JP3703456B2 - 通信装置及びこの通信装置によって構成される通信システム - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、リアルタイムAVデータの転送を行う無線通信方式および装置、特にIEEE802.11無線通信方式および装置に関わる。
背景技術
IEEE802.11無線通信方式は、本来無線LANのために規格化された標準である。
この方式では、一定周期で衝突が発生する可能性がある区間(Contention Period:CP)と衝突が生じない区間(Contention Free Period:CFP)が入れ替わることを特徴とし、衝突が発生する区間は主にLANの用途に、衝突が生じない区間は通信帯域の確保を必要とする通信のために使うことができる。
第30図は、従来のIEEE802.11のPCF(Point Coordination Function)という機能を使用したときにCFPとCPの発生する区間を時間軸で示した図である。
CFPではPC(Point Coordinator)と呼ばれる特定の端末が、CFPを利用する端末をポーリングすることにより、通信帯域の確保を行う。PCは、各端末の時刻合わせなどを行うための情報(TIMと呼ばれる)をBeaconと呼ばれるフレームに載せて一定間隔で送信する。送信されるBeaconのうち数回に1回の割合で、スリープ状態の端末に対する通知情報(DTIMと呼ばれる)を含むBeaconが送られる。スリープしている端末はDTIMを含むBeaconが送信される時刻のあたりになるとアクティブ状態になり、DTIMを含むBeaconを受信し必要な通信を行うと再びスリープ状態に入る。
CFPはDTIMを含むBeaconに続いて発生し、次のBeaconが送信されるまでには終了する。IEEE802.11におけるBeaconの送信周期は、例えば100ms程度の値の場合がある。
しかしながら、CFPを使って、DVCまたはMPEG2−TSなどのリアルタイムAVデータを送信する場合、この周期が問題になる。DVCの標準画像は30Mbps、MPEG2−TSは標準で6Mbps、高画質モードで24Mbpsの転送レートで連続的または継続的に送信局に入力されつづける。しかし、送信の機会、即ち、従来のIEEE802.11においてCFPが発生する間隔は数100msに一回と非常に長く、その間に入力される膨大なソースパケットをバッファリングしなければならない。更に、数回のBeacon周期のうち1周期にしかCFPが存在しないため、たとえ現在規格化が進められているIEEE802.11a 5GHz物理層(物理転送速度最大54Mbps)を用いても、AVデータの転送に必要な帯域を確保することが困難である。
又、有線メディアに比べ信頼性が劣る無線メディアでは、通信路上でエラーやパケット消失が発生しやすい。現在のIEEE802.11MAC層は誤り訂正符号もパケット消失符号もないため、通信路上でエラーが発生した場合、パケットの再送が必要である。しかしながら、CFPは数100ms周期に一回しか発生せず、且つ再送待機中にもリアルタイムAVデータは刻々と入力されつづける。従って、再送を行うには更に数100ms分のデータを保持するバッファが必要になる。
更に、この周期は、ユーザーに対し、遅延という形で現れる。このため、ユーザーが流れてくるAVデータに対して、停止、巻き戻しなどのコマンドを発行しても、即座に反映できないという問題がある。
上記問題を解決するためにBeaconの間隔を短くすることは、即ち、スリープしている端末に対してより多くのアクティブ状態を強いることになるため、難しい。
このため、リアルタイムAVデータ伝送のようなQoS(Quality of Service)通信をIEEE802.11において実現するための規格化を行っているIEEE802.11eでは、2001年3月現在、HCF(Hybrid Coordination Function)という手法が提案されている。PCFでは数回に1回のBeacon周期でしか衝突が生じない区間がなかったのに対し、HCFでは自由に衝突が生じない区間を設けることができる。この方式では、周期的なデータ送信を希望する送信局が制御局(Hybrid Coordinator:HC)に対し、メディアアクセス周期及びメディアアクセス時間の要求を行い、それを認めた制御局は、CFP、CPに関わらず、帯域確保フレームを定期的に送信局に送信(ポーリング)することで衝突が発生しない区間を生成する。
従来のIEEE802.11のCFPにおいては、一般にHCがPCを兼ねるため、PCFを搭載した従来のIEEE802.11通信機器に通信を妨害されることはない。
従来のIEEE802.11のCPにおいては、従来のIEEE802.11通信装置はDCF(Distributed Coordination Function)という機能を使って通信を行う。DCFでは、送信を開始する前にDIFS(Distributed Interframe Space)と呼ばれる34μsの待機時間とランダムバックオフで定めされた時間だけキャリアセンスするCSMA/CA方式が用いられる。
これに対し、HCFを備えた制御局(HC)はCFP、CPに関わらずPIFS(PCF Interframe Space)と呼ばれる25μsの時間間隔だけキャリアセンスすればメディアアクセスが可能になる。又、制御局(HC)にポーリングされた被制御局はSIFS(Short Interframe Space)と呼ばれる16μsの時間間隔だけキャリアセンスするだけで送信を開始できる。このため、HCF機能を搭載した機器が通信を開始すると、DCFで動作する従来の局はメディアアクセスができなくなり、HCFを備えた制御局(HC)、被制御局は従来の局に妨害されることなく通信できる。
しかしながら、PCFではPCが決めたBeacon間隔に基づき各送信局が動作していたのに対し、現在提案されているHCFでは各送信局が、それぞれ、HCに対しメディアアクセス周期(ポーリング周期)及びメディアアクセス周期内での通信を行うための時間を要求する。このため、HCは、複雑な各送信局のメディアアクセススケジューリングをしなければならない。
又、無線メディア上で発生した誤りに対し再送を行う場合、再送用の帯域を別途確保しておく必要がある。この再送による負担を減らすために、現在誤り訂正符号(リードソロモン符号)を使用する提案も行われている。このリードソロモン符号が用いられる場合、パケットが複数のブロックに分割されて、各ブロック毎にリードソロモン符号化が成される。よって、送信されるデータのパケットは、複数のリードソロモン符号化ブロックによって構成される。しかし、現在の提案では、パケット内のほとんどのリードソロモン符号化ブロックでエラー訂正に成功した場合であっても、一つでもリードソロモン復号に失敗すればパケット全体を再送する必要がある。
更に、実際の通信においてはプライバシ保護のため暗号化が行われる。この暗号化が各ブロック毎に行われ、暗号化が行われた各ブロックにリードソロモン符号化による誤り訂正符号が付加される。そして、この誤り訂正符号が付加された複数のリードソロモン符号化ブロックによって成るデータ部全体に対し、誤り検出符号が付加される。
現在の提案ではMACヘッダと同じリードソロモン符号化ブロックに暗号鍵(公開鍵)が添付されているため、このリードソロモン符号化ブロックに対する誤り訂正が成功すれば、データ部の各リードソロモン符号化ブロックの暗号鍵による復号は可能となる。しかし、パケット自体の復号の成功を保証するには、データ部を構成する全てのリードソロモン符号化ブロックに対する誤り訂正が成功する必要がある。
上記にあげた2つの状況は、ともに誤り訂正に成功したリードソロモン符号化ブロックまでも再送せねばならず、そのために余計な通信帯域を確保せねばならない。即ち、再送するデータ量が、本来再送を必要とするデータ量に比べて大きくなり、データ転送の効率化を図るべき無線通信において、非効率的なデータ転送を行うこととなる。
上記とは別の問題として、システム全体の時刻合わせの問題がある。第31図が、ネットワークシステムにおける各局のシステムタイマの精度と、受信局のソースパケット出力で発生するジッタを示す図である。
送信局はAVソースパケットに対し自局のタイマが示す入力時の時刻情報を添付し、受信局は添付された時刻情報と自局のタイマを使ってAVソースパケットのタイムシーケンスを再生する。しかし、各局のタイマは全く同じ精度ではないため、ある程度の時間が経過すると、各々の時刻がずれてくる。この送信局、受信局の間の時刻ずれが、受信局がAVソースパケットのタイムシーケンス再生をする際にジッタとして現れる。
即ち、第31図のように、制御局のシステムタイマに比べて、送信局のシステムタイマが進むと、送信局で送信されるソースパケットのタイミングが早くなるとともに、ソースパケットに付加される時刻情報が制御局のシステムタイマの表す時刻より早いものとなる。逆に、第31図のように、受信局のシステムタイマが遅れると、受信局で出力されるソースパケットのタイミングが遅れて、ソースパケットの出力間隔が本来の出力間隔と比べて長くなり、ジッタが生じる。更に、定期的に与えられるビーコンによって、各局のシステムタイマが一致させられるので、時間遅れが発生している受信局におけるソースパケットの出力間隔が本来の出力間隔と比べて短くなり、同じくジッタが生じる。
一方、個々のAVソースパケットは出力タイミングが厳しく決まっており、定められたジッタ範囲内で出力されなければならない。しかしながら、現在のHCFではビーコンによる時刻合わせしか行われない。IEEE802.11におけるタイマ精度は0.01%であるが、仮に100msに一回送信されるビーコンでしか時刻合わせを行わないとすると、送信局と受信局の間では最大20μs程度の時刻ずれが発生する。
上述したパケット毎のデータ再転送によるデータ転送の非効率化や、許容範囲外となるジッタの発生によるデータの欠落及び出力異常などにより、IEEE802.11などで設定される無線通信システムは、AVデータの転送に十分な通信システムではない。
発明の開示
よって、本発明は、AVデータ転送に適切となる効率的なデータ送信を行うことができる無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局によって送信局とされる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、アプリケーションデータに対して前記システムタイマより得られた該アプリケーションの入力時刻に基づいて生成した時系列的管理用の時刻情報を付加するとともに、前記アプリケーションデータのうち保持期間が定められたアプリケーションデータに対して送信可能な期間を設定するデータ処理部と、該データ処理部で前記時刻情報が与えられた前記アプリケーションデータを一時的に保持するバッファと、該バッファから前記アプリケーションデータを読み出すともに該アプリケーションデータに誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加部と、該誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加されたアプリケーションデータから送信パケットを作成する送信パケット生成部と、該送信パケット生成部で作成した前記送信パケットを送信する送信部と、前記バッファからアプリケーションデータを読み出すことを制御するとともに、前記送信パケット生成部で生成された前記送信パケットを通信帯域が確保された時間に前記送信部から送信することを制御する送信制御部と、前記送信部から送信した一つ又は複数の送信パケットの受信を示す応答信号を受信する受信部と、を備え、前記送信部から送信する際に、前記送信制御部において、前記システムタイマから得られる現在時刻と前記バッファ内に格納されたアプリケーションデータに対して設定された前記送信可能な期間とを比較し、該現在時刻が前記送信可能な期間を超過しているアプリケーションデータについては、前記誤り訂正符号付加部が前記バッファから読み出さず、又、前記送信部より前記送信パケットを送信した後、所定時間以上経過しても、前記送信パケットに対する前記応答信号を前記受信部で受信しなかったことが前記送信制御部において確認されるとき、該送信パケットが正しく受信されていないと判定するとともに、前記応答信号が正常に受信されたときと異なるタイミングで受信されたとき、当該応答信号より再送要求された前記送信パケットを確認し、再送要求された当該送信パケットを前記バッファから読み出して前記再送部より再送することを特徴とする。
又、本発明の別の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局によって受信局とされる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、時系列的管理用の時刻情報が付加されたアプリケーションデータから成る送信パケットを受信する受信部と、該受信部で受信された送信パケットに誤り訂正符号が付加されているか否かを判定する誤り訂正判定部と、前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加された送信パケットに対して誤り訂正を施す誤り訂正処理部と、誤り訂正が成された送信パケットよりアプリケーションデータを生成する第1復号部と、前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加されていない送信パケットより前記アプリケーションデータを生成する第2復号部と、前記第1及び第2復号部で生成された前記アプリケーションデータを一時的に格納する第1及び第2バッファと、前記システムタイマによる時刻が前記アプリケーションデータに付加された時刻情報による時刻と一致したことを確認すると、前記アプリケーションデータを前記第1バッファから読み出して出力するデータ出力部と、1つ又は複数の送信パケットの受信状態を示す応答信号を送信する送信部と、を備え、前記受信部で受信された送信パケットに対して、前記誤り訂正処理部及び前記第1復号部による第1演算処理と、前記第2復号部による第2演算処理とを同時に施すことを特徴とする。
本発明の別の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局となる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、他の通信装置から送信される通信帯域の確保を要求する帯域確保要求信号を受信する受信部と、通信帯域が確保され衝突が生じない非衝突区間を時分割で管理する帯域管理部と、前記システムタイマより得られる現在時刻を他の通信装置に認識させるための時刻情報信号と、前記非衝突区間の開始を他の通信装置に認識させるための非衝突区間開始信号と、前記非衝突区間の終了を他の通信装置に認識させるための非衝突区間終了信号と、を送信する送信部と、を備え、前記非衝突区間を発生させる周期を基本周期とし、前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間の周期であるメディアアクセス周期が、前記基本周期の整数倍でないとき、該他の通信装置の帯域確保の要求を拒否することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係わる無線通信ネットワークの一実施例を示す概略構成図である。
第2図は、本発明に係わる送信装置のブロック図である。
第3図は、本発明に係わる受信装置のブロック図である。
第4図は、本発明に係わる制御局のブロック図である。
第5図は、本発明に係わるMPEG2−TSパケット入力処理を示す図である。
第6図は、本発明に係わるDVCパケット入力処理を示す図である。
第7A図及び第7B図は、本発明に係わるMAPフォーマットを示す図である。
第8図は、本発明に係わるパケット送信処理の流れを示す図である。
第9図は、本発明に係わる誤り検出回路出力に対する誤り訂正回路出力の遅延を示す図である。
第10図は、本発明に係わるパケット内の誤り訂正符号有無を判別するフローチャートを示す図である。
第11図は、本発明に係わるパケット受信処理の流れを示す図である。
第12図は、本発明に係わるMPEG2−TSパケット出力処理を示す図である。
第13図は、本発明に係わるDVCパケット出力処理を示す図である。
第14図は、本発明に係わる現在提案されている遅延ACKフレームフォーマットを示す図である。
第15図は、本発明に係わるリードソロモン符号化ブロック単位再送のために拡張した遅延ACKフレームフォーマットを示す図である。
第16図は、本発明に係わる遅延ACKフレームを示す図である。
第17図は、本発明に係わる送信局の送信状況更新を示す図である。
第18図は、本発明に係わるライフタイムを考慮したAV伝送用バッファを示す図である。
第19図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第20図は、本発明に係わるDVC/LAN(24Mbps)共存時のバースト回数と実転送レートおよび基本周期を示す図である。
第21図は、本発明に係わる帯域管理のフローチャートを示す図である。
第22図は、本発明に係わる帯域解放のフローチャートを示す図である。
第23図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第24図は、本発明に係わるLANパケットによる帯域損失に対する補填を示す図である。
第25図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第26図は、本発明に係わる帯域解放のフローチャートを示す図である。
第27図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第28図は、本発明に係わるCF−Pollフレームを示す図である。
第29図は、本発明に係わるCF−Endフレームを示す図である。
第30図は、PCFのCFPとCPの関係を示す図である。
第31図は、従来のタイマ精度と時刻合わせを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施例を示す。本発明における通信ネットワークは有線、無線を特定しないが、以下の実施例ではIEEE802.11無線通信方式を用いた場合を例にして説明を行う。
第1図は、本発明を実施する無線ネットワーク構成例である。
第1図の1は衝突が発生しない区間において送信を行う局の無線メディアへのアクセスを制御する制御局である。本実施形態ではメディアアクセス制御機能としてHCFを備えるものとする。この制御局1は、通常、HC(Hybrid Coordinator)と呼ばれる。
第1図の2はリアルタイムAVデータの送信局、3はリアルタイムAVデータの受信局である。リアルタイムAVデータ送信局2及びリアルタイムAVデータ受信局3の衝突が発生しない区間(CFP)におけるメディアアクセスは制御局1によって管理される。本実施形態では、このCFPにおけるメディアアクセス管理を機能させるために、制御局1及び送信局2及び受信局3はそれぞれ、HCFを備えるものとする。
第1図の4は衝突が起きる可能性がある区間(CP)のみメディアアクセスできる従来の局である。本実施形態では、局4はDCFのみを備えるものとする。
尚、第1図において、それぞれの局には送信、受信、制御、従来のメディアアクセスのようにひとつの機能しか実装されていないように記載しているが、これは説明を簡潔にするためであり、実際には一つの局に複数の機能を実装するものとしてもよい。
第2図は、送信局2の構成を示すブロック図である。
第2図の5はネットワークシステム全体の時刻情報を管理するシステムタイマである。システムタイマ5は制御局1が発行するBeaconなどの時刻情報を格納したフレームに含まれる現在時刻情報に基づいて時刻合わせをすることで、常に制御局1内のシステムタイマとほぼ同じ時刻になるように動作するとともに、この現在時刻情報に基づいてメディアアクセス時間を管理する。
第2図の6は入力されたAVソースパケットを転送に適した形に変換するためのデータブロック生成回路である。又、このデータブロック生成回路6は、複数のデータブロックの集合体に対して、AVソースパケットに対するデータブロックの生成情報(本実施形態ではこの情報をMAPと呼ぶことにする)、及びAVソースパケットが入力されたときのシステムタイマ5で測定される時刻情報を添付する。
AVソースパケットのデータブロック生成回路6への入力時刻を管理するタイマを別途用意する方法もあるが、本実施形態では説明を簡単にするために、システムタイマ5を使用している。このMAPと時刻情報を付加されたデータブロックの集合を、本実施形態において、AVデータパックと呼ぶことにする。
第2図の7はAV伝送用バッファであり、データブロック生成回路6で生成されたAVデータパックを順次格納する。AV伝送用バッファ7は、AVデータパック単位でバッファアドレス管理を行い、且つ、送信待機状態にあるバッファアドレスを示す識別子を備える。この識別子は、AVデータパック単位毎のバッファアドレスに対応して与えられる1ビットのデータである。そして、AV伝送用バッファ7にAVデータパックが入力されると、入力されたAVデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を1とし、又、AV伝送用バッファ7からAVデータパックが出力されると、出力されたAVデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を0とする。AV伝送用バッファ7のバッファサイズは、後述するライフタイム分のAVデータパックを格納できるサイズとする。又、AV伝送用バッファ7には、後述する再送可能であることを示す再送可能識別子をも備える。
第2図の8は送信局2のメディアアクセスを制御するMAC(Media Access Control)部であり、第2図の9はAV伝送用バッファ7から出力されるAVデータパック、またはLLC(Logical Link Control)層のデータをバッファリングするLLC−PDU(LLC Protocol Data Unit)用バッファ10内のデータをMACパケットに格納するためのMACパケット生成回路である。
第2図の11は、他局から送信されたパケットを受信するための受信部である。受信部11が制御局1が送信したBeaconを受信した場合、Beacon内部に格納されている時刻情報をシステムタイマ5に通知し、システムタイマ5はその時刻情報を使って自身の時刻情報を更新する。受信部11が制御局1からのAV伝送のための帯域確保フレームを受信した場合、MAC部8にその旨を通知する。通知されたMAC部8は、AV伝送用バッファ7の状態を調べ、バッファに送信待機状態のAVデータパックが存在しているときは、MACパケット生成回路9に対しMACパケットの生成を開始するよう要求する。受信部11が受信局3からのACKを受信したときは、受信局3が再送を必要としているかどうかを判断し、再送が必要であれば、その旨をMAC部8に通知し、次回の送信時に必要なデータを送信できるようにする。
MACパケット生成回路9は、入力データを選択するセレクタ12と、入力されたデータに対し誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加回路13と、誤り検出符号を付加した状態のデータを暗号化する暗号化器14と、MACパケットヘッダを生成するMACパケットヘッダ生成回路15と、MACパケットヘッダと暗号化されたデータを選択するセレクタ16と、セレクタ16の出力に対し誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加回路17と、誤り訂正符号付加回路17での誤り訂正符号をデータに付加するか否かを選択するセレクタ18と、入力されたパケット全体に対し誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加回路19と、で構成される。本実施実施形態において、誤り訂正符号付加回路17はリードソロモン符号(224,208)を扱うものとする。即ち、208バイトのデータに対し、16バイトのリードソロモン符号を付加し、全体としては224バイトのデータを出力する。
第3図は、受信局3の構成を示すブロック図である。
第3図におけるMACパケット受信回路20は、パケット全体の誤り検出を行う誤り検出回路21と、パケットに付加された誤り訂正符号により誤り訂正を行う誤り訂正回路22と、HCFに対応したMACパケットを解析するMACパケット解析回路23と、データに施された暗号を復号する復号器24と、復号されたデータの誤りを検出する誤り検出回路25と、データの出力先をLLC−PDU用バッファ30及びAV伝送用バッファ32のいずれにするかを選択するセレクタ29と、リードソロモン符号を付加されていないパケットを解析するMACパケット解析回路26と、データに施された暗号を復号する復号器27と、復号されたデータの誤りを検出する誤り検出回路28で構成される。本実施形態では、誤り訂正回路22はリードソロモン符号(224,208)を扱う。即ち224バイトのデータに対し、末尾16バイトをリードソロモン符号として扱い、エラー訂正を行った208バイトのデータを出力する。
尚、第3図の受信局3は、MACパケット解析回路23,26、復号器24,27、誤り検出回路25,28をそれぞれ2つずつ備えているが、これはリードソロモン復号処理には時間がかかるため、リードソロモン復号中に従来のMACパケットを受信したような場合に、従来のMACパケットの処理ができなくなることを防ぐためである。従って、このような機能が必要ではない場合には、MACパケット解析回路、復号器、誤り検出回路それぞれ1つのみを備えるものとしても構わない。又、LLC−PDU用バッファ30,31についても、同時に2系統からの書き込みが可能な制御回路をもつバッファであればLLC−PDU用バッファを1つとしても構わない。
誤り検出回路25から出力されるデータがAVデータパックであるならば、セレクタ29を通じてAV伝送用バッファ32に与えられて、AV伝送用バッファ32に格納される。AV伝送用バッファ32は、AVデータパック単位にアドレス管理を行い、バッファアドレスに対してAVデータパックの格納状態を示す識別子を備える。この識別子は、AVデータパック単位毎のバッファアドレスに対応して与えられる1ビットのデータである。そして、AV伝送用バッファ32に正常なAVデータパックが入力されると、入力されたデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を1とし、AV伝送用バッファ32からAVデータパックが出力されると、出力されたデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を0とする。AV伝送用バッファ32のバッファサイズは、後述するライフタイム分のAVデータパックを格納できるサイズとする。
第3図の33はソースパケット出力回路である。このソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32に蓄えられているAVデータパックからソースパケットを再構築し、ソースパケットに添付されている時刻情報又はソースパケットから算出された時刻情報とシステムタイマ34に従ってタイムシーケンスを再現し、ソースパケットを出力する。
MACパケット受信回路20がBeaconなどの時刻情報を格納したフレームを受信すると、その時刻情報をシステムタイマ34に通知し、システムタイマ34は通知された時刻情報に従って自身の時刻情報を更新する。
第3図の35は、受信装置のメディアアクセスを制御するMAC部である。このMAC部35によって、システムタイマ34の時刻情報や、メディアセンスによって自局がメディアアクセス可能であるかどうか、即ち、ACK送信可能な時であるかを判断する。
第3図の36はACK生成部である。このACK生成部36は、MACパケット受信部20の状況やAV伝送用バッファ32の状態に応じて、送信局2に対しACKを生成する。
第4図は、制御局1の構成を示すブロック図である。
第4図で37はシステムタイマであり、MAC部38はこのシステムタイマ37の時刻情報をもとにメディアアクセス制御を行う。システムタイマ37が規定の時刻を示すと、MAC部38はBeaconや帯域確保フレームを送信するよう送信部39に要求する。
第4図の40は、他局から送信されたパケットを受信するための受信部であり、新規に帯域確保を要求したい送信局からの帯域確保要請フレームなどを受信する。受信部40が帯域要請フレームを受信すると、その情報は帯域管理部41に与えられる。帯域管理部41は周期的に帯域を確保する必要がある局と、TXOPと呼ばれるメディアアクセス時間を管理している。帯域管理部41は、帯域に余裕があれば、この要求を許可し、内部に必要な情報を記憶する。MAC部38は帯域管理部41から帯域情報が変わったことを通知されると、適当な時間からその局のための帯域確保フレームを送信するよう、送信部39に要求する。
既存の局4については、IEEE802.11のPCF/DCFを備えた従来の装置であるため、その構成の説明を省略する。
以下では送信局2に入力されたAVソースパケットが受信局3にて出力されるまでの処理の流れについて順次説明する。ここでは例として、AVソースパケットがMPEG2−TS又はDVC(スタンダード)である場合について説明する。
データブロック生成回路6は、入力されたAVソースパケットを、リードソロモン符号(224,208)で扱いやすい形式、すなわちデータが208バイト以内になるように構成しなおしたAVデータパックを生成し、AV伝送用バッファ7に格納する。
第5図はMPEG2−TSが送信局2のAV伝送用バッファ7に格納されるまでの流れを示した図である。
一つのMPEG2−TSパケットの大きさは188バイトであり、通常の画質で平均6Mbps程度、高画質のもので24Mbpsの速度で断続的に転送される。データブロック生成回路6では、入力されたMPEG2−TSパケットに対し、入力時のシステムタイマ5に基づく4バイトの時刻情報をソースパケットヘッダ(SPH)として添付するとともにデータブロックの内容を示す8バイトのMAP情報を添付することで、200バイトのAVデータパックを生成する。このようにして生成されたAVデータパックは順次AV伝送用バッファ7に与えられ、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックがデータブロック生成回路6より出力される順に後述するTagが付加されて格納される。
即ち、n番目(ソースパケットカウンタによって与えられたカウント値に相当する)に与えられたソースパケットがデータブロック生成回路6に与えられると、入力された時刻がシステムタイマ5で確認される。このシステムタイマ5で確認された時刻に基づく時刻情報によるSPH及びMAP情報を添付してAVデータパックを生成すると、このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk番目となる後述するTagを付加して格納する。又、n+1番目のソースパケットにより生成されるAVデータパックが、k+1番目となる後述するTagが付加されたAV伝送用バッファ7に格納される。
第6図はDVCパケットが送信局2のAV伝送用バッファ7に格納されるまでの流れを示した図である。
一つのDVCのパケットは480バイトであり、30Mbpsの転送速度で連続的に転送される。パケット先頭はフレームパルス入力の立ち上がりで判別される。データブロック生成回路6は入力されたDVCパケットを5つのブロックに分割し、2つのブロック毎にデータブロックの内容を示す8バイトのMAP情報を添付して、AVデータパックを生成する。このようにして生成されたAVデータパックは順次AV伝送用バッファ7に与えられ、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックがデータブロック生成回路6より出力される順に後述するTagが付加されて格納される。又、DVCのMAP情報には、フレームパルス立ち上がり時のシステムタイマ5に基づく2バイトの時刻情報を格納している。
即ち、n番目に与えられたソースパケットがデータブロック生成回路6に与えられると、入力された時刻がシステムタイマ5で確認される。そして、ソースパケットが96バイトの5つのブロックF0n〜F4nに分割されると、2つのブロックF0n,F1nに、システムタイマ5で確認された時刻に基づく時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成する。このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk番目となる後述するTagを付加して格納する。又、2つのブロックF2n,F3nに、同一の時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成し、このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk+1番目となる後述するTagを付加して格納する。
又、n+1番目のソースパケットが与えられると、データブロック生成回路6で5つのブロックF0n+1〜F4n+1に分割される。そして、2つのブロックF4n,F0n+1に、システムタイマ5で確認されたn+1番目のソースパケットの入力された時刻に基づく時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成する。このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk+2番目となる後述するTagを付加して格納する。その後、ブロックF1n+1,F2n+1によるAVデータパック、ブロックF3n+1,F4n+1によるAVデータパックがそれぞれ、順に、後述するTagが付加されてAV伝送用バッファ7に格納される。
尚、システムタイマ5に基づく4バイト又は2バイトの時刻情報は、システムタイマ5によって確認されたソースパケットの入力時刻を表すものであっても構わないし、この入力時刻に送信局2での処理時間及び受信局3への送信時間を付加した時刻としても構わない。
第7図A及び第7図Bは、MPEG2−TS及びDVCそれぞれに対するMAP情報を格納するパケットヘッダフォーマットの一例である。又、表1は、MAP情報における各フィールドのビット数を表した表であり、表2は、MPEG2−TS及びDVCそれぞれに対する各フィールドの情報を示した表である。
第7図のMPEG2−TSに対するMAP情報のフィールド構成と、第7図BのDVCに対するMAP情報のフィールド構成とから明らかなように、MPEG2−TSに対するMAP情報には、SYTフィールドが無く、FDFフィールドとされている。その他のフィールドについては、MPEG2−TS及びDVCのいずれに対するMAP情報にも含まれる。
以下に、各フィールドの詳細について説明する。まず、DBSは8ビットのフィールドで、格納時の最小単位であるデータブロックのサイズをquadlet(=4バイト)単位で示している。即ち、MPEG2−TSの場合は、時間情報とソースパケットを合わせた192バイトが最小単位になるため、48(=|00110000|2)が、DVCの場合は、フラグメントされた96バイトが最小単位になるため、24(=|00011000|2)が入力される。
FNは3ビットのフィールドで、ソースパケットをいくつのデータブロックに分割したかを整数で示す。1は分割をしていないことを示し、0は8個に分割したことを示す。MPEG2−TSの場合は分割しないため1を、DVCの場合は5つに分割するため5が入力される。
DBIは3ビットのフィールドで、AVデータパックの先頭に格納されたブロックが何番目のブロックであるを示す数値が入る。MPEG2−TSの場合、分割しないため、DBIは常に0であるが、DVCの場合はソースパケットが分割されるため、ソースパケットが分割されて生成されるブロックの順番を示す0〜4までの整数が入る。
SPCは8ビットのフィールドで、AVデータパック内に格納されているソースパケットが何番目のパケットであるかを示すソースパケットカウンタによるカウンタ値であり、分割された複数のブロックが格納されているときは、その先頭のブロックのカウンタ値とされる。
QPCは8ビットのフィールドで、格納したブロックの合計が200バイトに満たない場合に施すパディングの量をバイト数で示す。ここではMPEG2−TSは、パディングを行わないため、常に0(=|00000000|2)である。しかし、DVCの場合は、パケットが連続的に入力されなかった場合、96バイトのパディングが付加される可能性があり、このようなときは96(=|01100000|2)となり、このような場合以外では0(=|00000000|2)となる。
RSVは1ビットのフィールドで、後に利用可能とするための予約フィールドである。SPHは1ビットのフィールドで、AVデータパックを作成する際にソースパケットヘッダが付加していたか否かを示す。MPEG2−TSの場合は時刻情報として4バイトのソースパケットヘッダを付加するため1が、DVCの場合は0が格納される。
FMTは6ビットのフィールドでソースパケットのフォーマットを示す。このFMTは、上位1ビットが1のとき、SYTフィールドを有することを示す。即ち、MPEG2−TSの場合は|000000|2が、DVCの場合は時刻情報として2バイトのSYTを備えるため|100000|2が格納される。
FDFは8ビット又は24ビットのフィールドで、FMTで指定されたフォーマットよりも詳しい情報が入力される。このFDFは、DVCの場合は2バイトのSYTを備えるため8ビットのフィールドとなり、MPEG2−TSの場合はSYTがないので24ビットのフィールドとなる。
SYTは16ビットのフィールドで、ソースパケットが入力した時刻情報である。MPEG2−TSの場合は、ソースパケットヘッダとして時刻情報をもっているため付加せず、DVCの場合は先に述べた2バイトの時刻情報をここに格納する。尚、このSYTには、ソースパケットの先頭のブロックがAVデータブロックに含まれる場合は、そのブロックのソースパケットが入力された時刻情報が格納される。又、本実施形態では、FMT、FDF、SYTは、IEEE1394でリアルタイムAVデータを転送するための方式であるIEC61883に従っている。
以上の操作により、MPEG2−TSソースパケット、DVCソースパケットは、ともに200バイトのAVデータパックに変換され、AV伝送用バッファ7に格納される。
第8図は、AV伝送用バッファ7に格納されたAVデータパックからMACパケットを生成するまでの処理を示す図である。
AV伝送用バッファ7は、データブロック生成回路6で生成された200バイトのAVデータパックに8ビットの識別子を含む4バイトの付加情報であるTagを添付して出力する。この付加情報であるTag内の8ビットの識別子は、上述したようにAV伝送用バッファ7に格納された順序を表す値に相当する。このTagを付加された204バイトのAVデータパックがセレクタ12で選択されて誤り検出符号付加回路13に与えられると、誤り検出符号付加回路13によって4バイトの誤り検出符号(FCS)が付加される。
Tagにある8ビット識別子は、本実施形態において、リードソロモン符号化ブロック単位での再送を行う通信において、受信局3がACKを返信する際に、どの符号化ブロックを正常に受信したかを示すために使われる。よって、Tagにある8ビット識別子は、受信局3が判別できる形式、例えば連続的な番号でもよい。
本実施形態では、管理を容易にするとともにその管理に用いられる別のバッファを不要とするために、AV伝送用バッファ7のバッファアドレスを8ビット識別子として使用する。このことにより、回路が簡略化される。又、本実施形態では、送信するAVデータパックにTag情報を付加しているが、これは一例であり、Tag情報を付加せずに上位フォーマットヘッダにより識別を行うなどの方法も可能である。
4バイトのTagと4バイトの誤り検出符号が付加された208バイトのAVデータパックは、これを1単位として、暗号化器14によって暗号化される。この暗号化器14において用いられる方法として、現在、IEEE802.11eにおいて提案されているbasic WEPと呼ばれる公開鍵法による暗号化方法が用いられる。
この暗号化方法は、予め、送信局2と受信局3の間において秘密鍵を決めておく。そして、送信局2において、この秘密鍵と公開鍵とによって暗号化する。又、公開鍵は、送信パケット毎に変更され、パケットに付加して受信局3に通知される。受信局3では、通知された公開鍵と秘密鍵とによって復号化する。尚、公開鍵はMACパケットヘッダ生成回路15で生成されると、暗号化器14に与えられる。
暗号化されたデータに対し、MACヘッダと公開鍵が付加され、更に、誤り訂正符号付加回路17によって16バイトのリードソロモン符号が付加される。ここで、誤り訂正符号付加回路17において、MACヘッダと公開鍵を一つのリードソロモン符号化ブロックとし、データに関しては208バイトのAVデータパックに相当する暗号化データ単位でリードソロモン符号化ブロックとする。
即ち、まず、MACパケットヘッダ生成回路15で生成されたMACヘッダと公開鍵とがヘッダ部としてセレクタ16で選択されて誤り訂正符号付加回路17に与えられ、16バイトのリードソロモン符号が付加される。その後、暗号化器14で暗号化された暗号化データ単位毎のAVデータパックがデータ部としてセレクタ16で選択され、誤り訂正符号付加回路17で16バイトのリードソロモン符号が付加される。そして、誤り訂正符号付加回路17で所定数のAVデータパックそれぞれに相当する各データ部にリードソロモン符号が付加されて出力されると、セレクタ16によって、MACパケットヘッダ生成回路15の出力を誤り訂正符号付加回路17に与えるように接続を切り換える。
又、32バイトのMACヘッダと4バイトの公開鍵のデータ量は36バイトしかなく、208バイトに満たない。このため、誤り訂正符号付加回路17は、このMACヘッダと公開鍵とによるデータブロック(ヘッダ部)について、1〜172バイトに0又は1のパディングが格納されるとともに173〜208バイトにMACヘッダと公開鍵とが格納されているデータとして、処理を行う。このヘッダ部を処理する際、誤り訂正符号付加回路17が、172バイト分の0又は1のパディングの処理後の内部状態となるように、初期化すればよい。
そして、セレクタ18が誤り訂正符号付加回路17の出力を選択して誤り検出符号付加回路19に与えるため、リードソロモン符号化処理されたデータ全体に対し、誤り検出符号付加回路19により4バイトのFCSが付加される。即ち、リードソロモン符号化処理された1つのヘッダ部と所定数(n)のデータ部による誤り訂正符号付データに対して、FCSが付加される。よって、所定数(n+1)のリードソロモン符号化ブロックによる誤り訂正符号付きデータに対して、誤り検出符号化が行われる。これは従来のIEEE802.11パケットとの互換性を保つための処理である。
上述のように、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックを208バイト以内に無駄なく収まるように構成しなおすことには、パディングによって発生する帯域の増加を抑制できるという利点と、後述するリードソロモン符号化ブロック単位で再送する際の処理が簡略化できるという利点がある。
又、MACパケット生成回路9でのMACパケットの生成処理において、固定長のリードソロモン符号を使った例を挙げたが、他の方法として、ソースパケットの大きさにあわせてリードソロモン符号の符号長を可変させる方法もある。例えば、リードソロモン符号として(255、239)を利用する場合において、MPEG2−TSソースパケットを処理するときは、先頭から208バイト目までを誤り訂正符号付加回路17を通した後、209バイト目から239バイト目まで0又は1をパディングしたものとして計算を行い、16バイトのリードソロモン符号を得る。そして、209バイト目から239バイト目までの0又は1のパディングは除去して、208バイト目までAVデータパックに16バイトのリードソロモン符号を付加して誤り検出符号付加回路19に送出する方法がある。
固定長のリードソロモン符号の場合は、AVデータパックやソースパケットの大きさによてリードソロモン符号化ブロック内にパディングが発生する可能性があるが、この方法では誤り訂正符号付加回路17においてパディングが除去されるので、メディア上を転送されるパケット内にはパディングが発生せず、帯域の使用効率が向上するという利点がある。
この場合、パディングする量が多くなればなるほど、リードソロモン符号化時のパディング箇所の処理の遅延が大きくなり、パディング分の遅延を補償するために、パディング分だけ先行した先読みを行って処理する必要がある。このため、より速い動作クロックと、先読みでリードソロモン符号化処理を施したデータを保存するために多くのバッファが必要となる。
又、ヘッダ部において、1〜36バイトまでにMACヘッダと公開鍵を格納し、残りの37〜208バイトを0又は1のパディングとする形で処理をしても構わないが、その場合は、符号化の際にパディング部で発生する遅延時間を考慮する必要がある。この場合、可変長のリードソロモン符号化処理と同様、先読みでリードソロモン符号化処理を施したデータを保存するためのバッファが必要となる。
又、セレクタ12によって、LLC−PDU用バッファ10からのデータブロックが選択されたとき、ブロック13〜19が上述と同様の動作を行うことによって、LLC-PDU用バッファ10に格納されたインターネット用のデータなど処理されてMACパケットが生成される。
更に、セレクタ18が、セレクタ16からの出力を選択して誤り検出符号付加回路19に与えるとき、誤り訂正符号付加回路17におけるリードソロモン符号化処理が行われずに、MACパケットヘッダ生成回路15で生成されたヘッド部及び暗号化器14でAVデータパックが暗号化されて得られたデータ部が、誤り検出符号付加回路19に与えられる。よって、リードソロモン符号の付加されていないヘッド部及び所定数のデータ部よりなるデータに対して、FCSが付加される。
次に、受信局3がMACパケットを受信したときの処理について述べる。
まず、受信局3では、受信パケットが誤り訂正符号化処理をされているかを判別する必要がある。この判別方法において、MACヘッダに設けた誤り訂正符号化処理の有無を示す識別フィールドより判別する方法があるが、無線メディア上で発生したエラーによって、誤り訂正符号化処理識別フィールドに誤りが発生する場合もある。そのため、単純にこの誤り訂正符号化処理の有無を示す識別フィールドのみによる判別だけでは、信頼性が低い。
よって、誤り訂正回路22によって誤り訂正符号化処理を行うか否かが確認される。今、第9図に、誤り訂正回路22と誤り検出回路21とにおいて同一のデータ量のデータに対する処理速度が同じであるものとしたときの、誤り検出回路21の出力と誤り訂正回路22の出力の時間的な関係を示す。この第9図を参照して、以下に、誤り検出回路21及び誤り訂正回路22それぞれでの時間的な処理関係を説明する。
まず、誤り検出回路21にMACパケットが入力されると、MACヘッダと公開鍵とリードソロモン符号とによるデータブロック長分の処理時間が経過すると、誤り訂正回路22にMACパケットのデータが出力される。そして、誤り訂正回路22は、入力されたデータを一度バッファリングした後に、ユークリッド演算を開始する。その後、誤り訂正回路22において、リードソロモン符号化ブロック長分の時間をかけてユークリッド演算が行われると、次に、チェンサーチが行われる。
このため、誤り訂正後のMACヘッダの出力が開始されるのは、MACパケット受信回路20内の誤り検出回路21へのMACヘッダの入力開始から276バイト分(MACヘッダを含むデータブロック52バイト+リードソロモン符号化ブロック224バイト)のデータ処理時間後であり、この後、更に52バイト分のデータ処理時間を経過した後に、MACヘッダに対する誤り訂正が成功したか否かが確認されるとともに、誤り訂正処理を行うか否かが確認される。この誤り訂正が正常に行われなかったとき、誤り検出回路21へのMACヘッダの入力開始から328バイト分のデータ処理時間が経過したタイミングで、誤り訂正エラー信号が出力される。
これに対し、従来のIEEE802.11aパケットにおいては、受信後、SIFS(16μs)の間隔でACKを返さなければならない。しかしながら、上述のような誤り訂正処理を待った上で誤り訂正処理を行うか否かを判断した場合、MACヘッダに対して施されるチェンサーチが終了するまでにかかる処理時間がSIFSより長くなるため、SIFSの間隔でACKを返すことは難しい。
このため、受信局3は、誤り訂正処理されたMACパケットと通常の誤り訂正がないMACパケットをそれぞれ独立かつ並列に処理できるように、MACパケット受信回路20内に2系統のMACパケット処理用のブロックを備える。
第10図に、MACパケット受信回路20において、MACパケットが誤り訂正処理をされているか否かを判断した後に、MACパケットに対して各種処理を施すためのフローチャート示し、以下でその動作を説明する。
最初に、誤り検出回路21においてMACパケットの宛先アドレスをチェックする(STEP1)。このとき、宛先アドレスが自局宛か、又は、宛先指定のないブロードキャストでない場合は(No)、MACパケット解析回路26後段での通常の処理は中止し、誤り訂正回路22後段での誤り訂正の処理のみを行う(STEP2)。即ち、宛先アドレスが間違っている場合は、誤り検出回路21で誤り検出されるために、通常の処理では正常に受信できないので、このMACパケットに対するACKを返信する必要がない。又、このとき、宛先アドレスが正しく他局のアドレスを示している場合は、受信局3にとって無関係な通信である。
その後、誤り訂正処理部22で誤り訂正をした後、誤り訂正されたMACパケットの宛先アドレスをMACパケット解析回路23で再度チェックする(STEP3)。このとき、MACパケットの宛先アドレスが自局宛又はブロードキャストである場合(Yes)、復号器24後段での処理が行われて、後述する遅延ACKがACK生成回路36より送信される(STEP4)。又、逆に、MACパケットの宛先アドレスが自局あて又はブロードキャストでない場合(No)、現在行っている誤り訂正処理を中止する(STEP5)。
STEP1において、誤り検出回路21で確認されたMACパケットの宛先アドレスが自局宛又はブロードキャストである場合は(Yes)、誤り検出回路21において、MACヘッダ内の誤り訂正処理識別フィールドより、誤り訂正符号化されているか否かの判断を行う(STEP6)。この識別フィールドで誤り訂正符号化されていることが示されていたら(Yes)、STEP2に移行して、STEP2〜STEP5の誤り訂正処理のみを行う。このとき、誤り訂正処理をしていないにも関わらず誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正処理を示している場合、処理するMACパケットにエラーが発生していることを示し、このMACパケットは通常の処理ではACKを返信する必要がない。
又、STEP6において、MACヘッダ内の誤り訂正処理識別フィールドにおいて誤り訂正符号化されていることが示されていない場合は、誤り訂正回路22後段での誤り訂正の処理と、MACパケット解析回路26後段での通常の処理とを平行して行う(STEP7)。
STEP7を経た後、誤り訂正回路22で誤り訂正処理が行われると(STEP8)、誤り訂正回路22から出力される誤り訂正処理後のMACヘッダの誤り訂正処理識別フィールドがMACパケット解析回路23で解析される(STEP9)。ここで、誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正符号化されていることを示している場合(Yes)、誤り訂正エラー信号の状態を確認する(STEP10)。このとき、MACヘッダが誤り訂正回路22において正常に誤り訂正処理が成されたことが確認されると(Yes)、上述の通常の処理を中止するとともに、上述の誤り訂正処理が続けて行われる(STEP11)。この誤り訂正処理が行われるとき、遅延ACKをACK生成回路36で生成して送信する。
STEP9において、誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正符号化されていることを示していない場合(No)、又は、STEP10において、MACヘッダが誤り訂正回路22における誤り訂正処理が正常に成されていない場合(No)、上述の誤り訂正処理を中止するとともに、上述の通常の処理のみを続けて行う(STEP14)。この通常の処理が行われるとき、ACKをACK生成回路36で生成して送信する。
STEP7を経た後、上述の通常の処理が行われたとき(STEP12)、MACパケット検出回路21において、MACパケットヘッダにおけるフォーマット的なエラーが確認される(STEP13)。このとき、MACパケットヘッダにおけるエラーが検出されると(Yes)、上述の通常の処理が中止されるとともに、上述の誤り訂正処理を続けて行う(STEP11)。又、MACパケットヘッダにおけるエラーが検出されない限り(No)、上述の誤り訂正処理を中止するとともに、上述の通常の処理を続けて行う(STEP14)。
STEP7における通常の処理と誤り訂正処理の平行動作は、それぞれの判別までにかかる時間に差があるため、先に正常と判断された処理動作が優先されて、優先された処理動作に対して、以降のパケット処理を行う。尚、上述の両方の処理において、同時に正常と判断された場合は、以下の2通りの判断方法を用いることができる。一つの判断方法は、物理層から報告されるパケット長から判断する方法、残りの一つの判断方法は、確率的に正しいと考えられる処理動作を選択する方法である。
前者の判断方法では、受信したMACパケットのパケット長が誤り訂正符号処理をされた場合のパケット長(=32バイト(MACヘッダ)+4バイト(IV:公開鍵)+16バイト(RS符号)+n×224バイト(nは、MACパケット内に含まれるAVデータパックの数に相当する)+4バイト(FCS))であることが誤り検出回路21で確認されると、誤り訂正処理を優先する。しかしながら、可変長のリードソロモン符号を使用している場合は、この判断方法を使用することはできない。
後者の判断方法では、誤り訂正回路22と誤り検出回路21のそれぞれが誤動作する確率を比較し、確率的に誤動作をしにくい方を優先する。尚、リードソロモン符号で誤りを誤訂正をする確率は1/60000であり、誤り検出符号が誤りを正常に検出できない確率はデータ長によって変化する。
上記判断方法以外に、誤り検出回路21の出力を一度バッファリングし、誤りが検出されないときは、そのMACヘッダ内容に従って通常の処理を行い、誤りが検出されたときは、誤り訂正処理を行う方法もある。この場合、同時並行的に処理する必要がないので、第10図のフローチャートと比べて、その判定アルゴリズムをより簡略化できる反面、バッファによる遅延が発生する。
以下に、誤り訂正符号化処理について説明する。第11図は、誤り訂正符号化処理されたパケットとして正常に判断された後、パケット内のAVデータパックがAV転送用バッファに格納されるまでの流れを示したものである。
誤り検出回路21から誤り訂正回路22にMACパケットが与えられると、まず、ヘッダ部について誤り訂正処理が行われる。このとき、誤り訂正回路22で正常に訂正されて得られたヘッダ部がMACパケット解析回路23に与えられ、MACヘッダ及び公開鍵が取り出されると、公開鍵が復号器24に与えられる。又、MACパケット内に含まれるデータ部についても、誤り訂正回路22で誤り訂正が成される際、訂正エラー信号が出力されたか否かが確認される。又、誤り訂正回路22で誤り訂正が行われたデータ部は、MACパケット解析回路23を通じて復号器24に与えられる。
復号器24は、予め設定していた秘密鍵と、MACパケット解析回路23が得られた公開鍵を用いて、データ部の復号化を行い、その結果を誤り検出回路25によって、データ部が正しく復号化されているかどうかをFCSによって判別する。ここで、誤り検出回路25はリードソロモン復号が行われて、正常に訂正できたか否かの判別も行われる。
誤り検出回路25によってFCSが除去されて得られたAVデータパックは、AV伝送用バッファ32のTagにある8ビット識別子が示すバッファアドレスに格納されていく。同時に誤り訂正回路22から出力される誤り訂正エラー信号を観測し、この信号が正常に受信できたことを示す場合には、AV伝送用バッファ32において、AVデータパックを格納したバッファアドレスに対応する格納状況表示識別子に対し1を書き込み、誤り訂正エラー信号が訂正エラーを示した場合はその格納状況表示識別子に0を書き込む。
即ち、第11図の場合、誤り訂正回路22において、訂正エラー信号が出力されるデータ部#1,#3に対しては、AV伝送用バッファ32の格納状況表示識別子が0となる。又、データ部#2に対しては、AV伝送用バッファ32の格納状況表示識別子が1となる。即ち、復号器24及び誤り検出回路25で復号化されたデータ部#1,#3より得られるTag内の8ビット識別子がk−1,k+1となるAVデータパックが格納されるAV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに対応する格納状況表示識別子が0となる。又、同様に、Tag内の8ビット識別子がTagとなるAVデータパックが格納されるAV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに対応する格納状況識別子が1となる。
AV伝送用バッファ32での処理をより簡単にするために、誤り訂正回路22の出力をリードソロモン符号化ブロック分の長さのバッファでバッファリングし、訂正エラーが発生しなかったことを確認した後、MACパケット解析回路23に出力させるようにしても構わない。この場合、MACパケット解析回路23による解析が遅延するとともに、より多くのバッファがいるが、AV伝送用バッファ32の制御は簡略化できる。
又、本実施形態の場合、AV伝送用バッファ32に、受信したMACパケットより得られたAVデータパックを書き込む際、誤り訂正が正常に行われて、対応するバッファアドレスの格納状況表示識別子が既に1である場合は、書き込みを中止するようにしてもよい。これは、既に正しく書き込まれていたバッファアドレスのデータ領域に、誤り誤訂正や誤り訂正失敗している可能性があるデータが書き込まれることを防ぐためである。
次に、AV伝送用バッファ32内のAVデータパックがソースパケットとして再構成され出力されるまでの処理動作を説明する。
ソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32に有効なAVデータパックが格納されているとき、この有効なAVデータパック順次読み出して、AVデータパックの中身を解析する。即ち、AV伝送用バッファ32において、格納状況表示識別子が1となるバッファアドレスに格納されるAVデータパックが読み出されて、ソースパケット出力回路33で解析される。
ソースパケット出力回路33において、MAPのFMT、FDFフィールドによってAVデータパックに格納されているAVソースパケットの種類を確認する。又、MAPのDBSによってデータブロックサイズを確認するとともに、この値とQPCで確認されるパディングの値とからAVデータパックに格納されているデータブロックの個数が認識される。そして、各データブロックに対して、それぞれのMAPにおけるSPC及びDBIで指示されたデータブロック番号とFNで指示された分割数とに応じて、AVソースパケットを再構築する。更に、MAP内のSYT又はソースパケットヘッダで指示された時刻情報に基づいて、タイムシーケンスを再現しながら、再構築したAVソースパケットを出力する。
第12図は、AVデータパックがMPEG2−TSによるAVソースパケットのAVデータパックである場合のソースパケット出力回路33の処理の流れを示している。
まず、ソースパケット出力回路33は、上述のようにMAPを解析する。このとき、MPEG2−TSのMAPが表2に示した値となるため、ソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32より読み出されるAVデータパックがMPEG2−TSによるものであり、AVソースパケットがソースパケットヘッダが付加された状態で分割なしに格納されていることが確認される。
ソースパケット出力回路33は、更に、ソースパケットヘッダとAVソースパケットとを分割して、ソースパケットヘッダ内の時刻情報に後述するオフセット時間を加算した時刻情報と自局のシステムタイマ34が与える現在時刻情報とを照らし合わせ、両者が一致したときにAVソースパケットを出力する。
第13図は、AVデータパックがDVCによるAVソースパケットのAVデータパックである場合のソースパケット出力回路33の処理の流れを示している。
まず、ソースパケット出力回路33は、上述のようにMAPを解析する。DVCのMAPが表2に示した値となるため、ソースパケット出力回路33は、このAVデータパックがDVCによるものであり、AVソースパケットが5つに分割されていることが確認される。又、このAVデータパックには、何番目のソースパケットの何番目のデータブロックが格納されているかが確認される。
ソースパケット出力回路33は、AVデータブロックF0〜F4をF0,F1,F2,F3,F4の順の並びになるよう結合して、一つのAVソースパケットに再構成する。さらにインデックス0のAVデータブロックを格納していたAVデータパックのMAPのSYTから時刻情報を確認し、この時刻情報に後述するオフセット時間を加算した時刻情報を求める。オフセットされた時刻情報と自局のシステムタイマ34が与える現在時刻情報とを照らし合わせ、両者が一致したときにAVソースパケットを出力する。
以下に、オフセット時間の計算方法について説明する。
送信局2及び受信局3の内部に構成される回路によって発生する遅延やメディアアクセスのタイミングによって発生する遅延のため、AVソースパケットが送信局2のデータブロック生成回路6に入力された時刻をそのまま利用して、受信局3のソースパケット出力回路33から出力することはできない。このため、送信局2、受信局3もしくはその両方において、AVソースパケットの時刻情報をオフセットする必要がある。
本実施形態では、オフセット時間の計算は、受信局3のソースパケット出力回路33が行っている。これは、仮に同じパケットを受信した局が複数台存在する場合、それぞれの局においてパケット出力の時間差ができるが、送信局2が受信局3の内部回路による遅延を考慮せずに送信を行えるという利点がある。各受信局3の間で遅延差が生じるのは、リードソロモン復号処理にかかる時間によるものであるが、すべての局が同じ速度で復号処理をすれば、このような時間差を抑制することができる。
又、逆に、送信局2のデータブロック生成回路6のみでオフセット時間を計算するものとしても構わない。このようにすることで、受信局3が複数台存在する場合でも、すべての受信局のAVソースパケット出力をほぼ同じ時間とすることができる。
いずれの方法を用いるとしても、ネットワーク内の送受信局の内部回路構成による遅延量は、システムが破綻しない範囲内であらかじめ決定しておく。又、本発明の装置を備えたネットワークシステムが何を要求しているかによって、いずれの方法がよいかは異なる。
以上のようにして送信局2に入力されたAVソースパケットは、受信局3から出力される。
次に無線通信路上でエラーが発生した場合の再送方法について述べる。
受信局3において、MACパケット全体が消失したか、又は、MACヘッダ部に誤りが発生してこのMACパケットを破棄した場合、受信局3から送信局2に対してACKは返信されない。このため、送信局2は次の送信機会において自発的に再送を行う。
次に、受信局3において、MACパケット内のデータ部のリードソロモン符号化ブロックにおいて誤りが発生した場合はACKを使って受信局3から送信局2に対し再送を要求する。このとき、誤り訂正回路22におけるリードソロモン符号の復号には時間がかかるため、通常のACKを返すことはできない。よって、復号後に複数のパケットに対し一括してACKを返すことができる遅延ACKを使用する。
第14図に、現在IEEE802.11eにおいて提案されている遅延ACKのフレームフォーマットを示す。
2バイトのFrame Controlフィールド及び2バイトのDurationフィールドによって、遅延ACKであることが宣言される。又、6バイトのRAフィールドによって受信側となる送信局2のアドレスが示されるとともに、6バイトのTAフィールドによって送信側となる受信局3のアドレスが示される。2バイトのRecord Countフィールド内の8ビットの識別子によって、4バイト単位毎のACK Recordフィールドの数が設定される。第14図では、4バイトのACK Recordフィールドを1つとして構成している。又、誤り検出符号として、4バイトのFCSが付加されている。
このACK Recordフィールド内のシーケンス番号(Sequence No.for TC-bitmap #0 bit)は再送を要求するパケットを示している。即ち、TC−seq内の4ビットのTCIDによって、再送する映像ファイルの識別子が示されるとともに、シーケンス番号によって再送するAVソースパケットのパケットの番号が示される。そして、16ビットのTC−bitmapには、シーケンス番号で示されるAVソースパケット以降のAVソースパケットとシーケンス番号で示されるパケットとの時間軸上の位置関係が1ビット毎に示される。TC−bitmapにおいて、再送要求されるAVソースパケットの位置を示すビットに1が与えられ、受信が成功したAVソースパケットの位置を示すビットに0が与えられる。
尚、現在提案中の遅延ACKはパケット単位での再送しか考慮されていない。このようなパケット単位での再送は、課題でも述べたが、パケット内に格納されているリードソロモン符号化ブロックのうち一つでも誤り訂正エラーが発生するとすべてを再送しなければならず、非常に効率が悪い。
それに対して、本実施形態では、パケット単位の再送のみならず、リードソロモン符号化ブロック単位(AVデータパック単位)の再送も可能とするように、遅延ACKを構成する。本実施形態におけるAVデータパック格納方法は、パケット内の一部のリードソロモン符号化ブロックしか正常に受信できず、AV伝送用バッファにそのAVデータパックが格納されなかった場合でも、この正常に受信された部分における再生は可能である。又、各AVデータパックはTagにある8ビット識別子によって区別することが可能である。このため、パケット単位で再送をする必要性はなく、誤り訂正ができずに得られなかったAVデータパックのみ再送を行えばよい。
第15図は、第14図に示したACKフレームフォーマットのリードソロモン符号化ブロック単位再送拡張の一例であり、パケット単位の再送を行うか、ブロック単位の再送を行うかを識別するためのBitmap Objectビットを2バイトのRecord Countフィールド内に設けている。このBitmap Objectビットは、ACK Recordフィールドがパケットのシーケンスナンバーを示すのか、Tagにある8ビット識別子を示すのかを識別するためのものである。リードソロモン符号化ブロック単位再送を行う場合は、このBitmap Objectビットを1にする。
Bitmap Objectビットが1のとき、ACK Recordフィールド内の情報は、AV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに相当するTagにある8ビット識別子の値を示す。そして、16ビットのTC−bitmapには、TC−Seqで示されているTagにある8ビット識別子から以降の受信状況を示すことができる。TC−bitmapにおいて、再送要求されるAVデータパックの位置を示すビットに1が与えられ、受信が成功したAVデータパックの位置を示すビットに0が与えられる。
即ち、TC−seq内の4ビットのTCIDによって、再送する映像ファイルの識別子が示されるとともに、シーケンス番号によって再送するAVデータパックの8ビット識別子が示される。そして、16ビットのTC−bitmapには、シーケンス番号で示されるAVデータパック以降のAVデータパックとシーケンス番号で示されるAVデータパックとの時間軸上の位置関係が1ビット毎に示される。
第11図では、前回の受信においてバッファアドレスN−2まではすべて正常な書き込みが行われものとするとともに、受信したMACパケット内の1番目と3番目のリードソロモン符号化ブロックにおいて誤り訂正エラーが発生しており、AVデータパックが得られないものとする。よって、AV伝送用バッファ32のN番目のバッファアドレスには正常にデータが書き込まれたが、k−1、k+1番目のバッファアドレスはヌルになっている。
第16図は、第11図で示す受信結果に対し、ACK生成回路36が生成したACKフレームを示す。ACK生成回路36では、AV伝送用バッファ32内の各バッファアドレスの格納状態が、AV伝送用バッファ32から与えられる格納状況表示識別子によって確認される。又、MACパケット受信部20で受信されて処理が成されたAVデータパックのTag内の8ビット識別子がMAC部35で認識され、ACK生成回路36に伝えられる。
そして、MAC部35よりMACパケット受信部20で処理されたAVデータパックについての情報が与えられると、AV伝送用バッファ32から与えらえる格納状況表示識別子によって、再送要求するAVデータパックに付加されたTag内の8ビット識別子が認識され、この認識された8ビット識別子に基づいて、遅延ACKが生成される。尚、このとき、前回の受信で正常に受信されたAVデータパックのTag内の8ビット識別子はACK生成回路36内に記憶されている。
このとき、まず、ACK Recordフィールド内の情報がTagにある8ビット識別子を示すために、Record Countフィールド内のBitmap Objectビットが1とされる。又、ACK Recordフィールドの数がこの場合1つだけとなるので、Record Countフィールド内のRecord Countが1とされる。
又、ACK RecordフィールドのTC−seqにおけるシーケンス番号が、前回正常に受信した最新のバッファアドレスに対応する8ビット識別子k−2の次の8ビット識別子、即ち、今回受信されたAVソースパケットの先頭のデータ部に含まれるAVデータパックが格納されるバッファアドレスに対応する8ビット識別子k−1となる。
このとき、MAC部35によって与えられる情報より、MACパケット受信部20で受信されて処理されたAVデータパックが確認されると、各AVデータパックの受信状況をAV伝送用バッファ32より与えられる格納状況表示識別子より確認される。今、第11図において、8ビット識別子k−1,k+1に対応するバッファアドレスに格納されるべきAVデータパックが正常に誤り訂正処理が成されていない。よって、8ビット識別子k−1,k+1に対応するバッファアドレスにおける格納状況表示識別子が0として与えられる。
よって、この格納状況表示識別子が0となるバッファアドレスに対する8ビット識別子k−1,k+1が確認されるため、8ビット識別子k−1,k+1にあたるビット位置が1となるように、TC−bitmapが生成される。即ち、16ビットのTC−bitmapが|1010 0000 0000 0000|2となる。
尚、TC−Seqに格納されるバッファアドレスは、本実施形態のように前回正常に受信した最新のバッファアドレスの次のアドレスである必要はなく、受信異常が発生したと思われるバッファアドレスとしても構わない。
又、同じ受信機会において受信したすべてのパケットに対する遅延ACKを生成する必要もない。即ち、受信局3が最後のパケットまでのACKが返せない場合は、途中までに受信したパケットの遅延ACKを生成し、送信局2に返すようにしてもよい。又、このとき遅延ACKを返せなかったパケットに対する遅延ACKは、ライフタイムを超過しない限りいつ返してもよい。
但し、この場合は、送信局2において、受信局3が何番目のパケットまでに対する遅延ACKを返信したのかを判別できるようにする必要がある。これは、例えば、遅延ACKが返されるまでの時間を、送信局2及び受信局3の間、もしくはシステム全体のパラメーターとして、予め設定しておき、その時間を過ぎても遅延ACKが返されないパケットやバッファアドレスについては再送をするという方法で対処できる。
このような遅延ACKについては、他の局の送信により遅延ACK自体が送信不可能になるということを防ぐために、他の通信より優先させて送信する必要がある。このため、本実施形態では、制御局1から送信される後述するCF−Endを受信した後、PIFS時間が経過したことをMAC部35が確認すると、ACK生成回路36で生成した遅延ACKを送信する。
よって、他の局が送信可能となるまでの時間であるDIFS時間+バックオフ時間よりも短いPIFS時間経過後に遅延ACKが送信されるため、他の局よりも先に受信局3がメディアにアクセスすることが可能となる。尚、PIFS時間よりも短いSIFS時間経過後に遅延ACKの送信を行うようにしても構わないし、制御局1により遅延ACK送信のタイミング制御を行うようにしても構わない。
又、上述したようにMACパケット解析回路26後段の各回路が動作を行う通常処理が成されるとき、ACKがACK生成回路36で生成されて送信される。この通常処理が成されるときに送信されるACKは、誤り検出回路28でMACパケットが正常に受信されたことを確認すると、MAC部35によってACK生成回路36にACKの送信を指示し、ACK生成回路36からACKが送信される。よって、このACKの送信は、MACパケットの受信を完了してからSIFS時間が経過するまでに行われる。
送信局2では、このような遅延ACKを受信部11で受信すると、AV伝送用バッファ7における送信待機状態識別子及び再送可能識別子と、遅延ACKにおけるACK Recordフィールドとによって、MAC部8がMACパケット生成回路9がAV伝送用バッファ7より読み出すAVデータパックを設定して、MACパケット生成回路9の動作を制御する。
又、本実施形態では、AVソースパケットの送受信する際の寿命時間であるライフタイムを考慮した送信を行う。即ち、時間が経過しすぎたAVソースパケットを再生すると映像または音声に乱れが生じるため、予めシステム内遅延などを考慮したうえで、ライフタイムを設定しておき、このライフタイムを超えたAVソースパケットについては送信を禁止する。
AVソースパケットの再送の場合も同様、受信局3から再送要求されてもライフタイムを経過したAVソースパケットは再送しても、受信局3から出力されたAVソースパケットが再生不可能となる。そのため、受信局3が送信局2に対して再送要求をするときや、送信局2が実際に再送を開始するときには、AVソースパケットの時刻情報とライフタイムを比較し、ライフタイムを超えているものについては再送を禁止する。
このように、ライフタイムが設定されるときに、遅延ACKを受信した送信局2における動作を、以下に説明する。第17図は、第16図の遅延ACKを受信した送信局2のAV伝送用バッファ7内において、各バッファアドレスに対する送信待機状態識別子を、遅延ACKのACK Recordフィールド内の情報に応じて更新する動作を示す。
上述したように、AV伝送用バッファ7には、各バッファアドレスに対して、送信待機状態を示す送信待機状態識別子と再送可能である(即ち、バッファアドレスに格納されているAVデータパックがライフタイムを超えていない)ことを示す再送可能識別子とが備えられる。
まず、受信部11で遅延ACKが受信されると、遅延ACKのBitmap Objectビットが1であることが確認されると、ACK RecordフィールドがTag内の8ビット識別子に関する情報であることをMAC部8に認識させる。そして、MAC部8において、遅延ACKのACK Recordフィールドにおけるシーケンス番号が確認されると、このシーケンス番号によって示されれる8ビット識別子が認識される。
そして、シーケンス番号より8ビット識別子がk−1であることが認識されるため、Tag内の8ビット識別子k−1以降の8ビット識別子に対するバッファアドレスに対する送信待機状態識別子がAV伝送用バッファ7より確認される。今、8ビット識別子k+2〜k+4のそれぞれに対するバッファアドレスに格納されるAVデータパックが送信待機状態にあるものとすると、第17図の2段目にあるビットマップように、AV伝送用バッファ7より|0001 1100 0000 0000|2となる16ビット分の送信待機状態識別子がMAC部8に与えられる。
又、MAC部8において、遅延ACKのACK Recordフィールドにおける第17図の1段目のような|1010 0000 0000 0000|2となるTC−bitmapが確認される。そして、MAC部8において、確認されたTC−bitmapとAV伝送用バッファ7より得られた16ビット分の送信待機状態識別子とのORを取ることで、再送を含めた送信対象となる識別子ビットマップ|1011 1100 0000 0000|2が得られる。
更に、MAC部8において、8ビット識別子k−1以降の8ビット識別子に対するバッファアドレスに対する再送可能識別子がAV伝送用バッファ7より確認される。8ビット識別子k−1〜k+4のそれぞれに対するバッファアドレスに格納されるAVデータパックの有する時刻情報がライフタイム以内にあるものとすると、第17図の3段目にあるビットマップのように、AV伝送用バッファ7より|1111 1100 0000 0000|2となる16ビット分の再送可能識別子がMAC部8に与えられる。
そして、上記で得られた送信対象となる識別子ビットマップと、この再送可能識別子によるビットマップとのANDを取り、その結果を使って送信待機状態識別子のビットマップを|1011 1100 0000 0000|2として更新する。この更新された16ビット分の送信待機状態識別子のビットマップと、シーケンス番号より次回の送信時での送信が確認されたAVデータパックの8ビット識別子がMACパケット生成回路9に与えられる。即ち、第17図の場合、8ビット識別子k−1,k+1〜k+4が与えられる。
そして、MACパケット生成回路9によって、次回の送信機会に、MAC部8によって与えられた8ビット識別子に対応するバッファアドレスのAVデータパックがAV伝送バッファ7より読み出されて、MACパケットが生成される。よって、第17図の場合、8ビット識別子k−1,k+1〜k+4に対応するバッファアドレスのAVデータパックがAV伝送バッファ7より読み出されて、MACパケットが生成された後、このMACパケットが送信される。
又、上述の再送可能識別子は、本来すべてのAVデータパックに付加されている時刻情報を調べて、システムタイマ5による現在時刻情報及びライフタイムで認識される時刻情報と比較を行った上で更新される。即ち、システムタイマ5によって確認される現在時刻情報からライフタイムを減算した時刻情報と、AVデータパックに付加されている時刻情報とを比較し、AVデータパックに付加されている時刻情報の方が早い時刻を示す場合は、送信を禁止するために再送可能識別子を0とする。
又、制御局1によって指示されるメディアアクセス周期が決まっており、且つライフタイムがそのメディアアクセス周期の整数倍である場合、送信局2のAV伝送用バッファ7における再送可能識別子とアドレスバッファとの関係が第18図で示すような関係となるようにしても構わない。このとき、メディアアクセス周期がシステムタイマ5によってカウントされ、AVデータパックがAV伝送用バッファ7に入力されるとき、システムタイマ5によってカウントされたメディアアクセス周期の計数値が第18図のようにサイクルフィールドに格納される。
又、このAV伝送用バッファ7に入力されるAVデータパックのバッファアドレスに対する送信待機状態表示識別子及び再送可能識別子が1とされる。更に、システムタイマ5によってメディアアクセス周期がカウントされる度に、現在の周期回数となる計数値とライフタイムをメディアアクセス周期で割った数との差分を計算し、サイクルフィールドがその計算値より小さくなったとき、そのバッファアドレスに対する再送可能識別子を0にする。
例えば、第18図のように、ライフタイムがメディアアクセス周期の3倍になっており、又、システムタイマ5によってカウントされるメディアアクセス周期の計数値が23であるものとする。よって、このとき、AV伝送用バッファ7において、Tag内の8ビット識別子k+4に対するバッファアドレスにAVデータパックが格納されるとき、このバッファアドレスに対するサイクルフィールドに計数値23が格納される。
又、8ビット識別子k+4のバッファアドレスに対する送信待機状態表示識別子及び再送可能識別子が1とされる。そして、サイクルフィールドに格納された値が現在の周期回数となる計数値23とライフリミットをメディアアクセス周期で割った数3との差分23−3=20よりも小さくなるバッファアドレスに対する再送可能識別子が0とされる。
このようにすることで、再送の際に送信局2において、AV伝送用バッファ7内のすべてのバッファアドレスに格納されたAVデータパックの送信時間を調べる必要がなくなるため、上述したAVデータパックに付加されている時刻情報を比較する場合にくらべ回路を大幅に簡略化することができる。
次に、制御局1による帯域確保の方法について、基本周期内に衝突が発生する区間を備える場合と備えない場合それぞれに対して説明する。
1.基本周期内に衝突が発生する区間を備える場合
まず、メディアアクセスのための基本周期の決定方法について述べる。第19図は、HCFを備えた制御局1と送信局2と受信局3の基本的なパケット交換を時間軸で示した一例である。この第19図の例では、1つの基本周期に、衝突が発生しない区間CFPと衝突が発生する区間CPとが含まれる。
第19図のように、まず、制御局1から帯域確保フレームであるCF−Pollが送信部39から送信される。このCF−Pollが送信されてから、制御局1からCF−Endが送信されるまでの間は衝突が発生しない区間CFPとして確保される。CF−Pollを受信した送信局2は、自局が送信局であることをCF−Pollより確認して、受信局3に対しRTSを生成して送信する。
又、RTSを受信した受信局3は、自局が受信局であることをRTSより確認して、送信局2に対し、CTSを生成して送信する。CTSを受信した送信局2は受信局3が受信可能な状態であることを確認し、受信局3に対し、MACパケット生成回路9で生成したMACパケットを含むパケット#1〜#nの単一転送又はバースト転送を行う。
そして、制御局1が、後述する第22図のアルゴリズムを利用して送信局2が無線メディアの帯域を解放したことを確認すると、CF−EndをMAC部38で生成して送信部39より送信することで、衝突が発生しない区間CFPを終了させる。この区間CFP内でのCF−Poll、RTS、CTS、パケット#1〜#n、CF−Endそれぞれの間隔はSIFS(16μs)である。
次に、衝突が起きる可能性のある区間CPが開始する。第19図の例においては遅延ACKをこの区間で返すものとしている。但し、遅延ACKが従来のIEEE802.11方式に従った動作を行う通信装置の妨害で返信されなくなることを避けるため、PIFS時間後に返信を行っている。尚、この遅延ACKの返信方法については、上述の通り制御局1による遅延ACKの送信時間を制御することによるものでも構わない。
そして、最初のCF−Pollが送信されてから基本周期分の時間が経過すると、ネットワークシステムを構成する局間で通信が行われていないときは、区間CPを終了させるとともに次の基本周期が開始されるように、制御局1から、CF−Pollが送信される。尚、基本周期内で区間CPで送信されるLANパケットが送信終了する場合、現時点における基本周期が開始されたときに最初に送信されるCF−Pollが送信されてから基本周期に相当する時間が経過すると、次の基本周期を開始するためにCF−Pollが送信される。
第19図の中段において、区間CFPにおいて送信局2から送信されるパケットの物理層にIEEE802.11a物理層(5GHz)を使用した場合の物理層パケットの構成を示す。IEEE802.11a物理層は最大通信速度が54Mbpsで、周波数帯域5GHzにおけるOFDM方式を備えた物理層であり、先に述べたDVCやMPEG2−TS高画質モードの転送を行える可能性のある物理層である。
Preamble、Signal、Service、Tail、PADSは、IEEE802.11a物理層によってMACパケットであるPDUに付加されるものであり、PreambleとSignalについては、それぞれの転送時間が16μs、4μsと決まっている。16ビットのServiceと6ビットのTailとPADSとMACパケットであるPDUとは、最大通信速度が54MbpsとなるOFDM方式で転送することができる。最大通信速度54Mbpsとなる時のOFDM方式での1シンボル長は216ビットである。そして、PADSは、Tailを含む最後のシンボルのシンボル長が216ビットになるように付加される。
第19図の下段において、上述のIEEE802.11a物理層におけるPDUであるMACパケットの構成を示す。IEEE802.11MAC層では、32バイトのMACヘッダ及び4バイトのFCSを除いたプロトコルのフレームボディと呼ばれるフィールドの最大値が2312バイトに制限されている。従って、224バイトのリードソロモン符号化ブロックを10個まで収めることが可能である。
よって、本実施形態で挙げたAVソースパケットのうち最も速い転送速度をもつDVCの場合について考えると、上述の1パケットで96(データブロックサイズ)×2(データブロック個数)×10(リードソロモン符号化ブロック個数)=1920バイトを転送することができる。
又、第19図に示すように、各パケット#1〜#nに含まれる複数のリードソロモン符号化ブロックの内の1ブロックを再送要求されたAVデータパックによるリードソロモン符号化ブロックに対する帯域として確保している。実際にデータ送信を行う場合は、このブロックを必ず再送要求されたAVデータパックによるリードソロモン符号化ブロックとする必要はないが、演算処理を容易にするためにこのような構成としている。よって、正規の(再送ではない)DVCによるAVソースパケットを格納できるデータサイズは1728バイトとなる。
又、MACパケット全体の大きさは、32(MACヘッダ)+4(IV)+16(MACヘッダ部のRS符号)+224×10(リードソロモン符号化ブロック)+4(FCS)=2296バイトである。これに、16ビットのServiceと6ビットのTailとを加え、216ビット(OFDMシンボル長)で割って小数点以下を切り上げた値(=86)がPADSを含むOFDMシンボル数となる。
1つのOFDMシンボルの転送時間は4μsであるので、4×86(OFDMシンボル数)+16(Preamble)+4(Signal)=364μsが一つの物理層パケットを転送するのに必要な時間である。
又、遅延ACKは、CF−Endが送信完了した後、PIFS(25μs)経過した後に出力される。リードソロモン符号化処理は、第9図に示すようにリードソロモン符号化ブロック2個分の遅延が発生する。受信局3の内部回路の処理速度が物理転送路の速度と同じとすると、この遅延は68μsとなる。これに対し、第19図における最後のパケット#n送信終了後からの遅延ACKを送信するまでの間隔は、16μs(SIFS)+27μs(CF−End)+25μs(PIFS)=68μsとなり、リードソロモン復号処理と同等の時間を確保できる。実際に遅延ACKを送信する際には物理層パケットの16μsのプリアンブル区間があるため、遅延ACK内のデータ生成に更に時間的な余裕がある。
衝突が起きる可能性がある区間CPで局4がメディアアクセスをするにはDIFS時間(34μs)+ランダムバックオフ時間による期間だけ待機しなければならない。よって、CF−Endが送信されて、区間CFPが終了するとともに区間CPが開始すると、DIFS時間よりも短いPIFS時間経過後に遅延ACKが送信されるため、遅延ACKの送信を局4の送信動作によって妨害されることはない。
尚、遅延ACKを局4の送信動作によって妨害されないための方法としては、上記以外にも、制御局1が送信する帯域確保フレームCF−Pollに続いて遅延ACKを送信するようにしても構わない。この場合、遅延ACKを送信するまでに、帯域確保フレーム送信時間及び遅延ACKの送信までの待機時間が更に必要となるが、より確実に遅延ACKを送信することが可能になる。
又、第20図は、上述した各制御パケットの転送時間などを考慮して、衝突しない区間CFPに含まれるパケット数を表すパケットバースト回数と、DVCソースパケットの実転送レート及び基本周期の長さとの関係を計算した結果をグラフで示したものである。
第20図でLANなしと記述されているグラフは衝突が発生しない区間を最小にした場合であり、LAN有りを記述されているグラフは転送速度24Mbps、フレームボディ長2312バイトのLANパケットと共存したときの値を示す。実転送レートは、再送用の帯域はパケットのデータ部を構成する10個のリードソロモン符号化ブロックのうち一つを再送専用として割り当てたとして、残りのリードソロモン符号化ブロックで転送できる転送量を示したものである。
第19図の例では、例えばLANと共存したときにDVCの実転送速度が30Mbps以上となる最小の周期、約6.8ms(バースト回数15回、実転送レート30.2Mbps)を基本周期とする。このようにすることで、基本周期をもっとも転送速度が速いDVC転送に適合するよう設計できるため、DVCよりも転送速度が低いMPEG2−TSの送信も可能である。
次に、上述のようにして各局間で通信が行われているときにおいて、制御局1がメディアアクセスを許可する送信局を決定する際の動作について、以下に説明する。第21図は、制御局1が新規に周期的なメディアアクセスを要求する送信局2に対し、メディアアクセスを許可するか否かを判別するためのフローチャートである。
尚、本実施形態において、通信ネットワークに属する各局のメディアアクセス周期を基本周期の整数倍とする。又、基本周期内における周期的にポーリングされる各局のメディアアクセス時間の合計の上限は、この基本周期におけるDVC転送の場合にかかるメディアアクセス時間と同等とする。更に、制御局1は、周期的なメディアアクセスを許可した各局の基本周期内におけるメディアアクセス時間及びメディアアクセス周期を帯域管理部41に記憶し、記憶したメディアアクセス時間を合計した時間をDVC転送時にかかるメディアアクセス時間から減算し、このようにして得られた時間を残り帯域として記憶する。
制御局1は、制御局1以外の局(以下、送信局とする)から送信される新規に周期的なメディアアクセスの許可を得るための帯域確保要請フレームを受信部40で受信する(STEP51)。このとき、帯域確保要請フレームより、帯域情報として、送信局が必要とするメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が確認される。
そして、この帯域情報が帯域管理部41に送出されると、帯域管理部41において、この新規に周期的なメディアアクセスを要求する送信局が必要とするメディアアクセス周期が基本周期の整数倍であるか確認される(STEP52)。即ち、この送信局に対して送信する帯域確保フレームCF−Pollの送信周期が、基本周期の整数倍であるか、帯域管理部41で確認される。
このとき、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍であることが確認されると(Yes)、帯域管理部41において、帯域確保要請フレームを送信した送信局が必要とするメディアアクセス時間と上述した残り帯域とを比較する(STEP53)。そして、メディアアクセス時間が残り帯域よりも短いことが確認されると(Yes)、帯域管理部41において、このメディアアクセス時間と基本周期とを比較する(STEP54)。
この帯域管理部41で、帯域情報から確認されたメディアアクセス時間が基本周期より短いことが確認されると(Yes)、送信局から要求されたメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が帯域管理部41に格納されるとともに、このメディアアクセス時間を残り帯域から減算することで、残り帯域の時間を更新する(STEP55)。このSTEP55の動作を終了すると、再び、STEP51に移行して、帯域確保要請フレームの受信確認が行われる。
又、STEP52において、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍でないとき(No)、又は、STEP53において、メディアアクセス時間が残り帯域より長いとき(No)、又は、STEP54において、メディアアクセス時間が基本周期より長いとき(No)、STEP51で受信された帯域確保要請フレームによる要求を拒否し、帯域管理部41における確認されたメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が破棄される(STEP56)。そして、このSTEP56の動作を終了すると、STEP55の時と同様、再び、STEP51に移行して、帯域確保要請フレームの受信確認が行われる。
以上のようにメディアアクセス時間の設定を行うことによって、既存LANのための帯域を保護しつつ、DVCまたはDVC以下の転送速度をもつリアルタイムAVデータの帯域を容易に確保することができる。
このように制御局1が送信局2のメディアアクセスの許可を行うとき、制御局1が送信局2の周期内での送信終了を検出し、送信局2が利用していた帯域を解放するために、第22図に示すフローチャートに従って動作する。
まず、現在のIEEE802.11と同様、制御局1は、受信部40で送信局2から送信されるパケット及び受信局から送信されるACK又は遅延ACKが受信されると、受信された信号をMAC部38で確認してメディアの監視を行う(STEP101)。そして、MAC部38において、送信局2から送信されるパケット内のMACヘッダに含まれるNF(Non Final)ビットより送信局2の状態を監視し、NFビットが0となったか否かを確認することで、送信終了を確認する(STEP102)。即ち、第19図の場合、パケット#n内のMACヘッダに含まれるNFビットが0であるとともに、パケット#1〜#n−1内のMACヘッダに含まれるNFビットが1である。
このようにMACヘッダのNFビットにより送信終了を確認する処理はPCFに適合したものである。このPCFの通信では、送信局2と受信局3との間で通信を行うときには必ず制御局1を経由するので、このNFビットを監視することができる。又、制御局1がパケットを受信できず、送信局2へACKの返信できなかった場合には、送信局から即座にパケットが再送されていたため、STEP102の処理による送信局2からのパケットの送信終了の確認が可能である。
STEP102で、NFビットが1である場合(No)、送信局2からのパケットの送信が終了してからSIFS時間以上の時間が経過するまでに送信局2又は受信局3からの信号を受信部40で受信したか否かが、MAC部38でシステムタイマ37より与えられる時刻情報より確認される(STEP103)。即ち、送信局2から送信されるパケットが最後のパケットであり、このパケットが送信されてからSIFS時間以上経過したか否かが確認される。
このとき、送信局2からのパケットが送信終了してからSIFS時間が経過するまでに、送信局2から送信される次のパケット又は受信局から送信されるACKを受信すると(No)、送信局2が送信可能とされるメディアアクセス時間であるTXOP時間が経過したか否かが、MAC部38によってシステムタイマ39による時刻情報を参照することで確認される(STEP104)。そして、TXOP時間の経過が確認されなかったときは(No)、再度STEP101以降の処理動作を行う。
このようなSTEP103及びSTEP104の処理動作が成されることで、送信局2及び受信局3の間で制御局1を経由しない通信を行うとともに遅延ACKの送信が可能となるHCFにおいても、送信局2の帯域解放処理を行うことができる。即ち、NFビットの確認を行わない場合でも、送信局2から送信される最後となるパケットを制御局1において確認することができる。
STEP102においてNFビットが0であることが確認されたとき(Yes)、又、STEP103において送信局2からのパケットの送信終了後SIFS時間以上経過したことが確認されたとき(Yes)、又、STEP104においてTXOP時間が経過したことが確認されたとき(Yes)、現在の衝突が発生しない区間CFPにおいて別の局へポーリングを行うポーリングスケジュールがあるかどうかが、MAC部38によって、帯域管理部41より得られる帯域確保時間情報より確認される(STEP105)。
そして、MAC部38によって、帯域確保時間情報よりポーリングスケジュールがあることが確認されると(Yes)、このポーリングスケジュールによって指定される次の局に対してメディアアクセスを許可するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP106)、STEP101以降の動作を行う。又、逆に、ポーリングスケジュールがないことが確認されると(No)、衝突が発生しない区間CFPが終了したことが確認されるため、衝突が発生しない区間を終了させるように、CF−Endを送信部39から送信する(STEP107)。
このようなフローチャートに従って動作するとき、区間CFP内で2つの局に対してメディアアクセスが許可されている場合、第23図のような通信が行われる。即ち、区間CFPの開始が確認されて、制御局1よりCF−Pollが送信されると、CF−Pollによって送信局として設定される局からRTSが送信されるとともに、RTSによって受信局として設定される局からCTSが送信される。その後、送信局となる局と受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認され、ポーリングスケジュールにより次に送信局として設定される局をポーリングするためのCF−Pollが制御局1より送信される。その後、同様に、次に送信局となる局からRTSが送信された後、次に受信局となる局からCTSが送信されると、この送信局となる局及び受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認されるとともに、次のポーリングスケジュールが確認されないので、区間CFPを終了するためのCF−Endが制御局1より送信される。
又、第19図の例において、LANと共存するために確保した区間を補償するために、メディアアクセス周期で許容されるジッタが設けられている。即ち、衝突が起きる可能性がある区間CPにおいて、各局間で送受信されるLANパケットが基本周期から外れても送信許容されるジッタが設定される。又、このように区間CPにおいてLANパケットが基本周期から外れることで生じた基本周期のずれを解消して帯域補填を行うために、次の基本周期を早く終了するためのジッタが設定される。
このような第19図に示すジッタを用いた帯域補填動作について、以下に説明する。第24図は、制御局1のCF−Pollの送信タイミングにおいて局4が24Mbpsの転送速度でLANパケットを送信中であったときの、各局の通信動作を示すためのタイミングチャートである。
局4が、基本周期終了後、LANパケットの送信を終了すると、この局4からLANパケット受信した局より、LANパケットの送信終了後SIFS時間の間隔でLANパケットに対するACKが返信される。そして、局4は、このACKを受信するために、DIFS+ランダムバックオフ時間だけ待機する。このとき、制御局1は、LANパケット送信終了をMAC部38で確認すると、PIFS時間だけ待機した後に、送信部39より帯域確保フレームCF−Pollを送信する。よって、基本周期終了からCF−Pollの送信までの間に、LANパケットによる遅延となるジッタが生じる。
このように生じた遅延となるジッタは、MAC部38内に格納される。そして、MAC部38において、この遅延となるジッタを基本周期の長さから減算した時間を、次の基本周期の長さとして設定する。そして、第22図のフローチャートに従って動作した後、CF−Endを送信して衝突が発生しない区間CFPを終了させる。その後、衝突が起きる可能性がある区間CPになるが、制御局1は、上述のようにしてMAC部38で設定した基本周期となると、この区間CPを終了させて、次の基本周期を開始するために、CF−Pollを送信部39から送信する。このとき開始させる次の基本周期の長さは、元の周期の長さとされる。
即ち、制御局1では、遅延となるジッタが発生した次の基本周期については、その長さを、発生したジッタの長さ分短い長さとする。よって、遅延となるジッタが発生した次の基本周期では、CF−Pollが送信されてから、基本周期の長さからジッタを減算した時間が経過したことを確認すると、次の基本周期が開始されるように、CF−Pollを送信する。このとき、帯域補填するために早期終了させた分のジッタが発生する。
このように、局4による妨害によって遅延した分だけ早く衝突が起きる可能性がある区間CPを終了させ、次の基本周期を開始する。この場合、局4による妨害が再び発生する可能性があるが、24MbpsのLANパケットであれば、その送信時間がジッタの範囲を超えることはないため、問題はない。
又、局4のLANパケットの転送速度が、本例で第20図を利用して基本周期を計算した際に使用した転送速度以下である場合は、制御局1は、衝突が起きる可能性がある区間CPにおいて、遅延ACKの送信終了後PIFS時間だけ待機する。そして、帯域確保フレームCF−Pollを送信して、衝突が発生しない区間CFPを再開する。このような動作を、失った帯域を補填するまで続けることによって、局4の妨害を防ぐとともに、速やかに帯域を補填することができる。
このような帯域補填を行うことにより、DVCによるAVソースパケットの送信と24Mbpsで送信される既存LANとの共存が可能になる。
2.基本周期内に衝突が発生する区間を備えない場合
上記では、第19図のような衝突が起きる可能性がある区間CPが基本周期内に設けられるときの例を挙げたが、この区間CPが基本周期内に設けられないものとしても構わない。この区間CPが基本周期内に設けられないときの、HCFを備えた制御局1と送信局2と受信局3の基本的なパケット交換におけるタイミングチャートを、第25図に示す。
第25図の場合においても、第19図の場合と同様、まず、制御局1から帯域確保フレームであるCF−Pollが送信部39から送信された後、CF−Pollを受信した送信局2よりRTSが送信され、このRTSを受信した受信局3よりCTSが送信される。このようにして、送信局2及び受信局3が決定されると、送信局2から受信局3に対して、MACパケットを含むパケット#1〜#nが送信される。
そして、制御局1において、パケット#nの送信が終了したことが確認されると、CF−Endが送信部39から送信される。このCF−Endを受信局3が受信すると、CF−Endの受信が終了してからSIFS時間が経過後に、受信局3から送信局2に対して遅延ACKが送信される。尚、CF−Poll、RTS、CTS、パケット#1〜#n、CF−Endそれぞれの間隔は、第19図の例と同様、SIFSである。
そして、最初のCF−Pollが送信されてから基本周期分の時間が経過すると、次の基本周期が開始されるように、制御局1から、CF−Pollが送信される。尚、基本周期内で最後に送信される遅延ACKが送信終了した後、送信待機時間SIFS以上の時間が経過してから次の基本周期が開始されるように、SIFS時間分待機した後に送信部39からCF−Pollが送信される。
このように基本周期が設定されるとき、制御局1がメディアアクセスを許可する送信局を決定する際の動作については、第19図の例と同様、第21図のフローチャートに従って、周期的なメディアアクセスを要求する送信局2に対して、メディアアクセスの許可を行う。よって、その詳細な説明は省略する。
又、本例において、制御局1が送信局2の周期内での送信終了を検出し、送信局2が利用していた帯域を解放するために、第26図に示すフローチャートに従って動作する。尚、第26図のフローチャートにおいて、第22図に示すフローチャートと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
まず、制御局1は、受信部40で受信された信号をMAC部38で確認してメディアの監視を行い(STEP101)、送信局2から送信されるパケット内のMACヘッダにおけるNFビットが0となったか否かを確認する(STEP102)。このとき、NFビットが1である場合(No)、次に、送信局2から最後のパケットが送信されてからSIFS時間以上経過したか否かが確認される(STEP103)。更に、送信局2からSIFS時間以内にパケットが送信されると(No)、TXOP時間が経過したか否かが確認される(STEP104)。
このSTEP102〜STEP104の処理動作がおこなわれているとき、NFビットが0であること、又は、最後のパケットが送信局2から送信されたこと、又は、TXOP時間が経過したことのそれぞれが確認されると、次のポーリングスケジュールがあるか確認される(STEP105)。
このとき、帯域管理部41より与えられる帯域確保時間情報から、次のポーリングスケジュールが確認されると(Yes)、送信部39からCF−Endを送信する(STEP151)。その後、受信部40で送信局3からの遅延ACKを受信したか否かがMAC部38で確認され(STEP152)、遅延ACKが受信されなかったとき(No)、CF−End送信終了後SIFS時間が経過したか否かが、システムタイマ37からの時刻情報より確認される(STEP153)。このとき、SIFS時間の経過が確認されなかったとき(No)、再び、STEP152以降の動作を行う。
又、STEP152において遅延ACKの受信が確認されたとき(Yes)、又は、STEP153においてCF−End送信終了後SIFS時間の経過が確認されたとき(Yes)、STEP105で確認されたポーリングスケジュールによって指定される次の局に対してメディアアクセスを許可するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP106)、STEP101以降の動作を行う。
又、STEP105において、次のポーリングスケジュールが確認されなかったとき(No)、送信部39からCF−Endを送信する(STEP155)。その後、遅延ACKを受信したか否かが確認され(STEP156)、遅延ACKが受信されなかったとき(Yes)、SIFS時間が経過したか否かが確認される(STEP157)。このとき、SIFS時間の経過が確認されなかったとき(No)、再び、STEP156以降の動作を行う。
又、STEP156において遅延ACKの受信が確認されたとき(No)、又は、STEP157においてSIFS時間の経過が確認されたとき(Yes)、基本周期における最初のCF−Pollを送信してから基本周期分の時間が経過したことをシステムタイマ37からの時刻情報より確認した後、次の基本周期を開始するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP158)、STEP101以降の動作を行う。
このようなフローチャートに従って動作するとき、区間CFP内で2つの局に対してメディアアクセスが許可されている場合、第27図のような通信が行われる。即ち、基本周期の開始が確認されて、制御局1よりCF−Pollが送信されると、送信局となる局からRTSが送信されるとともに、受信局となる局からCTSが送信される。その後、送信局となる局と受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認され、CF−Endが制御局1から送信される。このCF−Endの送信終了後SIFS時間が経過して、遅延ACKが受信局となる局から送信されたことが確認された後、遅延ACK送信後SIFS時間経過すると、ポーリングスケジュールにより次に送信局として設定される局をポーリングするためのCF−Pollが制御局1より送信される。
その後、同様に、次に送信局となる局からRTSが送信された後、次に受信局となる局からCTSが送信されると、この送信局となる局及び受信局となる局との間で通信が行われる。そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認されるとともに、次のポーリングスケジュールが確認されないので、まず、CF−Endが制御局1から送信される。
このCF−Endの送信終了後SIFS時間が経過して、受信局となる局より遅延ACKが送信されたことが確認されると、基本周期を開始してCF−Pollを送信してから、基本周期となる時間が経過したか確認される。そして、基本周期となる時間が経過したことが確認されると、次の基本周期を開始するために、制御局1からCF−Pollが送信される。
尚、制御局1からCF−Endを送信した後、SIFS時間以上の時間が経過したことが確認されると、ポーリングスケジュールがある場合は、すぐにCF−Pollが送信され、又、ポーリングスケジュールがない場合は、基本周期が終了したことが確認された後にCF−Pollが送信される。
又、本実施形態において、第18図で示したように、AVソースパケットのライフタイムをメディアアクセス周期の整数倍とすることによって、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍であるため、ライフタイムを基本周期の整数倍とすることができる。このように、AVソースパケットのライフタイムを基本周期で計測することができるので、このライフタイムの管理が容易になる。
よって、上述したように、ライフタイムがAVソースパケットを送受信することのできる時間を示すため、ライフタイムに対するメディアアクセス周期の倍数が再送可能なメディアアクセス周期の計数値に相当するのと同様、基本周期の倍数は再送可能な基本周期の計数値として考えることができる。又、AVソースパック毎の再送回数が多ければ多いほどエラーに対する耐性は向上するが、ネットワークシステムにおいてAVソースパケットを再生する際の遅延が大きくなるとともに、送信局2及び受信局3それぞれに備えられるAV伝送用バッファ7,32のサイズも増大する。
上述のように、基本周期を6.8msとした場合、この間に転送されるDVC(スタンダード、30Mbps)ソースパケットの量は、25.5Kバイトであり、MPEG2−TS高画質モード(24Mbps)ソースパケット量は20.4Kバイトである。ライフタイムの間に転送される全AVソースパケット量は、ライフタイムに対する基本周期の倍数に比例する。このライフタイムの間に転送される全AVソースパケット量は、即ち、送信局2及び受信局3それぞれのAV伝送用バッファ7,32に必要とされるサイズになる。
よって、本実施形態における送信局2の機能及び受信局3の機能を一つのLSIで実現する場合には、備えるAV伝送用バッファのバッファサイズを適切なものとして、このバッファサイズに適合するよう基本周期を決める必要がある。又、基本周期が小さいほど、AV伝送用バッファのバッファサイズを節約しながら再送回数を増やすことができ、同時にライフタイムによるシステム遅延も抑えることができる。
又、本実施形態では高い頻度で時刻合わせを行うために、基本周期毎に必ず制御局1から送信されるCF−PollやCF−Endに対して、システムタイマ37から与えられる時刻情報が送信部39で付加されて送信される。このようなCF−PollやCF−Endのパケットフォーマットが、第28図及び第29図のように表される。
即ち、CF−Pollは、第28図のように、CF−Pollであることを示すための32バイトのMACヘッダと、システムタイマ37より与えられた時刻情報となる2バイトのタイムスタンプと、送信局となる局を指定するとともにメディアアクセス時間などを備えるデータと、4バイトの誤り検出符号であるFCSとによって構成される。又、CF−Endは、第29図のように、CF−Endであることを示すための32バイトのMACヘッダと、システムタイマ37より与えられた時刻情報となる2バイトのタイムスタンプと、4バイトの誤り検出符号であるFCSとによって構成される。
又、IEEE802.11のタイマ精度は、上述したように0.01%であるため、6.8msに一回で時刻合わせをする場合、ジッタを1.3μs程度に抑えることができる。本実施形態では、基本周期毎に送信される第28図のような構成のCF−Poll及び第29図のような構成のCF−Endそれぞれが受信される度に、CF−Poll及びCF−Endそれぞれに備えられたシステムスタンプによって時刻合わせが行われる。よって、IEEE802.11のシステムタイマ精度がμsオーダーであるため、AVソースパケットのタイムシーケンス再生におけるジッタがほとんど無視できる。
但し、基本周期を長くした場合は、制御局1は、CF−Poll及びCF−Endとは別に時刻合わせ専用のフレームを送信するようにしても構わない。又、制御局1自身が送信局を兼ねる場合は、CF−Pollを出さずに送信を開始する場合がある。この場合についても、CF−Poll及びCF−Endとは別に時刻合わせ専用のフレームを送信するようにしても構わない。
尚、本実施形態では、DVCを転送するための基本周期を例にしたが、例えば、あるシステムではDVCやMPEG2−TS高画質モードの送信をあきらめ、通常のMPEG2−TSを数チャネル分流したいという場合もあるだろうし、またあるシステムではできるかぎりLANを優先したいという場合もある。衝突が生じない区間においてどのようなAVデータを扱うか、衝突が起きる可能性がある区間においてどのような機器と共存するかによって、基本周期と実転送レートが大きく変わる。そのようなシステムの構築例といくつか取り決めておけば、ユーザーが望む最適な無線ネットワークシステムを簡単に実現できる。
又、本実施形態では、ライフタイムは基本周期の整数倍になるように設定したが、送信局及び受信局それぞれのAV伝送バッファのバッファサイズに制限がある場合は、このAV伝送バッファにおいて、リアルタイムAVデータを格納できる最大時間をライフタイムとしても構わない。この場合や、又は、システムとしてのライフタイムが設定されている場合、実転送レートが転送したいAVデータの転送量よりも大きく、且つ、その周期の長さがライフタイムの整数分の1になるように、基本周期を設定しても構わない。
更に、本実施形態では、各送信局が送信を行う際に与えるメディアアクセス時間が、リアルタイムAVデータが最速の転送速度で転送されるときのメディアアクセス時間とされる。又、このメディアアクセス時間の値の合計がシステムが扱う最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えないように、送信局として新規に参入する局の制限を行う。
これに対して、基本周期毎又は基本周期の整数倍毎に、各送信局がAV伝送用バッファの空きメモリ情報となるキューイング情報を制御局1に通知し、制御局1は、このキューイング情報を用いて、次回以降の基本周期において各送信局が必要とするメディアアクセス時間を予想し、この予想に基づいてメディアアクセス制御を行うようにしても構わない。
又、MPEG2−TSのような可変レートのリアルタイムAVデータを扱う送信局は、常に最大の転送速度で送信することがない。本実施形態では、最大転送速度時に各送信局が必要とするメディアアクセス時間の合計が最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えることはできない。しかしながら、上述のキューイング情報からメディアアクセス時間を予想する場合、予想したメディアアクセス時間の合計が最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えない限り、制御局1は各送信局に対するメディアアクセス制御を行うことができる。
しかし、転送レートの可変量はリアルタイムAVデータの内容によって変化するため、予測が不可能な場合もある。このような場合には、制御局1が予測した転送速度と各送信局が実際に必要とした転送速度の差分によって発生した齟齬を吸収するため、AV伝送用バッファのメモリサイズバッファを大きくするとともに、ライフタイムを長くすればよい。
又、再送すべきリードソロモン符号化ブロックを識別するために、本実施形態では、バッファアドレスを識別子として収めたTagを使用したが、受信したパケットのシーケンス番号及びそのパケット内で誤り訂正できなかったリードソロモン符号化ブロックの位置を知らせるようにしても構わない。この場合、受信局3は、例えばMAPにあるSPCとDBIを参照して、AV伝送用バッファ32にAVデータパックを格納する際にSPCとDBIが連続的になるように格納する。
又、このとき、送信局2においては、送信済みのパケットのシーケンス番号及びAVデータパックの格納状況を保存するバッファを備える必要がある。更に、受信局3においては、ソースパケット出力回路33だけではなく、AV伝送用バッファ32においても、MAPを解析するための機能を備える必要がある。このようにすることにより付加情報となるTagフィールドのオーバーヘッドを減らすことも可能である。
又、本実施形態では説明を省略したが、LLC PDUデータに対しても本実施形態で説明した処理と同じ処理を行うことができる。但し、LLC PDUの場合は、複数のリードソロモン符号化ブロックに分割できても、各リードソロモン符号化ブロック単位ではデータ処理不可能なため、必ずパケットがすべてそろった後に上位置に渡されて処理される。しかし、リードソロモン符号化ブロック単位での再送はパケット単位再送よりも再送に必要とする帯域が少ないため、帯域を有効に使う意味で有効である。
産業上の利用可能性
以上より、ネットワークシステムで各局がメディアアクセスできる基本周期を予め設定することで、制御局において簡単な処理動作と小規模の回路で各局のメディアアクセス制御を実現できる。又、誤り訂正符号と誤り訂正符号化ブロック単位の再送および暗号化を行うことにより、送信局及び受信局において、最小の帯域で信頼性の高くかつプライバシを保護する通信を実現できる。又、帯域制御フレームによる時刻合せによって、送信局と受信局の間で発生するAVソースパケットのジッタを最小におさえ、どの局でAVソースが再生されても違和感なく鑑賞することが可能になる。
更に、ライフタイムを基本周期の整数倍にすることで、送信局及び受信局におけるAV伝送用バッファを最適なサイズにできるだけでなく、AVソースパケットのライフタイムの管理が容易になる。又、基本周期の計算において既存局のメディアアクセス時間を確保しているため、どのような状況でも既存局との共存を実現できる。又、制御局の帯域解放処理を行うことにより、既存局が使用する帯域を多くとれる。
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークシステムで各局がメディアアクセスできる基本周期をあらかじめ決めてしまうことで制御局において簡単なアルゴリズムで各局のメディアアクセス制御を実現できる。
誤り訂正符号と誤り訂正符号化ブロック単位の再送を使用することで、再送の発生頻度を抑え、かつ再送が発生した場合でも再送に必要とされる帯域を抑えつつ信頼性の高い通信を実現できる。
プライバシ保護のため、暗号化を行った場合でも、上記誤り訂正化ブロック単位の再送を実現できる。
ライフタイムを基本周期の整数倍とすることで、送信局、受信局におけるAV伝送用バッファを最適なサイズにできるだけでなく、AVソースパケットのライフタイムの管理が容易になるという効果がある。
基本周期の計算において既存局のメディアアクセス時間を確保していることにより、どのような状況でも既存局との共存を実現できる。さらに既存局が想定したメディアアクセス時間以上の通信を行った場合でも、失った帯域を補填するまで既存局にメディアアクセス権を与えないメディア制御をすることにより、衝突が発生しない区間における通信路の品質を落とさない通信を実現できる。
制御局が積極的に帯域解放処理を行うことにより、衝突が発生しない区間において発生した余剰帯域を衝突が起きる可能性のある区間に分配することで、既存局のメディアアクセス機会を増やすことが可能になる。
さらに帯域制御フレームによる時刻合せによって、送信局と受信局の間で発生するAVソースパケットのジッタを最小におさえ、どの局でAVソースが再生されても違和感なく鑑賞が可能になる。
本発明は、リアルタイムAVデータの転送を行う無線通信方式および装置、特にIEEE802.11無線通信方式および装置に関わる。
背景技術
IEEE802.11無線通信方式は、本来無線LANのために規格化された標準である。
この方式では、一定周期で衝突が発生する可能性がある区間(Contention Period:CP)と衝突が生じない区間(Contention Free Period:CFP)が入れ替わることを特徴とし、衝突が発生する区間は主にLANの用途に、衝突が生じない区間は通信帯域の確保を必要とする通信のために使うことができる。
第30図は、従来のIEEE802.11のPCF(Point Coordination Function)という機能を使用したときにCFPとCPの発生する区間を時間軸で示した図である。
CFPではPC(Point Coordinator)と呼ばれる特定の端末が、CFPを利用する端末をポーリングすることにより、通信帯域の確保を行う。PCは、各端末の時刻合わせなどを行うための情報(TIMと呼ばれる)をBeaconと呼ばれるフレームに載せて一定間隔で送信する。送信されるBeaconのうち数回に1回の割合で、スリープ状態の端末に対する通知情報(DTIMと呼ばれる)を含むBeaconが送られる。スリープしている端末はDTIMを含むBeaconが送信される時刻のあたりになるとアクティブ状態になり、DTIMを含むBeaconを受信し必要な通信を行うと再びスリープ状態に入る。
CFPはDTIMを含むBeaconに続いて発生し、次のBeaconが送信されるまでには終了する。IEEE802.11におけるBeaconの送信周期は、例えば100ms程度の値の場合がある。
しかしながら、CFPを使って、DVCまたはMPEG2−TSなどのリアルタイムAVデータを送信する場合、この周期が問題になる。DVCの標準画像は30Mbps、MPEG2−TSは標準で6Mbps、高画質モードで24Mbpsの転送レートで連続的または継続的に送信局に入力されつづける。しかし、送信の機会、即ち、従来のIEEE802.11においてCFPが発生する間隔は数100msに一回と非常に長く、その間に入力される膨大なソースパケットをバッファリングしなければならない。更に、数回のBeacon周期のうち1周期にしかCFPが存在しないため、たとえ現在規格化が進められているIEEE802.11a 5GHz物理層(物理転送速度最大54Mbps)を用いても、AVデータの転送に必要な帯域を確保することが困難である。
又、有線メディアに比べ信頼性が劣る無線メディアでは、通信路上でエラーやパケット消失が発生しやすい。現在のIEEE802.11MAC層は誤り訂正符号もパケット消失符号もないため、通信路上でエラーが発生した場合、パケットの再送が必要である。しかしながら、CFPは数100ms周期に一回しか発生せず、且つ再送待機中にもリアルタイムAVデータは刻々と入力されつづける。従って、再送を行うには更に数100ms分のデータを保持するバッファが必要になる。
更に、この周期は、ユーザーに対し、遅延という形で現れる。このため、ユーザーが流れてくるAVデータに対して、停止、巻き戻しなどのコマンドを発行しても、即座に反映できないという問題がある。
上記問題を解決するためにBeaconの間隔を短くすることは、即ち、スリープしている端末に対してより多くのアクティブ状態を強いることになるため、難しい。
このため、リアルタイムAVデータ伝送のようなQoS(Quality of Service)通信をIEEE802.11において実現するための規格化を行っているIEEE802.11eでは、2001年3月現在、HCF(Hybrid Coordination Function)という手法が提案されている。PCFでは数回に1回のBeacon周期でしか衝突が生じない区間がなかったのに対し、HCFでは自由に衝突が生じない区間を設けることができる。この方式では、周期的なデータ送信を希望する送信局が制御局(Hybrid Coordinator:HC)に対し、メディアアクセス周期及びメディアアクセス時間の要求を行い、それを認めた制御局は、CFP、CPに関わらず、帯域確保フレームを定期的に送信局に送信(ポーリング)することで衝突が発生しない区間を生成する。
従来のIEEE802.11のCFPにおいては、一般にHCがPCを兼ねるため、PCFを搭載した従来のIEEE802.11通信機器に通信を妨害されることはない。
従来のIEEE802.11のCPにおいては、従来のIEEE802.11通信装置はDCF(Distributed Coordination Function)という機能を使って通信を行う。DCFでは、送信を開始する前にDIFS(Distributed Interframe Space)と呼ばれる34μsの待機時間とランダムバックオフで定めされた時間だけキャリアセンスするCSMA/CA方式が用いられる。
これに対し、HCFを備えた制御局(HC)はCFP、CPに関わらずPIFS(PCF Interframe Space)と呼ばれる25μsの時間間隔だけキャリアセンスすればメディアアクセスが可能になる。又、制御局(HC)にポーリングされた被制御局はSIFS(Short Interframe Space)と呼ばれる16μsの時間間隔だけキャリアセンスするだけで送信を開始できる。このため、HCF機能を搭載した機器が通信を開始すると、DCFで動作する従来の局はメディアアクセスができなくなり、HCFを備えた制御局(HC)、被制御局は従来の局に妨害されることなく通信できる。
しかしながら、PCFではPCが決めたBeacon間隔に基づき各送信局が動作していたのに対し、現在提案されているHCFでは各送信局が、それぞれ、HCに対しメディアアクセス周期(ポーリング周期)及びメディアアクセス周期内での通信を行うための時間を要求する。このため、HCは、複雑な各送信局のメディアアクセススケジューリングをしなければならない。
又、無線メディア上で発生した誤りに対し再送を行う場合、再送用の帯域を別途確保しておく必要がある。この再送による負担を減らすために、現在誤り訂正符号(リードソロモン符号)を使用する提案も行われている。このリードソロモン符号が用いられる場合、パケットが複数のブロックに分割されて、各ブロック毎にリードソロモン符号化が成される。よって、送信されるデータのパケットは、複数のリードソロモン符号化ブロックによって構成される。しかし、現在の提案では、パケット内のほとんどのリードソロモン符号化ブロックでエラー訂正に成功した場合であっても、一つでもリードソロモン復号に失敗すればパケット全体を再送する必要がある。
更に、実際の通信においてはプライバシ保護のため暗号化が行われる。この暗号化が各ブロック毎に行われ、暗号化が行われた各ブロックにリードソロモン符号化による誤り訂正符号が付加される。そして、この誤り訂正符号が付加された複数のリードソロモン符号化ブロックによって成るデータ部全体に対し、誤り検出符号が付加される。
現在の提案ではMACヘッダと同じリードソロモン符号化ブロックに暗号鍵(公開鍵)が添付されているため、このリードソロモン符号化ブロックに対する誤り訂正が成功すれば、データ部の各リードソロモン符号化ブロックの暗号鍵による復号は可能となる。しかし、パケット自体の復号の成功を保証するには、データ部を構成する全てのリードソロモン符号化ブロックに対する誤り訂正が成功する必要がある。
上記にあげた2つの状況は、ともに誤り訂正に成功したリードソロモン符号化ブロックまでも再送せねばならず、そのために余計な通信帯域を確保せねばならない。即ち、再送するデータ量が、本来再送を必要とするデータ量に比べて大きくなり、データ転送の効率化を図るべき無線通信において、非効率的なデータ転送を行うこととなる。
上記とは別の問題として、システム全体の時刻合わせの問題がある。第31図が、ネットワークシステムにおける各局のシステムタイマの精度と、受信局のソースパケット出力で発生するジッタを示す図である。
送信局はAVソースパケットに対し自局のタイマが示す入力時の時刻情報を添付し、受信局は添付された時刻情報と自局のタイマを使ってAVソースパケットのタイムシーケンスを再生する。しかし、各局のタイマは全く同じ精度ではないため、ある程度の時間が経過すると、各々の時刻がずれてくる。この送信局、受信局の間の時刻ずれが、受信局がAVソースパケットのタイムシーケンス再生をする際にジッタとして現れる。
即ち、第31図のように、制御局のシステムタイマに比べて、送信局のシステムタイマが進むと、送信局で送信されるソースパケットのタイミングが早くなるとともに、ソースパケットに付加される時刻情報が制御局のシステムタイマの表す時刻より早いものとなる。逆に、第31図のように、受信局のシステムタイマが遅れると、受信局で出力されるソースパケットのタイミングが遅れて、ソースパケットの出力間隔が本来の出力間隔と比べて長くなり、ジッタが生じる。更に、定期的に与えられるビーコンによって、各局のシステムタイマが一致させられるので、時間遅れが発生している受信局におけるソースパケットの出力間隔が本来の出力間隔と比べて短くなり、同じくジッタが生じる。
一方、個々のAVソースパケットは出力タイミングが厳しく決まっており、定められたジッタ範囲内で出力されなければならない。しかしながら、現在のHCFではビーコンによる時刻合わせしか行われない。IEEE802.11におけるタイマ精度は0.01%であるが、仮に100msに一回送信されるビーコンでしか時刻合わせを行わないとすると、送信局と受信局の間では最大20μs程度の時刻ずれが発生する。
上述したパケット毎のデータ再転送によるデータ転送の非効率化や、許容範囲外となるジッタの発生によるデータの欠落及び出力異常などにより、IEEE802.11などで設定される無線通信システムは、AVデータの転送に十分な通信システムではない。
発明の開示
よって、本発明は、AVデータ転送に適切となる効率的なデータ送信を行うことができる無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局によって送信局とされる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、アプリケーションデータに対して前記システムタイマより得られた該アプリケーションの入力時刻に基づいて生成した時系列的管理用の時刻情報を付加するとともに、前記アプリケーションデータのうち保持期間が定められたアプリケーションデータに対して送信可能な期間を設定するデータ処理部と、該データ処理部で前記時刻情報が与えられた前記アプリケーションデータを一時的に保持するバッファと、該バッファから前記アプリケーションデータを読み出すともに該アプリケーションデータに誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加部と、該誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加されたアプリケーションデータから送信パケットを作成する送信パケット生成部と、該送信パケット生成部で作成した前記送信パケットを送信する送信部と、前記バッファからアプリケーションデータを読み出すことを制御するとともに、前記送信パケット生成部で生成された前記送信パケットを通信帯域が確保された時間に前記送信部から送信することを制御する送信制御部と、前記送信部から送信した一つ又は複数の送信パケットの受信を示す応答信号を受信する受信部と、を備え、前記送信部から送信する際に、前記送信制御部において、前記システムタイマから得られる現在時刻と前記バッファ内に格納されたアプリケーションデータに対して設定された前記送信可能な期間とを比較し、該現在時刻が前記送信可能な期間を超過しているアプリケーションデータについては、前記誤り訂正符号付加部が前記バッファから読み出さず、又、前記送信部より前記送信パケットを送信した後、所定時間以上経過しても、前記送信パケットに対する前記応答信号を前記受信部で受信しなかったことが前記送信制御部において確認されるとき、該送信パケットが正しく受信されていないと判定するとともに、前記応答信号が正常に受信されたときと異なるタイミングで受信されたとき、当該応答信号より再送要求された前記送信パケットを確認し、再送要求された当該送信パケットを前記バッファから読み出して前記再送部より再送することを特徴とする。
又、本発明の別の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局によって受信局とされる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、時系列的管理用の時刻情報が付加されたアプリケーションデータから成る送信パケットを受信する受信部と、該受信部で受信された送信パケットに誤り訂正符号が付加されているか否かを判定する誤り訂正判定部と、前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加された送信パケットに対して誤り訂正を施す誤り訂正処理部と、誤り訂正が成された送信パケットよりアプリケーションデータを生成する第1復号部と、前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加されていない送信パケットより前記アプリケーションデータを生成する第2復号部と、前記第1及び第2復号部で生成された前記アプリケーションデータを一時的に格納する第1及び第2バッファと、前記システムタイマによる時刻が前記アプリケーションデータに付加された時刻情報による時刻と一致したことを確認すると、前記アプリケーションデータを前記第1バッファから読み出して出力するデータ出力部と、1つ又は複数の送信パケットの受信状態を示す応答信号を送信する送信部と、を備え、前記受信部で受信された送信パケットに対して、前記誤り訂正処理部及び前記第1復号部による第1演算処理と、前記第2復号部による第2演算処理とを同時に施すことを特徴とする。
本発明の別の通信システムは、複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、前記制御局となる通信装置が、時刻を管理するシステムタイマと、他の通信装置から送信される通信帯域の確保を要求する帯域確保要求信号を受信する受信部と、通信帯域が確保され衝突が生じない非衝突区間を時分割で管理する帯域管理部と、前記システムタイマより得られる現在時刻を他の通信装置に認識させるための時刻情報信号と、前記非衝突区間の開始を他の通信装置に認識させるための非衝突区間開始信号と、前記非衝突区間の終了を他の通信装置に認識させるための非衝突区間終了信号と、を送信する送信部と、を備え、前記非衝突区間を発生させる周期を基本周期とし、前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間の周期であるメディアアクセス周期が、前記基本周期の整数倍でないとき、該他の通信装置の帯域確保の要求を拒否することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係わる無線通信ネットワークの一実施例を示す概略構成図である。
第2図は、本発明に係わる送信装置のブロック図である。
第3図は、本発明に係わる受信装置のブロック図である。
第4図は、本発明に係わる制御局のブロック図である。
第5図は、本発明に係わるMPEG2−TSパケット入力処理を示す図である。
第6図は、本発明に係わるDVCパケット入力処理を示す図である。
第7A図及び第7B図は、本発明に係わるMAPフォーマットを示す図である。
第8図は、本発明に係わるパケット送信処理の流れを示す図である。
第9図は、本発明に係わる誤り検出回路出力に対する誤り訂正回路出力の遅延を示す図である。
第10図は、本発明に係わるパケット内の誤り訂正符号有無を判別するフローチャートを示す図である。
第11図は、本発明に係わるパケット受信処理の流れを示す図である。
第12図は、本発明に係わるMPEG2−TSパケット出力処理を示す図である。
第13図は、本発明に係わるDVCパケット出力処理を示す図である。
第14図は、本発明に係わる現在提案されている遅延ACKフレームフォーマットを示す図である。
第15図は、本発明に係わるリードソロモン符号化ブロック単位再送のために拡張した遅延ACKフレームフォーマットを示す図である。
第16図は、本発明に係わる遅延ACKフレームを示す図である。
第17図は、本発明に係わる送信局の送信状況更新を示す図である。
第18図は、本発明に係わるライフタイムを考慮したAV伝送用バッファを示す図である。
第19図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第20図は、本発明に係わるDVC/LAN(24Mbps)共存時のバースト回数と実転送レートおよび基本周期を示す図である。
第21図は、本発明に係わる帯域管理のフローチャートを示す図である。
第22図は、本発明に係わる帯域解放のフローチャートを示す図である。
第23図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第24図は、本発明に係わるLANパケットによる帯域損失に対する補填を示す図である。
第25図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第26図は、本発明に係わる帯域解放のフローチャートを示す図である。
第27図は、本発明に係わる送信周期とパケット構成を示す図である。
第28図は、本発明に係わるCF−Pollフレームを示す図である。
第29図は、本発明に係わるCF−Endフレームを示す図である。
第30図は、PCFのCFPとCPの関係を示す図である。
第31図は、従来のタイマ精度と時刻合わせを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施例を示す。本発明における通信ネットワークは有線、無線を特定しないが、以下の実施例ではIEEE802.11無線通信方式を用いた場合を例にして説明を行う。
第1図は、本発明を実施する無線ネットワーク構成例である。
第1図の1は衝突が発生しない区間において送信を行う局の無線メディアへのアクセスを制御する制御局である。本実施形態ではメディアアクセス制御機能としてHCFを備えるものとする。この制御局1は、通常、HC(Hybrid Coordinator)と呼ばれる。
第1図の2はリアルタイムAVデータの送信局、3はリアルタイムAVデータの受信局である。リアルタイムAVデータ送信局2及びリアルタイムAVデータ受信局3の衝突が発生しない区間(CFP)におけるメディアアクセスは制御局1によって管理される。本実施形態では、このCFPにおけるメディアアクセス管理を機能させるために、制御局1及び送信局2及び受信局3はそれぞれ、HCFを備えるものとする。
第1図の4は衝突が起きる可能性がある区間(CP)のみメディアアクセスできる従来の局である。本実施形態では、局4はDCFのみを備えるものとする。
尚、第1図において、それぞれの局には送信、受信、制御、従来のメディアアクセスのようにひとつの機能しか実装されていないように記載しているが、これは説明を簡潔にするためであり、実際には一つの局に複数の機能を実装するものとしてもよい。
第2図は、送信局2の構成を示すブロック図である。
第2図の5はネットワークシステム全体の時刻情報を管理するシステムタイマである。システムタイマ5は制御局1が発行するBeaconなどの時刻情報を格納したフレームに含まれる現在時刻情報に基づいて時刻合わせをすることで、常に制御局1内のシステムタイマとほぼ同じ時刻になるように動作するとともに、この現在時刻情報に基づいてメディアアクセス時間を管理する。
第2図の6は入力されたAVソースパケットを転送に適した形に変換するためのデータブロック生成回路である。又、このデータブロック生成回路6は、複数のデータブロックの集合体に対して、AVソースパケットに対するデータブロックの生成情報(本実施形態ではこの情報をMAPと呼ぶことにする)、及びAVソースパケットが入力されたときのシステムタイマ5で測定される時刻情報を添付する。
AVソースパケットのデータブロック生成回路6への入力時刻を管理するタイマを別途用意する方法もあるが、本実施形態では説明を簡単にするために、システムタイマ5を使用している。このMAPと時刻情報を付加されたデータブロックの集合を、本実施形態において、AVデータパックと呼ぶことにする。
第2図の7はAV伝送用バッファであり、データブロック生成回路6で生成されたAVデータパックを順次格納する。AV伝送用バッファ7は、AVデータパック単位でバッファアドレス管理を行い、且つ、送信待機状態にあるバッファアドレスを示す識別子を備える。この識別子は、AVデータパック単位毎のバッファアドレスに対応して与えられる1ビットのデータである。そして、AV伝送用バッファ7にAVデータパックが入力されると、入力されたAVデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を1とし、又、AV伝送用バッファ7からAVデータパックが出力されると、出力されたAVデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を0とする。AV伝送用バッファ7のバッファサイズは、後述するライフタイム分のAVデータパックを格納できるサイズとする。又、AV伝送用バッファ7には、後述する再送可能であることを示す再送可能識別子をも備える。
第2図の8は送信局2のメディアアクセスを制御するMAC(Media Access Control)部であり、第2図の9はAV伝送用バッファ7から出力されるAVデータパック、またはLLC(Logical Link Control)層のデータをバッファリングするLLC−PDU(LLC Protocol Data Unit)用バッファ10内のデータをMACパケットに格納するためのMACパケット生成回路である。
第2図の11は、他局から送信されたパケットを受信するための受信部である。受信部11が制御局1が送信したBeaconを受信した場合、Beacon内部に格納されている時刻情報をシステムタイマ5に通知し、システムタイマ5はその時刻情報を使って自身の時刻情報を更新する。受信部11が制御局1からのAV伝送のための帯域確保フレームを受信した場合、MAC部8にその旨を通知する。通知されたMAC部8は、AV伝送用バッファ7の状態を調べ、バッファに送信待機状態のAVデータパックが存在しているときは、MACパケット生成回路9に対しMACパケットの生成を開始するよう要求する。受信部11が受信局3からのACKを受信したときは、受信局3が再送を必要としているかどうかを判断し、再送が必要であれば、その旨をMAC部8に通知し、次回の送信時に必要なデータを送信できるようにする。
MACパケット生成回路9は、入力データを選択するセレクタ12と、入力されたデータに対し誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加回路13と、誤り検出符号を付加した状態のデータを暗号化する暗号化器14と、MACパケットヘッダを生成するMACパケットヘッダ生成回路15と、MACパケットヘッダと暗号化されたデータを選択するセレクタ16と、セレクタ16の出力に対し誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加回路17と、誤り訂正符号付加回路17での誤り訂正符号をデータに付加するか否かを選択するセレクタ18と、入力されたパケット全体に対し誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加回路19と、で構成される。本実施実施形態において、誤り訂正符号付加回路17はリードソロモン符号(224,208)を扱うものとする。即ち、208バイトのデータに対し、16バイトのリードソロモン符号を付加し、全体としては224バイトのデータを出力する。
第3図は、受信局3の構成を示すブロック図である。
第3図におけるMACパケット受信回路20は、パケット全体の誤り検出を行う誤り検出回路21と、パケットに付加された誤り訂正符号により誤り訂正を行う誤り訂正回路22と、HCFに対応したMACパケットを解析するMACパケット解析回路23と、データに施された暗号を復号する復号器24と、復号されたデータの誤りを検出する誤り検出回路25と、データの出力先をLLC−PDU用バッファ30及びAV伝送用バッファ32のいずれにするかを選択するセレクタ29と、リードソロモン符号を付加されていないパケットを解析するMACパケット解析回路26と、データに施された暗号を復号する復号器27と、復号されたデータの誤りを検出する誤り検出回路28で構成される。本実施形態では、誤り訂正回路22はリードソロモン符号(224,208)を扱う。即ち224バイトのデータに対し、末尾16バイトをリードソロモン符号として扱い、エラー訂正を行った208バイトのデータを出力する。
尚、第3図の受信局3は、MACパケット解析回路23,26、復号器24,27、誤り検出回路25,28をそれぞれ2つずつ備えているが、これはリードソロモン復号処理には時間がかかるため、リードソロモン復号中に従来のMACパケットを受信したような場合に、従来のMACパケットの処理ができなくなることを防ぐためである。従って、このような機能が必要ではない場合には、MACパケット解析回路、復号器、誤り検出回路それぞれ1つのみを備えるものとしても構わない。又、LLC−PDU用バッファ30,31についても、同時に2系統からの書き込みが可能な制御回路をもつバッファであればLLC−PDU用バッファを1つとしても構わない。
誤り検出回路25から出力されるデータがAVデータパックであるならば、セレクタ29を通じてAV伝送用バッファ32に与えられて、AV伝送用バッファ32に格納される。AV伝送用バッファ32は、AVデータパック単位にアドレス管理を行い、バッファアドレスに対してAVデータパックの格納状態を示す識別子を備える。この識別子は、AVデータパック単位毎のバッファアドレスに対応して与えられる1ビットのデータである。そして、AV伝送用バッファ32に正常なAVデータパックが入力されると、入力されたデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を1とし、AV伝送用バッファ32からAVデータパックが出力されると、出力されたデータパックのバッファアドレスに対応する識別子を0とする。AV伝送用バッファ32のバッファサイズは、後述するライフタイム分のAVデータパックを格納できるサイズとする。
第3図の33はソースパケット出力回路である。このソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32に蓄えられているAVデータパックからソースパケットを再構築し、ソースパケットに添付されている時刻情報又はソースパケットから算出された時刻情報とシステムタイマ34に従ってタイムシーケンスを再現し、ソースパケットを出力する。
MACパケット受信回路20がBeaconなどの時刻情報を格納したフレームを受信すると、その時刻情報をシステムタイマ34に通知し、システムタイマ34は通知された時刻情報に従って自身の時刻情報を更新する。
第3図の35は、受信装置のメディアアクセスを制御するMAC部である。このMAC部35によって、システムタイマ34の時刻情報や、メディアセンスによって自局がメディアアクセス可能であるかどうか、即ち、ACK送信可能な時であるかを判断する。
第3図の36はACK生成部である。このACK生成部36は、MACパケット受信部20の状況やAV伝送用バッファ32の状態に応じて、送信局2に対しACKを生成する。
第4図は、制御局1の構成を示すブロック図である。
第4図で37はシステムタイマであり、MAC部38はこのシステムタイマ37の時刻情報をもとにメディアアクセス制御を行う。システムタイマ37が規定の時刻を示すと、MAC部38はBeaconや帯域確保フレームを送信するよう送信部39に要求する。
第4図の40は、他局から送信されたパケットを受信するための受信部であり、新規に帯域確保を要求したい送信局からの帯域確保要請フレームなどを受信する。受信部40が帯域要請フレームを受信すると、その情報は帯域管理部41に与えられる。帯域管理部41は周期的に帯域を確保する必要がある局と、TXOPと呼ばれるメディアアクセス時間を管理している。帯域管理部41は、帯域に余裕があれば、この要求を許可し、内部に必要な情報を記憶する。MAC部38は帯域管理部41から帯域情報が変わったことを通知されると、適当な時間からその局のための帯域確保フレームを送信するよう、送信部39に要求する。
既存の局4については、IEEE802.11のPCF/DCFを備えた従来の装置であるため、その構成の説明を省略する。
以下では送信局2に入力されたAVソースパケットが受信局3にて出力されるまでの処理の流れについて順次説明する。ここでは例として、AVソースパケットがMPEG2−TS又はDVC(スタンダード)である場合について説明する。
データブロック生成回路6は、入力されたAVソースパケットを、リードソロモン符号(224,208)で扱いやすい形式、すなわちデータが208バイト以内になるように構成しなおしたAVデータパックを生成し、AV伝送用バッファ7に格納する。
第5図はMPEG2−TSが送信局2のAV伝送用バッファ7に格納されるまでの流れを示した図である。
一つのMPEG2−TSパケットの大きさは188バイトであり、通常の画質で平均6Mbps程度、高画質のもので24Mbpsの速度で断続的に転送される。データブロック生成回路6では、入力されたMPEG2−TSパケットに対し、入力時のシステムタイマ5に基づく4バイトの時刻情報をソースパケットヘッダ(SPH)として添付するとともにデータブロックの内容を示す8バイトのMAP情報を添付することで、200バイトのAVデータパックを生成する。このようにして生成されたAVデータパックは順次AV伝送用バッファ7に与えられ、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックがデータブロック生成回路6より出力される順に後述するTagが付加されて格納される。
即ち、n番目(ソースパケットカウンタによって与えられたカウント値に相当する)に与えられたソースパケットがデータブロック生成回路6に与えられると、入力された時刻がシステムタイマ5で確認される。このシステムタイマ5で確認された時刻に基づく時刻情報によるSPH及びMAP情報を添付してAVデータパックを生成すると、このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk番目となる後述するTagを付加して格納する。又、n+1番目のソースパケットにより生成されるAVデータパックが、k+1番目となる後述するTagが付加されたAV伝送用バッファ7に格納される。
第6図はDVCパケットが送信局2のAV伝送用バッファ7に格納されるまでの流れを示した図である。
一つのDVCのパケットは480バイトであり、30Mbpsの転送速度で連続的に転送される。パケット先頭はフレームパルス入力の立ち上がりで判別される。データブロック生成回路6は入力されたDVCパケットを5つのブロックに分割し、2つのブロック毎にデータブロックの内容を示す8バイトのMAP情報を添付して、AVデータパックを生成する。このようにして生成されたAVデータパックは順次AV伝送用バッファ7に与えられ、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックがデータブロック生成回路6より出力される順に後述するTagが付加されて格納される。又、DVCのMAP情報には、フレームパルス立ち上がり時のシステムタイマ5に基づく2バイトの時刻情報を格納している。
即ち、n番目に与えられたソースパケットがデータブロック生成回路6に与えられると、入力された時刻がシステムタイマ5で確認される。そして、ソースパケットが96バイトの5つのブロックF0n〜F4nに分割されると、2つのブロックF0n,F1nに、システムタイマ5で確認された時刻に基づく時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成する。このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk番目となる後述するTagを付加して格納する。又、2つのブロックF2n,F3nに、同一の時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成し、このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk+1番目となる後述するTagを付加して格納する。
又、n+1番目のソースパケットが与えられると、データブロック生成回路6で5つのブロックF0n+1〜F4n+1に分割される。そして、2つのブロックF4n,F0n+1に、システムタイマ5で確認されたn+1番目のソースパケットの入力された時刻に基づく時刻情報を備えたMAP情報を添付してAVデータパックを生成する。このAVデータパックをAV伝送用バッファ7においてk+2番目となる後述するTagを付加して格納する。その後、ブロックF1n+1,F2n+1によるAVデータパック、ブロックF3n+1,F4n+1によるAVデータパックがそれぞれ、順に、後述するTagが付加されてAV伝送用バッファ7に格納される。
尚、システムタイマ5に基づく4バイト又は2バイトの時刻情報は、システムタイマ5によって確認されたソースパケットの入力時刻を表すものであっても構わないし、この入力時刻に送信局2での処理時間及び受信局3への送信時間を付加した時刻としても構わない。
第7図A及び第7図Bは、MPEG2−TS及びDVCそれぞれに対するMAP情報を格納するパケットヘッダフォーマットの一例である。又、表1は、MAP情報における各フィールドのビット数を表した表であり、表2は、MPEG2−TS及びDVCそれぞれに対する各フィールドの情報を示した表である。
第7図のMPEG2−TSに対するMAP情報のフィールド構成と、第7図BのDVCに対するMAP情報のフィールド構成とから明らかなように、MPEG2−TSに対するMAP情報には、SYTフィールドが無く、FDFフィールドとされている。その他のフィールドについては、MPEG2−TS及びDVCのいずれに対するMAP情報にも含まれる。
以下に、各フィールドの詳細について説明する。まず、DBSは8ビットのフィールドで、格納時の最小単位であるデータブロックのサイズをquadlet(=4バイト)単位で示している。即ち、MPEG2−TSの場合は、時間情報とソースパケットを合わせた192バイトが最小単位になるため、48(=|00110000|2)が、DVCの場合は、フラグメントされた96バイトが最小単位になるため、24(=|00011000|2)が入力される。
FNは3ビットのフィールドで、ソースパケットをいくつのデータブロックに分割したかを整数で示す。1は分割をしていないことを示し、0は8個に分割したことを示す。MPEG2−TSの場合は分割しないため1を、DVCの場合は5つに分割するため5が入力される。
DBIは3ビットのフィールドで、AVデータパックの先頭に格納されたブロックが何番目のブロックであるを示す数値が入る。MPEG2−TSの場合、分割しないため、DBIは常に0であるが、DVCの場合はソースパケットが分割されるため、ソースパケットが分割されて生成されるブロックの順番を示す0〜4までの整数が入る。
SPCは8ビットのフィールドで、AVデータパック内に格納されているソースパケットが何番目のパケットであるかを示すソースパケットカウンタによるカウンタ値であり、分割された複数のブロックが格納されているときは、その先頭のブロックのカウンタ値とされる。
QPCは8ビットのフィールドで、格納したブロックの合計が200バイトに満たない場合に施すパディングの量をバイト数で示す。ここではMPEG2−TSは、パディングを行わないため、常に0(=|00000000|2)である。しかし、DVCの場合は、パケットが連続的に入力されなかった場合、96バイトのパディングが付加される可能性があり、このようなときは96(=|01100000|2)となり、このような場合以外では0(=|00000000|2)となる。
RSVは1ビットのフィールドで、後に利用可能とするための予約フィールドである。SPHは1ビットのフィールドで、AVデータパックを作成する際にソースパケットヘッダが付加していたか否かを示す。MPEG2−TSの場合は時刻情報として4バイトのソースパケットヘッダを付加するため1が、DVCの場合は0が格納される。
FMTは6ビットのフィールドでソースパケットのフォーマットを示す。このFMTは、上位1ビットが1のとき、SYTフィールドを有することを示す。即ち、MPEG2−TSの場合は|000000|2が、DVCの場合は時刻情報として2バイトのSYTを備えるため|100000|2が格納される。
FDFは8ビット又は24ビットのフィールドで、FMTで指定されたフォーマットよりも詳しい情報が入力される。このFDFは、DVCの場合は2バイトのSYTを備えるため8ビットのフィールドとなり、MPEG2−TSの場合はSYTがないので24ビットのフィールドとなる。
SYTは16ビットのフィールドで、ソースパケットが入力した時刻情報である。MPEG2−TSの場合は、ソースパケットヘッダとして時刻情報をもっているため付加せず、DVCの場合は先に述べた2バイトの時刻情報をここに格納する。尚、このSYTには、ソースパケットの先頭のブロックがAVデータブロックに含まれる場合は、そのブロックのソースパケットが入力された時刻情報が格納される。又、本実施形態では、FMT、FDF、SYTは、IEEE1394でリアルタイムAVデータを転送するための方式であるIEC61883に従っている。
以上の操作により、MPEG2−TSソースパケット、DVCソースパケットは、ともに200バイトのAVデータパックに変換され、AV伝送用バッファ7に格納される。
第8図は、AV伝送用バッファ7に格納されたAVデータパックからMACパケットを生成するまでの処理を示す図である。
AV伝送用バッファ7は、データブロック生成回路6で生成された200バイトのAVデータパックに8ビットの識別子を含む4バイトの付加情報であるTagを添付して出力する。この付加情報であるTag内の8ビットの識別子は、上述したようにAV伝送用バッファ7に格納された順序を表す値に相当する。このTagを付加された204バイトのAVデータパックがセレクタ12で選択されて誤り検出符号付加回路13に与えられると、誤り検出符号付加回路13によって4バイトの誤り検出符号(FCS)が付加される。
Tagにある8ビット識別子は、本実施形態において、リードソロモン符号化ブロック単位での再送を行う通信において、受信局3がACKを返信する際に、どの符号化ブロックを正常に受信したかを示すために使われる。よって、Tagにある8ビット識別子は、受信局3が判別できる形式、例えば連続的な番号でもよい。
本実施形態では、管理を容易にするとともにその管理に用いられる別のバッファを不要とするために、AV伝送用バッファ7のバッファアドレスを8ビット識別子として使用する。このことにより、回路が簡略化される。又、本実施形態では、送信するAVデータパックにTag情報を付加しているが、これは一例であり、Tag情報を付加せずに上位フォーマットヘッダにより識別を行うなどの方法も可能である。
4バイトのTagと4バイトの誤り検出符号が付加された208バイトのAVデータパックは、これを1単位として、暗号化器14によって暗号化される。この暗号化器14において用いられる方法として、現在、IEEE802.11eにおいて提案されているbasic WEPと呼ばれる公開鍵法による暗号化方法が用いられる。
この暗号化方法は、予め、送信局2と受信局3の間において秘密鍵を決めておく。そして、送信局2において、この秘密鍵と公開鍵とによって暗号化する。又、公開鍵は、送信パケット毎に変更され、パケットに付加して受信局3に通知される。受信局3では、通知された公開鍵と秘密鍵とによって復号化する。尚、公開鍵はMACパケットヘッダ生成回路15で生成されると、暗号化器14に与えられる。
暗号化されたデータに対し、MACヘッダと公開鍵が付加され、更に、誤り訂正符号付加回路17によって16バイトのリードソロモン符号が付加される。ここで、誤り訂正符号付加回路17において、MACヘッダと公開鍵を一つのリードソロモン符号化ブロックとし、データに関しては208バイトのAVデータパックに相当する暗号化データ単位でリードソロモン符号化ブロックとする。
即ち、まず、MACパケットヘッダ生成回路15で生成されたMACヘッダと公開鍵とがヘッダ部としてセレクタ16で選択されて誤り訂正符号付加回路17に与えられ、16バイトのリードソロモン符号が付加される。その後、暗号化器14で暗号化された暗号化データ単位毎のAVデータパックがデータ部としてセレクタ16で選択され、誤り訂正符号付加回路17で16バイトのリードソロモン符号が付加される。そして、誤り訂正符号付加回路17で所定数のAVデータパックそれぞれに相当する各データ部にリードソロモン符号が付加されて出力されると、セレクタ16によって、MACパケットヘッダ生成回路15の出力を誤り訂正符号付加回路17に与えるように接続を切り換える。
又、32バイトのMACヘッダと4バイトの公開鍵のデータ量は36バイトしかなく、208バイトに満たない。このため、誤り訂正符号付加回路17は、このMACヘッダと公開鍵とによるデータブロック(ヘッダ部)について、1〜172バイトに0又は1のパディングが格納されるとともに173〜208バイトにMACヘッダと公開鍵とが格納されているデータとして、処理を行う。このヘッダ部を処理する際、誤り訂正符号付加回路17が、172バイト分の0又は1のパディングの処理後の内部状態となるように、初期化すればよい。
そして、セレクタ18が誤り訂正符号付加回路17の出力を選択して誤り検出符号付加回路19に与えるため、リードソロモン符号化処理されたデータ全体に対し、誤り検出符号付加回路19により4バイトのFCSが付加される。即ち、リードソロモン符号化処理された1つのヘッダ部と所定数(n)のデータ部による誤り訂正符号付データに対して、FCSが付加される。よって、所定数(n+1)のリードソロモン符号化ブロックによる誤り訂正符号付きデータに対して、誤り検出符号化が行われる。これは従来のIEEE802.11パケットとの互換性を保つための処理である。
上述のように、AV伝送用バッファ7において、AVデータパックを208バイト以内に無駄なく収まるように構成しなおすことには、パディングによって発生する帯域の増加を抑制できるという利点と、後述するリードソロモン符号化ブロック単位で再送する際の処理が簡略化できるという利点がある。
又、MACパケット生成回路9でのMACパケットの生成処理において、固定長のリードソロモン符号を使った例を挙げたが、他の方法として、ソースパケットの大きさにあわせてリードソロモン符号の符号長を可変させる方法もある。例えば、リードソロモン符号として(255、239)を利用する場合において、MPEG2−TSソースパケットを処理するときは、先頭から208バイト目までを誤り訂正符号付加回路17を通した後、209バイト目から239バイト目まで0又は1をパディングしたものとして計算を行い、16バイトのリードソロモン符号を得る。そして、209バイト目から239バイト目までの0又は1のパディングは除去して、208バイト目までAVデータパックに16バイトのリードソロモン符号を付加して誤り検出符号付加回路19に送出する方法がある。
固定長のリードソロモン符号の場合は、AVデータパックやソースパケットの大きさによてリードソロモン符号化ブロック内にパディングが発生する可能性があるが、この方法では誤り訂正符号付加回路17においてパディングが除去されるので、メディア上を転送されるパケット内にはパディングが発生せず、帯域の使用効率が向上するという利点がある。
この場合、パディングする量が多くなればなるほど、リードソロモン符号化時のパディング箇所の処理の遅延が大きくなり、パディング分の遅延を補償するために、パディング分だけ先行した先読みを行って処理する必要がある。このため、より速い動作クロックと、先読みでリードソロモン符号化処理を施したデータを保存するために多くのバッファが必要となる。
又、ヘッダ部において、1〜36バイトまでにMACヘッダと公開鍵を格納し、残りの37〜208バイトを0又は1のパディングとする形で処理をしても構わないが、その場合は、符号化の際にパディング部で発生する遅延時間を考慮する必要がある。この場合、可変長のリードソロモン符号化処理と同様、先読みでリードソロモン符号化処理を施したデータを保存するためのバッファが必要となる。
又、セレクタ12によって、LLC−PDU用バッファ10からのデータブロックが選択されたとき、ブロック13〜19が上述と同様の動作を行うことによって、LLC-PDU用バッファ10に格納されたインターネット用のデータなど処理されてMACパケットが生成される。
更に、セレクタ18が、セレクタ16からの出力を選択して誤り検出符号付加回路19に与えるとき、誤り訂正符号付加回路17におけるリードソロモン符号化処理が行われずに、MACパケットヘッダ生成回路15で生成されたヘッド部及び暗号化器14でAVデータパックが暗号化されて得られたデータ部が、誤り検出符号付加回路19に与えられる。よって、リードソロモン符号の付加されていないヘッド部及び所定数のデータ部よりなるデータに対して、FCSが付加される。
次に、受信局3がMACパケットを受信したときの処理について述べる。
まず、受信局3では、受信パケットが誤り訂正符号化処理をされているかを判別する必要がある。この判別方法において、MACヘッダに設けた誤り訂正符号化処理の有無を示す識別フィールドより判別する方法があるが、無線メディア上で発生したエラーによって、誤り訂正符号化処理識別フィールドに誤りが発生する場合もある。そのため、単純にこの誤り訂正符号化処理の有無を示す識別フィールドのみによる判別だけでは、信頼性が低い。
よって、誤り訂正回路22によって誤り訂正符号化処理を行うか否かが確認される。今、第9図に、誤り訂正回路22と誤り検出回路21とにおいて同一のデータ量のデータに対する処理速度が同じであるものとしたときの、誤り検出回路21の出力と誤り訂正回路22の出力の時間的な関係を示す。この第9図を参照して、以下に、誤り検出回路21及び誤り訂正回路22それぞれでの時間的な処理関係を説明する。
まず、誤り検出回路21にMACパケットが入力されると、MACヘッダと公開鍵とリードソロモン符号とによるデータブロック長分の処理時間が経過すると、誤り訂正回路22にMACパケットのデータが出力される。そして、誤り訂正回路22は、入力されたデータを一度バッファリングした後に、ユークリッド演算を開始する。その後、誤り訂正回路22において、リードソロモン符号化ブロック長分の時間をかけてユークリッド演算が行われると、次に、チェンサーチが行われる。
このため、誤り訂正後のMACヘッダの出力が開始されるのは、MACパケット受信回路20内の誤り検出回路21へのMACヘッダの入力開始から276バイト分(MACヘッダを含むデータブロック52バイト+リードソロモン符号化ブロック224バイト)のデータ処理時間後であり、この後、更に52バイト分のデータ処理時間を経過した後に、MACヘッダに対する誤り訂正が成功したか否かが確認されるとともに、誤り訂正処理を行うか否かが確認される。この誤り訂正が正常に行われなかったとき、誤り検出回路21へのMACヘッダの入力開始から328バイト分のデータ処理時間が経過したタイミングで、誤り訂正エラー信号が出力される。
これに対し、従来のIEEE802.11aパケットにおいては、受信後、SIFS(16μs)の間隔でACKを返さなければならない。しかしながら、上述のような誤り訂正処理を待った上で誤り訂正処理を行うか否かを判断した場合、MACヘッダに対して施されるチェンサーチが終了するまでにかかる処理時間がSIFSより長くなるため、SIFSの間隔でACKを返すことは難しい。
このため、受信局3は、誤り訂正処理されたMACパケットと通常の誤り訂正がないMACパケットをそれぞれ独立かつ並列に処理できるように、MACパケット受信回路20内に2系統のMACパケット処理用のブロックを備える。
第10図に、MACパケット受信回路20において、MACパケットが誤り訂正処理をされているか否かを判断した後に、MACパケットに対して各種処理を施すためのフローチャート示し、以下でその動作を説明する。
最初に、誤り検出回路21においてMACパケットの宛先アドレスをチェックする(STEP1)。このとき、宛先アドレスが自局宛か、又は、宛先指定のないブロードキャストでない場合は(No)、MACパケット解析回路26後段での通常の処理は中止し、誤り訂正回路22後段での誤り訂正の処理のみを行う(STEP2)。即ち、宛先アドレスが間違っている場合は、誤り検出回路21で誤り検出されるために、通常の処理では正常に受信できないので、このMACパケットに対するACKを返信する必要がない。又、このとき、宛先アドレスが正しく他局のアドレスを示している場合は、受信局3にとって無関係な通信である。
その後、誤り訂正処理部22で誤り訂正をした後、誤り訂正されたMACパケットの宛先アドレスをMACパケット解析回路23で再度チェックする(STEP3)。このとき、MACパケットの宛先アドレスが自局宛又はブロードキャストである場合(Yes)、復号器24後段での処理が行われて、後述する遅延ACKがACK生成回路36より送信される(STEP4)。又、逆に、MACパケットの宛先アドレスが自局あて又はブロードキャストでない場合(No)、現在行っている誤り訂正処理を中止する(STEP5)。
STEP1において、誤り検出回路21で確認されたMACパケットの宛先アドレスが自局宛又はブロードキャストである場合は(Yes)、誤り検出回路21において、MACヘッダ内の誤り訂正処理識別フィールドより、誤り訂正符号化されているか否かの判断を行う(STEP6)。この識別フィールドで誤り訂正符号化されていることが示されていたら(Yes)、STEP2に移行して、STEP2〜STEP5の誤り訂正処理のみを行う。このとき、誤り訂正処理をしていないにも関わらず誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正処理を示している場合、処理するMACパケットにエラーが発生していることを示し、このMACパケットは通常の処理ではACKを返信する必要がない。
又、STEP6において、MACヘッダ内の誤り訂正処理識別フィールドにおいて誤り訂正符号化されていることが示されていない場合は、誤り訂正回路22後段での誤り訂正の処理と、MACパケット解析回路26後段での通常の処理とを平行して行う(STEP7)。
STEP7を経た後、誤り訂正回路22で誤り訂正処理が行われると(STEP8)、誤り訂正回路22から出力される誤り訂正処理後のMACヘッダの誤り訂正処理識別フィールドがMACパケット解析回路23で解析される(STEP9)。ここで、誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正符号化されていることを示している場合(Yes)、誤り訂正エラー信号の状態を確認する(STEP10)。このとき、MACヘッダが誤り訂正回路22において正常に誤り訂正処理が成されたことが確認されると(Yes)、上述の通常の処理を中止するとともに、上述の誤り訂正処理が続けて行われる(STEP11)。この誤り訂正処理が行われるとき、遅延ACKをACK生成回路36で生成して送信する。
STEP9において、誤り訂正処理識別フィールドが誤り訂正符号化されていることを示していない場合(No)、又は、STEP10において、MACヘッダが誤り訂正回路22における誤り訂正処理が正常に成されていない場合(No)、上述の誤り訂正処理を中止するとともに、上述の通常の処理のみを続けて行う(STEP14)。この通常の処理が行われるとき、ACKをACK生成回路36で生成して送信する。
STEP7を経た後、上述の通常の処理が行われたとき(STEP12)、MACパケット検出回路21において、MACパケットヘッダにおけるフォーマット的なエラーが確認される(STEP13)。このとき、MACパケットヘッダにおけるエラーが検出されると(Yes)、上述の通常の処理が中止されるとともに、上述の誤り訂正処理を続けて行う(STEP11)。又、MACパケットヘッダにおけるエラーが検出されない限り(No)、上述の誤り訂正処理を中止するとともに、上述の通常の処理を続けて行う(STEP14)。
STEP7における通常の処理と誤り訂正処理の平行動作は、それぞれの判別までにかかる時間に差があるため、先に正常と判断された処理動作が優先されて、優先された処理動作に対して、以降のパケット処理を行う。尚、上述の両方の処理において、同時に正常と判断された場合は、以下の2通りの判断方法を用いることができる。一つの判断方法は、物理層から報告されるパケット長から判断する方法、残りの一つの判断方法は、確率的に正しいと考えられる処理動作を選択する方法である。
前者の判断方法では、受信したMACパケットのパケット長が誤り訂正符号処理をされた場合のパケット長(=32バイト(MACヘッダ)+4バイト(IV:公開鍵)+16バイト(RS符号)+n×224バイト(nは、MACパケット内に含まれるAVデータパックの数に相当する)+4バイト(FCS))であることが誤り検出回路21で確認されると、誤り訂正処理を優先する。しかしながら、可変長のリードソロモン符号を使用している場合は、この判断方法を使用することはできない。
後者の判断方法では、誤り訂正回路22と誤り検出回路21のそれぞれが誤動作する確率を比較し、確率的に誤動作をしにくい方を優先する。尚、リードソロモン符号で誤りを誤訂正をする確率は1/60000であり、誤り検出符号が誤りを正常に検出できない確率はデータ長によって変化する。
上記判断方法以外に、誤り検出回路21の出力を一度バッファリングし、誤りが検出されないときは、そのMACヘッダ内容に従って通常の処理を行い、誤りが検出されたときは、誤り訂正処理を行う方法もある。この場合、同時並行的に処理する必要がないので、第10図のフローチャートと比べて、その判定アルゴリズムをより簡略化できる反面、バッファによる遅延が発生する。
以下に、誤り訂正符号化処理について説明する。第11図は、誤り訂正符号化処理されたパケットとして正常に判断された後、パケット内のAVデータパックがAV転送用バッファに格納されるまでの流れを示したものである。
誤り検出回路21から誤り訂正回路22にMACパケットが与えられると、まず、ヘッダ部について誤り訂正処理が行われる。このとき、誤り訂正回路22で正常に訂正されて得られたヘッダ部がMACパケット解析回路23に与えられ、MACヘッダ及び公開鍵が取り出されると、公開鍵が復号器24に与えられる。又、MACパケット内に含まれるデータ部についても、誤り訂正回路22で誤り訂正が成される際、訂正エラー信号が出力されたか否かが確認される。又、誤り訂正回路22で誤り訂正が行われたデータ部は、MACパケット解析回路23を通じて復号器24に与えられる。
復号器24は、予め設定していた秘密鍵と、MACパケット解析回路23が得られた公開鍵を用いて、データ部の復号化を行い、その結果を誤り検出回路25によって、データ部が正しく復号化されているかどうかをFCSによって判別する。ここで、誤り検出回路25はリードソロモン復号が行われて、正常に訂正できたか否かの判別も行われる。
誤り検出回路25によってFCSが除去されて得られたAVデータパックは、AV伝送用バッファ32のTagにある8ビット識別子が示すバッファアドレスに格納されていく。同時に誤り訂正回路22から出力される誤り訂正エラー信号を観測し、この信号が正常に受信できたことを示す場合には、AV伝送用バッファ32において、AVデータパックを格納したバッファアドレスに対応する格納状況表示識別子に対し1を書き込み、誤り訂正エラー信号が訂正エラーを示した場合はその格納状況表示識別子に0を書き込む。
即ち、第11図の場合、誤り訂正回路22において、訂正エラー信号が出力されるデータ部#1,#3に対しては、AV伝送用バッファ32の格納状況表示識別子が0となる。又、データ部#2に対しては、AV伝送用バッファ32の格納状況表示識別子が1となる。即ち、復号器24及び誤り検出回路25で復号化されたデータ部#1,#3より得られるTag内の8ビット識別子がk−1,k+1となるAVデータパックが格納されるAV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに対応する格納状況表示識別子が0となる。又、同様に、Tag内の8ビット識別子がTagとなるAVデータパックが格納されるAV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに対応する格納状況識別子が1となる。
AV伝送用バッファ32での処理をより簡単にするために、誤り訂正回路22の出力をリードソロモン符号化ブロック分の長さのバッファでバッファリングし、訂正エラーが発生しなかったことを確認した後、MACパケット解析回路23に出力させるようにしても構わない。この場合、MACパケット解析回路23による解析が遅延するとともに、より多くのバッファがいるが、AV伝送用バッファ32の制御は簡略化できる。
又、本実施形態の場合、AV伝送用バッファ32に、受信したMACパケットより得られたAVデータパックを書き込む際、誤り訂正が正常に行われて、対応するバッファアドレスの格納状況表示識別子が既に1である場合は、書き込みを中止するようにしてもよい。これは、既に正しく書き込まれていたバッファアドレスのデータ領域に、誤り誤訂正や誤り訂正失敗している可能性があるデータが書き込まれることを防ぐためである。
次に、AV伝送用バッファ32内のAVデータパックがソースパケットとして再構成され出力されるまでの処理動作を説明する。
ソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32に有効なAVデータパックが格納されているとき、この有効なAVデータパック順次読み出して、AVデータパックの中身を解析する。即ち、AV伝送用バッファ32において、格納状況表示識別子が1となるバッファアドレスに格納されるAVデータパックが読み出されて、ソースパケット出力回路33で解析される。
ソースパケット出力回路33において、MAPのFMT、FDFフィールドによってAVデータパックに格納されているAVソースパケットの種類を確認する。又、MAPのDBSによってデータブロックサイズを確認するとともに、この値とQPCで確認されるパディングの値とからAVデータパックに格納されているデータブロックの個数が認識される。そして、各データブロックに対して、それぞれのMAPにおけるSPC及びDBIで指示されたデータブロック番号とFNで指示された分割数とに応じて、AVソースパケットを再構築する。更に、MAP内のSYT又はソースパケットヘッダで指示された時刻情報に基づいて、タイムシーケンスを再現しながら、再構築したAVソースパケットを出力する。
第12図は、AVデータパックがMPEG2−TSによるAVソースパケットのAVデータパックである場合のソースパケット出力回路33の処理の流れを示している。
まず、ソースパケット出力回路33は、上述のようにMAPを解析する。このとき、MPEG2−TSのMAPが表2に示した値となるため、ソースパケット出力回路33は、AV伝送用バッファ32より読み出されるAVデータパックがMPEG2−TSによるものであり、AVソースパケットがソースパケットヘッダが付加された状態で分割なしに格納されていることが確認される。
ソースパケット出力回路33は、更に、ソースパケットヘッダとAVソースパケットとを分割して、ソースパケットヘッダ内の時刻情報に後述するオフセット時間を加算した時刻情報と自局のシステムタイマ34が与える現在時刻情報とを照らし合わせ、両者が一致したときにAVソースパケットを出力する。
第13図は、AVデータパックがDVCによるAVソースパケットのAVデータパックである場合のソースパケット出力回路33の処理の流れを示している。
まず、ソースパケット出力回路33は、上述のようにMAPを解析する。DVCのMAPが表2に示した値となるため、ソースパケット出力回路33は、このAVデータパックがDVCによるものであり、AVソースパケットが5つに分割されていることが確認される。又、このAVデータパックには、何番目のソースパケットの何番目のデータブロックが格納されているかが確認される。
ソースパケット出力回路33は、AVデータブロックF0〜F4をF0,F1,F2,F3,F4の順の並びになるよう結合して、一つのAVソースパケットに再構成する。さらにインデックス0のAVデータブロックを格納していたAVデータパックのMAPのSYTから時刻情報を確認し、この時刻情報に後述するオフセット時間を加算した時刻情報を求める。オフセットされた時刻情報と自局のシステムタイマ34が与える現在時刻情報とを照らし合わせ、両者が一致したときにAVソースパケットを出力する。
以下に、オフセット時間の計算方法について説明する。
送信局2及び受信局3の内部に構成される回路によって発生する遅延やメディアアクセスのタイミングによって発生する遅延のため、AVソースパケットが送信局2のデータブロック生成回路6に入力された時刻をそのまま利用して、受信局3のソースパケット出力回路33から出力することはできない。このため、送信局2、受信局3もしくはその両方において、AVソースパケットの時刻情報をオフセットする必要がある。
本実施形態では、オフセット時間の計算は、受信局3のソースパケット出力回路33が行っている。これは、仮に同じパケットを受信した局が複数台存在する場合、それぞれの局においてパケット出力の時間差ができるが、送信局2が受信局3の内部回路による遅延を考慮せずに送信を行えるという利点がある。各受信局3の間で遅延差が生じるのは、リードソロモン復号処理にかかる時間によるものであるが、すべての局が同じ速度で復号処理をすれば、このような時間差を抑制することができる。
又、逆に、送信局2のデータブロック生成回路6のみでオフセット時間を計算するものとしても構わない。このようにすることで、受信局3が複数台存在する場合でも、すべての受信局のAVソースパケット出力をほぼ同じ時間とすることができる。
いずれの方法を用いるとしても、ネットワーク内の送受信局の内部回路構成による遅延量は、システムが破綻しない範囲内であらかじめ決定しておく。又、本発明の装置を備えたネットワークシステムが何を要求しているかによって、いずれの方法がよいかは異なる。
以上のようにして送信局2に入力されたAVソースパケットは、受信局3から出力される。
次に無線通信路上でエラーが発生した場合の再送方法について述べる。
受信局3において、MACパケット全体が消失したか、又は、MACヘッダ部に誤りが発生してこのMACパケットを破棄した場合、受信局3から送信局2に対してACKは返信されない。このため、送信局2は次の送信機会において自発的に再送を行う。
次に、受信局3において、MACパケット内のデータ部のリードソロモン符号化ブロックにおいて誤りが発生した場合はACKを使って受信局3から送信局2に対し再送を要求する。このとき、誤り訂正回路22におけるリードソロモン符号の復号には時間がかかるため、通常のACKを返すことはできない。よって、復号後に複数のパケットに対し一括してACKを返すことができる遅延ACKを使用する。
第14図に、現在IEEE802.11eにおいて提案されている遅延ACKのフレームフォーマットを示す。
2バイトのFrame Controlフィールド及び2バイトのDurationフィールドによって、遅延ACKであることが宣言される。又、6バイトのRAフィールドによって受信側となる送信局2のアドレスが示されるとともに、6バイトのTAフィールドによって送信側となる受信局3のアドレスが示される。2バイトのRecord Countフィールド内の8ビットの識別子によって、4バイト単位毎のACK Recordフィールドの数が設定される。第14図では、4バイトのACK Recordフィールドを1つとして構成している。又、誤り検出符号として、4バイトのFCSが付加されている。
このACK Recordフィールド内のシーケンス番号(Sequence No.for TC-bitmap #0 bit)は再送を要求するパケットを示している。即ち、TC−seq内の4ビットのTCIDによって、再送する映像ファイルの識別子が示されるとともに、シーケンス番号によって再送するAVソースパケットのパケットの番号が示される。そして、16ビットのTC−bitmapには、シーケンス番号で示されるAVソースパケット以降のAVソースパケットとシーケンス番号で示されるパケットとの時間軸上の位置関係が1ビット毎に示される。TC−bitmapにおいて、再送要求されるAVソースパケットの位置を示すビットに1が与えられ、受信が成功したAVソースパケットの位置を示すビットに0が与えられる。
尚、現在提案中の遅延ACKはパケット単位での再送しか考慮されていない。このようなパケット単位での再送は、課題でも述べたが、パケット内に格納されているリードソロモン符号化ブロックのうち一つでも誤り訂正エラーが発生するとすべてを再送しなければならず、非常に効率が悪い。
それに対して、本実施形態では、パケット単位の再送のみならず、リードソロモン符号化ブロック単位(AVデータパック単位)の再送も可能とするように、遅延ACKを構成する。本実施形態におけるAVデータパック格納方法は、パケット内の一部のリードソロモン符号化ブロックしか正常に受信できず、AV伝送用バッファにそのAVデータパックが格納されなかった場合でも、この正常に受信された部分における再生は可能である。又、各AVデータパックはTagにある8ビット識別子によって区別することが可能である。このため、パケット単位で再送をする必要性はなく、誤り訂正ができずに得られなかったAVデータパックのみ再送を行えばよい。
第15図は、第14図に示したACKフレームフォーマットのリードソロモン符号化ブロック単位再送拡張の一例であり、パケット単位の再送を行うか、ブロック単位の再送を行うかを識別するためのBitmap Objectビットを2バイトのRecord Countフィールド内に設けている。このBitmap Objectビットは、ACK Recordフィールドがパケットのシーケンスナンバーを示すのか、Tagにある8ビット識別子を示すのかを識別するためのものである。リードソロモン符号化ブロック単位再送を行う場合は、このBitmap Objectビットを1にする。
Bitmap Objectビットが1のとき、ACK Recordフィールド内の情報は、AV伝送用バッファ32内のバッファアドレスに相当するTagにある8ビット識別子の値を示す。そして、16ビットのTC−bitmapには、TC−Seqで示されているTagにある8ビット識別子から以降の受信状況を示すことができる。TC−bitmapにおいて、再送要求されるAVデータパックの位置を示すビットに1が与えられ、受信が成功したAVデータパックの位置を示すビットに0が与えられる。
即ち、TC−seq内の4ビットのTCIDによって、再送する映像ファイルの識別子が示されるとともに、シーケンス番号によって再送するAVデータパックの8ビット識別子が示される。そして、16ビットのTC−bitmapには、シーケンス番号で示されるAVデータパック以降のAVデータパックとシーケンス番号で示されるAVデータパックとの時間軸上の位置関係が1ビット毎に示される。
第11図では、前回の受信においてバッファアドレスN−2まではすべて正常な書き込みが行われものとするとともに、受信したMACパケット内の1番目と3番目のリードソロモン符号化ブロックにおいて誤り訂正エラーが発生しており、AVデータパックが得られないものとする。よって、AV伝送用バッファ32のN番目のバッファアドレスには正常にデータが書き込まれたが、k−1、k+1番目のバッファアドレスはヌルになっている。
第16図は、第11図で示す受信結果に対し、ACK生成回路36が生成したACKフレームを示す。ACK生成回路36では、AV伝送用バッファ32内の各バッファアドレスの格納状態が、AV伝送用バッファ32から与えられる格納状況表示識別子によって確認される。又、MACパケット受信部20で受信されて処理が成されたAVデータパックのTag内の8ビット識別子がMAC部35で認識され、ACK生成回路36に伝えられる。
そして、MAC部35よりMACパケット受信部20で処理されたAVデータパックについての情報が与えられると、AV伝送用バッファ32から与えらえる格納状況表示識別子によって、再送要求するAVデータパックに付加されたTag内の8ビット識別子が認識され、この認識された8ビット識別子に基づいて、遅延ACKが生成される。尚、このとき、前回の受信で正常に受信されたAVデータパックのTag内の8ビット識別子はACK生成回路36内に記憶されている。
このとき、まず、ACK Recordフィールド内の情報がTagにある8ビット識別子を示すために、Record Countフィールド内のBitmap Objectビットが1とされる。又、ACK Recordフィールドの数がこの場合1つだけとなるので、Record Countフィールド内のRecord Countが1とされる。
又、ACK RecordフィールドのTC−seqにおけるシーケンス番号が、前回正常に受信した最新のバッファアドレスに対応する8ビット識別子k−2の次の8ビット識別子、即ち、今回受信されたAVソースパケットの先頭のデータ部に含まれるAVデータパックが格納されるバッファアドレスに対応する8ビット識別子k−1となる。
このとき、MAC部35によって与えられる情報より、MACパケット受信部20で受信されて処理されたAVデータパックが確認されると、各AVデータパックの受信状況をAV伝送用バッファ32より与えられる格納状況表示識別子より確認される。今、第11図において、8ビット識別子k−1,k+1に対応するバッファアドレスに格納されるべきAVデータパックが正常に誤り訂正処理が成されていない。よって、8ビット識別子k−1,k+1に対応するバッファアドレスにおける格納状況表示識別子が0として与えられる。
よって、この格納状況表示識別子が0となるバッファアドレスに対する8ビット識別子k−1,k+1が確認されるため、8ビット識別子k−1,k+1にあたるビット位置が1となるように、TC−bitmapが生成される。即ち、16ビットのTC−bitmapが|1010 0000 0000 0000|2となる。
尚、TC−Seqに格納されるバッファアドレスは、本実施形態のように前回正常に受信した最新のバッファアドレスの次のアドレスである必要はなく、受信異常が発生したと思われるバッファアドレスとしても構わない。
又、同じ受信機会において受信したすべてのパケットに対する遅延ACKを生成する必要もない。即ち、受信局3が最後のパケットまでのACKが返せない場合は、途中までに受信したパケットの遅延ACKを生成し、送信局2に返すようにしてもよい。又、このとき遅延ACKを返せなかったパケットに対する遅延ACKは、ライフタイムを超過しない限りいつ返してもよい。
但し、この場合は、送信局2において、受信局3が何番目のパケットまでに対する遅延ACKを返信したのかを判別できるようにする必要がある。これは、例えば、遅延ACKが返されるまでの時間を、送信局2及び受信局3の間、もしくはシステム全体のパラメーターとして、予め設定しておき、その時間を過ぎても遅延ACKが返されないパケットやバッファアドレスについては再送をするという方法で対処できる。
このような遅延ACKについては、他の局の送信により遅延ACK自体が送信不可能になるということを防ぐために、他の通信より優先させて送信する必要がある。このため、本実施形態では、制御局1から送信される後述するCF−Endを受信した後、PIFS時間が経過したことをMAC部35が確認すると、ACK生成回路36で生成した遅延ACKを送信する。
よって、他の局が送信可能となるまでの時間であるDIFS時間+バックオフ時間よりも短いPIFS時間経過後に遅延ACKが送信されるため、他の局よりも先に受信局3がメディアにアクセスすることが可能となる。尚、PIFS時間よりも短いSIFS時間経過後に遅延ACKの送信を行うようにしても構わないし、制御局1により遅延ACK送信のタイミング制御を行うようにしても構わない。
又、上述したようにMACパケット解析回路26後段の各回路が動作を行う通常処理が成されるとき、ACKがACK生成回路36で生成されて送信される。この通常処理が成されるときに送信されるACKは、誤り検出回路28でMACパケットが正常に受信されたことを確認すると、MAC部35によってACK生成回路36にACKの送信を指示し、ACK生成回路36からACKが送信される。よって、このACKの送信は、MACパケットの受信を完了してからSIFS時間が経過するまでに行われる。
送信局2では、このような遅延ACKを受信部11で受信すると、AV伝送用バッファ7における送信待機状態識別子及び再送可能識別子と、遅延ACKにおけるACK Recordフィールドとによって、MAC部8がMACパケット生成回路9がAV伝送用バッファ7より読み出すAVデータパックを設定して、MACパケット生成回路9の動作を制御する。
又、本実施形態では、AVソースパケットの送受信する際の寿命時間であるライフタイムを考慮した送信を行う。即ち、時間が経過しすぎたAVソースパケットを再生すると映像または音声に乱れが生じるため、予めシステム内遅延などを考慮したうえで、ライフタイムを設定しておき、このライフタイムを超えたAVソースパケットについては送信を禁止する。
AVソースパケットの再送の場合も同様、受信局3から再送要求されてもライフタイムを経過したAVソースパケットは再送しても、受信局3から出力されたAVソースパケットが再生不可能となる。そのため、受信局3が送信局2に対して再送要求をするときや、送信局2が実際に再送を開始するときには、AVソースパケットの時刻情報とライフタイムを比較し、ライフタイムを超えているものについては再送を禁止する。
このように、ライフタイムが設定されるときに、遅延ACKを受信した送信局2における動作を、以下に説明する。第17図は、第16図の遅延ACKを受信した送信局2のAV伝送用バッファ7内において、各バッファアドレスに対する送信待機状態識別子を、遅延ACKのACK Recordフィールド内の情報に応じて更新する動作を示す。
上述したように、AV伝送用バッファ7には、各バッファアドレスに対して、送信待機状態を示す送信待機状態識別子と再送可能である(即ち、バッファアドレスに格納されているAVデータパックがライフタイムを超えていない)ことを示す再送可能識別子とが備えられる。
まず、受信部11で遅延ACKが受信されると、遅延ACKのBitmap Objectビットが1であることが確認されると、ACK RecordフィールドがTag内の8ビット識別子に関する情報であることをMAC部8に認識させる。そして、MAC部8において、遅延ACKのACK Recordフィールドにおけるシーケンス番号が確認されると、このシーケンス番号によって示されれる8ビット識別子が認識される。
そして、シーケンス番号より8ビット識別子がk−1であることが認識されるため、Tag内の8ビット識別子k−1以降の8ビット識別子に対するバッファアドレスに対する送信待機状態識別子がAV伝送用バッファ7より確認される。今、8ビット識別子k+2〜k+4のそれぞれに対するバッファアドレスに格納されるAVデータパックが送信待機状態にあるものとすると、第17図の2段目にあるビットマップように、AV伝送用バッファ7より|0001 1100 0000 0000|2となる16ビット分の送信待機状態識別子がMAC部8に与えられる。
又、MAC部8において、遅延ACKのACK Recordフィールドにおける第17図の1段目のような|1010 0000 0000 0000|2となるTC−bitmapが確認される。そして、MAC部8において、確認されたTC−bitmapとAV伝送用バッファ7より得られた16ビット分の送信待機状態識別子とのORを取ることで、再送を含めた送信対象となる識別子ビットマップ|1011 1100 0000 0000|2が得られる。
更に、MAC部8において、8ビット識別子k−1以降の8ビット識別子に対するバッファアドレスに対する再送可能識別子がAV伝送用バッファ7より確認される。8ビット識別子k−1〜k+4のそれぞれに対するバッファアドレスに格納されるAVデータパックの有する時刻情報がライフタイム以内にあるものとすると、第17図の3段目にあるビットマップのように、AV伝送用バッファ7より|1111 1100 0000 0000|2となる16ビット分の再送可能識別子がMAC部8に与えられる。
そして、上記で得られた送信対象となる識別子ビットマップと、この再送可能識別子によるビットマップとのANDを取り、その結果を使って送信待機状態識別子のビットマップを|1011 1100 0000 0000|2として更新する。この更新された16ビット分の送信待機状態識別子のビットマップと、シーケンス番号より次回の送信時での送信が確認されたAVデータパックの8ビット識別子がMACパケット生成回路9に与えられる。即ち、第17図の場合、8ビット識別子k−1,k+1〜k+4が与えられる。
そして、MACパケット生成回路9によって、次回の送信機会に、MAC部8によって与えられた8ビット識別子に対応するバッファアドレスのAVデータパックがAV伝送バッファ7より読み出されて、MACパケットが生成される。よって、第17図の場合、8ビット識別子k−1,k+1〜k+4に対応するバッファアドレスのAVデータパックがAV伝送バッファ7より読み出されて、MACパケットが生成された後、このMACパケットが送信される。
又、上述の再送可能識別子は、本来すべてのAVデータパックに付加されている時刻情報を調べて、システムタイマ5による現在時刻情報及びライフタイムで認識される時刻情報と比較を行った上で更新される。即ち、システムタイマ5によって確認される現在時刻情報からライフタイムを減算した時刻情報と、AVデータパックに付加されている時刻情報とを比較し、AVデータパックに付加されている時刻情報の方が早い時刻を示す場合は、送信を禁止するために再送可能識別子を0とする。
又、制御局1によって指示されるメディアアクセス周期が決まっており、且つライフタイムがそのメディアアクセス周期の整数倍である場合、送信局2のAV伝送用バッファ7における再送可能識別子とアドレスバッファとの関係が第18図で示すような関係となるようにしても構わない。このとき、メディアアクセス周期がシステムタイマ5によってカウントされ、AVデータパックがAV伝送用バッファ7に入力されるとき、システムタイマ5によってカウントされたメディアアクセス周期の計数値が第18図のようにサイクルフィールドに格納される。
又、このAV伝送用バッファ7に入力されるAVデータパックのバッファアドレスに対する送信待機状態表示識別子及び再送可能識別子が1とされる。更に、システムタイマ5によってメディアアクセス周期がカウントされる度に、現在の周期回数となる計数値とライフタイムをメディアアクセス周期で割った数との差分を計算し、サイクルフィールドがその計算値より小さくなったとき、そのバッファアドレスに対する再送可能識別子を0にする。
例えば、第18図のように、ライフタイムがメディアアクセス周期の3倍になっており、又、システムタイマ5によってカウントされるメディアアクセス周期の計数値が23であるものとする。よって、このとき、AV伝送用バッファ7において、Tag内の8ビット識別子k+4に対するバッファアドレスにAVデータパックが格納されるとき、このバッファアドレスに対するサイクルフィールドに計数値23が格納される。
又、8ビット識別子k+4のバッファアドレスに対する送信待機状態表示識別子及び再送可能識別子が1とされる。そして、サイクルフィールドに格納された値が現在の周期回数となる計数値23とライフリミットをメディアアクセス周期で割った数3との差分23−3=20よりも小さくなるバッファアドレスに対する再送可能識別子が0とされる。
このようにすることで、再送の際に送信局2において、AV伝送用バッファ7内のすべてのバッファアドレスに格納されたAVデータパックの送信時間を調べる必要がなくなるため、上述したAVデータパックに付加されている時刻情報を比較する場合にくらべ回路を大幅に簡略化することができる。
次に、制御局1による帯域確保の方法について、基本周期内に衝突が発生する区間を備える場合と備えない場合それぞれに対して説明する。
1.基本周期内に衝突が発生する区間を備える場合
まず、メディアアクセスのための基本周期の決定方法について述べる。第19図は、HCFを備えた制御局1と送信局2と受信局3の基本的なパケット交換を時間軸で示した一例である。この第19図の例では、1つの基本周期に、衝突が発生しない区間CFPと衝突が発生する区間CPとが含まれる。
第19図のように、まず、制御局1から帯域確保フレームであるCF−Pollが送信部39から送信される。このCF−Pollが送信されてから、制御局1からCF−Endが送信されるまでの間は衝突が発生しない区間CFPとして確保される。CF−Pollを受信した送信局2は、自局が送信局であることをCF−Pollより確認して、受信局3に対しRTSを生成して送信する。
又、RTSを受信した受信局3は、自局が受信局であることをRTSより確認して、送信局2に対し、CTSを生成して送信する。CTSを受信した送信局2は受信局3が受信可能な状態であることを確認し、受信局3に対し、MACパケット生成回路9で生成したMACパケットを含むパケット#1〜#nの単一転送又はバースト転送を行う。
そして、制御局1が、後述する第22図のアルゴリズムを利用して送信局2が無線メディアの帯域を解放したことを確認すると、CF−EndをMAC部38で生成して送信部39より送信することで、衝突が発生しない区間CFPを終了させる。この区間CFP内でのCF−Poll、RTS、CTS、パケット#1〜#n、CF−Endそれぞれの間隔はSIFS(16μs)である。
次に、衝突が起きる可能性のある区間CPが開始する。第19図の例においては遅延ACKをこの区間で返すものとしている。但し、遅延ACKが従来のIEEE802.11方式に従った動作を行う通信装置の妨害で返信されなくなることを避けるため、PIFS時間後に返信を行っている。尚、この遅延ACKの返信方法については、上述の通り制御局1による遅延ACKの送信時間を制御することによるものでも構わない。
そして、最初のCF−Pollが送信されてから基本周期分の時間が経過すると、ネットワークシステムを構成する局間で通信が行われていないときは、区間CPを終了させるとともに次の基本周期が開始されるように、制御局1から、CF−Pollが送信される。尚、基本周期内で区間CPで送信されるLANパケットが送信終了する場合、現時点における基本周期が開始されたときに最初に送信されるCF−Pollが送信されてから基本周期に相当する時間が経過すると、次の基本周期を開始するためにCF−Pollが送信される。
第19図の中段において、区間CFPにおいて送信局2から送信されるパケットの物理層にIEEE802.11a物理層(5GHz)を使用した場合の物理層パケットの構成を示す。IEEE802.11a物理層は最大通信速度が54Mbpsで、周波数帯域5GHzにおけるOFDM方式を備えた物理層であり、先に述べたDVCやMPEG2−TS高画質モードの転送を行える可能性のある物理層である。
Preamble、Signal、Service、Tail、PADSは、IEEE802.11a物理層によってMACパケットであるPDUに付加されるものであり、PreambleとSignalについては、それぞれの転送時間が16μs、4μsと決まっている。16ビットのServiceと6ビットのTailとPADSとMACパケットであるPDUとは、最大通信速度が54MbpsとなるOFDM方式で転送することができる。最大通信速度54Mbpsとなる時のOFDM方式での1シンボル長は216ビットである。そして、PADSは、Tailを含む最後のシンボルのシンボル長が216ビットになるように付加される。
第19図の下段において、上述のIEEE802.11a物理層におけるPDUであるMACパケットの構成を示す。IEEE802.11MAC層では、32バイトのMACヘッダ及び4バイトのFCSを除いたプロトコルのフレームボディと呼ばれるフィールドの最大値が2312バイトに制限されている。従って、224バイトのリードソロモン符号化ブロックを10個まで収めることが可能である。
よって、本実施形態で挙げたAVソースパケットのうち最も速い転送速度をもつDVCの場合について考えると、上述の1パケットで96(データブロックサイズ)×2(データブロック個数)×10(リードソロモン符号化ブロック個数)=1920バイトを転送することができる。
又、第19図に示すように、各パケット#1〜#nに含まれる複数のリードソロモン符号化ブロックの内の1ブロックを再送要求されたAVデータパックによるリードソロモン符号化ブロックに対する帯域として確保している。実際にデータ送信を行う場合は、このブロックを必ず再送要求されたAVデータパックによるリードソロモン符号化ブロックとする必要はないが、演算処理を容易にするためにこのような構成としている。よって、正規の(再送ではない)DVCによるAVソースパケットを格納できるデータサイズは1728バイトとなる。
又、MACパケット全体の大きさは、32(MACヘッダ)+4(IV)+16(MACヘッダ部のRS符号)+224×10(リードソロモン符号化ブロック)+4(FCS)=2296バイトである。これに、16ビットのServiceと6ビットのTailとを加え、216ビット(OFDMシンボル長)で割って小数点以下を切り上げた値(=86)がPADSを含むOFDMシンボル数となる。
1つのOFDMシンボルの転送時間は4μsであるので、4×86(OFDMシンボル数)+16(Preamble)+4(Signal)=364μsが一つの物理層パケットを転送するのに必要な時間である。
又、遅延ACKは、CF−Endが送信完了した後、PIFS(25μs)経過した後に出力される。リードソロモン符号化処理は、第9図に示すようにリードソロモン符号化ブロック2個分の遅延が発生する。受信局3の内部回路の処理速度が物理転送路の速度と同じとすると、この遅延は68μsとなる。これに対し、第19図における最後のパケット#n送信終了後からの遅延ACKを送信するまでの間隔は、16μs(SIFS)+27μs(CF−End)+25μs(PIFS)=68μsとなり、リードソロモン復号処理と同等の時間を確保できる。実際に遅延ACKを送信する際には物理層パケットの16μsのプリアンブル区間があるため、遅延ACK内のデータ生成に更に時間的な余裕がある。
衝突が起きる可能性がある区間CPで局4がメディアアクセスをするにはDIFS時間(34μs)+ランダムバックオフ時間による期間だけ待機しなければならない。よって、CF−Endが送信されて、区間CFPが終了するとともに区間CPが開始すると、DIFS時間よりも短いPIFS時間経過後に遅延ACKが送信されるため、遅延ACKの送信を局4の送信動作によって妨害されることはない。
尚、遅延ACKを局4の送信動作によって妨害されないための方法としては、上記以外にも、制御局1が送信する帯域確保フレームCF−Pollに続いて遅延ACKを送信するようにしても構わない。この場合、遅延ACKを送信するまでに、帯域確保フレーム送信時間及び遅延ACKの送信までの待機時間が更に必要となるが、より確実に遅延ACKを送信することが可能になる。
又、第20図は、上述した各制御パケットの転送時間などを考慮して、衝突しない区間CFPに含まれるパケット数を表すパケットバースト回数と、DVCソースパケットの実転送レート及び基本周期の長さとの関係を計算した結果をグラフで示したものである。
第20図でLANなしと記述されているグラフは衝突が発生しない区間を最小にした場合であり、LAN有りを記述されているグラフは転送速度24Mbps、フレームボディ長2312バイトのLANパケットと共存したときの値を示す。実転送レートは、再送用の帯域はパケットのデータ部を構成する10個のリードソロモン符号化ブロックのうち一つを再送専用として割り当てたとして、残りのリードソロモン符号化ブロックで転送できる転送量を示したものである。
第19図の例では、例えばLANと共存したときにDVCの実転送速度が30Mbps以上となる最小の周期、約6.8ms(バースト回数15回、実転送レート30.2Mbps)を基本周期とする。このようにすることで、基本周期をもっとも転送速度が速いDVC転送に適合するよう設計できるため、DVCよりも転送速度が低いMPEG2−TSの送信も可能である。
次に、上述のようにして各局間で通信が行われているときにおいて、制御局1がメディアアクセスを許可する送信局を決定する際の動作について、以下に説明する。第21図は、制御局1が新規に周期的なメディアアクセスを要求する送信局2に対し、メディアアクセスを許可するか否かを判別するためのフローチャートである。
尚、本実施形態において、通信ネットワークに属する各局のメディアアクセス周期を基本周期の整数倍とする。又、基本周期内における周期的にポーリングされる各局のメディアアクセス時間の合計の上限は、この基本周期におけるDVC転送の場合にかかるメディアアクセス時間と同等とする。更に、制御局1は、周期的なメディアアクセスを許可した各局の基本周期内におけるメディアアクセス時間及びメディアアクセス周期を帯域管理部41に記憶し、記憶したメディアアクセス時間を合計した時間をDVC転送時にかかるメディアアクセス時間から減算し、このようにして得られた時間を残り帯域として記憶する。
制御局1は、制御局1以外の局(以下、送信局とする)から送信される新規に周期的なメディアアクセスの許可を得るための帯域確保要請フレームを受信部40で受信する(STEP51)。このとき、帯域確保要請フレームより、帯域情報として、送信局が必要とするメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が確認される。
そして、この帯域情報が帯域管理部41に送出されると、帯域管理部41において、この新規に周期的なメディアアクセスを要求する送信局が必要とするメディアアクセス周期が基本周期の整数倍であるか確認される(STEP52)。即ち、この送信局に対して送信する帯域確保フレームCF−Pollの送信周期が、基本周期の整数倍であるか、帯域管理部41で確認される。
このとき、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍であることが確認されると(Yes)、帯域管理部41において、帯域確保要請フレームを送信した送信局が必要とするメディアアクセス時間と上述した残り帯域とを比較する(STEP53)。そして、メディアアクセス時間が残り帯域よりも短いことが確認されると(Yes)、帯域管理部41において、このメディアアクセス時間と基本周期とを比較する(STEP54)。
この帯域管理部41で、帯域情報から確認されたメディアアクセス時間が基本周期より短いことが確認されると(Yes)、送信局から要求されたメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が帯域管理部41に格納されるとともに、このメディアアクセス時間を残り帯域から減算することで、残り帯域の時間を更新する(STEP55)。このSTEP55の動作を終了すると、再び、STEP51に移行して、帯域確保要請フレームの受信確認が行われる。
又、STEP52において、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍でないとき(No)、又は、STEP53において、メディアアクセス時間が残り帯域より長いとき(No)、又は、STEP54において、メディアアクセス時間が基本周期より長いとき(No)、STEP51で受信された帯域確保要請フレームによる要求を拒否し、帯域管理部41における確認されたメディアアクセス周期及びメディアアクセス時間が破棄される(STEP56)。そして、このSTEP56の動作を終了すると、STEP55の時と同様、再び、STEP51に移行して、帯域確保要請フレームの受信確認が行われる。
以上のようにメディアアクセス時間の設定を行うことによって、既存LANのための帯域を保護しつつ、DVCまたはDVC以下の転送速度をもつリアルタイムAVデータの帯域を容易に確保することができる。
このように制御局1が送信局2のメディアアクセスの許可を行うとき、制御局1が送信局2の周期内での送信終了を検出し、送信局2が利用していた帯域を解放するために、第22図に示すフローチャートに従って動作する。
まず、現在のIEEE802.11と同様、制御局1は、受信部40で送信局2から送信されるパケット及び受信局から送信されるACK又は遅延ACKが受信されると、受信された信号をMAC部38で確認してメディアの監視を行う(STEP101)。そして、MAC部38において、送信局2から送信されるパケット内のMACヘッダに含まれるNF(Non Final)ビットより送信局2の状態を監視し、NFビットが0となったか否かを確認することで、送信終了を確認する(STEP102)。即ち、第19図の場合、パケット#n内のMACヘッダに含まれるNFビットが0であるとともに、パケット#1〜#n−1内のMACヘッダに含まれるNFビットが1である。
このようにMACヘッダのNFビットにより送信終了を確認する処理はPCFに適合したものである。このPCFの通信では、送信局2と受信局3との間で通信を行うときには必ず制御局1を経由するので、このNFビットを監視することができる。又、制御局1がパケットを受信できず、送信局2へACKの返信できなかった場合には、送信局から即座にパケットが再送されていたため、STEP102の処理による送信局2からのパケットの送信終了の確認が可能である。
STEP102で、NFビットが1である場合(No)、送信局2からのパケットの送信が終了してからSIFS時間以上の時間が経過するまでに送信局2又は受信局3からの信号を受信部40で受信したか否かが、MAC部38でシステムタイマ37より与えられる時刻情報より確認される(STEP103)。即ち、送信局2から送信されるパケットが最後のパケットであり、このパケットが送信されてからSIFS時間以上経過したか否かが確認される。
このとき、送信局2からのパケットが送信終了してからSIFS時間が経過するまでに、送信局2から送信される次のパケット又は受信局から送信されるACKを受信すると(No)、送信局2が送信可能とされるメディアアクセス時間であるTXOP時間が経過したか否かが、MAC部38によってシステムタイマ39による時刻情報を参照することで確認される(STEP104)。そして、TXOP時間の経過が確認されなかったときは(No)、再度STEP101以降の処理動作を行う。
このようなSTEP103及びSTEP104の処理動作が成されることで、送信局2及び受信局3の間で制御局1を経由しない通信を行うとともに遅延ACKの送信が可能となるHCFにおいても、送信局2の帯域解放処理を行うことができる。即ち、NFビットの確認を行わない場合でも、送信局2から送信される最後となるパケットを制御局1において確認することができる。
STEP102においてNFビットが0であることが確認されたとき(Yes)、又、STEP103において送信局2からのパケットの送信終了後SIFS時間以上経過したことが確認されたとき(Yes)、又、STEP104においてTXOP時間が経過したことが確認されたとき(Yes)、現在の衝突が発生しない区間CFPにおいて別の局へポーリングを行うポーリングスケジュールがあるかどうかが、MAC部38によって、帯域管理部41より得られる帯域確保時間情報より確認される(STEP105)。
そして、MAC部38によって、帯域確保時間情報よりポーリングスケジュールがあることが確認されると(Yes)、このポーリングスケジュールによって指定される次の局に対してメディアアクセスを許可するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP106)、STEP101以降の動作を行う。又、逆に、ポーリングスケジュールがないことが確認されると(No)、衝突が発生しない区間CFPが終了したことが確認されるため、衝突が発生しない区間を終了させるように、CF−Endを送信部39から送信する(STEP107)。
このようなフローチャートに従って動作するとき、区間CFP内で2つの局に対してメディアアクセスが許可されている場合、第23図のような通信が行われる。即ち、区間CFPの開始が確認されて、制御局1よりCF−Pollが送信されると、CF−Pollによって送信局として設定される局からRTSが送信されるとともに、RTSによって受信局として設定される局からCTSが送信される。その後、送信局となる局と受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認され、ポーリングスケジュールにより次に送信局として設定される局をポーリングするためのCF−Pollが制御局1より送信される。その後、同様に、次に送信局となる局からRTSが送信された後、次に受信局となる局からCTSが送信されると、この送信局となる局及び受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認されるとともに、次のポーリングスケジュールが確認されないので、区間CFPを終了するためのCF−Endが制御局1より送信される。
又、第19図の例において、LANと共存するために確保した区間を補償するために、メディアアクセス周期で許容されるジッタが設けられている。即ち、衝突が起きる可能性がある区間CPにおいて、各局間で送受信されるLANパケットが基本周期から外れても送信許容されるジッタが設定される。又、このように区間CPにおいてLANパケットが基本周期から外れることで生じた基本周期のずれを解消して帯域補填を行うために、次の基本周期を早く終了するためのジッタが設定される。
このような第19図に示すジッタを用いた帯域補填動作について、以下に説明する。第24図は、制御局1のCF−Pollの送信タイミングにおいて局4が24Mbpsの転送速度でLANパケットを送信中であったときの、各局の通信動作を示すためのタイミングチャートである。
局4が、基本周期終了後、LANパケットの送信を終了すると、この局4からLANパケット受信した局より、LANパケットの送信終了後SIFS時間の間隔でLANパケットに対するACKが返信される。そして、局4は、このACKを受信するために、DIFS+ランダムバックオフ時間だけ待機する。このとき、制御局1は、LANパケット送信終了をMAC部38で確認すると、PIFS時間だけ待機した後に、送信部39より帯域確保フレームCF−Pollを送信する。よって、基本周期終了からCF−Pollの送信までの間に、LANパケットによる遅延となるジッタが生じる。
このように生じた遅延となるジッタは、MAC部38内に格納される。そして、MAC部38において、この遅延となるジッタを基本周期の長さから減算した時間を、次の基本周期の長さとして設定する。そして、第22図のフローチャートに従って動作した後、CF−Endを送信して衝突が発生しない区間CFPを終了させる。その後、衝突が起きる可能性がある区間CPになるが、制御局1は、上述のようにしてMAC部38で設定した基本周期となると、この区間CPを終了させて、次の基本周期を開始するために、CF−Pollを送信部39から送信する。このとき開始させる次の基本周期の長さは、元の周期の長さとされる。
即ち、制御局1では、遅延となるジッタが発生した次の基本周期については、その長さを、発生したジッタの長さ分短い長さとする。よって、遅延となるジッタが発生した次の基本周期では、CF−Pollが送信されてから、基本周期の長さからジッタを減算した時間が経過したことを確認すると、次の基本周期が開始されるように、CF−Pollを送信する。このとき、帯域補填するために早期終了させた分のジッタが発生する。
このように、局4による妨害によって遅延した分だけ早く衝突が起きる可能性がある区間CPを終了させ、次の基本周期を開始する。この場合、局4による妨害が再び発生する可能性があるが、24MbpsのLANパケットであれば、その送信時間がジッタの範囲を超えることはないため、問題はない。
又、局4のLANパケットの転送速度が、本例で第20図を利用して基本周期を計算した際に使用した転送速度以下である場合は、制御局1は、衝突が起きる可能性がある区間CPにおいて、遅延ACKの送信終了後PIFS時間だけ待機する。そして、帯域確保フレームCF−Pollを送信して、衝突が発生しない区間CFPを再開する。このような動作を、失った帯域を補填するまで続けることによって、局4の妨害を防ぐとともに、速やかに帯域を補填することができる。
このような帯域補填を行うことにより、DVCによるAVソースパケットの送信と24Mbpsで送信される既存LANとの共存が可能になる。
2.基本周期内に衝突が発生する区間を備えない場合
上記では、第19図のような衝突が起きる可能性がある区間CPが基本周期内に設けられるときの例を挙げたが、この区間CPが基本周期内に設けられないものとしても構わない。この区間CPが基本周期内に設けられないときの、HCFを備えた制御局1と送信局2と受信局3の基本的なパケット交換におけるタイミングチャートを、第25図に示す。
第25図の場合においても、第19図の場合と同様、まず、制御局1から帯域確保フレームであるCF−Pollが送信部39から送信された後、CF−Pollを受信した送信局2よりRTSが送信され、このRTSを受信した受信局3よりCTSが送信される。このようにして、送信局2及び受信局3が決定されると、送信局2から受信局3に対して、MACパケットを含むパケット#1〜#nが送信される。
そして、制御局1において、パケット#nの送信が終了したことが確認されると、CF−Endが送信部39から送信される。このCF−Endを受信局3が受信すると、CF−Endの受信が終了してからSIFS時間が経過後に、受信局3から送信局2に対して遅延ACKが送信される。尚、CF−Poll、RTS、CTS、パケット#1〜#n、CF−Endそれぞれの間隔は、第19図の例と同様、SIFSである。
そして、最初のCF−Pollが送信されてから基本周期分の時間が経過すると、次の基本周期が開始されるように、制御局1から、CF−Pollが送信される。尚、基本周期内で最後に送信される遅延ACKが送信終了した後、送信待機時間SIFS以上の時間が経過してから次の基本周期が開始されるように、SIFS時間分待機した後に送信部39からCF−Pollが送信される。
このように基本周期が設定されるとき、制御局1がメディアアクセスを許可する送信局を決定する際の動作については、第19図の例と同様、第21図のフローチャートに従って、周期的なメディアアクセスを要求する送信局2に対して、メディアアクセスの許可を行う。よって、その詳細な説明は省略する。
又、本例において、制御局1が送信局2の周期内での送信終了を検出し、送信局2が利用していた帯域を解放するために、第26図に示すフローチャートに従って動作する。尚、第26図のフローチャートにおいて、第22図に示すフローチャートと同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
まず、制御局1は、受信部40で受信された信号をMAC部38で確認してメディアの監視を行い(STEP101)、送信局2から送信されるパケット内のMACヘッダにおけるNFビットが0となったか否かを確認する(STEP102)。このとき、NFビットが1である場合(No)、次に、送信局2から最後のパケットが送信されてからSIFS時間以上経過したか否かが確認される(STEP103)。更に、送信局2からSIFS時間以内にパケットが送信されると(No)、TXOP時間が経過したか否かが確認される(STEP104)。
このSTEP102〜STEP104の処理動作がおこなわれているとき、NFビットが0であること、又は、最後のパケットが送信局2から送信されたこと、又は、TXOP時間が経過したことのそれぞれが確認されると、次のポーリングスケジュールがあるか確認される(STEP105)。
このとき、帯域管理部41より与えられる帯域確保時間情報から、次のポーリングスケジュールが確認されると(Yes)、送信部39からCF−Endを送信する(STEP151)。その後、受信部40で送信局3からの遅延ACKを受信したか否かがMAC部38で確認され(STEP152)、遅延ACKが受信されなかったとき(No)、CF−End送信終了後SIFS時間が経過したか否かが、システムタイマ37からの時刻情報より確認される(STEP153)。このとき、SIFS時間の経過が確認されなかったとき(No)、再び、STEP152以降の動作を行う。
又、STEP152において遅延ACKの受信が確認されたとき(Yes)、又は、STEP153においてCF−End送信終了後SIFS時間の経過が確認されたとき(Yes)、STEP105で確認されたポーリングスケジュールによって指定される次の局に対してメディアアクセスを許可するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP106)、STEP101以降の動作を行う。
又、STEP105において、次のポーリングスケジュールが確認されなかったとき(No)、送信部39からCF−Endを送信する(STEP155)。その後、遅延ACKを受信したか否かが確認され(STEP156)、遅延ACKが受信されなかったとき(Yes)、SIFS時間が経過したか否かが確認される(STEP157)。このとき、SIFS時間の経過が確認されなかったとき(No)、再び、STEP156以降の動作を行う。
又、STEP156において遅延ACKの受信が確認されたとき(No)、又は、STEP157においてSIFS時間の経過が確認されたとき(Yes)、基本周期における最初のCF−Pollを送信してから基本周期分の時間が経過したことをシステムタイマ37からの時刻情報より確認した後、次の基本周期を開始するために、CF−Pollを送信部39から送信した後(STEP158)、STEP101以降の動作を行う。
このようなフローチャートに従って動作するとき、区間CFP内で2つの局に対してメディアアクセスが許可されている場合、第27図のような通信が行われる。即ち、基本周期の開始が確認されて、制御局1よりCF−Pollが送信されると、送信局となる局からRTSが送信されるとともに、受信局となる局からCTSが送信される。その後、送信局となる局と受信局となる局との間で通信が行われる。
そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認され、CF−Endが制御局1から送信される。このCF−Endの送信終了後SIFS時間が経過して、遅延ACKが受信局となる局から送信されたことが確認された後、遅延ACK送信後SIFS時間経過すると、ポーリングスケジュールにより次に送信局として設定される局をポーリングするためのCF−Pollが制御局1より送信される。
その後、同様に、次に送信局となる局からRTSが送信された後、次に受信局となる局からCTSが送信されると、この送信局となる局及び受信局となる局との間で通信が行われる。そして、送信局となる局から最後のパケット#nが送信されると、このパケット#nの送信終了後SIFS時間以上の時間が経過したことが制御局1で確認されるとともに、次のポーリングスケジュールが確認されないので、まず、CF−Endが制御局1から送信される。
このCF−Endの送信終了後SIFS時間が経過して、受信局となる局より遅延ACKが送信されたことが確認されると、基本周期を開始してCF−Pollを送信してから、基本周期となる時間が経過したか確認される。そして、基本周期となる時間が経過したことが確認されると、次の基本周期を開始するために、制御局1からCF−Pollが送信される。
尚、制御局1からCF−Endを送信した後、SIFS時間以上の時間が経過したことが確認されると、ポーリングスケジュールがある場合は、すぐにCF−Pollが送信され、又、ポーリングスケジュールがない場合は、基本周期が終了したことが確認された後にCF−Pollが送信される。
又、本実施形態において、第18図で示したように、AVソースパケットのライフタイムをメディアアクセス周期の整数倍とすることによって、メディアアクセス周期が基本周期の整数倍であるため、ライフタイムを基本周期の整数倍とすることができる。このように、AVソースパケットのライフタイムを基本周期で計測することができるので、このライフタイムの管理が容易になる。
よって、上述したように、ライフタイムがAVソースパケットを送受信することのできる時間を示すため、ライフタイムに対するメディアアクセス周期の倍数が再送可能なメディアアクセス周期の計数値に相当するのと同様、基本周期の倍数は再送可能な基本周期の計数値として考えることができる。又、AVソースパック毎の再送回数が多ければ多いほどエラーに対する耐性は向上するが、ネットワークシステムにおいてAVソースパケットを再生する際の遅延が大きくなるとともに、送信局2及び受信局3それぞれに備えられるAV伝送用バッファ7,32のサイズも増大する。
上述のように、基本周期を6.8msとした場合、この間に転送されるDVC(スタンダード、30Mbps)ソースパケットの量は、25.5Kバイトであり、MPEG2−TS高画質モード(24Mbps)ソースパケット量は20.4Kバイトである。ライフタイムの間に転送される全AVソースパケット量は、ライフタイムに対する基本周期の倍数に比例する。このライフタイムの間に転送される全AVソースパケット量は、即ち、送信局2及び受信局3それぞれのAV伝送用バッファ7,32に必要とされるサイズになる。
よって、本実施形態における送信局2の機能及び受信局3の機能を一つのLSIで実現する場合には、備えるAV伝送用バッファのバッファサイズを適切なものとして、このバッファサイズに適合するよう基本周期を決める必要がある。又、基本周期が小さいほど、AV伝送用バッファのバッファサイズを節約しながら再送回数を増やすことができ、同時にライフタイムによるシステム遅延も抑えることができる。
又、本実施形態では高い頻度で時刻合わせを行うために、基本周期毎に必ず制御局1から送信されるCF−PollやCF−Endに対して、システムタイマ37から与えられる時刻情報が送信部39で付加されて送信される。このようなCF−PollやCF−Endのパケットフォーマットが、第28図及び第29図のように表される。
即ち、CF−Pollは、第28図のように、CF−Pollであることを示すための32バイトのMACヘッダと、システムタイマ37より与えられた時刻情報となる2バイトのタイムスタンプと、送信局となる局を指定するとともにメディアアクセス時間などを備えるデータと、4バイトの誤り検出符号であるFCSとによって構成される。又、CF−Endは、第29図のように、CF−Endであることを示すための32バイトのMACヘッダと、システムタイマ37より与えられた時刻情報となる2バイトのタイムスタンプと、4バイトの誤り検出符号であるFCSとによって構成される。
又、IEEE802.11のタイマ精度は、上述したように0.01%であるため、6.8msに一回で時刻合わせをする場合、ジッタを1.3μs程度に抑えることができる。本実施形態では、基本周期毎に送信される第28図のような構成のCF−Poll及び第29図のような構成のCF−Endそれぞれが受信される度に、CF−Poll及びCF−Endそれぞれに備えられたシステムスタンプによって時刻合わせが行われる。よって、IEEE802.11のシステムタイマ精度がμsオーダーであるため、AVソースパケットのタイムシーケンス再生におけるジッタがほとんど無視できる。
但し、基本周期を長くした場合は、制御局1は、CF−Poll及びCF−Endとは別に時刻合わせ専用のフレームを送信するようにしても構わない。又、制御局1自身が送信局を兼ねる場合は、CF−Pollを出さずに送信を開始する場合がある。この場合についても、CF−Poll及びCF−Endとは別に時刻合わせ専用のフレームを送信するようにしても構わない。
尚、本実施形態では、DVCを転送するための基本周期を例にしたが、例えば、あるシステムではDVCやMPEG2−TS高画質モードの送信をあきらめ、通常のMPEG2−TSを数チャネル分流したいという場合もあるだろうし、またあるシステムではできるかぎりLANを優先したいという場合もある。衝突が生じない区間においてどのようなAVデータを扱うか、衝突が起きる可能性がある区間においてどのような機器と共存するかによって、基本周期と実転送レートが大きく変わる。そのようなシステムの構築例といくつか取り決めておけば、ユーザーが望む最適な無線ネットワークシステムを簡単に実現できる。
又、本実施形態では、ライフタイムは基本周期の整数倍になるように設定したが、送信局及び受信局それぞれのAV伝送バッファのバッファサイズに制限がある場合は、このAV伝送バッファにおいて、リアルタイムAVデータを格納できる最大時間をライフタイムとしても構わない。この場合や、又は、システムとしてのライフタイムが設定されている場合、実転送レートが転送したいAVデータの転送量よりも大きく、且つ、その周期の長さがライフタイムの整数分の1になるように、基本周期を設定しても構わない。
更に、本実施形態では、各送信局が送信を行う際に与えるメディアアクセス時間が、リアルタイムAVデータが最速の転送速度で転送されるときのメディアアクセス時間とされる。又、このメディアアクセス時間の値の合計がシステムが扱う最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えないように、送信局として新規に参入する局の制限を行う。
これに対して、基本周期毎又は基本周期の整数倍毎に、各送信局がAV伝送用バッファの空きメモリ情報となるキューイング情報を制御局1に通知し、制御局1は、このキューイング情報を用いて、次回以降の基本周期において各送信局が必要とするメディアアクセス時間を予想し、この予想に基づいてメディアアクセス制御を行うようにしても構わない。
又、MPEG2−TSのような可変レートのリアルタイムAVデータを扱う送信局は、常に最大の転送速度で送信することがない。本実施形態では、最大転送速度時に各送信局が必要とするメディアアクセス時間の合計が最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えることはできない。しかしながら、上述のキューイング情報からメディアアクセス時間を予想する場合、予想したメディアアクセス時間の合計が最も転送速度が速いリアルタイムAVデータを転送するために必要なメディアアクセス時間を超えない限り、制御局1は各送信局に対するメディアアクセス制御を行うことができる。
しかし、転送レートの可変量はリアルタイムAVデータの内容によって変化するため、予測が不可能な場合もある。このような場合には、制御局1が予測した転送速度と各送信局が実際に必要とした転送速度の差分によって発生した齟齬を吸収するため、AV伝送用バッファのメモリサイズバッファを大きくするとともに、ライフタイムを長くすればよい。
又、再送すべきリードソロモン符号化ブロックを識別するために、本実施形態では、バッファアドレスを識別子として収めたTagを使用したが、受信したパケットのシーケンス番号及びそのパケット内で誤り訂正できなかったリードソロモン符号化ブロックの位置を知らせるようにしても構わない。この場合、受信局3は、例えばMAPにあるSPCとDBIを参照して、AV伝送用バッファ32にAVデータパックを格納する際にSPCとDBIが連続的になるように格納する。
又、このとき、送信局2においては、送信済みのパケットのシーケンス番号及びAVデータパックの格納状況を保存するバッファを備える必要がある。更に、受信局3においては、ソースパケット出力回路33だけではなく、AV伝送用バッファ32においても、MAPを解析するための機能を備える必要がある。このようにすることにより付加情報となるTagフィールドのオーバーヘッドを減らすことも可能である。
又、本実施形態では説明を省略したが、LLC PDUデータに対しても本実施形態で説明した処理と同じ処理を行うことができる。但し、LLC PDUの場合は、複数のリードソロモン符号化ブロックに分割できても、各リードソロモン符号化ブロック単位ではデータ処理不可能なため、必ずパケットがすべてそろった後に上位置に渡されて処理される。しかし、リードソロモン符号化ブロック単位での再送はパケット単位再送よりも再送に必要とする帯域が少ないため、帯域を有効に使う意味で有効である。
産業上の利用可能性
以上より、ネットワークシステムで各局がメディアアクセスできる基本周期を予め設定することで、制御局において簡単な処理動作と小規模の回路で各局のメディアアクセス制御を実現できる。又、誤り訂正符号と誤り訂正符号化ブロック単位の再送および暗号化を行うことにより、送信局及び受信局において、最小の帯域で信頼性の高くかつプライバシを保護する通信を実現できる。又、帯域制御フレームによる時刻合せによって、送信局と受信局の間で発生するAVソースパケットのジッタを最小におさえ、どの局でAVソースが再生されても違和感なく鑑賞することが可能になる。
更に、ライフタイムを基本周期の整数倍にすることで、送信局及び受信局におけるAV伝送用バッファを最適なサイズにできるだけでなく、AVソースパケットのライフタイムの管理が容易になる。又、基本周期の計算において既存局のメディアアクセス時間を確保しているため、どのような状況でも既存局との共存を実現できる。又、制御局の帯域解放処理を行うことにより、既存局が使用する帯域を多くとれる。
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークシステムで各局がメディアアクセスできる基本周期をあらかじめ決めてしまうことで制御局において簡単なアルゴリズムで各局のメディアアクセス制御を実現できる。
誤り訂正符号と誤り訂正符号化ブロック単位の再送を使用することで、再送の発生頻度を抑え、かつ再送が発生した場合でも再送に必要とされる帯域を抑えつつ信頼性の高い通信を実現できる。
プライバシ保護のため、暗号化を行った場合でも、上記誤り訂正化ブロック単位の再送を実現できる。
ライフタイムを基本周期の整数倍とすることで、送信局、受信局におけるAV伝送用バッファを最適なサイズにできるだけでなく、AVソースパケットのライフタイムの管理が容易になるという効果がある。
基本周期の計算において既存局のメディアアクセス時間を確保していることにより、どのような状況でも既存局との共存を実現できる。さらに既存局が想定したメディアアクセス時間以上の通信を行った場合でも、失った帯域を補填するまで既存局にメディアアクセス権を与えないメディア制御をすることにより、衝突が発生しない区間における通信路の品質を落とさない通信を実現できる。
制御局が積極的に帯域解放処理を行うことにより、衝突が発生しない区間において発生した余剰帯域を衝突が起きる可能性のある区間に分配することで、既存局のメディアアクセス機会を増やすことが可能になる。
さらに帯域制御フレームによる時刻合せによって、送信局と受信局の間で発生するAVソースパケットのジッタを最小におさえ、どの局でAVソースが再生されても違和感なく鑑賞が可能になる。
Claims (86)
- 時刻を管理するシステムタイマと、
アプリケーションデータに対して前記システムタイマより得られた該アプリケーションの入力時刻に基づいて生成した時系列的管理用の時刻情報を付加するとともに、前記アプリケーションデータのうち保持期間が定められたアプリケーションデータに対して送信可能な期間を設定するデータ処理部と、
該データ処理部で前記時刻情報が与えられた前記アプリケーションデータを一時的に保持するバッファと、
該バッファから前記アプリケーションデータを読み出すともに該アプリケーションデータに誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加部と、
該誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加されたアプリケーションデータから送信パケットを作成する送信パケット生成部と、
該送信パケット生成部で作成した前記送信パケットを送信する送信部と、
前記バッファからアプリケーションデータを読み出すことを制御するとともに、前記送信パケット生成部で生成された前記送信パケットを通信帯域が確保された時間に前記送信部から送信することを制御する送信制御部と、
前記送信部から送信した一つ又は複数の送信パケットの受信を示す応答信号を受信する受信部と、
を備え、
前記送信部から送信する際に、前記送信制御部において、前記システムタイマから得られる現在時刻と前記バッファ内に格納されたアプリケーションデータに対して設定された前記送信可能な期間とを比較し、該現在時刻が前記送信可能な期間を超過しているアプリケーションデータについては、前記誤り訂正符号付加部が前記バッファから読み出さず、
又、前記送信部より前記送信パケットを送信した後、所定時間以上経過しても、前記送信パケットに対する前記応答信号を前記受信部で受信しなかったことが前記送信制御部において確認されるとき、該送信パケットが正しく受信されていないと判定するとともに、
前記応答信号が正常に受信されたときと異なるタイミングで受信されたとき、当該応答信号より再送要求された前記送信パケットを確認し、再送要求された当該送信パケットを前記バッファから読み出して前記再送部より再送することを特徴とする通信装置。 - 前記データ処理部において、前記アプリケーションデータを複数のブロックに分割して前記バッファ内に格納し、
前記誤り訂正符号付加部において、前記バッファ内から各ブロック毎に前記アプリケーションデータを読み出すとともに、各ブロック毎に誤り訂正符号を付与することを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 前記送信パケットのパケットヘッダ部を生成するヘッダ生成部を備え、
前記誤り訂正符号付加部において、前記ヘッダ生成部で生成したパケットヘッダ部及び前記バッファより読み出した前記アプリケーションデータそれぞれに誤り訂正符号を付加した後、
前記送信パケット生成部において、前記誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加された前記パケットヘッダ部及び前記アプリケーションデータによって送信パケットを生成することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。 - 前記ブロック単位での再送要求を示す前記応答信号を前記受信部で受信したとき、再送要求されたブロックの前記アプリケーションデータのみを再送することを特徴とする請求の範囲3に記載の通信装置。
- 前記バッファに格納される前記アプリケーションデータのブロック毎の格納位置情報を、前記アプリケーションに対して、各ブロック毎に付加することを特徴とする請求の範囲4に記載の通信装置。
- 前記アプリケーションデータに対して前記暗号キーを用いて暗号化を施す暗号化部を備え、
前記ヘッダ生成部において、暗号キーをパケットヘッダ部に付与するとともに、
前記暗号化部で暗号化したアプリケーションデータ部に対して、前記誤り訂正付加部で誤り訂正符号を付加することを特徴とする請求の範囲5に記載の通信装置。 - 前記アプリケーションデータに対して、ブロック毎に誤り検出符号を付加する誤り検出付加部を備え、
該誤り検出付加部で誤り検出符号が付加されたブロックのアプリケーションデータに対して、前記暗号化部で暗号化することを特徴とする請求の範囲6に記載の通信装置。 - 前記送信可能な期間を、制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が設定される周期である基本周期の整数倍とし、
前記アプリケーションデータの保持期間を前記基本周期毎に管理することを特徴とする請求の範囲7に記載の通信装置。 - 前記制御局となる通信装置によって、通信が許可される時間となるメディアアクセス時間と、該メディアアクセス時間の与えられる周期であるメディアアクセス周期とが、設定され、
該メディアアクセス周期が、前記基本周期の整数倍とされることを特徴とする請求の範囲8に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲9に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲10に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲10に記載の通信装置。
- 前記ブロック単位での再送要求を示す前記応答信号を前記受信部で受信したとき、再送要求されたブロックの前記アプリケーションデータのみを再送することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。
- 前記バッファに格納される前記アプリケーションデータのブロック毎の格納位置情報を、前記アプリケーションに対して、各ブロック毎に付加することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。
- 前記アプリケーションデータに対して前記暗号キーを用いて暗号化を施す暗号化部を備え、
前記ヘッダ生成部において、暗号キーをパケットヘッダ部に付与するとともに、
前記暗号化部で暗号化したアプリケーションデータ部に対して、前記誤り訂正付加部で誤り訂正符号を付加することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。 - 前記アプリケーションデータに対して、ブロック毎に誤り検出符号を付加する誤り検出付加部を備え、
該誤り検出付加部で誤り検出符号が付加されたブロックのアプリケーションデータに対して、前記暗号化部で暗号化することを特徴とする請求の範囲15に記載の通信装置。 - 前記送信可能な期間を、制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が設定される周期である基本周期の整数倍とし、
前記アプリケーションデータの保持期間を前記基本周期毎に管理することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。 - 制御局となる通信装置によって、通信が許可される時間となるメディアアクセス時間と、該メディアアクセス時間の与えられる周期であるメディアアクセス周期とが、設定され、
該メディアアクセス周期が、前記制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が設定される周期である基本周期の整数倍とされることを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲2に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲19に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲19に記載の通信装置。
- 前記送信パケットのパケットヘッダ部を生成するヘッダ生成部を備え、
前記誤り訂正符号付加部において、前記ヘッダ生成部で生成したパケットヘッダ部及び前記バッファより読み出した前記アプリケーションデータそれぞれに誤り訂正符号を付加した後、
前記送信パケット生成部において、前記誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加された前記パケットヘッダ部及び前記アプリケーションデータによって送信パケットを生成することを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 前記アプリケーションデータに対して暗号キーを用いて暗号化を施す暗号化部を備え、
前記ヘッダ生成部において、前記暗号キーをパケットヘッダ部に付与するとともに、
前記暗号化部で暗号化したアプリケーションデータ部に対して、前記誤り訂正付加部で誤り訂正符号を付加することを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 前記送信可能な期間を、制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が設定される周期である基本周期の整数倍とし、
前記アプリケーションデータの保持期間を前記基本周期毎に管理することを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 制御局となる通信装置によって、通信が許可される時間となるメディアアクセス時間と、該メディアアクセス時間の与えられる周期であるメディアアクセス周期とが、設定され、
該メディアアクセス周期が、前記制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が設定される周期である基本周期の整数倍とされることを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲1に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲26に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲26に記載の通信装置。
- 時刻を管理するシステムタイマと、
時系列的管理用の時刻情報が付加されたアプリケーションデータから成る送信パケットを受信する受信部と、
該受信部で受信された送信パケットに誤り訂正符号が付加されているか否かを判定する誤り訂正判定部と、
前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加された送信パケットに対して誤り訂正を施す誤り訂正処理部と、
誤り訂正が成された送信パケットよりアプリケーションデータを生成する第1復号部と、
前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加されていない送信パケットより前記アプリケーションデータを生成する第2復号部と、
前記第1及び第2復号部で生成された前記アプリケーションデータを一時的に格納する第1及び第2バッファと、
前記システムタイマによる時刻が前記アプリケーションデータに付加された時刻情報による時刻と一致したことを確認すると、前記アプリケーションデータを前記第1バッファから読み出して出力するデータ出力部と、
1つ又は複数の送信パケットの受信状態を示す応答信号を送信する送信部と、
を備え、
前記受信部で受信された送信パケットに対して、前記誤り訂正処理部及び前記第1復号部による第1演算処理と、前記第2復号部による第2演算処理とを同時に施すことを特徴とする通信装置。 - 前記誤り訂正判定部で、前記受信部で受信された送信パケットが他の通信装置宛の送信パケットであることを確認すると、前記第2演算処理を停止して、前記第1演算処理のみを行うことを特徴とする請求の範囲29に記載の通信装置。
- 前記誤り訂正判定部で、前記受信部で受信された送信パケットに含まれるパケットヘッダに誤り訂正符号が付加されていることを確認すると、前記第2演算処理を停止して、前記第1演算処理のみを行うことを特徴とする請求の範囲30に記載の通信装置。
- 前記第1及び第2演算処理を平行して行うときに、前記誤り訂正処理部で誤り訂正が施された送信パケットに含まれるパケットヘッダに誤りが確認されたとき、前記第1演算処理を停止して、前記第2演算処理のみを行うことを特徴とする請求の範囲31に記載の通信装置。
- 前記第1及び第2演算処理を平行して行うときに、前記誤り訂正判定部で前記送信パケットに誤りが確認されたとき、前記第2演算処理を停止して、前記第1演算処理のみを行うことを特徴とする請求の範囲31に記載の通信装置。
- 前記通信パケットがブロック毎に分割されたアプリケーションデータに対して誤り訂正符号化が成され、
正常に復号できなかった前記アプリケーションデータにおいて前記ブロック単位で再送の要求を行う前記応答信号を前記送信部より送信することを特徴とする請求の範囲31に記載の通信装置。 - 前記アプリケーションデータの各ブロックを一意に判別できるブロック確認情報を前記各ブロック毎に前記アプリケーションデータに付与して前記第1又は第2バッファに格納し、
前記ブロック確認情報を用いて正常に復号できなかった前記アプリケーションのブロックを認識して、前記ブロック単位の再送要求を行う応答信号を生成することを特徴とする請求の範囲34に記載の通信装置。 - 前記第1又は第2バッファにおいて、前記アプリケーションデータの各ブロックを、付加された前記ブロック確認情報に応じたバッファアドレスに格納することを特徴とする請求の範囲35に記載の通信装置。
- 制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が終了すること示す非衝突区間終了信号を前記受信部で受信すると、
非衝突区間終了信号の受信して所定時間経過後に、前記ブロック単位の再送要求を行う応答信号を前記送信部より送信することを特徴とする請求の範囲36に記載の通信装置。 - 前記送信パケットがアプリケーションデータが前記ブロック単位毎に暗号化されたデータ部と暗号化するための暗号キーを有するパケットヘッダ部を備えるとともに、
前記第1及び第2復号部において、前記パケットヘッダより暗号キーを抽出した後、前記データ部を該暗号キーで前記ブロック単位毎に復号することを特徴とする請求の範囲37に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲38に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲39に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲39に記載の通信装置。
- 前記送信パケットがアプリケーションデータが暗号化されたデータ部と暗号化するための暗号キーを有するパケットヘッダ部を備えるとともに、
前記第1及び第2復号部において、前記パケットヘッダより暗号キーを抽出した後、前記データ部を該暗号キーで復号することを特徴とする請求の範囲31に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲31に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲43に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲43に記載の通信装置。
- 前記通信パケットがブロック毎に分割されたアプリケーションデータに対して誤り訂正符号化が成され、
正常に復号できなかった前記アプリケーションデータにおいて前記ブロック単位で再送の要求を行う前記応答信号を前記送信部より送信することを特徴とする請求の範囲29に記載の通信装置。 - 前記アプリケーションデータの各ブロックを一意に判別できるブロック確認情報を前記各ブロック毎に前記アプリケーションデータに付与して前記第1又は第2バッファに格納し、
前記ブロック確認情報を用いて正常に復号できなかった前記アプリケーションのブロックを認識して、前記ブロック単位の再送要求を行う応答信号を生成することを特徴とする請求の範囲46に記載の通信装置。 - 前記第1又は第2バッファにおいて、前記アプリケーションデータの各ブロックを、付加された前記ブロック確認情報に応じたバッファアドレスに格納することを特徴とする請求の範囲47に記載の通信装置。
- 制御局となる通信装置によって通信路における衝突が発生しない非衝突区間が終了すること示す非衝突区間終了信号を前記受信部で受信すると、
非衝突区間終了信号の受信して所定時間経過後に、前記ブロック単位の再送要求を行う応答信号を前記送信部より送信することを特徴とする請求の範囲29に記載の通信装置。 - 前記送信パケットがアプリケーションデータが暗号化されたデータ部と暗号化するための暗号キーを有するパケットヘッダ部を備えるとともに、
前記第1及び第2復号部において、前記パケットヘッダより暗号キーを抽出した後、前記データ部を該暗号キーで復号することを特徴とする請求の範囲29に記載の通信装置。 - 前記受信部において、時刻情報を備えるパケットを受信するとともに、
該時刻情報に基づいて前記システムタイマによる時刻を修正することを特徴とする請求の範囲29に記載の通信装置。 - 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを定期的に受信することを特徴とする請求の範囲51に記載の通信装置。
- 前記受信部において、前記時刻情報を備えるパケットを準定期的に受信することを特徴とする請求の範囲51に記載の通信装置。
- 時刻を管理するシステムタイマと、
他の通信装置から送信される通信帯域の確保を要求する帯域確保要求信号を受信する受信部と、
通信帯域が確保され衝突が生じない非衝突区間を時分割で管理する帯域管理部と、
前記システムタイマより得られる現在時刻を他の通信装置に認識させるための時刻情報信号と、前記非衝突区間の開始を他の通信装置に認識させるための非衝突区間開始信号と、前記非衝突区間の終了を他の通信装置に認識させるための非衝突区間終了信号と、を送信する送信部と、
を備え、
前記非衝突区間を発生させる周期を基本周期とし、
前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間の周期であるメディアアクセス周期が、前記基本周期の整数倍でないとき、該他の通信装置の帯域確保の要求を拒否することを特徴とする通信装置。 - 前記基本周期を、最も転送速度の速いデータを送信局となる通信装置から受信局となる通信装置へ転送するために必要な時間間隔とすることを特徴とする請求の範囲54に記載の通信装置。
- 前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間であるメディアアクセス時間が、前記非衝突区間より既に通信許可を行った通信装置のメディアアクセス時間の合計を減算して得た残り帯域より短いとき、前記帯域確保要求信号を送信した通信装置の帯域確保を行うことを特徴とする請求の範囲55に記載の通信装置。
- アプリケーションデータのタイムシーケンス再生時のジッタ許容値と、送信局となる通信装置と受信局となる通信装置との間で発生するタイマ誤差の値から、前記時刻情報信号の送信間隔を決定することを特徴とする請求の範囲56に記載の通信装置。
- 帯域確保が行われて前記帯域管理部で帯域が管理された他の通信装置に対して、メディアアクセス時間が開始されたことを示す帯域確保信号を送信部より送信するとともに、前記非衝突区間開始信号が該帯域確保信号の一つであることを特徴とする請求項57に記載の通信装置。
- 前記帯域確保信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項58に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間終了信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項59に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間開始信号の送信が遅延した場合、該非衝突区間開始信号によって開始する基本周期の長さを本来の周期間隔よりも短くすることを特徴とする請求の範囲60に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間に送信されたパケットを受信した他の通信装置の応答状態を示す応答信号を該他の通信装置が送信するための帯域確保を、他のパケットより優先的に行うことを特徴とする請求項61に記載の通信装置。
- 前記送信部が、前記時刻情報信号を準定期的にも送信することを特徴とする請求項62に記載の通信装置。
- 前記基本周期に、通信路における衝突が発生する可能性がある衝突可能性区間が、前記非衝突区間の後に設けられ、
前記非衝突区間終了信号を送信部から送信したとき、前記衝突可能性区間が開始することを特徴とする請求項54に記載の通信装置。 - 前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間であるメディアアクセス時間が、前記非衝突区間より既に通信許可を行った通信装置のメディアアクセス時間の合計を減算して得た残り帯域より短いとき、前記帯域確保要求信号を送信した通信装置の帯域確保を行うことを特徴とする請求の範囲64に記載の通信装置。
- アプリケーションデータのタイムシーケンス再生時のジッタ許容値と、送信局となる通信装置と受信局となる通信装置との間で発生するタイマ誤差の値から、前記時刻情報信号の送信間隔を決定することを特徴とする請求の範囲64に記載の通信装置。
- 前記送信部が、前記時刻情報信号を準定期的にも送信することを特徴とする請求項66に記載の通信装置。
- 帯域確保が行われて前記帯域管理部で帯域が管理された他の通信装置に対して、メディアアクセス時間が開始されたことを示す帯域確保信号を送信部より送信するとともに、前記非衝突区間開始信号が該帯域確保信号の一つであることを特徴とする請求項64に記載の通信装置。
- 前記帯域確保信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項68に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間終了信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項64に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間開始信号の送信が遅延した場合、該非衝突区間開始信号によって開始する基本周期の長さを本来の周期間隔よりも短くすることを特徴とする請求の範囲64に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間に送信されたパケットを受信した他の通信装置の応答状態を示す応答信号を該他の通信装置が送信するための帯域確保を、他のパケットより優先的に行うことを特徴とする請求項64に記載の通信装置。
- 前記送信部が、前記時刻情報信号を準定期的にも送信することを特徴とする請求項64に記載の通信装置。
- 前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間であるメディアアクセス時間が、前記非衝突区間より既に通信許可を行った通信装置のメディアアクセス時間の合計を減算して得た残り帯域より短いとき、前記帯域確保要求信号を送信した通信装置の帯域確保を行うことを特徴とする請求の範囲54に記載の通信装置。
- アプリケーションデータのタイムシーケンス再生時のジッタ許容値と、送信局となる通信装置と受信局となる通信装置との間で発生するタイマ誤差の値から、前記時刻情報信号の送信間隔を決定することを特徴とする請求の範囲54に記載の通信装置。
- 前記送信部が、前記時刻情報信号を準定期的にも送信することを特徴とする請求項54に記載の通信装置。
- 帯域確保が行われて前記帯域管理部で帯域が管理された他の通信装置に対して、メディアアクセス時間が開始されたことを示す帯域確保信号を送信部より送信するとともに、前記非衝突区間開始信号が該帯域確保信号の一つであることを特徴とする請求項54に記載の通信装置。
- 前記帯域確保信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項78に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間終了信号が、前記時刻情報信号としての機能を備えることを特徴とする請求項54に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間開始信号の送信が遅延した場合、該非衝突区間開始hしんごうによって開始する基本周期の長さを本来の周期間隔よりも短くすることを特徴とする請求の範囲54に記載の通信装置。
- 前記非衝突区間に送信されたパケットを受信した他の通信装置の応答状態を示す応答信号を該他の通信装置が送信するための帯域確保を、他のパケットより優先的に行うことを特徴とする請求項54に記載の通信装置。
- 前記送信部が、前記時刻情報信号を準定期的にも送信することを特徴とする請求項54に記載の通信装置。
- 複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、
前記制御局によって送信局とされる通信装置が、
時刻を管理するシステムタイマと、
アプリケーションデータに対して前記システムタイマより得られた該アプリケーションの入力時刻に基づいて生成した時系列的管理用の時刻情報を付加するとともに、前記アプリケーションデータのうち保持期間が定められたアプリケーションデータに対して送信可能な期間を設定するデータ処理部と、
該データ処理部で前記時刻情報が与えられた前記アプリケーションデータを一時的に保持するバッファと、
該バッファから前記アプリケーションデータを読み出すともに該アプリケーションデータに誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加部と、
該誤り訂正符号付加部で誤り訂正符号が付加されたアプリケーションデータから送信パケットを作成する送信パケット生成部と、
該送信パケット生成部で作成した前記送信パケットを送信する送信部と、
前記バッファからアプリケーションデータを読み出すことを制御するとともに、前記送信パケット生成部で生成された前記送信パケットを通信帯域が確保された時間に前記送信部から送信することを制御する送信制御部と、
前記送信部から送信した一つ又は複数の送信パケットの受信を示す応答信号を受信する受信部と、
を備え、
前記送信部から送信する際に、前記送信制御部において、前記システムタイマから得られる現在時刻と前記バッファ内に格納されたアプリケーションデータに対して設定された前記送信可能な期間とを比較し、該現在時刻が前記送信可能な期間を超過しているアプリケーションデータについては、前記誤り訂正符号付加部が前記バッファから読み出さず、
又、前記送信部より前記送信パケットを送信した後、所定時間以上経過しても、前記送信パケットに対する前記応答信号を前記受信部で受信しなかったことが前記送信制御部において確認されるとき、該送信パケットが正しく受信されていないと判定するとともに、
前記応答信号が正常に受信されたときと異なるタイミングで受信されたとき、当該応答信号より再送要求された前記送信パケットを確認し、再送要求された当該送信パケットを前記バッファから読み出して前記再送部より再送することを特徴とする通信システム。 - 複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、
前記制御局によって受信局とされる通信装置が、
時刻を管理するシステムタイマと、
時系列的管理用の時刻情報が付加されたアプリケーションデータから成る送信パケットを受信する受信部と、
該受信部で受信された送信パケットに誤り訂正符号が付加されているか否かを判定する誤り訂正判定部と、
前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加された送信パケットに対して誤り訂正を施す誤り訂正処理部と、
誤り訂正が成された送信パケットよりアプリケーションデータを生成する第1復号部と、
前記受信部で受信された送信パケットのうち誤り訂正符号が付加されていない送信パケットより前記アプリケーションデータを生成する第2復号部と、
前記第1及び第2復号部で生成された前記アプリケーションデータを一時的に格納する第1及び第2バッファと、
前記システムタイマによる時刻が前記アプリケーションデータに付加された時刻情報による時刻と一致したことを確認すると、前記アプリケーションデータを前記第1バッファから読み出して出力するデータ出力部と、
1つ又は複数の送信パケットの受信状態を示す応答信号を送信する送信部と、
を備え、
前記受信部で受信された送信パケットに対して、前記誤り訂正処理部及び前記第1復号部による第1演算処理と、前記第2復号部による第2演算処理とを同時に施す
ことを特徴とする通信システム。 - 複数の通信装置によって構成されるとともに、該複数の通信装置の内の1つを制御局とする通信システムにおいて、
前記制御局となる通信装置が、
時刻を管理するシステムタイマと、
他の通信装置から送信される通信帯域の確保を要求する帯域確保要求信号を受信する受信部と、
通信帯域が確保され衝突が生じない非衝突区間を時分割で管理する帯域管理部と、
前記システムタイマより得られる現在時刻を他の通信装置に認識させるための時刻情報信号と、前記非衝突区間の開始を他の通信装置に認識させるための非衝突区間開始信号と、前記非衝突区間の終了を他の通信装置に認識させるための非衝突区間終了信号と、を送信する送信部と、
を備え、
前記非衝突区間を発生させる周期を基本周期とし、
前記受信部で受信された前記帯域確保要求信号より確認される通信許可を求める期間の周期であるメディアアクセス周期が、前記基本周期の整数倍でないとき、該他の通信装置の帯域確保の要求を拒否する
ことを特徴とする通信システム。 - 送信パケットを受信する受信部と、
該受信部で受信された送信パケットを、誤り訂正符号が付加された送信パケットとみなして誤り訂正を施す誤り訂正処理部と、
該誤り訂正処理部で誤り訂正が成された送信パケットよりデータを生成する第1復号部と、
前記受信部で受信された送信パケットを、誤り訂正符号が付加されていない送信パケットとみなしてデータを生成する第2復号部と、
前記第1復号部又は前記第2復号部のそれぞれで生成されたデータのうち、誤りのないデータを選択して出力するデータ出力部と、
を備え、
前記受信部で受信された送信パケットに対して、前記誤り訂正処理部及び前記第1復号部による第1演算処理と、前記第2復号部による第2演算処理とを同時に施すことを特徴とする通信装置。
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