JP3811574B2 - 紙葉類区分装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は区分情報が付与された紙葉類をこの区分情報に従い区分する紙葉類区分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙葉類区分装置の中で、特に切手や封筒の折り返しなどに後続の書状がゲートに引っかからないことを目的とした集積手段として、例えば実公平5−27392号公報に記載された書状の集積装置がある。ここでは、郵便書状を集積する集積装置において、書状を集積手段へ導入するゲートの作業者側を厚くすることにより、投入する書状と集積された書状とを傾けて、引っかかりを少なくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の構成は引っかかりを少なくすることは可能でも、紙葉類が引っかかってしまった場合には紙葉類の一端が搬送路に残留して、ジャムなどの搬送エラーを生じることがあった。
【0004】
本願発明の装置では、紙葉類表面の凹凸部に後続の紙葉類が引っかかり、その一端が搬送路に残留した場合においても、より確実に紙葉類の搬送や集積ができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、紙葉類を供給する供給部と、紙葉類を搬送する搬送路と、紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、前記搬送路に接し紙葉類を集積する集積手段と、この集積手段に紙葉類を導入する可動ゲートとを有する紙葉類区分装置において、前記可動ゲートは、紙葉類の搬送間隔が所定の値より大きいときには紙葉類を導入する前に一度前記搬送路と平行な位置(OFF)にした後に交差した位置(ON)へ切り換え、紙葉類の搬送間隔が所定の値以下のときはONの位置を維持することにより達成される
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本願発明の実施例を説明する。図1は、本発明の紙葉類区分装置の実施形態の一例である書状区分機の概略図である。本発明の装置で取り扱う紙葉類の一例は、葉書や封書などの定形の郵便書状である。
【0007】
図1に示す書状区分機50は、書状1に記された宛名やバーコードなどの区分情報を読取り、この区分情報によって書状の区分処理を行うものである。この書状区分機50の構成要素と動作を書状1の流れに沿って説明する。
【0008】
作業者は書状1を厚み方向に重ねた状態でホッパ2に載置する。ホッパ2は厚み方向に重ねられた書状1を供給部3へ向かって運搬し、供給部3は近接した書状1を1通ずつ順次搬送路4へ供給する。この供給部3は、穴の開いたベルトを用いて、穴を通じてエアを吸引して書状1をベルトに吸着し、ベルトを移動することにより、書状1を1通ずつ分離して供給する構成となっている。なお、図1において供給部3は書状1を下側へ供給する構成になっているが、本発明において供給方向は上側など、いずれであってもかまわない。
【0009】
対向するベルトにより書状1を挟持して搬送する搬送路4上では、まず異物検知部5で書状1が大きさや硬さが不適当であることや2枚以上重なっておらず、処理できるものであるかを書状1の通過時間や搬送路の変形により検知・判断する。ここで、処理できないと判断された場合、書状1の搬送方向を切り換える第1の搬送ゲート6を切り換えて、書状1を箱様の形状を有する第1のリジェクト集積手段7へ投入する。第1の搬送ゲート6はソレノイドで駆動する構成である。
【0010】
一方、処理できると判断された書状1は、搬送方向に対して斜行したベルトにより、書状の一辺を搬送の基準となる面に押し付けて書状1の姿勢を修正する第1の整位部8により搬送姿勢を修正してから読み取り部9で宛名などの区分情報を読み取る。書状区分機50における区分情報の一例は、文字やバーコードで書かれた宛名である。第1の整位部8を読み取り部9より上流側に配置することにより、読み取り精度を向上させている。
【0011】
次に、重送検知部10で、供給部3において誤って書状1が2枚以上重なって供給されていないことを検知する。重送検知部10は、対向するベルト同士を異なる搬送速度とし、重なった書状同士をずらし、長さの変化を検出することにより、重送と判断している。ここで、2枚以上重なっていると判断されたとき、第1の搬送ゲート6と同様の構成である第2の搬送ゲート11を切り換えて、書状を箱様の形状を有する第2のリジェクト集積手段12に投入する。
【0012】
正常と判断された書状1は、第2の整位部13で姿勢を整えてから、印刷部14で区分情報に従ってバーコードなどの機械コードを印刷する。第2の整位部13は印刷部14より上流側にあって、書状1の姿勢を整えてから印刷部8へ搬送することにより、所定の位置に印刷する。そして、バーコードリーダである印刷確認部15によりバーコードなどが正常に印刷できたことを確認したら、区分情報に従って、段ゲート16を切り換えて所定の集積手段17へ書状1を投入する。
【0013】
書状区分機50は上記の処理を複数の書状について並行して行い、書状を所定の集積手段17に区分する。集積手段17について詳しい構成を後に述べる。この集積手段17はベース部材18に取り付けられている。このベース部材18は一枚の平板からなるように描いてあるが、複数の部材から構成された、集積手段17を取り付ける基準面であってもよい。
【0014】
表示手段19は、三色信号灯やLCDディスプレーなどを用いて、書状区分機50の動作状況が正常処理中であることや異常が発生したことなどを作業者に知らせる。区分設定手段20は、集積手段17に割り当てる区分情報のパターンを設定するタッチパネルや複数のスイッチからなる装置である。
【0015】
次に、図2を用いて集積手段17の詳細な構成と書状1を投入したときの動作についてを説明する。
【0016】
搬送路4で搬送される書状1は、搬送検知手段107により、その搬送位置を検知される。書状1の区分情報に対応する集積手段17の近傍に達したとき、図示しないソレノイドにより駆動する区分ゲート101をON側に切り換えて、書状1を集積手段17に導き入れる。なお、区分ゲート101について、ONとは図2に示すような状態であり、区分ゲート101と搬送路4とが交差して、書状1を集積手段17へ導入する位置にあるものとする。また、OFFとは区分ゲート101と搬送路4とが交差しない(つまり区分ゲート101と搬送路4とがおよそ平行な位置となる)ように、区分ゲート101を搬送路4から集積手段17側へ収納した状態であり、書状1は集積手段17へ導入されずに、搬送路4で搬送し続ける。
【0017】
書状1は区分ゲート101の下面を矢印Aで示すように沿って進み、集積検知手段108により、集積手段17に導入されたことが検知される。
【0018】
書状1は、既に集積されている書状1と集積ガイド102との間に進入する。そして、集積ガイド102に押さえられることにより、または書状1の先端が枠部材106に当たることによって停止し、集積が完了する。この集積ガイド102は、支点103を中心に、矢印Bで示すように揺動する構成になっている。
【0019】
書状1が投入されると、集積ガイド102が矢印Bのように揺動し、書状の厚み分だけ持ち上げられる。このような動作を繰り返して、書状を多数集積し、集積ガイドが102bで示す位置になったとき、満杯検知手段107を遮光して、満杯を検知する。
【0020】
底板104は、支点105を中心に矢印Cのように揺動する構成になっており、図示しない弾性体によって、書状が集積されていないときは傾斜し、書状が多数集積されたときは略水平になるように支持されている。書状1は、集積手段17に既に集積された書状1が無いときは、底板104にその片面を接して集積され、当該の集積手段17に既に集積された書状1があるときは、既に集積された書状1に片面を接して集積されるように、書状1の厚み方向に重なって順次集積される。
【0021】
枠部材106は集積手段17の外周を構成し、ベース部材18に略垂直に取り付けられている。書状1を集積する空間(以下、集積空間)を構成する6面のうち、搬送路4の搬送方向に略垂直な2つの面が枠部材106、作業者と反対側の面(以下、奥面)がベース部材18、集積した書状1の下側の面が底板104により構成されている。また、搬送路4側の面は、区分ゲート101の下面と集積ガイド102が最も上がったところとからなる面であり、作業者側の面は集積した書状1を取り出せるように開放されている。
【0022】
なお、図2で奥面はベース部材18であるとしたが、枠部材106を延長してベース部材18に平行な面を構成してもよい。
【0023】
搬送検知手段107は搬送路4の近傍に設けられ、搬送路4で搬送される書状1を検知する。この搬送検知手段107は、一対のフォトダイオードとフォトトランジスタとからなり、書状による光軸の遮光を検出することにより、書状1の搬送を検知する。集積検知手段108は、区分ゲート101の集積空間側に設けられ、書状1が集積手段17へ導入されたことを検知する。この集積検知手段108は、一対のフォトダイオードとフォトトランジスタとからなり、書状による光軸の遮光を検出することにより、書状1が進入したことを検知する。
【0024】
満杯検知手段109は集積手段17が満杯であることを検知する。この満杯検知手段109は、一対の発光ダイオードとフォトトランジスタからなるフォトインタラプタや、プッシュスイッチ、マグネットスイッチなどである。区分表示板110は、集積手段17に区分した書状1の分類、例えば郵便番号を表示する。この区分表示板110はLCDディスプレイや紙札からなる。満杯表示手段111は、ランプや警報装置などからなり集積手段17が満杯であることを作業者に知らせる。
【0025】
112は搬送路4を構成するローラの1つであり、特に搬送路4の集積手段17側に、区分ゲート101の上流側に近接して設けられたローラを指すものとする。113はローラ112にかけられた搬送ベルトである。尚、この実施例において搬送ベルト113及び各ローラを含めて搬送手段と呼ぶことがある。
【0026】
ところで、書状1には、その表面が平坦でないものが存在する。例えば、切手や宛名シールなどを添付することにより生じる凸部や、内容物に印刷された宛名を見るために設けられたセロハン窓などの凹部である。前述のように、書状1を集積するときに、導入する書状1が既に集積された書状1に接触することがあり、凹凸部に引っかかることがある。それによって、図3に示すように、書状1がローラ112や搬送ベルト113に接して、搬送路4に残留することがある。
【0027】
ここで、図4や図5に示すように、区分ゲート101とローラ112と搬送ベルト113とが、搬送方向に互いに入り込んだ状態、すなわちP>0であると、区分ゲート101をOFF側へ切り換えたときに書状1を挟んでしまう。そのため、書状1は区分ゲート101と搬送ベルト113とによって押さえられて移動しづらくなる。
【0028】
そこへ、後続の書状が搬送されると、書状1が搬送路4上に障害物として存在するので、ジャム等の搬送エラーを起こすことがある。
【0029】
本願発明の紙葉類集積装置では、図6に示すように、区分ゲート101と搬送ベルト113との間に、隙間Sを設けた。それにより、書状1がローラ112や搬送ベルト113に接して、搬送路4に残留する場合においても、区分ゲート101と搬送ベルト113とにより挟むことが少なくなる。そのため、搬送路4に残留した一端が固定されず、比較的移動しやすいことから、搬送の障害となりにくくなる。尚、図2と同じ構成の部品(検知手段等)については図示及び説明を省略している。
【0030】
一般的に封筒の先端の形状は、厚さにより異なり、薄い場合は封の折り曲げが鋭角であり、厚くなると内容物により折り曲げが広げられて鈍角に近づく。そのため、前述の凹凸部に引っかかる可能性は、はがきや薄い封筒で高く、厚い封筒では低くなる。実験的には、封筒の厚さが2mm以上になると、引っかかる頻度が急激に低下することがわかっている。従って、隙間Sとしては引っかかり頻度が高い2mm以下の書状を挟まなければ良く、隙間Sは例えば2mmでよい。このように、区分ゲート101と搬送ベルト113との間に、隙間Sを設けることにより、ジャム等の搬送エラーの頻度を低減することができる。
【0031】
本願発明のように、区分ゲート101の長さを短くして隙間Sを設ける場合、ONのときの区分ゲート101の先端と搬送路4との間隔Rが小さくなる。すると、厚い書状が搬送された場合に、区分ゲート101の先端に引っかかってしまうことがある。そこで、ゲートガイド114aを設け、ゲートガイド114aと搬送路4との距離Tが、T<Rという関係にすることにより、区分ゲート101への引っかかりを防ぐことができる。
【0032】
また、隙間Sを設けることにより、区分ゲート101がOFFの状態においても、書状1が集積手段17へ進入することがある。そこで、ゲートガイド114bを設けて、搬送路4上の書状1が区分ゲート101より下側へ進入しないように案内する。
【0033】
このように、ゲートガイド114を設けることにより、より確実に区分と搬送をすることができる。
【0034】
さらに、図7のタイミングチャートに示すように、区分ゲート101を制御することにより、ジャム等の搬送エラーを低減することができる。
【0035】
まず初期状態では、区分ゲート101はソレノイドが励磁されていないfreeの状態になっており、自重でOFF位置にある。区分ゲート101をfreeにしておくのは、ソレノイドの励磁による発熱を下げるためである。図7において、書状1の例として1aから1dを示しているが、書状1aから1cは当該の集積手段17に集積すべきもの、書状1dは他の集積手段17へ搬送するものである。
【0036】
書状1aを搬送路4で搬送すると、搬送検知手段107がONに変化する。それから、遅延時間ta経過した後、区分ゲート101をONに切り換える。書状1aが集積手段17に進入すると、集積検知手段108がONに変化する。この後、正常に集積すれば、集積検知手段108はOFFに変化するが、書状1aが引っかかり、搬送路4に障害物として残留すると、集積検知手段108がONの状態のまま持続する。
【0037】
次の書状1bは同じ集積手段17に導入するため、本来ならば、区分ゲート101はONを維持すればよい。しかし、集積検知手段108がONのままであることより、書状1aが搬送路4上にあることがわかっている。そこで、書状1aが通過してから遅延時間tbが経過した後、一度区分ゲート101をoffにし、再びONに切り換える。この動作により、書状1aがローラ112や搬送ベルト113に接して残留した状態(例えば図3に示す状態)になった場合でも、区分ゲート101により集積空間へ押し下げる(例えば図6に示す状態)ことができる。それにより、搬送路4上の障害を取り除き、ジャム等の搬送エラーを低減することができる。
【0038】
ただし、区分ゲート101がOFFしてから再びONするため、書状1同士の間隔が所定の時間th(例えば、th=40ms)より開いていなければならない。すなわち、上流の搬送検知手段において、書状同士の間隔tgを測定し、tg>thかつ集積検知手段108がONのとき、区分ゲート101を一度OFFにする。それ以外では区分ゲート101はONを維持する。このような制御を行うことによって、引っかかった書状を押し込み、ジャムの発生頻度を低減することができる。
【0039】
また、区分ゲート101をOFF側へ移動するとき、ソレノイドを励磁した後、freeにするとした。しかし、搬送路4に残留した書状が高い剛性を持つものであると、図8に示すように、区分ゲート101がON側へ動かされてしまう。区分ゲート101がONとOFFとの中間的な位置にあると、搬送される書状が区分ゲート101に引っかかり、やはりジャムなどの搬送エラーを生じることがある。
【0040】
そこで、図7の書状1dに示すように、区分ゲート101がfreeであり、かつ集積検知手段108がONのとき、区分ゲート101をOFF側へ励磁する。それによって、剛性の高い書状が搬送路4に残留しても、確実に後続の書状を搬送することができる。
【0041】
以上のように、区分ゲート101と搬送ベルト113との間に隙間Sを設けることと、同じ集積手段17に連続して書状を導入する場合でも、区分ゲート101をOFF・ONするなどの制御を施すことによって、ジャム等の搬送エラーを低減することができる。
【0042】
【発明の効果】
本願発明を適用することにより、窓部等への引っかかりにより紙葉類が搬送路に残留した場合においても、ジャムなどの搬送エラーの頻度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】書状区分機の概略図である。
【図2】集積手段の構成図である。
【図3】搬送路に残留した書状の状態を示す模式図である。
【図4】区分ゲートとローラとの関係を示す模式図である。
【図5】区分ゲートとローラとの関係を示す模式図である。
【図6】搬送路に残留した書状の状態を示す模式図である。
【図7】区分ゲートの制御手順を示すタイミングチャートである。
【図8】搬送路に残留した書状の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…書状、2…ホッパ、3…供給部、4…搬送路、5…異物検知部、6…第1の搬送ゲート、7…第1のリジェクト集積手段、8…第1の整位部、9…読み取り部、10…重送検出部、11…第2の搬送ゲート、12…第2のリジェクト集積手段、13…第2の整位部、14…印刷部、15…印刷確認部、16…段ゲート、17…集積手段、18…ベース部材、19…表示手段、20…区分選択手段、21…表裏反転手段、22…第3の整位部、50…書状区分機、101…区分ゲート、102…集積ガイド、103…集積ガイドの支点、104…底板、105…底板の支点、106…枠部材、107…搬送検知手段、108…集積検知手段、109…満杯検知手段、110…区分表示板、111…満杯表示手段、112…ローラ、113…搬送ベルト。

Claims (2)

  1. 紙葉類を供給する供給部と、紙葉類を搬送する搬送路と、紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、前記搬送路に接し紙葉類を集積する集積手段と、この集積手段に紙葉類を導入する可動ゲートとを有する紙葉類区分装置において、
    前記可動ゲートは、紙葉類の搬送間隔が所定の値より大きいときには紙葉類を導入する前に一度前記搬送路と平行な位置(OFF)にした後に交差した位置(ON)へ切り換え、紙葉類の搬送間隔が所定の値以下のときはONの位置を維持する紙葉類区分装置。
  2. 紙葉類を供給する供給部と、紙葉類を搬送する搬送路と、紙葉類に付与された区分情報を読み取る読み取り部と、前記搬送路に接し紙葉類を集積する集積手段と、この集積手段に紙葉類を導入する可動ゲートとを有する紙葉類区分装置において、
    前記集積手段に紙葉類が導入されたことを検知する集積検知手段を備え、
    前記可動ゲートは、前記集積検知手段が紙葉類を検知し且つ紙葉類の搬送間隔が所定の値より大きいときには紙葉類を導入する前に一度前記搬送路と平行な位置(OFF)にした後に交差した位置(ON)へ切り換え、その他のときはONの位置を維持する紙葉類区分装置。
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