JP3700513B2 - 浴槽水循環装置 - Google Patents

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Devices For Medical Bathing And Washing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、足浴や全身浴等を行うための、家庭用浴槽又は公共用浴槽の浴槽水等に、炭酸ガスを溶解させて温浴効果、血行促進効果等を発揮させるようにした浴槽水循環装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽水循環装置は、浴槽内の浴槽水を循環することで、浴槽水の温度分布を均一に維持することを基本機能とし、更にヒーターを具備することにより浴槽水の温度を一定に保つことができるものである。
【0003】
これまでの浴槽水循環装置としては、ジェットバスに代表される様に、浴槽水循環装置の循環流路中に空気吸引口を設け、エゼクター効果により浴槽水中に空気を混入させて、浴槽内へ吐出するシステムが主流であった。
【0004】
これに対して、浴槽水に溶解した炭酸ガスの血行促進効果等に着眼して、ガスや石油などを燃料とし、バーナーなどで燃焼させて発生する排気ガスを浴槽水に直接接触させて、排気ガスに含まれる炭酸ガスを浴槽水中に溶解させる方法(例えば特開平4-257612号公報、特開平5-137662号公報等に記載)が提示されている。また、陽極が炭素質電極からなる電解電極槽を具備し、この電解電極槽の電極間に電圧を印加して、電気分解にて生成される炭酸ガスを浴槽水中に溶解させる方法(例えば特開平8-196456号公報等に記載)も提示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のジェットバスでは、浴槽水中に混入する気泡が空気の気泡であるため、炭酸ガスの気泡に比して温浴効果や血行促進効果が低いものであった。
【0006】
また、燃料を燃焼させて排気ガスを浴槽水中に溶解させる方法においては、排気ガスが約800℃と高温ガスなので炭酸ガスの溶解効率は低く、炭酸ガス以外の硫黄酸化物や窒素酸化物等が混入し、また燃料を燃焼させるため燃焼部が高温となることから安全性に問題があるうえ、システムがかなり大きなものとなるといった問題点を有していた。
【0007】
更に、炭素質電極からなる電解電極槽を具備したシステムにおいては、電極の炭素が溶解して炭酸ガスを生成させることから、電極寿命が短く、また、短時間に炭酸ガスを高濃度に生成することが困難であるといった問題点を抱えていた。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、簡単な構成で、効率的に炭酸ガスを大量に浴槽水中に混合することができ、浴槽水に温浴効果、血行促進効果等を発揮させることができる浴槽水循環装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る浴槽水循環装置は、吸水口と吐水口が浴槽1内に接続された循環流路2と、循環流路2に浴槽水を循環させるポンプ3と、循環流路2を循環する浴槽水に供給される酸性水が陽極室23内において生成される有隔膜電解電極槽12と、循環流路2を循環する浴槽水に供給される炭酸塩が充填された炭酸塩溶解槽19とを具備し、前記循環流路2から分岐すると共にこの分岐点から下流側において前記循環流路2と合流する支流路33を設け、支流路33の配管途中に前記有隔膜電解電極槽12と前記炭酸塩溶解槽19とを配設して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、炭酸塩溶解槽19として、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムの少なくともいずれかが充填されたものを具備して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、有隔膜電解電極槽12の陽極室23を、炭酸塩溶解槽19の上流側に配設して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項に記載の発明は、請求項1又は2のいずれかの構成に加えて、浴槽水が流通する流路を上流側において分岐すると共に、この分岐された各流路の一方の配管途中に有隔膜電解電極槽12の陽極室23を、他方の配管途中に炭酸塩溶解槽19をそれぞれ配設し、この分岐された流路を下流側にて合流させて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、炭酸塩溶解槽19内に浴槽水が供給される流入口29を、炭酸塩溶解槽19から炭酸塩が混入された浴槽水が導出される流出口30よりも下方に設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、循環流路2の配管途中に、循環流路2を循環する浴槽水を加熱するヒーター6を配設して成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、有隔膜電解電極槽21にて生成された酸性水と、炭酸塩溶解槽19に充填されている炭酸塩とを混合した後、有隔膜電解電極槽12にて生成されたアルカリ水と混合することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1に、本発明における有隔膜電解電極槽12と炭酸塩溶解槽19を具備した浴槽水循環装置の配管構成を示す。
【0019】
浴槽1内の浴槽水中には、吸水口と吐水口とを兼ねる吸・吐水口7を配設し、循環流路2の一端をこの吸・吐水口7に接続すると共に、他端もこの吸・吐水口7に接続している。この循環流路2の配管途中には上流側から下流側にかけて、順に、ポンプ3、ヒーター6が設けられ、ヒーター6の下流において再び吸・吐水口7に接続されるものであり、循環流路2は吸・吐水口7とポンプ3とを接続する吸水流路2a、ポンプ3とヒーター6とを接続する中間流路2b、及びヒーター6と吸・吐水口とを接続する吐水流路2cとから構成される。中間流路2bは、上流側から下流側にかけて、順に、導入流路4、主流路5、混合流路28に分割される。
【0020】
循環流路2からは、ポンプ3の下流側における中間流路2bからバイパス流路8が分岐するように設けられている。ここで、バイパス流路8は、導入流路4が下流側において主流路5とバイパス流路8とに分岐するように設けられている。このバイパス流路8の下流側の端部は、有隔膜電解槽12に接続されている。またこのバイパス流路8の配管途中には、第一開閉弁9が配設されている。
【0021】
ここで、有隔膜タイプの電解槽である有隔膜電解電極槽12の内部は、隔膜15にて陰極室22と陽極室23との二つの電極室に仕切られており、バイパス流路8の下流側の端部は陰極導入路10と陽極導入路11とに分岐されて、陰極導入路10が陰極室22に、陽極導入路11が陽極室23にそれぞれ接続されている。陰極室22及び陽極室23には、白金を主体とした不溶性電極板からなる電極である陰極13と陽極14とが、それぞれ隔膜15を介して対向配置されている。この有隔膜電解電極槽12において、各電極室22,23内に浴槽水が供給されている状態で一対の電極13,14間に電圧が印加されると、水の電気分解により陽極14からは酸素と水素イオン(H+)、陰極13からは水素と水酸化物イオン(OH-)がそれぞれ発生し、陽極室23内にて酸性水が生成されると共に、陰極室22内にてアルカリ水が生成される。
【0022】
陰極13が配設されている陰極室22の下流側からは、陰極水供給路16が導出されて設けられている。
【0023】
一方、陽極14が配設されてる陽極室23の下流側からは、陽極水供給路17が導出されて設けられている。この陽極水供給路17の下流側の端部は、炭酸塩溶解槽9に接続されており、この陽極水供給路17の配管途中には、第二開閉弁18が配設されている。
【0024】
ここで、炭酸塩溶解槽19の内部には、炭酸塩を充填するためのメッシュ状の充填筒21が装着されているものであり、炭酸塩溶解槽19内に浴槽水が供給されている状態では、炭酸塩溶解槽19の内面と充填筒21との間の隙間には、炭酸塩溶液が滞留する。炭酸塩溶解槽19に充填する炭酸塩としては、取り扱いが容易な炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。これらの炭酸塩は、常温で潮解することなく、かつ皮膚への刺激が少ないものであり、そのため炭酸塩溶解槽19において炭酸塩を常温で安定に保持することができると共に、皮膚に接触しても安全で、取り扱いが容易なものである。
【0025】
また、炭酸塩溶解槽19の下流側からは、炭酸ガス供給路20が導出されて設けられている。
【0026】
ここで、上流側において炭酸塩溶解槽19に接続されている陽極水供給路17は、炭酸塩溶解槽19の側面下部に流入口29において接続されており、一方、下流側において炭酸塩溶解槽19に接続されている炭酸ガス供給路20は、炭酸塩溶解槽19の側面上部に流出口30において接続されている。このように、炭酸塩溶解槽19には、炭酸塩溶解槽内に浴槽水が供給される流入口29が、炭酸塩溶解槽19から炭酸塩が溶解された浴槽水が導出される流出口30よりも下方に設けられている。
【0027】
陰極水供給路16と炭酸ガス供給路20とは、下流側において合流されており、この二つの流路の合流点から下流側に形成されてる混合水供給路27は、その下流側の端部が中間流路2bの主流路5に、バイパス流路11との分岐点よりも下流側において接続されることで、循環流路2に合流している。ここで、混合水供給路27は、主流路5と合流して混合流路28に接続されるように、循環流路2に合流している。
【0028】
上記のバイパス流路8、陰極水供給路16、陽極水供給路17、炭酸ガス供給路20及び混合水供給路28によって、循環流路2から分岐すると共にこの分岐点から下流側において循環流路2と合流する支流路33が構成されている。
【0029】
ここで、第一開閉弁9、第二開閉弁18の各開閉弁は、電磁弁、電動弁等にて形成することができる。
【0030】
また図7に示すように、この浴槽水循環装置には入力操作部32と制御回路31からなる制御部を具備するものである。
【0031】
入力操作部32は外部からの使用者の操作による入力動作に応じた所定の入力信号を制御回路31に出力するものである。
【0032】
また、制御回路31は、配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6、各開閉弁9,18に接続されている。そして、制御回路31には、使用者が入力操作部32を操作することにより入力操作部32から入力された入力信号に基づいて、配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6、各開閉弁9,18に制御信号を出力することにより、これらの動作を制御するものである。
【0033】
ここで、制御回路31は、入力操作部32から入力される入力信号が記憶されるメモリ等の記憶手段と、記憶手段に記憶されている入力信号を演算処理することにより所定の制御信号を導出する演算手段と、演算手段にて導出された制御信号を配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6又は各開閉弁9,18に出力する出力手段にて構成されている。演算手段と出力手段は、所定の入力信号に対して特定の制御信号を出力する演算回路にて構成することができる。また演算手段と出力手段は、コンピュータプログラムを格納するメモリ等の記憶手段と、この記憶手段に格納されているコンピュータプログラムに従って動作するコンピュータにて構成することもできる。
【0034】
このように、操作部32と制御回路31とから構成される制御部は、浴槽水浄化装置の動作制御を行なう制御手段として設けられている。この動作制御については、後に詳述する。
【0035】
図2は上記の構成を有する本発明の有隔膜電解電極槽12と炭酸塩溶解槽19を具備した浴槽水循環装置において、炭酸ガスの生成を行わない浴槽水の循環時における装置内の浴槽水の流れを矢印で示すと共に、第一開閉弁9、第二開閉弁18の各弁のうち、閉状態となっている箇所を黒く塗りつぶすことで明示したものである。
【0036】
図2に示すように、炭酸ガスの生成を行わない浴槽水の循環時においては、第一開閉弁9、第二開閉弁18を閉状態とするものである。この時ポンプ3を作動させると、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の全部は循環流路2のみをそのまま流れ、ヒータ8にて加熱され、吸・吐水口7から浴槽1内へ返送されるものである。
【0037】
図3は炭酸ガスの生成を行う浴槽水の循環時における装置内の浴槽水の流れを矢印で示したものである。図3に示すように、炭酸ガスの生成を行う浴槽水の循環時においては、第一開閉弁9、第二開閉弁18を共に開状態とするものである。
【0038】
この時ポンプ3を作動させると、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の一部は中間流路2bの主流路5を経由し、ヒータ8にて加熱され、吸・吐水口7から浴槽1内へ返送されることにより、循環流路2を流通するものである。
【0039】
また、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の残りの一部は、中間流路2bの導入流路4からバイパス流路8に流入することにより、支流路33に流入する。支流路33に流入した浴槽水は、バイパス流路8を経由し、更に陰極導入路10と陽極導入路11に分岐して流入し、有隔膜電解電極槽12の陰極室22、陽極室23にそれぞれ流入する。
【0040】
陰極室22に流入した浴槽水は電気分解で生成された水素や水酸化物イオンと混合されてアルカリ水として調製され、陰極水供給路16に流入する。
【0041】
一方、陽極室23に流入した浴槽水には電気分解で生成された酸素や水素イオンが混入されて酸性水として調製される。この酸性水は、陽極室23から導出されて陽極水供給路17に流入し、更に炭酸塩溶解槽19に流入して、炭酸塩溶解槽19内で溶解した炭酸塩が混合された後、炭酸ガス供給路20に流入する。このため、炭酸ガス供給路20内において、炭酸塩が混合された酸性水中で炭酸塩と水素イオンとの中和反応(CO3 2-+2H+ → H2O+CO2)が進行して炭酸ガスが生成される。この炭酸ガスは、浴槽水中に分散された状態で炭酸ガス供給路20内を流通する。
【0042】
そして、陰極水供給路16と炭酸ガス供給路20とが合流して混合水供給路27に接続されていることにより、陰極水供給路16を流通する浴槽水(アルカリ水)と、炭酸ガス供給路20を流通する浴槽水(炭酸ガスが発生した酸性水)とは、混合水供給路27内で合流して混合され、炭酸ガスを含むと共にアルカリ性にシフトした混合水が調製される。
【0043】
更に、混合流路27と主流路5とが合流して混合流路27が循環流路2に合流することにより、混合水が循環流路2を循環する浴槽水に供給されて混合され、循環流路2を循環する浴槽水に炭酸ガスが混入されると共にこの浴槽水がアルカリ性にシフトする。この浴槽水は、混合流路28からヒーター6に供給されることにより加熱され、更に吐出流路2cを通じて吸・吐水口7から浴槽1内に返送されるものである。
【0044】
ここで、有隔膜電解電極槽12において、陽極14と陰極13間に電圧を印加して、陽極室23内にて酸素と水素イオンを生成すると共に陰極室22内で水素と水酸化物イオンとを生成するにあたっては、各電極室22,23内に浴槽水が供給された状態で電極13,14間に電圧を印加するものである。
【0045】
電極13,14間に電圧を印加するにあたっては、図2に示すように各開閉弁9,18を共に閉状態として浴槽水が循環流路2のみを流通する状態となっているときに、電極13,14間に電圧を印加した後、図3に示すように各開閉弁9,18を開状態として浴槽水を循環流路2のみならず支流路33にも流通させるように制御するバッチ方式を採用することができる。この場合は、電圧の印加時には陰極室22内に高濃度のアルカリ水が、陽極室23内に高濃度の酸性水がそれぞれ生成するものである。そして、電圧の印加後、図3に示すように各開閉弁9,18を開状態とすることにより、各電極室22,23にそれぞれ浴槽水を供給し、陰極室22内で高濃度のアルカリ水と浴槽水とが混合されて適当な濃度のアルカリ水が調製されると共に、陽極室23内で高濃度の酸性水と浴槽水とが混合されて適当な濃度の酸性水が調製されるものである。
【0046】
また、電極13,14間に電圧を印加するにあたっては、図3に示すように各開閉弁9,18を開状態として浴槽水を循環流路2のみならず支流路33にも流通させた状態で、電圧13,14間に電圧を印加するように制御する連続方式を採用することもできる。この場合は、水素と水酸化物イオンが連続的に生成されている陰極室22には浴槽水が連続的に流入すると共に、陰極室22に流入した浴槽水が陰極室22から連続的に導出されることとなり、このとき浴槽水には水素と水酸化物イオンが順次混入されて、アルカリ水として調製される。一方、酸素と水素イオンが連続的に生成されている陽極室23には浴槽水が連続的に流入すると共に、陽極室23に流入した浴槽水が陽極室23から連続的に導出されることとなり、このとき浴槽水には酸素と水素イオンが順次混入されて、酸性水として調製される。
【0047】
上記のようにして、有隔膜電解電極12や開閉弁9,18を制御するにあたり、開閉弁9,18を開状態とする時間を制御することにより、炭酸塩溶解槽19における炭酸塩の溶出量及び酸性水の流出量を制御することができ、これにより炭酸ガスの発生量を制御することができる。特に、第二開閉弁18を開状態とする時間を制御することは、炭酸塩溶解槽19に充填された炭酸塩が無駄に溶出することを防止して、炭酸塩溶解槽19へ炭酸塩を補充する頻度を低減することができるという効果がある。
【0048】
このように、本実施形態の浴槽水循環装置は、循環流路2を循環する浴槽水に供給される酸性水が陽極室23内において生成される有隔膜電解電極槽12と、循環流路2を循環する浴槽水に供給される炭酸塩が充填された炭酸塩溶解槽19とが、支流路33の配管途中に設けられている。そのため、循環流路2を循環する浴槽水中に酸性水と炭酸塩とが反応することにより生成する炭酸ガスを供給して、この炭酸ガスを浴槽1内に供給することができる。この炭酸ガスは、血行促進や温浴の効果と皮膚の洗浄効果とを有するものであり、本実施形態では、このような炭酸ガスを、浴槽1内に大量に且つ簡便に供給することができるものである。
【0049】
しかも、支流路33において浴槽水が炭酸塩溶解槽19や有隔膜電解電極槽12を通過することにより圧損を生じても、循環流路2においては充分な浴槽水の循環流量が確保され、吸・吐水口7からはヒーター6によって加熱されると共に炭酸ガスが分散され、更にアルカリ性にシフトされた浴槽水が充分な流速及び流量にて吐出されることとなる。従って、この吐出された浴槽水に水流により、浴槽1内の浴槽水に効率よく水流を発生させ、浴槽水を効率よく加熱すると共に水温を均一化し、更に浴槽水中に炭酸ガスを効率よく分散させることができるものである。
【0050】
また、本実施形態では、有隔膜電解電極槽12の陽極室23を、炭酸塩溶解槽19の上流側に配設している。これは、有隔膜電解電極槽12の陽極室23に炭酸塩が供給されることをがないようにして、陽極室23内において酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生を防止し、陽極14への炭酸ガスの付着による電解効率の低下を防止するためである。
【0051】
また、有隔膜電解電極槽12の陽極室23にて生成された酸性水と、炭酸塩溶解槽19に充填されている炭酸塩とが混合されることによって調製される炭酸ガスを含む浴槽水と、有隔膜電解電極槽12の陰極室22にて生成されたアルカリ水とを混合して混合水を調製し、この混合水を浴槽1内に返送される浴槽水と混合させているので、酸性水と炭酸塩とを効果的に反応させて、炭酸ガスの発生効率を上げることができるうえ、有隔膜電解電極槽12の陰極室22から流出するアルカリ水を排水することなく、浴槽1に返送される浴槽水の流路に戻すことで、浴槽水の水量は低下することないものである。しかも、酸性水中の水素イオンは炭酸ガスの生成のために消費されているので、混合水はアルカリ性となっており、浴槽1内にこのような混合水を供給することによって、浴槽1内の浴槽水の水質をより効果的にアルカリ側に維持でき、入浴による清浄効果を高めることができるものである。
【0052】
また、循環流路2には、混合流路28の下流側における配管途中にヒーター6を設けることにより、混合水が混合されて炭酸ガスを含むと共にアルカリ性シフトされた浴槽水をヒーター6によって加熱し、この浴槽水を吐水流路2を通じて吸・吐水口7から浴槽1内に供給することができるものである。従って、浴槽1内の浴槽水を加熱すると共に、吸・吐水口7から噴出される浴槽水の水流による撹拌効果により浴槽1内における浴槽水の水温を均一化し、更には吸・吐水口7から噴出される浴槽水に含まれる炭酸ガスを浴槽1内に均一に分散させて、温浴効果を更に高めることができるものである。また循環流路1を循環する浴槽水の水温も高く維持されることとなるから、有隔膜電解電極槽12に供給される浴槽水の水温も高く維持され、有隔膜電解槽12における電解効率を向上させて酸性水及びアルカリ水の生成効率を向上させることができ、そのため炭酸ガスの発生効率や、浴槽水をアルカリ性にシフトさせる効率も向上するものであり、浴槽1中の浴槽水の温浴効果を更に高めることができるものである。
【0053】
(実施形態2)
図4に、本発明における有隔膜電解電極槽12と炭酸塩溶解槽19を具備した浴槽水循環装置の配管構成を示す。
【0054】
浴槽1内の浴槽水中には、吸水口と吐水口とを兼ねる吸・吐水口7を配設し、循環流路2の一端をこの吸・吐水口7に接続すると共に、他端もこの吸・吐水口7に接続している。この循環流路2の配管途中には上流側から下流側にかけて、順に、ポンプ3、ヒーター6が設けられ、ヒーター6の下流において再び吸・吐水口7に接続されるものであり、循環流路2は吸・吐水口7とポンプ3とを接続する吸水流路2a、ポンプ3とヒーター6とを接続する中間流路2b、及びヒーター6と吸・吐水口とを接続する吐水流路2cとから構成される。中間流路2bは、上流側から下流側にかけて、順に、導入流路4、主流路5、混合流路28に分割される。
【0055】
循環流路2からは、ポンプ3の下流側における中間流路2bからバイパス流路8が分岐するように設けられている。ここで、バイパス流路8は、導入流路4が下流側において主流路5とバイパス流路8とに分岐するように設けられている。このバイパス流路8の下流側の端部は、有隔膜電解槽12に接続されている。またこのバイパス流路8の配管途中には、第一開閉弁9が配設されている。
【0056】
ここで、有隔膜タイプの電解槽である有隔膜電解電極槽12の内部は、隔膜15にて陰極室22と陽極室23との二つの電極室に仕切られており、バイパス流路8の下流側の端部は陰極導入路10と陽極導入路11とに分岐されて、陰極導入路10が陰極室22に、陽極導入路11が陽極室23にそれぞれ接続されている。陰極室22及び陽極室23には、白金を主体とした不溶性電極板からなる電極である陰極13と陽極14とが、それぞれ隔膜15を介して対向配置されている。この有隔膜電解電極槽12において、各電極室22,23内に浴槽水が供給されている状態で一対の電極13,14間に電圧が印加されると、水の電気分解により陽極14からは酸素と水素イオン(H+)、陰極13からは水素と水酸化物イオン(OH-)がそれぞれ発生し、陽極室23内にて酸性水が生成されると共に、陰極室22内にてアルカリ水が生成される。
【0057】
陰極13が配設されている陰極室22の下流側からは、陰極水供給路16が導出されて設けられている。
【0058】
一方、陽極14が配設されている陽極室23の下流側からは、陽極水供給路17が導出されて設けられている。
【0059】
また、バイパス流路8からは、その第一開閉弁9よりも上流側の配管途中から、複バイパス流路24が分岐して設けられており、この複バイパス流路の下流側の端部は、炭酸塩溶解槽19に接続されている。この複バイパス流路24の配管途中には、第三開閉弁25が配設されている。
【0060】
ここで、炭酸塩溶解槽19の内部には、炭酸塩を充填するためのメッシュ状の充填筒21が装着されているものであり、炭酸塩溶解槽19内に浴槽水が供給されている状態では、炭酸塩溶解槽19の内面と充填筒21との間の隙間には、炭酸塩溶液が滞留する。炭酸塩溶解槽19に充填する炭酸塩としては、取り扱いが容易な炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。これらの炭酸塩は、常温で潮解することなく、かつ皮膚への刺激が少ないものであり、そのため炭酸塩溶解槽19において炭酸塩を常温で安定に保持することができると共に、皮膚に接触しても安全で、取り扱いが容易なものである。
【0061】
また、炭酸塩溶解槽19の下流側からは、炭酸塩供給路26が導出されて設けられている。
【0062】
ここで、上流側において炭酸塩溶解槽19に接続されている複バイパス流路24は、炭酸塩溶解槽19の側面下部に流入口29において接続されており、一方、下流側において炭酸塩溶解槽19に接続されている炭酸塩供給路26は、炭酸塩溶解槽19の側面上部に流出口30において接続されている。このように、炭酸塩溶解槽19には、炭酸塩溶解槽19内に浴槽水が供給される流入口29が、炭酸塩溶解槽19から炭酸塩が溶解された浴槽水が導出される流出口30よりも下方に設けられている。
【0063】
陽極水供給路17と炭酸塩供給路26とは、下流側において合流されており、この二つの流路の合流点から下流側には、炭酸ガス供給路20が形成されている。
【0064】
更に、陰極水供給路16と炭酸ガス供給路20とは、下流側において合流されており、この二つの流路の合流点から下流側に形成されてる混合水供給路27は、その下流側の端部が中間流路2bの主流路5に、バイパス流路11との分岐点よりも下流側において接続されることで、循環流路2に合流している。ここで、混合水供給路27は、主流路5と合流して混合流路28に接続されるように、循環流路2に合流している。
【0065】
上記のバイパス流路8、複バイパス流路24、陰極水供給路16、陽極水供給路17、炭酸塩供給路26、炭酸ガス供給路20及び混合水供給路28によって、循環流路2から分岐すると共にこの分岐点から下流側において循環流路2と合流する支流路33が構成されている。
【0066】
ここで、第一開閉弁9、第三開閉弁25の各開閉弁は、電磁弁、電動弁等にて形成することができる。
【0067】
また図7に示すように、この浴槽水循環装置には入力操作部32と制御回路31からなる制御部を具備するものである。
【0068】
入力操作部32は外部からの使用者の操作による入力動作に応じた所定の入力信号を制御回路31に出力するものである。
【0069】
また、制御回路31は、配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6、各開閉弁9,25に接続されている。そして、制御回路31には、使用者が入力操作部32を操作することにより入力操作部32から入力された入力信号に基づいて、配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6、各開閉弁9,25に制御信号を出力することにより、これらの動作を制御するものである。
【0070】
ここで、制御回路31は、入力操作部32から入力される入力信号が記憶されるメモリ等の記憶手段と、記憶手段に記憶されている入力信号を演算処理することにより所定の制御信号を導出する演算手段と、演算手段にて導出された制御信号を配管上のポンプ3、有隔膜電解電極槽12、ヒーター6又は各開閉弁9,25に出力する出力手段にて構成されている。演算手段と出力手段は、所定の入力信号に対して特定の制御信号を出力する演算回路にて構成することができる。また演算手段と出力手段は、コンピュータプログラムを格納するメモリ等の記憶手段と、この記憶手段に格納されているコンピュータプログラムに従って動作するコンピュータにて構成することもできる。
【0071】
このように、操作部32と制御回路31とから構成される制御部は、浴槽水浄化装置の動作制御を行なう制御手段として設けられている。この動作制御については、後に詳述する。
【0072】
図5は上記の構成の本発明の有隔膜電解電極槽12と炭酸塩溶解槽19を具備した浴槽水循環装置において、炭酸ガスの生成を行わない浴槽水の循環時における装置内の浴槽水の流れを矢印で示すと共に、第一開閉弁9、第三開閉弁25の各弁のうち、閉状態となっている箇所を黒く塗りつぶすことで明示したものである。
【0073】
図5に示すように、炭酸ガスの生成を行わない浴槽水の循環時においては、第一開閉弁9、第三開閉弁25を共に閉状態とするものである。この時ポンプ3を作動させると、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の全部は循環流路2のみをそのまま流れ、ヒータ8にて加熱され、吸・吐水口7から浴槽1内へ返送されるものである。
【0074】
図6は炭酸ガスの生成を行う浴槽水の循環時における装置内の浴槽水の流れを矢印で示したものである。
【0075】
図6に示すように、炭酸ガスの生成を行う浴槽水の循環時においては、第一開閉弁9、第三開閉弁25を開状態とするものである。
【0076】
この時ポンプ3を作動させると、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の一部は中間流路2bの主流路5を経由し、ヒータ8にて加熱され、吸・吐水口7から浴槽1内へ返送されることにより、循環流路2を流通するものである。
【0077】
また、吸・吐水口7からポンプ3にて吸引された浴槽水の残りの一部は、中間流路2bの導入流路4からバイパス流路8に流入することにより、支流路33に流入する。
【0078】
支流路33に流入した浴槽水の一部は、バイパス流路8をそのまま流通し、更に陰極導入路10と陽極導入路11に分岐して流入し、有隔膜電解電極槽12の陰極室22、陽極室23にそれぞれ流入する。
【0079】
また支流路33に流入した浴槽水の残りの一部は、バイパス流路8から分岐する複バイパス流路24に流入し、炭酸塩溶解槽19に供給される。
【0080】
陽極室23に流入した浴槽水は電気分解で生成された酸素や水素イオンと混合されて酸性水として調製され、陽極水供給路17に流入する。
【0081】
一方、陰極室22に流入した浴槽水は電気分解で生成された水素や水酸化物イオンと混合されてアルカリ水として調製され、陰極水供給路16に流入する。
【0082】
また炭酸塩溶解槽19に流入された浴槽水には、炭酸塩溶解槽19内で溶解した炭酸塩が混入され、炭酸塩供給路26に流入する。
【0083】
そして、陽極水供給路17と炭酸塩供給路26とが合流して炭酸ガス供給路20に接続されていることにより、陽極水供給路17を流通する浴槽水と、炭酸塩供給路26を流通する浴槽水とが炭酸ガス供給路20内において合流して混合され、炭酸塩と水素イオンとの中和反応(CO3 2-+2H+ → H2O+CO2)が進行して炭酸ガスが生成される。この炭酸ガスは、浴槽水中に分散された状態で炭酸ガス供給路20内を流通する。
【0084】
また、陰極水供給路16と炭酸ガス供給路20とが合流して混合水供給路27に接続されていることにより、陰極水供給路16を流通する浴槽水と、炭酸ガス供給路20を流通する浴槽水とは、混合水供給路27内で合流して混合され、炭酸ガスを含むと共にアルカリ性にシフトした混合水が得られる。
【0085】
更に、混合流路27と主流路5とが合流して混合流路27が循環流路2に合流されることにより、混合水が循環流路2を循環する浴槽水に供給されて混合され、この混合水が混合された浴槽水は、混合流路28に流入する。この浴槽水はヒーター6に供給されることにより加熱され、更に吐出流路2cを通じて吸・吐水口7から浴槽1内に返送されるものである。
【0086】
ここで、有隔膜電解電極槽12において、陽極14と陰極13間に電圧を印加して、陽極室23内にて酸素と水素イオンを生成すると共に陰極室22内で水素と水酸化物イオンとを生成するにあたっては、各電極室22,23内に浴槽水が供給された状態で電極13,14間に電圧を印加するものである。
【0087】
電極13,14間に電圧を印加するにあたっては、図5に示すように各開閉弁9,25を共に閉状態として浴槽水が循環流路2のみを流通する状態となっているときに、電極13,14間に電圧を印加した後、図6に示すように各開閉弁9,25を開状態として浴槽水を循環流路2のみならず支流路33にも流通させるように制御するバッチ方式を採用することができる。この場合は、まず電圧の印加時に陰極室22内に高濃度のアルカリ水が、陽極室23内に高濃度の酸性水がそれぞれ生成するものである。そして、電圧の印加後、図6に示すように各開閉弁9,25を開状態とすることにより、各電極室22,23にそれぞれ浴槽水を供給し、陰極室22内で高濃度のアルカリ水と浴槽水とが混合されて適当な濃度のアルカリ水が調製されると共に、陽極室23内で高濃度の酸性水と浴槽水とが混合されて適当な濃度の酸性水が調製されるものである。
【0088】
また、電極13,14間に電圧を印加するにあたっては、図5に示すように各開閉弁9,25を開状態として浴槽水を循環流路2のみならず支流路33にも流通させた状態で、電圧13,14間に電圧を印加するように制御する連続方式を採用することもできる。この場合は、水素と水酸化物イオンが連続的に生成されている陰極室22には浴槽水が連続的に流入すると共に、陰極室22に流入した浴槽水が陰極室22から連続的に導出されることとなり、このとき浴槽水には水素と水酸化物イオンが順次混入されて、アルカリ水として調製される。一方、酸素と水素イオンが連続的に生成されている陽極室23には浴槽水が連続的に流入すると共に、陽極室23に流入した浴槽水が陽極室23から連続的に導出されることとなり、このとき浴槽水には酸素と水素イオンが順次混入されて、酸性水として調製される。
【0089】
上記のようにして、有隔膜電解電極12や開閉弁9,25を制御するにあたり、開閉弁9,25を開状態とする時間を制御することにより、炭酸塩溶解槽19における炭酸塩の溶出量及び有隔膜電解電極槽12からの酸性水の流出量を制御することができ、これにより炭酸ガスの発生量を制御することができる。特に、第三開閉弁25を開状態とする時間を制御することは、炭酸塩溶解槽19に充填された炭酸塩が無駄に溶出することを防止して、炭酸塩溶解槽19へ炭酸塩を補充する頻度を低減することができるという効果がある。
【0090】
このように、本実施形態の浴槽水循環装置は、循環流路2を循環する浴槽水に供給される酸性水が陽極室23内において生成される有隔膜電解電極槽12と、循環流路2を循環する浴槽水に供給される炭酸塩が充填された炭酸塩溶解槽19とが、支流路33の配管途中に設けられている。そのため、循環流路2を循環する浴槽水中に酸性水と炭酸塩とが反応することにより生成する炭酸ガスを供給して、この炭酸ガスを浴槽1内に供給することができる。この炭酸ガスは、血行促進や温浴の効果と皮膚の洗浄効果とを有するものであり、本実施形態では、このような炭酸ガスを、浴槽1内に大量に且つ簡便に供給することができるものである。
【0091】
しかも、支流路において浴槽水が炭酸塩溶解槽19や有隔膜電解電極槽12を通過することにより圧損を生じても、循環流路2においては充分な浴槽水の循環流量が確保され、吸・吐水口7からはヒーター6によって加熱されると共に炭酸ガスが分散され、更にアルカリ性にシフトされた浴槽水が充分な流速及び流量にて吐出されることとなる。従って、この吐出された浴槽水に水流により、浴槽1内の浴槽水に効率よく水流を発生させ、浴槽水を効率よく加熱すると共に水温を均一化し、更に浴槽水中に炭酸ガスを効率よく分散させることができるものである。
【0092】
また、本実施形態では、支流路33において、浴槽水が流通する流路を上流側において三系統の流路に分岐し、この分岐された各流路のうちの一つの配管途中に有隔膜電解電極槽12の陽極室23が、他の配管途中に有隔膜電解電極槽12の陰極室22が、残りの配管途中に炭酸塩溶解槽19が、それぞれ配設されるようになっている。そして、下流側において、まず有隔膜電解電極槽12の陽極室23の下流側に配設された陽極水供給路17と、炭酸塩溶解槽19が配設された炭酸塩供給路26とが合流するようになっている。そのため、この二つの流路が合流した炭酸ガス供給路20において、陽極室23にて生成される酸性水と、炭酸塩溶解槽19に充填されている炭酸塩とを、陽極室23及び炭酸塩溶解槽19の外部にて混合して炭酸ガスを生成することができるものである。そのため、有隔膜電解電極槽12の陽極室23に炭酸塩が供給されることがなくなり、陽極室23内において酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生を防止して、陽極14への炭酸ガスの付着による電解効率の低下を防止することができるものである。しかも炭酸塩溶解槽19内においても酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生が防止されるものであり、そのため、炭酸塩溶解槽19内での炭酸ガスの滞留・蓄積を防止し、炭酸ガスの発生効率の低下を防ぐことができるものである。
【0093】
更に、陰極室22の下流側に配設された陰極水供給路16と、炭酸ガス供給路20とが合流して混合水供給路27に接続されることにより、炭酸ガスを含む浴槽水とアルカリ水とを混合して混合水を調製し、更に混合水供給路27を循環流路2に合流させて混合水を浴槽1内に返送される浴槽水と混合させているので、酸性水と炭酸塩とを効果的に反応させて、炭酸ガスの発生効率を上げることができるうえ、有隔膜電解電極槽12の陰極室22から流出するアルカリ水を排水することなく、浴槽1に返送される浴槽水の流路に戻すことで、浴槽水の水量は低下することがないものである。しかも、酸性水中の水素イオンは炭酸ガスの生成のために消費されているので、混合水はアルカリ性となっており、浴槽1内にこのような混合水を供給することによって、浴槽1内の浴槽水の水質をより効果的にアルカリ側に維持でき、入浴による清浄効果を高めることができるものである。
【0094】
また、循環流路2には、混合流路28の下流側における配管途中にヒーター6を設けることにより、混合水が混合されて炭酸ガスを含むと共にアルカリ性にシフトされた浴槽水をヒーター6によって加熱し、この浴槽水を吐水流路2を通じて吸・吐水口7から浴槽1内に供給することができるものである。従って、浴槽1内の浴槽水を加熱すると共に、吸・吐水口7から噴出される浴槽水の水流による撹拌効果により浴槽1内における浴槽水の水温を均一化し、更には吸・吐水口7から噴出される浴槽水に含まれる炭酸ガスを浴槽1内に均一に分散させて、温浴効果を更に高めることができるものである。また循環流路1を循環する浴槽水の水温も高く維持されることとなるから、有隔膜電解電極槽12に供給される浴槽水の水温も高く維持され、有隔膜電解槽12における電解効率を向上させて酸性水及びアルカリ水の生成効率を向上させることができ、そのため炭酸ガスの発生効率や、浴槽水をアルカリ性にシフトさせる効率も向上するものであり、浴槽1中の浴槽水の温浴効果を更に高めることができるものである。
【0095】
上記のような各実施形態の浴槽水循環装置では、有隔膜電解電極槽12における電極13,14には、定期的に通常の運転時とは逆向きの電圧を印加することにより、電極13,14の表面に付着したスケール(無機化合物)の除去を行うことが好ましい。
【0096】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る浴槽水循環装置は、吸水口と吐水口が浴槽内に接続された循環流路と、循環流路に浴槽水を循環させるポンプと、循環流路を循環する浴槽水に供給される酸性水が陽極室内において生成される有隔膜電解電極槽と、循環流路を循環する浴槽水に供給される炭酸塩が充填された炭酸塩溶解槽とを具備するため、循環流路を循環する浴槽水中に酸性水と炭酸塩とが反応することにより生成する炭酸ガスを供給して、この炭酸ガスを浴槽内に供給することができるものであり、血行促進や温浴の効果と皮膚の洗浄効果を有する炭酸ガスを、浴槽内に大量に且つ簡便に供給することができるものである。
また、循環流路から分岐すると共にこの分岐点から下流側において循環流路と合流する支流路を設け、支流路の配管途中に有隔膜電解電極槽と炭酸塩溶解槽とを配設するため、有隔膜電解電極槽と炭酸塩溶解槽における浴槽水の圧損が発生しても、循環流路を循環する浴槽水の循流量を充分に確保することができ、浴槽内の浴槽水に充分な水流を発生させて、浴槽内の浴槽水の水温の均一化と、浴槽内の浴槽水への炭酸ガスの分散とを効率よく行ない、充分な血行促進や温浴の効果を得ることができるものである。
【0097】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、炭酸塩溶解槽として、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムの少なくともいずれかが充填されたものを具備するため、炭酸塩溶解槽に充填されている炭酸塩は常温で潮解することなく、かつ皮膚への刺激が少ないものであり、炭酸塩溶解槽において炭酸塩を常温で安定に保持することができると共に、皮膚に接触しても安全で、取り扱いが容易なものである。
【0099】
また請求項に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、有隔膜電解電極槽の陽極室を、炭酸塩溶解槽の上流側に配設するため、有隔膜電解電極槽の陽極室に炭酸塩が供給されることがなくなり、陽極室内において酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生を防止して、陽極への炭酸ガスの付着による電解効率の低下を防止することができるものである。
【0100】
また請求項に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、浴槽水が流通する流路を上流側において分岐すると共に、この分岐された各流路の一方の配管途中に有隔膜電解電極槽の陽極室を、他方の配管途中に炭酸塩溶解槽をそれぞれ配設し、この分岐された流路を下流側にて合流させたため、陽極室にて生成される酸性水と、炭酸塩溶解槽に充填されている炭酸塩とを、陽極室及び炭酸塩溶解槽の下流側における陽極室及び炭酸塩溶解槽の外部にて混合して炭酸ガスを生成することができ、有隔膜電解電極槽の陽極室に炭酸塩が供給されることがなくなり、陽極室内において酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生を防止して、陽極への炭酸ガスの付着による電解効率の低下を防止することができるものであり、しかも炭酸塩溶解槽内において酸性水と炭酸塩の反応による炭酸ガスの発生を防止して、炭酸塩溶解槽内での炭酸ガスが滞留・蓄積を防止し、炭酸ガスの発生効率の低下を防ぐことができるものである。
【0101】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、炭酸塩溶解槽内に浴槽水が供給される流入口を、炭酸塩溶解槽から炭酸塩が混入された浴槽水が導出される流出口よりも下方に設けるため、炭酸塩溶解槽に炭酸ガスが混入したり、炭酸塩溶解槽内で酸性水と炭酸塩が反応して炭酸ガスが発生したりしても、炭酸塩溶解槽内での炭酸ガスの滞留を防止して、炭酸ガスを炭酸塩溶解槽外に流出させることができ、炭酸ガスの発生効率の低下を抑制することができるものである。
【0102】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、循環流路の配管途中に、循環流路を循環する浴槽水を加熱するヒーターを配設するため、浴槽水の水温を高く維持することができ、有隔膜電解槽における電解効率を向上させると共に、浴槽中の浴槽水の温浴効果を更に高めることができるものである。
【0103】
また請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかの構成に加えて、有隔膜電解電極槽にて生成された酸性水と、炭酸塩溶解槽に充填されている炭酸塩とを混合した後、有隔膜電解電極槽にて生成されたアルカリ水と混合するため、酸性水と炭酸塩とを効果的に反応させて、炭酸ガスの発生効率を上げることができるうえ、有隔膜電解電極槽から流出するアルカリ水を排水することなく流路に戻すことで、浴槽水の水量は低下することなく、また浴槽内の浴槽水の水質をより効果的にアルカリ側に維持できるので、入浴による清浄効果を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す概略図である。
【図2】同上の動作を示す概略図である。
【図3】同上の他の動作を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態2を示す概略図である。
【図5】同上の動作を示す概略図である。
【図6】同上の他の動作を示す概略図である。
【図7】実施形態1における浴槽水浄化システムの制御機構の模式図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 循環流路
3 ポンプ
6 ヒーター
12 有隔膜電解電極槽
19 炭酸塩溶解槽
23 陽極室
29 流入口
30 流出口

Claims (7)

  1. 吸水口と吐水口が浴槽内に接続された循環流路と、循環流路に浴槽水を循環させるポンプと、循環流路を循環する浴槽水に供給される酸性水が陽極室内において生成される有隔膜電解電極槽と、循環流路を循環する浴槽水に供給される炭酸塩が充填された炭酸塩溶解槽とを具備し、前記循環流路から分岐すると共にこの分岐点から下流側において前記循環流路と合流する支流路を設け、支流路の配管途中に前記有隔膜電解電極槽と前記炭酸塩溶解槽とを配設して成ることを特徴とする浴槽水循環装置。
  2. 炭酸塩溶解槽として、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムの少なくともいずれかが充填されたものを具備して成ることを特徴とする請求項1に記載の浴槽水循環装置。
  3. 有隔膜電解電極槽の陽極室を、炭酸塩溶解槽の上流側に配設して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽水循環装置。
  4. 浴槽水が流通する流路を上流側において分岐すると共に、この分岐された各流路の一方の配管途中に有隔膜電解電極槽の陽極室を、他方の配管途中に炭酸塩溶解槽をそれぞれ配設し、この分岐された流路を下流側にて合流させて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽水循環装置。
  5. 炭酸塩溶解槽内に浴槽水が供給される流入口を、炭酸塩溶解槽から炭酸塩が混入された浴槽水が導出される流出口よりも下方に設けて成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の浴槽水循環装置
  6. 循環流路の配管途中に、循環流路を循環する浴槽水を加熱するヒーターを配設して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浴槽水循環装置。
  7. 有隔膜電解電極槽にて生成された酸性水と、炭酸塩溶解槽に充填されている炭酸塩とを混合した後、有隔膜電解電極槽にて生成されたアルカリ水と混合することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浴槽水循環装置。
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