JP3707175B2 - 水域用橋脚構造物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水域用橋脚構造物およびその構築方法に係り、特に水深の深い河川や海峡を横断する水域における橋脚構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川・海峡を横断する橋梁の基礎は、通常、両岸または岸に近く水深の浅い場所に設置されるのが通例である。しかし、幅の広い河川や海峡を横断する場合には、水深の深い所にも基礎を設置する必要が生ずる。このような場合、従来は、設置ケーソン、地中連続壁基礎、多柱式基礎、鋼製水中基礎等が採用されてきた。しかし、これらの基礎は水深が深くなるに従い施工費が膨大になる他、現地工事期間や海域占有期間が長びくという問題があり、また、施工に伴う環境保全上の問題、たとえば水流の妨害などもあった。
【0003】
かかる問題を解決する工法として、実公昭60−3153号公報に記載されているジャケット式基礎を用いることも考えられる。この工法は海底油田掘削用プラットフォームの下部構造として多くの実績があり、実際に水深400mを越える海域に設置された実績がある他、施工時の海域の占有期間が短く、水流を妨げないという特徴があり、上記問題点の解決に有用と考えられる。その場合、一般的には図4に示すように、ジャケット式基礎10上に鉄筋コンクリート製のフーチング40を載置し、その上に橋梁用橋脚20を構築するという構成が考えられる。しかしながら、この構成では、橋梁上部工荷重を下部工たるジャッケット式基礎10に伝達するために橋梁とジャケットとの接続部の役割を果たすフーチング40の厚さを増す必要があるため、必然的にフーチング40の重量の増加を招き、ジャケット式基礎自体を巨大化せざるを得ず、施工コストの増大や施工期間の長期化が大きな問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記水深の深いサイトでの水域用橋脚構造物の構築を従来技術に比べ工期を短縮し、施工費を節減し、かつ環境保全上の問題の少ないものとする技術を提供するところにある。また、ジャケット式基礎にかかる有利性を維持しながら、その上に橋脚を構築する際の上記問題点を解決する新しい水域用橋脚構造物を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は水域用橋脚構造物を、鉛直レグと斜レグおよびこれらを連結する連結部材からなるジャケット構造物と該鉛直レグおよび斜レグを挿通して水底地盤に打設した鉛直杭および斜杭からなるジャケット式基礎と、前記ジャケット式基礎の鉛直杭を延長してなる橋脚支持管と、脚部に鋼管を挿入管として有する橋梁用橋脚とからなり、かつ、前記橋梁用橋脚は、前記挿入管を介して橋脚支持管に嵌合され、かつ前記ジャケット式基礎の鉛直レグと接続されるとともに、橋脚支持管と挿入管との間に膨張モルタルが充填されており、さらに、前記鉛直レグと脚部の接続部には漏洩防止材が施されている構成とするものである。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下、実施例を参照して本発明の実施の態様を具体的に説明する。図1に本発明にかかる水域用構造物の1実施例の全体構成を示す。本発明においては、水域用橋脚構造物の基礎をジャケット式基礎10とする。これにより、ジャケット式基礎の有する工期が短く、かつ構造物が水流を妨げないという利点を活用できる。ジャケット式基礎は公知のとおり、筒体を連結梁によって連結してトラス状に組み上げたジャケット構造16とレグに挿通され、水底地盤内に打設された杭からなるが、本発明においてはジャケット構造16を鉛直レグ11と斜レグ12およびそれらを連結する連結部材13により構成するものとする。鉛直杭14、斜杭15は、鉛直レグ11および斜レグ12にそれぞれ挿通され、水底地盤1内に打設される。これにより、ジャケット式基礎10が安定し、水平荷重、転倒モーメントが加わっても鉛直杭14と斜杭15とで耐えることが可能になる。
【0007】
なお、前記ジャケット式基礎10は全体として、櫓状に組まれているものであり、斜レグ12は少くともジャケット式基礎の4隅に配置される。一方、鉛直レグ11は、ジャケット式基礎10の中心線上に設置され、互いに橋脚間距離(幅)を離間して配置される。これらの寸法、材質などは橋脚の設置される水域の水深、水流などの条件等を勘案して橋脚規模等に基づき定められる。ジャケット式基礎の水域への設置は、通常のように設置水域の水底地盤を均すかあるいは基礎杭を打っておくなどの事前手段を講じて行う。
【0008】
図2に示すように前記ジャケット式基礎の鉛直杭14はそのまま上方に延長し、橋脚支持管21とする。この橋脚支持管21上に橋脚20が直接固定される。橋脚20の橋脚支持管21への固定は、予め橋脚(脚部)25内に鋼管を挿入管23として設置し、この挿入管23を介して前記橋脚支持管21に橋脚の脚部25を嵌合し、ジャケット式基礎10の縱筒体と接続することにより行う。さらに、橋脚支持管21と挿入管23との間の空隙部に膨張モルタル24を充填して両者を一体に固定する。このように、橋脚支持管21と橋脚20との接合部は橋脚支持管21と挿入管23の2重管構造であり、さらに空隙部には膨張モルタル24が充填されているので、橋脚自体が非常に強固であり、かつ、橋脚支持管を介して橋脚上部工の荷重をジャケット式基礎に十分伝えることができる。なお、橋脚支持管21と挿入管23との空隙は、片側で20〜30mmである。
【0009】
橋脚の脚部25とジャケット式基礎10の鉛直レグ11との接続は、前述のように橋脚の脚部内の挿入管23を橋脚支持管21に嵌合することによって行われるが、その際、橋脚支持管21とジャケット式基礎の鉛直レグ11との間に適当なスペーサ27を介して接続し、設置精度の向上を図ることもできる。上記ジャケット式基礎の鉛直レグ11との接続部には漏洩防止材26が施され、前記支持管21などの防食が図られる。漏洩防止材はシールのために使用される公知のものでよく、特に制限はない。
【0010】
上記により、ジャケット式基礎10上に直接、橋脚20が構築されるが、この橋脚の構築は、前記の構成に限るものではなく、ジャケット式基礎を延長して立設された橋脚支持管21上に直接固定されるものであればその手段の如何を問うものではない。例えば、上記のように、予め、上部梁と一体に製作した側面形状がΠ形のプレファブ橋脚の脚部に橋脚支持管と嵌合すべき鋼管を挿入管として内蔵させ、このプレファブ橋脚を一体として橋脚支持管21に嵌合する方法をとってもよい。また、橋脚自体を鋼管としこれを挿入管と兼用する構成とすることも可能である。すなわち、橋脚の脚部に橋脚支持管と嵌合・固定される挿入管が備え付けられていれば、如何なる構成をとってもよく、橋脚脚部を含め、他の部分が鉄筋コンクリートであってもよい。
【0011】
このようにしてジャケット式基礎上に直接構築された橋脚上には通常の手段に従い、支承を介して橋桁30が設置される。この場合、橋脚を鋼管によって製作したときは、その頭部に杭頭処理などの適切な手段を施すことにより直接橋桁の設置をすることもでき、また、鋼管製脚柱頂部に適切な梁を接続してその上に橋桁を設置することもできる。
【0012】
【発明の効果】
本発明により、安定性に優れ、軽量のジャケット式基礎を有する橋梁を水深の深い水域において短い工期で行うことが可能となり、施工費の節減が可能となる。また、本発明の水域用橋脚構造物はフーチングを有さないので、基礎重量の軽量化を図ることができ、また、景観性に優れ、スプラッシュゾーンでの防食性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水域用橋梁構造物の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明における橋脚支持管の取り付け状況を示す一部切り欠き断面図である。
【図3】本発明における橋脚支持管と橋脚との固定状況を示す一部切り欠き断面図である。
【図4】従来のジャケット構造上に橋脚を構築する場合の想定俯観図である。
【符号の説明】
1:水底地盤
10:ジャケット式基礎
11:鉛直レグ
12:斜レグ
13:連結部材
14:鉛直杭
15:斜杭
16:ジャケット構造
20:橋脚
21:橋脚支持管
23:挿入管
24:膨張モルタル
25:橋脚(脚部)
26:漏洩防止材
30:橋桁
40:フーチング
Claims (1)
- 鉛直レグと斜レグおよびこれらを連結する連結部材からなるジャケット構造物と該鉛直レグおよび斜レグを挿通して水底地盤に打設した鉛直杭および斜杭からなるジャケット式基礎と、
前記ジャケット式基礎の鉛直杭を延長してなる橋脚支持管と、
脚部に鋼管を挿入管として有する橋梁用橋脚とからなり、
前記橋梁用橋脚は、前記挿入管を介して前記橋脚支持管に嵌合され、かつ前記ジャケット式基礎の鉛直レグと接続されるとともに、前記橋脚支持管と前記挿入管との間に膨張モルタルが充填されており、さらに、前記鉛直レグと橋脚脚部の接続部には漏洩防止材が施されていることを特徴とする水域用橋脚構造物。
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