JP3707555B2 - 電動ベッド、その制御方法及び制御装置 - Google Patents

電動ベッド、その制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、介護用ベッド等において、ベッドの背の部分を電動で起こすことができる電動ベッドに関し、特に、患者等の被介護者が横たわった状態で、被介護者がずれたり、圧迫感を感じたりすることなく、背の部分を起こすことができる電動ベッド、その制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会において、寝たきりの患者が増加しているが、医療上又は食事をとるために、又はテレビ鑑賞若しくは読書等のために、患者の上半身をベッド上で起こす必要がある。そこで、ベッドの背ボトム及び膝ボトムを電動で起こしたり、下げたりすることができる電動ベッドが開発されている。しかし、電動ベッドを背上げ、背下げをすることによって、患者の身体にずれが生じたり、力がかかる。その結果、筋肉と皮膚との間にずれを生じ、筋肉から皮膚に向かう細い血管が引き延ばされて血管の閉塞又は血行障害を起こしやすくなり、皮膚に障害が発生する。また、背上げ及び背下げにより、位置がずれた寝たきりの患者の身体を、介護者がもとの位置に戻すことは、患者が自力で動くことができないため、介護者にとって極めて大きな負担となる。
【0003】
また、寝たきりではないにしても、ベッドから車椅子に移る際に、ベッド上の患者の上半身を起こすことにより、ベッド上で座位の姿勢をとることが容易になり、そのまま車椅子に移りやすくなる。この場合も、患者の上半身を起こす際に、身体にずれが生じたり、力がかからないことが好ましい。
【0004】
そこで、背上げ及び膝上げが可能な電動ベッドにおいて、電動による背上げ動作と膝上げ動作のタイミングを変えたり、背ボトムと膝ボトムとの間の角度が必要以上に狭くならないようにして、より使い勝手がよいベッドとした背膝連動制御方法が開示されている(特許文献1:特開2001−37820号公報)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−37820号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に記載の従来技術は、背上げ及び膝上げの動作を独立に制御することができるものであるが、基本的には、背上げと、膝上げとの操作を個別に行うものである。即ち、操作者(介護者)により、背上げの開始及び停止の操作と、膝上げの開始及び停止の操作がなされる。このため、背上げにより患者がずれてしまわないように、膝ボトムを20〜30°上げた後、背ボトムを上げる操作をするが、この従来技術は、初期の目的は達成できたものの、このような操作を介護者がしても、それが介護者の主観的な操作である以上、必ずしも十分に背上げ時のずれを防止できるものではなかった。また、背上げ操作及び背下げ操作において、患者が圧迫感を感じることを確実に防止できるものではなかった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、背ボトムを起き上げるとき(背上げ操作)、及び背ボトムを寝かせる(背下げ操作)ときに、操作者である介護者の主観によらず、確実に、被介護者がベッド上でずれてしまうことを防止し、また、この操作に際し、被介護者に腹部及び胸部の圧迫感を与えることを防止することができ、被介護者及び介護者の負担を軽減することができる電動ベッド、その制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動ベッドは、背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部と、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βが予め設定されたパターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する制御部とを有し、この制御部は、(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを格納する記憶部と、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する演算部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電動ベッドの制御方法は、背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部とを有する電動ベッドの制御方法において、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βからなる(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを制御部に予め設定し、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を駆動することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明に係る電動ベッドの制御装置は、背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部と、を有する電動ベッドを制御する制御装置において、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βからなる(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを格納する記憶部と、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する演算部とを有することを特徴とする。
【0010】
前記電動ベッドにおいては、前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることが好ましい。
【0011】
また、例えば、前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作と前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作とのいずれかを選択して前記制御部の動作を開始させる開始信号を入力する操作ボックスを有し、前記演算部は、前記開始信号が背上げ操作の開始を指示するものである場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記開始信号が背下げ操作の開始を指示するものである場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力する。
【0012】
この場合に、前記操作ボックスは、前記背上げ操作の開始を指令する第1スイッチと、前記背下げ操作の開始を指令する第2スイッチと、を有し、前記演算部は、前記第1スイッチがオンになった場合に背上げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチがオフで前記第2スイッチがオンになった場合に背下げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの双方がオフの場合に停止要求を出力するように構成することができる。
【0013】
本発明の電動ベッドにおいては、前記背ボトムと前記膝ボトムとの間を湾曲可能に連結する背湾曲部を有し、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることが好ましい。
【0014】
また、前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動するように構成することができる。
【0015】
また、電動ベッドの制御方法は、前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることが好ましい。
【0016】
この電動ベッドの制御方法において、例えば、前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作の開始が指示された場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作の開始を指示された場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力する。
【0017】
本発明の電動ベッドの制御方法において、前記背ボトムと前記膝ボトムとの間が背湾曲部により湾曲可能に連結されており、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることが好ましい。
【0018】
更に、前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動することが好ましい。
【0019】
本発明の電動ベッドの制御装置においては、前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることが好ましい。
【0020】
また、前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作と前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作とのいずれかを選択して前記制御部の動作を開始させる開始信号を入力する操作ボックスを有し、前記演算部は、前記開始信号が背上げ操作の開始を指示するものである場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記開始信号が背下げ操作の開始を指示するものである場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力するように構成することができる。
【0021】
更に、前記操作ボックスは、前記背上げ操作の開始を指令する第1スイッチと、前記背下げ操作の開始を指令する第2スイッチと、を有し、前記演算部は、前記第1スイッチがオンになった場合に背上げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチがオフで前記第2スイッチがオンになった場合に背下げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの双方がオフの場合に停止要求を出力することが好ましい。
【0022】
本発明の電動ベッドの制御装置において、前記背ボトムと前記膝ボトムとの間が背湾曲部により湾曲可能に連結されており、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることが好ましい。
【0023】
また、前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について、具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動ベッドを示す斜視図、図2はこの電動ベッドの背ボトム、膝ボトム及び足ボトムと、それらの間の湾曲部とを示す平面図、図3は同じくその正面図、図4は背ボトムが水平の場合の背上げ装置を示す正面図、図5は背ボトムを上げた場合の背上げ装置を示す正面図、図6は膝ボトムが水平の場合の膝上げ装置を示す正面図、図7は膝ボトムを上げた場合の膝上げ装置を示す正面図、図8乃至図18は電動ベッドの動作を示す斜視図である。
【0025】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の電動ベッド1は、背ボトム2、背湾曲部3、腰ボトム4、膝ボトム5、膝湾曲部6及び足ボトム7がこの順に連結されている。背ボトム2と腰ボトム4とは、湾曲可能の背湾曲部3により連結されており、膝ボトム5と足ボトム7とは、同様に湾曲可能の膝湾曲部6により連結されている。腰ボトム4は固定されている。背ボトム2はその頭部側先端が持ち上がるように回動すると共に、水平に戻るように逆回動し、この背湾曲部3側を中心として揺動する。膝ボトム5はその膝湾曲部6側先端が持ち上がるように回動すると共に、水平に戻るように逆回動し、この腰ボトム4側を中心として揺動する。背湾曲部3及び膝湾曲部6は、多数の棒材を相互に平行にすだれ状に配置し、各棒材間の間隔を変動可能に各棒材を相互に連結したものであり、背湾曲部3及び膝湾曲部6の全体で棒材の連結方向に延び縮みすると共に、各棒材の連結方向に連続的に且つ滑らかに湾曲する。また、操作ボックス11には、背上げ操作又は背下げ操作を指示するためのスイッチの押しボタンが装着されている。更に、足ボトム7の下方には、電動ベッド1の動作を制御する制御装置を格納した制御ボックス12が設置されており、操作ボックス11からの指令信号が入力される。
【0026】
なお、電動ベッド1は、上述の背ボトム2等を支持するフレームが、アクチュエータ(いずれも図示せず)により上下動するようになっており、これにより、ベッドの高さを調節することができるようになっている。
【0027】
図2及び図3に示すように、これらの背ボトム2、背湾曲部3、腰ボトム4、膝ボトム5、膝湾曲部6及び足ボトム7の下方には、背ボトム2を上げるための背上げ装置20と、膝ボトム5を上げるための膝上げ装置40が設置されている。
【0028】
図4及び図5に示すように、背上げ装置20においては、ベッドの長手方向に延びる1対の平行な支持棒21が背ボトム2の下面に固定されて、この背ボトム2を支持している。また、同様にベッドの長手方向に延びる1対の平行な第1リンク23が固定支点F1を中心として回転可能に設けられている。そして、この第1リンク23の先端と、支持棒21の腰ボトム4側の部分とが、移動支点M1により連結されている。また、第2リンク24が固定支点F2を中心として回転可能に設けられており、この第2リンク24の先端は、支持棒21における移動支点M1より更に腰ボトム4側の部分に移動支点M3を介して連結されている。支持棒21にはその腰ボトム4側の位置に、下方に突出する突部22が設けられており、この突部22の先端には、移動支点M2を介して第3リンク25が連結されている。この第3リンク25は背上げ用のアクチュエータ28のピストンロッド27に移動支点M4を介して連結されており、更に、腰ボトム4には第4リンク26が固定支点F3を介して回転可能に支持されていて、第4リンク26の先端は、第3リンク25とピストンロッド27との連結点である移動支点M4に連結されている。なお、アクチュエータ28はその後端が固定支点F6に回転可能に支持されており、ピストンロッド27の進出待避方向が若干水平からずれることを許容するようになっている。
【0029】
図6及び図7に示すように、膝上げ装置40においては、膝ボトム5の下面に支持部41が固定されており、足ボトム7の下面に支持部42が固定されている。膝ボトム5と腰ボトム4との間は固定支点F4により相互に回転可能に連結されている。腰ボトム4は固定されているので、膝ボトム5は固定支点F5を介して揺動する。支持部41は足ボトム7側に延出し、支持部42は膝ボトム5側に延出している。そして、支持部41と支持部42との相互に近接する部分は、膝湾曲部6の下方の移動支点M5により相互に連結されている。膝ボトム5及び足ボトム7が水平の状態で、図6に示すように、支持部41及び支持部42は膝湾曲部6から離れ、膝ボトム5が立ち上がった状態で、図7に示すように、支持部41及び支持部42がその上縁が弧を描くように湾曲し、同様に湾曲した膝湾曲部6を下方から支持するようになっている。固定支点F5には、第5リンク43が回転可能に軸支されており、この第5リンク43の先端には、足ボトム7の先端側の部分が、移動支点M7を介して連結されている。支持部41における支持部42の反対側の部分44は、腰ボトム4側に延出し、この部分44の先端は、膝上げ用アクチュエータ45のピストンロッド46に移動支点M6を介して連結されている。なお、アクチュエータ45はその後端が固定支点F7に回転可能に支持されており、ピストンロッド46の進出待避方向が若干水平からずれることを許容するようになっている。
【0030】
なお、本明細書において、固定支点とは、支点の位置が移動せず固定されていることを意味し、この固定支点に軸支されたリンク自体は固定支点に対して回転可能である。なお、固定支点は前述の背ボトム2等を支持するフレームに対して固定されており、フレーム全体が昇降してベッドの高さが変化する場合には、それと共に、昇降する。また、移動支点は、支点自体がリンクの回動により移動するものである。
【0031】
アクチュエータ28,45は、モータを内蔵し、このモータの正逆回転により、ピストンロッド27、46を進出させ、又は待避移動させる。このアクチュエータ28,45は、制御ボックス12内の制御装置(図2に図示せず)により制御されている。操作ボックス11のスイッチの押下により出力された信号は、シリアル通信方式で、この制御ボックス12内の制御装置に入力される。
【0032】
図19は、この制御装置60の構成を示すブロック図である。操作ボックス11から入力されたスイッチのオン・オフ信号は、制御装置60の入力部61に入力された後、制御部62に入力される。また、電源電流は整流部63に入力され、5Vの直流電流に変換されて、チョッパ回路64及び制御部62に供給される。制御部62はチョッパ回路64に各アクチュエータの駆動のための制御信号を出力する。
【0033】
前述のベッドの高さを調節するアクチュエータ(図示せず)に内蔵されたモータ68と、背上げ装置20のアクチュエータ28の内蔵モータ69と、膝上げ装置40のアクチュエータ45の内蔵モータ70とに対し、チョッパ回路64は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)された信号を出力し、この制御信号は、夫々リレー65,リレー66及びリレー67を介して、夫々モータ68,モータ69及びモータ70に出力される。このチョッパ回路64の出力信号は制御部62にも入力され、制御信号が制御部62にフィードバックされる。また、制御部62からの制御信号は各リレー65,66,67に入力され、リレー65,66,67のオン・オフを制御する。ベッドの昇降用アクチュエータのピストンロッドの位置(進出待避位置)を検出するセンサ71、背上げ装置20のアクチュエータ28のピストンロッド27の位置(進出待避位置)を検出するセンサ72、膝上げ装置40のアクチュエータ45のピストンロッド46の位置(進出待避位置)を検出するセンサ73の検出信号は制御部62に入力されている。センサ71乃至73は、ピストンロッドの位置を検出するものである。このようにピストンロッドの位置を検出する方法としては、例えば、ピストンロッドの進出退入に伴い変化する抵抗を測定するポテンショメータと、モータ回転量を検出し、又はモータの回転速度を所定値に制御しこのモータ回転速度に動作時間を積算してモータ回転量を求め、これによりピストンロッドの位置を検出するものとがある。モータ回転量を検出するセンサとしては、モータ回転軸等の運動機構にスリット円板を取付け、発光ダイオードからの光がスリット円板で遮られたり通過することで、回転角度又は回転数を計測するもの、ホール素子を利用して磁気的に回転数を検出するもの、モータの回転に伴い変化する抵抗を測定するポテンショメータがある。更に、モータの回転速度を制御するセンサとしては、モータの回転に伴う逆起電圧を検出して電力制御することによりモータを一定速度で回転させ、この回転速度で回転した動作時間を積算してモータ回転量を求めるもの、モータにタコジェネレータ(発電機)を連結し、発生電圧を検出してモータを一定速度で回転するように電力制御し、この回転速度で回転した動作時間を積算してモータ回転量を求めるものがある。
【0034】
制御部62は、記憶部81及び演算部82を含み、記憶部81には、背上げ及び背下げのパターンが記憶されている。このパターンデータは、予めROM(Read Only Memory)に格納しておいても良いし、RAM(Random Access Memory)に記憶させ、そのデータを外部から更新できるようにしておいてもよい。
【0035】
図20及び図21はこの記憶部81に記憶された夫々背上げ及び背下げの制御パターンを示す。背角度αは、背ボトム2が水平方向に対してなす角度であり、膝角度βは、膝ボトム5が水平方向に対してなす角度である。この背角度αはアクチュエータ28のピストンロッド27の位置から幾何学的に算出され、膝角度βはアクチュエータ45のピストンロッド46の位置から幾何学的に算出される。そこで、これらのアクチュエータ28,45のピストンロッド27,46の位置と夫々背角度α及び膝角度βとの間の関係を予め幾何学計算により求め、これらの関係を対応表にしておき、この対応表のデータを、記憶部81に記憶しておく。そして、演算部82はセンサ72,73から入力された各アクチュエータ28,45のピストンロッドの位置検出結果から、夫々背角度α及び膝角度βを記憶部81に記憶された対応表から読み出し、背角度α及び膝角度βを把握する。そして、演算部82は、この背角度α及び膝角度βと、図20又は図21に示すパターンとを比較し、背角度α及び膝角度βの測定結果が前記パターンと一致するように、リレー65〜67に対して制御信号を出力する。
【0036】
制御パターンは、背角度αと膝角度βとにより構成される座標系(α、β)により表現される。即ち、背ボトム2を上げる上げパターンについては、図20に示すように、背ボトム2及び膝ボトム5が水平の状態が座標点(0,0)で表され、最終的に到達すべき背ボトムの背角度αが75°の場合は、この最終到達点が座標点(75、0)で表され、一例として、この(0,0)と(75,0)との間に、4個の座標点(0,25)、(40,25)、(47,15)及び(60,15)が設定され、これらの座標点を直線で結ぶ線分としてパターンが特定される。一方、背ボトムを下げる下げパターンにおいては、図21に示すように、背ボトム2が75°で起き上がった状態(膝ボトム5は0°)から、水平状態の(0,0)まで、一例として、5個の座標点(64,10)、(50,10)、(40,25)、(19,25)、(0,10)が設定され、これらの座標点を直線で結ぶ線分としてパターンが特定される。これらの背上げパターン及び背下げパターンは、患者のずれ及び圧迫感が最小になるように予め求められたもので、背上げ操作及び背下げ操作の最適パターンである。
【0037】
次に、このように構成された電動ベッドの動作について説明する。先ず、背上げ装置20及び膝上げ装置40の動作について説明する。図4の水平状態から、図5に示すように、アクチュエータ28を動作させて、ピストンロッド27を進出させると、固定支点F1、F2、F3は移動しないので、第4リンク26が時計方向に回動し、第3リンク25が背ボトム2の支持部21の突部22を時計方向に回転させようとする。支持部21には、固定支点F1,F2に軸支された第1リンク23及び第2リンク24が夫々移動支点M1及び移動支点M3で連結されているので、長寸の第1リンク23と短寸の第2リンク24との共同作用により、背ボトム2は2点M1,M3を回動中心として起き上がるように回動することができる。従って、アクチュエータ28の作動により、ピストンロッド27が前進(進出)移動すると、第3リンク25が支持部21の突部22を押し、これにより、支持部21及び背ボトム2が2点を回転中心として時計方向に回動する。背ボトム2は図5に示すように立ち上がり、背ボトム2と固定された腰ボトム4との間は背湾曲部3(図5に図示せず)により滑らかに湾曲する。
【0038】
一方、アクチュエータ28のピストンロッド27を待避移動させると、第3リンク25が突部22を引張り、支持部21及び背ボトム2が水平状態に戻る。これにより、図4に示すように、背ボトム2と、背湾曲部3及び腰ボトム4が水平状態に戻る。
【0039】
膝上げ装置40においては、図6に示すように、アクチュエータ45のピストンロッド46が進出した状態で、膝ボトム5、膝湾曲部6及び足ボトム7が水平状態にある。そして、図7に示すように、アクチュエータ45のピストンロッド46を退入させることにより、固定支点F4を中心として、膝ボトム5及び支持部41が反時計方向に回動する。これにより、膝ボトム5が立ち上がる。この場合に、膝ボトム5は支持部41及び支持部42を介して足ボトム7に連結されており、足ボトム7は固定支点F5に連結された第5リンク43に連結されている。よって、膝ボトム5が立ち上がると、支持部42が持ち上がり、後方部分を第5リンク43に連結された足ボトム7が移動支点M5、M7で回転可能に支持されながら、上方に移動する。このとき、膝ボトム5と足ボトム7との間は、膝湾曲部6により連結されており、この膝湾曲部6の下部は支持部41,42により支持されていて、膝湾曲部6は支持部41及び支持部42の上縁の包絡線に沿って、滑らかに湾曲している。
【0040】
このような背上げ動作及び背下げ動作は、相互に連動して同時に進行し、図8乃至図18に示すような態様で背ボトム2及び膝ボトム5(足ボトム7も膝ボトム5に追従して)が動く。
【0041】
上述の背上げ装置20及び膝上げ装置40は、以下のようにして、背角度α及び膝角度βが図20及び図21に示すパターンに沿って変化するように、相互に連動して動作する。図22は図19の制御部62における動作を示すフローチャート図である。
【0042】
操作ボックス11から、背上げ操作(背上げ操作)の開始を指示する信号が制御部62に入力された場合、図22のステップS1が「Yes」であるので、制御部62の演算部82は、記憶部81から図20に示す上げパターンを選択する。そして、制御部62に入力されているセンサ72,73の検出信号から、演算部82は背ボトム2の背角度α及び膝ボトム5の膝角度βを、記憶部81に記憶された対応表を使用して読み出し、把握する。
【0043】
そして、現在の背角度α及び膝角度βと、図20の上げパターンとを比較し、アクチュエータ28,47の動作要求を決定する(ステップS3)。この動作要求は、背ボトム2又は膝ボトム5の「停止要求」、「上げ動作要求」、又は「下げ動作要求」である。
【0044】
演算部が背角度α及び膝角度βの測定値と、上げパターンとを比較して、背角度αが上げパターンで示されている角度に一致している場合は、背ボトムについて「停止要求」を出力し、背角度αが上げパターンで示されている角度より小さい場合は、背ボトムについて「上げ動作要求」を出力し、背角度αが上げパターンで示されている角度より大きい場合は、背ボトムについて「下げ動作要求」を出力する。膝ボトムについても同様で、膝角度βが上げパターンで示されている角度に一致している場合は、膝ボトムについて「停止要求」を出力し、膝角度βが上げパターンで示されている角度より小さい場合は、膝ボトムについて「上げ動作要求」を出力し、膝角度βが上げパターンで示されている角度より大きい場合は、膝ボトムについて「下げ動作要求」を出力する。
【0045】
一方、操作ボックス11から伝送された開始信号が、背下げ操作(背下げ操作)の開始を指示する信号であった場合は、図22のステップS1が「No」であるので、ステップS2に移る。そして、このステップS2で、開始信号が背下げ操作を指示する信号であるので、「Yes」となり、演算部82は記憶部81から図21の下げパターンを選択する。また、同様にして、背角度α及び膝角度βを把握し、この背角度α及び膝角度βと図21の下げパターンとを比較し、アクチュエータ28,47の動作要求を決定する(ステップS4)。この動作要求は、背ボトム2又は膝ボトム5の「停止要求」、「上げ動作要求」、又は「下げ動作要求」である。
【0046】
演算部が背角度α及び膝角度βの測定値と、下げパターンとを比較して、背角度αが下げパターンで示されている角度に一致している場合は、背ボトムについて「停止要求」を出力し、背角度αが下げパターンで示されている角度より小さい場合は、背ボトムについて「上げ動作要求」を出力し、背角度αが下げパターンで示されている角度より大きい場合は、背ボトムについて「下げ動作要求」を出力する。膝角度βについても同様に、膝角度βが下げパターンで示されている角度に一致している場合は、膝ボトムに対して「停止要求」を出力し、膝角度βが下げパターンで示されている角度より小さい場合は、膝ボトムに対して「上げ動作要求」を出力し、膝角度βが下げパターンで示されている角度より大きい場合は、膝ボトムについて「下げ動作要求」を出力する。
【0047】
更に、操作ボックス11から入力部61を介して制御部62に入力された信号が背上げ操作の開始及び背下げ操作の開始のいずれをも指定するものではない場合には、背ボトム及び膝ボトムの双方の動作要求を「停止要求」に決定する(ステップS5)。
【0048】
そして、図22のステップS6において、背ボトムの動作要求が、「停止要求」である場合は、演算部82は背ボトム用のアクチュエータのリレー66に制御信号を出力して、モータ69を停止させる(ステップS8)。背ボトムの動作要求が、「停止要求」ではない場合には、ステップS7で、背ボトムの動作要求が上げ動作要求か否かを判断し、上げ動作要求の場合(Yes)は、演算部82は、リレー66に制御信号を出力して、モータ69を背ボトム2の背角度αが大きくなる方向に回転させる(ステップS9)。下げ動作要求の場合(No)は、演算部82は、リレー66に制御信号を出力して、モータ69を背ボトム2の背角度αが小さくなる方向に回転させる(ステップS10)。
【0049】
一方、図22のステップS11において、膝ボトムの動作要求が、「停止要求」である場合は、演算部82は膝ボトム用のアクチュエータのリレー67に制御信号を出力して、モータ70を停止させる(ステップS13)。背ボトムの動作要求が、「停止要求」ではない場合には、ステップS12で、背ボトムの動作要求が上げ動作要求か否かを判断し、上げ動作要求の場合(Yes)は、演算部82は、リレー67に制御信号を出力して、モータ70を膝ボトム5の膝角度βが大きくなる方向に回転させる(ステップS14)。下げ動作要求の場合(No)は、演算部82は、リレー67に制御信号を出力して、モータ70を膝ボトム5の膝角度βが小さくなる方向に回転させる(ステップS15)。
【0050】
そして、再度ステップS1に戻り、このフローを適当な間隔で繰り替えすことにより、図20又は図21に示すパターンに沿って、背ボトム2及び膝ボトム5が上げ動作又は下げ動作する。なお、ステップS15の次に、ステップS1、S2に戻り、背上げスイッチがオンかオフかを判断し、更に、背下げスイッチがオンかオフかを判断するので、背上げスイッチが常にオンである場合に限り、背上げ動作が進行し、又は背下げスイッチが常にオンである場合に限り、背下げ動作が進行する。途中で、背上げスイッチ又は背下げスイッチがオフになった場合には、ステップS5で常に動作要求が「停止」になり、全ての動作が停止する。従って、背上げ動作を連続的に進行させるためには、操作者は、常に背上げスイッチをオンにしておく必要があり、押しボタンの場合には、常に押し続ける必要がある。また、背下げ動作の場合も同様である。なお、背上げスイッチと背下げスイッチが同時にオンになった場合は、図22のフローチャートに示されていないが、常に動作を停止する。以上のように、スイッチの動作を設定することにより、安全性が向上する。
【0051】
なお、操作ボックス11から背上げ動作(背上げ操作)の開始を指示する信号又は背下げ動作(背下げ操作)を指示する信号が制御装置60の制御部62に入力されるが、これは、操作ボックス11に、背上げ動作開始のスイッチ(第1スイッチ)及び背下げ動作開始のスイッチ(第2スイッチ)を押しボタン形式で夫々専用に設けても良いし、又は左右いずれかに倒れることにより、中央のニュートラル位置と、背上げ動作と、背下げ動作とを選択するスイッチでもよい。
【0052】
なお、上記実施形態においては、背ボトム2が水平方向に対してなす背角度αと、膝ボトム5が水平方向に対してなす膝角度βを、夫々アクチュエータ28のピストンロッド27の位置とアクチュエータ45のピストンロッド46の位置から幾何学的に算出し、ピストンロッド27,46の位置と夫々背角度α及び膝角度βとの間の関係を予め対応表にしておき、この対応表のデータを、記憶部81に記憶しておき、演算部82はセンサ72,73から入力された各アクチュエータ28,45のピストンロッドの位置検出結果から、夫々背角度α及び膝角度βを記憶部81に記憶された対応表から読み出し、背角度α及び膝角度βを把握し、演算部82が、この背角度α及び膝角度βと、図20又は図21に示すパターン(記憶部81に格納されている)とを比較し、背角度α及び膝角度βの測定結果が前記パターンと一致するように背ボトム2及び膝ボトム5の駆動を制御するものである。
【0053】
しかし、この背ボトム2及び膝ボトム5の駆動制御は、このような方法によらず、ピストンロッドの位置の検出結果から直接アクチュエータを制御して、背ボトム2及び膝ボトム5を駆動制御してもよい。つまり、背角度αが例えば図20の0°、40°、47°、60°、75°となるときの背ボトムの駆動用アクチュエータ28のピストンロッド27の位置(aとする)を幾何学的計算により予め求め、また、膝角度βが図20の0°、25°、15°、0°となるときの膝ボトムの駆動用アクチュエータ45のピストンロッド46の位置(bとする)を幾何学的計算により予め求め、この(a、b)座標による最適パターンを記憶部に記憶しておき、センサ72、73によりピストンロッド27,46の位置を検出したときに、その位置検出結果と、(a、b)座標による最適パターンとを直接比較することにより、各ピストンロッドの位置が(a、b)座標で指定された位置になるように、アクチュエータを駆動しても良い。この場合は、図20及び図21の背角度α及び膝角度βによる(α、β)のパターンの代わりに、記憶部81には、ピストンロッドの位置による(a、b)座標のパターンが記憶される。
【0054】
また、背ボトム2が回動するときの先端側の位置の高さ及び膝ボトム5が回動するときの先端側の位置(膝湾曲部6側の端部)の高さを、光センサ又は超音波センサ等により検出し、この高さを基に、図20及び図21に示すパターンに沿って背ボトム2及び膝ボトム5を駆動制御しても良い。この場合も、高さ位置を背角度α及び膝角度βに換算して、この背角度α及び膝角度βが図20及び図21に示すパターンに沿って変化するように駆動制御しても良いし、又は背ボトム2及び膝ボトム5の高さ位置を座標点とする最適パターンを作成し、この高さ位置を座標点とする最適パターンと、高さ位置の検出結果とを直接対比して、背ボトム及び膝ボトムを駆動制御するようにしても良い。
【0055】
次に、このパターンに沿って背ボトム2及び膝ボトム5が上げ動作又は下げ動作する態様について説明する。図8乃至図13は、背上げ動作の場合のベッドの変化を示す。なお、この図8乃至図13は、背ボトム2、腰ボトム4、膝ボトム5及び足ボトム7のみを図示し、その他の湾曲部等は図示を省略している。図20の座標(0,0)において、ベッドは図8に示すように水平状態にある。次に、この座標(0,0)から、座標(0,25)に移動する。そうすると、図9に示すように、背ボトム2はそのままで、膝ボトム5が持ち上がる。次に、座標(0,25)から座標(40,25)に移動する。そうすると、図10に示すように、膝角度βは一定(25°)のままで、背角度αが40°まで立ち上がる。
【0056】
その後、座標(40,25)から座標(47,15)に移動する。つまり、背角度αは上昇する一方、膝角度βは小さくなる。そうすると、図11に示すように、背ボトム2及び膝ボトム5はいずれも中間の状態になる。
【0057】
次に、座標(47,15)から座標(60,15)に移動する。つまり、膝角度βは一定のままに、背角度αを更に立ち上げる。これにより、図12に示す状態になる。
【0058】
その後、座標(60,15)から座標(75,0)に移動する。つまり、膝角度βを下げると共に、背角度αを更に立ち上げ、図13に示すように、最終目標の座標(75,0)に至る。
【0059】
このようなパターンで、図8に示す水平の状態から、図13に示すように背ボトム2が75°に立ち上がった状態まで変化する。
【0060】
また、背ボトム2の下げ動作においては、ベッドは図13乃至図18に示す態様でその形態が変化する。つまり、図21に示す座標(75,0)から、座標(64,10)に移動する。そうすると、図14に示すように、膝ボトム5が上がると共に、背ボトム2が下がる。
【0061】
次に、座標(64,10)から座標(50,10)に移動する。そうすると、図15に示すように、膝ボトム5の位置は変化せず、背ボトム2のみが下がる。
【0062】
次に、座標(50,10)から座標(40,25)に移動する。そうすると、図16に示すように、背ボトム2が更に下がると共に、膝ボトム5が上昇する。
【0063】
次に、座標(40,25)から座標(19,25)に移動する。そうすると、図17に示すように、膝ボトム5の位置は変化せず、背ボトム2のみが更に下がる。
【0064】
次に、座標(19,25)から座標(0,10)に移動する。そうすると、図18に示すように、膝ボトム5がβ=10°まで下がり、背ボトム2は水平に戻る。
【0065】
次に、座標(0,10)から座標(0,0)に移動する。これにより、ベッドは図8に示す水平状態に戻る。
【0066】
本実施形態においては、背上げ動作の開始スイッチ又は背下げ動作の開始スイッチを1回押す(押し続ける)だけで、背ボトム2の動きと膝ボトム5の動きとを相互に関連づけてずれ及び圧迫感がないように予め求めた最適のパターンに従って、背ボトム2及び膝ボトム5が移動していくので、その動作には、介護者(操作者)の主観が入ることがない。従って、介護者の主観によらず、また介護者が変わった場合でも、ベッドは常に予め求められた最適のパターンで移動するので、ベッド上に横たわる患者は、背上げ操作又は背下げ操作において、ベッド上でのずれが生じることが確実に回避される。また、この上半身を起こす作業及び寝かせる作業のいずれにおいても、患者に圧迫感を与えることがない。そして、患者には、筋肉と皮膚との間にずれを生じることがなく、筋肉から皮膚に向かう細い血管が引き延ばされて血管の閉塞又は血行障害を起こして皮膚に障害が発生するというようなことが防止される。なお、本実施形態においては、固定された腰ボトム4が設けられているので、背上げ操作及び背下げ操作に際し、患者の腰が安定する。
【0067】
図20及び図21に示すパターンは、背上げ動作及び背下げ動作において、横たわる患者のズレがなく、また、患者に圧迫感を与えないパターンとして、推奨されるパターンである。
【0068】
図20に示す背上げパターンにおいて、(α、β)が、先ず、(0,0)から(0,25)に移行するのは、背上げ当初(背角度が0°から10°)において、身体のずれが大きいため、背を上げる前に、膝を上げておくことにより、このずれを抑制するためである。また、(0,25)から(40,25)に移行する期間は、ずれを抑制したまま、背を上げている状態であり、背ボトムと膝ボトムとの間の角度がある程度開いているため、圧迫感は生じない。次に、(40,25)から(47,15)に移行する期間は、背角度αが40°になると、背ボトム2がかなり立ち上がってくるので、圧迫感を感じ始める角度であり、このため、背角度αを更に大きくするときに、膝を下げて、圧迫感を感じないようにしている。この場合に、背ボトムと膝ボトムとのなす角度は大きく変化しないので、ずれは生じない。
【0069】
更に、(47,15)から(60,15)の期間は、膝角度βが一定で背角度αのみが高くなっていく期間である。このため、若干圧迫感が増す。一方、次の(60,15)から(75,0)までの期間は、膝を下げつつ背を上げて最終到達点に至る期間であり、膝を下げているため、前の期間での圧迫感を逃がすことができる。本実施形態では、背角度αと膝角度βを同時に最終到達点(75,0)に到達させることが重要であり、少なくとも背角度αが上昇している間は、膝角度βが0にならないようにすることが必要である。このように、背上げと膝下げとを同時に終了することにより、又は少なくとも背上げが終了した後膝下げが終了するようにすることにより、圧迫感が残留せず、終了後の快適性を向上させることができる。従って、(40,25)から(47,15)に移行する期間で圧迫感を抑制するために膝を下げる必要があり、(60,15)から(75,0)までの期間で背と膝とが同時に最終到達点に移行する必要があるために、(47,15)から(60,15)の期間で、背のみを上げることが必要となる。
【0070】
なお、最終到達点を(75,0)としているが、これは患者がベッドの端に座り(端座位)、車椅子に移る際には、膝角度βは0°であることが好ましい。このように、患者が車椅子に移りやすくして、室内又は室外を移動する機会を増やすことにより、患者のQOL(Quality of Life)を向上させることができる。一方、患者の上半身をベッド上で起こして、体圧が患者の背中及び臀部にかかるのを緩和する操作のためには、膝角度βが10°の近傍まで下がった状態で背上げ動作を停止することが好ましい。このような角度において、安楽な姿勢をとることができる。なお、この場合も、患者の重心をしっかり臀部から下半身に移すためには、(75,0)まで背を上げた方がよい。
【0071】
また、図21に示す背下げパターンにおいて、(75,0)から(64,10)まで移行する期間は、背を下げるときに、同時に膝を上げている。背下げ当初(75°から60°)の期間においては、体重が臀部から下半身に集中しているため、背を下げても身体が足側に止まろうとするので、身体のずれが大きくなる。このため、背を下げるときに、同時に膝を上げることにより、体重を上半身に移し、これにより、ずれを抑制している。また、(64,10)から(50,10)に移行する期間は、膝上げを継続すると、体重が過剰に上半身に移るため、腰部に圧迫感が生じる。このため、背ボトムと膝ボトムとの間の角度を開かせるために、膝上げを停止する。
【0072】
更に、(50,10)から(40,25)に移る期間は、圧迫感を感じさせない角度まで開いた後、更に膝を上げて、体重を完全に背ボトム2に移すものである。その後、(40,25)から(19,25)までは、膝角度βを一定にして背を下げてくる。この期間は、膝角度が最大値まで達しているので、身体のずれが生じることなく、背を下げることができる。但し、この期間において、膝も下げてしまうと、体重が再度下半身に移り、ずれを生じてしまうため、膝角度βは一定にする必要がある。
【0073】
その後、(19,25)から(0,10)までの期間は、背角度αが25°まで下がっているので、膝を下げても引きずられないため、背を下げると共に、膝を下げ始める。最後に、(0,10)から(0,0)の期間は、身体が完全に落ち着いた状態で、膝を水平に戻す期間である。
【0074】
なお、上記実施形態においては、前記αは75°、βは0°である。最適パターンの目的によっては、βは必ずしも0°ではなく、例えば、10°程度とし、多少持ち上がった状態としてもよい。また、上記実施形態においては、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25)、(40、25)、(47、15)、(60、15)、(75、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75、0)、(64、10)、(50、10)、(40、25)、(19、25)、(0,10)、(0,0)であったが、この最適パターンを構成する角度は若干相違していても、同様の効果を得ることができる。即ち、上記座標点の各角度が、±3°以内の差であれば、最適な状態で背上げ操作及び背下げ操作を行うことができる。従って、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)となる。
【0075】
上述の如くして、背上げ動作及び背下げ動作について最適のパターンを求め、これを制御部61の記憶部81に格納しておき、このパターンに基づいて背ボトム2及び膝ボトム5が動作するようにすることにより、開始スイッチを1回押す(押し続ける)だけで、操作者に拘わらず、常に最適のパターンで、背ボトム2及び膝ボトム5を動かすことができる。この最適パターンは、前述の如く、ROMに記憶させて記憶部81に設定しても良いし、RAMに記憶させても良い。
【0076】
上述の最適パターンは、特定の条件を設定して求めたものであるが、この最適パターンはベッド構造の相違、条件の変更又は目的の修正に応じて、適時更新されるべきものである。例えば、図20,図21に示すパターンは、図1乃至図18に示すベッド構造の場合に好ましいパターンである。つまり、背ボトム2,背湾曲部3,腰ボトム4、膝ボトム5,膝湾曲部6及び足ボトム7を有する電動ベッドの場合に、図20,図21のパターンがずれ及び圧迫感を防止するために、好ましいパターンである。しかし、本発明は、背湾曲部及び膝湾曲部を有しないような電動ベッド、腰ボトム又は足ボトムを有しないような電動ベッド、又は背ボトムと腰ボトム又は膝ボトムとの間に、第2の背ボトムがあり、背ボトムが立ち上がるとそれにつれて第2の背ボトムも同一の方向に回動するような電動ベッド等、種々の電動ベッドに適用することができる。これらの場合に、ずれ及び圧迫感を防止するために最適のパターンは、図20及び図21に示すものとは異なる場合が多く、夫々のベッド構造に応じて、この最適パターンを求めればよい。
【0077】
この場合に、ROMを使用する場合は、このROMを取り替えることにより、新しいパターンを記憶部81に設定することができ、RAMを使用する場合は、RAMのデータを外部から書き換えることにより、新しいパターンを記憶部81に設定することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、背ボトムを起き上げるとき、及び背ボトムを寝かせるときに、操作者である介護者の主観に拘わらず、常に最適のパターンで背ボトム及び膝ボトムを動作させることができ、これにより、確実に、被介護者がベッド上でずれてしまうことを防止し、被介護者に腹部及び胸部の圧迫感を与えることを防止することができ、被介護者及び介護者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電動ベッドを示す斜視図である。
【図2】この電動ベッドの背ボトム、膝ボトム及び足ボトムと、それらの間の湾曲部とを示す平面図である。
【図3】同じくその正面図である。
【図4】背ボトムが水平の場合の背上げ装置を示す正面図である。
【図5】背ボトムを上げた場合の背上げ装置を示す正面図である。
【図6】膝ボトムが水平の場合の膝上げ装置を示す正面図である。
【図7】膝ボトムを上げた場合の膝上げ装置を示す正面図である。
【図8】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(0,0)の場合の斜視図である。
【図9】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(0,25)の場合の斜視図である。
【図10】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(40,25)の場合の斜視図である。
【図11】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(47,15)の場合の斜視図である。
【図12】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(60,15)の場合の斜視図である。
【図13】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(75,0)の場合の斜視図である。
【図14】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(64,10)の場合の斜視図である。
【図15】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(50,10)の場合の斜視図である。
【図16】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(40,25)の場合の斜視図である。
【図17】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(19,25)の場合の斜視図である。
【図18】電動ベッドの動作を示し、座標(α、β)が(0,10)の場合の斜視図である。
【図19】本発明の実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【図20】背上げパターンを示すグラフ図である。
【図21】背下げパターンを示すグラフ図である。
【図22】制御部のフローチャート図である。
【符号の説明】
1:電動ベッド
2:背ボトム
3:背湾曲部
4:腰ボトム
5:膝ボトム
6:膝湾曲部
7:足ボトム
11:操作ボックス
20:背上げ装置
21:支持棒
23〜26、43:リンク
28、45:アクチュエータ
40:膝上げ装置
41,42:支持部
62:制御部
68〜70:モータ
71〜73:センサ
81:記憶部
82:演算部

Claims (17)

  1. 背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部と、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βが予め設定されたパターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する制御部とを有し、この制御部は、(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを格納する記憶部と、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する演算部とを有することを特徴とする電動ベッド。
  2. 背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部とを有する電動ベッドの制御方法において、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βからなる(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを制御部に予め設定し、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を駆動することを特徴とする電動ベッドの制御方法。
  3. 背ボトムと、膝ボトムと、前記背ボトムを上下揺動させる第1駆動部と、前記膝ボトムを上下揺動させる第2駆動部と、を有する電動ベッドを制御する制御装置において、前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度α及び前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度βからなる(α、β)座標における各ボトムが水平状態である座標点(0、0)と背ボトムが起き上がった座標点(α、β)との間を複数の点で結ぶパターンを格納する記憶部と、前記背角度α及び前記膝角度βが前記パターンに沿って変化するように前記第1駆動部及び第2駆動部を制御する演算部とを有することを特徴とする電動ベッドの制御装置。
  4. 前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッド。
  5. 前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作と前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作とのいずれかを選択して前記制御部の動作を開始させる開始信号を入力する操作ボックスを有し、前記演算部は、前記開始信号が背上げ操作の開始を指示するものである場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記開始信号が背下げ操作の開始を指示するものである場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力することを特徴とする請求項4に記載の電動ベッド。
  6. 前記操作ボックスは、前記背上げ操作の開始を指令する第1スイッチと、前記背下げ操作の開始を指令する第2スイッチと、を有し、前記演算部は、前記第1スイッチがオンになった場合に背上げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチがオフで前記第2スイッチがオンになった場合に背下げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの双方がオフの場合に停止要求を出力することを特徴とする請求項5に記載の電動ベッド。
  7. 前記背ボトムと前記膝ボトムとの間を湾曲可能に連結する背湾曲部を有し、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることを特徴とする請求項4に記載の電動ベッド。
  8. 前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動することを特徴とする請求項7に記載の電動ベッド。
  9. 前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動ベッドの制御方法。
  10. 前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作の開始が指示された場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作の開始を指示された場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力することを特徴とする請求項9に記載の電動ベッドの制御方法。
  11. 前記背ボトムと前記膝ボトムとの間が背湾曲部により湾曲可能に連結されており、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることを特徴とする請求項9に記載の電動ベッドの制御方法。
  12. 前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動することを特徴とする請求項11に記載の電動ベッドの制御方法。
  13. 前記パターンとして、前記背ボトムを水平状態から起こすときの上げパターンと、前記背ボトムを起き上がった状態から水平状態に下げるときの下げパターンとが個別に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電動ベッドの制御装置。
  14. 更に、前記背ボトムを水平状態から起こす背上げ操作と前記背ボトムを水平状態に下げる背下げ操作とのいずれかを選択して前記制御部の動作を開始させる開始信号を入力する操作ボックスを有し、前記演算部は、前記開始信号が背上げ操作の開始を指示するものである場合に、前記上げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記上げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力すると共に、前記開始信号が背下げ操作の開始を指示するものである場合に、前記下げパターンと前記背角度α及び前記膝角度βとを比較し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンに一致している場合に停止要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より小さい場合に夫々上げ動作要求を出力し、前記背角度α又は前記膝角度βが夫々前記下げパターンで指定された値より大きい場合に下げ動作要求を出力することを特徴とする請求項13に記載の電動ベッドの制御装置。
  15. 前記操作ボックスは、前記背上げ操作の開始を指令する第1スイッチと、前記背下げ操作の開始を指令する第2スイッチと、を有し、前記演算部は、前記第1スイッチがオンになった場合に背上げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチがオフで前記第2スイッチがオンになった場合に背下げ操作の開始を指示されたと判断し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの双方がオフの場合に停止要求を出力することを特徴とする請求項14に記載の電動ベッドの制御装置。
  16. 前記背ボトムと前記膝ボトムとの間が背湾曲部により湾曲可能に連結されており、前記αは75°、βは0°であり、前記上げパターンを構成する座標点は、(0,0)、(0、25±3)、(40±3、25±3)、(47±3、15±3)、(60±3、15±3)、(75±3、0)であり、前記下げパターンを構成する座標点は、(75±3、0)、(64±3、10±3)、(50±3、10±3)、(40±3、25±3)、(19±3、25±3)、(0,10±3)、(0,0)であることを特徴とする請求項13に記載の電動ベッドの制御装置。
  17. 前記背湾曲部と、前記膝ボトムとの間に、固定された腰ボトムが連結されており、前記膝ボトムにおける背ボトムの反対側には、湾曲可能の膝湾曲部を介して足ボトムが連結されており、この足ボトムは前記膝ボトムにリンク機構により連結されていて前記ボトムと連動して移動することを特徴とする請求項16に記載の電動ベッドの制御装置。
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