JP3706338B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、液体燃料を微粒化して自動車用エンジンなどの内燃機関の燃焼室に供給するための燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料噴射装置として、複数の噴口を有する噴口プレ−ト部材から液体燃料(以下、燃料)を霧状に噴射する構造のものが知られている。図9は、特開2001−46919号公報に開示された上記燃料噴射装置における噴口プレ−ト部材およびその近傍部の断面図であり、図10は図9の噴口出口側から見た平面図である。
【0003】
図9〜図10において、4は4個の噴口5を有する噴口プレ−ト部材、3は弁座31を有すると共に噴口5に通じる燃料通路32を有するバルブシ−ト、6は噴口プレ−ト部材4とバルブシ−ト3との間に設けられて燃料通路32と噴口5とを連通する円盤状の燃料キャビティ、2は弁座31に離着座して燃料通路32を開閉する弁部材である。外部から供給された燃料は、弁部材2が弁座31から離座して燃料通路32が開状態となっているとき、燃料通路32から燃料キャビティ6に至り、次いで各噴口5から内燃機関の燃焼室(図示せず)に噴射される。またその間につぎの機構により微粒化して霧状で噴射される。
【0004】
即ち、燃料キャビティ6内へ流れ込んだ燃料は、円盤状を呈する上記燃料キャビティ6の中央またはその近傍から径方向に、換言すると燃料キャビティ6の外周に向かって流れる。その際に、一部の燃料は上記外周に至ることなくその途上で噴口プレ−ト部材4に設けられた噴口5から燃焼室に流出する。また一部の燃料は、噴口5の間を通り抜けて上記外周に至り、次いで反転して外周から中央に向かって流れ、その途上で噴口5から燃焼室に流出する。したがって噴口5では、中央方面から来た流れAと外周から来た流れBとが衝突して乱流が生じ、この結果、噴口5から流出する燃料は、かかる乱流により微粒子化する。
【0005】
しかしながら従来の円盤状燃料キャビティ6においては、上記の中央方面から来た流れAは、外周から来た流れBより流速が大きく、このために両流間の衝突が十分に起こらず、燃料の微粒子化が未だ十分でない問題がある。
【0006】
さらに、次の問題もある。図11は、図9における噴口プレ−ト部材4に設けられた噴口5の拡大断面図であって、51は噴口5の中心軸である。噴口5は、一般的にその中心軸51が軸に対して角度θで傾斜するように設けられる。図11において、流れAは噴口5の入り口で流れ方向が角度(90−θ)だけの変化であるのに対して、流れBは角度(90+θ)の大きな変化を余儀なくされる。流れ方向の変化量が大きい程、燃料の流速変化量も大きくなるので、流れBはかかる事態からも流れAと比較して噴口5での流速が低い問題もある。
【0007】
前記図9〜図11に示す燃料噴射装置では、燃料キャビティ6の中央またはその近傍から燃料キャビティ6の外周に向かう燃料の流れが支配的である場合であるが、バルブシ−ト3の弁座31近傍の構造を変更することにより上記とは逆に、燃料キャビティ6の外周から中央に向かう燃料の流れが支配的となるように設計された燃料噴射装置では、流れBの流速が流れAのそれより大きくなるので、やはり両流間の衝突が十分に起こらない問題が生じる。
【0008】
さらに前記図9〜図11に示す燃料噴射装置は、噴口プレ−ト部材4から燃料が一つの円錐状あるいは喇叭状に噴射されるように各噴口が設けられたもの、所謂1スプレータイプのものであるが、噴口プレ−ト部材から燃料が二以上の円錐状を形成するように噴射される多スプレータイプのものもある。かかるタイプの各噴口の傾斜の方向は複雑であって、互いに隣接する二つの噴口は、互いに反対方向に傾斜することさえあって、それらの各噴口毎にその周囲からの燃料の流入速度が可及的均一となることが要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における如上の問題を解決することを課題とし、複数の噴口のうちのなくとも一部の噴口における周囲からの燃料の流入速度が可及的均一となる燃料噴射装置を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料噴射装置は、複数の噴口を有する噴口プレ−ト部材、上記噴口に通じる燃料通路と弁座を有するバルブシ−ト、上記噴口プレ−ト部材と上記バルブシ−トとの間に設けられて上記燃料通路と噴口とを連通する燃料キャビティ、上記弁座に離着座して上記燃料通路を開閉する弁部材を備えた燃料噴射装置であって、上記複数の噴口のうちの少なくとも一部の噴口においては、上記噴口の周囲から上記噴口に流入する燃料の流入位置上の流速差が減少するように、燃料流速が大きい燃料流路面を高面粗度領域とし、燃料流速の小さい燃料流路面を低面粗度領域とし、且つ上記高面粗度領域の面粗度は、上記低面粗度領域の面粗度より0.5〜4μm程度大きくしたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項2に係る燃料噴射装置は、請求項1において上記複数の噴口は、1以上のピッチ円を描くように設けられたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項3に係る燃料噴射装置は、請求項2において上記ピッチ円は、上記燃料キャビティの中心と略同心円であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る燃料噴射装置は、請求項2において上記ピッチ円は、中心を互いに異にする複数個を含むことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項5に係る燃料噴射装置は、請求項1において、上記高面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの少なくとも1/30以上であり、上記低面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの1/50〜1/100程度であることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図3は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態1を説明するものであって、図1は実施の形態1の断面図であり、図2は図1におけるC部の拡大図であり、図3は図2の矢印Zの方向からた見た平面図である。
【0016】
図1〜図3において、燃料噴射装置1は、樹脂製ハウジング11の内部に電磁コイル12、固定鉄心13および磁気通路を構成する金属プレ−ト14が配置され一体成形されている。電磁コイル12は樹脂製のボビン121とその外周に巻線されているコイル122および外部との接続のために設けられたタ−ミナル123により構成されて樹脂製ハウジング11と一体成形されている。
【0017】
固定鉄心13の内部には圧縮ばね15の荷重を調整するアジャスタ16が固定されている。二枚の磁気通路を構成する金属プレ−ト14は、その一端が固定鉄心13に溶接により固定され、その他端が磁気通路を構成する電磁パイプ17に溶接されている。磁気パイプ17の内部に配置された可動鉄心171が軸方向に可動なように、非磁性パイプ172が固定鉄心13と磁気パイプ17とに固定、配置されている。
【0018】
可動鉄心171の一端には、ニ−ドルパイプ173が溶接固定されている。ニ−ドルパイプ173の可動鉄心171側の端は、圧縮ばね15に当接しており、他端は前記弁部材の一例としてのボ−ル2が溶接固定されている。磁気パイプ17の内部に配置されたバルブシ−ト3は、ボ−ル2の弁座となる傾斜面31を有すると共に燃料通路32を有する。ボ−ル2は、その外周部が五角形に加工されている。またその五角形によりバルブシ−ト3のガイド部33にガイドされて軸方向に前後動して傾斜面31に離着座可能な様に配置されている。
【0019】
噴口プレ−ト部材4は、その中心点(燃料通路32の中心軸)の周囲に且つ上記中心軸の周りに互いに等間隔で配設された複数(図3では8個)の噴口5を有し、バルブシ−ト3の図上での下端に液密に固定されている。各噴口5は、図2に示す通り、その中心線が上記中心軸に平行な線に対して角度θで一様に傾斜している。噴口プレ−ト部材4とバルブシ−ト3との間に設けられた燃料キャビティ6は、円盤状を呈し、燃料通路32と複数の噴口5とを連通する機能をなす。
【0020】
図2〜図3において、噴口プレ−ト部材4の燃料流路面41は、噴口プレ−ト部材4の中心と同心的に設けられた円形の高面粗度領域411(図3の梨地部)と、高面粗度領域411の外周部に設けられたリング状の低面粗度領域412(図3の白地部)とを含む。Hは燃料キャビティ6の軸方向の高さ(キャビティ高さ)、P1は噴口5の各中心点を結ぶピッチ円、P2は高面粗度領域411の外周のピッチ円である。ピッチ円P1およびピッチ円P2は、いずれも燃料キャビティ6の中心と同心となっている。また図3における矢印は、燃料流路面41上での燃料の流れ方向を示す。
【0021】
次に燃料噴射装置1の動作について説明する。外部より端子123を介してコイル12に通電すると、固定鉄心13、金属プレ−ト14、磁気パイプ17、可動鉄心171で構成される磁気通路に磁束が発生し、可動鉄心171が固定鉄心13に電磁吸引力により引き付けられ、可動鉄心171と接合され一体となっているニ−ドルパイプ173およびニ−ドルパイプ173に溶接固定されているボ−ル2が動作し、ボ−ル2がバルブシ−ト3の傾斜面31からた離座して燃料通路32が開状態とされる。
【0022】
燃料通路32が開状態であるとき、デリバリパイプ(図示せず)から燃料噴射装置1に供給された燃料は、フィルタ18を通過し、ついで固定鉄心13内に配置されているアジャスタ16および圧縮ばね15、可動鉄心171、ニ−ドルパイプ173の各内部、バルブシ−ト3のガイド部33とボ−ル2の外周の間を順次通過して円筒形の燃料通路32に至り、そこからさらに燃料キャビティ6を経て噴口5から外部(エンジンの燃焼室内)に噴射される。
【0023】
燃料キャビティ6内における燃料の流れに就き、図2〜図3により詳述すると、燃料通路32から燃料キャビティ6の中心部61へ流れ込んだ燃料は、図10に示す従来技術の場合と同様に、その流れの方向を変えて中心部61から燃料キャビティ6の径方向に、即ち外周部62に向って流れ(流れA)、そのうちの一部の燃料は噴口5に流入してそこから外部に噴射され、残りの燃料は噴口5間を通過して外周部62に到達し、その後燃料キャビティ6の外周壁63に衝突反射して再度方向を変えて噴口5に向う(流れB)。噴口5では、上記流れA、Bが衝突し、燃料流に乱れが生じた状態で噴口5より流出する。
【0024】
ここで上記流れA、Bの各流速に就き、図10に示す従来技術と実施の形態1との相違を説明する。高面粗度領域411を有しない従来技術の噴口プレ−ト部材4の燃料流路面41は、面粗度が一様であるので図9〜図11で説明した通り、流れAの流速が流れBのそれより大きいが、高面粗度領域411が設けられたことにより当該領域内での燃料の流動抵抗が増大し、その結果、流れAの流速が低下する。一方、上記ピッチ円P2を通過した燃料流は、低面粗度領域412を、即ち高面粗度領域411よりも流動抵抗の小さい領域を流れるので流れBの流速低下の程度が小さく、かくして流れA、B間の流速差が従来より低減して各噴口5での流れA、B間の衝突、燃料の微粒化が改善される。
【0025】
実施の形態2.
図4は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態2を説明するものであって、前記図2の矢印Zの方向からた見た他の平面図である。なお実施の形態2および後続の諸実施の形態においては、前記図1〜図3にて表示された部位と同じ部位に就いては同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0026】
図4において、噴口プレ−ト部材4の燃料流路面41は、噴口プレ−ト部材4の中心近傍から各噴口5の手前まで延在した擬似二等辺三角形の高面粗度領域411と、それ以外の低面粗度領域412とを含む。図4における矢印は、燃料流路面41上での燃料の流れ方向を示す。
【0027】
しかして実施の形態2は、前記実施の形態1とは高面粗度領域411が部分的に設けられた点において異なり、その他の構成は同じである。高面粗度領域411が設けられた個所は、各噴口5への流れAの流速が最も大きい個所であるので、高面粗度領域411は、この高流速を効果的に減速させる。一方、噴口5間の流路面は低面粗度領域412に属するので、噴口5間を通過する燃料流は、高流速を維持したままで燃料キャビティ6の外周壁63(図2参照)に衝突反射して流れBとなるので、流れBは前記実施の形態1の場合より高流速であり、かくして流れA、B間の流速差が実施の形態1の場合より低減して各噴口5での流れA、B間の衝突、燃料の微粒化が一層改善される。
【0028】
実施の形態3.
図5は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態3を説明するものであって、図2のZ方向からた見たさらに他の平面図である。実施の形態3では、各噴口5の流れAに直面する個所のみに半リング状の高面粗度領域411が設けられている。これら半リング状の高面粗度領域411は、実施の形態2における擬似二等辺三角形の高面粗度領域411と同様の作用、および燃料の微粒化を改善する作用をなす。
【0029】
実施の形態4.
図6〜図7は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態4を説明するものであって、図6は前記図1におけるC部の他の拡大図であり、図7は図6のZ方向からた見た平面図である。図6〜図7において、411は高面粗度領域であり、412は低面粗度領域である。高面粗度領域411は、円形の第一高面粗度領域411a、当該領域411aの外側に設けられたリング状の第二高面粗度領域411b、当該領域411bの外側に設けられたリング状の第三高面粗度領域411c、および当該領域411cのさらに外側に設けられたリング状の第四高面粗度領域411dの4領域から構成されている。上記4領域における各面粗度は、第一高面粗度領域411aが最も高く、漸次低下して第四高面粗度領域411dが最も低くなっており、低面粗度領域412のそれは第四高面粗度領域411dのそれよりさらに低くなっている。なお、第二高面粗度領域411bと第三高面粗度領域411cの両面粗度を同じとしてもよい。
【0030】
また図6〜図7において、P3は外側の噴口5aの各中心点を結ぶピッチ円であり且つ第四高面粗度領域411dの外周のピッチ円であり、P4は第三高面粗度領域411cの外周のピッチ円であり、P5は内側の噴口5bの各中心点を結ぶピッチ円であり且つ第二高面粗度領域411bの外周のピッチ円であり、P6は第一高面粗度領域411aの外周のピッチ円である。ピッチ円P3〜P6は、燃料キャビティ6の中心と同心となっている。実施の形態4においても、前記実施の形態1〜3と同様の流れが生じるので、燃料流を矢印A、Bのみで簡略表記する。後記の図8でも同様である。
【0031】
燃料キャビティ6の中心部61から外周部62に向う流れAは、上記4領域を通過する間に漸次流速が低下する。いま内側の噴口5bに着目すると、それらは燃料流速が特に大きい中心部61の近くに位置するので、高面粗度領域411が設けられない場合には噴口5bにおける流れA、B間の流速差が外側の噴口5aにおけるそれより大きいが、第一高面粗度領域411aが設けられることにより噴口5bにおける流れA、B間の流速差がある程度低下する。その上、噴口5bは、その中心部61側が第二高面粗度領域411bに囲まれ、その外周部62側は当該領域411bより低面粗度の第三高面粗度領域411cに囲まれているので、噴口5bにおける流れA、B間の流速差が一層低下する。一方、外側の噴口5aは、その中心部61側が第四高面粗度領域411dに囲まれ、その外周部62側は当該領域411dより低面粗度の低面粗度領域412に囲まれているので、流れA、B間の流速差が低下する。
【0032】
実施の形態5.
図8は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態5を説明するものであって、図6のZ方向からた見た他の平面図である。実施の形態5では、各噴口5bの流れAに面する個所に半リング状の高面粗度領域411が設けられており、この点においてのみ前記実施の形態5と異なる。半リング状の高面粗度領域411は、それの面粗度が前記第一高面粗度領域411aのそれと同程度あるいはそれ以上とすることにより、噴口5bでの流れA、B間の流速差が低下する。さらに外側の各噴口5aでは、その中心部61(図6参照)側に噴口5bおよび高面粗度領域411が存在し、それらは流れAの流速を低下する作用をなし、その外周部62側は低面粗度領域412に囲まれているので、やはり流れA、B間の流速差が低下する。
【0033】
実施の形態1〜5において、高面粗度領域411と低面粗度領域412とにおける面粗度の差は、燃料キャビティ6内に供給される燃料の流量や流速、燃料キャビティ6のサイズ特にキャビティ高さHあるいはその他により依存するが、一般的には、噴口プレ−ト部材4の燃料流路面41における平均高低差にして0.5μm〜2μm程度であり、例えば低面粗度領域412の面粗度が2μmである場合、高面粗度領域411の面粗度は例えば2.5μm以上、好ましくは5μm程度以上とされる。あるいはまた、高面粗度領域411における面の高低差は、キャビティ高さHの少なくとも1/30以上であり、低面粗度領域412におけるそれはキャビティ高さHの1/50〜1/100程度である。
【0034】
本発明は、前記実施の形態1〜5に限定されるものではなく、本発明の主旨に沿った種々の変形実施形態を包含する。実施の形態1〜5では、専ら1スプレータイプについて、しかもピッチ円の中心またはその近傍から外周方向に向かう燃料流速がその反対方向の燃料流速より大きい場合について例示したが、ピッチ円の外周から中心方向に向かう燃料流速がその反対方向の燃料流速より大きい場合、あるいは2スプレータイプ以上の多スプレータイプであっても、燃料流速の強弱に応じて噴口プレ−ト部材の燃料流路面の面粗度を設計調節すればよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る燃料噴射装置は、以上説明した通り、複数の噴口を有する噴口プレ−ト部材、上記噴口に通じる燃料通路と弁座を有するバルブシ−ト、上記噴口プレ−ト部材と上記バルブシ−トとの間に設けられて上記燃料通路と噴口とを連通する燃料キャビティ、上記弁座に離着座して上記燃料通路を開閉する弁部材を備えた燃料噴射装置であって、上記複数の噴口のうちの少なくとも一部の噴口においては、上記噴口の周囲から上記噴口に流入する燃料の流入位置上の流速差が減少するように、燃料流速が大きい燃料流路面を高面粗度領域とし、燃料流速の小さい燃料流路面を低面粗度領域とし、且つ上記高面粗度領域の面粗度は、上記低面粗度領域の面粗度より0.5〜4μm程度大きくしたことを特徴とするものであるので、各噴口に流入する燃料の衝突が良好となって燃料の微粒化が改善され、しかして自動車用エンジンなどの内燃機関における燃料の燃焼効率が改善される効果がある。
【0036】
また、上記複数の噴口は、1以上のピッチ円を描くように設けられ、例えば上記ピッチ円は、上記燃料キャビティの中心と略同心円であり、あるいは上記ピッチ円は、中心を互いに異にする複数個を含むものであって、上記ピッチ円の中心またはその近傍から外周方向に向かう燃料流速がその反対方向の燃料流速より大きい場合においては、上記噴口の上記ピッチ円の中心側の燃料流路面の面粗度を上記噴口の上記外周側の燃料流路面の面粗度より大きくすることにより、前記した効果が得られる。上記ピッチ円の外周側から中心またはその近傍に向かう燃料流速がその反対方向の燃料流速より大きい場合については、上記噴口の上記外周側の燃料流路面の面粗度を上記中心側の燃料流路面の面粗度より大きくすることにより、上記と同様の効果が得られる。
【0037】
また上記高面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの少なくとも1/30以上であり、上記低面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの1/50〜1/100程度であると、上記噴口の周囲から上記噴口に流入する燃料の流入位置上の流速差が一層減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料噴射装置における実施の形態1の断面図。
【図2】 図1におけるC部の拡大図。
【図3】 図2の矢印Zの方向からた見た平面図。
【図4】 本発明の燃料噴射装置における実施の形態2を説明する、図2の矢印Zの方向からた見た他の平面図である。
【図5】 本発明の燃料噴射装置における実施の形態3を説明する、図2のZ方向からた見たさらに他の平面図。
【図6】 本発明の燃料噴射装置における実施の形態4を説明する、図1におけるC部の他の拡大図。
【図7】 図6のZ方向からた見た平面図。
【図8】 本発明の燃料噴射装置における実施の形態5を説明する、図6のZ方向からた見た他の平面図。
【図9】 従来の燃料噴射装置例における一部断面図。
【図10】 図9の一部の平面図。
【図11】 図9の一部の拡大断面図。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置、2 ボ−ル、3 バルブシ−ト、32 燃料通路、
4 噴口プレ−ト部材、41燃料流路面、411 高面粗度領域、
412 低面粗度領域、5 噴口、6 燃料キャビティ。

Claims (5)

  1. 複数の噴口を有する噴口プレ−ト部材、上記噴口に通じる燃料通路と弁座を有するバルブシ−ト、上記噴口プレ−ト部材と上記バルブシ−トとの間に設けられて上記燃料通路と噴口とを連通する燃料キャビティ、上記弁座に離着座して上記燃料通路を開閉する弁部材を備えた燃料噴射装置であって、上記複数の噴口のうちの少なくとも一部の噴口においては、上記噴口の周囲から上記噴口に流入する燃料の流入位置上の流速差が減少するように、燃料流速が大きい燃料流路面を高面粗度領域とし、燃料流速の小さい燃料流路面を低面粗度領域とし、且つ上記高面粗度領域の面粗度は、上記低面粗度領域の面粗度より0.5〜4μm程度大きくしたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 上記複数の噴口は、1以上のピッチ円を描くように設けられたことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 上記ピッチ円は、上記燃料キャビティの中心と略同心円であることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置。
  4. 上記ピッチ円は、中心を互いに異にする複数個を含むことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置。
  5. 上記高面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの少なくとも1/30以上であり、上記低面粗度領域における面の高低差は、上記燃料キャビティの高さの1/50〜1/100程度であることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
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