JP6262194B2 - 電動ベッド - Google Patents

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Description

本発明は、背ボトム、膝ボトム、足ボトム等を回動することによりチェアポジションを取ることが可能な電動ベッドに関する。
手術後の患者や、寝たきりの患者にとって、医療上又は食事をとるために、又はテレビ鑑賞若しくは読書等のために、患者の上半身をベッド上で起こす必要がある。そこで、ベッドの背ボトム及び膝ボトムを電動で起こしたり、下げたりすることができる電動ベッドが開発されている。しかし、電動ベッドを背上げ、背下げをすることによって、患者の身体にずれが生じたり、力がかかる。また、背上げ及び背下げにより、位置がずれた患者の身体を、介護者がもとの位置に戻すことは、患者が自力で動くことができないため、介護者にとって極めて大きな負担となる。
そこで、特許文献1には、背上げ及び膝上げが可能な電動ベッドにおいて、患者の身体のずり落ちが生じ無いように、背角度と膝角度を設定されたパターンで変化させるものが開示されている。
特許第3707555号公報
電動ベッドには、足ボトムを移動させて、椅子に座っている状態のチェアポジションも可能とするものがある。このチェアポジションは、上半身を起こし、さらに足ボトムを下げる動作も行うため、身体がずり落ちる可能性がある。特許文献1の技術には、このようなチェアポジションでの身体のずり落ちは考慮されていない。また、引用文献1においては、身体のずれ防止のために背上げ及び膝上げの複雑な制御を必要としてしまう。ICU(集中治療室)などのベッドにおいては、誤動作が許されないので、このような複雑な制御を行った場合、操作者は注意深く動作を監視する必要があるため、負担となってしまう。
本発明は、斯かる実情に鑑み、チェアポジションを取っても簡単な制御で患者のずり落ちを確実に防止できる電動ベッドを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の電動ベッドは、
背ボトムと、膝ボトムと、足ボトムとを駆動部により回動して、前記足ボトムの一端部が、前記フレームより下に下がることで椅子状の形態となるチェアポジションをとる電動ベッドにおいて、
前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度と、前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度とを含む各ボトムの角度を検出し、
前記検出された背角度が設定された設定背角度未満の場合には、第1の設定膝角度が設定され、当該設定された第1の設定膝角度になるように膝ボトム回動され連動して足ボトムが回動され、
前記検出された背角度が前記設定背角度以上の場合には、前記第1の設定膝角度より小さい第2の設定膝角度が設定され、当該設定された第2の設定膝角度になるように膝ボトム回動され、連動して足ボトム回動される、
ことを特徴とする。
本発明によれば、電動ベッドにチェアポジションを取らせる前に、背ボトムの背角度に応じて身体のずり落ち防止する位置に膝ボトムや足ボトムを移動してから、チェアポジション動作を行うので、簡単な制御で確実に人体のずり落ちを防ぐことができる。
本実施形態のベッド装置の全体構成を示す斜視図である。 本実施形態のベッド装置がチェアポジションを取ったとき各ボトム位置を示す概略図である。 各ボトムの角度の定義を説明する図である。 本実施形態のベッド装置の機能構成を示すブロック図である。 設定テーブルのデータ構成の一例を示す表である。 本実施形態のベッド装置におけるチェアポジション制御を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[ベッド装置の構成]
まず、本実施形態のベッド装置1の全体構成について、図1〜3を用いて説明する。図1は、ベッド装置1の斜視図、図2はチェアポジションを取ったときの各ボトムの位置を示す概略断面図である。ここで、ベッド装置の利用者がベッド上で横たわった場合の頭側をH方向、足側をL方向として以下説明する。
ベッド装置1は、台車4上に頭側及び足側の2つの昇降リンク機構を介してベッドフレーム3が昇降可能に支持されている。ベッドフレーム3は、長手方向のフレーム部材間に、幅方向の複数のフレーム部材を設けた構成である。
また、ベッドフレーム3には、ボトム2が配置されており、ボトム2として、背ボトム22、腰ボトム24、膝ボトム26、足ボトム28が頭側から足側に順に分割して配置されている。
背ボトム22は、腰ボトム24側を中心として回動可能にベッドフレーム3に設置されており、膝ボトム26は、腰ボトム24側を中心として回動可能にベッドフレーム3に設置されている。また、腰ボトム24は固定されており、膝ボトム26は上下動可能に設けられている。 また、足ボトム28は、膝ボトム26側を中心として回動可能となっている。なお、通常はボトム2の上にマットレス30が載置されることとなる(図2参照)。
また、足ボトム28は、足枠部28aと、足枠部28bとから構成されており、足枠部28aの上面に、足枠部28bがスライド可能に連結されている。すなわち、足枠部28aの上を、足枠部28bが摺動することにより、足ボトム28が伸縮し、足ボトム28の長さを変えることが可能となる。
また、台車4の隅部近傍には、車輪5が配置されていて、台車4(ベッド装置1)を任意の方向に移動させることが出来るようになっている。
また、サイドレール7として、背ボトム22の左右両側にサイドレール7aが、ベッドフレーム3の左右両側にサイドレール7bが、長手方向に沿って設けられている。ここで、サイドレール7は、それぞれ矩形(略矩形)の形状をしており、折りたたんでボトム下方に格納することが可能となっている。また、頭側にはヘッドボード8が、足側にはフットボード9がそれぞれ設けられている。
ベッド装置1は、可動部に応じて駆動装置として複数の電動アクチュエータが設けられている。例えば、本実施形態におけるベッド装置1においては、背ボトム22、腰ボトム24、膝ボトム26、足ボトム28の可動部に電動アクチュエータがそれぞれ設けられて、駆動可能になっている。
そして、各ボトム22〜28の可動部には、各ボトムの角度を検出できるセンサが設けられている。
また、各電動アクチュエータを制御する為のコントローラを格納したコントロールボックス(制御部)を有している。コントロールボックス内のコントローラには、外部から入力された操作指示に基づいて、各電動アクチュエータを制御することにより、ベッド装置1を変形することとなる。操作指示はリモコン等の操作部によって利用者が行う。
電動アクチュエータを制御する場合は、各ボトムの角度に基づく。図3はその定義を示す説明図である。背角度αは背ボトム22の水平状態からの持ち上がり角度であり、膝角度βは膝ボトム26の水平状態からの持ち上がり角度であり、足角度γは足ボトム28の水平状態からの下がり角度である。
[チェアポジション]
チェアポジションは、図2に示すように、背ボトム22を上げ、腰ボトム24を水平に、膝ボトム26を少し上げて足ボトム28を下げて、椅子状の形態にしたものである。
本発明は、チェアポジションに至る前に、背ボトムの背角度に応じて患者のずり落ちを防止する動作を行って後に、それぞれのボトムを所定の位置に移動する制御を行うものである。
[機能構成]
続いて、ベッド装置1の機能構成について図4を用いて説明する。
ベッド装置1は、図4に示すように、操作部110と、角度検出部130と、記憶部120と、制御部140と、駆動部(アクチュエータ)150とを備えるものである。
操作部110は、利用者(例えば、患者や、被介護者、介護スタッフ等)がベッド装置1に対して操作を指示したりするための入力部や、ベッド装置1の状態を利用者に報知するための機能部である。例えば、タッチパネルを有する液晶画面で構成されていたり、ハードウェアキーで構成されていたりする。
記憶部120は、ベッド装置1の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部120は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
また、記憶部120には、設定テーブル122が記憶されている。設定テーブル122は、ベッド装置1におけるチェポジションのボトム制御における角度データが記憶されているテーブルである。
ここで、設定テーブル122のデータ構成の一例について、図5を用いて説明する。図5に示すように、設定テーブル122には、検出された背角度αが、身体がずり落ちる最大角度である「ずり落ち背角度」未満の場合と、「ずり落ち背角度」以上の場合に分けて、チェアポジションにおける背角度M1、膝角度M2、足角度M3が設定され、そのときのベッドの高さHLも設定されている。このテーブルでは、「ずり落ち背角度」は65度に設定されているが、これに限る訳ではない。チェアポジションでずり落ちる可能性のある角度は、約35〜70度の範囲であり、ベッドの素材や構造により変化するものであるから、それに応じて「ずり落ち背角度」は設定する。また、同様に、背角度M1、膝角度M2、足角度M3、高さHLもこのテーブルの値に限るものではない。また、図5の設定テーブルでは、「ずり落ち背角度」未満と、それ以上の2つの範囲に分けているが、3つ以上の範囲に分けても構わない。身体がずり落ちる可能性の高い方が、設定膝角度M2の値が大きくなる。
なお、身体がずり落ちる可能性のあるときの背角度の時に、ずり落ち防止のための膝角度M2を設定する。膝ボトム26をこの値に設定すると、身体のずり落ちはほぼ防止できる。背ボトム22が「ずり落ち背角度」未満のときは、身体が大きくずり落ちる可能性が高く、膝ボトム26の設定膝角度M2は、大きく、背ボトム22が「ずり落ち背角度」以上のときは、身体がずり落ちる可能性が低くなるので、設定膝角度M2は小さくて済む。
角度検出部130は、背角度α、膝角度β、足角度γを検出する機能部である。例えば、ボトムを駆動する各アクチュエータのピストンロッドの位置を検出するセンサを備えておく。アクチュエータのピストンロッドの位置と背角度α、膝角度β、足角度γとの間の関係を予め幾何学計算により求め、これらの関係を対応表にしておき、この対応表のデータを、記憶部120に記憶しておく。そして、角度検出部130はセンサで検出した各アクチュエータのピストンロッドの位置検出結果から、背角度α、膝角度β、足角度γを記憶部120に記憶された対応表から読み出す。
制御部140は、角度検出部130により検出された角度に基づいて各ボトムの角度、およびベッドの高さを駆動制御する。各アクチュエータを動作、停止させることにより、駆動制御が実現可能となる。
[処理の流れ]
続いて処理の流れについて図を用いて説明する。図6は、本実施形態のベッド装置1におけるチェアポジション制御を示すフローチャートである。
利用者は、操作部110を用いてチェアポジションボタンを押下する(ステップS11)。角度検出部130は、背角度α、膝角度β、足角度γを検出する(ステップS12)。検出された背角度αから図5の設定テーブル122に基づいて、設定膝角度M2を求める(ステップS13)。
制御部140は、検出した膝角度βが、[設定膝角度M2−許容値θ]以上で[設定膝角度M2+許容値θ]以下の範囲内にあるかを確認する(ステップS14)。ここで許容値θは1度(deg)が望ましいが、この値に限定されるわけではない。
膝角度βが範囲内にあれば(ステップS14;Yes)、チェアポジションの設定位置に各部を移動させる(ステップS15)。すなわち、背ボトム22の背角度α、足ボトム28の足角度γ、ベッド高さλが、それぞれの設定値M1,M3,HLになっていなければ、各設定値になるように移動させる。
検出した膝角度βが範囲内になければ(ステップS14;No)、制御部140は、膝ボトム26を設定膝角度M2に移動し、同時に連動して足ボトム28をある所定の位置まで移動する(ステップS16)。そしてステップS15に進む。
こうして、チェアポジションの設定値に各部を移動させるまえに、背ボトムの背角度に基づいて、膝ボトムを身体のずり落ちを防ぐ位置に移動させたり、連動して足ボトムも移動させるので、簡単な制御で確実に身体のずり落ちを防ぐことができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
また、上述した実施形態にでる所定の角度、高さ範囲等は本発明を理解するために具体的な値を例示したものである。従って、当該値に限定して解釈されるものではない。
1 ベッド装置
2 ボトム
22 背ボトム
24 腰ボトム
26 膝ボトム
28 足ボトム
30 マットレス
110 操作部
120 記憶部
122 設定テーブル
130 角度検出部
140 制御部
150 駆動部
α 背角度
β 膝角度
γ 足角度

Claims (4)

  1. 背ボトムと、膝ボトムと、足ボトムとを駆動部により回動して、前記足ボトムの一端部が、前記フレームより下に下がることで椅子状の形態となるチェアポジションをとる電動ベッドにおいて、
    前記背ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である背角度と、前記膝ボトムの水平状態からの持ち上がり角度である膝角度とを含む各ボトムの角度を検出し、
    前記検出された背角度が設定された設定背角度未満の場合には、第1の設定膝角度が設定され、当該設定された第1の設定膝角度になるように膝ボトム回動され連動して足ボトムが回動され、
    前記検出された背角度が前記設定背角度以上の場合には、前記第1の設定膝角度より小さい第2の設定膝角度が設定され、当該設定された第2の設定膝角度になるように膝ボトム回動され、連動して足ボトム回動される、
    ことを特徴とする電動ベッド。
  2. 前記設定背角度は、患者がずれる最大角度であることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッド。
  3. 前記背ボトム、前記膝ボトム、前記足ボトムは、略水平に設けられたフレームに設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ベッド。
  4. 前記フレームには、更に腰ボトムが固定されており、
    前記背ボトムは、前記腰ボトム側を中心として回動可能に前記フレームに設置されていることを特徴とする請求項3に記載の電動ベッド。
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