JP3613048B2 - 紙葉類分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空を利用して束状の紙葉類を1枚ずつに分離して繰り出す装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空を利用して紙葉類を1枚ずつに分離して繰り出す装置の例として、例えば特開平8−231123 号公報に記載されているものが既に知られており、この装置では、紙葉類を取出手段に供給するための供給手段である供給ベルトと供給ピンは、取出手段直前でフレーム側に引き込まれるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例のように、積載台上の束状の紙葉類は側部送り手段であるフォークと底部にある送り手段により繰り出し手段方向に送られる。フォークは繰り出し手段直前でフレーム側に引き込まれるようになっており、その際には、フォークは繰り出し手段側へ斜めに傾きながら徐々にフレーム側に移動する。そして、積載台上にセットした最後の方の紙葉類が繰り出し手段に到達する前に、フォークがフレーム側に引き込んでしまう場合がある。このような場合、紙葉類を支持する手段がなくなり、紙葉類は反繰り出し手段側に倒れてしまう。紙葉類が反繰り出し手段側に倒れた場合には、操作者が手で繰り出し手段側に立て掛けなければならなかった。これは、回転している繰り出し手段に手が触れる危険性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、繰り出し手段近傍に倒れ防止手段を設けた。これにより、紙葉類が反繰り出し手段側に倒れ掛かる場合には、倒れ防止手段で紙葉類を支えることができ、積載台上にセットした全ての紙葉類は繰り出し手段に到達できるようになる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1〜図12により説明する。
【0006】
図1は、本発明の紙葉類分離装置を用いた書状区分機の一実施例を示したものである。この書状区分機で取り扱う紙葉類の一例は、はがきや封書などの定形の郵便書状である。
【0007】
図1に示す書状区分機100は、書状101に記されたあて名やバーコードなどの区分情報を読み取り、この区分情報によって書状の区分処理を行うものである。
【0008】
この書状区分機100は、厚み方向に重ねられた書状101を積載する積載台102,書状101を1通ずつ順次供給する分離装置103,積載台102に積載された書状101を分離装置103に搬送する送り手段104,書状101を搬送する搬送路105,書状101が本書状区分機100の処理に適さないことを検知する異物検知部106,書状101の搬送方向を切り換える第1搬送ゲート107,異物検知部106で本書状区分機100による処理が不適当と判断された書状101を集積する第1リジェクト集積部108,書状101の姿勢を修正する第1整位部109,書状101の区分情報を読み取る読み取り部110,分離装置103において誤って書状101を2枚以上重ねて供給したことを検知する重送検知部111,書状101の搬送方向を切り換える第2搬送ゲート112,重送検知部10で重送と判断された書状101を集積する第2リジェクト集積手段113,書状101の姿勢を修正する第2整位部114,書状101の区分情報にしたがってバーコードなどの機械コードを印刷する印刷部115,印刷部115での印刷結果を読み取ることにより、正常に印刷されたことを確認する印刷確認部116,書状101を各段に振り分ける段ゲート117,書状101を厚み方向に重ねて集積する集積部118,書状区分機100の動作状況を表示する表示手段119,集積部118に割り当てる区分情報のパターンや書状区分機100の動作を設定する設定手段120から構成される。
【0009】
図1において分離装置103は書状101を下側へ供給する構成になっているが、本発明で供給方向は上側など、いずれであっても構わない。
【0010】
搬送路105は、例えば対向するベルトにより書状101を挟持して搬送し、搬送速度はほぼ一定に保たれている。
【0011】
異物検知部106は、例えば書状101の大きさや硬さが不適当であることや2枚以上重なって供給されることを、書状の通過時間や搬送路の変形により検知する。
【0012】
整位部109は、例えば搬送方向に対して斜行したベルトにより、書状の一辺を搬送の基準となる面に押し付けて書状の姿勢を整える。
【0013】
読み取り部110で読み取る区分情報の一例は、文字やバーコードで書かれたあて名である。第1整位部109は読み取り部110より上流側にあって、書状101の姿勢を整えてから読み取り部110へ搬送することにより、読み取り精度を向上する。
【0014】
重送検知部111は、例えば対向するベルト同士を異なる搬送速度とし、重なった書状同士をずらし、長さの変化を検出することにより、重送と判断する。
【0015】
第2整位部114は、印刷部115より上流側にあって、書状101の姿勢を整えてから印刷部109へ搬送することにより、所定の位置に印刷する。
【0016】
表示手段119は、例えば三色信号灯やLCDディスプレーなどを用いて、正常処理中であることや異常が発生したことなどを作業者に知らせる。
【0017】
次に、本書状区分機100の動作について、書状101の流れに沿って説明する。
【0018】
作業者は書状101を厚み方向に重ねた状態で積載台102に載置する。積載台102上の書状101は送り手段104によって分離装置103へ搬送し、分離装置103は近接した書状101から順次搬送路105へ供給する。
【0019】
搬送路105上では、まず異物検知部106で書状101が処理できるものであるかを判断する。ここで、処理できないと判断された場合、第1搬送ゲート107を切り換えて、書状101を第1リジェクト集積部108へ投入する。
【0020】
一方、処理できると判断された書状101は、読み取り部109であて名などの区分情報を読み取る。次に、重送検知部111で、書状が2枚以上重なっていないことを検知する。ここで、2枚以上重なっていると判断されたとき、第2搬送ゲート112を切り換えて、書状101を第2リジェクト集積部113に投入する。
【0021】
正常と判断された書状101は、第2整位部114で姿勢を整えてから、印刷部115で区分情報に従ってバーコードなどを印刷する。そして、印刷確認部116によりバーコードなどが正常に印刷できたことを確認したら、区分情報に従って、段ゲート118を切り換えて所定の集積部119へ書状101を投入する。
【0022】
書状区分機100は上記の処理を複数の書状101について並行して行い、各々の書状101を所定の集積部119に区分する。
【0023】
次に本発明の紙葉類の分離装置の一実施例として、上述したような書状区分機に用いられる書状分離装置について説明する。
【0024】
図2は書状分離装置の概略図、図3は図2に示す装置の側面図である。図2および図3の書状分離装置は、重力方向に近い方向へ書状を繰り出すものであって、分離すべき束状の書状を積載するための積載手段としての積載台1、積載台1上の束状の書状の最前の書状を繰り出すための繰り出し手段としての複数本の繰り出しベルト2、積載台1上の束状の書状の最前部を繰り出しベルト2の方向へ吸引し、さらに繰り出しベルト2に書状が吸着して繰り出されるように、その内部が負圧となるチャンバ3、束状の書状の最前の書状が繰り出しベルト2に吸着されて繰り出される際に、繰り出される書状に隣り合った書状が同時に繰り出されることを防ぐための分離ローラ4、積載台1上の書状の最前部付近の書状に圧力空気を吹き付ける吹き出しノズル5A,5B、最前の書状が繰り出しベルト2に吸着したことを検出するための検出レバー6A,6B、積載台1上の束状の書状を側面から支え繰り出しベルト2方向に搬送する側部送り手段としてのフォーク7、
積載台1上の書状の下端を積載台1の繰り出しベルト2近傍まで搬送する送りベルト8A,8B、積載台1上の全ての書状が繰り出しベルト2の表面(以下、書状吸着面と呼ぶ。)の反対側に倒れず、書状吸着面に到達させるように設けた倒れ防止手段としての倒れ防止突起9、繰り出しベルト2と分離ローラ4の間に多数の書状が落ち込むと多数枚送りになり易く、それを防止するための補助ガイド10、書状吸着面より積載台1側に突出して取り付けられ、かつ繰り出される書状の後端側角部に対応して設けられた突出ローラ11、書状後端側の前方への倒れを支える上部ガイド12、繰り出しベルト2で繰り出された書状を噛み込み、先行する書状との間隔を制御し、下側搬送路に供給する噛み込みローラ13、繰り出される書状や後続の書状の先端位置を検出する書状通過検出センサ14、及びフレーム15から構成されている。
【0025】
繰り出しベルト2は、書状を繰り出すために表面は摩擦係数の高い材料からなり、また、チャンバ3の負圧を書状へ作用させるための複数の穴17が周方向に等間隔で設けられている。繰り出しベルト2は、これを駆動するための駆動プーリ18、及び繰り出しベルト2に従動して回転する従動ローラ19に所定の張力でかけられている。駆動プーリ18は図示されないサーボモータにより駆動される。
【0026】
チャンバ3の積載台1側の面にも、繰り出しベルト2の穴17と同様に穴が設けられている。チャンバ3の内部は、図示されないブロアによって大気圧よりも低い負圧状態となっており、この負圧により積載台1上の書状26は繰り出しベルト2の方向へ吸引されて引き寄せられ、繰り出しベルト2に吸着する。
【0027】
重送の発生を防ぐために、繰り出される書状に抵抗力を作用させる分離ローラ4は、繰り出される書状の厚さに応じて動くように図示されない回転ばねによりチャンバ3に押し付けられている。また、分離ローラ4は書状に抵抗力を加えるために、書状との摩擦係数が大きい部材で構成し、書状の搬送方向には回転しないようにしている。
【0028】
束状の書状の最前部付近に圧縮空気を吹き付ける吹き出しノズル5A,5Bは、フレーム15と積載台1に隣接した補助ガイド10の端部の近傍の二個所に設けられている。フレーム15の裏側や補助ガイド10の下側には図示されないチャンバが設けられ、さらにこのチャンバには、やはり図示されないブロアから圧縮空気が供給されノズル5A,5Bから吹き出される。補助ガイド10の端部に設けられたノズル5Aは積載台1上の束状の書状の最前部付近を、フレーム15に設けられたノズル5Bは、積載台1上の束状の書状と繰り出しベルト2に吸着された書状の近傍に圧力空気を吹き付ける。積載台1上の書状に圧力空気を吹き付けることにより、書状間に空気層を作り、書状間の摩擦力が低減できる。これにより、重送の発生を防ぐことができる。
【0029】
手前側の検出レバー6Aは、図3に示すようにくの字状の形状をしており、軸20に回転自在に運動するように取り付けられている。検出レバー6Aの一部には、ばね21Aが取り付けられ、ばね21Aはばね取り付け軸22Aにかけられている。また、検出レバー6Aの書状接触部と反対側の端部近傍にはストッパ23が設けられており、ばね力による検出レバー6Aの回転を阻止している。
【0030】
書状が書状吸着面上にない場合には、検出レバー6の書状接触部は書状吸着面より積載台1側に突出した位置にあるようにストッパ23の位置が調整されている。そして、書状が書状吸着面上にある場合には、書状接触部が吸着された書状に押されて書状吸着面より引っ込む様に構成されている。
【0031】
奥側の検出レバー6Bも検出レバー6Aと同様に軸20に回転自在に運動するように取り付けられている。また、検出レバー6Bの一部にもばね21Bが取り付けられ、ばね21Bはばね取り付け軸22Bにかけられている。さらに、検出レバー6Bの書状接触部と反対側の端部近傍にあるストッパ23によって、ばね力による検出レバー6Bの回転を阻止している。
【0032】
積載台1上の書状を側面から支え書状吸着面まで搬送する側部送り手段としてのフォーク7は、フレーム15に設けられた長穴部25から突き出されるようにして書状吸着面まで設けられている。フォーク7は図4に示すようにフレーム15の裏側でチェイン27に取り付けられ、駆動軸29に取り付けられたスプロケット28を介して駆動される。駆動軸29には、図示されないサーボモータから駆動力が伝達される。
【0033】
フォーク7は、書状吸着面直前でフレーム15側に引き込まれるようになっており、例えば図4に示すように2個のスプロケット28を書状吸着面近傍に配置している。このため、フォーク7の先端の軌跡は図4の点線で示すようになり、フォーク7がフレーム15側に引き込まれる際、フォーク7は書状吸着面側へ斜めに傾きながら徐々にフレーム15側に移動する。なお、フォーク7は書状吸着面近傍でフレーム15側に引き込まれるものであればどのようなものであってもよく、フォーク7の軌跡が図4に示すものでなくても構わない。
【0034】
送りベルト8A,8Bは、図3に示されるように、それぞれ駆動プーリ24A,24Bにより駆動される。駆動プーリ24A,24Bには図示されないサーボモータから駆動力が伝達されている。送りベルト8A,8Bの書状搬送面は、積載台1の表面より幾分高くなるように設けられており、書状が搬送できるように摩擦係数が大きい材料からなる。特に書状吸着面近傍の送りベルト8Aの書状搬送面には、突起を付け凸凹にしている。これにより、書状下端が凸部に引っ掛かるため、書状を書状吸着面へ確実に送ることができる。この書状吸着面近傍の送りベルト8Aには、例えばタイミングベルトを用いているが、同様な効果が得られればどのようなものであっても構わない。また、吹き出しノズル5A,5Bによって書状間に容易に空気層が作れるように、送りベルト8Aの書状吸着面側の端部は、書状吸着面よりある距離離して配置している。
【0035】
フォーク7と送りベルト8A,8Bは同期して駆動される。駆動のオン,オフは、検出レバー6の動作で決定され、フォーク7と送りベルト8の駆動は、検出レバー6の位置を検出する発光素子と受光素子からなる検出レバーセンサ17の信号により制御する。書状吸着面上に書状が無く、検出レバー6の書状接触部が書状吸着面より出ている場合には、検出レバー6は検出レバーセンサ17の発光素子から出ている光を遮光しない。この時にはフォーク7と送りベルト8は積載台1上の書状を繰り出しベルト2の方向へ送るように駆動される。書状が吸引され繰り出しベルト2に吸着された場合には吸着力により検出レバー6が押し込まれる。この時検出レバー6は検出レバーセンサ17を遮光し、この信号でフォーク7と送りベルト8の駆動は停止される。
【0036】
積載台1上にセットした全ての書状が反書状吸着面側に倒れず、書状吸着面に到達させるように設けた倒れ防止手段としての倒れ防止突起9は、書状吸着面近傍に設置している。倒れ防止突起9は、図4に示すように軸30を介してフレーム15に取り付けられており、倒れ防止突起9の一部に取り付けられたばね31によりフレーム15より積載台1側に突出するように取り付けられている。そして、図示されないストッパによって、倒れ防止突起9が必要以上に突出しないようにしている。この倒れ防止突起9の積載台1側への突出量は、書状を支えるのに十分なものとする。例えば、フレーム15からの突出量は10mm〜15mmとするが、倒れ防止突起9に倒れ掛かる書状を支えることができれば異なる突出量であっても構わない。
【0037】
倒れ防止突起9の書状吸着面からの設置位置は、倒れ防止突起9に書状が倒れ掛かった場合でも、チャンバ3によって書状を吸引し、繰り出しベルト2に吸着できる位置とする。例えば、書状吸着面と倒れ防止突起9で倒れ掛かる書状を支える面(以下、書状支持面と呼ぶ。)の間の寸法は10mmとするが、倒れ防止突起9に倒れ掛かった書状が繰り出しベルト2に吸着できれば異なる位置であっても構わない。
【0038】
倒れ防止突起9の積載台1からの高さ方向の設置位置は、書状分離装置で処理する書状で最も搬送方向の長さが短い書状であっても、支えることができる位置にした。これにより、反書状吸着面側に倒れ掛かる全ての書状を倒れ防止突起9で支えることができる。また、倒れ防止突起9は、可能な限り積載台1から高い位置に設置している。これにより、反書状吸着面側に倒れ掛かる書状と積載台1とのなす角度を大きく保て、書状はチャンバ3によって吸引されやすくなる。本実施例の書状分離装置で処理する最も搬送方向の長さが短い書状は、長さが148 mmのはがきである。このため、倒れ防止突起9の積載台1からの高さ方向の設置位置は140mmとしているが、同様な効果が得られれば異なる位置であっても構わない。
【0039】
倒れ防止突起9の一部に取り付けられたばね31のばね力は、束状の書状が倒れ防止突起9の部分を通過する際には倒れ防止突起9がフレーム15側に引っ込み、書状がばね31のばね力により反フレーム15側に飛び出すことのない程度としている。ばね31のばね力は、例えば倒れ防止突起9がフレーム15側に引っ込むのに必要な力を0.1N とするが、同様な効果が得られれば異なるばね力であっても構わない。
【0040】
補助ガイド10は、積載台1の繰り出しベルト2側端部に設けられている。補助ガイド10は、繰り出しベルト2と分離ローラ4の間に多数の書状が落ち込まず、かつ繰り出される書状に過度の抵抗力を与えない適度な硬さの柔軟材からなる。また、補助ガイド10の表面は書状の送りが円滑に行われるように摩擦係数の低い材質からなる。
【0041】
チャンバ3の上方には、書状が繰り出しベルト2に接触する接触面より積載台1側に突出して取り付けられた突出ローラ11が、吸着された書状の後端側角部の位置に対応して取り付けられている。突出ローラ11はばねで支持されており、書状に押されると初期位置より引き込まれるように取り付けられている。
【0042】
次に書状の分離動作について説明する。
【0043】
積載台1上の書状26がフォーク7,送りベルト8により繰り出しベルト2の近傍まで送られてくると、最前部の書状はチャンバ3からの吸引力で繰り出しベルト2側に吸引されて繰り出しベルト2に吸着される。この時、繰り出しベルト2に吸着された書状が検出レバー6を押し込み検出レバーセンサ16を遮光する。そして検出レバーセンサ16はこれを検出して、フォーク7,送りベルト8の駆動を停止させる。
【0044】
繰り出しベルト2は、書状が吸着された時には後述するように既に駆動されていて、繰り出しベルト2に書状が吸着されると書状と繰り出しベルト2の間に作用する吸着による摩擦力が搬送力となって作用し、これによって書状が繰り出される。
【0045】
書状が繰り出されると書状の先端部は、搬送路に沿って設けられた複数の書状通過検出センサ14で検出される。そして繰り出された書状の先端部が噛み込みローラ13に挟持されると、すべての書状通過検出センサ14が書状の通過を検出し、この検出信号に基づいて繰り出しベルト2の駆動が停止される。これ以降は、噛み込みローラ13とその下流側搬送路の搬送力によって、繰り出しベルト2と分離ローラ4に挟まれた状態の書状を引き抜くような形で書状は搬送される。
【0046】
書状が搬送されると書状の後端部が検出レバー6部を通過する。書状の後端部が検出レバー6部を通過すると検出レバー6が初期の位置へ戻るためセンサ17が遮光されず、フォーク7,送りベルト8が再び駆動される。
【0047】
繰り出された書状がさらに搬送されると、繰り出された書状の後端部と後続の書状の先端部との間に間隔が生じる。複数箇所に設けられた書状通過検出センサ14のいずれか1つがこれを検出すると、繰り出しベルト2を再び駆動する。このような一連の動作が繰り返されて書状が繰り出される。
【0048】
ところで、上述したようにフォーク7がフレーム15側に引き込まれる際、フォーク7は書状吸着面側へ斜めに傾きながら徐々にフレーム15側に移動する。そして、積載台1上にセットした最後の方の書状が繰り出しベルト2に吸着される前に、フォーク7がフレーム15側に引き込んでしまう場合がある。このような場合、書状を支持する手段がなくなり、図5,図6に示すように書状は反書状吸着面側に倒れてしまう。書状が反書状吸着面側に倒れた場合には、操作者が手で書状吸着面側に立て掛けなければならなかった。これは、回転している繰り出しベルト2に手が触れる危険性があった。
【0049】
そこで、積載台1上にセットした全ての書状が確実に書状吸着面に吸着し、繰り出されるように、倒れ防止突起9を設けた。
【0050】
積載台1上にセットした束状の書状が、書状吸着面側にフォーク7で搬送され、倒れ防止突起9の部分にある場合には、倒れ防止突起9は、図7に示すようにフレーム15側に引き込まれるように取り付けられている。束状の書状が倒れ防止突起9の部分にない場合には、図8に示すように倒れ防止突起9は積載台1側に突出するようにしている。束状の書状が倒れ防止突起9の部分を通過し、書状が反書状吸着面側に倒れ掛かかる場合には、倒れ防止突起9は書状から積載台1側に突出するような力を受けるため、倒れ防止突起9はフレーム15側に引っ込まず、倒れ掛かる書状を倒れ防止突起9で支えることができる。倒れ防止突起9は、倒れ防止突起9に倒れ掛かった書状をチャンバ3の吸引力で繰り出しベルト2に吸着できる位置に設置しているので、積載台1にセットした全ての書状を書状吸着面に到達させることができる。
【0051】
本発明では、積載台1上の全ての書状を書状吸着面に到達できるように、書状吸着面近傍に倒れ防止手段として倒れ防止突起9を設けたが、倒れ防止手段は上記に示すものでなくてもよく、図9に示すようなものであってもよい。これは、書状吸着面近傍に倒れ防止ガイド32を設けたものである。
【0052】
倒れ防止ガイド32は、一端をフレーム15に固定し、他端を積載台1側に突出するように、倒れ防止ガイド32を湾曲させて設置している。倒れ防止ガイド32のフレーム15からの突出量、積載台1からの高さ方向の設置位置、倒れ防止ガイド32の書状支持面の書状吸着面からの位置は、上述した実施例と同様である。積載台1上にセットした束状の書状がフォーク7で書状吸着面側に搬送され、倒れ防止ガイド32の部分にある場合には、倒れ防止ガイド32はフレーム15に対して平らになる。束状の書状が倒れ防止ガイド32の部分にない場合には、倒れ防止ガイド32は積載台1側に突出する。そして、書状が反書状吸着面側に倒れ掛かかる場合には、倒れ防止ガイド32は書状から積載台1側に突出するような力を受けるため、倒れ防止ガイド32はフレーム15側に引っ込まず、倒れ掛かる書状を倒れ防止ガイド32で支えることができる。倒れ防止ガイド32は、倒れ防止ガイド32に倒れ掛かった書状をチャンバ3の吸引力で繰り出しベルト2に吸着できる位置に設置しているので、積載台1にセットした全ての書状を書状吸着面に到達させることができる。
【0053】
なお、倒れ防止ガイド32は、積載台1上にセットした束状の書状がフォーク7で書状吸着面側に搬送され、倒れ防止ガイド32の部分にある場合には、フレーム15に対して平らになり、かつ、書状が倒れ防止ガイド32に倒れ掛かかる場合には、倒れ掛かる書状を支えることができる適度な硬さの柔軟材からなる。
【0054】
また、倒れ防止手段としての倒れ防止突起9は、図10,図11に示すようなものであってもよい。これは、書状吸着面近傍のフォーク7がフレーム15側に引き込んだ時、倒れ防止突起9が積載台1側に突出し、ある時間が経過後、フレーム15側に引き込むようにしている。
【0055】
倒れ防止突起9は、書状吸着面近傍に設置しており、軸30を介してフレーム15に取り付けられている。倒れ防止突起の一部に取り付けられたばね33により、倒れ防止突起9は、図10に示すようにフレーム15側に引っ込むように取り付けられている。
【0056】
フォーク7に取り付けられたカム34は、倒れ防止突起9の一部に取り付けられたレバー35に接触するように設けている。カム34の形状は、図11に示すようにフォーク7の書状吸着面方向への移動により、倒れ防止突起9が徐々に積載台1側に突出し、ある時間経過後、倒れ防止突起9がフレーム15側に引っ込むようにしている。この倒れ防止突起9が積載台1側に突出している時間は、カム34の形状によって決定され、倒れ防止突起9に倒れ掛かった書状が繰り出しベルト2に吸着するのに十分な時間としている。
【0057】
このようにして、フォーク7がフレーム15側に引き込んだ時、倒れ防止突起9が積載台1側に突出し、ある時間が経過後、フレーム15側に引き込むようにしている。これにより、フォーク7がフレーム15側に引き込んだ際、反書状吸着面側に倒れ掛かる書状を倒れ防止突起9で支えることができる。
【0058】
なお、倒れ防止突起9のフレーム15からの突出量、積載台1からの高さ方向の設置位置,書状吸着面からの書状支持面の設置位置は、上述した実施例と同様である。
【0059】
また、倒れ防止手段は、上記したものでなくてもよく、同様な効果が得られればどのようなものであっても構わない。
【0060】
さらに、本発明の紙葉類分離装置は、束状の紙葉類を積載するための積載手段と、束状の紙葉類を1枚ずつ繰り出す繰り出し手段と、積載手段に積載された束状の紙葉類を側面から支え繰り出し手段まで搬送する側部送り手段と、積載手段に積載された紙葉類で反繰り出し手段側に倒れ掛かる紙葉類を支える倒れ防止手段を有する紙葉類の分離装置であればどのようなものであっても構わない。例えば、図12に示すような上方に書状を供給する紙葉類の分離装置であっても構わない。
【0061】
この紙葉類分離装置は、メインチャンバ201,サブチャンバ202,吹き出しノズル203,繰り出しベルト204,積載台205,書状変形用突起206,フォーク207,送りベルト208,倒れ防止突起209,検出レバー210,フレーム211とから構成される。
【0062】
メインチャンバ201は、図示されないブロアに接続され積載台205の端部に設置される。メインチャンバ201は、書状212を吸引,吸着するために繰り出しベルト204に接する面に複数の吸着穴を持つ。
【0063】
サブチャンバ202は、やはり図示されないブロアに接続されメインチャンバ201の下部に設置されている。サブチャンバ202も吸着穴を持ち、書状212の吸引,吸着を行う。ただし、サブチャンバ202は1通目の書状212aを確実に繰り出しベルト204の表面(以下、書状吸着面と呼ぶ。)まで引き寄せるとともに、2通目の書状212bの下端を吸着することにより書状212が重なって分離搬送される重送を防止するものである。
【0064】
吹き出しノズル203も図示されないブロアに接続され、エアを吹き出すための吹き出し穴を持つ。吹き出しノズル203は積載台205の底部に設置され、書状212の下端にエアを吹き付けることにより書状212間に空気層を作り1枚ずつにさばく。
【0065】
繰り出しベルト204は、メインチャンバ201の吸着穴を覆うように設置され、書状212の搬送方向に駆動される。繰り出しベルト204にも吸着穴が開けられており、この繰り出しベルト204の吸着穴の移動によりメインチャンバ201の吸着穴の開閉を行い、繰り出しベルト204の吸着穴で書状212を吸引,吸着する。
【0066】
積載台205は、分離する書状212をセットする部分である。
【0067】
書状変形用突起206は、サブチャンバ202の横に設置され、この突起とサブチャンバ202による吸引,吸着により書状212の下端を弓なりに変形させ、特に1通目の書状212aと2枚目の書状212bとの間に吹き出しノズル
203からのエアを流しやすくするものである。
【0068】
フォーク207は、積載台205上にセットされた書状212を側面から支え書状吸着面方向に搬送するものである。
【0069】
送りベルト208は、積載台205上にセットされた書状212の下端を書状吸着面方向に搬送するものである。
【0070】
倒れ防止突起209は、積載台205上の全ての書状212が反書状吸着面側に倒れず、書状吸着面に到達させるように書状吸着面近傍に設けたものである。反書状吸着面側に倒れ掛かる書状212は倒れ防止突起209で支えられる。なお、倒れ防止突起209のフレーム211からの突出量、積載台205からの高さ方向の設置位置、書状吸着面からの書状支持面の設置位置は、上述した実施例と同様である。
【0071】
検出レバー210は、書状212が書状吸着面まで到達しているときにはフォーク207,送りベルト208が駆動されないように、書状吸着面まで書状212が到達していないときにはフォーク207,送りベルト208が駆動されるように制御するものであり、サブチャンバ202の横にサブチャンバ202よりもある寸法だけ突き出されて設置される。
【0072】
次にこの分離装置の動作について説明する。まず、積載台205内にセットされた書状212はフォーク207,送りベルト208により書状吸着面近傍に送られる。書状吸着面近傍まで送られた書状212は、書状変形用突起206とサブチャンバ202の吸引,吸着力により弓なりに変形し隣り合う書状212との間に隙間が形成される。その隙間に吹き出しノズル203からのエアを吹き付けることにより分離手段近傍の書状212は1枚ずつにさばかれる。
【0073】
繰り出しベルト204がメインチャンバ201の吸着穴をふさいでる間は、サブチャンバ202が1通目の書状212aの下端を吸引して1通目の書状212aを書状吸着面まで引き寄せる。そして、繰り出しベルト204の吸着穴がメインチャンバ201の吸着穴を開放すると、メインチャンバ201の吸引力により1通目の書状212aは繰り出しベルト204に吸着される。そして、繰り出しベルト204の移動とともに、上側の搬送路に1通ずつ分離,搬送される。分離後、フォーク207,送りベルト208により後続する2通目の書状212bが書状吸着面に送られる。
【0074】
このように、上方に書状を供給する紙葉類の分離装置であっても、積載台205上の書状を繰り出しベルト204方向にフォーク207を用いて搬送するため、本発明は適応できる。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、積載台上の紙葉類が反繰り出し手段側に倒れることなく、繰り出し手段まで搬送できるため、操作者が手で支える必要がなくなり、危険性がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類分離装置を用いた書状区分機の概略を示した図。
【図2】紙葉類分離装置の一実施例としての書状分離装置の概略を示した斜視図。
【図3】図2に示す装置の側面図。
【図4】フォークの軌跡および倒れ防止突起の概略を示した上面図。
【図5】積載台上の紙葉類が反書状吸着面側に倒れた状態を示した上面図。
【図6】積載台上の紙葉類が反書状吸着面側に倒れた状態を示した側面図。
【図7】倒れ防止突起がフレーム側に引き込まれた状態を示す上面図。
【図8】倒れ防止突起が積載台側に突出した状態を示す上面図。
【図9】倒れ防止手段の第2の実施例である倒れ防止ガイドの概略を示した図。
【図10】倒れ防止手段の第3の実施例である倒れ防止突起がフレーム側に引き込まれた状態を示す上面図。
【図11】倒れ防止手段の第3の実施例である倒れ防止突起が積載台側に突出した状態を示す上面図。
【図12】紙葉類分離装置の第2の実施例としての書状分離装置の概略を示した斜視図。
【符号の説明】
1…積載台、2…繰り出しベルト、3…チャンバ、4…分離ローラ、5,203…吹き出しノズル、6,210…検出レバー、7,207…フォーク、8,208…送りベルト、9,209…倒れ防止突起、10…補助ガイド、11…突出ローラ、12…上部ガイド、13…噛み込みローラ、14…書状通過検出センサ、
15,211…フレーム、16…検出レバーセンサ、17…繰り出しベルトの穴、18…駆動プーリ、19…従動ローラ、20…軸、21,31,33…ばね、22…ばね取り付け軸、23…ストッパ、24…駆動プーリ、25…長穴部、
26,101,212…書状、27…チェイン、28…スプロケット、29…駆動軸、30…軸、32…倒れ防止ガイド、34…カム、35…レバー、100…書状区分機、102,205…積載台、103…分離装置、104…送り手段、105…搬送路、106…異物検知部、107…第1搬送ゲート、108…第1リジェクト集積部、109…第1整位部、110…読み取り部、111…重送検出部、112…第2搬送ゲート、113…第2リジェクト集積部、114…第2整位部、115…印刷部、116…印刷確認部、117…段ゲート、118…集積部、119…表示手段、120…設定手段、201…メインチャンバ、202…サブチャンバ、204…繰り出しベルト、206…書状変形用突起。

Claims (1)

  1. 束状の紙葉類を積載するための積載手段と、紙葉類を1枚ずつ繰り出す繰り出し手段と、前記積載手段に積載された紙葉類を側面から支え前記繰り出し手段方向に搬送する側部送り手段とを有する紙葉類の分離装置において、前記積載手段に積載された紙葉類が前記繰り出し手段の反対側に倒れることを防ぐために、前記繰り出し手段近傍に倒れ防止手段を設けたことを特徴とする紙葉類の分離装置。
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