり、受台部184に洗濯物が掛けられていれば、洗濯物の存在が検知される。
【0122】
洗濯物の存在が検知され、部分洗い装置100が連続運転を始めた後、検知手段321は所定時間毎にトレイ検知手段又は洗濯物検知手段として作動する。トレイ181の破損又は脱落、あるいは洗濯物の不存在が確認されたらその時点で部分洗い装置100の運転を停止し、警告表示を行い、所定時間後電源OFFとする。
【0123】
検知手段321は、トレイ検知手段として使用するときと洗濯物検知手段として使用するときとで検知方式が異なる。すなわちトレイ検知手段として使用するときと洗濯物検知手段として使用するときとでは時間差と検知距離の差がある。このように検知方式が異なることにより、一方の検知方式に故障が生じても他の検知方式は無事といったケースが生じる。例えば運転開始前にトレイ検知手段として機能させ、トレイ181の存在を確認したとする。続いて運転開始後に洗濯物検知手段として機能させようとしたときに制御回路部138の中の光信号処理部が故障し、洗濯物検知手段による安全確保ができなくなったとしても、少なくともトレイの存在確認による安全確保はできる。
【0124】
図21に本発明部分洗い装置付洗濯機の第5実施形態を示す。これは、単一の検知手段321をトレイ検知手段と洗濯物検知手段に使い分ける点は第4実施形態と同じであるが、検知手段321の光軸と交差するトレイ181の部分を光透過材料からなる透過部322で構成した点が異なる。検知手段321はトレイ検知手段として機能するときは透過部322を検知し、洗濯物検知手段として機能するときは透過部322を検知せず、不透明物体を検知する。なおトレイ181の全体を光透過材料で形成してもよい。
【0125】
上記構成により、部分洗い装置100の運転開始前は検知手段321が透過部322を検知して「トレイあり」との判定を下す。部分洗い装置100の運転開始後は、透過部322を洗濯物が遮っているか、いないかにより「洗濯物あり」「洗濯物なし」の判定を下す。第4実施形態の場合、トレイ検知手段としての役割と洗濯物検知手段としての役割を使い分けるためにはH1とH2との間にある程度のレベル差が必要であったが、この第5実施形態の場合、その判定基準は検知手段321から発射された光が透過するか、遮られるかであって、H1とH2のレベル差が小さくても確実に判定できる。
【0126】
図22に本発明部分洗い装置付洗濯機の第6実施形態を示す。これも第4、第5実施形態と同じく、単一の検知手段をトレイ検知手段と洗濯物検知手段に使い分けるものであるが、光センサーに代え、機械的なスイッチ341で洗濯物検知手段321aを構成している。スイッチ341はアクチュエータ342の他、内部に接点343a、343b、343cを備えている。また受台部184の頂面の一部に凹部184aを形設し、その中にアクチュエータ342の先端を落ち込ませている。スイッチ341と凹部184aの底面とのレベル差はH3で、これは受台部184の頂面とのレベル差H1より大きく、受台部184以外の箇所とのレベル差H2より小さい。
【0127】
アクチュエータ342は、受台部184に洗濯物が載っていないときはその先端が凹部184aの底面に接触し、図中実線342aで示す角度をとる。このときは接点343aと343bが閉成する。受台部184に洗濯物が載るとアクチュエータ342は破線342bで示す角度まで持ち上げられ、接点343a、343b、343cの全てが閉成する。トレイ181が破損又は脱落するとアクチュエータ342は破線342cで示す角度に落ち込み、接点343a、343b、343cの全てが開成する。このような接点の開閉により信号を得て、トレイの存否や洗濯物の存否のチェックを行うことができる。光センサーであればH1とH3との間にある程度のレベル差がないと異なる信号を得ることができないが、このような機械式スイッチの場合、H1とH3との差が小さくても確実に識別可能である。
【0128】
図23に本発明部分洗い装置付洗濯機の第7実施形態を示す。この実施形態では超音波振動デバイス111の振動ホーン114に超音波の振動変化を検知する振動検知手段351を設け、この振動検知手段351の検知情報に基づき超音波振動デバイス111を制御することを特徴とする。すなわち振動ホーン114のヘッド部116に洗濯物が接触するとヘッド部116の振動、振幅が減少する。部分洗い装置100の運転開始後、ヘッド部116の振動、振幅の変化を検知して洗濯物の有無を検知し、「洗濯物が存在しない」となったら部分洗い装置100の運転を停止し、一定時間経過後電源を遮断する。
【0129】
運転開始ボタン127を押した後、所定時間の間振動ホーン114の振動、振幅に変化がないときは、部分洗い装置100の運転を開始したものの部分洗いをまだ始められないでいるか、一旦始めた部分洗いを中断することになったか、部分洗いが終わったか等の事情があるものと判断し、超音波振動デバイス111による超音波の発振を停止する。そして運転開始ボタン127から所定時間の間新たに信号の入力がなければ、部分洗い装置100の電源を遮断する。
【0130】
なお、洗濯物の剛性、あるいは腰の強さが増すほど振動、振幅の減少の度合いは大きくなる。そこで、洗濯物をヘッド部116に接触させたときの振動検知手段351の検知情報に基づいて制御回路部138を制御し、発振される超音波を変化させ、洗濯物に常に安定した超音波を与えるようにする。
【0131】
第7実施形態は第4実施形態に振動検知手段351を組み合わせたものであるが、この場合検知手段321はトレイ検知手段としてのみ用い、洗濯物検知手段の役割は振動検知手段351が専ら担うようにすることができる。しかしながら、検知手段321が洗濯物検知手段としての役割を果たすことを排除するものではない。検知手段321と振動検知手段351の両方で洗濯物の検知を行い、検知の信頼性を高めるようにしてもよい。
【0132】
振動検知手段351の組み合わせ相手は第4実施形態に限定される訳ではない。第1、第2、第3、第5、第6のいずれの実施形態にも振動検知手段351を組み合わせることができる。
【0133】
以上、本発明の各種実施形態につき説明したが、これまでに示してきたものは発明の構成の例示であり、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で更に種々の変更を加えて実施することができる。
【0134】
【発明の効果】
本発明は以下に掲げるような効果を奏するものである。
【0135】
本発明では、洗濯槽を収容した本体に部分洗い装置を装着し、この部分洗い装置に洗濯物を受けるトレイを組み合わせるとともに、このトレイ上の洗濯物の存在を検知する洗濯物検知手段を設け、この洗濯物検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御する部分洗い装置付洗濯機において、トレイには部分洗い装置の洗い部に向き合う箇所に他の箇所より一段と隆起した形で洗濯物の受台部を設け、洗濯物検知手段はこの受台部の頂面を外れた位置で洗濯物の検知を行うこととしたから、トレイ上に洗濯物が存在しないときは部分洗い装置が駆動されないよう部分洗い装置を制御し、洗濯物によってカバーされることなくむき出しとなった洗浄用回転体や超音波振動ホーンに手が触れる危険を回避することが可能となり、無駄な電力使用もなく、安全で節約型の部分洗い装置付洗濯機を提供できる。また洗濯物があるときとないときとの検知位置の高低差をもって洗濯物の有無を判定でき、判定が容易になる。
【0136】
また本発明では、トレイの存在を検知するトレイ検知手段を設け、トレイ検知手段と洗濯物検知手段それぞれの検知情報に基づき部分洗い装置を制御することとしたから、トレイが破損したり脱落した状態ではたとえ洗濯物が存在したとしても部分洗い装置が駆動されないようにすることができ、洗濯物を隔てて洗浄用回転体や超音波振動ホーンに手が触れる危険を回避することができる。
【0138】
また本発明では、洗濯物検知手段を光センサーで構成したから、光が洗濯物で遮られるかを洗濯物の有無判定基準とすることができ、判定基準が明確で、洗濯物の検知に関して不安定要素がなく、部分洗い装置を誤作動させることがない。
【0149】
また本発明では、部分洗い装置を超音波式とし、この部分洗い装置には超音波の振動変化を検知する振動検知手段を設け、この振動検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御することとしたから、洗濯物やトレイで防護されていない超音波振動ホーンに手が触れる危険を超音波の状態観察からも回避することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第1実施形態を示す垂直断面図
【図2】 第1実施形態の部分洗い装置付洗濯機の部分斜視図
【図3】 図2と同様の部分斜視図にして、部分洗い装置を異なる位置に置いた状態を示すもの
【図4】 図2と同様の部分斜視図にして、蓋を開いた状態を示すもの
【図5】 図3と同様の部分斜視図にして、蓋を開いた状態を示すもの
【図6】 部分洗い装置及びそのベースの垂直断面図
【図7】 部分洗い装置及びそのベースからなるユニットを本体に装着する状況を示す部分斜視図
【図8】 部分洗い装置の回動中心部の水平断面図
【図9】 部分洗い装置の洗い部の垂直断面図
【図10】 振動ホーン及びホーンカバーの斜視図
【図11】 振動ホーンの側面図
【図12】 振動ホーンの正面図
【図13】 部分洗い装置の操作パネル上の要素配置図
【図14】 蓋及びトレイの配置及び取付構造を示す上面図
【図15】 蓋とトレイの間の連結手段と、蓋の鎖錠手段を示す垂直断面図
【図16】 図6と同様の垂直断面図にして、異なる構成の部分洗い装置ロック手段を示すもの
【図17】 異なる構成の連結手段を蓋とトレイの間に設けた状況を示す垂直断面図
【図18】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第2実施形態を示す部分垂直断面図
【図19】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第3実施形態を示す部分垂直断面図
【図20】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第4実施形態を示す部分垂直断面図
【図21】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第5実施形態を示す部分垂直断面図
【図22】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第6実施形態を示す部分垂直断面図
【図23】 本発明部分洗い装置付洗濯機の第7実施形態を示す部分垂直断面図
【符号の説明】
1A 部分洗い装置付洗濯機
2A 部分洗い装置付洗濯機の本体
10 外箱
11 上面板
12 バックパネル
12a 穴
13 ベース
14 脚部
15 洗濯物投入口
16 蓋
16a 前蓋
16b 後蓋
17 軸
18 軸
20 水槽
21 サスペンション機構
30 洗濯槽
31 水放出口
32 バランサ
33 パルセータ
40 駆動ユニット
41 モータ
42 クラッチ機構
43 ブレーキ機構
44 脱水軸
45 パルセータ軸
50 給水弁
50a、50b 弁部
51 接続管
53 エアートラップ
54 導圧パイプ
55 水位スイッチ
56 給水ジョイント
57 排水弁
60 排水ホース
60a、60b 分岐管
61 隔壁
62 シール部材
63 ディスク
64 排水空間
65 排水口
66 排水弁
80 制御部
90 操作パネル部
100 部分洗い装置
101 ケース
102、103 シェル
104 軸受部
105 ネジ通し凹部
106 ネジ
107 キャップ
108 開口部
110 洗い部
111 超音波振動デバイス
112 加振部
113 振動素子
114 振動ホーン
115 シャンク部
116 ヘッド部
116a クロームメッキ部
117 突起
118 緩衝部材
118a 溝
119 緩衝部材
120 ホーンカバー
121 フランジ部
122 弾性爪部
123 スリット
124 洗浄液滴下孔
125 操作パネル
126 電源ボタン
127 運転開始ボタン
128 運転状況表示手段
131 トレイ検出手段
132 洗浄液チューブ
132a 注水部
133、135 配線
136、137 スリット
138 制御回路部
139 配線
140 ベース
141 凹部
142 支軸部
143 ネジ
144 ロックピンガイド部
145 溝
150 ユニット
160 ロック手段
161 ロックピン
162 圧縮コイルバネ
163、164 穴
165 つまみ
160a ロック手段
166 ソレノイド
167 プランジャ
168 穴
169 穴
170 位置検知手段
171 スイッチ
172 アクチュエータ
173 アクチュエータ作動突起
180 ゲート開口
181 トレイ
182 軸
183 突起
184 受台部
185 排水口
186 樋
187 排水口
190 連結手段
191 軸
192 フック
193 突起
190a 連結手段
194a、194b 吸着手段
200 鎖錠手段
201 ソレノイド
202 ポケット部
203 垂下片
204 プランジャ
205 穴
11a 凹部
210 蓋開閉状態検知手段
211 スイッチ
212 アーム
213 アクチュエータ
301 洗濯物検知手段
302 配線
303 透過部
301a 洗濯物検知手段
321 検知手段
322 透過部
321a 洗濯物検知手段
341 スイッチ
342 アクチュエータ
343a、343b、343c 接点
184a 凹部
351 振動検知手段

Claims (4)

  1. 洗濯槽を収容した本体に部分洗い装置を装着し、この部分洗い装置に洗濯物を受けるトレイを組み合わせるとともに、このトレイ上の洗濯物の存在を検知する洗濯物検知手段を設け、この洗濯物検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御する部分洗い装置付洗濯機において、
    トレイには部分洗い装置の洗い部に向き合う箇所に他の箇所より一段と隆起した形で洗濯物の受台部を設け、洗濯物検知手段はこの受台部の頂面を外れた位置で洗濯物の検知を行うことを特徴とする部分洗い装置付洗濯機。
  2. トレイの存在を検知するトレイ検知手段を設け、トレイ検知手段と洗濯物検知手段それぞれの検知情報に基づき部分洗い装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の部分洗い装置付洗濯機。
  3. 洗濯物検知手段を光センサーで構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の部分洗い装置付洗濯機。
  4. 部分洗い装置を超音波式とし、この部分洗い装置には超音波の振動変化を検知する振動検知手段を設け、この振動検知手段の検知情報に基づき部分洗い装置を制御することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の部分洗い装置付洗濯機。
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