JP3705317B2 - カラー画像形成方法およびカラー画像形成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機、カラー印刷装置等を含む、3色以上の色材量により色再現を行なうカラー画像形成システム、および、カラー画像形成方法に関するものであり、特に、入力色信号から適切な色再現時の色材量を決定するカラー画像形成方法およびカラー画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像形成システムでは、被記録媒体上に画像を形成する色材を、装置に依存した方法によって被記録媒体上に配置することによって画像を形成する。色再現範囲は被記録媒体や色材等の物理的な特性や、色材の配置方法などの制約を受ける。一般に、フルカラーの印刷には、シアン,マゼンタ,イエローの3原色もしくは、この3原色に墨を加えた4色が用いられる。
【0003】
一方、フルカラーの画像はこれらの制約によらず、現実的には色再現範囲を外れた記録が不可能な色域を含むことがある。例えば、CRT装置などの画像に基づいて、ハードコピー画像を形成しようとすると、CRT装置とハードコピーが像を形成する画像形成装置の色再現範囲が異なるために、再現ができない領域が生じる場合がある。
【0004】
このように、ある画像形成装置の色再現範囲外の色を含む画像を再現するためには、再現できない色領域を、再現できる色領域に再配置する必要がある。このような操作は色域圧縮と呼ばれている。色域圧縮法として一般的な手法は、色差が最小な色に再配置する手法(カラリオメトリック・マッピング)や、画像全体の彩度を落とすことにより色域圧縮を行なう手法(パーセプチャル・マッピング)などが知られている。例えば特公平5−48657号公報に記載されている装置では、再現範囲外の色を色差が最小となる色に再配置している。
【0005】
また、色域圧縮を行なう別の手法として、シアン,マゼンタ,イエローの3色だけを用いて再現を行なう場合には、例えば特開平6−189121号公報に記載されている手法が知られている。この手法は、CRT装置に表示されている画像を、シアン,マゼンタ,イエローの3色による再現を行なう熱昇華型プリンタで再現する場合を想定し、再現できない色については入力信号に応じて異なった評価関数を用いて色域圧縮を決定するものである。
【0006】
近年の色変換技術の進展により、このような色域圧縮の技術は、色再現範囲内の色に副作用をもたらすことなく、非常に高い自由度を持って色域圧縮を行なえるようになってきている。
【0007】
このような従来の色域圧縮による色再現範囲外の色の再現は、色再現範囲の形状のみに着目し、色再現範囲外の色彩を、色再現範囲にどのように圧縮するかということについて考慮したものであった。しかしながら、実際に色再現を行なうと、混色の明度が著しく変化したり、色相が僅かだけ変化しても彩度が著しく変化するなどの課題があった。これは、実際の画像形成に用いられている色材の特性を考慮して、色再現範囲への圧縮を行なっていないことによるものである。
【0008】
例えば、一般的にイエローの色材は高い明度の再現が可能であるのに対し、シアンとマゼンタの色材は高い濃度や面積率が大きい場合には明度が低下するという特性を有している。また、いずれの色材でも混色を行なうと明度が低下する傾向がある。このような特性を考慮せずに色再現範囲を圧縮すると、色相によっては明度が著しく変化したり、彩度が著しく低下するという問題があった。
【0009】
また、再現色が入力色に比べて明るいか、暗いか、等明度であっても低彩度であるかにより、望ましい圧縮方法や評価関数は異なる。例えば、黄色の色材1種類だけを用いた画像を、異なるプリンタで面積率を制御することにより再現を行なう場合には、最も色差が小さい混色により再現を行なうより、色差が増大しても、混色を行なわない範囲で再現できる色彩で再現を行なう方が望ましい場合が多い。
【0010】
このように、実際に記録に用いられている色材に起因する色再現範囲の形状の特性があるにもかかわらず、従来の色域圧縮における手法はカラリオメトリック・マッピングに見られるように、どの色相方向でも統一的な手法を用いていた。
【0011】
一方、混色、例えば、緑色では、混色による再現が行なわれているので、混色を形成する各色材の配分を維持するよりは、色差や明度差が少ない再現が望ましい。青系統の色彩では、特に明度が低いシアンとマゼンタの混色が用いられているので、高明度の色再現範囲外の色は、できるだけ明度差を少なくして再現することが望ましい。しかし、従来の色域圧縮手法では、再現色や、入力色に着目し、このような配分の調整について考慮されることはなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、再現色や入力色に加えて、再現される色材の量や配分によって適切な色域圧縮を行ない、良好なカラー画像を再現するカラー画像形成方法およびカラー画像形成システムを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3色以上の色材量により再現色を制御するカラー画像記録システムにおいて、所定の色空間上で定義される第1の距離関数による距離が最小になるように入力色信号を第1の色材量に変換し、変換した第1の色材量と入力色信号から所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成し、合成された第2の距離関数による所定の色空間上の距離が最小になるように、入力色信号から出力色材量を決定する。そして、決定された出力色材量に従ってカラー画像を形成するものである。
【0014】
第2の距離関数は、例えば第1の色材量により再現される再現色を所定の色空間上で求め、その再現色の色座標と第1の色材量と入力色信号から合成したり、さらに第1の色材量より純色度合いを算出し、その純色度合いも加味して合成することができる。あるいは、入力色信号、第1の色材量、および、入力色信号と第1の色材量の第1の距離関数による距離に基づき、入力色信号が色再現範囲を外れている場合に、入力色信号が色再現範囲に対して過明、等明度過彩、過暗のいずれであるかを認識し、認識結果に応じて第1の色材量の配分または純色度合いを認識し、第1の色材量の配分または純色度合いと入力色信号と再現色の色座標から第2の距離関数を合成することもできる。
【0015】
より具体的には、第2の距離関数は、明度、色度、色相差のうち少なくとも1つが、入力色信号(例えば明度や白色点から色差)および第1の色材量(例えば第1の色材量の配分または純色度合いなど)に依存する寄与度に応じて関数値に寄与するように合成することができる。あるいは、明度差、色度差、色相差に相当する量のうち少なくとも1つが、入力色信号(例えば明度や白色点から色差)および第1の色材量(例えば第1の色材量の配分または純色度合いなど)に基づいた所定の係数を乗じた項を含む関数として合成することができる。
【0016】
純色度合いを用いる場合には、例えば混色による影響を受けやすいイエローの純色度合いを用いることができる。また、第1の距離関数による距離が所定値以下である場合には、第1の色材量を出力色材量として用いることができる。
【0017】
このようにして、第2の距離関数を従来のように一律に決めるのではなく、上述のように種々の要因を考慮して合成するので、例えば再現色や入力色、再現される色材の量や配分などによって適切な色域圧縮を行なうことができる。これによって、色再現範囲外の色も適切な再現可能な色で再現され、高品質のカラー画像を再現することができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカラー画像形成方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。ここでは、CIEL* * * (D50)色空間上の色座標値を、所定のプリンタ、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色材量(以下、CMYK色材量と記す)に変換する場合について説明する。なお、ここでは入力色信号の色空間と、後述する距離を定義する色空間は同じであるとするが、同じ色空間でなくても本発明の適用は可能である。
【0019】
まずS11において、入力色信号を得る。ここでは入力色信号の色空間をL* * * 色空間としているので、入力色信号の値がそのままL* * * 色空間上の色座標値となる。S12において、入力色信号の色座標値を、第1の距離関数が最小となるように第1のCMYK色材量に変換する。このとき、第1の距離関数として、L* * * 色差を用いる。2つのL* * * 色空間上の色座標(L* 1* 1* 1)と(L* 2* 2* 2)のL* * * 色差△Eは、
△E=√{(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22
で与えられる。一般には、CMYK色材量を一意に定めることはできないが、例えば、第9回色彩光学コンファレンス論文集,1992,喜多ほか,4−3「L* * * を用いたフレキシブルUCR」等に記載されているような「フレキシブルUCR」によって第1のCMYK色材量を得ることができる。もちろん、他の方法を用いてもよい。
【0020】
S13において、C,M,Y,Kの色材を用いて画像を形成する所定のプリンタもしくはそれをモデル化したもの(以下、プリンタモデルと記す)に基づいて、第1のCMYK色材量から、再現されるL* * * 色空間上の色座標を得る。S14において、S13で得た色座標と、S11で得た入力色信号の色座標値を比較する。色差が所定の値以下であれば、良好に再現されるものとして「色再現範囲内」と判定し、S22において第1のCMYK色材量を出力する。一方、色差が所定値より大きい場合には、良好に再現されない「色再現範囲外」であると判定し、S15へ進む。
【0021】
S15において、S13で得た色座標の明度軸の値である再現明度と、S11で得た入力色信号の色座標値のうちの明度値である入力明度を比較する。再現明度の方が入力明度よりも暗い状態、すなわち「過暗」の場合、S16において黄色純色率を算出する。黄色純色率は、
黄色純色率=(Y+K)/(C+M+Y+3・K)
で算出される。ただし、C=M=Y=K=0のときは黄色純色率は0とする。
【0022】
次にS17において、S16で求めた黄色純色率に基づいて、明度の重みαを算出する。重みαは、
α=2.0/(黄色純色率+1.0)
により定める。この式に示したように、重みαはイエローの割合によって定まる値であり、イエローの純色だけから構成される画像の場合には1、イエローが含まれない場合には2となる。ここで、式中の1.0,2.0などの定数は、設定される重みαの取りうる範囲に応じて任意に変更可能である。
【0023】
さらにS18において、重みαを用いて、第2の距離関数△Dを合成する。例えば第2の距離関数△Dは、
△D=√{α(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22
とすることができる。そして、S21においてこの第2の距離関数△Dが最小となるように、第2のYMCK色材量を算出し、S22において出力する。
【0024】
この第2の距離関数△Dは、再現明度の方が入力明度よりも暗い状態、すなわち「過暗」の場合の関数である。上述のように、イエローの色材は高明度を再現しやすく、また、イエローの色材量が多い場合には、最も色差が小さい混色により再現を行なうより、色差が増大しても、混色を行なわない範囲で再現できる色彩で再現を行なう方が望ましい。そのため、再現画像が暗い場合には、黄色純色率が大きいとき、重みαを小さくして上述の第2の距離関数△Dの明度の違いに対する感度を鈍くする。これにより色差を保存し、明度の差が大きくてもかまわないような関数となる。逆に、黄色純色率が小さい場合には重みαを大きくして明度の差に対する感度を鋭くし、相対的に色差に対する感度を低下させる。これにより、明度をあまり変化させない関数となる。
【0025】
一方、S14において「色再現範囲外」と判定され、かつ、S15で再現明度の方が入力明度よりも明るい状態、すなわち「過明」であるか、等明度であっても彩度が高すぎる状態、すなわち、「等明度過彩」であると判定された場合には、S19において、重みαを設定する。ここでは重みαを2とする。そしてS20において、例えば第2の距離関数△Dを
△D=√{2(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22
により定める。S21において、この第2の距離関数△Dが最小となるように第2のYMCK色材量を算出し、S22において出力する。
【0026】
この第2の距離関数△Dにおいて、重みαに設定する定数は任意の値でよく、上述のように明度差に対する感度を決定するものである。この値が大きければ明度差によって関数値が大きく変化するため、この関数を最小とするためには明度差を小さくしなければならず、相対的に明度を保つことになる。逆に、この値が小さければ明度差によって関数値は変化せず、色差によって変化するので、この関数を最小とするためには色差を小さくしなければならず、相対的に色差を保つことができる。
【0027】
図2は、本発明のカラー画像形成方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。上述の第1の実施の形態と同様に、CIEL* * * (D50)色空間上の色座標値を、C,M,Y,Kの色材を用いて画像を形成する所定のプリンタの色材量に変換するものである。
【0028】
まずS31において、入力色信号からL* * * 色空間上の色座標値を得る。S32において、入力色信号の色座標値を、L* * * 色差(第1の距離関数)が最小となるように第1のCMYK色材量に変換するが、以下の処理ではKを用いずに処理を進める。S33において、プリンタモデルに基づき、第1のCMY色材量によって再現されるL* * * 空間上の色座標を得る。
【0029】
S34において、S33で得た色座標とS31で得た色座標値を比較し、色差が所定の値以下であれば「色再現範囲内」と判定し、S42においてS32で変換した第1のCMYK色材量を出力する。
【0030】
一方、S34において色差が所定の値より大きく、「色再現範囲外」と判定された場合には、さらにS35においてS33で得た色座標の明度軸の値である再現明度と、S31で得た入力色信号の色座標値のうちの明度値である入力明度を比較する。再現明度の方が入力明度よりも暗い状態、すなわち「過暗」の場合、S36において、黄色純色率を算出する。ここでは黄色純色率を
黄色純色率=Y/(Y+M+C)
とする。ただし、C=M=Y=0のときは黄色純色率を0とする。
【0031】
S37において、S36で算出した黄色純色率に基づいて、明度の重みαを算出する。明度の重みαは、
α=2.0/(黄色純色率+1.0)
により定める。この式は上述の第1の実施の形態と同じ式である。また、色材量の最大値、すなわち、max(Y,M,C)から、色度の重みβを算出する。色度の重みβは、
β=200.0/(max(Y,M,C)+100.0)
により算出する。ここで、Y,M,Cは面積率(%)とする。また、定数200.0および100.0は設定する重みβの範囲によって任意に設定可能である。
【0032】
重みβは、色材量の最大値が0に近い、すなわち、淡色領域では大きく、濃色領域では小さくなる値である。淡色の彩度の高い色で明度を重視すると、再現色の彩度が著しく低下する場合がある。上述の色度の重みβをa* 値の差分とb* 値の差分にそれぞれ乗じることによって、淡色領域で重みβを大きくして彩度を重視するように距離関数を定めることができる。ここでは色材量の最大値を用いたが、入力色信号の明度やCMY色材量の総和を用いて重みβを決めても同様の効果を得ることができる。
【0033】
次にS38において、明度の重みαと色度の重みβを用いて、第2の距離関数△Dを合成する。例えば第2の距離関数△Dは、
△D=√{α(L* 1−L* 22 +β(a* 1−a* 22 +β(b* 1−b* 22
と定めることができる。この第2の距離関数△Dは、上述の第1の実施の形態と同様に重みαによってイエローの色材の特性に従って明度の重みを変化させるとともに、画像の濃淡に従って色度の重みを変化させることができる。
【0034】
一方、S34で「色再現範囲外」と判定され、かつ、S35で再現明度の方が入力明度よりも明るい状態、すなわち「過明」であるか、等明度であっても彩度が高すぎる場合、すなわち、「等明度過彩」である場合と判定された場合には、S39において、明度の重みαと色度の重みβを所定値に設定する。ここでは、明度の重みαを2に、また色度の重みβを1に設定する。これらの設定値は任意である。S40において、第2の距離関数△Dを合成する。例えば、S39で設定したα=2、β=1より、
△D=√{2(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22
と定めることができる。
【0035】
S38あるいはS40で第2の距離関数△Dが合成された後、S41において、合成された第2の距離関数△Dが最小となるように、入力色信号の色座標値を第2のCMYK色材量に変換する。そしてS42において、S41で得られた第2のCMYK色材量を出力する。
【0036】
図3は、本発明のカラー画像形成方法の第3の実施の形態を示すフローチャートである。この第3の実施の形態では、第2の距離関数を合成する際に、明度、色度とともに、色相も考慮して合成する例を示す。ここでは、CIE XYZ反射率(D50)色空間上の色座標値を、C,M,Y,Kの色材を用いて画像を形成する所定のプリンタの色材量に変換するものとして説明する。
【0037】
まず、S31において、入力色信号からXYZ反射率色空間上の色座標値を得る。一般に、XYZ反射率色空間上では色差は定義されないが、XYZ反射率色空間は、一意にL* * * 色空間に変換することができる。L* * * 色空間上では色差を定義できるので、ここでは、XYZ反射率色空間上の色差を、対応するL* * * 色空間での色差とする。
【0038】
S32において、入力色信号の色座標値を、L* * * 色差(第1の距離関数)が最小となるように第1のCMYK色材量に変換するが、以下の処理ではKを用いずに処理を進める。S33において、プリンタモデルに基づき、第1のCMY色材量によって再現されるXYZ反射率空間上の色座標を得る。
【0039】
S34において、S33で得た色座標とS31で得た色座標値を比較し、色差が所定の値以下であれば「色再現範囲内」と判定し、S42においてS32で変換した第1のCMYK色材量を出力する。
【0040】
一方、S34において色差が所定の値より大きく、「色再現範囲外」と判定された場合には、さらにS35においてS33で得た色座標の明度軸の値である再現明度と、S31で得た入力色信号の色座標値のうちの明度値である入力明度を比較する。再現明度の方が入力明度よりも暗い状態、すなわち「過暗」の場合、S36において、黄色純色率を算出する。ここでは黄色純色率を、上述の第2の実施の形態と同様に、
黄色純色率=Y/(Y+M+C)
とする。ただしC=M=Y=0のときは黄色純色率を0とする。
【0041】
S51において、明度の重みα、色度の重みβとともに、色相に相当する量の重みγを算出する。まず、S36で算出した黄色純色率に基づいて、明度の重みαを算出する。明度の重みαは、この第3の実施の形態では
α=(3.0−y)/(黄色純色率+1.0)
により定める。XYZ反射率色空間におけるY反射率yは明度を示す。Y反射率が高い場合、すなわち、明度が高い場合には、(3.0−y)の項は小さくなる。逆に、Y反射率が低い場合、すなわち、明度が低い場合には、(3.0−y)の項は大きくなる。上述の第1の実施の形態において、淡い青など、明度が高く、黄色純色率が低い淡色領域では、明度の重みαが大きくなり、明度を重視するために、彩度が低下する傾向がある。このような距離関数を用いると、場合によっては、淡い青が極端に薄くなる現象が発生することがある。そこで、この第3の実施の形態では、明度の重みαに明度を勘案した項を用いることにより、淡い領域の再現を改善することができる。ここでは、明度を用いて淡い領域の補正を行なったが、例えば白色点からの色差を用いて淡い領域の補正を行なうことも可能である。
【0042】
また、色材量の最大値、すなわち、max(Y,M,C)から、色度の重みβを算出する。色度の重みβは、上述の第2の実施の形態と同様、
β=200.0/(max(Y,M,C)+100.0)
により算出する。ここで、Y,M,Cは面積率(%)とする。また、定数200.0および100.0は設定する重みβの範囲によって任意に設定可能できる。
【0043】
重みβは、色材量の最大値が0に近い、すなわち、淡色領域では大きく、濃色領域では小さくなる値である。淡色の彩度の高い色で明度を重視すると、再現色の彩度が著しく低下する場合がある。上述の色度の重みβをa* 値の差分とb* 値の差分にそれぞれ乗じることによって、淡色領域で重みβを大きくして彩度を重視するように距離関数を定めることができる。ここでは色材量の最大値を用いたが、入力色信号の明度やCMY色材量の総和を用いて重みβを決めても同様の効果を得ることができる。
【0044】
またこの第3の実施の形態ではさらに、色材量から色相に相当する量の重みγを算出する。色相に相当する量の重みγは、
γ=1.0−max(Y+K,M+K,C+K)/(Y+M+C+3・K)により算出する。この値は、純色度が高いほど、小さくなる値である。色空間上では、赤、緑、青の単色に近いほど大きい値となる。
【0045】
次に、S52において、明度の重みα、色度の重みβと、色相に相当する量の重みγを用いて、第2の距離関数△Dを合成する。例えば第2の距離関数△Dは、
△D=√{α(L* 1−L* 22 +β(a* 1−a* 22 +β(b* 1−b* 22 }+γ[√{(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }−√{α(L* 1−L* 22 }−√{(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }]
と定めることができる。ここで、項[√{(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }−√{α(L* 1−L* 22 }−√{(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }]は、メトリック ヒューとして知られる、色相に相当する量の差分である。この第2の距離関数△Dは、上述の第1の実施の形態と同様に重みαによってイエローの色材の特性に従って明度の重みを変化させるとともに、画像の濃淡に従って色度の重みを変化させることができる。
【0046】
一方、S34で「色再現範囲外」と判定され、かつ、S35で再現明度の方が入力明度よりも明るい状態、すなわち「過明」であるか、等明度であっても彩度が高すぎる場合、すなわち、「等明度過彩」である場合と判定された場合には、S53において、明度の重みαと色度の重みβと色相に相当する量の重みγを所定値に設定する。ここでは、明度の重みαを2に、また色度の重みβを1に、色相に相当する量の重みγを0.3にそれぞれ設定する。これらの設定値は任意である。S54において、第2の距離関数△Dを合成する。例えば、S53で設定したα=2,β=1,γ=0.3より、
△D=√{2(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }+0.3[√{(L* 1−L* 22 +(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }−√{α(L* 1−L* 22 }−√{(a* 1−a* 22 +(b* 1−b* 22 }]
と定めることができる。
【0047】
S52あるいはS54で第2の距離関数△Dが合成された後、S41において、合成された第2の距離関数△Dが最小となるように、入力色信号の色座標値を第2のCMYK色材量に変換する。そしてS42において、S41で得られた第2のCMYK色材量を出力する。
【0048】
図4は、本発明のカラー画像形成方法の第4の実施の形態を示すフローチャートである。図1と同様の処理内容には同じ符号を付して説明を省略する。この第4の実施の形態では、上述の第1の実施の形態における「黄色純色率」に代えて「純色率」を用いている。
【0049】
S14における色再現範囲内か否かの判定において色再現範囲外と判定された場合には、S61において再現明度と入力明度を比較する。この実施の形態では、再現明度が入力明度以下の場合には純色率を用いた重み付けを行なう。すなわち、再現明度が入力明度と等しい「等明度過彩」の場合にも、「過暗」と同じ処理を行なうこととする。
【0050】
S62において、純色率を算出する。純色率は、例えば
純色率=max(Y+K,M+K,C+K)/(Y+M+C+3・K)
により定めることができる。これを用いて、S63において明度の重みαを算出する。第1の実施の形態に従い、重みαは
α=2.0/(純色率+1.0)
により定めることができる。この式中の定数も任意である。S18で合成する第2の距離関数△Dは、上述の第1の実施の形態と同様である。
【0051】
上述の純色率は、第2の実施の形態と同様にKを用いずに純色率を算出してもよい。その場合、純色率は例えば
純色率=max(Y,M,C)/(Y+M+C)
により定めることができる。また、第2の距離関数△Dの合成に用いる重みとして、明度の重みα以外に、第2の実施の形態で示した色度の重みβを用い、第2の実施の形態における第2の距離関数△Dを合成するように構成してもよい。もちろん、第3の実施の形態で示した色相に相当する量の重みγも用いて第2の距離関数△Dを合成することもできる。
【0052】
この第4の実施の形態で示したように純色率を用いることによって、イエロー以外のシアン、マゼンタの純色に近い濃い色の場合にも、色度を変化させずに明度を変化させ、なるべく色材を混色させないように色域圧縮を行なうことができる。なお、「等明度過彩」の場合にこの例では「過暗」と同じ処理を行なったが、第1の実施の形態と同様に「過明」と同じ処理を行なってもよい。
【0053】
図5は、本発明のカラー画像形成方法の第5の実施の形態を示すフローチャートである。図中、図4と同様の処理には同じ符号を付してある。この第5の実施の形態では、上述した3種類の実施の形態とは異なり、色再現範囲内外判定と、明度差による判定を行なわない例を示している。
【0054】
上述の各実施の形態と同様に、S11で入力色信号が入力され、その色座標値をもとにS12で第1のCMYK色材量を算出する。次に、色再現範囲内外判定と、明度差による判定を行なわずに、第4の実施の形態における「過明」、「等明度過彩」の場合と同様の処理を行なう。S62において、純色率を算出し、この純色率に基づいて、S63において明度の重みαを算出し、S18において第2の距離関数△Dを合成する。そしてS21において、この第2の距離関数△Dが最小となるように、第2のCMYK色材量を求め、S22で出力する。
【0055】
第2のCMYK色材量を求める際に、色再現範囲内の色についても同様の処理を行なうことになるが、距離の性質から、色再現範囲内では距離関数によらず距離が0となるので、第1のCMYK色材量がそのまま第2のCMYK色材量として再現されることになる。また、この例では「過明」、「過暗」、「等明度過彩」の区別をしていないので、いずれの場合も純色率に応じた変換がなされることになる。もちろん、明度の重みαとともに、色度の重みβや色相に相当する量の重みγを用いて第2の距離関数△Dを合成してもよい。
【0056】
なお、上述の各実施の形態で用いた第1の距離関数△Eや第2の距離関数△D、黄色純色率、純色率、明度の重みα、色度の重みβ、色相に相当する量の重みγなどの式は一例であって、目的や装置によって適切な式を定義し、合成することができる。
【0057】
図6は、本発明のカラー画像形成システムの実施の一形態を示す構成図である。図中、1は第1の色材量算出部、2は記録部、3は測色部、4は明度判定部、5は関数合成部、6は第2の色材量算出部、7は色変換部である。ここでは、入力色信号としてRGB信号が入力するものとし、記録部2はC,M,Y,Kの色材を用いて記録を行なうものとする。
【0058】
第1の色材量算出部1は、入力色信号であるRGB信号から、例えばL* * * 色空間上の色座標値に変換し、第1の距離関数を用いてL* * * 色差が最小となるように、K(墨)を用いないで3色のCMY信号を算出する。この結果を記録部2によって記録させる。これによってテスト画像が形成される。
【0059】
明度判定部4は、テスト画像を測色部3で測色することにより得られた再現色の測色値得て、その測色値の明度と、入力色信号の明度とを比較して比較結果を関数合成部5に出力する。
【0060】
関数合成部5は、明度判定部4からの判定結果に応じて、測色部3からの再現色の測色値、第1の色材量算出部1で算出したCMY信号、および入力色信号をもとに、L* * * 色空間上で定義される第2の距離関数を合成し、第2の色材量算出部6に出力する。このとき、黄色純色度や純色度などを用いることができる。また、色の濃淡や色相などを考慮してもよい。
【0061】
第2の色材量算出部6は、関数合成部5で合成した第2の距離関数を用いて入力色信号との距離が最小となるようにCMYK色材量を決定する。決定したCMYK色材量は、入力色信号であるRGB信号と組にして色変換部7に格納する。
【0062】
色変換部7は、RGB信号の値とCMYK色材量との対応関係を、例えばテーブルなどによって保持する。入力されるRGB信号に対応するCMYK色材量を出力する。出力されたCMYK色材量に従って記録部2で画像を形成することにより、記録部2の色再現範囲外の色も適切に再現された高品質の画像を得ることができる。
【0063】
このようなシステムによって、上述のカラー画像形成方法の第1ないし第5の実施の形態のいずれも実現可能である。例えば上述の第1,4,5の実施の形態を実現する場合には、第1の色材量算出部1でRGB信号をL* * * 色空間の色座標値に変換し、K(墨)を含む第1のCMYK信号を出力するように構成するとともに、以後の処理をL* * * 色空間において行なうようにすればよい。また、上述の第5の実施の形態を実現する場合には、明度判定部4は不要である。
【0064】
なお、通常の画像形成時には、第1の色材量算出部1、測色部3、明度判定部4、関数合成部5、第2の色材量算出部6は不要であるので、切り離して使用できるように構成してもよい。逆に、色材量の決定のみを行なう画像形成システムとして色変換部7を切り離して使用してもよい。また、測色部3は通常使用される測色機器をそのまま利用することができる。さらに、記録部2は、色変換部7等と直結されていなくても、例えばネットワークを介して接続されているなど、種々のシステム構成をとっていてもよい。
【0065】
また、この例では第1の色材量算出部1で算出した第1のCMY信号から実際に記録部2で記録を行なって、再現色を測色部3で測色したが、これに限らず、第1のCMY信号から再現色が推定できれば、例えばシミュレーションなど、種々の方法を用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一旦色材量に変換することによって変換しようとしている色域の色再現範囲の形状の特性を把握し、色材の量や配分によって望ましい圧縮方向を推定し、推定した望ましい圧縮方向を勘案して色域圧縮を行なう。これによって、再現色や入力色に加えて、再現される色材の量や配分によって適切な色域圧縮を行なうことができる。そのため、色再現範囲外の色も適切な再現可能な色で再現され、高品質の画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラー画像形成方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】 本発明のカラー画像形成方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図3】 本発明のカラー画像形成方法の第3の実施の形態を示すフローチャートである。
【図4】 本発明のカラー画像形成方法の第4の実施の形態を示すフローチャートである。
【図5】 本発明のカラー画像形成方法の第5の実施の形態を示すフローチャートである。
【図6】 本発明のカラー画像形成システムの実施の一形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1…第1の色材量算出部、2…記録部、3…測色部、4…明度判定部、5…関数合成部、6…第2の色材量算出部、7…色変換部。

Claims (30)

  1. 3色以上の色材量により再現色を制御するカラー画像記録システムにおけるカラー画像形成方法において、所定の色空間上で定義される第1の距離関数による距離が最小になるように入力色信号を第1の色材量に変換する第1のステップと、前記第1の色材量と前記入力色信号から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する第2のステップと、合成された前記第2の距離関数による前記所定の色空間上の距離が最小になるように前記入力色信号から出力色材量を決定する第3のステップにより決定された出力色材量によってカラー画像を形成することを特徴とするカラー画像形成方法。
  2. 前記第2のステップは、前記第1の色材量により再現される再現色を前記所定の色空間上で求めて第1の色座標を得る第4のステップと、前記第1の色材量と前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される前記第2の距離関数を合成する第5のステップにより、前記第2の距離関数を合成することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  3. 前記第5のステップは、前記第1の色材量より純色度合いを算出する第6のステップと、前記純色度合いと前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する第7のステップにより、前記第2の距離関数を合成することを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成方法。
  4. 前記第2のステップは、前記入力色信号、前記第1の色材量、および、前記入力色信号と前記第1の色材量の前記第1の距離関数による距離に基づき前記入力色信号が前記カラー画像記録システムの色再現範囲外である場合に前記入力色信号が前記色再現範囲に対して過明、等明度過彩、過暗のいずれであるかを認識する第8のステップと、該認識の結果に応じて前記第1の色材量の配分または純色度合いを認識する第9のステップと、前記入力色信号が前記カラー画像記録システムの前記色再現範囲外である場合に前記配分または前記純色度合いと前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する第10のステップにより、前記第2の距離関数を合成することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  5. 前記色材は少なくともシアン、マゼンタ、イエローを含み、前記純色度合いとしてイエローの純色度合いを算出することを特徴とする請求項3または4に記載のカラー画像形成方法。
  6. 前記所定の色空間は、明度、色度からなる色空間であり、前記第2の距離関数は、明度あるいは明度と色度に所定の係数を乗ずることにより合成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  7. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度と色度のうち少なくとも1つが、前記入力色信号および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  8. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうちの少なくとも1つが、前記入力色信号および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  9. 前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度差、色度差、および、色相差に相当する量のうちの少なくとも1つに、前記入力色信号および前記第1の色材量に基づいた所定の係数を乗じた項を含む関数であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  10. 前記所定の色空間は、明度、色度からなる色空間であり、前記第2の距離関数は、少なくとも明度に前記純色度合いに基づいた係数を乗ずることにより合成されることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  11. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうちの少なくとも1つが、前記入力色信号と前記第1の色材量の配分または純色度合いとに依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  12. 前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度差、色度差、および、色相差に相当する量のうち、少なくとも1つに、前記第1の色材量の配分または前記純色度合いに基づいた所定の係数を乗じた項を含む関数であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  13. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号の明度および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  14. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記第2のステップにおいて合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号の白色点からの色差および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  15. 前記第1のステップにおいて、前記第1の距離関数による距離が所定値以下である場合には、第2のステップおよび第3のステップの実行を省略し、前記第1の色材量を出力色材量として決定することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  16. 3色以上の色材により色再現を行なうカラー画像形成システムにおいて、所定の色空間上で定義される第1の距離関数による距離が最小になるように入力色信号を第1の色材量に変換する第1の色材量変換手段と、前記第1の色材量と前記入力色信号から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する関数合成手段と、前記所定の色空間上で定義される前記第2の距離関数による距離が最小になるように前記入力色信号を出力色材量に変換する第2の色材量変換手段を有し、前記出力色材量により画像を形成することを特徴とするカラー画像形成システム。
  17. 前記関数合成手段は、前記第1の色材量により再現される再現色を前記所定の色空間上で求めて第1の色座標を得る再現色獲得手段と、前記第1の色材量と前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する合成手段を有することを特徴とする請求項16に記載のカラー画像形成システム。
  18. 前記合成手段は、前記第1の色材量より純色度合いを算出する第1の手段と、前記純色度合いと前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する第2の手段から構成されることを特徴とする請求項17に記載のカラー画像形成システム。
  19. 前記関数合成手段は、前記入力色信号、前記第1の色材量、および、前記入力色信号と前記第1の色材量の前記第1の距離関数による距離に基づき前記入力色信号が色再現範囲に含まれるか否かおよび前記色再現範囲に含まれない場合に前記入力色信号が色再現範囲に対して過明、等明度過彩、過暗のいずれであるかを認識する明度比較手段と、該明度比較手段による認識結果に応じて前記第1の色材量の配分または純色度合いを認識する認識手段と、前記入力色信号が前記色再現範囲に含まれない場合に前記配分または前記純色度合いと前記入力色信号と前記第1の色座標から前記所定の色空間上で定義される第2の距離関数を合成する合成手段を有することを特徴とする請求項16に記載のカラー画像形成システム。
  20. 前記色材は少なくともシアン、マゼンタ、イエローを含み、前記純色度合いはイエローの純色度合いであることを特徴とする請求項18または19に記載のカラー画像形成システム。
  21. 前記所定の色空間は、明度、色度からなる色空間であり、前記関数合成手段は、明度あるいは明度と色度に所定の係数を乗ずることにより第2の距離関数を合成することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  22. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記関数合成手段は、明度と色度のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  23. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記関数合成手段は、明度、色度、および色相差に相当する量のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与する関数を合成することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  24. 前記関数合成手段は、明度差、色度差、および、色相差に相当する量のうち、少なくとも1つに、入力色信号および第1の色材量に基づいた所定の係数を乗じた項を含む関数を合成することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  25. 前記所定の色空間は、明度、色度からなる色空間であり、前記合成手段は、少なくとも明度に前記純色度合いに基づいた係数を乗ずることにより第2の距離関数を合成されることを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  26. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記関数合成手段は、明度と色度のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号と前記第1の色材量の配分または前記純色度合いに依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  27. 前記関数合成手段において合成する前記第2の距離関数は、明度差、色度差、および、色相差に相当する量のうち、少なくとも1つに、前記第1の色材量の配分または前記純色度合いに基づいた所定の係数を乗じた項を含むことを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  28. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記関数合成手段において合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号の明度および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与する関数を合成することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  29. 前記所定の色空間は、明度および色度からなる色空間、もしくは明度および色度からなる色空間に一意に変換できる色空間であり、前記関数合成手段において合成する前記第2の距離関数は、明度、色度、および色相差に相当する量のうち、少なくとも1つが、前記入力色信号の白色点からの色差および前記第1の色材量に依存する寄与度に応じて関数値に寄与することを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1項に記載のカラー画像形成システム。
  30. 前記第1の色材量変換手段は、前記第1の距離関数による距離が所定値以下である場合に、前記第1の色材量を出力色材量として決定することを特徴とする請求項16に記載のカラー画像形成システム。
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