JP3770399B2 - 通信管理方法、通信管理プログラム、通信管理プログラムを記録した記録媒体、通信システム、通信装置、および中央管理装置 - Google Patents

通信管理方法、通信管理プログラム、通信管理プログラムを記録した記録媒体、通信システム、通信装置、および中央管理装置 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は複数の通信装置が1つのネットワークを時分割で共用するネットワークにおける通信管理方法および通信装置などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータネットワークなどにおいては、パケット通信方式と呼ばれる通信方式によってデータの送受信が行われている。パケット通信方式は、情報単位と呼ぶ送達確認情報の返送の単位となる一連のデータが1つ以上含まれたデータパケットを1つのデータブロックとして送受信する通信方式である。
【0003】
例えば無線通信のように、通信路におけるエラー発生率が高いネットワークにおいては、データ送達の正確性を高めるために、データ送信に失敗したデータパケットの再送処理を行うプロトコルが実施されている。ここで、1つのパケットに1つの情報単位が含まれる場合には、パケット単位で再送が行われ、1つのパケットに、情報単位としての複数の誤り訂正ブロックが含まれる場合には、誤り訂正ブロックごとに再送が行われることになる。
【0004】
再送処理は次のように行われる。まず、データパケットを受信したデータ受信局は、該パケットに含まれる情報単位の受信に成功したかどうかの送達確認情報をデータ送信局に返送する。データ送信局はデータ受信局から返送された送達確認情報に基づいて受信に失敗した情報単位を検出し、その情報単位についてデータ受信局に向けて再送を行う。また、データ送達の正確性を高めるために誤り訂正処理が行われる場合には、データ送信局は情報単位ごとに誤り訂正符号を付与した上で送信し、データ受信局は受信したデータに含まれる誤り訂正符号に基づいて、受信したデータが完全なものであるか否かを判断する。
【0005】
以上のような再送処理が行われる場合、データ受信局は、通常、各情報単位に対する送達確認情報をデータパケットの受信直後に返送することになる。しかしながら、データ受信局における誤り訂正処理に時間がかかる場合、情報単位の受信直後に送達確認情報を返送することが出来ない場合がある。このような場合には、送達確認情報は、データパケット受信の一定期間後に返送されることになる。
【0006】
複数の通信装置が1つのネットワークを時分割で共用する場合、データの送信が終了してから送達確認情報を返送するまでの期間、データ受信局に送信権を与えたままにすると、その間、何も送信しない通信装置が送信権を保持することとなり、帯域の使用効率が低下してしまう。これを避けるため、従来はデータの送信が終了するとデータ送信局は送信権を放棄し、後ほどデータ受信局が送信権を獲得して送達確認情報を返送する方法が採用されている。
【0007】
例えば、無線LANのために規格化された標準であるIEEE802.11無線通信方式(ANSI/IEEE Std. 802.11,1999 Editionに準拠する方式)の仕様に対して、HCF(Hybrid Coordination Function)方式(IEEE Std 802.11e/D1, March 2001に準拠する方式)と呼ばれる、ネットワークの帯域管理を行うための方式の追加が検討されている。
【0008】
このHCF方式においては、複数のデータパケットに対する送達確認情報を1つのパケットにまとめて返送するためにDELAYED−ACKと呼ばれるパケットが設けられている。IEEE802.11の方式によれば、全てのデータパケットに対して送信した順番に割り当てられるパケット番号が、各パケットのヘッダ部分に含まれる仕様となっているので、このヘッダ部分をチェックすることにより、データパケットを一意に判別することが可能となっている。
【0009】
DELAYED−ACKは、連続する複数のデータパケットに関して、1つのパケット番号につき1ビットが割り当てられたビットマップを含んでいる。データ受信局は、上記のビットマップにおいて、受信に成功したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットに「1」を設定し、受信に失敗したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットには「0」を設定する。そして、データ受信局は、このビットマップを含んだDELAYED−ACKで送達確認情報を返送しようとするデータパケットの先頭パケット番号をDELAYED−ACKに含めた後に、該DELAYED−ACKを返送する。
【0010】
上記のHCF方式においては、CFP(Contention Free Period)と呼ばれる期間とCP(Contention Period)と呼ばれる期間とが交互に設定される。CFPとはHC(Hybrid Coordinator)と呼ばれる中央管理装置がネットワークに属する全ての通信装置の送信権を管理する期間で、CPとは中央管理装置による送信権管理が行われない期間である。また、ネットワークに属する通信装置のうちHC以外の通信装置はESTA(Enhanced Station)と呼ばれる。
【0011】
CFPにおいては、HCはTXOP(Transmission Opportunity)と呼ばれる制限時間付きの送信権をESTAに付与し、それを通知するためにCF−POLLと呼ばれるパケットを、送信権を与えるESTAに向けて送信する。送信権を与えられないESTAにおいても、このパケットの一部が受信され、各ESTAは現在どのESTAにTXOPが付与されているか、という情報と、そのTXOPの期間を知ることができる。CF−POLLには送信権が付与される期間の情報が含まれており、自局宛のCF−POLLを受信したESTAは、この期間中データの送信を許される。自局宛でないCF−POLLを受信したESTAは、この期間中データの送信を行ってはならないことになる。
【0012】
CPにおいては、送信権の管理はDCF(Distributed Coordination Function)と呼ばれる方式で行われる。データを送信しようとする各ESTAは、最後に無線メディアのビジー状態を検出してから、DIFS(Distributed Coordination Function Inter Frame Space)と呼ばれる期間、無線メディアがアイドルであることを検出すると、バックオフタイマと呼ばれるランダムの大きさを取るダウンタイマを開始し、このタイマが0となった時点で無線メディアがアイドルであれば、データの送信を開始する。なお、バックオフタイマの最小値は0である。
【0013】
上記のCFPにおいては、HCによって送信権の割り当てが決定されるので、例えば動画データなどのリアルタイムデータを送信する場合のように、データの送信をある程度連続して行う必要のあるデータ送信局に対して、優先的に送信権が付与されるような管理を行うことが可能となる。しかしながら、全ての期間をCFPに割り当ててしまうと、通常のデータの送信がなかなか行われないというような弊害が生じるので、上記のようなCPを設けることによって、通常のデータの送信を行うデータ送信局が送信権を確保する機会を増やしている。このCFPとCPとの期間の割り当ては、そのネットワークシステムにおいて通信されるデータの種類の状態に応じて適宜設定されることになる。
【0014】
現時点で発表されているHCFに関する仕様(IEEE Std 802.11e/D1, March 2001に準拠する方式)の場合、DELAYED−ACKの返送は、CFPで行うことはできず、CPで行うことになる。すなわち、図27に示すように、データ送信局は、CFPにおいてHCより与えられたTXOP1においてデータパケット1〜nを送信する。データ受信局はDELAYED−ACKの返送の準備が終了した後で、CPにおいてDCFに参加して送信権を取得し、DELAYED−ACKを返送することになる。
【0015】
動画像等のリアルタイムデータを送信する場合は、データが受信局において再生されるよりも前に再送処理を終了させる必要が有るため、送達確認情報をある制限時間以内に返送しなければならない場合がある。しかし、IEEE802.11のDELAYED−ACK方式におけるCPのような、送信権を全ての通信装置が平等に取得できるようなネットワークにおいて送達確認情報を返送しようとすると、データ受信局が送達確認情報を返送しようとした時に、他の通信装置に送信権をすでに取得されてしまっている場合が有り得る。この時に他の通信装置が送信権を長期間保持し続けたり、もしくはデータ受信局が送信権の取得に連続して失敗し続けたりした場合には、送達確認情報の返送が制限時間以内に間に合わない場合がある。
【0016】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、複数の通信装置が1つのネットワーク経路を時分割で共用し、ネットワーク経路におけるエラー発生率が高いネットワークにおいて、帯域の使用効率が低下しないような方法で送達確認情報を返送するための帯域を確保し、送達確認情報を確実に返送できる通信管理方法、通信管理プログラム、通信管理プログラムを記録した記録媒体、ネットワークシステム、通信装置、および中央管理装置手順を提供することにある。
【発明の開示】
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、データを送信している通信装置が、一連の情報単位ブロック群を送信し、さらに受信側の通信装置に送達確認情報を送信させるための情報を送信するものとし、データを受信している通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報の受信を終了した時点から第1の期間内に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としてもよい。
【0018】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から第1の期間内であれば、送信権を取得しなくても、所定の個数の情報単位ブロックを、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始する前に送信することが可能であるものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から上記第1の期間内に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としてもよい。
【0019】
一般に、ネットワークを介してデータの送受信が行われる場合、データが確実に受信側の通信装置へ送られたかを確認するために、受信側の通信装置が送信側の通信装置に向けて、送達確認情報を送信するように設定されている場合がある。
【0020】
一方、上記の通信システムでは、ある通信装置がデータの送信を行いたい場合には、その通信装置が送信権を取得しなければならないものとなっている。このような通信システムでは、データを受信した通信装置が、送達確認情報を返信する際にも、送信権を取得しなければならないことになる。この場合、データを受信した通信装置が、送信権をなかなか取得できない場合も考えられ、送達確認情報の返信が遅れてしまうことがある。ここで、受信しているデータが、例えばストリーミング動画データなどのリアルタイムデータである場合には、送達確認情報の返信が遅れると、再送すべきデータの送信も遅れることになり、例えば動画データの再生が途中で止まったり、コマ落ちが生じたりするような不具合が起こることになる。
【0021】
これに対して、上記の方法では、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から第1の期間内であれば、送信権を取得しなくても、所定の個数の情報単位ブロックを、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始する前に送信することが可能であるということを利用し、この第1の期間内に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとしている。これにより、送達確認ブロックの返信が、一連の情報単位ブロック群の受信の直後に確実に行われることになるので、再送すべきデータの送信も即座に行うことが可能となり、リアルタイムデータの送受信も滞りなく行うことが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、受信側の通信装置が上記一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から、上記送達確認ブロックの送信が開始されるまでは、データの送信側および受信側の少なくとも一方の通信装置が、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間以上の間隔が生じないように、1つ以上の所定のパケットを送信し続ける方法としてもよい
【0023】
例えば上記のCFPのように、送信権が付与される期間が設定されている場合、データの送信側の通信装置において、送信するべきデータが無くなった等の理由で、送信権が与えられた期間の途中でデータの送信が終了した場合、通常であれば、送信権が与えられた期間内であるので、他の通信装置は送信権を得られないはずである。
【0024】
しかしながら、ネットワークが例えば無線で構成されている場合には、送信権付与期間および送信権付与先の通信装置を通知するためのパケット、例えばCF−POLLの受信に失敗する通信装置が発生する可能性があり、その通信装置が例えばDCF方式によって自発的に送信権を取得してしまう可能性がある。このような通信装置は、送信権を付与された通信装置によるデータ送信が終了してから、DIFS+バックオフタイマ分の時間が経過した時点でデータの送信を開始してしまうことになる。
【0025】
このような問題に対して、上記の構成では、受信側の通信装置が上記一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から、上記送達確認ブロックの送信が開始されるまでは、データの送信側および受信側の少なくとも一方の通信装置が、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間以上の間隔が生じないように、1つ以上所定のパケットを送信し続けるようになっている。すなわち、DCFで送信権を取得しようとする通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間以上の間隔が生じないように、データの送信側および受信側の少なくとも一方の通信装置が所定のパケットを送信し続けることによって、他の通信装置が送信権を取得する事を防ぐことができる。よって、送達確認ブロックの返送を迅速に行うことが可能となる。
【0026】
なお、DCFによって送信を開始しようとしている通信装置が、最短期間で通信を開始する場合としては、バックオフタイマが0となる場合であり、すなわちDIFSとなる。よって、上記のデータの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間として、例えば上記のDIFSに設定すれば、上記の方法を実現することができる。
【0027】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを送信する通信装置は、送信する一連の情報単位ブロック群の終端に、送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックを含めるものとする方法としてもよい
【0028】
上記の方法によれば、送信される一連の情報単位ブロック群の終端に、送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックが含まれることになるので、受信側の通信装置は、一連の情報単位ブロック群の最後の情報単位ブロックに関しては送達確認処理を行う必要がなくなる。よって、受信側の通信装置は、情報単位ブロック群の受信が完了してから、第2の期間内に、送達確認情報の返送が必要とされる情報単位ブロックに関する送達確認ブロックの返送を容易に行うことが可能となる。
【0029】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、データを送信する通信装置は、上記送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックの長さを、その直前に送信する送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロックの長さに応じて変化させるものとする方法としてもよい。
【0030】
上記の方法によれば、例えば、データを送信する通信装置が、直前に送信する送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロックの長さが比較的長い場合に、その直後の、送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックの長さを比較的長くする、というような処理を行うことが可能となる。すなわち、直前に送信する送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロックの長さが比較的長い場合には、この情報単位ブロックに対する送達確認処理に時間がかかることになる。そこで、上記の方法によれば、送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックの長さを比較的長くすることによって、送達確認処理の時間稼ぎをすることが可能となり、受信側の通信装置は、情報単位ブロック群の受信が完了してから、第2の期間内に、送達確認情報の返送が必要とされる情報単位ブロックに関する送達確認ブロックの返送を容易に行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間内に、所定のパケットを送信し、この送信を終了した時点から上記第2の期間内に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としてもよい
【0032】
上記の方法では、データを受信している通信装置は、まず一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から上記第2の期間内に、例えば該当データの送受信に無関係な任意のパケットを送信する。この任意のパケットは、第2の期間内に送信が開始されるので、他の通信装置による送信が割り込まれることはない。そして、この任意のパケットの送信が終了した時点からさらに第2の期間内に、送達確認ブロックの返信が行われる。この送達確認ブロックも、第2の期間内に送信が開始されるので、他の通信装置による送信が割り込まれることはない。
【0033】
すなわち、データを受信している通信装置は、任意のパケットをまず送信することによって、送達確認処理のための時間稼ぎを行い、送達確認処理が終了した後に、送達確認ブロックの返信を行うことが可能となる。この間には、他の通信装置による送信が割り込まれることがないので、受信した全ての情報単位ブロックに対する送達確認情報を、データの受信の直後に返送することが可能となる。
【0034】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記所定のパケットが、一連の情報単位ブロック群の受信、および、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックの送信のシーケンスとは関係のないパケットである方法としてもよい。
【0035】
例えば、所定のパケットとして、新たなパケットを設定したとすると、プロトコルにおいて、この新たなパケットに関する識別方法などを新たに設定する必要が生じる。これに対して、上記の方法によれば、所定のパケットが、ネットワークプロトコルによって他の用途のために規定されているパケットであるので、プロトコルに対して新たな設定を行う必要がなくなる。
【0036】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から第1の期間内であれば、送信権を取得しなくても、所定の個数の情報単位ブロックを、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始する前に送信することが可能であるものとし、データを受信している通信装置は、送信側の通信装置から一連の第1の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、再び同じ送信側の通信装置から一連の第2の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から上記第1の期間内に、上記第1の情報単位ブロック群の受信終了以前に受信した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としても よい
【0037】
上記の方法によれば、第1の情報単位ブロック群の受信が終了した時点では、送達確認ブロックの返信を行わずに、次に受信した第2の情報単位ブロック群の受信が終了した時点で、1つ前に受信した第1の情報単位ブロック群に関する送達確認ブロックの返信を行うことになる。したがって、受信側の通信装置は、送達確認処理を、次に情報単位ブロック群が受信されるまでに行えばよいことになる。よって、送達確認処理のための時間に余裕ができるので、受信した全ての情報単位ブロックに関する送達確認情報を的確に返信することが可能となる。
【0038】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置、および所定の期間において該ネットワークにおける送信権を管理する中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、データを送信している通信装置が、1つ以上の情報単位ブロック群を送信し、さらに受信側の通信装置に送達確認情報を送信させるための情報を送信するものとし、データを受信している通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した後で、上記中央管理装置より付与された送信期間中に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを送信するものとする方法としてもよい
【0039】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記中央管理装置は、所定の期間において、上記ネットワークにおける送信権を管理するものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、上記中央管理装置は過去に送信権を付与した通信装置のデータの送信先である通信装置に対して所定の規則に基づいて優先的に送信権の付与を行うものとする方法としてもよい
【0040】
例えばCFPにおいて、データの送信側の通信装置が、送信権付与期間を全て使用してしまった等の理由で、データの受信側の通信装置が、送信権付与期間中に送達確認ブロックを返送する機会を得られなくなることが考えられる。この場合に、その後の通信システム全体の動作としては以下の二つが考えられる。第1の状態としては、CFP期間が継続し、中央管理装置による送信権管理が続く状態である。第2の状態としては、CP期間に移行し、各通信装置がDCFによって送信権を取得する状態である。この2つの状態共に、各通信装置が送信権を得られる確率は平等になるため、データの受信側の通信装置以外の通信装置が送信権を取得する可能性があることになる。
【0041】
このような問題に対して、上記の構成では、中央管理装置は過去に送信権を付与した通信装置のデータの送信先である通信装置に対して所定の規則に基づいて優先的に送信権の付与を行うものとなっている。これにより、例えばHCFやDCFで送達確認ブロックを送信しようとする通信装置が、優先的に送信権を取得できるような仕組みを設けることができ、送達確認ブロックの返送を迅速に行うことが可能となる。
【0042】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記中央管理装置は、所定の期間において、上記ネットワークにおける送信権を管理するものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、送信権を上記中央処理装置から獲得することによって、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、上記中央管理装置は、送信権を付与する候補として複数の通信装置が存在する場合に、送達確認ブロックを送信しようとしている通信装置に対して優先的に送信権を付与するものとする方法としてもよい
【0043】
一般に、ネットワークを介してデータの送受信が行われる場合、データが確実に受信側の通信装置へ送られたかを確認するために、受信側の通信装置が送信側の通信装置に向けて、送達確認情報を送信するように設定されている場合がある。
【0044】
一方、上記の通信システムでは、所定の期間では、ある通信装置がデータの送信を行いたい場合には、その通信装置が中央管理装置から送信権を取得しなければならないものとなっている。このような通信システムでは、データを受信した通信装置が、送達確認情報を返信する際にも、送信権を取得しなければならないことになる。この場合、データを受信した通信装置が、送信権をなかなか取得できない場合も考えられ、送達確認情報の返信が遅れてしまうことがある。ここで、受信しているデータが、例えばストリーミング動画データなどのリアルタイムデータである場合には、送達確認情報の返信が遅れると、再送すべきデータの送信も遅れることになり、例えば動画データの再生が途中で止まったり、コマ落ちが生じたりするような不具合が起こることになる。
【0045】
これに対して、上記の方法では、中央管理装置は、送信権を付与する候補として複数の通信装置が存在する場合に、送達確認ブロックを送信しようとしている通信装置に対して優先的に送信権を付与するようになっているので、送達確認ブロックの返信が比較的早く行うことが可能となる。よって、再送すべきデータの送信も即座に行うことが可能となり、リアルタイムデータの送受信も滞りなく行うことが可能となる。
【0046】
また、本発明に係る通信管理方法は、送信側の通信装置から受信側の通信装置に対して一連の情報単位ブロック群の送信が行われた際に、その送信が完了した時点から、データの送信側および受信側通信装置以外の通信装置がパケットの送信を開始できない期間である第2の期間内に、中央管理装置が、受信側の通信装置に対して、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するための送信権を与えるものとする方法としてもよい。
【0047】
上記の方法では、送信側の通信装置から受信側の通信装置に対して一連の情報単位ブロック群の送信が行われた際に、その送信が完了した時点から、データの送信側および受信側通信装置以外の通信装置がパケットの送信を開始できない期間である第2の期間内に、中央管理装置が、受信側の通信装置に対して、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するための送信権を与えるようになっている。これにより、送達確認ブロックの返信が、一連の情報単位ブロック群の受信の第2の期間内に確実に行われることになるので、再送すべきデータの送信も即座に行うことが可能となり、リアルタイムデータの送受信も滞りなく行うことが可能となる。
【0048】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、一連の情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、送達確認処理が終了した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としてもよい
【0049】
例えば、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後から比較的短い時間内に送達確認ブロックの送信を行うように設定されている場合、受信した情報単位ブロック群のうち、受信の終了間際に受信した情報単位ブロックに関しては、送達確認処理を完了するのに必要とされる時間が、送達確認ブロックの送信タイミングを超えてしまう場合が考えられる。そこで、上記の方法のように、受信した情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、送達確認処理が終了した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを返信するようにすることによって、送達確認ブロックの送信タイミングに確実に送達確認情報を返信することが可能となる。なお、送達確認処理が送達確認ブロックの送信タイミングに終了しなかった情報単位ブロックに関しては、例えば次にデータを受信した際に、送達確認情報を返信するというような処理を行うことによって対応することが可能である。
【0050】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、最後に受信した1つの情報単位ブロック以外の情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとする方法としてもよい
【0051】
例えば、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後から比較的短い時間内に送達確認ブロックの送信を行うように設定されている場合、受信した情報単位ブロック群のうち、受信の終了間際に受信した情報単位ブロックに関しては、送達確認処理を完了するのに必要とされる時間が、送達確認ブロックの送信タイミングを超えてしまう場合が考えられる。そこで、上記の方法のように、受信した情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、最後に受信した1つの情報単位ブロック以外の情報単位ブロックに関しては、送達確認ブロックの送信タイミングに確実に送達確認情報を返信することが可能となる。なお、送達確認処理が送達確認ブロックの送信タイミングに終了しなかった最後に受信した情報単位ブロックに関しては、例えば次にデータを受信した際に、送達確認情報を返信するというような処理を行うことによって対応することが可能である。
【0052】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記送達確認情報ブロックが、送達確認の対象となる情報単位ブロックに関する情報を含んでいる方法としてもよい。
【0053】
上記の方法によれば、送達確認ブロックに、送達確認の対象となる情報単位ブロックに関する情報が含まれることになるので、データを送信した通信装置は、受信した送達確認ブロックに含まれる送達確認情報が、どの情報単位ブロックに関するものであるかを正確に把握することができる。したがって、上記のように、受信側の通信装置が、送達確認処理が終了した情報単位ブロックに対する送達確認情報のみを送達確認ブロックに含めるような場合でも、送信側の通信装置が、どの情報単位ブロックについての送達確認が終了したのかについて正確に認識することが可能となり、必要となる再送データを的確に送信することが可能となる。
【0054】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記情報単位ブロックに関する情報が、上記送達確認ブロックに含まれる送達確認情報の個数である方法としてもよい。
【0055】
上記の方法によれば、送達確認ブロックに、当該送達確認ブロックに含まれている送達確認情報の個数の情報が含まれているので、この送達確認ブロックを受信した送信側の通信装置は、送信した情報単位ブロック群のうち、何番目までの情報単位ブロックに関して送達確認が行われたかを把握することができる。よって、送信側の通信装置が、どの情報単位ブロックについての送達確認が終了したのかについて正確に認識することが可能となり、必要となる再送データを的確に送信することが可能となる。
【0056】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記情報単位ブロックに関する情報が、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックが存在するか否かの情報である方法としてもよい。
【0057】
上記の方法によれば、送達確認ブロックを受信した送信側の通信装置は、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックが存在するか否かを把握することができる。ここで、第1の期間と受信側の通信装置における処理速度との関係によって、送達確認処理が終了していない情報単位ブロックの個数は多くて1つであることがわかっている場合には、上記のような情報によって、送信側の通信装置が、どの情報単位ブロックについての送達確認が終了したのかについて正確に認識することが可能となる。
【0058】
また、以上のような、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックが存在するか否かの情報は、基本的に1ビットの情報量で表現することが可能であるので、送達確認ブロックのデータ量を最小限に抑えることが可能となる。
【0059】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記情報単位ブロックに関する情報が、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックの個数の情報である方法としてもよい。
【0060】
上記の方法によれば、送達確認ブロックを受信した送信側の通信装置は、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックの個数を把握することができるので、送信した情報単位ブロック群のうち、何番目までの情報単位ブロックに関して送達確認が行われたかを把握することができる。よって、送信側の通信装置が、どの情報単位ブロックについての送達確認が終了したのかについて正確に認識することが可能となり、必要となる再送データを的確に送信することが可能となる。
【0061】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記中央管理装置は、ある通信装置より送信権の要求をされた際に、該通信装置が情報単位ブロック群を送信しようとする通信装置に対して、送達確認情報の返送に要する時間を自局に対して通知するように要求するとともに、この時間に基づいて送信権の付与順番を設定するものとする方法としてもよい。
【0062】
上記の方法によれば、中央管理装置は、ある通信装置より送信権の要求をされた際に、該通信装置が情報単位群を送信しようとする通信装置に対して、送達確認情報の返送に要する時間を自局に対して通知するように要求するとともに、この時間に基づいて送信権の付与順番を設定するようになっている。これにより、送達確認情報の返送が的確に行われるようになるとともに、ネットワークにおける通信効率が良い状態で、送信権の付与順番を設定することが可能となる。
【0063】
また、本発明に係る通信管理方法は、上記の方法において、上記中央管理装置は、任意の通信装置より送信された情報単位ブロック群に含まれる送達確認情報の返送を必要とするかどうかを示す情報を抽出して、該情報単位ブロック群の宛先となる通信装置ごとにこの情報を記録するとともに、送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロック群をある一定個数以上受信したと判断された通信装置に対して、他の通信装置よりも優先して送信権を付与するものとする方法としてもよい。
【0064】
上記の方法によれば、中央管理装置が、まず、任意の通信装置より送信された情報単位ブロック群に含まれる送達確認情報の返送を必要とするかどうかを示す情報を抽出して、該情報単位ブロック群の宛先となる通信装置ごとにこの情報を記録する。そして、送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロック群をある一定個数以上受信したと判断された通信装置に対して、他の通信装置よりも優先して送信権を付与するようになっている。これにより、送達確認情報の返送が遅延することなく行われるようになるとともに、ネットワークにおける通信効率を良好な状態に保つことができる。
【0065】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記通信ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データ送信を行うために送信権を取得した通信装置は、自局に未送信の送達確認情報を所持している場合に、該送信権が付与されている期間中に該送達確認情報を含めた送達確認ブロックの返送を行うものとする方法としてもよい
【0066】
上記の方法によれば、データ送信を行うために送信権を取得した通信装置は、自局に未送信の送達確認情報を所持している場合に、該送信権が付与されている期間中に該送達確認情報を含めた送達確認ブロックの返送を行うようになっている。これにより、何らかの理由によって送達確認ブロックの返送ができなかった場合でも、他のデータ送信を行うために送信権を取得した際に、未返送の送達確認ブロックの返送が可能となる。よって、送達確認ブロックの返送の機会を増大させることが可能となる。
【0067】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、最後にネットワークのビジー状態を検出してから第2の期間が経過した時点でネットワークがアイドルとなっていることを検知した通信装置が、その時点からランダムに決定される待ち時間が経過した時点でネットワークにどの通信装置からも信号が送出されていないならば、送信を開始するという第1の送信方法を持つものとし、データを送信している通信装置が、一連の情報単位ブロック群を送信し、さらに受信側の通信装置に送達確認情報を送信させるための情報を送信するものとし、データを受信している通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した後で、上記第1の送信方法によって、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを送信するものとする方法としてもよい
【0068】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記通信ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、送信権を獲得したい通信装置は、ランダムに決定された待ち時間が経過した時点で通信ネットワークにどの通信装置からも信号が送出されていないならば送信を開始するものとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、送達確認ブロックの返送を行おうとする通信装置における上記ランダムに決定される待ち時間は、データの送信を行おうとする通信装置における上記ランダムに決定される待ち時間よりも短くなるものとする方法としてもよい。
【0069】
上記の通信管理方法では、送信権を獲得したい通信装置は、ランダムに決定された待ち時間が経過した時点で通信ネットワークにどの通信装置からも信号が送出されていないならば送信を開始するものとなっている。そして、送達確認ブロックの返送を行おうとする通信装置の待ち時間は、データの送信を行おうとする通信装置の待ち時間よりも短くなるものとなっている。よって、データの送信よりも、送達確認ブロックの返送の方が優先されることになるので、再送すべきデータの送信も即座に行うことが可能となり、リアルタイムデータの送受信も滞りなく行うことが可能となる。
【0070】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置が通信ネットワークを介して接続されているネットワークシステムで用いられる通信管理方法であって、上記通信ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記通信ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、通信装置が、複数の送信権付与期間に渡って同じ通信装置から受信した1つ以上の情報単位ブロック群に対する送達確認情報を有している場合、これらの送達確認情報を1つの送達確認ブロックに含めてまとめて返送する方法としてもよい
【0071】
上記の方法によれば、通信装置が、不連続な期間に受信した1つ以上の情報単位ブロック群に対する送達確認情報を有している場合、これらの送達確認情報を1つの送達確認ブロックに含めてまとめて返送することになる。よって、送達確認情報の返信を効率よく行うことが可能となる。
【0072】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを送信する通信装置が、自局が送信しようとする情報単位ブロック群の送信後に、自局における未送信の情報単位ブロックが無くなる場合に、上記本発明に係る通信管理方法のいずれかを採用する方法としてもよい
【0073】
上記の方法によれば、データを送信する通信装置が、自局が送信しようとする情報単位ブロック群の送信後に、自局における未送信の情報単位ブロックが無くなる場合に、請求項2ないし6のいずれか一項に記載の通信管理方法が採用されるので、送信すべきデータとは関係ないデータブロックが、情報単位ブロック群の送信と、送達確認ブロックの返信との間に送信されることになる。よって、最後の情報単位ブロック群に含まれる全ての情報単位ブロックに関する送達確認ブロックの返信が確実に行われることになる。
【0074】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信する通信装置が、自局において受信した情報単位ブロック群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間に応じて、通信管理方法を上記の方法のいずれかに変更させる要求を自局および/または他の通信装置に対して行う方法としてもよい
【0075】
上記の方法によれば、データを受信する通信装置が、自局において受信した情報単位ブロック群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間に応じて、通信管理方法を変更させる要求を自局および/または他の通信装置に対して行うことが可能となるので、自局における送達確認情報の返送をより的確に行うことが可能となる。
【0076】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記中央管理装置は、所定の期間において、上記ネットワークにおける送信権を管理するものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、上記中央管理装置は、任意の通信装置が送信した情報単位群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間、および任意の通信装置からの送信権の要求量に応じて、通信管理方法を上記の方法のいずれかに変更させる要求を任意の通信装置に対して行う方法としてもよい
【0077】
上記の方法によれば、中央管理装置は、任意の通信装置が送信した情報単位群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間、および任意の通信装置からの送信権の要求量に応じて、通信管理方法を変更することが可能となるので、送達確認情報の返信の制御をより的確に行うことが可能となる。
【0078】
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、データを受信する通信装置が、一連の情報単位ブロック群の送信終了の検出に失敗した際に、この送信終了の検出に失敗したことを検出した時点で、通信管理方法を上記の方法のいずれかに変更させる要求を自局および/または他の通信装置に対して行う方法としてもよい
【0079】
上記の方法によれば、一連の情報単位ブロック群の送信終了の検出に失敗した際に、この送信終了の検出に失敗したことを検出した時点で、自局および/または他の通信装置における通信管理方法を変更して、送達確認ブロックの返送を行うので、送信終了の検出に失敗した場合でも、送達確認ブロックの返送を遅延なく行うことが可能となる。
【0080】
また、本発明に係る通信管理プログラムは、上記通信管理方法をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0081】
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記通信管理方法をユーザに提供することが可能となる。
【0082】
また、本発明に係る通信管理プログラムを記録した記録媒体は、上記通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラムを記録していることを特徴としている。
【0083】
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記通信管理方法をユーザに提供することが可能となる。
【0084】
また、本発明に係る通信システムは、複数の通信装置および/または中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムであって、上記通信管理方法によって、通信が管理されることを特徴としている。
【0085】
上記の構成によれば、データの送受信、および、送達確認情報の送信などが的確に制御された通信システムを提供することが可能となる。
【0086】
また、本発明に係る通信装置は、複数の通信装置および/または中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムに含まれる通信装置であって、上記通信管理方法によって通信が管理されることを特徴としている。
【0087】
上記の構成によれば、データの送受信、および、送達確認情報の送信などが的確に制御された通信装置を提供することが可能となる。
【0088】
また、本発明に係る中央管理装置は、複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムに含まれる中央管理装置であって、上記通信管理方法によって通信が管理されることを特徴としている。
【0089】
上記の構成によれば、データの送受信、および、送達確認情報の送信などが的確に制御された通信システムを制御する中央管理装置を提供することが可能となる。
【0090】
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0091】
本発明の実施の一形態について図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0092】
図23は、本実施形態に係るネットワークシステムにおけるシグナルフローを示す説明図である。同図に示すように、ネットワークシステムは、中央管理装置1、データ送信局2、およびデータ受信局3を備えた構成となっている。なお、同図においては、説明の簡単のために、ネットワークシステムに1つのデータ送信局と1つのデータ受信局が備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステムには、複数のデータ送信局およびデータ受信局が設けられていることになる。また、データ送信局とデータ受信局とを区別して示しているが、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となる場合も考えられる。
【0093】
なお、本実施形態に示すネットワークシステムは、様々な通信ネットワークシステムで適用可能なものであるが、一例としては、家庭用電化製品に無線通信機能が内蔵され、これらを家庭内LANとして相互に接続するようなネットワークシステムなどに好適に用いることができるものである。この例でいえば、中央管理装置1を、家庭内の全ての無線通信機器の管理を行うためのセットトップボックスに対応させ、データ送信局2を、DVDプレイヤーに対応させ、データ受信局3をTVに対応させ、DVDプレイヤーがTVに対して動画像を送信していて、セットトップボックスがその通信を管理しているという具体的な実施例が想定される。
【0094】
データ送信局2は、送信権を中央管理装置1から付与されると、複数のデータパケットからなる送信データをデータ受信局3に対して送信する。データ受信局3は、データパケットの受信が終了すると、あるタイミングで送達確認情報の返送を開始する。データ送信局2は、データ受信局から送達確認情報を受信すると、該送達確認情報から送信が失敗している情報単位を認識し、該単位情報に関する再送データをデータ受信局3に向けて再送する。
【0095】
次に、データ送信局2からデータ受信局3に送られる送信データ、および、データ受信局3からデータ送信局2に送られる送達確認情報について、図26を参照しながら説明する。同図に示すように、送信データは、複数のデータパケット1〜nによって構成されている。各データパケットは、パケットヘッダと、複数の情報単位ブロックとによって構成されている。各情報単位ブロックには、それぞれ情報単位番号が付されており、これにより、各情報単位ブロックを一意に判別することが可能となっている。また、情報単位ブロックは、実データのみから構成されている場合と、誤り訂正符号と実データとから構成されている場合とが考えられる。
【0096】
送達確認情報は、送達確認パケットと呼ばれる1つのパケットによって構成されている。この送達確認パケットは、送信データにおける各情報単位ブロックに対応した送達確認情報から構成されている。送達確認情報は、対応する情報単位ブロックの受信が成功したか失敗したかを示す情報であり、例えば1ビットのデータによって構成されるものである。
【0097】
次に、中央管理装置1、データ送信局2、およびデータ受信局3の構成について、図21および図20を参照しながら説明する。なお、ここでは、データ送信局2、およびデータ受信局3が同じ構成によって実現される例、すなわち、データ送信局がデータ受信局となり、データ受信局がデータ送信局となりうる場合について説明する。よって、ここでは、データ送信局2およびデータ受信局3をESTAと総称することにする。
【0098】
ESTAは、図20に示すように、CPU4、送達確認情報保存部5、パケット解析部6、受信バッファ7、プロトコル制御部8、送達確認情報送信制御部9、パケット生成部10、送信バッファ11、再送制御部12、および信号送受信部13を備えた構成となっている。
【0099】
また、中央管理装置1は、図21に示すように、CPU17、送信権要求条件保存部18、パケット解析部19、受信バッファ20、プロトコル制御部21、パケット生成部22、送信バッファ23、および信号送受信部24を備えた構成となっている。
【0100】
まず、ESTAがデータ送信局として機能する場合について説明する。ユーザの要求等によってESTAにおけるCPU4がデータ送信の開始を決定すると、CPU4は送信権を獲得するために、中央管理装置1に対して送信権要求パケットを送信するようにパケット生成部10に命じる。この時CPU4は送信したいデータの内容に応じて送信権を付与してもらいたい期間等の送信権要求条件をパケット生成部10に通知する。パケット生成部10は通知された送信権要求条件から送信権要求パケットを作成し、送信バッファ11に送る。
【0101】
プロトコル制御部8は現在自局が送信可能な状況にあるかどうかをネットワークプロトコルに規定された手順に従って判断し、データ送信が可能であると判断した場合は、送信バッファ11よりデータパケットを取得して無線信号に変換し、無線メディアに送出する。
【0102】
中央管理装置1は、信号送受信部24にて送信権要求パケットの無線信号を受信すると、これをデジタル信号に変換して、受信バッファ20に送る。受信バッファ20は、受け取った送信権要求パケットを順次保存してゆき、パケット解析部19からの要求が有ると最も古い送信権要求パケットをパケット解析部19に送り、そのパケットを破棄する。
【0103】
パケット解析部19は、送信権要求パケットから送信元のアドレスと送信権要求条件を抽出し、送信権要求条件保存部18に順次保存し、送信権要求パケットの受信処理は終了する。
【0104】
その後、中央管理装置1は、送信権を付与するために、送信権付与パケットを送信する。CPU17は、送信権付与パケットを送信することを決定すると、パケット生成部22に対して、送信権付与パケットの作成を命じる。このときにCPU17は、必要に応じて送信権要求条件保存部18より送信権要求条件を読み取り、以下の実施例で述べるような手順で送信権を付与するESTAと送信権を付与する期間とを決定して、パケット生成部22に通知する。
【0105】
パケット生成部22は、送信権を付与するESTAを宛先とした送信権付与パケットに通知された上記送信権を付与する期間情報を含めて作成し、送信バッファ23に挿入する。プロトコル制御部21は現在自局が送信可能な状況にあるかどうかをネットワークプロトコルに規定された手順に従って判断し、パケット送信が可能であると判断した場合は、送信バッファ23より送信権付与パケットを取得して無線信号に変換し、無線メディアに送出する。
【0106】
データ送信局としてのESTAは、信号送受信部13において送信権付与パケットの無線信号を受信すると、これをデジタル信号に変換して、受信バッファ7に送る。パケット解析部6は送信権付与パケットを受信したことを認識すると、送信権付与パケットから抽出した期間情報をCPU4に通知する。CPU4は、これによって自局に送信権が付与されたことを認識し、データとして送信する内容をパケット生成部10に送る。
【0107】
パケット生成部10は、まず、データを情報単位に分割して、情報単位を一意に判別するために送信する順番に1ずつ加算される情報単位番号を付加し、必要ならば誤り訂正符号等も付加して情報単位ブロックを生成する。そして、パケット生成部10は、情報単位ブロックを1つ以上連結した上で、パケットヘッダを付加し、データパケットを生成する。このようにして生成された複数のデータパケットが送信バッファ11に蓄積される。
【0108】
プロトコル制御部8は、まず、無線メディアの使用状況や自局に与えられた送信権の情報等を基準として、現在自局がデータ送信可能かどうかを判断する。そして、データ送信が可能であると判断すると、送信バッファ11からデータパケットを取り出す。このとき、データパケットに含めた各情報単位ブロックは、後ほど再送するために送信バッファ11等に残しておく。なお、別途再送バッファを設けてそこに保存する構成としてもよい。
【0109】
送信バッファ11からプロトコル制御部8によって取り出されたデータパケットは、信号送受信部13において無線信号に変換されて無線メディアに送出され、送信が終了する。
【0110】
次に、ESTAがデータ受信局として機能する場合について説明する。信号送受信部13において無線信号が受信されると、この信号がデータパケットに変換された後に、受信バッファ7に送信される。
【0111】
受信バッファ7は、送信されたデータパケットを順次保存していくとともに、パケット解析部6からの要求に応じて、最も古いデータパケットからパケット解析部7に送信する。パケット解析部6に送信されたデータパケットは、受信バッファ7から破棄される。
【0112】
パケット解析部6は、受信したデータパケットに含まれる情報単位ブロックを順次解析し、情報単位番号を抽出して送達確認情報保存部5に保存する。さらに必要ならば誤り訂正処理を施したり、データパケットのヘッダ部分等を除去したりして、データをCPU4に送り、受信処理が終了する。1つのパケットの解析が終了すれば、パケット解析部6は次のパケットを受信バッファ7に要求し、同様の処理を受信バッファ7が空になるまで続ける。なお、送達確認情報保存部5に保存された情報単位番号は、その情報単位番号に対応する送達確認情報を含めた送達確認パケットの返送が終了するまで保存される。
【0113】
以上のようにして受信処理が終了すると、ESTAは、送達確認情報を送信元のESTAに対して返送する。ここで、送達確認情報送信制御部9の判断によって、送達確認情報の返送開始が決定される。この判断の基準としては、受信したデータパケットに含まれる情報などが用いられる。なお、送達確認情報送信制御部9における処理の詳細については、後述する実施例において説明する。
【0114】
送達確認情報送信制御部9が送達確認情報の返送開始を決定すると、パケット生成部10に対して、送達確認パケットの作成が要求される。送達確認パケットは、上記したように、連続する複数の情報単位番号について、1つの情報単位につき1つの送達確認情報が含まれた構成となっている。パケット生成部10は、送達確認情報保存部5に保存されている情報単位番号についてはその情報単位番号に割り当てられた送達確認情報に受信が成功したことを示す情報を含め、送達確認情報保存部5に保存されていない情報単位番号についてはその情報単位番号に割り当てられた送達確認情報に受信が失敗したことを示す情報を含めて、送達確認パケットを作成する。
【0115】
このようにして作成された送達確認パケットは、通常のデータパケットの送信と同様に送信バッファ11に送信され、プロトコル制御部8の判断によって信号送受信部13を経て無線メディアに送出される。
【0116】
次に、ESTAが、データ送信局として機能し、送達確認情報を受信した場合の処理について説明する。信号送受信部13において送達確認パケットの無線信号が受信されると、プロトコル制御部8および受信バッファ7を経てパケット解析部6において送達確認パケットであると識別される。そして、パケット解析部6においてパケット内部の解析が行われ、送達確認パケット中の送達確認情報から、データ受信局で受信に失敗した情報単位が識別される。この情報は、再送制御部12に送られる。
【0117】
再送制御部12は、一定の条件(例えば、ある個数以上の受信失敗が起こる、受信失敗が通知されてから一定期間が経過する等)が満たされると再送処理を開始し、パケット生成部10に対して再送パケットの作成を要求する。パケット生成部10は、送信バッファ11(もしくは再送バッファ)に残されている送信済みの情報単位ブロックの中から、再送するべき情報単位ブロックを検索する。発見された情報単位ブロックは再びデータパケットに含められて、プロトコル制御部8と信号送受信部13を経て無線メディアに送出される。このとき、再送のために新たに作成したデータパケットに含めても良いし、現在送信しようとしているデータパケットに含めても良い。
【0118】
次に、データ送信局2が送信データを送信し、データ受信局3がこれを受信して、送達確認情報を返送する処理の実施例について詳細に説明する。なお、本発明は無線通信方式、有線通信方式に限らず適用が可能であるが、以下の実施例ではIEEE802.11無線通信方式を用いた場合を例として記述する。なお、特に記述の無い場合は各実施例における各通信装置の機器構成は図20と同様であるものとする。
【0119】
また、以下に示す実施例における送達確認の方法は、次のようになっているものとする。送達確認の方法としては、受信局が正常に受信できたデータの情報を返すpositiveACK方式と、受信局が正常に受信できなかったデータの情報を返すnegativeACK方式の2種類が存在する。positiveACKでは、直前のTXOPで受信した情報単位ブロックに対する送達確認情報のみを返送するが、negativeACKにおいては、それまでに自局が受信した中で受信に失敗した情報単位ブロックに対する送達確認情報を全て送信する必要があるという差異がある。positiveACK方式、negativeACK方式のどちらのACK方式を使用するかは本発明の本質とは関係しないので、本実施例においてはpositiveACK方式を用いた場合の例のみを示す。
【0120】
まず、送信データにおける1つのパケットに1つの情報単位が含まれる場合、つまり、1つのパケットが1つの情報単位ブロックに当たる場合の実施例を具体的に説明する。
【0121】
(実施例1−1)
本実施例は、データ送信局2が送信権を付与された際に情報単位群を連続して送信し、データ送信局がデータパケットの送信を停止した直後にその情報単位群に対する送達確認情報をデータ受信局が返送する方式となっている。
【0122】
本実施例のネットワークシステムにおけるシグナルフローを図24に示す。同図に示すように、本実施例のネットワークシステムは、中央管理装置としてのHC14、データ送信局2としてのESTA−A15、およびデータ受信局3としてのESTA−B16によって構成されている。
【0123】
本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係を図2に示す。また、本実施例におけるタイミングチャートを図1に示す。以下、図24、図2、および図1に基づきながら、本実施例の処理の流れについて説明する。
【0124】
まず、HC14は、ESTA−A15の要求に応じてTXOPを付与するために、CF−POLLをESTA−A15に対して送信する。CF−POLLを受信したESTA−A15は、自局に対してTXOPが付与されたことを認識し、データパケット1〜nの送信を開始する。ここで、CF−POLLには送信権を付与される期間の情報が含まれており、この期間が経過するか、送信するべきデータが無くなるまでESTA−A15はデータパケット1〜nを送信する。
【0125】
このとき、ESTA−B16は、データパケット1〜nの受信処理を行い、受信に成功したデータパケットのパケット番号を送達確認情報保存部5に保存する。そして、ESTA−A15によるデータパケット群の送信が終了して期間T1が経過した時点で、ESTA−B16が、DELAYED−ACKを返送する。
【0126】
なお、上記DELAYED−ACKは、前記したように、受信した連続する複数のデータパケットに関して、1つのパケット番号につき1ビットが割り当てられたビットマップを含んだパケットデータである。データ受信局は、上記のビットマップにおいて、受信に成功したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットに「1」を設定し、受信に失敗したデータパケットのパケット番号に割り当てられたビットには「0」を設定する。そして、データ受信局は、このビットマップを含んだDELAYED−ACKで送達確認情報を返送しようとするデータパケットの先頭パケット番号をDELAYED−ACKに含めた後に、該DELAYED−ACKを返送する。
【0127】
ここで、上記のように、ESTA−A15によるデータパケット群の送信が終了して期間T1が経過した時点で、ESTA−B16が、DELAYED−ACKを返送することを可能とするために、本実施例ではHCFの仕様として提案されているAutonomous Burst方式を採用する。このAutonomous Burst方式は、次のような仕様となっている。まず、各データパケットのヘッダにNon−Finalと呼ばれるビットを設けるように規定されている。データ送信局は、あるデータパケットがそのTXOPにおいて送信しようとする最後のデータパケットである場合にこのビットを0に設定し、それ以外の場合はこのビットを1に設定する。そして、データ受信局は、このビットに0が設定されているデータパケットの受信が終了したSIFS(Short Inter Frame Space:IEEE802.11におけるパケットを分離するために必要な最短の間隔)(第1の期間)後に、1つのパケットを送信することができるように規定されている。このSIFSはDCFを用いているESTAが送信を開始する最短の間隔であるDIFSよりも短い期間となっている。よって、本実施例では、DELAYED−ACKの返送タイミングである期間T1が上記SIFSとなるように設定することによって、他のESTAに割り込まれることなく、DELAYED−ACKの返送を行うことが可能となっている。
【0128】
このような方式によれば、データ送信局としてのESTA−A15からのデータパケットの送信終了の直後に、データ受信局としてのESTA−B16からDELAYED−ACKの返送を行うことが可能となる。したがって、DELAYED−ACKの返送が遅れることがなくなるので、データ送信局からの再送データの送信も迅速に行われることになり、例えば動画データなどのリアルタイムデータの送信を行う場合にも、動画再生が途中で途切れるなどの不具合が生じることを防止することが可能となる。
【0129】
しかしながら、上記の方式において、ESTA−B16におけるデータパケットの受信処理にかかる時間が長くなる場合、TXOPの終了間際に送信されたデータパケットの送達確認情報についてはDELAYED−ACKに含めることが間に合わない場合が考えられる。この場合には、受信処理の終了しているデータパケットに関する送達確認情報のみをDELAYED−ACKに含めるように処理する方式が考えられる。ただしこの場合、ESTA−A15が送達確認情報を得られないデータパケットが発生するという問題がある。
【0130】
この問題に対しては、次のような処理を行うことによって対応することが考えられる。すなわち、ESTA−B16において、受信処理が完了していないデータパケットの送達確認情報を、受信に失敗したものとしてDELAYED−ACKに含めて返送するようにする。このようにすれば、DELAYED−ACKの送信時に受信処理が完了していなかったデータパケットに関しては、必ずESTA−A15から再送されることになるので、該データパケットの受信が成功していても失敗していても、問題なく対応することができる。
【0131】
しかしながら、このような方式とした場合、DELAYED−ACKの送信時に受信処理が完了しなかったデータパケットに関しては、必ず再送処理が行われることになるので、通信路のトラフィックを不要に増大させてしまうことになる。
【0132】
このような問題を解決する第1の方法として、図4に示すように、ESTA−A15がTXOPで送信するデータパケット群の終端に、送達確認情報の返送が不要なパケットを付加する方式が考えられる。この場合のタイミングチャートを図3に示す。送達確認情報の返送が不要なパケットならば、ESTA−B16においてこのパケットに関する送達確認情報をDELAYED−ACKに含めることができなくても、ESTA−A15における再送処理に問題が生じることはない。この場合、TXOPの終了からDELAYED−ACKの送信までの期間T1は、SIFSとしなければならないが、DELAYED−ACKに含めるべきデータパケットの受信が完了してから、DELAYED−ACKの送信までの期間T2は比較的長くなる。よって、送達確認の必要なデータパケットに関しては、確実にDELAYED−ACKにその情報を含めることが可能となる。
【0133】
ここで、ESTA−A15が送信するデータの各パケットのヘッダに、そのパケットが送達確認情報の返送を必要とするかどうかの情報を含めて送信するようにすれば、ESTA−B16では、受信した各パケットについて送達確認情報の返送が必要とされるかどうかを判別することが可能となる。また、ESTA−B16側では、このヘッダを確認することによって、無意味なデータであるか否かを判断することが可能となり、無意味なデータである場合には、このデータを廃棄する処理を行えばよい。
【0134】
また、上記の方式において、ESTA−A15が、TXOPで送信するデータパケット群の終端に付加する、送達確認情報の返送が不要なパケットの長さを変更することが可能となっていてもよい。このようにすれば、ESTA−B16がTXOPで最後に送信された送達確認情報の返送が必要なデータパケットの受信を終了してからDELAYED−ACKを返送するまでの期間T2を、ESTA−A15が任意に設定することが可能となる。例えば、TXOPで最後に送信しようとするデータパケットの長さが長い場合には、それだけESTA−B16における受信処理にも多くの時間がかかるものと予想できるので、その後に付加する送達確認情報の返送が不要なパケットの長さを長く設定するということが考えられる。これにより、ESTA−B16において、送達確認の必要なデータパケットに関する情報を、より確実にDELAYED−ACKに含めることが可能となる。
【0135】
また、図2に示す処理における問題を解決する第2の方法として、図6に示すように、TXOPの終了後に、このTXOPにおけるデータパケットの送受信シーケンスとは関係の無いパケットを挿入することが考えられる。挿入するパケットとしては、例えば、次のTXOPにおいて送信する予定のデータパケットや、送受信シーケンスとは関係の無いパケット(このために新たに設けたパケット、TXOPの割り当てに用いられるパケット等)が考えられる。この場合のタイミングチャートを図5に示す。
【0136】
以下にこの処理の流れを説明する。ESTA−A15に付与されたTXOP終了の一定期間(T3)後に、ESTA−B16が、送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信する。
【0137】
なお、本実施例では、ESTA−B16が送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信しているが、ネットワークシステムに接続されている任意の通信装置(ESTA−A15,ESTA−B16,HCも含む)が上記パケットを送信するようにしてもよい。この場合、送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信しようとする通信装置はTXOPの終了を検出する必要があるが、この方法としては、ESTA−A15が、TXOP終了を示す何らかのパケットを、送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信しようとする通信装置に対して送信する方法が考えられる。ここで、TXOP終了を示す何らかのパケットを、特定の通信装置宛に送信するのではなく、全通信装置に対してブロードキャストで送信するようにしてもよい。
【0138】
TXOP終了を示すパケットとしては、例えばIEEE802.11で規定されているパケットを流用しても良いし、新たな形式のパケットを設けても良い。本実施例はTXOP終了を明示する方法に左右されるものではないが、本実施例では、IEEE802.11におけるCF−ENDパケット(従来の仕様ではCFPの終了を明示するために使用される)を用いるようにする。
【0139】
なお、従来の仕様では、CF−ENDパケットはCFPの終了を明示するために使用されるものであるが、この目的でのCF−ENDパケットは通常HCによって送信されるものであるので、各通信装置がCF−ENDパケットを受信した際に、その送信元情報を参照することによって、CFPの終了かTXOPの終了かを判断することができる。
【0140】
ESTA−A15は、送信するべきデータが無くなるか、CF−POLLで示された期間が終了すると、TXOPの終了を明示するためにCF−ENDを送信する。ESTA−B16は、CF−ENDの受信をもってTXOPの終了を検出し、その一定期間T3後に、送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信する。
【0141】
本実施例においては、この送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信するのはデータ受信局であるESTA−B16としているが、上記したように、ESTA−A15に付与されたTXOPの終了を検出可能なものであれば、他の通信装置でも良い。しかしながら、データ受信局であるESTA−B16が送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信するようにすれば、ESTA−B16がこのパケットの長さを変更することで、自局の能力に応じてDELAYED−ACK返送の時間を調節することができるという利点が生じることになる。
【0142】
また、TXOP終了の検出から送受信シーケンスとは関係無いパケットの送信を開始するまでの時間間隔T3は、DCFを用いる通信装置によって送信が割り込まれない時間間隔、すなわちDIFSよりも短い期間であればよい。
【0143】
ESTA−B16は、ESTA−A15に付与されたTXOPの終了をCF−END等によって検出し、期間T3後に、送受信シーケンスとは関係ないパケットを送信する。そして、このパケットの送信が終了した一定期間(T1)後に、DELAYED−ACKを返送する。なお、送受信シーケンスとは関係ないパケットの送信完了からDELAYED−ACKの返送を開始するまでの時間間隔(T1)は、DCFを用いる通信装置によって送信が割り込まれない時間間隔、すなわちDIFSよりも短い期間であればよい。
【0144】
ここで送受信シーケンスとは関係ないパケットとして、新たなパケットを定義してもよいが、従来の通信プロトコルで既に規定されているパケットを流用しても良い。このパケットとしては例えば、CF−POLLを利用することが考えられる。CF−POLLは本来HCがESTAへのTXOPの付与を通知するためのパケットであるが、TXOPの終了からDIFS以内に受信したCF−POLLはTXOPの付与を意味しない等とプロトコルで取り決めておけば良い。
【0145】
また、送受信シーケンスとは関係ないパケットとしてCF−ENDを利用することも考えられる。この場合、CF−ENDは、TXOPの終了を示す機能と、送達確認情報がDELAYED−ACKに間に合わない問題を解決する機能との両方を持つことになる。その他、QoS−NULL(従来の仕様ではTXOPを付与されたESTAが送信するべきデータを持っていない場合に返送する)等のパケットを利用することも考えられる。
【0146】
なお、本実施例においてはCFPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信する例について述べたが、CPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信する場合でも、上記と同様の処理を行うことによって、DELAYED−ACKの返送を迅速に行うことが可能である。
【0147】
(実施例1−2)
本実施例は、データ受信局による情報単位群に関する送達確認情報が、その情報単位群の送信が終了した後に、データ送信局が再び送信権を取得して別の情報単位群の送信を開始し、その送信が終了した直後に返送される方式となっている。
【0148】
本実施例におけるシグナルフローは、前記した図24に示す構成と同様である。また、本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係を図8に示す。また、この例のタイミングチャートを図7に示す。以下に、本実施例における処理の流れについて説明する。
【0149】
ESTA−A15の要求に応じて、HC14は、TXOP1を付与するためにCF−POLL1をESTA−A15に対して送信する。CF−POLL1を受信したESTA−A15は、自局に対してTXOP1が付与されたことを認識し、データパケット1〜nの送信を開始する。ここで、HC14によって送信権を付与された期間は、CF−POLL1に示されており、この期間が経過するか、送信するべきデータが無くなるまでESTA−A15はデータパケット群を送信する。一方、ESTA−B16は、データパケット1〜nの受信処理を行い、受信に成功したパケットのパケット番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0150】
ESTA−A15に付与されたTXOP1が終了した後、再びESTA−A15にTXOP2が割り当てられると、ESTA−B16は、ESTA−A15から再びデータパケットn+1〜mを受信することになる。そして、ESTA−B16は、TXOP2の終了をCF−END2によって検出した一定期間(T1)後に、ESTA−B16は、TXOP1で受信したデータパケット群に対する送達確認情報を含めたDELAYED−ACKの返送を開始する。
【0151】
なお、TXOP1が終了してからTXOP2が割り当てられるまでの時間は任意である。また、TXOP2の終了検出後からDELAYED−ACKの返送を開始するまでの時間間隔(T1)は、DCFを用いる通信装置によって送信が割り込まれない時間間隔、すなわちDIFSよりも短い期間であればよい。また、TXOPの終了検出にはCF−ENDパケットを用いているが、TXOPの終了検出の方法は任意である。また、本実施例では、実施例1−1で示したように、TXOP2におけるAutnomous Burstを用いてDELAYED−ACKを返送する例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0152】
なお、本実施例においては、あるTXOPでのデータパケットの送信が終了した後に、データ送信局において未送信のデータパケットが存在しななくなる場合は、次にデータ送信局がデータを送信しようとするまで、データ受信局は、そのTXOPで受信したデータパケットに対するDELAYED−ACKを返送することができない。この場合、データ送信局がデータを送信しようとするまで待ってからDELAYED−ACKを返送することや、予め定められた時間以内にDELAYED−ACKを返送することが出来なかった場合は、DELAYED−ACKの返送を取りやめたり、DELAYED−ACKの返送方法を別の実施例に示すいずれかの方法に変更したりすること等が考えられる。
【0153】
なお、TXOP2の終了後に返送するDELAYED−ACKに、TXOP2で受信したデータパケットに対する送達確認情報を含めるかどうかは任意であるが、送達確認情報の速達性を考慮すると、TXOP2で受信したデータパケットのうち受信処理が間に合った物についてはその送達確認情報をDELAYED−ACKに含めるべきであると考えられる。
【0154】
また、本実施例においては2度のデータパケット群の送信を両方共CFPにおいて行う例について述べたが、2度のデータパケット群の送信のうちどちらか一方もしくは両方共をCPにおいて行うことも考えられる。
【0155】
(実施例1−3)
本実施例は、中央管理装置が送達確認情報を送信するための送信権をデータ受信局に対して付与する方式となっている。
【0156】
本実施例のネットワークシステムにおけるシグナルフローを図25に示す。同図に示すように、本実施例のネットワークシステムは、中央管理装置としてのHC14、データ送信局2としてのESTA−A15、およびデータ受信局3としてのESTA−B16によって構成されている。
【0157】
また、本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係を図10に示す。また、本実施例におけるタイミングチャートを図9に示す。以下、図25、図10、および図9に基づきながら、本実施例の処理の流れについて説明する。
【0158】
ESTA−A15の要求に応じて、HC14は、TXOP1を付与するためにCF−POLL1をESTA−A15に対して返送する。CF−POLL1を受信したESTA−A15は自局に対してTXOP1が付与されたことを認識し、データパケット1〜nの送信を開始する。送信権を付与された期間はCF−POLL1に示されており、この期間が経過するか、送信するべきデータが無くなるまでESTA−A15はデータパケット群を送信する。このとき、ESTA−B16はデータパケット1〜nの受信処理を行い、受信に成功したパケットのパケット番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0159】
ESTA−A15に付与されたTXOP1が終了した後、HC14は他の任意のESTAにTXOPを割り当てることになる。このとき、HC14はTXOP1においてデータを受信したESTA−B16に対して、DELAYED−ACKを返送するためのTXOPを割り当てることも考慮してTXOPを割り当てる順序のスケジューリングを行う。ESTA−B16は、HC14からCF−POLL2を受信すると、付与されたTXOP2においてDELAYED−ACKを返送する。HC14におけるスケジューリング方法としては以下の6つの方法が例として考えられる。
【0160】
第1のスケジューリング方法としては、データ送信局にTXOPを付与した順序と同じ順序でデータ受信局に対してTXOPを付与する方法が考えられる。この方法の場合、ESTAによって送達確認情報の返送の優先度が異なる場合に、それらを考慮してスケジューリングを行う、というような処理を行うことができないという問題がある。このような例としては、例えば、あるESTAは動画像を送信しており、データの再送を迅速に行う必要があるために送達確認情報は早急に要求される状態である一方、別のESTAでは文字情報等のリアルタイム性の低いデータを送信しており、誤り訂正符号を付加しているため再送処理の必要性も低い状態である、というような場合が考えられる。このような場合に、動画像を送信しているESTAに対して送達確認情報の返送を行うESTAと、文字情報を送信しているESTAに対して送達確認情報の返送を行うESTAとで、TXOPを付与する優先度を同等にすることは、システムの効率としてはよくないといえる。
【0161】
第2のスケジューリング方法として、データ送信局に付与されたTXOP1が終了した時点からDIFS以内に、DELAYED−ACKを返送するためのTXOPをデータ受信局に割り当てる方法が考えられる。この方法では、HC14は、CF−ENDやNon−Finalビット等によってTXOP1の終了を検出すると、DIFS以内にESTA−B16に対してTXOP2を付与するために、CF−POLL2をESTA−B16に対して送信することになる。このスケジューリング方法においては、HC14は他の通信装置よりも優先してESTA−B16に対してTXOPを付与することになる。なお、TXOP1の終了検出後からCF−POLL2の送信を開始するまでの時間間隔は、他の通信装置により送信が割り込まれない時間間隔であれば任意の大きさを設定しても良い。
【0162】
第3のスケジューリング方法として、ESTA−A15がHC14に対してTXOPを要求する際に、TXOPの終了後どの程度の制限時間で送達確認情報を要求するかという情報(送達確認条件)をHC14に対して通知し、HC14はその条件を考慮してTXOPのスケジューリングを行う方法が考えられる。送達確認条件の通知方法は任意であるが、IEEE802.11においては、TXOPを要求する際にESTAがHC14に対してDefine Traffic Specification QoS Actionパケットを送信することが規定されており、このパケットに含まれるRetry−Intervalフィールドを用いて実装することが考えられる。
【0163】
第4のスケジューリング方法として、ESTA−A15がHC14に対してTXOPの要求を行う際に、ESTA−B16がデータの受信を終了してから送達確認情報を返送可能になるまでの時間を、ESTA−B16に対してHC14が問い合わせて、この情報を基準としてスケジューリングを行う方法が考えられる。
【0164】
送達確認情報の返送開始までに要する時間は、ESTA−A15がデータを送信する条件により変化する。例えば、誤り訂正符号を付加してデータを送信する場合はその解析に時間がかかるため、送達確認情報の返送開始はそれだけ遅くなる。
【0165】
このようなデータ送信の条件はIEEE802.11のHCF方式においてはTSPEC(Traffic Specification)と呼ばれ、TXOPの要求の際にESTA−A15が、このTSPECをHC14に通知することになる。HC14は、ESTA−A15からTSPECを受信すると、ESTA−B16に対してこの条件内容を通知し、この条件においてデータ受信から送達確認情報の返送開始までに要する時間を問い合わせる。ESTA−B16は、通知された条件から、自局において送達確認情報の返送開始までに要する時間を算出してHC14に通知する。
【0166】
HC14は、ESTA−A15によるデータの送信停止をCF−ENDやNon−Finalビット等によって検出すると、先にESTA−B16から通知された送達確認情報の返送開始までに要する時間が経過してから、他のESTAに付与するTXOPとの兼ね合いも加味した上で、ESTA−B16にTXOPを付与する。なお、ESTA−A15からのデータ送信の停止を検出する方法は任意である。
【0167】
第5のスケジューリング方法としては、ESTA−A15がデータパケット群を送信する際に、各データパケット中にそのデータパケットに対して送達確認が必要とされるかどうかを示すための情報を付加し、その情報をHC14が監視することによってスケジューリングを行う方法が考えられる。例えば、送達確認情報が必要なデータパケットをある一定の個数以上受信したESTAに対してTXOP2を付与するという方法が考えられる。HC14が送達確認情報を監視する方法は任意であるが、IEEE802.11においてはデータパケットのヘッダ部分に設けられているNo ACKビットを用いて実装すること等が考えられる。
【0168】
第6のスケジューリング方法としては、DELAYED−ACKを返送しようとするESTA−B16が、能動的にHC14に対してTXOP2の付与を要求する方法が考えられる。データを受信したESTA−B16は、自局がDELAYED−ACKを返送する準備が終了した後で、HC14に対してTXOP2の付与を要求する。要求を受けたHC14は、他のESTAに対するTXOP付与のスケジュールを加味して、DELAYED−ACKを返送しようとするESTA−B16にTXOPを付与する。
【0169】
上記した何れのスケジューリング方法においても、ESTA−B16と他のESTAとに対して、どのような順序でTXOPを付与するかは任意であるが、送達確認情報の返送をより確実な物とするためには、DELAYED−ACKを返送しようとするESTAにはデータを送信しようとするESTAよりも優先してTXOPを付与することが好ましい。
【0170】
(実施例1−4)
本実施例は、あるESTAが自局の所持しているデータを送信するために送信権を取得した際に、未送信の送達確認情報を有している場合には、該送達確認情報を、送信権を保持する期間内に返送する方式となっている。
【0171】
本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係を図12に示す。また、本実施例におけるシグナルフローは、前記した図25と同様となる。また、本実施例におけるタイミングチャートを図11に示す。
【0172】
ESTA−A15の要求に応じて、HC14は、TXOP1を付与するためにCF−POLL1をESTA−A15に対して送信する。CF−POLL1を受信したESTA−A15は、自局に対してTXOP1が付与されたことを認識し、データパケットA1〜Anの送信を開始する。送信権を付与された期間はCF−POLL1に示されており、この期間が経過するか、送信するべきデータが無くなるまでESTA−A15はデータパケット群を送信する。このとき、ESTA−B16は、データパケット群の受信処理を行い、受信に成功したパケットのパケット番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0173】
ESTA−A15に付与されたTXOP1が終了した後、ESTA−B16は、DELAYED−ACKの返送とは無関係のデータを送信するために、任意のタイミングで、HC14に対してTXOP2の付与を要求する。このTXOP2におけるデータの送信先はESTA−A15以外の任意のESTAでもよい。
【0174】
ESTA−B16の要求に応じて、HC14は、TXOP2を付与するためにCF−POLL2をESTA−B16に対して送信する。CF−POLL2を受信したESTA−B16は、自局に対してTXOP2が付与されたことを認識し、TXOP2が終了する前に、DELAYED−ACKを返送する。
【0175】
なお、TXOP2中のどのタイミングでDELAYED−ACKを返送するかは任意であるが、本来このTXOPで送信する予定だったデータの送信に先がけてDELAYED−ACKを返送すれば、より迅速にDELAYED−ACKを返送することが可能である。
【0176】
しかしながら、本実施例では、ESTA−B16が送信するべきデータを持たない場合、次に送信するべきデータが発生するまではDELAYED−ACKを返送することが出来ないという問題がある。この問題を解決するためには、ESTA−B16が送信するべきデータを持たない場合は、DELAYED−ACKの返送方法を他の実施例の方法に変更すること等が考えられる。
【0177】
なお、本実施例においては、CFPにおいてESTA−A15がデータパケットを送信し、CFPの別のTXOPにおいてESTA−B16がDELAYED−ACKを返送する例について述べたが、ESTA−A15は、CFPおよびCPのどちらでデータパケットを送信してもよく、また、ESTA−B16も、CFPおよびCPのどちらでDELAYED−ACKを返送してもよい。
【0178】
(実施例1−5)
本実施例は、データの送信を最も早く開始したものにだけ送信権が与えられるネットワークにおいて、送達確認情報を返送しようとするESTAが、データを送信しようとする通信装置よりも、優先して送信権を得られる方式となっている。
【0179】
本実施例におけるデータパケットの送信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係は、従来の技術において図27に示した例と同様となっている。すなわち、CFPにおいて、ESTA−A15がTXOPにおいてデータパケット群を送信し、これらを受信したESTA−B16は、CPにおいて送信権を獲得してDELAYED−ACKを返送する。また、本実施例におけるシグナルフローは、前記した図24に示すようになる。
【0180】
ESTA−A15は、HC14に対して送信権を要求し、HC14は、CFP中にESTA−A15に対してTXOP1を付与するために、CF−POLLを送信する。ESTA−A15は、付与されたTXOP1が終了するまでの間データパケット群を送信する。このとき、ESTA−B16は、データパケット群の受信処理を行い、受信に成功したパケットのパケット番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0181】
CFPが終了し、CPが開始されると、ESTA−B16は、前記したDCFに参加してTXOP2を得る。このTXOP2において、ESTA−B16は、先に保存しておいた送達確認情報保存部5の情報を元にDELAYED−ACKを作成し、ESTA−A15に対して返送する。
【0182】
通常のDCFにおいては、ネットワークに属するESTAに対して均等に送信権が与えられるため、ESTA−B16以外のESTAに送信権を取得されてしまい、DELAYED−ACKを返送するのが遅れてしまう場合が有る。そこで、本実施例においては、DCFにおいて送達確認情報を所持しているESTAには優先して送信権が与えられるように設定することにする。このような設定とすれば、送達確認情報を返送しようとするESTAが送信を開始するまでの待ち時間を、通常のデータを送信しようとする通信装置が送信を開始するまでの待ち時間よりも短くすることが可能となる。
【0183】
DCFにおいて、各ESTAが送信を開始するまでの待ち時間として定義されているバックオフタイマは、スロットタイムと呼ばれる単位時間とランダム整数との積として計算されるものである。そこで、図13に示すように、DELAYED−ACKを返送しようとする際のバックオフタイマ1の計算に使用するスロットタイム1を、通常のデータを送信しようとする際のバックオフタイマ2の計算に使用するスロットタイム2よりも小さい値に設定する。これにより、送達確認情報の返送をデータパケットの送信よりも優先して行うことが可能となる。
【0184】
上記スロットタイム1の大きさは任意であるが、DELAYED−ACKを返送しようとする際のバックオフタイマ1の最大値が、データを送信しようとする際のバックオフタイマ2の最小値、すなわち、1つ分のスロットタイム2よりも小さくなるように、スロットタイム1を設定すれば、送達確認情報の返送がデータの送信に割り込まれることを防止することができる。
【0185】
なお、本実施例においてはCFPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信する例について述べたが、CPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信することも考えられる。
【0186】
次に、本発明において、1つのパケットに複数の情報単位が含まれる場合の実施例を具体的に説明する。以下の実施例では、IEEE802.11無線通信方式において、誤り訂正処理を実施する場合に、1つのデータパケットを複数の誤り訂正ブロックに分割し、その誤り訂正ブロックを送達確認情報返送の単位(情報単位ブロック)とした場合を例として説明する。この場合、誤り訂正ブロックに対して送信した順番に1ずつ加算されるブロック番号を誤り訂正ブロックに含めるものとする。なお、各実施例におけるESTAの機器構成は図20と同様であるものとする。
【0187】
(実施例2−1)
本実施例は、データ送信局が送信権を付与された際に情報単位群を連続して送信し、データ送信局がデータパケットの送信を停止した直後に、その情報単位群に対する送達確認情報をデータ受信局が返送する方式となっている。
【0188】
本実施例における誤り訂正ブロックの送信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係を図14に示す。なお、本実施例におけるパケット送受信のタイミングチャート、および、シグナルフローは、それぞれ前記した実施例1−1で参照した図1および図24となる。
【0189】
ESTA−A15にTXOP1が付与され、ESTA−A15がデータパケット群を送信し、この送信の完了をESTA−B16が検出する流れについては実施例1−1と同様である。ESTA−B16は、受信した全てのデータパケットに含まれる誤り訂正ブロックのうち、受信に成功したもののブロック番号を送達確認情報保存部5に保存する。その後、ESTA−B16は、実施例1−1と同様にAutonomous Burstを用いてDELAYED−ACKを返送する。
【0190】
ESTA−B16において、誤り訂正ブロックの受信処理(誤り訂正処理も含む)を受信終了からSIFS後までに終了できない場合、TXOPの終了間際に送信された誤り訂正ブロックに対する送達確認情報についてはDELAYED−ACKに含めることが間に合わない場合がある。この場合には、受信処理の終了している誤り訂正ブロックに関する送達確認情報のみをDELAYED−ACKに含める方法が考えられる。ただしこの場合、ESTA−A15が送達確認情報を得られない誤り訂正ブロックが発生するという問題がある。
【0191】
この問題を解決する第1の方法として、図15に示すように、パケット単位での送達確認情報返送を行う場合と同様に、ESTA−A15がTXOPで送信する誤り訂正ブロック群の終端に送達確認情報の返送が不要な誤り訂正ブロックを付加することが考えられる。この場合、各誤り訂正ブロックに送達確認情報の返送が必要かどうかの情報を含める。なお、一般的には誤り訂正ブロックは固定長として使用するので、終端に付加する送達確認情報の返送が不要な誤り訂正ブロックの長さを変更して、TXOPで最後に送信された送達確認情報の返送が必要な誤り訂正ブロックの受信が終了してから、ESTA−B16がDELAYED−ACKを返送するまでの期間を、ESTA−A15が任意に設定することはできないが、送達確認情報の返送が不要な誤り訂正ブロックを付加する個数を変更することにより、同様の効果を得ることができる。
【0192】
第2の方法として、パケット単位での送達確認情報の返送を行う場合と同様に、図6に示すように、TXOPの終了後にこのTXOPにおけるデータパケットの送受信シーケンスとは関係の無いパケットを挿入することが考えられる。
【0193】
なお、本実施例においてはCFPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信する例について述べたが、CPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信することも考えられる。
【0194】
(実施例2−2)
本実施例は、データ受信局による情報単位群に関する送達確認情報が、その情報単位群の送信が終了した後で、データ送信局が再び送信権を取得し、別の情報単位群の送信を開始し、その送信が終了した直後に返送される方式となっている。
【0195】
本実施例におけるシグナルフローは、前記した図24に示す構成と同様である。また、本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係、および、タイミングチャートも、それぞれ図8および図7と同様となる。以下に、本実施例における処理の流れについて説明する。
【0196】
ESTA−A15にTXOP1が付与され、データパケット群を送信する流れについては実施例1−2と同様である。ESTA−B16は、データパケットの受信処理を行い、TXOP1において受信したデータパケットに含まれる全ての誤り訂正ブロックのうち受信に成功した物のブロック番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0197】
その後、ESTA−A15にTXOP2が再び割り当てられ、その終了を検出するまでの流れについては実施例1−2と同様である。TXOP2の終了を検出してから一定期間以内に、ESTA−B16は、TXOP1で受信した誤り訂正ブロックに対する送達確認情報を含めたDELAYED−ACKの返送を開始する。
【0198】
また、本実施例においては2度のデータパケット群の送信を両方共CFPにおいて行う例について述べたが、2度のデータパケット群の送信のうちどちらか一方もしくは両方共をCPにおいて行うことも考えられる。
【0199】
(実施例2−3)
本実施例は、中央管理装置が送達確認情報を送信するための送信権をデータ受信局に対して付与する方式となっている。
【0200】
本実施例のネットワークシステムにおけるシグナルフローは、前記した実施例1−3における図25に示す構成と同様である。また、本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係、および、本実施例におけるタイミングチャートは、それぞれ実施例1−3で示した図10および図9と同様となる。以下、図25、図10、および図9に基づきながら、本実施例の処理の流れについて説明する。
【0201】
ESTA−A15にTXOP1が付与され、データパケットを送信する流れについては実施例1−3と同様である。ESTA−B16は、データパケットの受信処理を行い、TXOP1において受信したデータパケットに含まれる全ての誤り訂正ブロックのうち受信に成功した物のブロック番号を送達確認情報保存部5に保存する。
【0202】
その後、HC4のスケジューリングにより、TXOP2がESTA−B16に割り当てられ、このTXOP2の間にDELAYED−ACKを返送する。HC4によるTXOPのスケジューリング方法についても、実施例1−3と同様6つの方法が考えられる。なお、各スケジューリング方法の詳細については、実施例1−3における記載に準拠する。
【0203】
第1のスケジューリング方法は、データ送信局にTXOPを付与した順序と同じ順序で、データ受信局に対してTXOPを付与する方法である。
【0204】
第2のスケジューリング方法は、データ送信局に付与されたTXOPが終了したDIFS以内に、データ受信局にTXOPを付与する方法である。
【0205】
第3のスケジューリング方法は、ESTA−A15がHC4に対してTXOPを要求する際に、TXOPの終了後どの程度の時間間隔で送達確認情報を要求するかという情報等の送達確認条件をHCに対して通知し、HC4はその条件を考慮してTXOPのスケジューリングを行う方法である。
【0206】
第4のスケジューリング方法は、データ送信局がHCに対してTXOPの要求を行う際に、データ受信局がデータの受信を終了してから送達確認情報を返送可能になるまでの時間を、データ受信局に対してHCが問い合わせて、この情報を基準としてスケジューリングを行う方法である。
【0207】
第5のスケジューリング方法は、各データパケット中にそのデータパケットに対して送達確認が必要とされるかどうかを示すための情報をESTA−A15が付加し、その情報をHC4が監視してスケジューリングを行う方法である。
【0208】
誤り訂正ブロック単位で送達確認情報の返送を行う場合にはこの方法に加えて、データパケットごとにではなく誤り訂正ブロックごとに送達確認情報が必要とされるかどうかを示すための情報を付加したり、各データパケットにそのデータパケットに送達確認情報を必要とする誤り訂正ブロックが幾つ含まれているかという情報を付加したりして、これを基にスケジューリングを行う方法が考えられる。
【0209】
第6のスケジューリング方法は、DELAYED−ACKを返送しようとするESTA−B16が能動的にHC4に対してTXOP2の付与を要求する方法である。
【0210】
(実施例2−4)
本実施例は、ある通信装置がデータを送信するために送信権を取得した際に、未送信の送達確認情報を持つ場合は、該送達確認情報を、送信権を保持する期間内に返送する方式となっている。
【0211】
本実施例のネットワークシステムにおけるシグナルフローは、前記した実施例2−3における図25に示す構成と同様である。また、本実施例におけるデータパケットの送受信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係、および、本実施例におけるタイミングチャートは、それぞれ実施例1−4で示した図12および図11と同様となる。以下、図25、図12、および図11に基づきながら、本実施例の処理の流れについて説明する。
【0212】
ESTA−A15にTXOP1が付与され、データパケットを送信する流れについては実施例1−4と同様である。ESTA−B16は、データパケットの受信処理を行い、TXOP1において受信したデータパケット群に含まれる全ての誤り訂正ブロックのうち受信に成功した物のブロック番号を送達確認情報保存部5に保存する。その後、実施例1−4と同様に、ESTA−B16は、データを送信するために付与されたTXOP2において、DELAYED−ACKを返送する。
【0213】
また、実施例1−4と同様に、ESTA−B16が、データの送信に先がけてDELAYED−ACKを返送すれば、より迅速にDELAYED−ACKを返送することが可能である。また、ESTA−B16が送信するべきデータを持たない場合は、DELAYED−ACKの返送方法を他の実施例の方法に変更することが考えられる。
【0214】
なお、本実施例においては、CFPにおいてESTA−A15がデータパケットを送信し、CFPの別のTXOPにおいてESTA−B16がDELAYED−ACKを返送する例について述べたが、ESTA−A15は、CFPおよびCPのどちらでデータパケットを送信してもよく、また、ESTA−B16も、CFPおよびCPのどちらでDELAYED−ACKを返送してもよい。
【0215】
(実施例2−5)
本実施例は、データの送信を最も早く開始したものにだけ送信権が与えられるネットワークにおいて、送達確認情報を返送しようとするESTAがデータを送信しようとする通信装置よりも優先して送信権を得られる方式となっている。
【0216】
本実施例におけるデータパケットの送信およびDELAYED−ACKの返送の時間関係は、従来の技術において図27に示した例と同様となっている。すなわち、CFPにおいて、ESTA−A15がTXOPにおいてデータパケット群を送信し、これらを受信したESTA−B16は、CPにおいて送信権を獲得してDELAYED−ACKを返送する。また、本実施例におけるシグナルフローは、前記した図24に示すようになる。
【0217】
ESTA−A15にTXOP1が付与され、データパケットを送信する流れについては実施例1−5と同様である。ESTA−B16は、データパケットの受信処理を行い、TXOP1において受信したデータパケットに含まれる全ての誤り訂正ブロックのうち、受信に成功した物のブロック番号を送達確認情報保存部5に保存する。その後ESTA−B16は、実施例1−5と同様に、DCFにてTXOP2を取得し、送達確認情報保存部5に保存されている情報を元にDELAYED−ACKを返送する。
【0218】
また、実施例1−5と同様に、DELAYED−ACKを返送する際のバックオフタイマを、データを送信しようとする際のバックオフタイマよりも小さい値とすることにより、送達確認情報の返送をデータパケットの送信よりも優先して行うことが可能となる。
【0219】
なお、本実施例においてはCFPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信する例について述べたが、CPにおいてデータ送信局がデータパケットを送信することも考えられる。
【0220】
次に、パケットを送達確認情報返送の単位とする場合と、誤り訂正ブロックを送達確認情報返送の単位とする場合との両方における問題について説明する。
【0221】
上記した実施例1−1〜1−5、および実施例2−1〜2−5の全ての方法において、あるデータ受信局が、複数のTXOPに渡って同じデータ送信局から受信した情報単位群に対する送達確認情報の一部もしくは全部を、ひとまとめにして返送する方式が考えられる。この方式によれば、送達確認情報の返送を効率的に行うことが可能となる。
【0222】
例えば、図16に示すように、データパケット群1−1〜1−nが送信された後のDELAYED−ACKを返送可能なタイミングでは、ESTA−B16は、あえてDELAYED−ACK1を返送せず、次に同じデータ送信局からデータパケット群2−1〜2−nを受信した後のDELAYED−ACKを返送可能なタイミングにおいて、DELAYED−ACK1で返送するはずだった送達確認情報をDELAYED−ACK2に含めて返送する方式が考えられる。この方式によれば、ESTA−B16がDELAYED−ACKを返送する回数を減少させることができるので、ネットワークのトラフィックを軽減させることが可能である。
【0223】
なお、この方法は、ESTA−B16の送達確認情報保存部5で送達確認情報を保存可能なパケット数だけ繰り返し適用することが可能である。また、実施例1−1または実施例2−1において、TXOPの終了間際に送信された情報単位に対する送達確認情報を直後のDELAYED−ACKに含めることが出来ないという問題があるが、受信処理が間に合った情報単位だけをDELAYED−ACKに含めて返送し、次にDELAYED−ACKを返送する際に先のDELAYED−ACKに含めることが出来なかった送達確認情報を含めて返送することが考えられる。
【0224】
この場合、ESTA−A15において未送信のデータパケットが無くなると、ESTA−A15はTXOPの要求を停止することになり、ESTA−B16にとっては、次のDELAYED−ACKを返送する機会を無くしてしまうことになる。すなわち、ESTA−B16は、TXOPの要求を停止する直前にESTA−A15が送信した情報単位に対する送達確認情報の返送を行うことができなくなる。
【0225】
この問題を解決するためには、ESTA−A15が、あるTXOPにおいてデータパケット群を送信しようとする際に、そのデータパケット群の送信後にESTA−A15で未送信のデータが無くなる場合には、データパケット群の終端に送達確認情報の返送が不要な情報単位を付加したり、そのTXOPの終了後にデータパケットの送受信シーケンスとは関係の無いパケットを挿入する等の対応を行えばよい。この方法であれば、毎回これらの対応を行うよりも、本来は不必要であるシーケンスを挿入する回数を減少させ、ネットワークのトラフィックを軽減させることが可能となる。
【0226】
実施例1−3または実施例2−3の方法においては、ESTA−B16がデータパケットを受信してからDELAYED−ACKを返送するまでに時間的余裕があるので、TXOPの終了間際に送信した情報単位に対する送達確認情報をDELAYED−ACKに含めることが出来ないという問題は生じない。しかしながら、DELAYED−ACKの返送のために、ESTA−B16に対してTXOPを付与する必要が有るため、HC4におけるTXOPのスケジューリングが複雑になり、HC4に対して処理上の負担がかかることになる。
【0227】
一方、実施例1−1または実施例2−1の方法においては、ESTA−B16がデータパケットを受信してからDELAYED−ACKを返送するまでに時間的余裕が無いため、TXOPの終了間際に送信した情報単位に対する送達確認情報をDELAYED−ACKに含めることが出来ないという問題が発生する。しかしながら、 HC4がTXOPのスケジューリングをする必要が無いので、HC4に対してかかる処理上の負担は少なくて済む。
【0228】
以上のように、各方式には欠点と利点が存在するため、ネットワークの通信状況によってDELAYED−ACKの返送方法を適応的に変化させることが望ましい。そのための方法として、各ESTAには、実施例1−1〜1−5、および実施例2−1〜2−5等の処理方式を実装しておき、ある第1のESTAが別の第2のESTAに対してDELAYED−ACKの返送方法を変更させたい場合、第1のESTAが第2のESTA2に対してDELAYED−ACK返送方法変更パケット(返送方法変更パケット)を送信する方法が考えられる。
【0229】
この返送方法変更パケットには、DELAYED−ACKの返送方法を指定する情報が含められており、この返送方法変更パケットを受信したESTAは、DELAYED−ACKの返送方法を指定された方法に変更する。
【0230】
上記の第1および第2のESTAとして、どの通信装置を選択するかは任意であり、返送方法変更パケットの宛先としても、ブロードキャスト(全通信装置宛)やマルチキャスト(複数の通信装置宛)を含めて任意である。また、DELAYED−ACKの返送方法を変更させる要求を行うのはHCでも構わないし、データ送信局の判断で変更を行っても良い。また、どのような基準で第1のESTAが返送方法変更パケットを送信するかは任意であるが、以下に2つの例について説明する。
【0231】
1つ目の例としては、データ送信局である第1のESTAが、送達確認情報がデータの送信直後に必要とされない情報を送信しており、そのデータの受信局である第2のESTAが、実施例1−3または実施例2−3で示したDELAYED−ACK返送方法を使用していた場合を考える。第1のESTAが、送信するデータを、送達確認情報がデータ送信の直後に必要とされるようなデータに変更したとする。
【0232】
この場合、第1のESTAは、送達確認情報の返送方法を、より早く送達確認情報を受信することが可能な実施例1−1や実施例2−1の方法に変更させるために、返送方法変更パケットを第2のESTAに対して送信するようにする。この際に、この返送方法変更パケットにはDELAYED−ACK返送方法を識別するためのDELAYED−ACK返送方法番号を含めておく。
【0233】
第2のESTAは、この返送方法変更パケットに含まれるDELAYED−ACK返送方法番号に従って、DELAYED−ACKの返送方法を変更する。どのDELAYED−ACK返送方法番号がどのDELAYED−ACK返送方法に対応するかと言うことは、予めネットワークプロトコルで定めておく。
【0234】
2つ目の例としては、全てのESTAが実施例1−3または実施例2−3によるDELAYED−ACK返送方法を使用していた場合を考える。このとき、TXOPの要求が増加してきて、HCにおいて、TXOPのスケジューリングの負荷が高まってきたとする。この際に、HCが、全ESTAに対して、DELAYED−ACKの返送方法をHCにおけるTXOPのスケジューリングに負荷のかからない、実施例1−1または実施例2−1の方法に変更させるために、返送方法変更パケットをブロードキャストで全ESTA宛に送信することが考えられる。
【0235】
この場合、この返送方法変更パケットには、DELAYED−ACK返送方法を識別するためのDELAYED−ACK返送方法番号を含めておく。このような返送方法変更パケットを受信した全てのESTAは、この返送方法変更パケットに含まれるDELAYED−ACK返送方法番号に従ってDELAYED−ACKの返送方法を変更する。
【0236】
実施例1−1、1−2、実施例2−1、2−2、および、実施例1−3、2−3における第2のスケジューリング方法のように、データ受信局がデータパケット群の受信直後に送達確認情報を返送する方法では、データパケット群受信の終了検出は、データパケットのヘッダ部分に設けられたNon−Finalビットによって行われる場合がある。この場合、Non−Finalビットを含むパケットの受信に失敗するなどして、データ受信局でNon−Finalビットを検出できなかった場合、データ受信局はDELAYED−ACKを返送するタイミングを逃してしまう場合がある。このような場合には、データ受信局は、送信できなかったDELAYED−ACKを別の機会で送信する必要がある。
【0237】
その方法として、データ受信局がDELAYED−ACKを返送する機会を逃したことを自ら検出し、DELAYED−ACKの返送方法を変更することが考えられる。例えば、IEEE802.11のHCF方式においては、HCは、TXOPの期間中に、SIFSよりも長い期間であるPIFS(Point coordination function Inter Frame Space)の間無線メディアがアイドルであることを検出すると、最後に無線メディアがビジーであった時間から、PIFSよりも長い期間であるDIFS(Distributed coordination function Inter Frame Space)後に、次のシーケンス(別のESTAに対するTXOPの付与等)を開始する。
【0238】
このような方法によれば、例えば、データ送信局が、Non−Finalビットが0に設定されているデータパケットを送信したが、データ受信局でその受信に失敗した場合、データ送信局が送信したNon−Finalビットが0に設定されているデータパケットの送信後に無線メディアがアイドルとなるため、HCは次のシーケンスを開始することになる。また、例えば、何らかの理由で、データ送信局が、Non−Finalビットが0に設定されているデータパケットを送信できなかった場合は、データ受信局はDELAYED−ACKを返送しないことになるので、Non−Finalビットが0に設定されているデータパケットの前にデータ送信局が送信したデータパケットの送信後に無線メディアがアイドルとなり、HCは次のシーケンスを開始することになる。
【0239】
つまり、上記のような何らかの理由で、DELAYED−ACKの返送ができなかった場合には、必ずDIFSの期間無線メディアがアイドルとなる。よって、データ受信局は、DIFS期間の無線メディアのアイドルを検出したときに、DELAYED−ACKの返送方法を変更すればよい。なお、DELAYED−ACKの返送方法を実施例1−1〜1−5、および実施例2−1〜2−5のどの方法に変更するかは任意である。また、DELAYED−ACKの返送方法を変更せずに、データ受信局が、次にDELAYED−ACKを返送可能な機会に今回送信できなかった送達確認情報を含める方法も考えられる。
【0240】
次に、DELAYED−ACKの作成処理に関する実施例について説明する。一般にパケット解析部6は、送られてきたパケットのヘッダを先に解析してからパケットの内容を解析する。実施例1−1および実施例1−2のように、情報単位が1つのパケットに1つだけ含まれる場合では、データパケット群送信の終端検出は、データパケットのヘッダ部分に設けられたNon−Finalビットによって行われる。この場合、直前に受信したデータパケット全ての送達確認情報をDELAYED−ACKに含めようとすると、ヘッダ解析時にNon−FinalビットによりDELAYED−ACKが必要であると検出していても、実際にDELAYED−ACKの作成が開始されるのはそのパケット内容の解析が終了してからとなる。したがって、データパケット群の受信終了からDELAYED−ACKを返送するまでの時間間隔が短い場合、DELAYED−ACKの作成処理がこれを返送するべき時間までに終了できない場合がある。
【0241】
そこで、本実施例では、DELAYED−ACKの返送時間にDELAYED−ACKの作成処理が間に合うようにするために、全てのパケットの受信処理が終了する前に、DELAYED−ACKの作成処理を開始するようにする。
【0242】
データ受信局においてデータパケットが受信され、DELAYED−ACKが作成されるまでの処理の流れを図17、およびESTAの構成例を示す図20を用いて説明する。信号送受信部17がデータパケットnの無線信号を受信すると、データパケットnが、プロトコル制御部8および受信バッファ7を経てパケット解析部6に送られる。パケット解析部6は、データパケットnのヘッダを解析し、Non−Finalビットを検出すると、送達確認情報送信制御部9に通知する。
【0243】
送達確認情報送信制御部9は、Non−Finalビットの検出をもって、DELAYED−ACKを返送する必要が有ると判断することになる。ここで、通常では、送達確認情報送信制御部9がパケット生成部に対してDELAYED−ACK作成処理を開始するように通知するのは、パケット解析部6でのパケット内容nの受信処理の終了を検出してからであるので、DELAYED−ACKの作成処理がDELAYED−ACKの返送時間に間に合わなくなる可能性が比較的高くなる。
【0244】
そこで、本実施例では、パケット解析部6でのパケット内容nの受信処理の終了を待たずに、送達確認情報送信制御部9が、パケット生成部6に対してDELAYED−ACKの作成処理を開始することを通知するようにする。パケット生成部6は、送達確認情報送信制御部9から上記の通知を検出すると、DELAYED−ACKを作成し、これを送信バッファ11に送る。そして、プロトコル制御部8は、自局が送信可能な状況にあるかどうかを判断し、送信バッファ11からDELAYED−ACKを取り出して、信号送受信部13から無線メディアに送出する。
【0245】
このような処理によれば、データ受信局は、DELAYED−ACKの作成のためにより長い時間を設けることができ、DELAYED−ACKの送信時間にDELAYED−ACKの作成処理を間に合わすことが可能となる可能性を高めることができる。この場合DELAYED−ACKに含まれるのはデータパケットn−1までの送達確認情報だけとなり、TXOPの最後に送信されたデータパケットnの送達確認情報を含めることが出来ないが、先に述べたように、ここで含められなかった送達確認情報は後ほど返送するDELAYED−ACKに含めれば良い。
【0246】
また、実施例1−3、2−3における第2のスケジューリング方法においては、データパケット群受信の検出終了後からDIFS以内にHCがCF−POLLをデータ受信局に送信して、TXOPを付与し、そのTXOP中にデータ受信局はDELAYED−ACKを返送する方法について述べているが、この方法において、データパケットのヘッダに含まれるNon−Finalビットによってデータパケット群送信の終端検出を行う場合にも、実施例1−1、2−1と同様の問題が発生する。
【0247】
この場合にデータ受信局においてデータパケットが受信され、DELAYED−ACKが作成されるまでの処理の流れを図19およびESTAの構成例を示す図20を用いて説明する。信号送受信部17においてデータパケットnの無線信号が受信され、パケット解析部6に送られ、データパケットnのヘッダからNon−Finalビットを検出されて、送達確認情報送信制御部9に通知されるまでの処理の流れは実施例1−1、2−1と同様である。
【0248】
送達確認情報送信制御部9は、Non−Finalビットの検出をもって、DELAYED−ACKを返送する必要が有ると判断することになる。ここで、通常では、送達確認情報送信制御部9がパケット生成部に対してDELAYED−ACKの作成処理を開始するように通知するのは、パケット解析部6でのパケット内容nの受信処理の終了を検出してからであるので、DELAYED−ACKの作成処理がDELAYED−ACKの返送時間に間に合わなくなる可能性が比較的高くなる。
【0249】
そこで、本実施例では、パケット解析部10でのパケット内容nの受信処理の終了を待たずに、送達確認情報送信制御部9がパケット生成部6に対して、DELAYED−ACKの作成処理を開始することを通知するようにする。パケット生成部10は、送達確認情報送信制御部9から上記の通知を検出すると、DELAYED−ACKを作成し、これを保持しておく。その後、データ受信局がCF−POLLの無線信号を信号送受信部において受信し、パケット解析部6において、受信したパケットがCF−POLLである事が検出されると、CF−POLLが受信された事が送達確認情報送信制御部に通知される。送達確認情報送信制御部ではCF−POLLの受信をもって送達確認情報を返送する必要が有る事を検出し、パケット生成部10に対して先ほど作成したDELAYED−ACKを送信するように通知する。そして、パケット生成部10はDELAYED−ACKを送信バッファに挿入し、プロトコル制御部8は自局が送信可能な状況にあるかどうかを判断して、送信バッファからDELAYED−ACKを取り出して、信号送受信部13から無線メディアに送出する。
【0250】
このような処理によれば、データ受信局は、DELAYED−ACKの作成のためにより長い時間を設けることができ、DELAYED−ACKの送信時間にDELAYED−ACKの作成処理を間に合わせることが可能となる可能性を高める事ができる。この場合DELAYED−ACKに含まれるのはデータパケットn−1まで送達確認情報だけとなり、TXOPの最後に送信されたデータパケットnの送達確認情報を含める事が出来ないが、先に述べたように、ここで含められなかった送達確認情報は後ほど返送するDELAYED−ACKに含めれば良い。
【0251】
また、実施例2−1および実施例2−2のように、情報単位が1つのパケットに複数含まれる場合において、データパケット群送信の終端検出をデータパケットのヘッダ部分に設けられたNon−Finalビットによって行う場合にも、上記と同様な問題が発生する。この場合には、パケットのヘッダを解析してNon−FinalビットによりDELAYED−ACKを返送する必要が有ることを検出した直後にDELAYED−ACKの作成を開始するのではなく、なるべく多くの誤り訂正ブロックの解析を行った後で、DELAYED−ACKの作成を開始するようにする。このようにすれば、DELAYED−ACKに含めることの出来ない送達確認情報を減少させることができる。
【0252】
以下、この方式について詳しく説明する。図18は、データ受信局においてデータパケットが受信され、DELAYED−ACKが作成されるまでの時間関係を示す説明図である。この図では、データパケットに含まれる最後の誤り訂正ブロックnを残してDELAYED−ACK作成処理を開始する場合を示している。
【0253】
データパケットは、情報単位が1つのパケットに1つだけ含まれる場合と同様に、パケット解析部6に送られる。パケット解析部6は、パケットヘッダnを解析し、Non−Finalビットを検出すると、送達確認情報送信制御部9に通知する。
【0254】
送達確認情報送信制御部9は、Non−Finalビットの検出をもって、DELAYED−ACKを返送する必要が有ると判断することになる。ここで、通常では、送達確認情報送信制御部9がパケット生成部10に対してDELAYED−ACK作成処理を開始するように通知するのは、パケット解析部6での、誤り訂正ブロック1から誤り訂正ブロックnまでの受信処理がすべて終了してから、つまり誤り訂正ブロックnの受信処理の終了後となる。よって、DELAYED−ACKの作成処理がDELAYED−ACKの返送時間に間に合わなくなる可能性が比較的高くなる。
【0255】
そこで、本実施例では、パケット解析部6での誤り訂正ブロックnの受信処理の終了を待たずに、誤り訂正ブロックn−1の受信処理が終了した時点で、送達確認情報送信制御部9が、パケット生成部10に対して、DELAYED−ACKの作成処理を開始することを通知するようにする。パケット生成部10は、送達確認情報送信制御部9からの通知を検出すると、DELAYED−ACKを作成し、情報単位が1つのパケットに1つだけ含まれる場合と同様に、信号送受信部13から無線メディアに送出する。
【0256】
このような方式によれば、DELAYED−ACKの作成のためにより長い時間を設けることができので、DELAYED−ACKの送信時間にDELAYED−ACKの作成処理を間に合わせることができる可能性を高めることができる。なお、この場合DELAYED−ACKに含まれるのは誤り訂正ブロックn−1までの送達確認情報だけとなり、TXOPの最後に送信された誤り訂正ブロックnの送達確認情報を含めることが出来ないが、先に述べたように、ここで含められなかった送達確認情報は後ほど返送するDELAYED−ACKに含めれば良い。
【0257】
本実施例は、誤り訂正ブロックn−1の受信処理の終了後にDELAYED−ACKの作成処理を開始するようになっている。ここで、1つの誤り訂正ブロックの受信処理を残しただけではDELAYED−ACKの作成処理がDELAYED−ACKの送信までに終了できない場合は、複数個の誤り訂正ブロックの受信処理を残してDELAYED−ACKの作成処理を開始しても良い。いくつの誤り訂正ブロックの解析を残してDELAYED−ACKの作成を開始するかは、DELAYED−ACKの作成に要する時間から逆算して算出すれば良い。なお、同様の方法は実施例1−3、2−3における第2のスケジューリング方法において、1つのデータパケットに複数の情報単位が含まれている場合にも使用できる。
【0258】
次に、DELAYED−ACKのパケット構成について説明する。まず、IEEE802.11のDELAYED−ACK方式におけるパケット構成を図28に示す。DELAYED−ACKパケットには、1つの情報単位番号に対して順番に1つのビットが割り当てられたビットマップが含まれている。ある情報単位の受信に成功した場合は、その情報単位の情報単位番号に割り当てられたビットが1に設定され、受信に失敗した場合はビットが0に設定される。
【0259】
また、16ビットのビットマップと、そのビットマップの先頭ビットが何番の情報単位番号に対する送達確認情報を表しているかと言うことを示すための先頭情報単位番号とを1つのレコードとすると、このDELAYED−ACKパケットには、そのレコードが何個DELAYED−ACKに含まれているかを示すためのレコード数が含まれている。DELAYED−ACKの受信者は、各レコードに含まれる先頭情報単位番号からそのレコードのビットマップ中の各ビットに対応する情報単位番号を知ることができ、各情報単位番号の送達確認情報を検出できる。
【0260】
ビットマップは16ビット単位で構成されるので、16の整数倍でない個数の送達確認情報がDELAYED−ACKに含まれている場合は、ビットマップ内に送達確認情報を示さない無効なビットが含まれることになる。通常は、データ送信局は、自局が送信した最後の情報単位の情報単位番号を記憶しておけば、この無効なビットを判別することが可能である。
【0261】
ここで、実施例1−1および実施例2−1のように、データ受信局が情報単位群の受信直後に送達確認情報を返送する方法においては、先に述べたように情報単位群の終端で送信した情報単位に対する送達確認情報をDELAYED−ACKに含めることが間に合わない場合がある。この場合、データ送信局は自局が送信した最後の情報単位の情報単位番号までの送達確認情報がビットマップに含まれているものとして処理するので、データ受信局が送達確認情報を設定していないビットを送達確認情報として認識してしまうという問題がある。
【0262】
この問題を回避するためには、DELAYED−ACKに含まれている送達確認情報の個数を明示する必要がある。例えば、図22に示すDELAYED−ACKのように、1つのDELAYED−ACKパケットに含まれるビットマップ中で有効な情報が設定されたビットの個数を、送達確認情報数フィールドに含めることが考えられる。データ送信局は、自局が送信した最後の情報単位の情報単位番号からビットマップ中の有効なビットを判別するのではなく、DELAYED−ACKパケットに含まれている送達確認情報数フィールドを基準にビットマップ中の有効なビットを判別するようにする。なお、DELAYED−ACK全体の送達確認情報の個数ではなく、レコードごとにビットマップ中の有効な情報が設定されたビットの個数を各レコードに含めるようにしてもよい。
【0263】
また、有効な値が設定されたビットの個数ではなく、DELAYED−ACKに含めることが間に合わなかった送達確認情報の個数を送達確認情報数フィールドに含めるようにしてもよい。この場合、データ送信局は、自局が最後に送信した情報単位の情報単位番号から送達確認情報数フィールドで示された個数を減算した情報単位番号までの送達確認情報がDELAYED−ACKに含まれているものとして処理するようにする。
【0264】
また、データ受信局がDELAYED−ACKに含めることが間に合わない送達確認情報の個数が変動しない場合は、データ受信局においてDELAYED−ACKに含めることが出来なかった送達確認情報が存在することを示すための情報をDELAYED−ACKに含めて返送するようにしてもよい。この場合、データ送信局は、この情報がDELAYED−ACKに含まれていることを検出すると、予め規定された個数分は送達確認情報が含まれていないと判断し、自局が最後に送信した情報単位の情報単位番号から予め規定された個数を減算した情報単位番号までの送達確認情報がDELAYED−ACKに含まれているものとして処理するようにする。受信側がDELAYED−ACKに含めることが間に合わない送達確認情報の個数は、事前にデータ送信局とデータ受信局の間でパケット交換等により取り決めておく等の方法が考えられる。
【0265】
以上に記述したように、本発明では、帯域の使用効率を低下させずに、送達確認情報を返送するための帯域を確保する種々の方法を提案した。
【0266】
実施例1−1および実施例2−1では、送信権が付与された直後に送達確認情報を返送するための帯域を設ける方法を述べた。このときに、情報単位の受信処理に時間がかかり過ぎてしまい、送達確認パケットの送信時に送達確認情報の作成が間に合わない情報単位が発生してしまう問題がある。これを解決するために、送信権を付与された期間中で最後に送信する情報単位の後に、送達確認情報の返送が不要な情報単位を送信したり、データ送信局が全てのデータを送信し終わった後で、送受信のシーケンスとは無関係なパケットを挿入したりすることで、送達確認情報の作成時間をより多く設ける方法について述べた。また、最初の送達確認パケットに含めることが間に合わない送達確認情報は、次の送達確認パケットに含めて返送する方法についても述べた。
【0267】
実施例1−2および実施例2−2では、データ送信局に対して送信権が付与された際に、送達確認情報の返送の対象となるデータを受信し、データ送信局が一旦送信権を失ってから、再び送信権を付与された直後に送達確認パケットを返送する方法について述べた。
【0268】
実施例1−3および実施例2−3では、送達確認情報を所持している通信装置に対して、送達確認情報を返送するための送信権を付与する方法について述べた。この方法においては、5種類の中央管理装置における送信権付与のスケジューリング方法について述べた。
【0269】
第1のスケジューリング方法として、データ送信局に送信権を付与したのと同じ順序で送達確認情報の返送のための送信権をデータ受信局に付与する方法について述べた。第2のスケジューリング方法として、データ送信局による送信が終了した後で、他の端末に送信を割り込まれることの無い時間が経過するまでに中央管理装置がデータ受信局に対して送信権を付与する方法について述べた。
【0270】
第3のスケジューリング方法として、データ送信局が送信権を要求する際に中央管理装置に対して、送達確認情報の返送制限時間を通知し、中央管理装置は該制限時間に間に合うように送達確認情報返送のための送信権をデータ受信局に付与する方法について述べた。第4のスケジューリング方法として、データ受信局がデータを受信してから送達確認情報を返送可能になるまでに要する時間を、中央管理装置に対して通知し、中央管理装置はこの時間を基準として送信権をデータ受信局に対して付与する方法について述べた。
【0271】
第5のスケジューリング方法として、各データパケットについて、データ送信局が送達確認情報を必要としているかどうかを中央管理装置が監視し、この情報を基に送信権を付与する方法について述べた。第6のスケジューリング方法として、送達確認情報を返送しようとする通信装置が送信権の付与を中央管理装置に対して能動的に要求する方法について述べた。
【0272】
何れのスケジューリング方法においても、より確実に送達確認情報の返送行うためには、データを送信しようとする通信装置に対する送信権の付与よりも、送達確認情報を送信しようとする通信装置に対する送信権の付与を優先させる必要がある。
【0273】
実施例1−4および実施例2−4では、データを送信するための送信権を付与された際に、未送信の送達確認情報を所持する場合は、送信権を付与されている期間中に送達確認情報を返送する方法について述べた。この際データよりも送達確認情報を優先して送信すれば、より迅速に送達確認情報の返送を行うことが可能である。
【0274】
実施例1−5および実施例2−5では、送信権がランダムに付与される場合に送達確認情報を返送する通信装置に対して優先して送信権を付与する方法を述べた。上記の方法によれば、送達確認情報の返送を確実に行うことが可能となり、送達確認情報をある制限時間以内に返送しなければならないような場合にも、その制限時間に送達確認情報の返送を間に合わせることが可能となる。
【0275】
あるデータ受信局が複数のTXOPに渡って同じデータ送信局から受信した情報単位群に対する送達確認情報の一部もしくは全部を、ひとまとめにして返送する方法について述べた。この方法によれば、送達確認パケットの送信の回数を減少させることでき、ネットワークのトラフィックを軽減させることが可能となる。
【0276】
データ受信局が自局の送達確認情報の返送方法を変更したり、データ送信局や中央管理装置がデータ受信局に対して送達確認情報の返送方法を変更させたりする方法について述べた。これにより、ネットワークの通信状況に適した送達確認情報の返送方法を使用することが可能となる。
【0277】
情報単位群を受信した直後にデータ受信局が送達確認パケットを返送する場合に、情報単位群の終端を示す情報の検出をデータ受信局が失敗した場合、データ受信局がそのことを自ら検出し、送達確認情報の返送方法を変更する方法について述べた。この方法によれば、より確実に送達確認情報を返送することが可能となる。
【0278】
情報単位群を受信した直後にデータ受信局が送達確認パケットを返送する場合に、情報単位群の終端で送信した情報単位に対する送達確認情報をDELAYED−ACKに含めることが間に合わない場合に、DELAYED−ACKに含まれている送達確認情報の個数を含めて返送する方法について述べた。
【0279】
またデータ受信局において、DELAYED−ACKに含めることが出来なかった送達確認情報が存在するかどうかと言う情報だけをDELAYED−ACKに含めて返送し、その個数はデータ送信局とデータ受信局の間で予め取り決めておく方法についても述べた。これらの方法によれば、データ送信局において、データ受信局が送達確認情報を設定していないビットを送達確認情報として認識してしまうという問題を回避することができる。
【0280】
発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0281】
以上のように、本発明によれば、複数の機器が競合しながら通信を行い得る形態の通信系において、遅延送達確認方式を用いて動画像等のリアルタイムデータに対する再送処理を行う場合に、送達確認情報の返送のために送信権を付与したり、データよりも送達確認情報を優先して送信したりすることが可能となる。これにより、あるデータの送達確認情報の返送が該データの受信後一定時間以内に行えるようになる。また、他局に割り込まれること無く制限時間以内に送達確認情報を確実に返送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの実施例1−1および実施例2−1におけるタイミングチャートである。
【図2】上記実施例1−1におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の一例を示す説明図である。
【図3】上記実施例1−1および実施例2−1における他の例としてのタイミングチャートである。
【図4】上記実施例1−1におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の他の例を示す説明図である。
【図5】上記実施例1−1および実施例2−1におけるさらに他の例としてのタイミングチャートである。
【図6】上記実施例1−1におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係のさらに他の例を示す説明図である。
【図7】実施例1−2および実施例2−2におけるタイミングチャートである。
【図8】上記実施例1−2におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の一例を示す説明図である。
【図9】実施例1−3および実施例2−3におけるタイミングチャートである。
【図10】上記実施例1−3および実施例2−3におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の一例を示す説明図である。
【図11】実施例1−4および実施例2−4におけるタイミングチャートである。
【図12】上記実施例1−4および実施例2−4におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の一例を示す説明図である。
【図13】実施例1−5および実施例2−5におけるDELAYED−ACK送信時およびデータ送信時のバックオフタイマの時間関係を示す説明図である。
【図14】実施例2−1におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の一例を示す説明図である。
【図15】実施例2−1におけるデータパケットおよびDELAYED−ACKパケットの時間関係の他の例を示す説明図である。
【図16】実施例2−5における、実際には送信しないDELAYED−ACK1、および、実際に送信するDELAYED−ACK2の時間関係の一例を示す説明図である。
【図17】情報単位が1つのパケットに1つだけ含まれる場合における、DELAYED−ACKが作成されるまでの処理の流れの一例を示す説明図である。
【図18】情報単位が1つのパケットに複数含まれる場合における、DELAYED−ACKが作成されるまでの処理の流れの一例を示す説明図である。
【図19】情報単位が1つのパケットに1つだけ含まれる場合における、DELAYED−ACKが作成されるまでの処理の流れの他の例を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施形態に係るESTAの概略構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る中央管理装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の一実施形態に係るDELAYED−ACKの概略構成を示す説明図である。
【図23】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムにおけるシグナルフローの概略を示す説明図である。
【図24】実施例1−1,実施例1−2,実施例1−5,実施例2−1,実施例2−2,実施例2−5におけるシグナルフローを示す説明図である。
【図25】実施例1−3,実施例1−4,実施例2−3,実施例2−4におけるシグナルフローを示す説明図である。
【図26】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムにおいて用いられるデータパケットおよび送達確認パケットの概略を示す説明図である。
【図27】従来のネットワークシステムにおけるデータパケットおよびDELAYED−ACKの時間関係を示す説明図である。
【図28】従来のネットワークシステムにおけるDELAYED−ACKの概略構成を示す説明図である。

Claims (34)

  1. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    受信側の通信装置が上記一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点から、上記送達確認ブロックの送信が開始されるまでは、データの送信側および受信側の少なくとも一方の通信装置が、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間以上の間隔が生じないように、1つ以上の所定のパケットを送信し続けることを特徴とする通信管理方法。
  2. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを送信する通信装置は、送信する一連の情報単位ブロック群の終端に、送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックを含めるものとすることを特徴とする通信管理方法。
  3. データを送信する通信装置は、上記送達確認情報の返送を必要としない情報単位ブロックの長さを、その直前に送信する送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロックの長さに応じて変化させるものとすることを特徴とする請求項2記載の通信管理方法。
  4. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した時点からデータの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始できない期間である第2の期間内に、所定のパケットを送信し、この送信を終了した時点から、上記第2の期間内に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  5. 上記所定のパケットが、一連の情報単位ブロック群の受信、および、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックの送信のシーケンスとは関係のないパケットであることを特徴とする請求項4に記載の通信管理方法。
  6. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から第1の期間内であれば、送信権を取得しなくても、所定の個数の情報単位ブロックを、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置が送信を開始する前に送信することが可能であるものとし、
    データを受信している通信装置は、送信側の通信装置から一連の第1の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、再び同じ送信側の通信装置から一連の第2の情報単位ブロック群の受信が終了した時点から上記第1の期間内に、上記第1の情報単位ブロック群の受信終了以前に受信した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  7. 複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記中央管理装置は、所定の期間において、上記ネットワークにおける送信権を管理するものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、送信権を上記中央処理装置から獲得することによって、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    上記中央管理装置は、送信権を付与する候補として複数の通信装置が存在する場合に、送達確認ブロックを送信しようとしている通信装置に対して優先的に送信権を付与するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  8. 送信側の通信装置から受信側の通信装置に対して一連の情報単位ブロック群の送信が行われた際に、その送信が完了した時点から、データの送信側および受信側の通信装置以外の通信装置がパケットの送信を開始できない期間である第2の期間内に、中央管理装置が、受信側の通信装置に対して、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するための送信権を与えるものとすることを特徴とする請求項7記載の通信管理方法。
  9. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、 一連の情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、正しく受信できたか否かの判定が終了した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  10. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる情報単位ブロックのうち、最後に受信した1つの情報単位ブロック以外の情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  11. 上記送達確認ブロックが、送達確認の対象となる情報単位ブロックに関する情報を含んでいることを特徴とする請求項9または10記載の通信管理方法。
  12. 上記情報単位ブロックに関する情報が、上記送達確認ブロックに含まれる送達確認情報の個数であることを特徴とする請求項11記載の通信管理方法。
  13. 上記情報単位ブロックに関する情報が、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックが存在するか否かの情報であることを特徴とする請求項11記載の通信管理方法。
  14. 上記情報単位ブロックに関する情報が、受信は完了しているが送達確認処理が終了していない情報単位ブロックの個数の情報であることを特徴とする請求項11記載の通信管理方法。
  15. 上記中央管理装置は、ある通信装置より送信権の要求をされた際に、該通信装置が情報単位ブロック群を送信しようとする通信装置に対して、送達確認情報の返送に要する時間を自局に対して通知するように要求するとともに、この時間に基づいて送信権の付与順番を設定するものとすることを特徴とする請求項7記載の通信管理方法。
  16. 上記中央管理装置は、任意の通信装置より送信された情報単位ブロック群に含まれる送達確認情報の返送を必要とするかどうかを示す情報を抽出して、該情報単位ブロック群の宛先となる通信装置ごとにこの情報を記録するとともに、
    送達確認情報の返送を必要とする情報単位ブロック群をある一定個数以上受信したと判断された通信装置に対して、他の通信装置よりも優先して送信権を付与するものとすることを特徴とする請求項7記載の通信管理方法。
  17. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データ送信を行うために送信権を取得した通信装置は、自局に未送信の送達確認情報を所持している場合に、該送信権が付与されている期間中に、上記未送信の送達確認情報を含めた送達確認ブロックの返送を行うものとすることを特徴とする通信管理方法。
  18. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    最後にネットワークのビジー状態を検出してから第2の期間が経過した時点でネットワークがアイドルとなっていることを検知した通信装置が、その時点からランダムに決定される待ち時間が経過した時点でネットワークにどの通信装置からも信号が送出されていないならば、送信を開始するという第1の送信方法を持つものとし、
    データを送信している通信装置が、一連の情報単位ブロック群を送信し、さらに受信側の通信装置に送達確認情報を送信させるための情報を送信するものとし、
    データを受信している通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した後で、上記第1の送信方法によって、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを送信するものとすることを特徴とする通信管理方法。
  19. 送信側の通信装置から一連の第1の情報単位ブロック群を受信した通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した後で、上記第1の送信方法によって、送達確認ブロックの送信ができなかった場合に、再び同じ送信側の通信装置から一連の第2の情報単位ブロック群の受信が終了し、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した時点から上記第2の期間よりも短い第1の期間内に、上記第1の情報単位ブロック群の受信終了以前に受信した情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとすることを特徴とする請求項18記載の通信管理方法。
  20. 上記ネットワークに、所定の期間において該ネットワークにおける送信権を管理する中央管理装置がさらに接続されており、
    データを受信している通信装置は、上記送達確認情報を送信させるための情報を受信した後で、上記第1の送信方法によって、送達確認ブロックの送信ができなかった場合に、上記中央管理装置より付与された送信期間中に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを送信するものとすることを特徴とする請求項18記載の通信管理方法。
  21. 送達確認ブロックの返送を行おうとする通信装置における上記ランダムに決定される待ち時間は、データの送信を行おうとする通信装置における上記ランダムに決定される待ち時間よりも短くなるものとすることを特徴とする請求項18、19、または20に記載の通信管理方法。
  22. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    通信装置が、複数の送信権付与期間に渡って同じ通信装置から受信した1つ以上の情報単位ブロック群に対する送達確認情報を有している場合、これらの送達確認情報を1つの送達確認ブロックに含めてまとめて返送することを特徴とする通信管理方法。
  23. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、 受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを送信する通信装置が、自局が送信しようとする情報単位ブロック群の送信後に、自局における未送信の情報単位ブロックが無くなる場合に、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の通信管理方法を採用することを特徴とする通信管理方法。
  24. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信する通信装置が、自局において受信した情報単位ブロック群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間に応じて、通信管理方法を請求項1ないし請求項23のいずれか一項に記載の方法に変更させる要求を自局および/または他の通信装置に対して行うことを特徴とする通信管理方法。
  25. 複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記中央管理装置は、所定の期間において、上記ネットワークにおける送信権を管理するものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    上記中央管理装置は、任意の通信装置が送信した情報単位群に必要とされる送達確認情報の返送制限時間、および任意の通信装置からの送信権の要求量に応じて、通信管理方法を請求項1ないし請求項23のいずれか一項に記載の方法に変更させる要求を任意の通信装置に対して行うことを特徴とする通信管理方法。
  26. 複数の通信装置がネットワークを介して接続されている通信システムで用いられる通信管理方法であって、
    上記ネットワークにおいて送受信されるデータは、1つ以上の情報単位ブロック群によって構成されているものとし、
    上記ネットワークを介してデータの送信ができる通信装置は、その時点で送信権を有している通信装置のみとし、
    データを受信している通信装置は、一連の情報単位ブロック群の受信を終了した後に、受信した情報単位ブロック群に含まれる各情報単位ブロックに対する送達確認情報からなる送達確認ブロックを、送信元の通信装置に対して送信するものとし、
    データを受信する通信装置が、一連の情報単位ブロック群の送信終了の検出に失敗した際に、この送信終了の検出に失敗したことを検出した時点で、通信管理方法を請求項1ないし請求項23のいずれか一項に記載の方法に変更させる要求を自局および/または他の通信装置に対して行うことを特徴とする通信管理方法。
  27. 請求項1ないし26のいずれか一項に記載の通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラム。
  28. 請求項1ないし26のいずれか一項に記載の通信管理方法をコンピュータに実行させる通信管理プログラムを記録した記録媒体。
  29. 複数の通信装置および/または中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムであって、請求項1ないし26のいずれか一項に記載の通信管理方法によって通信が管理されることを特徴とする通信システム。
  30. 複数の通信装置および/または中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムに含まれる通信装置であって、請求項1ないし26のいずれか一項に記載の通信管理方法によって通信が管理されることを特徴とする通信装置。
  31. 複数の通信装置および中央管理装置がネットワークを介して接続されている通信システムに含まれる中央管理装置であって、請求項1ないし26のいずれか一項に記載の通信管理方法によって通信が管理されることを特徴とする中央管理装置。
  32. 請求項30記載の通信装置を内蔵することを特徴とするDVDプレイヤー。
  33. 請求項31記載の中央管理装置を内蔵することを特徴とするセットトップボックス。
  34. 請求項30記載の通信装置を内蔵することを特徴とするTV。
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