JP3704901B2 - 自動演奏装置、自動演奏方法及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、和音データに基づいて演奏データを作成し、それを演奏する自動演奏装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動演奏装置の中には、コードパート及びベースパート(以下「コードベースパート」という)などの伴奏パートに関して、曲の進行に従って順番に記憶された和音進行データやユーザによって逐次指定される和音データに基づき、別途記憶されているシーケンシャルな伴奏パターンデータを、その和音進行データや和音データによって指定される和音に適した音に変換(ノート変換)して自動伴奏を行うものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動演奏装置のように、一部の伴奏パートを自動伴奏によって補うタイプのものは、伴奏パターンデータを指定するパターン番号を変更するだけで簡単に曲のアレンジを変更したり、また、和音進行データや和音データを変更するだけで多彩なコードワークを実現でき、初心者でも容易に取り扱うことができるという利点がある。
ところが、従来の自動演奏装置では、和音進行データや和音データによって指定される和音すなわちコードネームを、楽譜表記の慣習に従って根音(ルート)とタイプ(コードキャラクタや和音種類ともいう)との組み合わせだけで表現していた。すなわち、従来の自動演奏装置は、和音がどのスケールに基づくものなのかを考慮することなく、伴奏パターンデータを根音とタイプに適した音に変換(ノート変換)する際に、変換された音がその和音構成音及びテンションノートに該当するように制御していた。
例えば、コードネームがCメジャーコードでアヴェイラブルノートスケールとしてイオニアンスケールを使用する場合には、その和音構成音はC(ルート音)、E(長3度音)、G(完全5度音)の3音、テンションノートはA(長6度音)、B(長7度音)、D(ナチュラル9th音)の3音、アボイドノートはF(完全4度音(ナチュラル11th音))である。コードネームがCメジャーコードでアヴェイラブルノートスケールとしてリディアンスケールを使用する場合には、その和音構成音はC(ルート音)、E(長3度音)、G(完全5度音)の3音、テンションノートはA(長6度音)、B(長7度音)、D(ナチュラル9th音)、F♯(シャープ11th音)の4音である。このように同じコードネームであっても、使用するアヴェイラブルノートスケールが異なることによって、伴奏音として採用可能なテンションノートは種々異なっていた。
このような場合に、従来の自動演奏装置は、両者に共通するテンションノート、前述の場合にはA(長6度音)、B(長7度音)、D(ナチュラル9th音)の3音をCメジャーコードのテンションノートとして採用し、これに基づいて伴奏音を構成していた。
従って、実際には、リディアンスケールをイメージしたCメジャーコードであっても、そのテンションノートであるF♯(シャープ11th音)の音が伴奏音として選択されることはなかった。
【0004】
この発明は、従来技術では自動伴奏音として選択されることのなかった音であっても、指定されたコードネームのテンションノートとして採用することができるようにした自動演奏装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る自動演奏装置は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段と、この演奏データ供給手段から供給される和音データに基づいて、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成する演奏データ作成手段とを具備するものである。
第2の発明に係る自動演奏装置は、伴奏に関するパターンデータを記憶するパターン記憶手段と、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段と、前記パターン記憶手段から前記パターンデータを読み出し、それを前記自動演奏データ供給手段から供給される前記和音データに基づいて変換し、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成する演奏データ作成手段とを具備するものである。
第3の発明に係る自動演奏装置は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段と、一連の演奏データを供給する演奏データ供給手段と、前記演奏データ供給手段から供給される前記演奏データに対応した別の演奏データであって、適切なテンションノートの付加された演奏データを前記和音データ供給手段から供給される前記和音データに基づいて作成する演奏データ作成手段とを具備するものである。
第4の発明に係る自動演奏装置は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、この演奏データ供給手段から供給される和音データのうち、根音データ及びアヴェイラブルノートスケールデータに基づいて、前記演奏データに対応した楽譜の表示を行う楽譜表示手段であって、該楽譜表示を前記アヴェイラブルノートスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付して行うものとを具備する。
【0006】
第1及び第2の発明に係る自動演奏装置においては、演奏データ供給手段は根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する。第3の発明に係る自動演奏装置においては、和音データ供給手段が根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する。
従来は、和音データは和音の根音を示す根音データと、メジャー、メジャーセブンス、マイナー、マイナーセブンスなどの和音の種類を示すタイプデータとだけから構成されていたため、この和音データに基づいて演奏データを作成する場合、アヴェイラブルノートスケールが何であろうともその和音において採用可能な音だけを用いて演奏データを作成していた。例えば、Gセブンスコードの場合にはG(ルート音)、B(長3度音)、D(完全5度音)及びF(短7度音)の4音だけで演奏データを作成していた。あるいは、それ以外の音が演奏データ中に含まれていたとしても、和音に合うように音高変換をする際に、これらの音にまるめ込まれてしまっていた。
これに対して、この発明では、その和音の拠り所となるスケールを示すアヴェイラブルノートスケールデータが付加してある。従って、第1の発明では、演奏データ作成の際に、このアヴェイラブルノートスケールデータを参照することによって、従来は使用禁止とされていたテンションノートを採用することが可能となり、粋なサウンドの演奏データを作成することができる。例えば、Gセブンスコードでアヴェイラブルノートスケールがミクソリディアンスケールの場合には前述の音に加えてそのテンションノートとしてナチュラル9th音(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)の音を新たに採用した演奏データを作成することができる。
また、第2の発明においても、パターン記憶手段からパターンデータを読み出し、それを和音データに基づいて変換する際に、和音データの中のアヴェイラブルノートスケールを参照しているので、従来は使用禁止とされていたテンションノートに変換することが可能となり、粋なサウンドの演奏データを作成することができる。
第3の発明においても、演奏データ供給手段から供給される演奏データに対応した別の演奏データを和音データ供給手段から供給される和音データに基づいて作成する際に、和音データの中のアヴェイラブルノートスケールを参照しているので、従来は使用禁止とされていたテンションノートを採用した新たな演奏データを作成することができる。
【0007】
の発明に係る自動演奏方法は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給するステップと、供給される前記和音データに基づいた、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成するステップとからなるものである。
の発明に係る自動演奏方法は伴奏に関するパターンデータを予め記憶するステップと、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給するステップと、記憶されている前記パターンデータを読み出し、それを順次供給される前記和音データに基づいて変換し、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成するステップとからなるものである。
の発明に係る自動演奏方法は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給すると共に一連の演奏データをも併せて供給するステップと、前記一連の演奏データに対応した別の演奏データであって、適切なテンションノートの付加された演奏データを前記和音データに基づいて作成するステップとからなるものである。
第8の発明に係る自動演奏方法は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを含む演奏データを供給するステップと、前記ステップで供給される和音データのうち、根音データ及びアヴェイラブルノートスケールデータに基づいて、前記演奏データに対応した楽譜の表示を行うステップであって、該楽譜表示を前記アヴェイラブルノートスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付して行うものとからなるものである。
5乃至第8の発明に係る自動演奏方法は、前述の第1乃至第4の発明に係る自動演奏装置に対応したものである。
の発明に係る記憶媒体は、第5乃至第8の発明に係る自動演奏方法をコンピュータで実現するためのソフトウェアプログラムを記憶してなる、機械によって読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図2はこの発明に係る自動演奏装置を適用した電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック図である。この実施の形態においては、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、プログラムメモリ(ROM)2、ワーキングメモリ(RAM)3を含むマイクロコンピュータの制御の下に各種の処理が実行されるようになっている。
この実施の形態では1つのCPU1によって自動演奏処理等を行う電子楽器を例に説明する。CPU1はこの電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス24を介してプログラムメモリ2、ワーキングメモリ3、自動演奏データメモリ(RAM)4、押鍵検出回路5、スイッチ検出回路6、表示回路7、音源回路8、効果回路9、フロッピーディスクトライブ(FDD)10、ハードディスクドライブ11、CD−ROMドライブ12、MIDIインターフェイス13、通信インターフェイス14及びタイマ15が接続されている。
CPU1はプログラムメモリ2及びワーキングメモリ3内の各種プログラムや各種データ、及び外部記憶装置から取り込まれた楽音制御情報(MIDIデータ)に基づいて全体の動作を制御する。この実施の形態では、外部記憶装置として、フロッピーディスクドライブ10、ハードディスクドライブ11、CD−ROMドライブ12などを例に説明するが、これ以外の光磁気ディスク(MO)ドライブ、PDドライブなどを用いてもよい。また、通信インターフェイス14を介して通信ネットワーク16上のサーバコンピュータ17などから楽音制御情報などの各種情報などを取り込んでもよいし、MIDIインターフェイス13を介して他のMIDI機器18などからMIDIデータなどを取り込んでもよい。
CPU1は、このような外部記憶装置から取り込まれたMIDIデータや鍵盤19の押鍵操作に基づいて生成したMIDIデータを音源回路8に供給する。なお、外部に接続された音源回路を用いて発音処理を行うようにしてもよい。
プログラムメモリ2はCPU1のシステム関連のプログラム、ノート変換テーブル、各種のパラメータやデータなどを記憶しているものであり、リードオンリメモリ(ROM)で構成されている。
ワーキングメモリ3はCPU1がプログラムを実行する際に発生する各種のデータを一時的に記憶するものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられ、レジスタやフラグ等として利用される。
また、ハードディスク装置11などの外部記憶装置に前記動作プログラムを記憶するようにしてもよい。また、前記ROM2に動作プログラムを記憶せずに、ハードディスク装置11などの外部記憶装置にこれらの動作プログラムを記憶しておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に動作プログラムを記憶したときと同様の動作をCPU1に行わせるようにしてもよい。このようにすると、動作プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。着脱自在な外部記憶媒体の1つとして、CD−ROM23を使用してもよい。このCD−ROM23には、自動演奏データやコード進行データや楽音波形データや映像データなどの各種データ及び任意の動作プログラムを記憶していてもよい。CD−ROM23に記憶されている動作プログラムや各種データは、CD−ROMドライブ12によって、読み出され、ハードディスク装置11に転送記憶させることができる。これにより、動作プログラムの新規のインストールやバージョンアップを容易に行うことができる。
【0009】
なお、通信インターフェイス14をデータ及びアドレスバス24に接続し、この通信インターフェイス14を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線などの種々の通信ネットワーク16上に接続可能とし、他のサーバコンピュータ17との間でデータのやりとりを行うようにしてもよい。これにより、ハードディスク装置11内に動作プログラムや各種データが記憶されていないような場合には、サーバコンピュータ17からその動作プログラムや各種データをダウンロードすることができる。この場合、クライアントとなる楽音生成装置である自動演奏装置から、通信インターフェイス14及び通信ネットワーク16を介してサーバコンピュータ17に動作プログラムや各種データのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ17は、このコマンドに応じて、所定の動作プログラムやデータを、通信ネットワーク16を介して自動演奏装置に送信する。自動演奏装置では、通信インターフェイス14を介してこれらの動作プログラムやデータを受信して、ハードディスク装置11にこれらのプログラムやデータを蓄積する。これによって、動作プログラム及び各種データのダウンロードが完了する。
なお、本発明は、本発明に対応する動作プログラムや各種データをインストールした市販のパーソナルコンピュータ等によって、実施させるようにしてもよい。その場合には、本発明に対応する動作プログラムや各種データを、CD−ROM23やフロッピーディスク等の、パーソナルコンピュータが読み込むことができる記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザーに提供してもよい。そのパーソナルコンピュータが読み込むことができる記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザに提供してもよい。そのパーソナルコンピュータ等が、LAN、インターネット、電話回線等の通信ネットワークに接続されている場合には、通信ネットワークを介して、動作プログラムや各種データ等をパーソナルコンピュータ等に提供してもよい。
【0010】
自動演奏データメモリ4は楽曲に対応したシーケンシャルな自動演奏データを記憶する自動演奏データ記憶領域と、演奏スタイル(例えば、ポップス、ロック、ジャズ、ワルツなど)毎に設けられたコードベースパート及びドラムパートに関する繰り返し的な自動伴奏パターンデータを記憶する自動伴奏パターン記憶領域と、ユーザが自由に使用することのできるユーザメモリ領域とからなり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられている。従って、ユーザはユーザメモリ領域に新たに作成した自動演奏データなどや自分自身の演奏操作に応じて発生した演奏データなどを記憶することもできる。なお、この自動演奏データメモリ4はハードディスク装置やフロッピーディスクドライブなどを用いてもよい。自動演奏データや自動伴奏パターンデータに関しては、これらのデータを予め記憶したリードオンリメモリ(ROM)などを別途設けるようにしてもよい。
【0011】
自動演奏データは、図1に示すようなフォーマットで記憶されている。すなわち、自動演奏データはタイミングデータと和音イベントデータとノートイベントデータとから構成され、これらのデータが演奏曲の時系列に従ってシーケンシャルに記憶されている。
タイミングデータはイベントとイベントとの間の時間を示すデータである。
1つの和音イベントデータは根音データとタイプデータとアヴェイラブルノートスケール種類データを1組に含んでなる。根音データはコードネームの根音を示すデータであり、例えば『C』、『Cシャープ』、『Dフラット』、『D』、などに対応したデータである。例えば、『C』を『0』、『Cシャープ』を『1』、『Dフラット』を『2』、『D』を『3』、『Dシャープ』を『4』、『Eフラット』を『5』、『E』を『6』などのように、シャープとフラットを区別することができる17種類の根音データで構成される。タイプデータはコードキャラクタに関するデータであり、メジャーとかマイナなどの和音種類を示すデータである。
【0012】
アヴェイラブルノートスケール種類データはその和音の拠り所とすべき(その和音に対応して使用すべき)特定のアヴェイラブルノートスケールを示すデータである。例えば、アヴェイラブルノートスケールの種類は全部で13種類あり、各種類に対応して01〜13の数字が割り当てられる。
この実施の形態では、『01』がイオニアン(Ionian)スケール、『02』がドリアン(Drian)スケール、『03』がフリジアン(Phrygian)スケール、『04』がリディアン(Lydian)スケール、『05』がミクソリディアン(Mixo Lydian)スケール、『06』がエオリアン(Aeolian)スケール、『07』がロクリアン(Locrian)スケール、『08』がリディアンドミナント(Lydian Dominant:Lydian 7th)スケール、『09』がオルタードドミナント(Altered Dominant:Altered 7th)スケール、『10』がディミニッシュ(Diminish)スケール、『11』がハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロー(Harmonic Minor P5th Below)スケール、『12』がメロディックマイナーパーフェクトフィフスビロー(Melodic Minor P5th Below)スケール、『13』が全音音階(Whole Tone Scale)となるように割り当てられている。なお、ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロースケールについては、図面では「H・MP5↓」と表記し、明細書中では「ハーモニックマイナーP5↓」とする。メロディックマイナーパーフェクトフィフスビロースケールについてはメロディックマイナーP5↓スケールとする。なお、『00』の場合にはその和音に対応して特定のアヴィラブルノートスケールが指定されていないものとし、その場合は、従来技術と同様の和音処理が行われるものとする。
【0013】
イオニアンスケールはメジャースケール(長音階)と同一であり、メジャースケールの第1音からの音列すなわち鍵盤上のド(C)から1オクターブ上のド(C)までの白鍵だけの並びに該当し、トニックメジャーコード(度数表記コードのI)用として用いられる。
ドリアンスケールは長6度(M6th)を持つ短音階であり、メジャースケールの第2音からの音列すなわち鍵盤上のレ(D)から1オクターブ上のレ(D)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのIIm7用として用いられる。
フリジアンスケールは短2度(m2nd)を持つ短音階であり、メジャースケールの第3音からの音列すなわち鍵盤上のミ(E)から1オクターブ上のミ(E)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのIIIm用として用いられる。リディアンスケールは増4度(aug4th)を持つ長音階であり、メジャースケールの第4音からの音列すなわち鍵盤上のファ(F)から1オクターブ上のファ(F)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのIV用として用いられる。
ミクソリディアンスケールは短7度(m7th)を持つ長音階であり、メジャースケールの第5音からの音列すなわち鍵盤上のソ(G)から1オクターブ上のソ(G)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのV7用として用いられる。
エオリアンスケールは自然的短音階であり、メジャースケールの第6音からの音列すなわち鍵盤上のラ(A)から1オクターブ上のラ(A)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのVIm 用として用いられる。
ロクリアンスケールは短2度(m2nd)と減5度(dim5th)とを持つ短音階であり、メジャースケールの第7音からの音列すなわち鍵盤上のシ(B)から1オクターブ上のシ(B)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのVIIm(-5)又はIIm7-5用として用いられる。
リディアンドミナントスケールはリディアンスケールの第7音を半音下げて短7度(m7th)としたドミナントスケールであり、ナチュラルテンションノートを含む属7(VI7)用として用いられる。なお、リディアンドミナントスケールはリディアンセブンススケールとも呼ぶ。
オルタードドミナントスケールはオルタードテンションノートの全て(フラット9th,シャープ9th,フラット13thの音)を含むスケールであり、短調での属7(V7)用として用いられる。
ディミニッシュスケールはディミニッシュセブンスコードの4つの構成音(短3度のインターバルで積み重なった音)と、これらの構成音に対して半音下の音との合成されたスケール、すなわち全音と半音とを交互に並べたようなスケールであり、ディミニッシュセブンスコード用として用いられる。
ハーモニックマイナーP5↓スケールは完全5度下を主音とする和声的短音階である。
メロディックマイナーP5↓スケールは完全5度下を主音とする旋律的短音階である。
全音音階は全音の連続したスケールすなわち各音のインターバルが全音となるようなスケールであり、増和音用として用いられる。
なお、以上の13種類のアヴェイラブルノートスケール以外にも、更にコンビネーションディミニッシュ(Combination Diminished)スケール、トニックマイナー(Tonic Minor)スケール、ロクリアン♯2(Locrian ♯2)(これはオルタードドリアン(Altered Dorian)とも呼ばれる)、ブルーノート(Blue Note)スケール、ブルーノートペンタトニック(Bluenote Pentatonic)スケールなどが知られているので、これらを含むように実施してもよい。
このようにして、根音データとタイプデータとアヴェイラブルノートスケールデータのセットからなる和音イベントデータを用いることにより、自動演奏シーケンスの或る時間で演奏すべき或る和音に対して、特定のアヴェイラブルノートスケールが指定されることになる。
【0014】
ノートイベントデータは、ノートオン、ノートナンバ、ベロシティ、ゲートタイムなどを示すデータとから構成される。なお、和音イベントやノートイベントの他にも、ピッチベンド、ボリューム制御などに関するイベントデータも存在するがここでは省略する。
なお、このタイミングデータと、和音イベントデータ又はノートイベントデータとは対で記憶され、同じタイミングのイベントを示す場合にはタイミングデータが『0』となる。
【0015】
自動伴奏パターンデータは、図3に示すようなフォーマットで記憶されている。すなわち、自動伴奏パターンデータはタイミングデータとノートイベントデータとからなる対を複数個、その伴奏のスタイルやセクション毎にシーケンシャルに記憶したものである。従って、図示していないが、自動伴奏パターンデータはヘッダ部とシーケンスデータ部とを有し、ヘッダ部にスタイルの名称などが記憶され、シーケンスデータ部に初期設定データと各セクション(メイン、フィルイン、イントロ及びエンディング)のパターンデータ(図3のようなデータ)が記憶されている。初期設定データは各チャンネル(パート)の音色、演奏パート名、初期テンポなどのデータで構成され、メインパターンデータは繰り返し演奏されるメインの伴奏パターンである。フィルインパターンデータはフィルイン演奏時の伴奏パターンである。イントロパターンデータはイントロ演奏時の伴奏パターンである。エンディングパターンデータはエンディング演奏時の伴奏パターンである。
また、図示していないが、各セクションのパターンデータは、マーカー、タイミングデータ及びイベントデータから構成される。マーカーはセクションとセクションの区切りを示すものであり、メイン、フィルイン、イントロ及びエンディングなどのセクションの種類を示すデータである。タイミングデータはノートイベントとイベントとの間の時間を示すデータである。イベントデータは、図1のものと同じように、ノートオン/オフ、ピッチベンド、ボリューム制御などのようなイベントの種類を示すデータと、そのイベントに関するデータとで構成される。また、図1の場合と同様に、タイミングデータとイベントデータは対で記憶され、同じタイミングのイベントを示す場合にはタイミングデータは『0』となる。
【0016】
鍵盤19は発音すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキースイッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置等のタッチ検出手段を有している。鍵盤19は音楽演奏のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子でもよいことはいうまでもない。
押鍵検出回路5は発生すべき楽音の音高を指定する鍵盤19のそれぞれの鍵に対応して設けられたキースイッチ回路を含むものである。この押鍵検出回路5は鍵盤19の離鍵状態から押鍵状態への変化を検出してキーオンイベントを出力し、押鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキーオフイベントを出力すると共にそれぞれのキーオンイベント及びキーオフイベントに関する鍵の音高を示すノートナンバを出力する。押鍵検出回路5はこの他にも鍵押し下げ時の押鍵操作速度や押圧力等を判別してベロシティデータやアフタタッチデータを出力する。
【0017】
スイッチ検出回路6はテンキー&キーボード&各種スイッチ20上の各スイッチ群に対応して設けられており、これらの各スイッチ群の操作状況に応じたスイッチオンイベントを出力する。
スイッチ群としては、例えばスタイル選択スイッチ、ソング選択スイッチ、動作モード選択スイッチ、スタート/ストップスイッチ、楽譜表示スイッチなどが設けられている。この他にも、自動伴奏パターンの中から伴奏パートを選択するためのパート選択スイッチや伴奏セクション(イントロ、フィルイン、メイン、エンディング)を選択するためのセクション選択スイッチ、発生すべき楽音の音色、音量、音高、効果等を選択、設定、制御するための各種の操作子を有する。これ以外のスイッチも多数存在するがここでは省略する。
【0018】
スタイル選択スイッチ及びソング選択スイッチは、例えば『0』から『9』の数字や『+』『−』の記号が付されており、これらのスイッチを操作して所望のスタイル番号やソング番号を入力することによって、いずれか1つのスタイルやソングを選択するものである。このスタイル選択スイッチやソング選択スイッチによって選択されたスタイル名やソング番号はディスプレイ21上に表示される。
動作モード選択スイッチは、例えば『MODE』の文字が付されており、操作される毎に動作モード番号を『0』、『1』、『2』の順番で巡回させて所望の動作モードを選択するものである。
ここで、動作モード番号の『0』は、自動演奏データメモリ4に記憶されているシーケンシャルな自動演奏データ(図1に示すもの)に基づいた通常の自動演奏を行うモードである。動作モード番号の『1』は、ユーザの鍵盤19の操作によって発生したメロディラインに密集ブロックコードを付加してパンチの効いたジャズアンサンブルのような演奏を行ったり、開離位置のボイシングを付加して弦楽合奏のような演奏を行う、いわゆる自動ボイシング(メロディオンコード)モードである。動作モード番号の『2』は、自動演奏データメモリ4に記憶されているシーケンシャルな自動演奏データに対応した楽譜をディスプレイ21上に表示する楽譜表示モードに対応する。
スタート/ストップスイッチは、例えば『スタート/ストップ』の文字が付されており、操作される毎に自動演奏のスタート又はストップを制御するものである。
【0019】
表示回路7はディスプレイ21の表示内容を制御するものであり、楽譜表示モードの際には、楽譜が表示される。ディスプレイ21は液晶表示パネル(LCD)等から構成され、表示回路7によってその表示動作を制御される。
音源回路8は、複数チャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス24を経由して与えられた演奏情報(MIDI規格に準拠したデータ)を入力し、このデータに基づき楽音信号を発生する。
音源回路8において複数チャンネルで楽音信号を同時に発音させる構成としては、1つの回路を時分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形成するようなものや、1つの発音チャンネルが1つの回路で構成されるような形式のものであってもよい。また、音源回路8における楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出すメモリ読み出し方式(波形メモリ方式)、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよい。また、これらの方式以外にも、自然楽器の発音原理を模したアルゴリズムにより楽音波形を合成する物理モデル方式、基本波に複数の高調波を加算することで楽音波形を合成する高調波合成方式、特定のスペクトル分布を有するフォルマント波形を用いて楽音波形を合成するフォルマント合成方式、VCO、VCF及びVCAを用いたアナログシンセサイザ方式等を採用してもよい。また、専用のハードウェアを用いて音源回路を構成するものに限らず、DSPとマイクロプログラムを用いて音源回路を構成するようにしてもよいし、CPUとソフトウェアのプログラムで音源回路を構成するようにしてもよい。
なお、図示していないが、この他にも時間間隔を計数したり、自動伴奏のテンポを設定したりするためのテンポクロックパルスを発生するタイマ15が設けられる。このテンポクロックパルスの周波数はスイッチ群の中のテンポスイッチ(図示していない)によって調整される。タイマからのテンポクロックパルスはCPU1に対してインタラプト命令として与えられ、CPU1はインタラプト処理により自動演奏時における各種の処理を実行する。この実施の形態においてはテンポクロックパルスは4分音符につき96回発生されるものとして説明する。
効果回路9は音源回路8からの楽音信号に種々の効果を付与し、効果の付与された楽音信号をサウンドシステム22に出力する。効果回路9によって効果の付与された楽音信号は、アンプ及びスピーカからなるサウンドシステム22を介して発音される。
【0020】
次に、CPU1によって実行される電子楽器の処理の一例を図4から図8のフローチャート、図9及び図10の楽譜例に基づいて説明する。
まず、動作モード番号が『0』の場合の自動演奏処理について説明する。図4は、この自動演奏処理のメインフローの一例を示す図である。図5は図4の自動演奏処理の中の一部の処理(自動演奏データ読み出し処理)の詳細を示す図である。図6は図4の自動演奏処理の中の一部の処理(自動伴奏パターンデータ読み出し処理)の詳細を示す図である。
自動演奏処理は、4分音符当たり96回のタイマ割り込みで実行される割り込み処理であり、図5の自動演奏データ読み出し処理と図6の自動伴奏パターンデータ読み出し処理が並行して実行される。
【0021】
図5の自動演奏データ読み出し処理では、ソング選択スイッチによって選択されたソング番号に対応した図1のような自動演奏データの中から和音イベントデータ及びノートイベントデータを第1タイミングレジスタTIME1に応じて順次読み出し(ステップ51〜ステップ56)、読み出されたノートイベントに対応した発音処理を行う(ステップ59)と共に和音イベントデータ内の各データをそれぞれ対応するレジスタ群に格納する(ステップ58)。なお、和音イベント及びノートイベント以外のピッチベンド、ボリューム制御などのイベントデータについても、それに対応した処理を行うが、この実施の形態の動作とは密接に関係しないので、ここでは説明を省略する。
【0022】
以下、図1に示すような自動演奏データに対する自動演奏データ読み出し処理について説明する。
まず、最初の時点では第1タイミングレジスタTIME1は初期値『0』なので、ステップ51ではYESと判定され、ステップ52の処理が行われる。ステップ52では、1番目に記憶されているタイミングデータが読み出される。従って、ステップ53の判定を経て、第1タイミングレジスタTIME1に1番目のタイミングデータが格納される。格納されたタイミングデータが『0』の場合には、ステップ55でYESと判定され、ステップ52で2番目の和音イベントデータが読み出される。また、タイミングデータが『0』でない場合には、ステップ55でNOと判定され、第1タイミングレジスタの値が『0』になるまで、ステップ56及びステップ51の処理が繰り返し実行される。そして、『0』になった時点で、ステップ51でYESと判定され、ステップ52で2番目の和音イベントデータが読み出される。
読み出されたデータが和音イベントデータの場合、ステップ53でNO、ステップ57でYESと判定され、ステップ58の処理が行われる。ステップ58では、和音イベントデータの中の和音根音データがレジスタROOTに、和音タイプデータがレジスタTYPEに、アヴェイラブルノートスケール種類データがレジスタAVNSにそれぞれ格納される。そして、再びステップ52の処理が行われる。
ステップ52では、今度は3番目に記憶されているタイミングデータが読み出され、前述と同様の処理が行われ、ステップ52で4番目のノートイベントデータが読み出される。今度は読み出されたデータがノートイベントデータなので、ステップ53及びステップ57で共にNOと判定され、ステップ59の処理が行われる。ステップ59では、ノートイベントデータの中の各データ(ノートオン、ノートナンバ、ベロシティ及びゲートタイム)に基づいた発音処理が行われ、ステップ52の処理が行われる。
【0023】
図6の自動伴奏パターンデータ読み出し処理では、スタイル選択スイッチによって選択されたスタイル名に対応した図3のような自動伴奏パターンデータの中からノートイベントデータを第2タイミングレジスタTIME2に応じて順次読み出し(ステップ61〜ステップ66)、読み出されたノートイベントデータをレジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケールデータを参照して、レジスタROOT内の和音根音データ及びレジスタTYPE内の和音タイプデータに適した音にノート変換し、発音処理を行う(ステップ67)。
ステップ61〜ステップ66の処理は、計時用のレジスタが異なる他は図5の自動演奏データ読み出し処理のステップ51〜56の処理とほとんど同じなので、ここでは説明を省略し、ステップ67についてだけ説明する。
ステップ67の処理では、レジスタTYPE内の和音タイプデータ、レジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケール、レジスタROOT内の和音根音データに基づいて、自動伴奏パターンデータの中から読み出されたノートイベントデータ内の音高を、該和音タイプ、和音ルート、アヴェイラブルノートスケールに合致した音高に修正するノート変換処理が行われる。各和音タイプについて、各アヴェイラブルノートスケール毎に、ノートイベントの音名をどれだけ修正するかを規定したノート変換テーブルが用意されている。同じ和音タイプであっても、アヴェイラブルノートスケールが異なると、使用すると都合の悪い音(響きが悪くなる音やコード感が失われる音等)がそれぞれ異なるので、このノート変換テーブルは、各アヴェイラブルノートスケール毎に、使用してはいけない音を、使用してもよい音に変換するように作られたものである。従って、アヴェイラブルノートスケール毎に、各ノート変換テーブルの内容は異なるようになっている。ノート変換テーブル内には、ノートイベントデータ内の音高をどれだけシフトすればよいかを示す数値(シフト量)が、各音名毎に記憶されている。読み出されたノートイベントデータ内の音高は、その時点で指定されている和音タイプ、アヴェイラブルノートスケールによって指定されるノート変換テーブルを参照し、該音高に対応する音名のシフト量だけシフトされることにより、その時の和音タイプ、アヴェイラブルノートスケールにおいて使用してもよい音に変換される。ノートイベントデータ内の音高が、元々その時の和音タイプ、アヴェイラブルノートスケールにおいて使用してもよい音である場合には、シフト量として「0」が記憶されているので、音高はシフトされない。このようにして、その時の和音タイプ、アヴェイラブルノートスケールにおいて使用してもよい音に変換された音高が、和音根音分だけ更にシフトされ、この結果の音高が、伴奏音の音高として決定される。なお、このときの音高変換のルールとして、元音高が和音構成音であるときは変換後も和音構成音に、元音高がテンション音であるときは変換後もテンション音に変換されることが望ましい。元音高が和音構成音であるか否か、或いは、テンション音であるか否かについては、自動伴奏パターンデータを作成したときの和音根音、和音タイプ、アヴェイラブルノートスケールが規定されていれば音楽規則に従って容易に判別できる。なお、上述したノート変換の方法に代えて、和音タイプ毎のみについてノート変換テーブルを用意し、指定された和音タイプに応じてノートイベントデータ内の音高を音高変換した後、アヴェイラブルノートスケールと比較し、該スケールに合わない音高になっていたら、それをスケールに合う音に修正するようにしてもよい。
【0024】
以下、ステップ67のノート変換処理の具体例について図9の楽譜例を用いて説明する。
図9(a)は、ステップ67のノート変換処理によって作成された伴奏データの具体的な楽譜例を示す図であり、具体的にはレジスタROOTに格納されている和音根音が『G』、レジスタTYPEに格納されている和音タイプが『属七和音』、レジスタAVNSに格納されているアヴェイラブルノートスケールが『ミクソリディアン』である場合に、図6の自動伴奏パターンデータ読み出し処理によって作成される1小節分のコードベースパートの伴奏データの楽譜例を示す図である。図9(b)は、図9(a)と同じ和音根音、和音タイプ及び自動伴奏パターンデータに対して、従来の自動演奏装置でコードベースパートの伴奏データを作成した場合、すなわちアヴェイラブルノートスケールを参照することなく伴奏データを作成した場合の楽譜例を示す図である。
図9(c)は、図9(a)と同じ和音根音、和音タイプ及びアヴェイラブルノートスケールであって、音階的な動きを持ったフィルインが指定された場合に、作成される1小節分のコードベースパートの伴奏データの楽譜例を示す図である。図9(d)は、図9(a)と同じ和音根音及び和音タイプであって、図9(c)と同様に音階的な動きを持ったフィルインが指定され、従来の自動演奏装置でコードベースパートの伴奏データを作成した場合、すなわちアヴェイラブルノートスケールを参照することなく伴奏データを作成した場合の楽譜例を示す図である。
【0025】
属七和音は一般に長調と同名短調で同型を保つので、長調なのか短調なのかの区別がつかない。その代わりに、この属七和音は和音構成音以外のテンションノートとしてフラット9th音、ナチュラル9th音、シャープ9th音、シャープ11th音、フラット13th音、ナチュラル13th音、シャープ13th音などが適当に付加されることによって、いわゆる粋なサウンドに成り得るものである。
例えば、Gセブンスコードにおいてアヴェイラブルノートスケールがミクソリディアンスケールの場合には、ナチュラル9th音(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)とがテンションノートとして付加可能である。リディアンドミナントスケールの場合には、ナチュラル9th音(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)に加えてシャープ11th音(『Cシャープ』の音)がテンションノートとして付加可能である。オルタードドミナントスケールの場合には、フラット9th音(『Aフラット』の音)、シャープ9th音(『Aシャープ』の音)、シャープ11th音(『Cシャープ』の音)及びフラット13th音(『Eフラット』の音)がテンションノートとして付加可能である。ハーモニックマイナーP5ビロースケールの場合には、フラット9th音(『Aフラット』の音)とフラット13th音(『Eフラット』の音)がテンションノートとして付加可能である。全音音階の場合には、ナチュラル9th音(『A』の音)とシャープ11th音(『Cシャープ』の音)がテンションノートとして付加可能である。コンビネーションディミニッシュスケールの場合には、フラット9th音(『Aフラット』の音)、シャープ9th音(『Aシャープ』の音)、シャープ11th音(『Cシャープ』の音)及びナチュラル13th音(『E』の音)がテンションノートとして付加可能である。
このように、属七和音ではアヴェイラブルノートスケールに応じて付加可能なテンションノートの種類や組み合わせが豊富である。
【0026】
しかしながら、このことは、従来の自動演奏装置にとっては非常に厄介な問題であった。すなわち、従来の自動演奏装置では、どのアヴェイラブルノートスケールにも共通する音は図9(b)に示すような和音構成音(G(ルート音)、B(長3度音)、D(完全5度音)及びF(短7度音))の4音だけであり、前述のようなテンションノートは全て危険な音として使用禁止となっていた。従って、従来の自動演奏装置は属七和音に対しては図9(b)のような無粋なサウンドしか作成できなかった。
【0027】
これに対して、図9(a)に示すように、アヴェイラブルノートスケールを参照することによって、図9(b)では禁止されていたテンションノートを付加して粋なサウンドを作成することが可能となる。
すなわち、この実施の形態に係る自動演奏装置では、図9(a)に示すようにアヴェイラブルノートスケールがミクソリディアンスケールなので、そのテンションノートとしてナチュラル9th音(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)の付加されたコードベースパターンを作成することができる。これに対して、従来の自動演奏装置では、図9(b)に示すようにコードベースパターンをG(ルート音)、B(長3度音)、D(完全5度音)及びF(短7度音)の4つの音で構成することしかできなかった。
また、この実施の形態に係る自動演奏装置では、音階的な動きを持ったフィルインが指定された場合に、図9(c)に示すようにトップノートがG−F−E−Dというようにミクソリディアンスケールに従った滑らかな動きを持ったコードパターンを作成することができる。これに対して、従来の自動演奏装置では、図9(d)に示すようにG−F−D−D(図示しないがG−F−F−Dの場合もある)といった音階の一部の欠落したような動きのコードパターンしか作成できなかった。
【0028】
次に、動作モード番号が『1』の場合の自動ボイシング(メロディオンコード)処理について説明する。
図7は、ユーザの鍵盤19の操作によって発生したメロディラインすなわちトップノートに対して密集ブロックコードを付加する自動ボイシング演奏処理の一例を示すフローチャート図である。この自動ボイシング処理は、所定のタイマ割り込みで実行される。
図7の自動ボイシング処理では、押鍵検出回路5によってキーイベントが検出されたかどうかを判定し(ステップ71)、検出されたキーイベントがノートオンイベント(YES)の場合にはそのノートオンイベントに基づいた発音処理を行う(ステップ73)。このとき、ステップ74では、キーオンイベントが2以上の場合すなわち同時に2以上の鍵が押鍵された場合を考慮して、そのキーオンイベントがトップノートであるかどうかの判定を行う。レジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケール、レジスタROOT内の和音根音データ及びレジスタTYPE内の和音タイプデータに基づいて、トップノートと判定されたノートオンイベントに対して付与すべき音高を決定し(ステップ75)、決定された音高の付加音を発音する(ステップ76)。なお、図示していないが、別の割り込みタイミング処理にて図1のような和音イベントデータをシーケンシャルに記憶した自動ボイシング用データから順次和音イベントデータが読み出され、それが対応するレジスタAVNS、ROOT及びTYPEに書き込まれるものとする。また、検出されたキーイベントがキーオフイベントの場合にはそのノートオフイベントに対応する音を消音し(ステップ77)、消音された音すなわちノートオフイベントに対応した付加音が存在する場合にはその付加音も消音する(ステップ78)。
【0029】
なお、ステップ75の処理では、レジスタTYPE内の和音タイプデータ、レジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケール及びトップノートであるキーオンイベントの音名毎に、付与すべき音名を示した変換テーブルを設けておき、その変換テーブルを参照することによって付与すべき音高(付加音高)を決定し、決定された音高をレジスタTYPE内の和音根音データに基づいてシフトするようにしてもよい。または、レジスタTYPE内の和音タイプデータ及びトップノートであるキーオンイベントの音名毎に、付与すべき音名を示した変換テーブルを設けておき、その変換テーブルを参照することによって付与すべき1又は複数の音高(付加音高)を決定し、決定された音高をレジスタTYPE内の和音根音データに基づいてシフトし、シフト後の音高がレジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケールに合致するかどうかを判定し、合致しない音高に対してアヴェイラブルノートスケールに合致するように修正してもよい。この場合、付与すべき音高の数(例えば、1〜4)を特定するための付加音タイプレジスタANTを設け、これに対応するように変換テーブル群を設け、付加音高の数を選択可能としてもよい。
【0030】
以下、図7の自動ボイシング処理の具体例について図10(a)及び(b)の楽譜例を用いて説明する。
図10(a)は、この発明に係る自動演奏装置の自動ボイシング処理によってユーザの鍵盤19の操作によって発生したメロディライン音とベース音の中からトップノートを抽出して、そのトップノートに対して付与するであろう密集ブロックコードの一例を示す楽譜図である。図10(b)は、従来の自動演奏装置すなわちアヴェイラブルノートスケールを参照することができないものの自動ボイシング処理によって、図10(a)と同じメロディラインに対して付与するであろう密集ブロックコードの一例を示す楽譜図である。
和音イベントデータは、2分音符単位毎にCメジャーセブンス(イオニアンスケール)コード、Aセブンス(ハーモニックマイナーP5↓スケール)コード、Dセブンス(ハーモニックマイナーP5↓スケール)コード、Gセブンス(ミクソリディアンスケール)コードの順番で進行する。
図10(a)及び(b)において、メロディラインをノートネームと音長で表すと、E4(2分音符)−F4(2分音符)−Eフラット4(4分音符)−Bフラット4(4分音符)−A4(2分音符)のような並びになる。すなわち、メロディラインは各発音タイミングにおけるトップノートの並びである。なお、図では、メロディラインと同時にベース音の発音も行われているが、これは和音イベントデータに基づいて自動的に発音されるか、又はユーザの鍵盤操作によって発生したものとする。ベース音の並びはC2(2分音符)−A1(2分音符)−D2(2分音符)−E2(2分音符)である。なお、ユーザの鍵盤操作によってベース音が発生した場合に、仮にベース音がその発生タイミングにおけるコードに対応していなかった場合には、電子楽器側で自動的に修正するようにしてもよい。
【0031】
まず、最初にCメジャーセブンス(イオニアンスケール)コードの下でE4(2分音符)に対応する鍵が操作されると、ステップ71〜ステップ72を経て、ステップ73でノートオンイベントに基づいた発音が行われる。そして、該ノートオンイベントはトップノートなので、ステップ75で図10のようなC3、G3、B3からなる密集ブロックコードが作成される。図10(a)と図10(b)の場合では同じものが作成されているが、これはアヴェイラブルノートスケールがイオニアンスケールだからである。従って、この実施の形態に係る自動演奏装置の場合には、アヴェイラブルノートスケールがリディアンスケールだと、テンションノートとしてシャープ11thの音が新たに付加音として選択され、従来とは異なった密集ブロックコードが作成されることになる。
【0032】
次に、Aセブンス(ハーモニックマイナーP5↓)コードの下でF4(2分音符)に対応する鍵が操作されると、同じくステップ73でノートオンイベントに基づいた発音が行われると共にステップ75で図10(a)のようなCシャープ3(長3度音)、G3(短7度音)、Bフラット3(フラット9th音)からなる密集ブロックコードが作成される。図10(b)の場合には、Cシャープ3(長3度音)、G3(短7度音)、A3(ルート音)からなる密集ブロックコードが作成される。Aセブンスは属七和音なので、前述のようにアヴェイラブルノートスケールの種類に応じてフラット9th音、ナチュラル9th音、シャープ9th音、シャープ11th音、フラット13th音、ナチュラル13th音、シャープ13th音などのテンションノートを付加することが可能である。これは、この実施の形態のように、和音イベントデータにアヴィイラブルノートスケールに関するデータを有するからである。従って、従来のようにアヴェイラブルノートスケールを参照できないものにおいては、付加可能な音はその和音構成音(A(ルート音)、Cシャープ(長3度音)、E(完全5度音)及びG(短7度音))だけである。従って、従来の自動演奏装置では、図10(b)のような密集ブロックコードしか作成できないことになる。これに対して、この実施の形態に係る自動演奏装置では、アヴェイラブルノートスケールを適宜変更することによって作成される密集ブロックコードが種々変化し、バラエティに富んだ美しいボイシングを行うことができる。
【0033】
次に、Dセブンス(ハーモニックマイナーP5↓)コードの下でEフラット4(4分音符)に対応する鍵が操作されると、同じくステップ73でそれらのノートオンイベントに基づいた発音が行われると共にステップ75で図10(a)のようなC3(短7度音)、Fシャープ3(長3度音)、Bフラット3(フラット13th音)からなる密集ブロックコードが作成される。図10(b)の場合には、C3(短7度音)、Fシャープ3(長3度音)、A3(完全5度音)からなる密集ブロックコードが作成される。また、同様に、Dセブンス(ハーモニックマイナーP5↓)コードの下でBフラット4(4分音符)に対応する鍵が操作されると、同じくステップ73でそれらのノートオンイベントに基づいた発音が行われると共にステップ75で図10(a)のようなFシャープ3(長3度音)、C4(短7度音)、Eフラット4(フラット9th音)からなる密集ブロックコードが作成される。図10(b)の場合には、Fシャープ3(長3度音)、C4(短7度音)、D4(ルート音)からなる密集ブロックコードが作成される。これらの場合も、Dセブンスが属七和音なので、アヴェイラブルノートスケールを考慮しない場合の付加可能な音はその和音構成音(D(ルート音)、Fシャープ(長3度音)、A(完全5度音)及びC(短7度音))だけとなる。従って、図10(b)の場合には、D4(ルート音)が選択される。これに対して、この実施の形態に係る自動演奏装置では、アヴェイラブルノートスケールとして、ハーモニックマイナーP5↓が指定されているので、テンションノートとしてフラット9th(Eフラット)音とフラット13th(Bフラット)音とが適当にバランス良く付加され、バラエティに富んだ美しいボイシングを作成することができる。
【0034】
次に、Gセブンス(ミクソリディアンスケール)コードの下でA4(2分音符)に対応する鍵が操作されると、ステップ71〜ステップ72を経て、ステップ73でノートオンイベントに基づいた発音が行われると共に該ノートオンイベントはトップノートなので、ステップ75で図10のようなF3、B3、D4からなる密集ブロックコードが作成される。図10(a)と図10(b)では同じものが作成される場合が示されている。しかしながら、この実施の形態に係る自動演奏装置の場合には、アヴェイラブルノートスケールとしてミクソリディアンが指定されている関係上、F3の代わりにE3が作成されたり、D4の代わりにE4が作成されたりすることがあり得るが、従来のものでは、図10(b)のものしか作成されない。
【0035】
動作モード番号が『2』の場合の楽譜表示処理について説明する。
図8は、自動演奏データメモリ4に記憶されている図1のような自動演奏データを読み出し、それに対応した楽譜表示を行う楽譜表示処理の一例を示すフローチャート図である。
図8の楽譜表示処理では、ソング選択スイッチによって選択されたソング番号に対応する自動演奏データを自動演奏データメモリ4から順次読み出し(ステップ81)、読み出されたデータが和音イベントデータなのかどうかの判定を行い(ステップ82)、和音イベントデータでない場合にはノートイベントデータなのかどうかの判定を行う(ステップ84)。
ステップ82で和音イベントデータだと判定された場合には、和音イベントデータの中の根音データをレジスタROOTに、アヴェイラブルノートスケール種類データをレジスタAVNSにそれぞれ格納する(ステップ83)。
ステップ84でノートイベントデータだと判定された場合には、タイミングレジスタTIMEの格納値に基づいてそのノートイベントの発音開始位置を決定する(ステップ85)と共に楽譜表示を行う(ステップ86)。ここでの楽譜表示は、根音データのシャープやフラットを除去した形で鍵盤の白鍵に対応した並びに変換し、それらの隣接した音関係を満足させるように臨時記号(シャープ、フラット、ダブルシャープ、ダブルフラットなど)を付することによって行う。例えば、根音データがFシャープの場合には、これからシャープを除去し、それを白鍵の並びに変換する。すると、F−G−A−B−C−D−E−Fとなる。この並びに隣接した音関係がアヴェイラブルノートスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付する。
ステップ84でノートイベントでない(NO)と判定された場合には、読み出されたデータはタイミングデータなので、タイミングレジスタTIMEにその値を格納し、リターンする。なお、図示していないが、この楽譜表示処理は所定の表示態様、例えば、曲全体を表示するのか、曲の一部分を表示するかなどに応じて、適当に終了するものとする。すなわち、曲全体を表示する場合には、その曲のエンドデータが読み出された時点で処理を終了し、曲の一部分を表示する場合に、対応する部分の表示が終了した時点で処理を終了する。
【0036】
以下、図8の楽譜表示処理によってどのような楽譜が表示されるのか、その具体例について図10(c)及び(d)の楽譜例を用いて説明する。
ステップ81の処理によって、読み出された和音イベントデータの根音データがFシャープで、アヴェイラブルノートスケールがドリアンであり、これ以降順次読み出されたノートイベントデータがノートネームでFシャープ3を出発音とするドリアンスケールの4分音符列、すなわちFシャープ3−Gシャープ3−A3−B3−Cシャープ4−Dシャープ4−E4−Fシャープ4であったとする。この場合、読み出されたノートイベントデータをノートネームC3のノートナンバを『48』とした場合のノートナンバ列で表すと、54−56−57−59−61−63−64−66となる。従って、ステップ35及びステップ36の処理によって、これら一連のノートイベントデータは図10(c)に示すような楽譜として表示される。
一方、最初に読み出された和音イベントデータの根音データがGフラットであり、アヴェイラブルノートスケールが同じドリアンであり、ノートイベントデータも54−56−57−59−61−63−64−66のような同じノートナンバ列である場合の楽譜表示について説明する。根音データがGフラットなので、そこからフラットを除去し、それを白鍵の並びに変換すると、G−A−B−C−D−E−F−Gとなる。この並びにおける隣接した音関係がドリアンスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付すると、Gフラット−Aフラット−Bダブルフラット−Cフラット−Dフラット−Eフラット−Fフラット−Gフラットとなる。このようにして求められたスケールに応じてノートイベントデータを楽譜表示すると図10(d)に示すようになる。
このような正確な楽譜表示が行えるのは、根音データにフラットやシャープに関するデータが記憶されていると共に、和音イベントデータとしてアヴェイラブルノートスケールが記憶されているからである。
【0037】
なお、上述の実施の形態では音源回路及び自動演奏装置を内蔵した電子楽器について説明したが、自動演奏処理を行うシーケンサモジュールと、音源回路からなる音源モジュールとがそれぞれ別々に構成され、各モジュール間のデータの授受を周知のMIDI規格で行うように構成されたものにも同様に適用できることは言うまでもない。また、パソコンとアプリケーションソフトウェアという構成であってもよく、この場合処理プログラムをCD−ROM等の記憶メディアから供給したり、ネットワーク経由で供給するものであってもよい。
また、上述の実施の形態では、根音データがフラットやシャープに関するデータを記憶している場合について説明したが、これは正確な楽譜表示を行う場合に必要なデータであって、これ以外の自動演奏処理や自動ボイシング処理を行う場合には、不要である。従って、楽譜表示を行わない場合には、根音データは従来と同様に12種類のものでもよい。
さらに、上述の自動ボイシング処理では、ユーザの鍵盤操作によって発生したメロディライン(トップノート)に対して密集ブロックコードを付加する場合について説明したが、これに限らず、自動演奏データによって作成されたメロディラインに対して自動ボイシングを行うようにしてもよい。また、上述の自動ボイシング処理では、割り込みタイミング処理にて図1のような和音イベントデータをシーケンシャルに記憶した自動ボイシング用データから順次和音イベントデータが読み出される場合について説明したが、ユーザが鍵盤やその他の和音指定スイッチなどを操作することによって和音イベントデータを供給するようにしてもよい。このとき、和音根音、和音タイプに加えてアヴェイラブルノートスケールを指定するスイッチ等を設けておけばよい。また、和音イベントデータとノートイベントデータを混在させた例を示したが、和音イベントデータのみを記憶するようにしてもよい。
【発明の効果】
この発明によれば、従来技術では自動伴奏音として選択されることのなかった音であっても指定されたコードネームのテンションノートとして採用することができ、バリエーションのある演奏データを作成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動演奏データの記憶フォーマットの一例を示す図である。
【図2】 この発明に係る自動演奏装置を適用した電子楽器の一実施の形態を示すハード構成ブロック図である。
【図3】 自動伴奏パターンデータの記憶フォーマットの一例を示す図である。
【図4】 この発明に係る自動演奏装置が行う自動演奏処理のメインフローの一例を示す図である。
【図5】 図4の自動演奏処理の中の自動演奏データ読み出し処理の詳細を示す図である。
【図6】 図4の自動演奏処理の中の自動伴奏パターンデータ読み出し処理の詳細を示す図である。
【図7】 ユーザの鍵盤操作によって発生したメロディライン(トップノート)に対して密集ブロックコードを付加する自動ボイシング演奏処理の一例を示すフローチャート図である。
【図8】 自動演奏データメモリに記憶されている図1のような自動演奏データを読み出し、それに対応した楽譜表示を行う楽譜表示処理の一例を示すフローチャート図である。
【図9】 図9(a)及び(c)はこの発明に係る自動演奏装置によって作成される伴奏データの一例に対応した楽譜を示し、図9(b)及び(d)は従来の自動演奏装置によって作成される伴奏データの一例に対応した楽譜を示す図である。
【図10】 図10(a)はこの発明に係る自動演奏装置の自動ボイシング処理によって作成される密集ブロックコードの一例に対応した楽譜を示し、図10(b)は従来の自動演奏装置の自動ボイシング処理によって作成される密集ブロックコードの一例に対応した楽譜を示し、図10(c)及び(d)はこの発明に係る自動演奏装置の楽譜表示処理によって表示される楽譜の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…プログラムメモリ、3…ワーキングメモリ、4…自動演奏データメモリ、5…押鍵検出回路、6…スイッチ検出回路、7…表示回路、8…音源回路、9…効果回路、10…フロッピーディスクドライブ(FDD)、11…ハードディスク装置(HDD)、12…CD−ROMドライブ、13…MIDIインターフェイス、14…通信インターフェイス、15…タイマ、16…通信ネットワーク、17…サーバコンピュータ、18…他のMIDI機器、19……鍵盤、20…テンキー&キーボード&各種スイッチ、21…ディスプレイ、22…サウンドシステム、23…フロッピーディスク、24…データ及びアドレスバス

Claims (9)

  1. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段と、
    この演奏データ供給手段から供給される和音データに基づいて、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成する演奏データ作成手段と
    を具備することを特徴とする自動演奏装置。
  2. 伴奏に関するパターンデータを記憶するパターン記憶手段と、
    根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段と、
    前記パターン記憶手段から前記パターンデータを読み出し、それを前記自動演奏データ供給手段から供給される前記和音データに基づいて変換し、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成する演奏データ作成手段と
    を具備することを特徴とする自動演奏装置。
  3. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給する和音データ供給手段と、
    一連の演奏データを供給する演奏データ供給手段と、
    前記演奏データ供給手段から供給される前記演奏データに対応した別の演奏データであって、適切なテンションノートの付加された演奏データを前記和音データ供給手段から供給される前記和音データに基づいて作成する演奏データ作成手段と
    を具備することを特徴とする自動演奏装置。
  4. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、
    この演奏データ供給手段から供給される和音データのうち、根音データ及びアヴェイラブルノートスケールデータに基づいて、前記演奏データに対応した楽譜の表示を行う楽譜表示手段であって、該楽譜表示を前記アヴェイラブルノートスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付して行うものと
    を具備することを特徴とする自動演奏装置
  5. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給するステップと、
    供給される前記和音データに基づいた、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成するステップと
    からなることを特徴とする自動演奏方法。
  6. 伴奏に関するパターンデータを予め記憶するステップと、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給するステップと、
    記憶されている前記パターンデータを読み出し、それを順次供給される前記和音データに基づいて変換し、適切なテンションノートの付加された演奏データを作成するステップと
    からなることを特徴とする自動演奏方法。
  7. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして供給すると共に一連の演奏データをも併せて供給するステップと、
    前記一連の演奏データに対応した別の演奏データであって、適切なテンションノートの付加された演奏データを前記和音データに基づいて作成するステップと
    からなることを特徴とする自動演奏方法。
  8. 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データを含む演奏データを供給するステップと、
    前記ステップで供給される和音データのうち、根音データ及びアヴェイラブルノートス ケールデータに基づいて、前記演奏データに対応した楽譜の表示を行うステップであって、該楽譜表示を前記アヴェイラブルノートスケールに対応した音関係となるように臨時記号を付して行うものと
    からなることを特徴とする自動演奏方法。
  9. 請求項5、6、7又はに記載の自動演奏方法をコンピュータで実現するためのソフトウェアプログラムを記憶してなる、機械によって読取り可能な記録媒体。
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