JP3702441B2 - 上包み包装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業者1人で箱状内容物を包装シートにより自動的に包装する上包み包装機に関する。
詳しくは、シート搬送手段の作動によりシート供給口から包装シートを一枚ずつエレベータの上方へ搬送し、物品搬送手段の作動により物品供給口から箱状内容物を一個ずつエレベータへ搬送して、その上面が上記包装シートに突き当てられることにより胴巻きされ、この箱状内容物の両側面から突出する包装シートの張り出し端部を該側面沿いに耳折りし、包装が完了した完成品を取り出し口に排出する上包み包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の上包み包装機として、例えば実公昭59−7023号公報に開示される如く、シート供給口からエレベータへ至るシート移送路と、物品供給口からエレベータを介して取り出し口まで至る物品移送路とが、平面で直交するように配置され、物品供給口の位置を機体の手前側とすれば、これと隣り合う機体の側面にシート供給口が配置されると共に、この物品供給口の反対側である機体の奥側に取り出し口が配置されるものがある。
更に、特公平2−36444号公報に開示される如く、シート供給口からエレベータへ至るシート移送路と、物品供給口からエレベータへ至る物品移送路とが、平面で一直線状に配置されると共に、このエレベータから取り出し口に至る取り出し移送路が、上記物品移送路と平面で直交するように配置され、物品供給口の位置を機体の手前側とすれば、これと反対側である機体の奥側にシート供給口が配置され、これらと隣り合う機体の側面に取り出し口が配置されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、このような従来の上包み包装機では、物品供給口とシート供給口と取り出し口とが機体の異なる面に離れて配置されるため、作業者1人で包装作業する場合、物品供給口に箱状内容物を補給したりシート供給口に包装シートを補給する時や取り出し口から完成品を取り出す都度、夫々の作業位置まで作業者が移動しなければならず、作業者が忙しくて疲労し易く事故の原因ともなるという問題がある。
更に、作業者1人が物品供給口とシート供給口と取り出し口のどれか一つに居続けると、他の場所には同時に移動できないため、箱状内容物や包装シートの補給が途切れたり、完成品の取り出しが遅れて、これらの作業が間に合わなくなった場合には、包装作業を中断しなくてはならず、その結果、作業者1人では包装作業を連続して行えないという問題がある。
また、この種の上包み包装機では、胴合わせ部と耳折り部を液状糊で接着させており、紙質によって糊の種類を変えたり、糊の乾燥を防ぐためにカバーをしたり、糊刷毛、糊壷の煮沸清掃、糊の保管など、調整と日常メンテナンスにかなりの時間と手間を要するという問題がある。
これを防止するため、例えば特許第2510539号公報や技術雑誌「自動化技術」(昭和63年10月号)に開示される如く、糊付ガンの噴射ノズルから糊を吐出させて接着するタイプの装置もあるが、糊噴射システムの構造が複雑で高価なものになると共に、包装シートが和紙などのような吸湿性に優れた材質である場合には、粘度の低い糊を吸い込んでしまい接着できないという問題がある。
【0004】
本発明のうち請求項1記載の発明は、箱状内容物や包装シートの補給と完成品の取り出しを同じ場所で動かずに作業可能にすることを目的としたものである。請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、箱状内容物の補給タイミング及び完成品の取り出しタイミングに時間的な余裕を作ることを目的としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の発明の目的に加えて、胴合わせ部と耳折り部を最小枚数の粘着シールで閉鎖することを目的としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明の目的に加えて、粘着シールの補給を箱状内容物や包装シートの補給及び完成品の取り出しを同じ場所で作業可能にすることを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、シート供給口を機体の手前側で作業者の膝部の高さ位置と略対向する下段位置に配置して、このシート供給口からエレベータへ至るシート移送路を側面コの字形に形成し、物品供給口を機体の手前側で作業者の腹部の高さ位置と略対向する中段位置に配置して、この物品供給口からエレベータを介して取り出し口まで至る物品移送路を側面コの字形に形成し、この取り出し口を機体の手前側で作業者の顔部の高さ位置と略対向する上段位置に配置したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記物品供給口には、複数個の箱状内容物を積み上げ保持して最下位のものからエレベータへ供給する供給ホッパーが設けられ、取り出し口には、包装が完了した完成品を順次積み上げて保持する積み上げ手段が設けられる構成を加えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に、前記箱状内容物の両側面に沿って耳折りした包装シートの張り出し端部の先端に、一枚ずつ繰り出された粘着シールの一半部を貼り付ける粘着シール供給手段と、その他半部を箱状内容物の底面に沿った胴合わせ部分に貼り付ける積み上げ手段とを備えた構成を加えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に、前記粘着シール供給手段を機体の手前側に配置した構成を加えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
請求項1の発明は、機体の手前側に集中させてシート供給口と物品供給口と取り出し口が、上下方向へ三段階に高さ位置を変えて配置されることにより、作業者は機体の手前側から離れることなく箱状内容物の補給作業と完成品の取り出し作業が行え、更に腰を屈めるだけで包装シートの補給作業も行えるものである。請求項2の発明は、請求項1記載の構成に対して、前記物品供給口には、複数個の箱状内容物を積み上げ保持して最下位のものからエレベータへ供給する供給ホッパーが設けられ、取り出し口には、包装が完了した完成品を順次積み上げて保持する積み上げ手段が設けられる構成を追加したので、供給ホッパーに複数個の箱状内容物を一度にまとめて補給すると共に、積み上げ手段で積み上げられた複数個の完成品をまとめて取り出すことにより、箱状内容物を一個ずつ補給して完成品を一個ずつ取り出すものに比べ、箱状内容物の補給作業と完成品の取り出し作業に掛かる時間が短縮される。
請求項3の発明は、請求項2記載の構成に対して、前記箱状内容物の両側面に沿って耳折りした包装シートの張り出し端部の先端に、一枚ずつ繰り出された粘着シールの一半部を貼り付ける粘着シール供給手段と、その他半部を箱状内容物の底面に沿った胴合わせ部分に貼り付ける積み上げ手段とを備えた構成を追加したので、耳折りした包装シートの張り出し端部と、箱状内容物の底面に沿った胴合わせ部分とが一枚の粘着シールにより連結固定される。
請求項4の発明は、請求項3記載の構成に対して、前記粘着シール供給手段を機体の手前側に配置した構成を追加したので、機体の手前側で粘着シール供給手段に粘着シールが補給される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1〜図5に示す如く、シート供給口P1に堆積した包装シートAが、シート搬送手段1を構成する垂直吸引ベルトコンベヤ13と水平吸引ベルトコンベヤ15との作動により、側面コの字形のシート移送路T1に沿ってエレベータ24の昇降途中に一枚ずつ搬送され、物品供給口P2に積み重ねた箱状内容物Bが、物品搬送手段2を構成する水平コンベヤ23及びエレベータ24と胴折り手段3のプッシャ34と耳折り手段4の水平コンベヤ41の作動により、側面コの字形の物品移送路T2に沿って取り出し口P3へ搬送されると共に、積み上げ手段6の作動により、包装が完了した完成品Dを順次積み上げて保持するものである。
更に本実施例では、胴巻き工程が完了した箱状内容物Bを上記水平コンベヤ41の作動により取り出し口P3へ向けて水平搬送しながら、箱状内容物Bの両側面B5から夫々四角筒状に突出する包装シートAの各張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5を、耳折り手段4により該側面B5沿いに内方へ耳折りして上フラップA6が形成され、これに続いて粘着シール供給手段5及び積み上げ手段6の作動により、この上フラップA6の先端に粘着シールCの一半部C1を貼り付けた後、これを折り下げて該粘着シールCの他半部C2が、箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7に貼り付けられた場合を示している。
【0008】
上記シート供給口P1は、機体Mの手前側、即ち作業者Wの立ち位置に近い前面側M1で作業者Wの膝部W1の高さ位置と略対向する下段位置に配置され、そこには、引き出しカセット11を機体Mの底面M1に対して前後横方向へ往復動自在に設ける。
この引き出しカセット11内には、所定寸法に裁断された包装シートA…を、その幅方向中央が機械の包装中心とを位置合わせさせて堆積し、これらはレベルセンサ(図示せず)の検出信号で最上位高さ位置を常に一定に保つよう制御している。
本実施例の場合には、後述する箱状内容物Bの有無を感知するセンサー22から出力される有り信号に基づいてシート繰り出し機構(図示せず)が作動開始することにより、最上位の包装シートAのみを一枚繰り出して、その先端部を送りローラ12,12の間に送り込み、これら送りローラ12,12の回転によりシート搬送手段1の垂直吸引ベルトコンベヤ13へ向けて送る。
【0009】
この垂直吸引ベルトコンベヤ13は、図2に示す如く横U字形に案内する2つの90度湾曲部14a,14bを有する隙間ガイド14に沿って配設され、その作動により隙間ガイド14に挿入された包装シートAを吸着して、90度湾曲部14a,14b沿いに二回方向変更させ、その下流側に配置された水平吸引ベルトコンベヤ15に受け渡す。
この水平吸引ベルトコンベヤ15は、後述するエレベータ24の昇降路24aと交差するように左右一対配設され、その作動により垂直吸引ベルトコンベヤ13から受け取った包装シートAを所定位置まで水平搬送して、その中央部分がエレベータ24の昇降途中を横断するよう水平状に待機させる。
【0010】
一方、前記物品供給口P2は、機体Mの手前側M1で作業者Wの腹部W2の高さ位置と略対向する中段位置に配置され、そこには、複数個の箱状内容物B…を積み上げて保持する供給ホッパー21が設され、この供給ホッパー21の下端開口には、箱状内容物Bの有無を感知するセンサー22と物品搬送手段2の水平コンベヤ23が設けられる。
【0011】
この水平コンベヤ23は、箱状内容物Bの有無を感知するセンサー22から出力される有り信号に基づいて作動制御され、この有り信号を入力すると作動開始して、ベルトの突起により供給ホッパー21内に保持された最下位の箱状内容物Bを一個ずつ掻き出すと共に、下限位置で待機するエレベータ24の上へ水平搬送する。
【0012】
このエレベータ24は、その上に箱状内容物Bが受け渡されると、前記包装シートAの到着タイミングに合わせて上昇を開始し、該エレベータ24の昇降途中で水平に待機した包装シートAの中央部分に対し、箱状内容物Bの上面B1を突き当てて胴巻きし、更に後述する胴折り手段3のラッチ31,31より上方へ押し上げる。
【0013】
上記胴折り手段3は、前記エレベータ24の昇降途中で水平吸引ベルトコンベヤ15より上方位置に箱状内容物Bの前面B2及び背面B3と対向して夫々出没動自在に配設した前後一対のラッチ31,31と、これらラッチ31,31の上に支持された箱状内容物Bの前面B2及び背面B3に対向当接する前後一対の保持ガイド32,32と、該箱状内容物Bの底面B4に沿って前後方向へ往復動自在に配設した底折り移動ガイド33、該箱状内容物Bの底面B2の背面B3と対向して前後方向へ往復動自在に配設したプッシャ34と、このプッシャ34により押送された箱状内容物Bの底面B4と対向して配設した底折り固定ガイド35と、箱状内容物Bの上面B1と対向当接するアッパーガイド36からなる。
【0014】
上記ラッチ31,31は、図3(a)に示す如く前記エレベータ24の上昇で胴巻きされた箱状内容物Bの前面B2及び背面B3と包装シートAを介して弾性的に圧接させることにより、これら前面B2及び背面B3と包装シートAとの位置関係がズレないように位置決めし、その後、図3(b)に示す如く上昇中の底面B4が通過するのと同時に該底面B4に沿って互いに突出させることにより、底面B4の前後2つの角部に沿って胴折りする。
【0015】
上記底折り移動ガイド33は、図3(c)に示す如くラッチ31,31の上に支持された箱状内容物Bの底面B4に沿って前方へ突出することにより、底面B4の前後角部のどちらか一方、図示例では後側角部から垂れ下がる包装シートAの一端部A1を底面B4に沿って折り込む。
【0016】
上記プッシャ34は、図3(d)に示す如ぐ上記底折り移動ガイド33の底折り動作に若干遅れて前方へ突出することにより、箱状内容物Bの底面B4に当接して後述する耳折り手段4の水平コンベヤ41に向けて押送する。
この押送に伴って、前側の保持ガイド32が前方へ倒れ、底面B4の前後角部のどちらか他方、図示例では前側角部から垂れ下がる包装シートAの他端部A2を、底折り固定ガイド35に突き当てて底面B4沿いに折り込み、先に底折り移動ガイド33で折り込まれた一端部A1の外側に重ね合わせ、後述する胴合わせ部分A7が形成される。
【0017】
これにより、胴巻き工程が完了し、箱状内容物Bの両側面B5から包装シートAの張り出し端部が夫々四角筒状に突出する。
なお、本実施例の場合には、包装シートAの張り出し端部の張り出し長さが、箱状内容物Bの高さ寸法より長くになるように設定している。
【0018】
上記耳折り手段4は、本実施例の場合、箱状内容物Bの両側面B5から夫々四角筒状に突出する包装シートAの各張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5を、該側面B5沿いに内方へ耳折りして上フラップA6を形成するものであり、その構成は特開平5−65118号公報に記載された耳折り装置と略同じ構造である。
【0019】
詳しく説明すれば、耳折り手段4は、胴巻き工程が完了した箱状内容物B及び包装シートAの各張り出し端部を水平搬送する水平コンベヤ41と、各張出し端部の下面A3と対向する上下動自在な折り上げガイド42と、張出し端部の前後側面A4,A5と対向する水平方向へ接離動自在な前後一対の折り込みガイド43,43とからなる。
【0020】
そして、図4(a)に示す如く上記水平コンベヤ41の突起で包装シートAの各張り出し端部を水平搬送し、この搬送中に先ず図4(b)に示す如く折り上げガイド42が上動して下面A3の中央部を折り上げ、その後、図4(c)に示す如く折り上げガイド42が下動してから折り込みガイド43,43が互いに接近する方向へ移動して前後側面A4,A5が内折りされることにより、図4(d)に示す如く略三角形状の上フラップA6が形成される。
【0021】
その後は、折り込んだ各張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5を折り込みガイド43で押さえ込んだまま、水平コンベヤ41と協働して後述する粘着シール供給手段5のフラップ案内ガイド51まで水平搬送し、このフラップ案内ガイド51の上に上フラップA6が乗る。
【0022】
この粘着シール供給手段5は、各張り出し端部の上フラップA6の先端に、一枚ずつ繰り出された粘着シールCの一半部C1を貼り付けるもので、後述する積み上げ手段6と共に取り出し口P3に配設され、この取り出し口P3は、機体Mの手前側M1で作業者Wの顔部W3の高さ位置と略対向する上段位置に配置される。
【0023】
上記粘着シール供給手段5は、各張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5及び上フラップA6と対向当接する断面逆L字形に形成された上下方向へ往復動自在なフラップ案内ガイド51と、このフラップ案内ガイド51へ向けて粘着シールCを一枚ずつ繰り出すシール繰り出し部52と、このシール繰り出し部52から繰り出された粘着シールCの非粘着面に沿って固定配置されたシール押さえガイド53とからなる。
【0024】
上記フラップ案内ガイド51は、その初期状態で図4(d)及び図5(a)に示す如く上フラップA6を下から支える下限位置で待機しており、後述する積み上げ手段6の昇降台61と同期して上昇させ、上記シール押さえガイド53との間に上フラップA6を挟み込む上限位置に到達した後は、初期状態に戻す。
【0025】
上記シール繰り出し部52は、図5(a)に示す如く多数の粘着シールC…が等間隔で貼着された剥離紙を、反転ガイド52aに沿わせながらロール52bから所定長さずつ間欠的に繰り出すことにより、各粘着シールCの一半部C1のみを部分的に剥離して、フラップ案内ガイド51上の上フラップA6の先端と対向して待機させる。
【0026】
更に、上記積み上げ手段6は、上フラップA6を折り下げてその先端に貼り付けられた各粘着シールCの他半部C2を、箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7に貼り付けると共に、包装が完了した完成品Dを順次積み上げて保持するものである。
詳しくは、前記耳折り手段4の水平コンベヤ41から受け渡された箱状内容物B及び上フラップA6を押し上げる上下方向へ往復動自在な昇降台61と、この昇降台61の昇降途中に箱状内容物Bの前面B2及び背面B3と対向して夫々出没動自在に配設した前後一対の折り下げガイド62と、これら折り下げガイド62の上端に形成された箱状内容物Bの底面B4の前後角部と嵌め合う前後一対のラッチ63と、包装が完了した完成品Dを順次積み上げて保持する積み上げホッパー64とからなる。
【0027】
そして、これら粘着シール供給手段5及び積み上げ手段6は、図5(a)に示す如く耳折り手段4の水平コンベヤ41から箱状内容物Bが昇降台61上に受け渡されて上フラップA6がフラップ案内ガイド51の上に乗った後、図5(b)に示す如く昇降台61とフラップ案内ガイド51が同期して上昇させ、このフラップ案内ガイド51とシール押さえガイド53とで、上フラップA6の先端及びシール繰り出し部52から一枚繰り出しされた粘着シールCの一半部C1を挟み付けることにより、該上フラップA6の膨らみを潰しながらその先端に粘着シールCの一半部C1を貼り付ける。
【0028】
この挟み込み状態で、昇降台61の上昇は一時停止して粘着シールCの貼り付け作業を確実なものとし、その後、図5(c)に示す如くフラップ案内ガイド51は下降するが、昇降台61は2度目の上昇を開始することにより、上フラップA6が折り下げガイド62に突き当てて、箱状内容物Bの両側回B5沿いに張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5の外側に重ねて折り下げられる。
【0029】
その後も昇降台61は上昇し続け、図5(d)に示す如く箱状内容物Bの底面B4の前後角部がラッチ63の高さ位置まで押し上げることにより、これらラッチ63は箱状内容物Bへ向け常時弾性的に付勢されているため、底面B4の前後角部が両ラッチ63を越えると、折り下げられた上フラップA6の先端近くが箱状内容物Bの底面B4の前後角部に沿って折り込まれると同時に両ラッチ63により保持され、その直後に昇降台61を所定高さ位置まで下降させる。
【0030】
その後、図5(e)に示す如く昇降台61が3度目の上昇を開始することにより、ラッチ63から垂れ下がった状態にある上フラップA6の先端及びそれに貼り付けられた粘着シールCの他半部C2が下方から押し上げられて、図3(d)及び図4(a)に示す箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7に貼り付ける。
【0031】
また、本実施例では、これから包装する箱状内容物Bの前後幅寸法、左右長さ寸法、上下高さ寸法を操作パネル(図示せず)に入力することにより、電子制御装置(図示しない)の演算機能を使用して、この箱状内容物Bを包むに必要な包装シートAの前後幅寸法、左右長さ寸法が操作パネルの画面に表示されるように構成されている。
この入力した箱状内容物Bの外径寸法に対応して、シート搬送手段1、物品搬送手段2、胴折り手段3、耳折り手段4及び積み上げ手段6は、自動的に変更調整されるように構成されている。
これに伴って、作業者Wは上記操作パネルの画面に示された大きさの包装シートAを用意して包装作業に取り掛かる。
【0032】
次に、斯かる上包み包装機の作動について説明する。
先ず、図1に示す如く箱状内容物Bを供給ホッパー21に供給すると、図2に示すセンサー22から有り信号が出力されて、シート繰り出し機構と、物品搬送手段2の水平コンベヤ23が同時に起動して、箱状内容物Bは水平コンベヤ23により供給ホッパー21から掻き出されてエレベータ24に送られる。
【0033】
これと同時にシート繰り出し機構が、包装シートAを引き出しカセット11内から1枚繰り出し、送りローラ12,12でシート搬送手段1の垂直吸引ベルトコンベヤ13及び隙間ガイド14に送り込む。
送り込まれた包装シートAは、90度湾曲部14a,14bに沿って二回方向変更し、その後は水平吸引ベルトコンベヤ15により水平搬送されて、エレベータ24の昇降途中を横断するよう水平状に待機する。
【0034】
一方、上記水平コンベヤ23により下限位置で待機するエレベータ24の上に送られた箱状内容物Bは、包装シートAの到着にタイミングを合わせてエレベータ24により上昇する。
それにより、図3(a)(b)に示す如く包装シートAに突き当たって胴折り手段3のラッチ31,31の間を上昇し、箱状内容物Bの上面B1、前面B2及び背面B3沿いに胴折りされ、保持ガイド32,32で保持される。
【0035】
胴折り保持された箱状内容物Bは、図3(c)(d)に示す如く底折り移動ガイド33、プッシャ34及び底折り固定ガイド35で包装シートAが箱状内容物Bの底面B4に胴合わせされ、これと同時に該箱状内容物Bの両側面B5から包装シートAの張り出し端部が夫々四角筒状に突出する。
【0036】
その後、各張り出し端部の下面A3、前後側面A4,A5が、図4(a)〜(c)に示す如く耳折り手段4の折り上げガイド42及び折り込みガイド43,43により内折りされて、残りの上面が略三角形状に折り込まれて上フラップA6となる。
【0037】
上フラップA6が形成された箱状内容物Bは、図5(b)に示す如く粘着シール供給手段5のフラップ案内ガイド51と積み上げ手段6の昇降台61との同期上昇により、シール押さえガイド53とで挟み付けられて上フラップA6の先端に粘着シールCの一半部C1が貼られる。
更なる昇降台61の上昇により、図5(c)(d)に示す如く折り下げガイド62で上フラップA6が折り下げられ、その後、両ラッチ63により、この折り下げられた1フラップA6の先端近くが箱状内容物Bの底面B4の前後角部に沿って折り込まれると同時に保持される。
【0038】
これら両ラッチ63で保持された箱状内容物Bの底面B4から垂れ下がった状態にある上フラップA6の先端及びそれに貼り付けられた粘着シールCの他半部C2が、図5(e)に示す如く昇降台61の再上昇により、箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7に押し付けられて貼り付ける。
【0039】
それにより、包装が完了して完成品Dとなり、両ラッチ63上に支持され、それ以降、上述した作動が繰り返されることにより、積み上げホッパー64内に順次積み上げて保持される。
【0040】
その結果、機体Mの手前側M1に集中させてシート供給口P1と物品供給口P2と取り出し口P3が、上下方向へ三段階に高さ位置を変えて配置されることにより、作業者Wは機体Mの手前側M1から離れることなく箱状内容物Bの補給作業と完成品Dの取り出し作業が行え、更に腰を屈めるだけで包装シートAの補給作業も行える。
従って、箱状内容物Bや包装シートAの補給と完成品Dの取り出しを同じ場所で動かずに作業できる。
更に粘着シール供給手段5を、機体Mの手前側M1に配置すれば、粘着シール供給手段5への粘着シールCの補給も箱状内容物Bや包装シートAの補給及び完成品Dの取り出しを同じ場所で作業できるという利点がある。
【0041】
また本実施例の場合には、供給ホッパー21に複数個の箱状内容物Bを一度にまとめて補給すると共に、積み上げ手段6で積み上げられた複数個の完成品D…をまとめて取り出すことにより、箱状内容物Bを一個ずつ補給して完成品Dを一個ずつ取り出すものに比べ、箱状内容物Bの補給作業と完成品Dの取り出し作業に掛かる時間が短縮される。
従って、箱状内容物Bの補給タイミング及び完成品Dの取り出しタイミングに時間的な余裕を作れ、作業者Wが1人でも箱状内容物Bの補給途切れや完成品Dの取り出し遅れにより包装作業が中断されず、その結果、作業者1人でも余裕を持って包装作業が連続して行えるという利点がある。
【0042】
また更に、耳折りした包装シートAの張り出し端部(上フラップ)A6と、箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7とが一枚の粘着シールCにより連結固定される。
従って、胴合わせ部と耳折り部を最小枚数の粘着シールで閉鎖できて、粘着シールCの枚数が少ないから経済的で開封し易いという利点もある。
【0043】
尚、前示実施例では、垂直吸引ベルトコンベヤ13と水平吸引ベルトコンベヤ15との作動により、側面コの字形のシート移送路T1に沿って包装シートAが搬送され、水平コンベヤ23とエレベータ24とプッシャ34と水平コンベヤ41の作動により、側面コの字形の物品移送路T2に沿って箱状内容物Bが取り出し口P3へ搬送される場合を示したが、これに限定されず、これら以外の移送手段で包装シートA及び箱状内容物Bを搬送しても良い。
【0044】
更に、耳折りした包装シートAの張り出し端部(上フラップ)A6と、箱状内容物Bの底面B4に沿った胴合わせ部分A7とが一枚の粘着シールCにより連結固定する場合を示したが、これに限定されず、耳折りした包装シートAの張り出し端部A1〜A4を粘着シールCで箱状内容物Bの側面B5に貼り付けたり、糊付けしても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、機体の手前側に集中させてシート供給口と物品供給口と取り出し口が、上下方向へ三段階に高さ位置を変えて配置されることにより、作業者は機体の手前側から離れることなく箱状内容物の補給作業と完成品の取り出し作業が行え、更に腰を屈めるだけで包装シートの補給作業も行えるので、箱状内容物や包装シートの補給と完成品の取り出しを同じ場所で動かずに作業できる。
従って、物品供給口とシート供給口と取り出し口とが機体の異なる面に離れて配置される従来のものに比べ、作業者1人で包装作業しても、箱状内容物や包装シートを補給したり、完成品を取り出すために夫々の作業位置まで作業者が移動する必要が無くなり、作業者が忙しくなくて疲労し難く事故の発生を著しく低下できると共に、これらの移動が原因となる箱状内容物の補給途切れや完成品の取り出し遅れにより包装作業が中断されず、作業効率を向上できる。
その結果、作業者1人でも十分に包装作業が連続して行える。
【0046】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、供給ホッパーに複数個の箱状内容物を一度にまとめて補給すると共に、積み上げ手段で積み上げられた複数個の完成品をまとめて取り出すことにより、箱状内容物を一個ずつ補給して完成品を一個ずつ取り出すものに比べ、箱状内容物の補給作業と完成品の取り出し作業に掛かる時間が短縮されるので、箱状内容物の補給タイミング及び完成品の取り出しタイミングに時間的な余裕を作れる。
従って、作業者が1人でも箱状内容物の補給途切れや完成品の取り出し遅れにより包装作業が中断されず、その結果、作業者1人でも余裕を持って包装作業が連続して行える。
【0047】
請求項3の発明は、請求項2の発明の効果に加えて、耳折りした包装シートの張り出し端部と、箱状内容物の底面に沿った胴合わせ部分とが一枚の粘着シールにより連結固定されるので、胴合わせ部と耳折り部を最小枚数の粘着シールで閉鎖できる。
従って、粘着シールの枚数が少ないから経済的で開封し易いと共に、糊を使わないから、糊付ガンの噴射ノズルから糊を吐出させて接着する従来のものに比べ、構造が簡素化して安価にできると共に、包装シートが和紙などのような吸湿性に優れた材質であっても確実に接着できる。
【0048】
請求項4の発明は、請求項3の発明の効果に加えて、機体の手前側で粘着シール供給手段に粘着シールが補給されるので、粘着シールの補給を箱状内容物や包装シートの補給及び完成品の取り出しを同じ場所で作業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す上包み包装機の縦断側面図で包装工程の概略を示している。
【図2】 シート搬送手段と物品搬送手段の一部を示す斜視図である。
【図3】 (a)〜(d)は、胴巻き工程を部分的に拡大して示す縦断側面図である。
【図4】 (a)〜(d)は、耳折り工程を部分的に拡大して示す斜視図である。
【図5】 (a)〜(e)は、粘着シールによる閉鎖工程を部分的に拡大して示す縦断正面図である。
【符号の説明】
A 包装シート A3 張り出し端部(下面)
A4 張り出し端部(前側面) A5 張り出し端部(後側面)
A6 張り出し端部(上フラップ) A7 胴合わせ部分
B 箱状内容物 B1 上面
B5 側面 C 粘着シール
C1 一半部 C2 他半部
D 完成品 P1 シート供給口
P2 物品供給口 P3 取り出し口
T1 シート移送路 T2 物品移送路
M 機体 M1 手前側
W 作業者 W1 膝部
W2 腹部 W3 顔部
1 シート搬送手段 2 物品搬送手段
21 供給ホッパー 24 エレベータ
5 粘着シール供給手段 6 積み上げ手段
Claims (4)
- シート搬送手段(1)の作動によりシート供給口(P1)から包装シート(A)を一枚ずつエレベータ(24)の上方へ搬送し、物品搬送手段(2)の作動により物品供給口(P2)から箱状内容物(B)を一個ずつエレベータ(24)へ搬送して、その上面(B1)が上記包装シート(A)に突き当てられることにより胴巻きされ、この箱状内容物(B)の両側面(B5)から突出する包装シート(A)の張り出し端部(A3〜A6)を該側面(B5)沿いに耳折りし、包装が完了した完成品(D)を取り出し口(P3)に排出する上包み包装機において、前記シート供給口(P1)を機体(M)の手前側(M1)で作業者(W)の膝部(W1)の高さ位置と略対向する下段位置に配置して、このシート供給口(P1)からエレベータ(24)へ至るシート移送路(T1)を側面コの字形に形成し、物品供給口(P2)を機体(M)の手前側(M1)で作業者(W)の腹部(W2)の高さ位置と略対向する中段位置に配置して、この物品供給口(P2)からエレベータ(24)を介して取り出し口(P3)まで至る物品移送路(T2)を側面コの字形に形成し、この取り出し口(P3)を機体(M)の手前側(M1)で作業者(W)の顔部(W3)の高さ位置と略対向する上段位置に配置したことを特徴とする上包み包装機。
- 前記物品供給口(P2)には、複数個の箱状内容物(B)を積み上げ保持して最下位のものからエレベータ(24)へ供給する供給ホッパー(21)が設けられ、取り出し口(P3)には、包装が完了した完成品(D)を順次積み上げて保持する積み上げ手段(6)が設けられる請求項1記載の上包み包装機。
- 前記箱状内容物(B)の両側面(B5)に沿って耳折りした包装シート(A)の張り出し端部(A6)の先端に、一枚ずつ繰り出された粘着シール(C)の一半部(C1)を貼り付ける粘着シール供給手段(5)と、その他半部(C2)を箱状内容物(B)の底面(B4)に沿った胴合わせ部分(A7)に貼り付ける積み上げ手段(6)とを備えた請求項2記載の上包み包装機。
- 前記粘着シール供給手段(5)を機体(M)の手前側(M1)に配置した請求項3記載の上包み包装機。
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