JPH1078779A - 自動演奏装置、自動演奏方法及び記録媒体 - Google Patents

自動演奏装置、自動演奏方法及び記録媒体

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JPH1078779A
JPH1078779A JP9200971A JP20097197A JPH1078779A JP H1078779 A JPH1078779 A JP H1078779A JP 9200971 A JP9200971 A JP 9200971A JP 20097197 A JP20097197 A JP 20097197A JP H1078779 A JPH1078779 A JP H1078779A
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順久 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では自動伴奏音として選択されるこ
とのなかった音であっても、指定されたコードネームの
テンションノートとして採用できるようにする。 【解決手段】 演奏データ供給手段は、根音データ、タ
イプデータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを
1組に含んでなる和音データを1つの和音データとして
供給する。アヴェイラノートスケールデータはその和音
の拠り所とすべき(その和音に対応して使用すべき)特
定のアヴェイラブルノートスケールを示すものである。
従って、演奏データ作成手段は演奏データ作成の際に、
このアヴェイラブルノートスケールデータを参照するこ
とによって、従来は使用禁止とされていたテンションノ
ートを適宜採用することが可能となり、粋なサウンドの
演奏データを作成することができる。例えば、Gセブン
スコードでアヴェイラブルノートスケールがミクソリデ
ィアンスケールの場合にはテンションノートとしてナチ
ュラル9th音(『A』の音)やナチュラル13th音
(『E』の音)の音を採用して演奏データを作成するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、和音データに基
づいて演奏データを作成し、それを演奏する自動演奏装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動演奏装置の中には、コードパ
ート及びベースパート(以下「コードベースパート」と
いう)などの伴奏パートに関して、曲の進行に従って順
番に記憶された和音進行データやユーザによって逐次指
定される和音データに基づき、別途記憶されているシー
ケンシャルな伴奏パターンデータを、その和音進行デー
タや和音データによって指定される和音に適した音に変
換(ノート変換)して自動伴奏を行うものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動演奏装置の
ように、一部の伴奏パートを自動伴奏によって補うタイ
プのものは、伴奏パターンデータを指定するパターン番
号を変更するだけで簡単に曲のアレンジを変更したり、
また、和音進行データや和音データを変更するだけで多
彩なコードワークを実現でき、初心者でも容易に取り扱
うことができるという利点がある。ところが、従来の自
動演奏装置では、和音進行データや和音データによって
指定される和音すなわちコードネームを、楽譜表記の慣
習に従って根音(ルート)とタイプ(コードキャラクタ
や和音種類ともいう)との組み合わせだけで表現してい
た。すなわち、従来の自動演奏装置は、和音がどのスケ
ールに基づくものなのかを考慮することなく、伴奏パタ
ーンデータを根音とタイプに適した音に変換(ノート変
換)する際に、変換された音がその和音構成音及びテン
ションノートに該当するように制御していた。例えば、
コードネームがCメジャーコードでアヴェイラブルノー
トスケールとしてイオニアンスケールを使用する場合に
は、その和音構成音はC(ルート音)、E(長3度
音)、G(完全5度音)の3音、テンションノートはA
(長6度音)、B(長7度音)、D(ナチュラル9th
音)の3音、アボイドノートはF(完全4度音(ナチュ
ラル11th音))である。コードネームがCメジャー
コードでアヴェイラブルノートスケールとしてリディア
ンスケールを使用する場合には、その和音構成音はC
(ルート音)、E(長3度音)、G(完全5度音)の3
音、テンションノートはA(長6度音)、B(長7度
音)、D(ナチュラル9th音)、F♯(シャープ11
th音)の4音である。このように同じコードネームで
あっても、使用するアヴェイラブルノートスケールが異
なることによって、伴奏音として採用可能なテンション
ノートは種々異なっていた。このような場合に、従来の
自動演奏装置は、両者に共通するテンションノート、前
述の場合にはA(長6度音)、B(長7度音)、D(ナ
チュラル9th音)の3音をCメジャーコードのテンシ
ョンノートとして採用し、これに基づいて伴奏音を構成
していた。従って、実際には、リディアンスケールをイ
メージしたCメジャーコードであっても、そのテンショ
ンノートであるF♯(シャープ11th音)の音が伴奏
音として選択されることはなかった。
【0004】この発明は、従来技術では自動伴奏音とし
て選択されることのなかった音であっても、指定された
コードネームのテンションノートとして採用することが
できるようにした自動演奏装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る自動演
奏装置は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブ
ルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データ
を1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段
と、この演奏データ供給手段から供給される和音データ
に基づいて演奏データを作成する演奏データ作成手段と
を具備するものである。第2の発明に係る自動演奏装置
は、伴奏に関するパターンデータを記憶するパターン記
憶手段と、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブ
ルノートスケールデータを1組に含んでなる和音データ
を1つの和音データとして供給する演奏データ供給手段
と、前記パターン記憶手段から前記パターンデータを読
み出し、それを前記自動演奏データ供給手段から供給さ
れる前記和音データに基づいて変換し、演奏データを作
成する演奏データ作成手段とを具備するものである。第
3の発明に係る自動演奏装置は、根音データ、タイプデ
ータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に
含んでなる和音データを1つの和音データとして供給す
る演奏データ供給手段と、一連の演奏データを供給する
演奏データ供給手段と、前記演奏データ供給手段から供
給される前記演奏データに対応した別の演奏データを前
記和音データ供給手段から供給される前記和音データに
基づいて作成する演奏データ作成手段とを具備するもの
である。
【0006】第1及び第2の発明に係る自動演奏装置に
おいては、演奏データ供給手段は根音データ、タイプデ
ータ及びアヴェイラブルノートスケールデータを1組に
含んでなる和音データを1つの和音データとして供給す
る。第3の発明に係る自動演奏装置においては、和音デ
ータ供給手段が根音データ、タイプデータ及びアヴェイ
ラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デ
ータを1つの和音データとして供給する。従来は、和音
データは和音の根音を示す根音データと、メジャー、メ
ジャーセブンス、マイナー、マイナーセブンスなどの和
音の種類を示すタイプデータとだけから構成されていた
ため、この和音データに基づいて演奏データを作成する
場合、アヴェイラブルノートスケールが何であろうとも
その和音において採用可能な音だけを用いて演奏データ
を作成していた。例えば、Gセブンスコードの場合には
G(ルート音)、B(長3度音)、D(完全5度音)及
びF(短7度音)の4音だけで演奏データを作成してい
た。あるいは、それ以外の音が演奏データ中に含まれて
いたとしても、和音に合うように音高変換をする際に、
これらの音にまるめ込まれてしまっていた。これに対し
て、この発明では、その和音の拠り所となるスケールを
示すアヴェイラブルノートスケールデータが付加してあ
る。従って、第1の発明では、演奏データ作成の際に、
このアヴェイラブルノートスケールデータを参照するこ
とによって、従来は使用禁止とされていたテンションノ
ートを採用することが可能となり、粋なサウンドの演奏
データを作成することができる。例えば、Gセブンスコ
ードでアヴェイラブルノートスケールがミクソリディア
ンスケールの場合には前述の音に加えてそのテンション
ノートとしてナチュラル9th音(『A』の音)とナチ
ュラル13th音(『E』の音)の音を新たに採用した
演奏データを作成することができる。また、第2の発明
においても、パターン記憶手段からパターンデータを読
み出し、それを和音データに基づいて変換する際に、和
音データの中のアヴェイラブルノートスケールを参照し
ているので、従来は使用禁止とされていたテンションノ
ートに変換することが可能となり、粋なサウンドの演奏
データを作成することができる。第3の発明において
も、演奏データ供給手段から供給される演奏データに対
応した別の演奏データを和音データ供給手段から供給さ
れる和音データに基づいて作成する際に、和音データの
中のアヴェイラブルノートスケールを参照しているの
で、従来は使用禁止とされていたテンションノートを採
用した新たな演奏データを作成することができる。
【0007】第4の発明に係る自動演奏方法は、根音デ
ータ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケール
データを1組に含んでなる和音データを1つの和音デー
タとして供給するステップと、供給される前記和音デー
タに基づいた演奏データを作成するステップとからなる
ものである。第5の発明に係る自動演奏方法は伴奏に関
するパターンデータを予め記憶するステップと、根音デ
ータ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートスケール
データを1組に含んでなる和音データを1つの和音デー
タとして供給するステップと、記憶されている前記パタ
ーンデータを読み出し、それを順次供給される前記和音
データに基づいて変換し、所望の演奏データを作成する
ステップとからなるものである。第6の発明に係る自動
演奏方法は、根音データ、タイプデータ及びアヴェイラ
ブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デー
タを1つの和音データとして供給すると共に一連の演奏
データをも併せて供給するステップと、前記一連の演奏
データに対応した別の演奏データを前記和音データに基
づいて作成するステップとからなるものである。第4、
第5及び第6の発明に係る自動演奏方法は、前述の第
1、第2及び第3の発明に係る自動演奏装置に対応した
ものである。第7の発明に係る記憶媒体は、第4、第5
又は第6の発明に係る自動演奏方法をコンピュータで実
現するためのソフトウェアプログラムを記憶してなる、
機械によって読取り可能な記録媒体に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。図2はこの発明に係
る自動演奏装置を適用した電子楽器の実施の形態を示す
ハード構成ブロック図である。この実施の形態において
は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、プログ
ラムメモリ(ROM)2、ワーキングメモリ(RAM)
3を含むマイクロコンピュータの制御の下に各種の処理
が実行されるようになっている。この実施の形態では1
つのCPU1によって自動演奏処理等を行う電子楽器を
例に説明する。CPU1はこの電子楽器全体の動作を制
御するものである。このCPU1に対して、データ及び
アドレスバス24を介してプログラムメモリ2、ワーキ
ングメモリ3、自動演奏データメモリ(RAM)4、押
鍵検出回路5、スイッチ検出回路6、表示回路7、音源
回路8、効果回路9、フロッピーディスクトライブ(F
DD)10、ハードディスクドライブ11、CD−RO
Mドライブ12、MIDIインターフェイス13、通信
インターフェイス14及びタイマ15が接続されてい
る。CPU1はプログラムメモリ2及びワーキングメモ
リ3内の各種プログラムや各種データ、及び外部記憶装
置から取り込まれた楽音制御情報(MIDIデータ)に
基づいて全体の動作を制御する。この実施の形態では、
外部記憶装置として、フロッピーディスクドライブ1
0、ハードディスクドライブ11、CD−ROMドライ
ブ12などを例に説明するが、これ以外の光磁気ディス
ク(MO)ドライブ、PDドライブなどを用いてもよ
い。また、通信インターフェイス14を介して通信ネッ
トワーク16上のサーバコンピュータ17などから楽音
制御情報などの各種情報などを取り込んでもよいし、M
IDIインターフェイス13を介して他のMIDI機器
18などからMIDIデータなどを取り込んでもよい。
CPU1は、このような外部記憶装置から取り込まれた
MIDIデータや鍵盤19の押鍵操作に基づいて生成し
たMIDIデータを音源回路8に供給する。なお、外部
に接続された音源回路を用いて発音処理を行うようにし
てもよい。プログラムメモリ2はCPU1のシステム関
連のプログラム、ノート変換テーブル、各種のパラメー
タやデータなどを記憶しているものであり、リードオン
リメモリ(ROM)で構成されている。ワーキングメモ
リ3はCPU1がプログラムを実行する際に発生する各
種のデータを一時的に記憶するものであり、ランダムア
クセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域がそれぞ
れ割り当てられ、レジスタやフラグ等として利用され
る。また、ハードディスク装置11などの外部記憶装置
に前記動作プログラムを記憶するようにしてもよい。ま
た、前記ROM2に動作プログラムを記憶せずに、ハー
ドディスク装置11などの外部記憶装置にこれらの動作
プログラムを記憶しておき、それをRAM3に読み込む
ことにより、ROM2に動作プログラムを記憶したとき
と同様の動作をCPU1に行わせるようにしてもよい。
このようにすると、動作プログラムの追加やバージョン
アップ等が容易に行える。着脱自在な外部記憶媒体の1
つとして、CD−ROM23を使用してもよい。このC
D−ROM23には、自動演奏データやコード進行デー
タや楽音波形データや映像データなどの各種データ及び
任意の動作プログラムを記憶していてもよい。CD−R
OM23に記憶されている動作プログラムや各種データ
は、CD−ROMドライブ12によって、読み出され、
ハードディスク装置11に転送記憶させることができ
る。これにより、動作プログラムの新規のインストール
やバージョンアップを容易に行うことができる。
【0009】なお、通信インターフェイス14をデータ
及びアドレスバス24に接続し、この通信インターフェ
イス14を介してLAN(ローカルエリアネットワー
ク)やインターネット、電話回線などの種々の通信ネッ
トワーク16上に接続可能とし、他のサーバコンピュー
タ17との間でデータのやりとりを行うようにしてもよ
い。これにより、ハードディスク装置11内に動作プロ
グラムや各種データが記憶されていないような場合に
は、サーバコンピュータ17からその動作プログラムや
各種データをダウンロードすることができる。この場
合、クライアントとなる楽音生成装置である自動演奏装
置から、通信インターフェイス14及び通信ネットワー
ク16を介してサーバコンピュータ17に動作プログラ
ムや各種データのダウンロードを要求するコマンドを送
信する。サーバコンピュータ17は、このコマンドに応
じて、所定の動作プログラムやデータを、通信ネットワ
ーク16を介して自動演奏装置に送信する。自動演奏装
置では、通信インターフェイス14を介してこれらの動
作プログラムやデータを受信して、ハードディスク装置
11にこれらのプログラムやデータを蓄積する。これに
よって、動作プログラム及び各種データのダウンロード
が完了する。なお、本発明は、本発明に対応する動作プ
ログラムや各種データをインストールした市販のパーソ
ナルコンピュータ等によって、実施させるようにしても
よい。その場合には、本発明に対応する動作プログラム
や各種データを、CD−ROM23やフロッピーディス
ク等の、パーソナルコンピュータが読み込むことができ
る記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザーに提供しても
よい。そのパーソナルコンピュータが読み込むことがで
きる記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザに提供しても
よい。そのパーソナルコンピュータ等が、LAN、イン
ターネット、電話回線等の通信ネットワークに接続され
ている場合には、通信ネットワークを介して、動作プロ
グラムや各種データ等をパーソナルコンピュータ等に提
供してもよい。
【0010】自動演奏データメモリ4は楽曲に対応した
シーケンシャルな自動演奏データを記憶する自動演奏デ
ータ記憶領域と、演奏スタイル(例えば、ポップス、ロ
ック、ジャズ、ワルツなど)毎に設けられたコードベー
スパート及びドラムパートに関する繰り返し的な自動伴
奏パターンデータを記憶する自動伴奏パターン記憶領域
と、ユーザが自由に使用することのできるユーザメモリ
領域とからなり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の
所定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられている。従
って、ユーザはユーザメモリ領域に新たに作成した自動
演奏データなどや自分自身の演奏操作に応じて発生した
演奏データなどを記憶することもできる。なお、この自
動演奏データメモリ4はハードディスク装置やフロッピ
ーディスクドライブなどを用いてもよい。自動演奏デー
タや自動伴奏パターンデータに関しては、これらのデー
タを予め記憶したリードオンリメモリ(ROM)などを
別途設けるようにしてもよい。
【0011】自動演奏データは、図1に示すようなフォ
ーマットで記憶されている。すなわち、自動演奏データ
はタイミングデータと和音イベントデータとノートイベ
ントデータとから構成され、これらのデータが演奏曲の
時系列に従ってシーケンシャルに記憶されている。タイ
ミングデータはイベントとイベントとの間の時間を示す
データである。1つの和音イベントデータは根音データ
とタイプデータとアヴェイラブルノートスケール種類デ
ータを1組に含んでなる。根音データはコードネームの
根音を示すデータであり、例えば『C』、『Cシャー
プ』、『Dフラット』、『D』、などに対応したデータ
である。例えば、『C』を『0』、『Cシャープ』を
『1』、『Dフラット』を『2』、『D』を『3』、
『Dシャープ』を『4』、『Eフラット』を『5』、
『E』を『6』などのように、シャープとフラットを区
別することができる17種類の根音データで構成され
る。タイプデータはコードキャラクタに関するデータで
あり、メジャーとかマイナなどの和音種類を示すデータ
である。
【0012】アヴェイラブルノートスケール種類データ
はその和音の拠り所とすべき(その和音に対応して使用
すべき)特定のアヴェイラブルノートスケールを示すデ
ータである。例えば、アヴェイラブルノートスケールの
種類は全部で13種類あり、各種類に対応して01〜1
3の数字が割り当てられる。この実施の形態では、『0
1』がイオニアン(Ionian)スケール、『02』
がドリアン(Drian)スケール、『03』がフリジ
アン(Phrygian)スケール、『04』がリディ
アン(Lydian)スケール、『05』がミクソリデ
ィアン(Mixo Lydian)スケール、『06』
がエオリアン(Aeolian)スケール、『07』が
ロクリアン(Locrian)スケール、『08』がリ
ディアンドミナント(Lydian Dominan
t:Lydian 7th)スケール、『09』がオル
タードドミナント(Altered Dominan
t:Altered 7th)スケール、『10』がデ
ィミニッシュ(Diminish)スケール、『11』
がハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロー
(Harmonic Minor P5th Belo
w)スケール、『12』がメロディックマイナーパーフ
ェクトフィフスビロー(Melodic Minor
P5th Below)スケール、『13』が全音音階
(Whole Tone Scale)となるように割
り当てられている。なお、ハーモニックマイナーパーフ
ェクトフィフスビロースケールについては、図面では
「H・MP5↓」と表記し、明細書中では「ハーモニッ
クマイナーP5↓」とする。メロディックマイナーパー
フェクトフィフスビロースケールについてはメロディッ
クマイナーP5↓スケールとする。なお、『00』の場
合にはその和音に対応して特定のアヴィラブルノートス
ケールが指定されていないものとし、その場合は、従来
技術と同様の和音処理が行われるものとする。
【0013】イオニアンスケールはメジャースケール
(長音階)と同一であり、メジャースケールの第1音か
らの音列すなわち鍵盤上のド(C)から1オクターブ上
のド(C)までの白鍵だけの並びに該当し、トニックメ
ジャーコード(度数表記コードのI)用として用いられ
る。ドリアンスケールは長6度(M6th)を持つ短音
階であり、メジャースケールの第2音からの音列すなわ
ち鍵盤上のレ(D)から1オクターブ上のレ(D)まで
の白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのIIm7用と
して用いられる。フリジアンスケールは短2度(m2n
d)を持つ短音階であり、メジャースケールの第3音か
らの音列すなわち鍵盤上のミ(E)から1オクターブ上
のミ(E)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コ
ードのIIIm用として用いられる。リディアンスケールは
増4度(aug4th)を持つ長音階であり、メジャー
スケールの第4音からの音列すなわち鍵盤上のファ
(F)から1オクターブ上のファ(F)までの白鍵だけ
の並びに該当し、度数表記コードのIV用として用いられ
る。ミクソリディアンスケールは短7度(m7th)を
持つ長音階であり、メジャースケールの第5音からの音
列すなわち鍵盤上のソ(G)から1オクターブ上のソ
(G)までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コード
のV7用として用いられる。エオリアンスケールは自然的
短音階であり、メジャースケールの第6音からの音列す
なわち鍵盤上のラ(A)から1オクターブ上のラ(A)
までの白鍵だけの並びに該当し、度数表記コードのVIm
用として用いられる。ロクリアンスケールは短2度(m
2nd)と減5度(dim5th)とを持つ短音階であ
り、メジャースケールの第7音からの音列すなわち鍵盤
上のシ(B)から1オクターブ上のシ(B)までの白鍵
だけの並びに該当し、度数表記コードのVIIm(-5)又はII
m7-5用として用いられる。リディアンドミナントスケー
ルはリディアンスケールの第7音を半音下げて短7度
(m7th)としたドミナントスケールであり、ナチュ
ラルテンションノートを含む属7(VI7)用として用いら
れる。なお、リディアンドミナントスケールはリディア
ンセブンススケールとも呼ぶ。オルタードドミナントス
ケールはオルタードテンションノートの全て(フラット
9th,シャープ9th,フラット13thの音)を含
むスケールであり、短調での属7(V7)用として用いら
れる。ディミニッシュスケールはディミニッシュセブン
スコードの4つの構成音(短3度のインターバルで積み
重なった音)と、これらの構成音に対して半音下の音と
の合成されたスケール、すなわち全音と半音とを交互に
並べたようなスケールであり、ディミニッシュセブンス
コード用として用いられる。ハーモニックマイナーP5
↓スケールは完全5度下を主音とする和声的短音階であ
る。メロディックマイナーP5↓スケールは完全5度下
を主音とする旋律的短音階である。全音音階は全音の連
続したスケールすなわち各音のインターバルが全音とな
るようなスケールであり、増和音用として用いられる。
なお、以上の13種類のアヴェイラブルノートスケール
以外にも、更にコンビネーションディミニッシュ(Co
mbination Diminished)スケー
ル、トニックマイナー(Tonic Minor)スケ
ール、ロクリアン♯2(Locrian ♯2)(これ
はオルタードドリアン(AlteredDorian)
とも呼ばれる)、ブルーノート(Blue Note)
スケール、ブルーノートペンタトニック(Blueno
te Pentatonic)スケールなどが知られて
いるので、これらを含むように実施してもよい。このよ
うにして、根音データとタイプデータとアヴェイラブル
ノートスケールデータのセットからなる和音イベントデ
ータを用いることにより、自動演奏シーケンスの或る時
間で演奏すべき或る和音に対して、特定のアヴェイラブ
ルノートスケールが指定されることになる。
【0014】ノートイベントデータは、ノートオン、ノ
ートナンバ、ベロシティ、ゲートタイムなどを示すデー
タとから構成される。なお、和音イベントやノートイベ
ントの他にも、ピッチベンド、ボリューム制御などに関
するイベントデータも存在するがここでは省略する。な
お、このタイミングデータと、和音イベントデータ又は
ノートイベントデータとは対で記憶され、同じタイミン
グのイベントを示す場合にはタイミングデータが『0』
となる。
【0015】自動伴奏パターンデータは、図3に示すよ
うなフォーマットで記憶されている。すなわち、自動伴
奏パターンデータはタイミングデータとノートイベント
データとからなる対を複数個、その伴奏のスタイルやセ
クション毎にシーケンシャルに記憶したものである。従
って、図示していないが、自動伴奏パターンデータはヘ
ッダ部とシーケンスデータ部とを有し、ヘッダ部にスタ
イルの名称などが記憶され、シーケンスデータ部に初期
設定データと各セクション(メイン、フィルイン、イン
トロ及びエンディング)のパターンデータ(図3のよう
なデータ)が記憶されている。初期設定データは各チャ
ンネル(パート)の音色、演奏パート名、初期テンポな
どのデータで構成され、メインパターンデータは繰り返
し演奏されるメインの伴奏パターンである。フィルイン
パターンデータはフィルイン演奏時の伴奏パターンであ
る。イントロパターンデータはイントロ演奏時の伴奏パ
ターンである。エンディングパターンデータはエンディ
ング演奏時の伴奏パターンである。また、図示していな
いが、各セクションのパターンデータは、マーカー、タ
イミングデータ及びイベントデータから構成される。マ
ーカーはセクションとセクションの区切りを示すもので
あり、メイン、フィルイン、イントロ及びエンディング
などのセクションの種類を示すデータである。タイミン
グデータはノートイベントとイベントとの間の時間を示
すデータである。イベントデータは、図1のものと同じ
ように、ノートオン/オフ、ピッチベンド、ボリューム
制御などのようなイベントの種類を示すデータと、その
イベントに関するデータとで構成される。また、図1の
場合と同様に、タイミングデータとイベントデータは対
で記憶され、同じタイミングのイベントを示す場合には
タイミングデータは『0』となる。
【0016】鍵盤19は発音すべき楽音の音高を選択す
るための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキース
イッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置
等のタッチ検出手段を有している。鍵盤19は音楽演奏
のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子
でもよいことはいうまでもない。押鍵検出回路5は発生
すべき楽音の音高を指定する鍵盤19のそれぞれの鍵に
対応して設けられたキースイッチ回路を含むものであ
る。この押鍵検出回路5は鍵盤19の離鍵状態から押鍵
状態への変化を検出してキーオンイベントを出力し、押
鍵状態から離鍵状態への変化を検出してキーオフイベン
トを出力すると共にそれぞれのキーオンイベント及びキ
ーオフイベントに関する鍵の音高を示すノートナンバを
出力する。押鍵検出回路5はこの他にも鍵押し下げ時の
押鍵操作速度や押圧力等を判別してベロシティデータや
アフタタッチデータを出力する。
【0017】スイッチ検出回路6はテンキー&キーボー
ド&各種スイッチ20上の各スイッチ群に対応して設け
られており、これらの各スイッチ群の操作状況に応じた
スイッチオンイベントを出力する。スイッチ群として
は、例えばスタイル選択スイッチ、ソング選択スイッ
チ、動作モード選択スイッチ、スタート/ストップスイ
ッチ、楽譜表示スイッチなどが設けられている。この他
にも、自動伴奏パターンの中から伴奏パートを選択する
ためのパート選択スイッチや伴奏セクション(イント
ロ、フィルイン、メイン、エンディング)を選択するた
めのセクション選択スイッチ、発生すべき楽音の音色、
音量、音高、効果等を選択、設定、制御するための各種
の操作子を有する。これ以外のスイッチも多数存在する
がここでは省略する。
【0018】スタイル選択スイッチ及びソング選択スイ
ッチは、例えば『0』から『9』の数字や『+』『−』
の記号が付されており、これらのスイッチを操作して所
望のスタイル番号やソング番号を入力することによっ
て、いずれか1つのスタイルやソングを選択するもので
ある。このスタイル選択スイッチやソング選択スイッチ
によって選択されたスタイル名やソング番号はディスプ
レイ21上に表示される。動作モード選択スイッチは、
例えば『MODE』の文字が付されており、操作される
毎に動作モード番号を『0』、『1』、『2』の順番で
巡回させて所望の動作モードを選択するものである。こ
こで、動作モード番号の『0』は、自動演奏データメモ
リ4に記憶されているシーケンシャルな自動演奏データ
(図1に示すもの)に基づいた通常の自動演奏を行うモ
ードである。動作モード番号の『1』は、ユーザの鍵盤
19の操作によって発生したメロディラインに密集ブロ
ックコードを付加してパンチの効いたジャズアンサンブ
ルのような演奏を行ったり、開離位置のボイシングを付
加して弦楽合奏のような演奏を行う、いわゆる自動ボイ
シング(メロディオンコード)モードである。動作モー
ド番号の『2』は、自動演奏データメモリ4に記憶され
ているシーケンシャルな自動演奏データに対応した楽譜
をディスプレイ21上に表示する楽譜表示モードに対応
する。スタート/ストップスイッチは、例えば『スター
ト/ストップ』の文字が付されており、操作される毎に
自動演奏のスタート又はストップを制御するものであ
る。
【0019】表示回路7はディスプレイ21の表示内容
を制御するものであり、楽譜表示モードの際には、楽譜
が表示される。ディスプレイ21は液晶表示パネル(L
CD)等から構成され、表示回路7によってその表示動
作を制御される。音源回路8は、複数チャンネルで楽音
信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス
24を経由して与えられた演奏情報(MIDI規格に準
拠したデータ)を入力し、このデータに基づき楽音信号
を発生する。音源回路8において複数チャンネルで楽音
信号を同時に発音させる構成としては、1つの回路を時
分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形
成するようなものや、1つの発音チャンネルが1つの回
路で構成されるような形式のものであってもよい。ま
た、音源回路8における楽音信号発生方式はいかなるも
のを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対
応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記
憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出すメモリ
読み出し方式(波形メモリ方式)、又は上記アドレスデ
ータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調
演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM
方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータ
データとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サ
ンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜
採用してもよい。また、これらの方式以外にも、自然楽
器の発音原理を模したアルゴリズムにより楽音波形を合
成する物理モデル方式、基本波に複数の高調波を加算す
ることで楽音波形を合成する高調波合成方式、特定のス
ペクトル分布を有するフォルマント波形を用いて楽音波
形を合成するフォルマント合成方式、VCO、VCF及
びVCAを用いたアナログシンセサイザ方式等を採用し
てもよい。また、専用のハードウェアを用いて音源回路
を構成するものに限らず、DSPとマイクロプログラム
を用いて音源回路を構成するようにしてもよいし、CP
Uとソフトウェアのプログラムで音源回路を構成するよ
うにしてもよい。なお、図示していないが、この他にも
時間間隔を計数したり、自動伴奏のテンポを設定したり
するためのテンポクロックパルスを発生するタイマ15
が設けられる。このテンポクロックパルスの周波数はス
イッチ群の中のテンポスイッチ(図示していない)によ
って調整される。タイマからのテンポクロックパルスは
CPU1に対してインタラプト命令として与えられ、C
PU1はインタラプト処理により自動演奏時における各
種の処理を実行する。この実施の形態においてはテンポ
クロックパルスは4分音符につき96回発生されるもの
として説明する。効果回路9は音源回路8からの楽音信
号に種々の効果を付与し、効果の付与された楽音信号を
サウンドシステム22に出力する。効果回路9によって
効果の付与された楽音信号は、アンプ及びスピーカから
なるサウンドシステム22を介して発音される。
【0020】次に、CPU1によって実行される電子楽
器の処理の一例を図4から図8のフローチャート、図9
及び図10の楽譜例に基づいて説明する。まず、動作モ
ード番号が『0』の場合の自動演奏処理について説明す
る。図4は、この自動演奏処理のメインフローの一例を
示す図である。図5は図4の自動演奏処理の中の一部の
処理(自動演奏データ読み出し処理)の詳細を示す図で
ある。図6は図4の自動演奏処理の中の一部の処理(自
動伴奏パターンデータ読み出し処理)の詳細を示す図で
ある。自動演奏処理は、4分音符当たり96回のタイマ
割り込みで実行される割り込み処理であり、図5の自動
演奏データ読み出し処理と図6の自動伴奏パターンデー
タ読み出し処理が並行して実行される。
【0021】図5の自動演奏データ読み出し処理では、
ソング選択スイッチによって選択されたソング番号に対
応した図1のような自動演奏データの中から和音イベン
トデータ及びノートイベントデータを第1タイミングレ
ジスタTIME1に応じて順次読み出し(ステップ51
〜ステップ56)、読み出されたノートイベントに対応
した発音処理を行う(ステップ59)と共に和音イベン
トデータ内の各データをそれぞれ対応するレジスタ群に
格納する(ステップ58)。なお、和音イベント及びノ
ートイベント以外のピッチベンド、ボリューム制御など
のイベントデータについても、それに対応した処理を行
うが、この実施の形態の動作とは密接に関係しないの
で、ここでは説明を省略する。
【0022】以下、図1に示すような自動演奏データに
対する自動演奏データ読み出し処理について説明する。
まず、最初の時点では第1タイミングレジスタTIME
1は初期値『0』なので、ステップ51ではYESと判
定され、ステップ52の処理が行われる。ステップ52
では、1番目に記憶されているタイミングデータが読み
出される。従って、ステップ53の判定を経て、第1タ
イミングレジスタTIME1に1番目のタイミングデー
タが格納される。格納されたタイミングデータが『0』
の場合には、ステップ55でYESと判定され、ステッ
プ52で2番目の和音イベントデータが読み出される。
また、タイミングデータが『0』でない場合には、ステ
ップ55でNOと判定され、第1タイミングレジスタの
値が『0』になるまで、ステップ56及びステップ51
の処理が繰り返し実行される。そして、『0』になった
時点で、ステップ51でYESと判定され、ステップ5
2で2番目の和音イベントデータが読み出される。読み
出されたデータが和音イベントデータの場合、ステップ
53でNO、ステップ57でYESと判定され、ステッ
プ58の処理が行われる。ステップ58では、和音イベ
ントデータの中の和音根音データがレジスタROOT
に、和音タイプデータがレジスタTYPEに、アヴェイ
ラブルノートスケール種類データがレジスタAVNSに
それぞれ格納される。そして、再びステップ52の処理
が行われる。ステップ52では、今度は3番目に記憶さ
れているタイミングデータが読み出され、前述と同様の
処理が行われ、ステップ52で4番目のノートイベント
データが読み出される。今度は読み出されたデータがノ
ートイベントデータなので、ステップ53及びステップ
57で共にNOと判定され、ステップ59の処理が行わ
れる。ステップ59では、ノートイベントデータの中の
各データ(ノートオン、ノートナンバ、ベロシティ及び
ゲートタイム)に基づいた発音処理が行われ、ステップ
52の処理が行われる。
【0023】図6の自動伴奏パターンデータ読み出し処
理では、スタイル選択スイッチによって選択されたスタ
イル名に対応した図3のような自動伴奏パターンデータ
の中からノートイベントデータを第2タイミングレジス
タTIME2に応じて順次読み出し(ステップ61〜ス
テップ66)、読み出されたノートイベントデータをレ
ジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケールデー
タを参照して、レジスタROOT内の和音根音データ及
びレジスタTYPE内の和音タイプデータに適した音に
ノート変換し、発音処理を行う(ステップ67)。ステ
ップ61〜ステップ66の処理は、計時用のレジスタが
異なる他は図5の自動演奏データ読み出し処理のステッ
プ51〜56の処理とほとんど同じなので、ここでは説
明を省略し、ステップ67についてだけ説明する。ステ
ップ67の処理では、レジスタTYPE内の和音タイプ
データ、レジスタAVNS内のアヴェイラブルノートス
ケール、レジスタROOT内の和音根音データに基づい
て、自動伴奏パターンデータの中から読み出されたノー
トイベントデータ内の音高を、該和音タイプ、和音ルー
ト、アヴェイラブルノートスケールに合致した音高に修
正するノート変換処理が行われる。各和音タイプについ
て、各アヴェイラブルノートスケール毎に、ノートイベ
ントの音名をどれだけ修正するかを規定したノート変換
テーブルが用意されている。同じ和音タイプであって
も、アヴェイラブルノートスケールが異なると、使用す
ると都合の悪い音(響きが悪くなる音やコード感が失わ
れる音等)がそれぞれ異なるので、このノート変換テー
ブルは、各アヴェイラブルノートスケール毎に、使用し
てはいけない音を、使用してもよい音に変換するように
作られたものである。従って、アヴェイラブルノートス
ケール毎に、各ノート変換テーブルの内容は異なるよう
になっている。ノート変換テーブル内には、ノートイベ
ントデータ内の音高をどれだけシフトすればよいかを示
す数値(シフト量)が、各音名毎に記憶されている。読
み出されたノートイベントデータ内の音高は、その時点
で指定されている和音タイプ、アヴェイラブルノートス
ケールによって指定されるノート変換テーブルを参照
し、該音高に対応する音名のシフト量だけシフトされる
ことにより、その時の和音タイプ、アヴェイラブルノー
トスケールにおいて使用してもよい音に変換される。ノ
ートイベントデータ内の音高が、元々その時の和音タイ
プ、アヴェイラブルノートスケールにおいて使用しても
よい音である場合には、シフト量として「0」が記憶さ
れているので、音高はシフトされない。このようにし
て、その時の和音タイプ、アヴェイラブルノートスケー
ルにおいて使用してもよい音に変換された音高が、和音
根音分だけ更にシフトされ、この結果の音高が、伴奏音
の音高として決定される。なお、このときの音高変換の
ルールとして、元音高が和音構成音であるときは変換後
も和音構成音に、元音高がテンション音であるときは変
換後もテンション音に変換されることが望ましい。元音
高が和音構成音であるか否か、或いは、テンション音で
あるか否かについては、自動伴奏パターンデータを作成
したときの和音根音、和音タイプ、アヴェイラブルノー
トスケールが規定されていれば音楽規則に従って容易に
判別できる。なお、上述したノート変換の方法に代え
て、和音タイプ毎のみについてノート変換テーブルを用
意し、指定された和音タイプに応じてノートイベントデ
ータ内の音高を音高変換した後、アヴェイラブルノート
スケールと比較し、該スケールに合わない音高になって
いたら、それをスケールに合う音に修正するようにして
もよい。
【0024】以下、ステップ67のノート変換処理の具
体例について図9の楽譜例を用いて説明する。図9
(a)は、ステップ67のノート変換処理によって作成
された伴奏データの具体的な楽譜例を示す図であり、具
体的にはレジスタROOTに格納されている和音根音が
『G』、レジスタTYPEに格納されている和音タイプ
が『属七和音』、レジスタAVNSに格納されているア
ヴェイラブルノートスケールが『ミクソリディアン』で
ある場合に、図6の自動伴奏パターンデータ読み出し処
理によって作成される1小節分のコードベースパートの
伴奏データの楽譜例を示す図である。図9(b)は、図
9(a)と同じ和音根音、和音タイプ及び自動伴奏パタ
ーンデータに対して、従来の自動演奏装置でコードベー
スパートの伴奏データを作成した場合、すなわちアヴェ
イラブルノートスケールを参照することなく伴奏データ
を作成した場合の楽譜例を示す図である。図9(c)
は、図9(a)と同じ和音根音、和音タイプ及びアヴェ
イラブルノートスケールであって、音階的な動きを持っ
たフィルインが指定された場合に、作成される1小節分
のコードベースパートの伴奏データの楽譜例を示す図で
ある。図9(d)は、図9(a)と同じ和音根音及び和
音タイプであって、図9(c)と同様に音階的な動きを
持ったフィルインが指定され、従来の自動演奏装置でコ
ードベースパートの伴奏データを作成した場合、すなわ
ちアヴェイラブルノートスケールを参照することなく伴
奏データを作成した場合の楽譜例を示す図である。
【0025】属七和音は一般に長調と同名短調で同型を
保つので、長調なのか短調なのかの区別がつかない。そ
の代わりに、この属七和音は和音構成音以外のテンショ
ンノートとしてフラット9th音、ナチュラル9th
音、シャープ9th音、シャープ11th音、フラット
13th音、ナチュラル13th音、シャープ13th
音などが適当に付加されることによって、いわゆる粋な
サウンドに成り得るものである。例えば、Gセブンスコ
ードにおいてアヴェイラブルノートスケールがミクソリ
ディアンスケールの場合には、ナチュラル9th音
(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)
とがテンションノートとして付加可能である。リディア
ンドミナントスケールの場合には、ナチュラル9th音
(『A』の音)とナチュラル13th音(『E』の音)
に加えてシャープ11th音(『Cシャープ』の音)が
テンションノートとして付加可能である。オルタードド
ミナントスケールの場合には、フラット9th音(『A
フラット』の音)、シャープ9th音(『Aシャープ』
の音)、シャープ11th音(『Cシャープ』の音)及
びフラット13th音(『Eフラット』の音)がテンシ
ョンノートとして付加可能である。ハーモニックマイナ
ーP5ビロースケールの場合には、フラット9th音
(『Aフラット』の音)とフラット13th音(『Eフ
ラット』の音)がテンションノートとして付加可能であ
る。全音音階の場合には、ナチュラル9th音(『A』
の音)とシャープ11th音(『Cシャープ』の音)が
テンションノートとして付加可能である。コンビネーシ
ョンディミニッシュスケールの場合には、フラット9t
h音(『Aフラット』の音)、シャープ9th音(『A
シャープ』の音)、シャープ11th音(『Cシャー
プ』の音)及びナチュラル13th音(『E』の音)が
テンションノートとして付加可能である。このように、
属七和音ではアヴェイラブルノートスケールに応じて付
加可能なテンションノートの種類や組み合わせが豊富で
ある。
【0026】しかしながら、このことは、従来の自動演
奏装置にとっては非常に厄介な問題であった。すなわ
ち、従来の自動演奏装置では、どのアヴェイラブルノー
トスケールにも共通する音は図9(b)に示すような和
音構成音(G(ルート音)、B(長3度音)、D(完全
5度音)及びF(短7度音))の4音だけであり、前述
のようなテンションノートは全て危険な音として使用禁
止となっていた。従って、従来の自動演奏装置は属七和
音に対しては図9(b)のような無粋なサウンドしか作
成できなかった。
【0027】これに対して、図9(a)に示すように、
アヴェイラブルノートスケールを参照することによっ
て、図9(b)では禁止されていたテンションノートを
付加して粋なサウンドを作成することが可能となる。す
なわち、この実施の形態に係る自動演奏装置では、図9
(a)に示すようにアヴェイラブルノートスケールがミ
クソリディアンスケールなので、そのテンションノート
としてナチュラル9th音(『A』の音)とナチュラル
13th音(『E』の音)の付加されたコードベースパ
ターンを作成することができる。これに対して、従来の
自動演奏装置では、図9(b)に示すようにコードベー
スパターンをG(ルート音)、B(長3度音)、D(完
全5度音)及びF(短7度音)の4つの音で構成するこ
としかできなかった。また、この実施の形態に係る自動
演奏装置では、音階的な動きを持ったフィルインが指定
された場合に、図9(c)に示すようにトップノートが
G−F−E−Dというようにミクソリディアンスケール
に従った滑らかな動きを持ったコードパターンを作成す
ることができる。これに対して、従来の自動演奏装置で
は、図9(d)に示すようにG−F−D−D(図示しな
いがG−F−F−Dの場合もある)といった音階の一部
の欠落したような動きのコードパターンしか作成できな
かった。
【0028】次に、動作モード番号が『1』の場合の自
動ボイシング(メロディオンコード)処理について説明
する。図7は、ユーザの鍵盤19の操作によって発生し
たメロディラインすなわちトップノートに対して密集ブ
ロックコードを付加する自動ボイシング演奏処理の一例
を示すフローチャート図である。この自動ボイシング処
理は、所定のタイマ割り込みで実行される。図7の自動
ボイシング処理では、押鍵検出回路5によってキーイベ
ントが検出されたかどうかを判定し(ステップ71)、
検出されたキーイベントがノートオンイベント(YE
S)の場合にはそのノートオンイベントに基づいた発音
処理を行う(ステップ73)。このとき、ステップ74
では、キーオンイベントが2以上の場合すなわち同時に
2以上の鍵が押鍵された場合を考慮して、そのキーオン
イベントがトップノートであるかどうかの判定を行う。
レジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケール、
レジスタROOT内の和音根音データ及びレジスタTY
PE内の和音タイプデータに基づいて、トップノートと
判定されたノートオンイベントに対して付与すべき音高
を決定し(ステップ75)、決定された音高の付加音を
発音する(ステップ76)。なお、図示していないが、
別の割り込みタイミング処理にて図1のような和音イベ
ントデータをシーケンシャルに記憶した自動ボイシング
用データから順次和音イベントデータが読み出され、そ
れが対応するレジスタAVNS、ROOT及びTYPE
に書き込まれるものとする。また、検出されたキーイベ
ントがキーオフイベントの場合にはそのノートオフイベ
ントに対応する音を消音し(ステップ77)、消音され
た音すなわちノートオフイベントに対応した付加音が存
在する場合にはその付加音も消音する(ステップ7
8)。
【0029】なお、ステップ75の処理では、レジスタ
TYPE内の和音タイプデータ、レジスタAVNS内の
アヴェイラブルノートスケール及びトップノートである
キーオンイベントの音名毎に、付与すべき音名を示した
変換テーブルを設けておき、その変換テーブルを参照す
ることによって付与すべき音高(付加音高)を決定し、
決定された音高をレジスタTYPE内の和音根音データ
に基づいてシフトするようにしてもよい。または、レジ
スタTYPE内の和音タイプデータ及びトップノートで
あるキーオンイベントの音名毎に、付与すべき音名を示
した変換テーブルを設けておき、その変換テーブルを参
照することによって付与すべき1又は複数の音高(付加
音高)を決定し、決定された音高をレジスタTYPE内
の和音根音データに基づいてシフトし、シフト後の音高
がレジスタAVNS内のアヴェイラブルノートスケール
に合致するかどうかを判定し、合致しない音高に対して
アヴェイラブルノートスケールに合致するように修正し
てもよい。この場合、付与すべき音高の数(例えば、1
〜4)を特定するための付加音タイプレジスタANTを
設け、これに対応するように変換テーブル群を設け、付
加音高の数を選択可能としてもよい。
【0030】以下、図7の自動ボイシング処理の具体例
について図10(a)及び(b)の楽譜例を用いて説明
する。図10(a)は、この発明に係る自動演奏装置の
自動ボイシング処理によってユーザの鍵盤19の操作に
よって発生したメロディライン音とベース音の中からト
ップノートを抽出して、そのトップノートに対して付与
するであろう密集ブロックコードの一例を示す楽譜図で
ある。図10(b)は、従来の自動演奏装置すなわちア
ヴェイラブルノートスケールを参照することができない
ものの自動ボイシング処理によって、図10(a)と同
じメロディラインに対して付与するであろう密集ブロッ
クコードの一例を示す楽譜図である。和音イベントデー
タは、2分音符単位毎にCメジャーセブンス(イオニア
ンスケール)コード、Aセブンス(ハーモニックマイナ
ーP5↓スケール)コード、Dセブンス(ハーモニック
マイナーP5↓スケール)コード、Gセブンス(ミクソ
リディアンスケール)コードの順番で進行する。図10
(a)及び(b)において、メロディラインをノートネ
ームと音長で表すと、E4(2分音符)−F4(2分音
符)−Eフラット4(4分音符)−Bフラット4(4分
音符)−A4(2分音符)のような並びになる。すなわ
ち、メロディラインは各発音タイミングにおけるトップ
ノートの並びである。なお、図では、メロディラインと
同時にベース音の発音も行われているが、これは和音イ
ベントデータに基づいて自動的に発音されるか、又はユ
ーザの鍵盤操作によって発生したものとする。ベース音
の並びはC2(2分音符)−A1(2分音符)−D2
(2分音符)−E2(2分音符)である。なお、ユーザ
の鍵盤操作によってベース音が発生した場合に、仮にベ
ース音がその発生タイミングにおけるコードに対応して
いなかった場合には、電子楽器側で自動的に修正するよ
うにしてもよい。
【0031】まず、最初にCメジャーセブンス(イオニ
アンスケール)コードの下でE4(2分音符)に対応す
る鍵が操作されると、ステップ71〜ステップ72を経
て、ステップ73でノートオンイベントに基づいた発音
が行われる。そして、該ノートオンイベントはトップノ
ートなので、ステップ75で図10のようなC3、G
3、B3からなる密集ブロックコードが作成される。図
10(a)と図10(b)の場合では同じものが作成さ
れているが、これはアヴェイラブルノートスケールがイ
オニアンスケールだからである。従って、この実施の形
態に係る自動演奏装置の場合には、アヴェイラブルノー
トスケールがリディアンスケールだと、テンションノー
トとしてシャープ11thの音が新たに付加音として選
択され、従来とは異なった密集ブロックコードが作成さ
れることになる。
【0032】次に、Aセブンス(ハーモニックマイナー
P5↓)コードの下でF4(2分音符)に対応する鍵が
操作されると、同じくステップ73でノートオンイベン
トに基づいた発音が行われると共にステップ75で図1
0(a)のようなCシャープ3(長3度音)、G3(短
7度音)、Bフラット3(フラット9th音)からなる
密集ブロックコードが作成される。図10(b)の場合
には、Cシャープ3(長3度音)、G3(短7度音)、
A3(ルート音)からなる密集ブロックコードが作成さ
れる。Aセブンスは属七和音なので、前述のようにアヴ
ェイラブルノートスケールの種類に応じてフラット9t
h音、ナチュラル9th音、シャープ9th音、シャー
プ11th音、フラット13th音、ナチュラル13t
h音、シャープ13th音などのテんションノートを付
加することが可能である。これは、この実施の形態のよ
うに、和音イベントデータにアヴィイラブルノートスケ
ールに関するデータを有するからである。従って、従来
のようにアヴェイラブルノートスケールを参照できない
ものにおいては、付加可能な音はその和音構成音(A
(ルート音)、Cシャープ(長3度音)、E(完全5度
音)及びG(短7度音))だけである。従って、従来の
自動演奏装置では、図10(b)のような密集ブロック
コードしか作成できないことになる。これに対して、こ
の実施の形態に係る自動演奏装置では、アヴェイラブル
ノートスケールを適宜変更することによって作成される
密集ブロックコードが種々変化し、バラエティに富んだ
美しいボイシングを行うことができる。
【0033】次に、Dセブンス(ハーモニックマイナー
P5↓)コードの下でEフラット4(4分音符)に対応
する鍵が操作されると、同じくステップ73でそれらの
ノートオンイベントに基づいた発音が行われると共にス
テップ75で図10(a)のようなC3(短7度音)、
Fシャープ3(長3度音)、Bフラット3(フラット1
3th音)からなる密集ブロックコードが作成される。
図10(b)の場合には、C3(短7度音)、Fシャー
プ3(長3度音)、A3(完全5度音)からなる密集ブ
ロックコードが作成される。また、同様に、Dセブンス
(ハーモニックマイナーP5↓)コードの下でBフラッ
ト4(4分音符)に対応する鍵が操作されると、同じく
ステップ73でそれらのノートオンイベントに基づいた
発音が行われると共にステップ75で図10(a)のよ
うなFシャープ3(長3度音)、C4(短7度音)、E
フラット4(フラット9th音)からなる密集ブロック
コードが作成される。図10(b)の場合には、Fシャ
ープ3(長3度音)、C4(短7度音)、D4(ルート
音)からなる密集ブロックコードが作成される。これら
の場合も、Dセブンスが属七和音なので、アヴェイラブ
ルノートスケールを考慮しない場合の付加可能な音はそ
の和音構成音(D(ルート音)、Fシャープ(長3度
音)、A(完全5度音)及びC(短7度音))だけとな
る。従って、図10(b)の場合には、D4(ルート
音)が選択される。これに対して、この実施の形態に係
る自動演奏装置では、アヴェイラブルノートスケールと
して、ハーモニックマイナーP5↓が指定されているの
で、テンションノートとしてフラット9th(Eフラッ
ト)音とフラット13th(Bフラット)音とが適当に
バランス良く付加され、バラエティに富んだ美しいボイ
シングを作成することができる。
【0034】次に、Gセブンス(ミクソリディアンスケ
ール)コードの下でA4(2分音符)に対応する鍵が操
作されると、ステップ71〜ステップ72を経て、ステ
ップ73でノートオンイベントに基づいた発音が行われ
ると共に該ノートオンイベントはトップノートなので、
ステップ75で図10のようなF3、B3、D4からな
る密集ブロックコードが作成される。図10(a)と図
10(b)では同じものが作成される場合が示されてい
る。しかしながら、この実施の形態に係る自動演奏装置
の場合には、アヴェイラブルノートスケールとしてミク
ソリディアンが指定されている関係上、F3の代わりに
E3が作成されたり、D4の代わりにE4が作成された
りすることがあり得るが、従来のものでは、図10
(b)のものしか作成されない。
【0035】動作モード番号が『2』の場合の楽譜表示
処理について説明する。図8は、自動演奏データメモリ
4に記憶されている図1のような自動演奏データを読み
出し、それに対応した楽譜表示を行う楽譜表示処理の一
例を示すフローチャート図である。図8の楽譜表示処理
では、ソング選択スイッチによって選択されたソング番
号に対応する自動演奏データを自動演奏データメモリ4
から順次読み出し(ステップ81)、読み出されたデー
タが和音イベントデータなのかどうかの判定を行い(ス
テップ82)、和音イベントデータでない場合にはノー
トイベントデータなのかどうかの判定を行う(ステップ
84)。ステップ82で和音イベントデータだと判定さ
れた場合には、和音イベントデータの中の根音データを
レジスタROOTに、アヴェイラブルノートスケール種
類データをレジスタAVNSにそれぞれ格納する(ステ
ップ83)。ステップ84でノートイベントデータだと
判定された場合には、タイミングレジスタTIMEの格
納値に基づいてそのノートイベントの発音開始位置を決
定する(ステップ85)と共に楽譜表示を行う(ステッ
プ86)。ここでの楽譜表示は、根音データのシャープ
やフラットを除去した形で鍵盤の白鍵に対応した並びに
変換し、それらの隣接した音関係を満足させるように臨
時記号(シャープ、フラット、ダブルシャープ、ダブル
フラットなど)を付することによって行う。例えば、根
音データがFシャープの場合には、これからシャープを
除去し、それを白鍵の並びに変換する。すると、F−G
−A−B−C−D−E−Fとなる。この並びに隣接した
音関係がアヴェイラブルノートスケールに対応した音関
係となるように臨時記号を付する。ステップ84でノー
トイベントでない(NO)と判定された場合には、読み
出されたデータはタイミングデータなので、タイミング
レジスタTIMEにその値を格納し、リターンする。な
お、図示していないが、この楽譜表示処理は所定の表示
態様、例えば、曲全体を表示するのか、曲の一部分を表
示するかなどに応じて、適当に終了するものとする。す
なわち、曲全体を表示する場合には、その曲のエンドデ
ータが読み出された時点で処理を終了し、曲の一部分を
表示する場合に、対応する部分の表示が終了した時点で
処理を終了する。
【0036】以下、図8の楽譜表示処理によってどのよ
うな楽譜が表示されるのか、その具体例について図10
(c)及び(d)の楽譜例を用いて説明する。ステップ
81の処理によって、読み出された和音イベントデータ
の根音データがFシャープで、アヴェイラブルノートス
ケールがドリアンであり、これ以降順次読み出されたノ
ートイベントデータがノートネームでFシャープ3を出
発音とするドリアンスケールの4分音符列、すなわちF
シャープ3−Gシャープ3−A3−B3−Cシャープ4
−Dシャープ4−E4−Fシャープ4であったとする。
この場合、読み出されたノートイベントデータをノート
ネームC3のノートナンバを『48』とした場合のノー
トナンバ列で表すと、54−56−57−59−61−
63−64−66となる。従って、ステップ35及びス
テップ36の処理によって、これら一連のノートイベン
トデータは図10(c)に示すような楽譜として表示さ
れる。一方、最初に読み出された和音イベントデータの
根音データがGフラットであり、アヴェイラブルノート
スケールが同じドリアンであり、ノートイベントデータ
も54−56−57−59−61−63−64−66の
ような同じノートナンバ列である場合の楽譜表示につい
て説明する。根音データがGフラットなので、そこから
フラットを除去し、それを白鍵の並びに変換すると、G
−A−B−C−D−E−F−Gとなる。この並びにおけ
る隣接した音関係がドリアンスケールに対応した音関係
となるように臨時記号を付すると、Gフラット−Aフラ
ット−Bダブルフラット−Cフラット−Dフラット−E
フラット−Fフラット−Gフラットとなる。このように
して求められたスケールに応じてノートイベントデータ
を楽譜表示すると図10(d)に示すようになる。この
ような正確な楽譜表示が行えるのは、根音データにフラ
ットやシャープに関するデータが記憶されていると共
に、和音イベントデータとしてアヴェイラブルノートス
ケールが記憶されているからである。
【0037】なお、上述の実施の形態では音源回路及び
自動演奏装置を内蔵した電子楽器について説明したが、
自動演奏処理を行うシーケンサモジュールと、音源回路
からなる音源モジュールとがそれぞれ別々に構成され、
各モジュール間のデータの授受を周知のMIDI規格で
行うように構成されたものにも同様に適用できることは
言うまでもない。また、パソコンとアプリケーションソ
フトウェアという構成であってもよく、この場合処理プ
ログラムをCD−ROM等の記憶メディアから供給した
り、ネットワーク経由で供給するものであってもよい。
また、上述の実施の形態では、根音データがフラットや
シャープに関するデータを記憶している場合について説
明したが、これは正確な楽譜表示を行う場合に必要なデ
ータであって、これ以外の自動演奏処理や自動ボイシン
グ処理を行う場合には、不要である。従って、楽譜表示
を行わない場合には、根音データは従来と同様に12種
類のものでもよい。さらに、上述の自動ボイシング処理
では、ユーザの鍵盤操作によって発生したメロディライ
ン(トップノート)に対して密集ブロックコードを付加
する場合について説明したが、これに限らず、自動演奏
データによって作成されたメロディラインに対して自動
ボイシングを行うようにしてもよい。また、上述の自動
ボイシング処理では、割り込みタイミング処理にて図1
のような和音イベントデータをシーケンシャルに記憶し
た自動ボイシング用データから順次和音イベントデータ
が読み出される場合について説明したが、ユーザが鍵盤
やその他の和音指定スイッチなどを操作することによっ
て和音イベントデータを供給するようにしてもよい。こ
のとき、和音根音、和音タイプに加えてアヴェイラブル
ノートスケールを指定するスイッチ等を設けておけばよ
い。また、和音イベントデータとノートイベントデータ
を混在させた例を示したが、和音イベントデータのみを
記憶するようにしてもよい。
【発明の効果】この発明によれば、従来技術では自動伴
奏音として選択されることのなかった音であっても指定
されたコードネームのテンションノートとして採用する
ことができ、バリエーションのある演奏データを作成す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動演奏データの記憶フォーマットの一例を
示す図である。
【図2】 この発明に係る自動演奏装置を適用した電子
楽器の一実施の形態を示すハード構成ブロック図であ
る。
【図3】 自動伴奏パターンデータの記憶フォーマット
の一例を示す図である。
【図4】 この発明に係る自動演奏装置が行う自動演奏
処理のメインフローの一例を示す図である。
【図5】 図4の自動演奏処理の中の自動演奏データ読
み出し処理の詳細を示す図である。
【図6】 図4の自動演奏処理の中の自動伴奏パターン
データ読み出し処理の詳細を示す図である。
【図7】 ユーザの鍵盤操作によって発生したメロディ
ライン(トップノート)に対して密集ブロックコードを
付加する自動ボイシング演奏処理の一例を示すフローチ
ャート図である。
【図8】 自動演奏データメモリに記憶されている図1
のような自動演奏データを読み出し、それに対応した楽
譜表示を行う楽譜表示処理の一例を示すフローチャート
図である。
【図9】 図9(a)及び(c)はこの発明に係る自動
演奏装置によって作成される伴奏データの一例に対応し
た楽譜を示し、図9(b)及び(d)は従来の自動演奏
装置によって作成される伴奏データの一例に対応した楽
譜を示す図である。
【図10】 図10(a)はこの発明に係る自動演奏装
置の自動ボイシング処理によって作成される密集ブロッ
クコードの一例に対応した楽譜を示し、図10(b)は
従来の自動演奏装置の自動ボイシング処理によって作成
される密集ブロックコードの一例に対応した楽譜を示
し、図10(c)及び(d)はこの発明に係る自動演奏
装置の楽譜表示処理によって表示される楽譜の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…プログラムメモリ、3…ワーキングメ
モリ、4…自動演奏データメモリ、5…押鍵検出回路、
6…スイッチ検出回路、7…表示回路、8…音源回路、
9…効果回路、10…フロッピーディスクドライブ(F
DD)、11…ハードディスク装置(HDD)、12…
CD−ROMドライブ、13…MIDIインターフェイ
ス、14…通信インターフェイス、15…タイマ、16
…通信ネットワーク、17…サーバコンピュータ、18
…他のMIDI機器、19……鍵盤、20…テンキー&
キーボード&各種スイッチ、21…ディスプレイ、22
…サウンドシステム、23…フロッピーディスク、24
…データ及びアドレスバス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根音データ、タイプデータ及びアヴェイ
    ラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デ
    ータを1つの和音データとして供給する演奏データ供給
    手段と、 この演奏データ供給手段から供給される和音データに基
    づいて演奏データを作成する演奏データ作成手段とを具
    備することを特徴とする自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 伴奏に関するパターンデータを記憶する
    パターン記憶手段と、 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートス
    ケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和
    音データとして供給する演奏データ供給手段と、 前記パターン記憶手段から前記パターンデータを読み出
    し、それを前記自動演奏データ供給手段から供給される
    前記和音データに基づいて変換し、演奏データを作成す
    る演奏データ作成手段とを具備することを特徴とする自
    動演奏装置。
  3. 【請求項3】 根音データ、タイプデータ及びアヴェイ
    ラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デ
    ータを1つの和音データとして供給する和音データ供給
    手段と、 一連の演奏データを供給する演奏データ供給手段と、 前記演奏データ供給手段から供給される前記演奏データ
    に対応した別の演奏データを前記和音データ供給手段か
    ら供給される前記和音データに基づいて作成する演奏デ
    ータ作成手段とを具備することを特徴とする自動演奏装
    置。
  4. 【請求項4】 根音データ、タイプデータ及びアヴェイ
    ラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デ
    ータを1つの和音データとして供給するステップと、 供給される前記和音データに基づいた演奏データを作成
    するステップとからなることを特徴とする自動演奏方
    法。
  5. 【請求項5】 伴奏に関するパターンデータを予め記憶
    するステップと、 根音データ、タイプデータ及びアヴェイラブルノートス
    ケールデータを1組に含んでなる和音データを1つの和
    音データとして供給するステップと、 記憶されている前記パターンデータを読み出し、それを
    順次供給される前記和音データに基づいて変換し、所望
    の演奏データを作成するステップとからなることを特徴
    とする自動演奏方法。
  6. 【請求項6】 根音データ、タイプデータ及びアヴェイ
    ラブルノートスケールデータを1組に含んでなる和音デ
    ータを1つの和音データとして供給すると共に一連の演
    奏データをも併せて供給するステップと、 前記一連の演奏データに対応した別の演奏データを前記
    和音データに基づいて作成するステップとを備えたこと
    を特徴とする自動演奏方法。
  7. 【請求項7】 請求項4,5又は6に記載の自動演奏方
    法をコンピュータで実現するためのソフトウェアプログ
    ラムを記憶してなる、機械によって読取り可能な記録媒
    体。
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