JP3702721B2 - Iii族窒化物系化合物半導体素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はIII族窒化物系化合物半導体素子に関する。更に詳しくは、III族窒化物系化合物半導体層の下地層の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−237938号公報には、良好な結晶のIII族窒化物系化合物半導体層を得るために、下地層として岩塩構造をとる金属窒化物の(111)面を基板として用いることが開示されている。すなわち、この公報では、岩塩構造をとる金属窒化物を基板として、その(111)面上にIII族窒化物系化合物半導体層を成長させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
半導体素子の基板には、素子の機能を維持するための特性(剛性、耐衝撃性など)が要求される。基板を金属窒化物で形成したとき、当該特性を維持するには100μm以上の厚さが基板に要求されると考えられる。
しかし、そのような厚さを有する金属窒化物は半導体製造用工業製品の原材料として提供されていない。
そこで、上記公報に記載の発明を実施する場合には、金属窒化物製の基板を自作(スパッタ法等によると考えられる)することとなるが、それには大変手間がかかる。
【0004】
そこでこの発明は、工業的に容易に入手可能な原材料を用いて良好な結晶構造のIII族窒化物系化合物半導体層を形成できるようにすることを一つの目的とする。したがって、この発明の半導体素子は良好な結晶構造の半導体層を有し、かつ安価に製造できることとなる。
別の観点から見ると、この発明の他の目的は新規な構成のIII族窒化物系化合物半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的の少なくとも一つを達成しようと鋭意検討を重ねてきた。その結果、下記の発明に想到した。
即ち、基板と、
該基板の上に形成された窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム及び窒化タンタルから選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層と、
該下地層の上に形成されたIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなるIII族窒化物系化合物半導体素子。
【0006】
上記のように構成されたこの発明の半導体素子によれば、基板の上に金属窒化物として、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム若しくは窒化タンタルからなる下地層を形成する。かかる金属窒化物からなる下地層はその上に形成されるIII族窒化物系化合物半導体層との格子不整が極めて小さくなる。よって、良好な結晶のIII族窒化物系化合物半導体層を当該下地層の上に成長させることが出来る。一方、素子の機能を保持するために必要な厚さは基板が備え得るので、この下地層を薄くすることができる。よって、下地層を簡易かつ安価に形成することができる。基板にサファイア等の汎用的なものを採用すれば、素子は全体として安価に製造できるものとなる。
【0007】
上記において、基板にはサファイア、SiC(炭化シリコン)及びGaN(窒化ガリウム)等の六方晶材料、Si(シリコン)やGaP(リン化ガリウム)、GaAs(砒化ガリウム)などの立方晶材料を用いることが出来る。六方晶材料の場合にはその上に下地層を成長させる。立方晶材料の場合にはその(111)面が利用される。
基板としてSiC、GaN、シリコン、GaP若しくはGaAsを用いた場合、当該基板に導電性を付加できる。また、窒化チタン(TiN)、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム及び窒化タンタルにはそれぞれ導電性がある。その結果、半導体素子の両面に電極を形成することができ、素子製造工程数が少なくなり、コストダウンになる。
基板としてサファイアを用いてLEDを作成した場合、金属窒化物が金属光沢をしており、LEDから出た光は窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウムなどで反射されるため輝度アップが期待される。
この基板には素子の機能を保持するための特性(剛性、耐衝撃性)が要求される。そのため、その厚さはほぼ100μm以上とされる。但し、剛性が保持できれば薄くてもかまわない。
【0008】
下地層としては、金属窒化物の中から、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム若しくは窒化タンタルが選ばれる。基板の所定の面に対するこれらの金属窒化物の成長方法は特に限定されないが、プラズマCVD、熱CVD、光CVD等のCVD(Chemical Vapour Deposition)、スパッタ、リアクティブスパッタ、レーザアブレーション、イオンプレーティング、蒸着、ECR法等の(Physical Vapour Deposition)等の方法を利用できる。
下地層の厚さは50Å〜10μmとすることが好ましい。
【0009】
下地層と基板との間に他の層を介在させることもできる。本発明者らの検討によれば、シリコンを基板としてその(111)面上に窒化チタンを成長させるときには、当該(111)面と窒化チタン層との間にAlの層を介在させることが好ましい。Al層の厚さは特に限定されないが、ほぼ100Åとする。Al層の形成方法も特に限定されないが、例えば蒸着やスパッタによりこれを形成する。
【0010】
下地層を基板上に形成した後、これを熱処理することが好ましい。
サファイア基板のa面上にリアクティブスパッタ法により窒化チタン(膜厚:約3000Å)を形成し、これを加熱したときの加熱温度とX線回折(φ(PHI)スキャン)の結果を図1に示す。加熱時間は5分である。X線回折装置としてフィリップス社製の4軸型単結晶回折計(製品名:X-pert)を用いた(以下の(φ(PHI)スキャン及びX線ロッキングカーブの結果についても同じ)。φ(PHI)スキャンについてはJournal of Electronic Materials, Vol. 25, No. 11, pp. 1740-1747, 1996を参照されたい。φ(PHI)スキャンでは、サンプルを360度回転させたときに結晶面に対応するピークが得られる。図1の縦軸は当該ピーク強度(相対値)の平均値である。TiN膜の厚さをそろえた試料で測定しているため、強度が大きいほど良好な結晶が得られていると考えられる。下地層たる窒化チタンの結晶性が良好であれば、その上に成長されるIII族窒化物系化合物半導体層の結晶性もまた良好になると考えられる。
【0011】
図2は上記と同一の条件で成長された窒化チタンを水素雰囲気中で熱処理(5分間)した後、当該窒化チタン下地層の上にMOCVD法(成長温度:1000℃)により形成したGaN層のφ(PHI)スキャンの結果である。
【0012】
図1及び図2の結果から、下地層の熱処理温度は600〜1200℃とすることが好ましい。このように熱処理をすることにより下地層の結晶性が更に向上すると考えられる。さらに好ましい熱処理温度は、800〜1200℃である。
下地層に熱処理を施すときの雰囲気は、図1の結果から水素雰囲気若しくは真空雰囲気とすることが好ましい。更に好ましくは水素雰囲気である。
【0013】
シリコン基板の(111)面にAl層(膜厚:約100Å)を介して窒化チタン層(膜厚:約3000Å、成長方法:リアクティブスパッタ法)を形成し、更にその上に図2の場合と同様にしてGaN層を形成した。このGaN層に対するφ(PHI)スキャンの結果を図3に示す。
この図3の結果からも、熱処理温度は600〜1200℃とすることが好ましいことがわかる。更に好ましくは、800〜1200℃である。
【0014】
III族窒化物系化合物半導体は、一般式としてAlXGaYIn1ーXーYN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)で表されるものであるが、更にIII族元素としてボロン(B)、タリウム(Tl)を含んでもよく、また、窒素(N)の一部を、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)で置き換えても良い。III族窒化物系化合物半導体は任意のドーパントを含むものであっても良い。
【0015】
発光素子及び受光素子では、周知のように、異なる導電型の複数のIII族窒化物系化合物半導体層が積層される構成であり、超格子構造、ダブルヘテロ構造等が採用される。FET構造に代表される電子デバイスをIII族窒化物系化合物半導体で形成することもできる。このように、下地層の上に形成されるIII族窒化物系化合物半導体層は複数の層が相互に作用して所望の機能を奏するものとなる。
【0016】
本発明の下地層とIII族窒化物系化合物半導体層との間には、例えばチタン層を介在させることもできる。チタン層の上に形成されるIII族窒化物系化合物半導体層の結晶構造は好ましいものとなることが本発明者らの検討により見出されている(例えば特願平10−287485号、出願人整理番号:980112、代理人整理番号:P0105等を参照されたい。)。チタン層の厚さ及び形成方法は特に限定されない。
【0017】
金属窒化物からなる下地層と素子機能部分を構成するIII族窒化物系化合物半導体層(第二のIII族窒化物系化合物半導体)との間には、バッファ層を形成することが好ましい。バッファ層は第一のIII族窒化物系化合物半導体からなる。ここに、第一のIII族窒化物系化合物半導体にはAlXGaYIn1−X−YN(0<X<1、0<Y<1、0<X+Y<1)で表現される四元系の化合物半導体、AlXGa1−XN(0<X<1)で表現される三元系の化合物半導体、並びにAlN、GaN及びInNが含まれる。
金属窒化物の上にGaNを成長する場合、バッファ層は無くてもGaN結晶は成長するがバッファ層有りの方がGaN結晶は良い(図4、5参照)。
なお、図4は窒化チタンからなる下地層(膜厚:3000Å、基板:サファイア)の上にAlNからなるバッファ層(膜厚:600Å、成長温度:1000℃)とGaN層(膜厚:1μm、成長温度:1000℃)とを順にMOCVD法により形成したときのGaN結晶のX線ロッキングカーブである。また、図5はAlNからなるバッファ層を省略したときの同じくGaN結晶のX線ロッキングカーブである。
【0018】
図6には、窒化チタンからなる下地層(膜厚:3000Å、基板:サファイア)の上に成長温度を変化させてMOCVD法でAlNからなるバッファ層(600Å)を形成したときの、当該バッファ層の上に形成されたGaN層(膜厚:1μm、成長温度:1000℃)の結晶性(縦軸:X線回折強度(PHIスキャンの平均値))と当該バッファ層の成長温度との関係を示す。
図6からわかるように、MOCVD法でバッファ層を形成するときの成長温度はより高温の方が優れている(図6)。
汎用的なMOCVD法ではAlNやGaN等の第一のIII族窒化物系化合物半導体層(バッファ層)を400℃程度の低い温度でサファイア等の基板上に直接形成していた。しかし、基板の上に金属窒化物からなる下地層を形成したときは、当該第一のIII族窒化物系化合物半導体を1000℃程度の高温で成長させることにより好適な結晶を得られる。従って、当該結晶性の良いバッファ層の上に形成される第二のIII族窒化物系化合物半導体層の結晶性も向上する。
【0019】
上記1000℃程度の温度は第一のIII族窒化物系化合物半導体層(バッファ層)の上に形成される第二のIII族窒化物系化合物半導体層(素子機能構成層)の成長温度と実質的に等しい。従って、第一のIII族窒化物系化合物半導体をMOCVD法で形成するときの成長温度は600〜1200℃とすることが好ましく、更に好ましくは800〜1200℃である。
このように、第一のIII族窒化物系化合物半導体層(バッファ層)と第二のIII族窒化物系化合物半導体(素子機能構成層)との成長温度が等しいと、MOCVD法を実行するときの温度調節が容易になる。
【0020】
下地層の上へスパッタ法により第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層を形成した場合にも、MOCVD法(成長温度:1000℃)でバッファ層を形成した場合と同等かそれ以上に好適な結晶性のバッファ層を得られる。従って、第一のIII族窒化物系化合物半導体層の上に形成される第二のIII族窒化物系化合物半導体層の結晶性も向上する(図7参照)。更には、スパッタ法により第一のIII族窒化物系化合物半導体層(バッファ層)を形成すると、MOCVD法と比べて原材料にTMAやTMIなどの高価な有機金属を要しない。よって、安価に素子を形成できることとなる。
【0021】
以下、上記段落で説明した第一のIII族窒化物系化合物半導体及びその上に形成される第二のIII族窒化物系化合物半導体の結晶性向上を評価するための実験例について説明する。
(実験例1)
チタンをターゲットに窒素ガスを導入して反応性DCマグネトロンスパッタ法によりサファイア基板上に窒化チタンからなる下地層(膜厚:3000Å)を形成し、更にターゲットをアルミニウムに交換して反応性DCマグネトロンスパッタ法を実行し、AlNからなるバッファ層(膜厚:600Å)を形成した。
【0022】
下地層(窒化チタン)の(200)面に合わせたX線回折装置測定のφ(PHI)スキャンの結果から、またバッファ層(AlN)の(10−12)面のφ(PHI)スキャンの結果から、それぞれ6回対称のピークが確認でき、単結晶あるいは単結晶に近い結晶性を持つTiN、AlNが成膜できた。
これを敷衍すれば、金属窒化物、即ち窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層の上にスパッタ法により形成された第一のIII族窒化物系化合物半導体層は、その上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体を成長させるのに好ましい結晶性を有したものとなる。
【0023】
同様にシリコン基板を用いた場合の評価を行ったので、以下に説明する。
(実験例2)
シリコン基板の上に蒸着によりAl層(100Å)を形成する。その後、チタンをターゲットに窒素ガスを導入して反応性DCマグネトロンスパッタ法によりAl層上に窒化チタンからなる下地層(膜厚:3000Å)を形成し、更にターゲットをアルミニウムに交換して反応性DCマグネトロンスパッタ法を実行し、AlNからなるバッファ層(膜厚:600Å)を形成した。
【0024】
当該サンプルにおける下地層(窒化チタン)の(200)面のφ(PHI)スキャンと当該サンプルにおけるバッファ層(AlN)の(10−12)面のφ(PHI)スキャンの結果から6回対称のピークが確認でき、窒化チタン及びAlNからなるバッファ層の結晶はc軸配向した単結晶であるか、若しくはこれに近い結晶であることがわかる。
これを敷衍すれば、金属窒化物、即ち窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層の上にスパッタ法により形成された第一のIII族窒化物系化合物半導体層は、その上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体を成長させるのに好ましい結晶性を有したものとなる。
また、これらの結果から、基板の材質が問われないことがわかる。
【0025】
図7は実験例1で得られたサンプルの上に更にGaN(膜厚:2.5μm)をMOCVD法(成長温度:1100℃)で形成したときの当該GaN層のX線ロッキングカーブである。その半値幅は19sであり、GaN層が高品質であることがわかる。
【0026】
実験例1において窒化チタンとAlN層の膜厚を変化させ、その上に上記条件でGaN層を形成し、このGaN層のX線ロッキングカーブを測定した。結果を表1に示す。
【表1】
【0027】
表1の結果から、窒化チタンとAlN層の膜厚の如何にかかわらず、結晶性のよいGaN層が得られた。
敷衍すれば、金属窒化物、即ち窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層の上にMOCVD法(成長温度:600〜1200℃若しくは第二のIII族窒化物系化合物半導体と同じ成長温度)によるか又はスパッタ法により第一のIII族窒化物系化合物半導体層(バッファ層)を形成するとき、両者の膜厚の如何にかかわらず、その上へ第二のIII族窒化物系化合物半導体(素子機能部分)を結晶性よく成長させることができる。
【0028】
次に、この発明の実施例について説明する。
(第1実施例)
この実施例は発光ダイオード10であり、その構成を図8に示す。
【0029】
各層のスペックは次の通りである。
層 : 組成:ドーパント (膜厚)
pクラッド層 18 : p−GaN:Mg (0.3μm)
発光層 17 : 超格子構造
量子井戸層 : In0.15Ga0.85N (35Å)
バリア層 : GaN (35Å)
量子井戸層とバリア層の繰り返し数:1〜10
nクラッド層 16 : n−GaN:Si (4μm)
バッファ層 15 : AlN (600Å)
TiN層 14 : TiN単結晶 (3000Å)
基板 11a : サファイア (300μm)
【0030】
nクラッド層16は発光層17側の低電子濃度n-層とバッファ層15側の高電子濃度n+層とからなる2層構造とすることができる。
発光層17は超格子構造のものに限定されない。発光素子の構成としてはシングルへテロ型、ダブルへテロ型及びホモ接合型のものなどを用いることができる。
発光層17とpクラッド層18との間にマグネシウム等のアクセプタをドープしたバンドギャップの広いAlXInYGa1−X−YN(X=0,Y=0,X=Y=0を含む)層を介在させることができる。これは発光層17中に注入された電子がpクラッド層18に拡散するのを防止するためである。
pクラッド層18を発光層17側の低ホール濃度p−層と電極側の高ホール濃度p+層とからなる2層構造とすることができる。
【0031】
サファイア基板のa面上にTiN14層を反応性DCマグネトロンスパッタ法により形成する。更に、ターゲットをAlに交換し、反応性DCマグネトロンスパッタ法により、AlN層を形成する。
その後、AlN、TiN/サファイアサンプルをスパッタ装置からMOCVD装置のチャンバ内へ移し変える。このチャンバ内へ水素ガスを流通させながら当該サンプルを1100℃まで昇温させて5分間維持する。
【0032】
その後、温度を1100℃に保持してnクラッド層16以降の第二のIII族窒化物系化合物半導体層を常法(MOCVD法)に従い形成する。この成長法においては、アンモニアガスとIII族元素のアルキル化合物ガス、例えばトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)やトリメチルインジウム(TMI)とを適当な温度に加熱された基板上に供給して熱分解反応させ、もって所望の結晶を基板の上に成長させる。
このようにして形成された本実施例の第二のIII族窒化物系化合物半導体層の結晶性は好ましいものである。
【0033】
透光性電極19は金を含む薄膜であり、pクラッド層18の上面の実質的な全面を覆って積層される。p電極20も金を含む材料で構成されており、蒸着により透光性電極19の上に形成される。
n電極21はエッチングにより露出されたn−GaN層16の面へ蒸着により形成される。
【0034】
図8の構成の発光ダイオード10に電流値20、50、100mAを流すと図9に示す発光(ELスペクトル)を実現した。砲弾型のケースに封入したとき、1cd以上の発光強度があった。
【0035】
(第2実施例)
第2実施例の発光ダイオード22を図10に示す。なお、第1実施例と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
層 : 組成:ドーパント (膜厚)
pクラッド層 18 : p−GaN:Mg (0.3μm)
発光層 17 : 超格子構造
量子井戸層 : In0.15Ga0.85N (35Å)
バリア層 : GaN (35Å)
量子井戸層とバリア層の繰り返し数:1〜10
nクラッド層 16 : n−GaN:Si (4μm)
バッファ層 15 : AlN (600Å)
TiN層 14 : TiN単結晶 (3000Å)
Al層 12 : Al (100Å)
基板 11 : Si(111) (300μm)
【0036】
Si(111)面に形成されるAl層は汎用的な蒸着方法やスパッタ法によりエピタキシャル成長する。
TiN層14以降の成長方法は第1実施例と同じである。
なお、Si基板層11がn電極となる。そしてその所望の位置にワイヤーがボンディングされる。
【0037】
(第3実施例)
図11にこの発明の第3の実施例の半導体素子を示す。この実施例の半導体素子は発光ダイオード32である。なお、図10と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
各層のスペックは次の通りである。
層 : 組成:ドーパント (膜厚)
nクラッド層 28 : n−GaN:Si (0.3μm)
発光層 17 : 超格子構造
量子井戸層 : In0.15Ga0.85N (35Å)
バリア層 : GaN (35Å)
量子井戸層とバリア層の繰り返し数:1〜10
pクラッド層 26 : p−GaN:Mg (4μm)
バッファ層 15 : AlN (600Å)
TiN層 14 : TiN単結晶 (3000Å)
Al層 12 : Al (100Å)
基板 11 : Si(111) (300μm)
【0038】
図11に示すように、バッファ層15の上にpクラッド層26、発光層17及びnクラッド層28を順に成長させて発光ダイオード32が構成される。この素子32の場合、抵抗値の低いnクラッド層28が最上面となるのでここの透光性電極(図10の符号19参照)を省略することが可能となる。
図の符号30はn電極である。Si基板11はそのままp電極として利用できる。
【0039】
上記の実施例では、バッファ層をDCマグネトロンスパッタ法で形成したが、これをMOCVD法等(但し、成長温度は1000℃の高温である)で形成することもできる。
本発明が適用される素子は上記の発光ダイオードに限定されるものではなく、受光ダイオード、レーザダイオード、太陽電池等の光素子の他、整流器、サイリスタ及びトランジスタ等のバイポーラ素子、FET等のユニポーラ素子並びにマイクロウェーブ素子などの電子デバイスにも適用できる。
また、これらの素子の中間体としての積層体にも本発明は適用されるものである。
【0040】
この発明は上記発明の実施の形態及び実施例の記載に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で当業者が想到し得る種々の変形態様を包含する。
【0041】
以下、次の事項を開示する
(11) 基板と、
該基板の上に形成された窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層と、
該下地層の上に形成されたIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなる積層体。
(12) 前記基板はサファイア、炭化シリコン、窒化ガリウム、シリコン、リン化ガリウム若しくは砒化ガリウムである、ことを特徴とする(11)に記載の積層体。
(13) 前記基板は立方晶材料からなり、その(111)面に前記下地層が形成される、ことを特徴とする(11)又は(12)に記載の積層体。
(14) 前記下地層と前記III族窒化物系化合物半導体層との間にチタン層が介在される、ことを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに記載の積層体。
(15) 前記III族窒化物系化合物半導体層の形成前に、前記下地層は600〜1200℃で熱処理されたものである、ことを特徴とする(11)〜(14)のいずれかに記載の積層体。
(16) 前記III族窒化物系化合物半導体層はバッファ層である、ことを特徴とする(11)〜(15)のいずれかに記載の積層体。
(17) 前記バッファ層の上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層が形成され、
前記バッファ層は前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度と実質的に同じか若しくは高温でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とする(16)に記載の積層体。
(18) 前記バッファ層はスパッタ法、蒸着法若しくはイオンプレーティング法により形成されたものである、ことを特徴とする(16)に記載の積層体。
(21) 基板の上に窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム及び窒化タンタルから選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を形成し、該下地層を600〜1200℃で熱処理し、該下地層の上にIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
(22) 前記熱処理温度は800〜1200℃である、ことを特徴とする(21)に記載の製造方法。
(23) 前記熱処理は水素雰囲気下で行われる、ことを特徴とする(21)又は(22)に記載の製造方法。
(24) 前記熱処理は真空下で行われる、ことを特徴とする(21)又は(22)に記載の製造方法。
(31) 基板と、
該基板の上に形成された窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層と、
該下地層の上に形成されたIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなる素子であって、
前記下地層は600〜1200℃で熱処理されたものである、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。
(32) 前記熱処理温度は800〜1200℃である、ことを特徴とする(31)に記載の素子。
(33) 前記熱処理は水素雰囲気下で行われる、ことを特徴とする(31)又は(32)に記載の素子。
(34) 前記熱処理は真空下で行われる、ことを特徴とする(31)又は(32)に記載の素子。
(41) 基板の上に窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化ジルコニウム及び窒化タンタルから選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を形成し、該下地層を600〜1200℃で熱処理し、該下地層の上にIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする積層体の製造方法。
(42) 前記熱処理温度は800〜1200℃である、ことを特徴とする(41)に記載の製造方法。
(43) 前記熱処理は水素雰囲気下で行われる、ことを特徴とする(41)又は(42)に記載の製造方法。
(44) 前記熱処理は真空下で行われる、ことを特徴とする(41)又は(42)に記載の製造方法。
(51) 基板と、
該基板の上に形成された窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層と、
該下地層の上に形成されたIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなる積層体であって、
前記下地層は600〜1200℃で熱処理されたものである、ことを特徴とする積層体。
(52) 前記熱処理温度は800〜1200℃である、ことを特徴とする(51)に記載の積層体。
(53) 前記熱処理は水素雰囲気下で行われる、ことを特徴とする(51)又は(52)に記載の積層体。
(54) 前記熱処理は真空下で行われる、ことを特徴とする(51)又は(52)に記載の積層体。
(61) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記下地層の上へ、その後にMOCVD法により形成される素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度と実質的に同じ温度あるいはそれより高い温度で、第一のIII族窒化物系化合物半導体からなるバッファ層をMOCVD法により形成する、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
(62) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記下地層の上へ、第1のIII族窒化物系化合物半導体からなるバッファ層を600〜1200℃の成長温度でMOCVD法により形成し、該バッファ層の上に第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
(63) 前記バッファ層の成長温度が800〜1200℃である、ことを特徴とする(62)に記載の製造方法。
(64) 前記バッファ層の成長温度が約1000℃である、ことを特徴とする(62)に記載の製造方法。
(65) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(61)〜(64)のいずれかに記載の製造方法。
(66) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(61)〜(64)のいずれかに記載の製造方法。
(67) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(61)〜(64)のいずれかに記載の製造方法。
(68) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を熱処理する、ことを特徴とする(61)〜(67)のいずれかに記載の製造方法。
(69) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(68)に記載の製造方法。
(71) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板と、
前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層は前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度と実質的に同じ温度あるいはそれより高い温度でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。
(72) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板と、
前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層は600〜1200℃の成長温度でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。
(73) 前記バッファ層の成長温度が800〜1200℃である、ことを特徴とする(72)に記載の素子。
(74) 前記バッファ層の成長温度が約1000℃である、ことを特徴とする(72)に記載の素子。
(75) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(71)〜(74)のいずれかに記載の素子。
(76) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(71)〜(74)のいずれかに記載の素子。
(77) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(71)〜(74)のいずれかに記載の素子。
(78) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を熱処理する、ことを特徴とする(71)〜(77)のいずれかに記載の素子。
(79) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(78)に記載の素子。
(81) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記下地層の上へ、その後にMOCVD法により形成される素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度と実質的に同じ温度或いはそれより高い温度で、第一のIII族窒化物系化合物半導体からなるバッファ層をMOCVD法により形成する、ことを特徴とする積層体の製造方法。
(82) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記下地層の上へ、第1のIII族窒化物系化合物半導体からなるバッファ層を600〜1200℃の成長温度でMOCVD法により形成し、該バッファ層の上に第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする積層体の製造方法。
(83) 前記バッファ層の成長温度が800〜1200℃である、ことを特徴とする(82)に記載の製造方法。
(84) 前記バッファ層の成長温度が約1000℃である、ことを特徴とする(82)に記載の製造方法。
(85) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(81)〜(84)のいずれかに記載の製造方法。
(86) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(81)〜(84)のいずれかに記載の製造方法。
(87) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(81)〜(84)のいずれかに記載の製造方法。
(88) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を熱処理する、ことを特徴とする(81)〜(87)のいずれかに記載の製造方法。
(89) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(88)に記載の製造方法。
(91)前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に素子機能部分を構成するための第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層は前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層と実質的に同じ温度あるいはそれより高い温度でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とする積層体。
(92) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板と、
前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に素子機能部分を構成するための第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層は600〜1200℃の成長温度でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とする積層体。
(93) 前記バッファ層の成長温度が800〜1200℃である、ことを特徴とする(92)に記載の積層体。
(94) 前記バッファ層の成長温度が約1000℃である、ことを特徴とする(92)に記載の積層体。
(95) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(91)〜(94)のいずれかに記載の積層体。
(96) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(91)〜(94)のいずれかに記載の積層体。
(97) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(91)〜(94)のいずれかに記載の積層体。
(98) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を熱処理する、ことを特徴とする(91)〜(97)のいずれかに記載の積層体。
(99) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(98)に記載の積層体。
(101) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルから選ばれる1種又は2種を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記下地層の上へ第一のIII族窒化物系化合物半導体層よりなるバッファ層をMOCVD法以外の方法により形成し、
前記バッファ層の上に素子機能部分となる第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。
(102) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(101)に記載の製造方法。
(103) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(101)に記載の製造方法。
(104) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(101)に記載の製造方法。
(105) 前記バッファ層はDCマグネトロンスパッタ法により形成される、ことを特徴とする(101)に記載の製造方法。
(106) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を有する基板を熱処理する、ことを特徴とする(101)〜(105)のいずれかに記載の製造方法。
(107) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(106)に記載の製造方法。
(108) 前記下地層の上に形成されたバッファ層を水素ガスとアンモニアガスとの混合ガスの雰囲気下で熱処理し、その後前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする(101)〜(107)のいずれかに記載の製造方法。
(111) 金属窒化物からなる下地層を有する基板と、
前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に形成される素子機能部分となる第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層がMOCVD法以外の方法により形成されたものである、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。
(112) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(111)に記載の素子。
(113) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(111)に記載の素子。
(114) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(111)に記載の素子。
(115) 前記バッファ層はDCマグネトロンスパッタ法により形成される、ことを特徴とする(111)に記載の素子。
(116) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を有する基板を熱処理する、ことを特徴とする(111)〜(115)のいずれかに記載の素子。
(117) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(116)に記載の素子。
(118) 前記下地層の上に形成されたバッファ層を水素ガスとアンモニアガスとの混合ガスの雰囲気下で熱処理し、その後前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする(111)〜(117)のいずれかに記載の素子。
(121) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板を準備し、
前記金属窒化物層の上へ第一のIII族窒化物系化合物半導体層よりなるバッファ層をMOCVD法以外の方法により形成し、
前記バッファ層の上に素子機能部分となる第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする積層体の製造方法。
(122) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(121)に記載の製造方法。
(123) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(121)に記載の製造方法。
(124) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(121)に記載の製造方法。
(125) 前記バッファ層はDCマグネトロンスパッタ法により形成される、ことを特徴とする(121)に記載の製造方法。
(126) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を有する基板を熱処理する、ことを特徴とする(121)〜(125)のいずれかに記載の製造方法。
(127) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(126)に記載の製造方法。
(128) 前記下地層の上に形成されたバッファ層を水素ガスとアンモニアガスとの混合ガスの雰囲気下で熱処理し、その後前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする(121)〜(127)のいずれかに記載の製造方法。
(131) 窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層を有する基板と、
前記下地層の上に形成される第一のIII族窒化物系化合物半導体層からなるバッファ層と、
該バッファ層の上に形成される素子機能部分となる第二のIII族窒化物系化合物半導体層と、を備えてなり、前記バッファ層がMOCVD法以外の方法により形成されたものである、ことを特徴とする積層体。
(132) 前記バッファ層はAlaGa1−aN(0≦a≦1)からなる、ことを特徴とする(131)に記載の積層体。
(133) 前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(131)に記載の積層体。
(134) 前記下地層は窒化チタンからなり、前記バッファ層はAlNからなる、ことを特徴とする(131)に記載の積層体。
(135) 前記バッファ層はDCマグネトロンスパッタ法により形成される、ことを特徴とする(131)に記載の積層体。
(136) 前記バッファ層を形成する前に、前記下地層を有する基板を熱処理する、ことを特徴とする(131)〜(135)のいずれかに記載の積層体。
(137) 前記熱処理は水素雰囲気若しくは真空雰囲気で行う、ことを特徴とする(136)に記載の積層体。
(138) 前記下地層の上に形成されたバッファ層を水素ガスとアンモニアガスとの混合ガスの雰囲気下で熱処理し、その後前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層を形成する、ことを特徴とする(131)〜(137)のいずれかに記載の積層体。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は窒化チタンの熱処理温度とφ(PHI)スキャンのピーク強度との関係を示すグラフ図である。
【図2】図2はサファイア基板上に形成されたTiN層の熱処理温度とGaN結晶φ(PHI)スキャンのピーク強度との関係を示すグラフ図である。
【図3】図3はSi(111)基板上にAlを介して形成されたTiN層の熱処理温度とGaN結晶φ(PHI)スキャンのピーク強度との関係を示すグラフ図である。
【図4】図4はTiN上にバッファ層を介在させてからGaN結晶を成長した場合のGaN結晶のX線ロッキングカーブである。
【図5】図5はTiN上に直接GaN結晶を成長させた場合の、GaN結晶のX線ロッキングカーブである。
【図6】図6はTiN上のバッファ層成長温度とその上のGaN結晶φ(PHI)スキャンのピーク強度との関係を示すグラフである。
【図7】図7は実験例1のAlN層の上にMOCVD法で形成されたGaN層のX線ロッキングカーブを示す。
【図8】図8はこの発明の実施例の発光ダイオードの構成を示す図である。
【図9】図9は図8の発光ダイオードの発行特性を示す。
【図10】図10はこの発明の他の実施例の発光ダイオードの構成を示す図である。
【図11】図11はこの発明の他の実施例の発光ダイオードの構成を示す図である。
【符号の説明】
10、22、32 発光ダイオード
11、11a 基板
15 バッファ層
16、26 クラッド層
17 発光層
18、28 クラッド層
19 透光性電極
Claims (6)
- 基板と、
該基板の上に形成された窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム及び窒化タンタルの中から選ばれる1種又は2種以上を含んでなる下地層と、
該下地層の上に形成されたIII族窒化物系化合物半導体層と、を備え、
前記下地層と前記 III 族窒化物系化合物半導体層との間にチタン層が介在される、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。 - 前記基板はサファイア、炭化シリコン、窒化ガリウム、シリコン、リン化ガリウム若しくは砒化ガリウムである、ことを特徴とする請求項1に記載の素子。
- 前記基板は立方晶材料からなり、その(111)面に前記下地層が形成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の素子。
- 前記III族窒化物系化合物半導体層はバッファ層である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の素子。
- 前記バッファ層の上に素子機能部分を構成する第二のIII族窒化物系化合物半導体層が形成され、
前記バッファ層は前記第二のIII族窒化物系化合物半導体層の成長温度と実質的に同じか若しくは高温でMOCVD法により形成されたものである、ことを特徴とする請求項4に記載の素子。 - 前記バッファ層はスパッタ法、蒸着法若しくはイオンプレーティング法により形成されたものである、ことを特徴とする請求項4に記載の素子。
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