JP3699818B2 - 紙葉類区分装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は区分情報が付与された紙葉類を区分情報に従い区分する紙葉類区分装置および紙葉類を集積する紙葉類集積装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙葉類集積装置の中で、特に切手や封筒の折り返しなどに後続の書状が引っかからないことを目的としたものとして、例えば実公平5−27392公報に記載された書状の集積装置がある。ここでは、郵便書状を集積する集積装置において、書状を集積部へ導入するゲートを作業者側を厚くする構成の書状の集積装置が示されている。それにより、投入する書状と集積された書状とを傾けて、引っかかりを少なくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ゲートを厚くすることにより、ゲートの重量が増すため、ゲートの動作が遅くなる、またゲートを駆動するアクチュエータ(ソレノイドなど)をより強力なものに変更するなどの問題が発生する。
【0004】
まずゲートの動作が遅くなると、搬送する書状同士の間隔を広げなければならないので単位時間あたりの処理通数が減少する。また、処理通数を確保するため搬送速度を増加すると、書状が破損しやすくなる。
【0005】
アクチュエータをより強力なものに変更すると、当然ながらコストの増加を招く。
【0006】
そこで、本発明の装置では、特に近年増加している宛名などを透過して見るために窓部を有する書状に対して後続の書状が引っかかり頻度を低減することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
区分情報を有する紙葉類について、紙葉類を順次供給する供給部と、紙葉類を搬送する搬送路と、紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、紙葉類を集積する複数の集積部と、紙葉類を複数の集積部に振り分けるゲートとを少なくとも有する紙葉類区分装置であって、複数の集積部を配置する基準面となるベース部材もしくは集積部の外周を構成する枠部材のうちベース部材と略平行な面に、紙葉類を集積する集積空間に突出する突起を有する前記集積部であって、突起は集積空間の前記紙葉類の厚み方向を包含するように設けられ、紙葉類の搬送方向先端側の前枠部材から紙葉類の搬送方向長さの半分までの範囲に設けられているものとした。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の紙葉類区分装置の実施形態の一例である書状区分機の概略図である。本発明の装置で取り扱う紙葉類の一例は、葉書や封書などの定形の郵便書状である。
【0009】
まず、第1の実施形態について以下に説明する。
【0010】
図1に示す書状区分機50は、書状1に記された宛名やバーコードなどの区分情報を読取り、この区分情報によって書状の区分処理を行うものである。
【0011】
この書状区分機50の構成要素を説明する。
【0012】
2は、厚み方向に重ねられた書状1を運搬するホッパである。3は、書状1を1通ずつ順次供給する供給部である。供給部3は、例えば、穴の開いたベルトを用いて、穴を通じてエアを吸引して書状1をベルトに吸着し、ベルトを移動することにより、書状1を1通ずつ分離して供給する構成となっている。なお、図1において供給部3は書状1を下側へ供給する構成になっているが、本実施形態において供給方向は上側など、いずれであってもかまわない。
【0013】
4は、書状1を搬送する搬送路であり、例えば対向するベルトにより書状1を挟持して搬送する。5は異物検知部であり、書状1が本書状区分機50の処理に適さないことを検知する。例えば書状1の大きさや硬さが不適当であることや2枚以上重なって供給されることを、書状の通過時間や搬送路の変形により検知する。
【0014】
6は第1の搬送ゲートであり、例えば書状1の搬送方向を切り換えるゲート部材をソレノイドで駆動する構成になっている。7は、第1のリジェクト集積部であり、異物検知部5で本書状区分機50による処理が不適当と判断された書状1を集積する。8は、書状1の姿勢を修正する第1の整位部であり、例えば搬送方向に対して斜行したベルトにより、書状の一辺を搬送の基準となる面に押し付けて書状の姿勢を整える。9は書状1の区分情報を読みとる読み取り部である。書状区分機50における区分情報の一例は、文字やバーコードで書かれた宛名である。第1の整位部8は読み取り部9より上流側にあって、書状1の姿勢を整えてから読み取り部9へ搬送することにより、読み取り精度を向上する。
【0015】
10は重送検知部であり、供給部3において誤って書状1を2枚以上重ねて供給したことを検知する。例えば対向するベルト同士を異なる搬送速度とし、重なった書状同士をずらし、長さの変化を検出することにより、重送と判断する。11は第2の搬送ゲートであり、例えば書状1の搬送方向を切り換えるゲート部材をソレノイドで駆動する構成になっている。12は、重送検知部10で重送と判断された書状1を集積する第2のリジェクト集積手段である。13は、書状1の姿勢を修正する第2の整位部であり、14は書状1の区分情報にしたがってバーコードなどの機械コードを印刷する印刷部である。第2の整位部13は印刷部14より上流側にあって、書状1の姿勢を整えてから印刷部8へ搬送することにより、所定の位置に印刷する。
【0016】
15は、印刷確認部であり、印刷部14での印刷結果を読み取ることにより、正常に印刷されたことを確認する。16は、書状1を各段に振り分ける段ゲートである。17は、書状1を厚み方向に重ねて集積する集積部である。集積部17について詳しい構成を後に述べる。18は、集積部17を取り付けるベース部材である。図1において、ベース部材18は一枚の平板からなるように描いてあるが、複数の部材から構成された、集積部17を取り付ける基準面であってもよい。19は、書状区分機50の動作状況を表示する表示手段であり、例えば三色信号灯やLCDディスプレーなどを用いて、正常処理中であることや異常が発生したことなどを作業者に知らせる。20は、集積部17に割り当てる区分情報のパターンを設定する区分設定手段であり、例えばタッチパネルや複数のスイッチからなる。
【0017】
次に、本書状区分機50の動作について、書状1の流れに沿って説明する。
【0018】
作業者は書状1を厚み方向に重ねた状態でホッパ2に載置する。ホッパ2は書状1を供給部3へ向かって運搬し、供給部3は近接した書状1から順次搬送路4へ供給する。搬送路4上では、まず異物検知部5で書状1が処理できるものであるかを判断する。ここで、処理できないと判断された場合、第1の搬送ゲート6を切り換えて、書状1を第1のリジェクト集積部7へ投入する。
【0019】
一方、処理できると判断された書状1は、読み取り部9で宛名などの区分情報を読み取る。次に、重送検知部10で、書状が2枚以上重なっていないことを検知する。ここで、2枚以上重なっていると判断されたとき、第2の搬送ゲート11を切り換えて、書状を第2のリジェクト集積部12に投入する。正常と判断された書状1は、第2の整位部13で姿勢を整えてから、印刷部14で区分情報に従ってバーコードなどを印刷する。そして、印刷確認部15によりバーコードなどが正常に印刷できたことを確認したら、区分情報に従って、段ゲート16を切り換えて所定の集積部17へ書状1を投入する。
【0020】
書状区分機50は上記の処理を複数の書状について並行して行い、書状を所定の集積部17に区分する。
【0021】
次に、図2を用いて集積部17の詳細な構成を示す。
【0022】
まず、101は区分ゲートであり、書状1を振り分けるゲート部材を図示しないソレノイドなどで駆動する構成になっている。102は集積ガイドであり、支点103を中心に、矢印Bで示すように揺動する構成になっている。104は底板であり、支点105を中心に矢印Cのように揺動する構成になっており、図示しない弾性体によって、書状が集積されていないときは傾斜し、書状が多数集積されたときは略水平になるように支持されている。書状1は、当該の集積部17に既に集積された書状1が無いときは、底板104にその片面を接して集積され、当該の集積部17に既に集積された書状1があるときは、既に集積された書状1に片面を接して集積されるように、書状1の厚み方向に重なって順次集積される。
【0023】
また、底板104は支点105を中心に揺動するとしたが、図3のように略水平の状態で書状の厚み方向C’に移動するように弾性体等で支持する構造であってもよい。さらに、書状を集積する量が減少するが、底板104を固定した構造であってもよい。
【0024】
106は集積部17の外周を構成する枠部材であり、ベース部材18に略垂直に取り付けられている。書状1を集積する空間(以下、集積空間)を構成する6面のうち、搬送路4の搬送方向に略垂直な2つの面が枠部材106、作業者と反対側の面(以下、奥面)がベース部材18、集積した書状1の下側の面が底板104により構成されている。また、搬送路4側の面は、区分ゲート101の下面と集積ガイド102が最も上がったところとからなる面であり、作業者側の面は集積した書状1を取り出せるように開放されている。
【0025】
なお、図2で奥面はベース部材18であるとしたが、枠部材106を延長してベース部材18に平行な面を構成してもよい。
【0026】
107は集積部17が満杯であることを検知する満杯検知手段であり、例えば一対の発光ダイオードとフォトトランジスタからなるフォトインタラプタや、プッシュスイッチ、マグネットスイッチなどである。また、集積ガイド102と、底板104で集積ガイド102が接触する範囲とを導電体とし、両者の間で導通を確認する構成もある。108は区分表示板であり、例えばLCDディスプレイや紙札である。区分表示板108には、集積部17に区分した書状1の分類、例えば宛名を表示する。
【0027】
109は満杯表示手段であり、集積部17が満杯であることを作業者に知らせる。例えばランプや警報装置などである。110は係止手段であり、例えばゴムなどの高摩擦材からなる。係止手段110は書状1が枠部材106に衝突したとき、衝突の勢いで書状1の先端が枠部材106に沿って折れ曲がることを防止する。
【0028】
以上の構成の集積部17に、書状1を投入したときの集積手順と満杯時の動作について説明する。
【0029】
書状1は搬送路4で搬送され、区分情報に対応する集積部17の近傍に達したとき、区分ゲート101を切り換えて、書状1を集積部17に投入する。書状1は区分ゲート101の下面を矢印Aのように沿って進み、既に集積されている書状1と集積ガイド102との間に進入する。そして、書状1は集積ガイド102に押さえられることにより、または書状1の先端が枠部材106に当たることによって停止し、集積が完了する。
【0030】
書状1が投入されると、集積ガイド102が矢印Bのように揺動し、書状の厚み分だけ持ち上げられる。書状を多数集積して、集積ガイドが102bで示す位置になったとき、満杯検知手段107を遮光して、満杯を検知する。また、満杯検知手段107が遮光してから、所定の枚数または厚さの書状を投入してから満杯としても良い。満杯を検出している間、満杯表示手段109を用いて(例えばランプを点滅する)、集積部17が満杯であることを作業者に知らせる。同時に当該の集積部17には新たに書状1を投入しないようにする。作業者が集積部17内の書状を取り去るなどにより、満杯検知手段107の検知が解除されたら、満杯処理を停止する。
【0031】
ところで近年、図4に示すような窓部を有する書状が増加している。図4において、1Mが窓部であり、透明なビニール等の素材により、内容物が見えるようになっている。それにより、内容物に宛名などを印刷すれば窓部1Mを通して見ることができ、宛名を印刷したラベルを貼付する方法等より簡便なので、頻繁に利用されるようになってきている。このような窓部を有する書状1において、窓部1Mは紙葉等にビニールなどを接着するため、その周囲に段差があるものが多い。そのため、集積部17においては、窓部を有する書状1を集積した後、次の書状が矢印Dの向きに進入すると、窓部1Mの下流側の段差Eに引っかかることがある。その様子を図5に示す。
【0032】
図5において、集積された書状1の最も上の書状には段差Eがある(段差Eは説明のため、誇張している)。そこへ次の書状が進入すると、先端が引っかかって進めないため、書状1aのように後端が搬送路4の開放端Fに残ったり、書状1bのように後端が枠部材106に寄りかかったりすることがある。書状1aのように後端が開放端Fに残った場合、後続の書状が書状1aに衝突してジャムになることがある。また、書状1bのように後端が枠部材106に寄りかかった場合、集積した書状同士に隙間が開いてしまうため、集積枚数が少ないにもかかわらず集積ガイド102を持ち上げて満杯になってしまう。したがって、窓部1Mの段差Eへの引っかかり頻度を低減することが求められている。
【0033】
そこで、第1の実施形態では図6から図9に示すように、投入する書状に対して、集積した書状1を傾けるようにした。図6は集積部17を作業者側から見た正面図であり、図7は集積部17の断面を搬送路4側から見た上方断面図である。また、図8は図7の変形例を示す図であり、図9は集積部17の断面を上流側から見た(図6において右側から見た)側方断面図である。
【0034】
図6と図7ではベース部材18に突起111を設け、搬送方向Dに対して書状1Cを傾斜させて集積した。従来は、書状1Dの先端と段差Eとが略平行に接触していたため、段差Eから書状1Dへの力が一時に集中して働き、引っかかりが発生する頻度が高かった。
【0035】
そこで図7のように、書状1Cを傾斜して集積することにより、書状1Dは段差Eに対してある角度で進入する。このとき、書状1Dの先端は作業者側から奥側へと(図中、下から上へと)、徐々に段差Eに接触するため、段差Eから書状1Dへの力が分散して働き、引っかかりを低減できる。
【0036】
そこで、書状を搬送方向Dに対して傾けて集積するための、突起111の形状を以下に説明する。
【0037】
まず、図6に示すように、突起111は集積書状の厚み方向(図6において上下方向)について、少なくとも集積空間の全範囲を含む長さに設けられている。
【0038】
次に、図7に断面形状を示す。突起111の断面は台形形状をしており、集積空間へベース部材18に平行な面111aと、面111aの上流側に、上流側になるにしたがいベース部材18に近づくように傾斜した面111bとの、2つの面が突出している。2つの面は一辺を共有し、それを交線Kとすると、交線Kは書状1Cのように傾いて集積された書状が突起111に接する点になるようにする。なお、面111bが傾斜しているのは、書状1が集積部17に進入したとき、交線Kに衝突すると、書状1の進行方向が曲げられて集積部17から飛び出すことがある。そこで面111bのように、交線Kの上流側に傾斜した面を設けることにより、書状1の先端が滑らかに交線Kを通過するためである。
【0039】
ここで、書状1Cの後端がベース部材18に近づくように傾けて集積するためには、交線Kを書状1Cの重心より先端側にする必要がある。これは、重心より先端側で書状1Cが突起111に接触すると、書状1Cの先端が作業者側へ、後端が奥側へ移動する力が発生するためである。したがって、集積書状の先端側の枠部材106から交線Kまでの距離Pは、書状1の長さの半分以下にする。例えば、本書状区分機50では、取り扱う書状1のうち最も短いものは140mmであるので、0mm<P<70mmとなる。しかしながら、窓部を有する書状は、長いものが比較的多く、取り扱う書状1のうち最も長いものは235mmであるので、0mm<P<117.5mmとしてもよい。
【0040】
また、ベース部材18からの突起111の突出量Tは、進入する書状が衝突しない範囲が望ましい。書状1は、第2の整位部13で搬送姿勢を整えてから、集積部17まで搬送される。第2の整位部13で搬送の基準とした面とベース部材18との、搬送方向に垂直な距離をRとすると、図7に一点鎖線で示すように書状1はベース部材18から距離Rだけ離れて、集積部17に進入する。したがって、突出量T<距離Rであることが望ましく、距離Rは例えば10mmである。
【0041】
また、突起111の搬送方向への長さUであるが、書状1を破損しないように10mm以上あることが望ましい。また、突起111は集積空間全体にあってもよいので、集積部17の搬送方向の長さWまで大きくすることができる。本書状区分機50で長さWは260mmであるので、10mm<U<260mmである。
【0042】
以上のような交点Kを有する突起111を集積空間へ突出させることにより、書状を搬送方向に対して傾けて集積し、窓部への引っかかり頻度を低減することができる。また、突起111の形状は交線Kの位置が重要である。したがって、図中の例では断面が台形形状であるが、交点Kが前述の条件を満たせば、断面形状が長方形や三角形や半円形など、どのような形状であっても構わない。
【0043】
さらに、図8に示す構成によっても、集積した書状1Cを投入する書状1Dに対して傾けることができる。
【0044】
図8に示すように、ベース部材18に近接した枠部材106aを設ける。枠部材106aは、搬送方向下流側ではベース部材18から離れており、上流側になるにしたがいベース部材18に近づく構成とする。これによって、集積した書状1Cの奥側の辺は、枠部材106aと略平行になり、投入する書状1Dの先端の辺と段差Eとはある角度をなすことができるので、引っかかりを低減することができる。
【0045】
一方、図9では底板104の形状を、作業者側が搬送路4に近づくように傾けた構造を示している。この構造によって、集積した書状1を進入する書状1Fに対して傾けて集積することができる。それにより、書状1Fは、その作業者側が集積した書状1に接触し、奥側が接触しにくくなるので、段差Eに引っかかる頻度が減少する。そこで、底板104の形状を以下に説明する。
【0046】
まず、ベース部材18は水平面Gに対して奥側へ角度α傾いている。本書状区分機50の場合、αは0度から15度までの範囲である。そのベース部材18に対して、搬送路4は略垂直になるように構成されている。一方、底板104は搬送路4と角度β(例えば、10度)を成すように構成した。これにより、前述のように集積した書状1に対して、投入する書状1Fを傾けて、引っかかり頻度を低減することができる。ところが、底板104が角度βを成した状態で、作業者側まで延長すると、書状1の取り出し口の高さがH1で示すように小さくなり、作業者が取り出しにくくなる。
【0047】
そこで、図9に示すように、底板104に折れ点Sを設け、折れ点Sから作業者側の角度を水平面に近いように角度を変更する。ここで、折れ点Sを境としてベース部材18側を底板104aとし、作業者側を底板104bとして、両者の構成条件を説明する。
【0048】
まず、底板104aは、書状1を角度βを成すように傾けて集積するため、必ず角度β(水平面に対しては角度(α+β))を保たなければならない。そして、ベース部材18から折れ点Sまでの距離Baは、取り扱う書状の幅より大きくなければならず、例えばBa>120mmである。
【0049】
底板104bは、書状1の一端が作業者側に飛び出したときにそれを支えるためや、書状1を一時的に置くためにあるものである。したがって、底板104bが水平面Gとなす角度γは、作業者側が上がるようにしなければならない。また、底板104aは水平面Gに対して、角度(α+β)傾斜しているが、書状の取り出し口の高さH1を大きくするため、角度γを小さくする必要がある。すなわち、0度<γ<(α+β)である。これにより、取り出し口の高さはH2で示すようにH1より大きくできるため、集積部17から書状1を取り出しやすくなる。
【0050】
以上のように、底板104aを搬送路4に対して傾けることと、底板104bの傾きを底板104aより水平面に近づけることにより、窓部への引っかかり頻度の低減と集積した書状の取り出しやすさとを両立することができる。さらに、突起111を設けることとを両方用いることにより、窓部への引っかかり頻度を低減することができる。
【0051】
次に第2の実施形態を図10以降を用いて説明する。本実施形態での書状区分機50と集積部17の構成は、第1の実施形態とほぼ同様なので、以下では異なる点のみ説明する。
【0052】
第2の実施形態は、窓部のある、宛名等が記載された面を底板104側にして集積することにより、窓部と進入する書状が接触せず、引っかかり頻度を低減するものである。
【0053】
まず、図1に示した書状区分機50の構成を簡略化して表すと、図10のようになる。図10において読み取り部9と底板104とが、搬送路4および集積部17内部での進入経路4’を挟んで反対側に設置されている。このとき、書状1の窓部1Mは読み取り部9側にあるので、書状1が集積部17に集積されると、窓部のある面が底板104とは反対側になり、引っかかりが発生することがある。そこで、図11に示す書状区分機50においては、印刷確認部15と段ゲート16との間に表裏反転手段21を設けている。なお、表裏反転手段21は、読み取り部9と集積部17との間にあればよく、機能の上で関係がある第2の整位部13と印刷部14と印刷確認部15との間以外に設置可能である。
【0054】
表裏反転手段21の構成の一例を図12に示す。搬送路4は2つの搬送ベルト4aと4bとが対向しており、書状1を挟持して搬送する。表裏反転手段21の上流側では、搬送ベルト4aが上側にあったものを、下流側では搬送ベルト4aが下側になるように捻っている。これにより、書状の表と裏とを逆にすることができる。
【0055】
なお、図12の構成の表裏反転手段21では、書状の姿勢が乱れることがあるため、その下流側に整位部22を設けることが望ましい。
【0056】
このような書状区分機50の構成を簡略化して表すと図13のようになる。図13において読み取り部9と底板104とは、搬送路4および集積部17内部での進入経路4’を挟んで反対側に設置されている。しかし、表裏反転手段21により、書状1の表と裏が逆になっているので、書状1の窓部1Mは底板104側になり、窓部での引っかかりが発生しなくなる。
【0057】
また、図14に示すように、読み取り部9の配置を逆側にする構成もある。この書状区分機50の構成を簡略化して表すと図15のようになる。図15において読み取り部9と底板104とは、搬送路4および集積部17内部での進入経路4’の同じ側に設置されている。そのため、書状1の窓部1Mは底板104側になり、窓部での引っかかりが発生しなくなる。
【0058】
以上のように、表裏反転手段21を設けることや、読み取り部9と集積部17の底板104とを搬送路4の同じ側に配置することによって、窓部のある、宛名等が記載された面を底板104側にして集積できる。これによって、窓部と進入する書状が接触せず、窓部での引っかかりを無くすことができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明を適用することにより、窓部等の段差を有する紙葉類を集積する際に、引っかかりの頻度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】書状区分機の概略図である。
【図2】集積部の構成図である。
【図3】集積部の構成図である。
【図4】窓部を有する書状の概略図である。
【図5】引っかかった書状を表す模式図である。
【図6】突起を有する集積部の正面図である。
【図7】突起を有する集積部の上方断面図である。
【図8】奥側の枠部材が傾斜した集積部の上方断面図である。
【図9】傾斜した底板を有する集積部の側方断面図である。
【図10】構成要素の配置を示す模式図である。
【図11】書状区分機の概略図である。
【図12】表裏反転手段の概略図である。
【図13】構成要素の配置を示す模式図である。
【図14】書状区分機の概略図である。
【図15】構成要素の配置を示す模式図である。
【符号の説明】
1…書状、2…ホッパ、3…供給部、4…搬送路、5…異物検知部、6…第1の搬送ゲート、7…第1のリジェクト集積部、8…第1の整位部、9…読み取り部、10…重送検出部、11…第2の搬送ゲート、12…第2のリジェクト集積部、13…第2の整位部、14…印刷部、15…印刷確認部、16…段ゲート、17…集積部、18…ベース部材、19…表示手段、20…区分選択手段、21…表裏反転手段、22…第3の整位部、50…書状区分機、101…区分ゲート、102…集積ガイド、103…集積ガイドの支点、104…底板、105…底板の支点、106…枠部材、107…満杯検知手段、108…区分表示板、109…満杯表示手段、110…係止手段、111…突起。

Claims (2)

  1. 区分情報を有する紙葉類を順次供給する供給部と、前記紙葉類を搬送する搬送路と、前記紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、前記紙葉類を集積する複数の集積部と、前記紙葉類を前記複数の集積部に振り分けるゲートとを少なくとも有する紙葉類区分装置において、
    前記集積部は、前記紙葉類を集積する集積空間の一面を構成するために前記複数の集積部を配置する基準面となるベース部材もしくは前記集積部の外周を構成する枠部材のうち前記ベース部材と略平行な面と、前記搬送路で搬送される前記紙葉類が通過する搬送面と相対して前記集積空間における前記搬送面から最も遠い面を構成する底板と、集積した前記紙葉類を取り出すために前記集積空間は開放された開放面を前記ベース部材の対向する面に有する集積部であって、
    前記底板は、前記紙葉類の搬送方向に略平行な折れ線を有し、前記折れ線を境として前記ベース部材側にある第1の面が、前記ベース部材と水平面とのなす角がαであり、前記第1の面と前記ベース部材とのなす角がβであるため、前記第1の面と水平面とのなす角が(α+β)となる前記第1の面と、前記折れ線を境として前記開放面側に水平面となす角がγとなる第2の面とを有し、前記第2の面が水平面に対して、0<γ<(α+β)であることを特徴とする紙葉類区分装置。
  2. 区分情報を有する紙葉類を順次供給する供給部と、前記紙葉類を搬送する搬送路と、前記紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、前記紙葉類を集積する複数の集積部と、前記紙葉類を前記複数の集積部に振り分けるゲートとを少なくとも有する紙葉類区分装置において、
    前記集積部は、前記搬送路で搬送される前記紙葉類が通過する搬送面と相対して前記紙葉類を集積する集積空間における前記搬送面から最も遠い面を構成する底板を有する集積部であって、前記読み取り部と前記底板とが、前記搬送面及び前記集積部内部で前記紙葉類が投入される際に通過する面を挟んで逆側に配置され、前記読み取り部と前記集積部との間の前記搬送路に前記紙葉類の表と裏とを反転させる表裏反転手段を有することを特徴とする紙葉類区分装置。
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