JP3699229B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は室温の変化に対応して安定した米飯の保温状態を維持する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の炊飯器の保温状態を示す模式グラフである。通常、炊飯器の米飯を収納する内釜の温度を一定に保持するためには、内釜の底部に当接した底センサの設定温度を保温設定温度とし、底センサー部が設定温度に保たれるよう、保温ヒータ等の通電を制御している。この場合、室内の温度が例えば20℃と一定であれば、底センサの感知温度も一定となり米飯の保温温度は一定に保持される。しかしながら室温は変化するものであり、室温が図の如く上昇すると底センサ部の温度も上昇するため、実際の米飯の温度が保温設定温度に達する前に設定温度に達したと判断してヒータへの通電を停止してしまい、米飯の保温温度が低下することとなる。また逆に、室温が低下すると底センサ部の温度も低下するため、ヒータによる加熱が長くなり米飯の保温温度が上昇することとなる。
【0003】
このような問題点を解決する方策として、特開平6−277142号公報に室温変化を考慮して保温制御を行なう炊飯器が示されている。以下、図10及び図11を用いてその炊飯器の構成、及び動作を説明する。図10は従来の炊飯器の電気的な構成を示す回路ブロック図である。図において、マイコン基板50は電源基板51に電気的に接続されていて、電源基板51は電源電力53に接続されている。電源基板51には炊飯ヒータ54、保温ヒータ55および肩ヒータ56が接続されており、それぞれスイッチ57、トライアック58、トライアック59によって通電制御される。電源基板51にはセンタセンサ60、肩センサ61および室温センサ62が接続されており、これら各センサからの信号は電源基板51を介してマイコン基板50へ与えられる。
【0004】
図11は従来の炊飯器の保温制御機能を示すブロック図である。センタセンサ60により検出された内鍋の温度および室温センサ62によって検出された室温に基づいて、内鍋温度設定手段63は保温時の内鍋の基準温度(保温温度)を設定する。鍋加熱制御手段64は、内鍋温度設定手段により設定された内鍋の温度とセンタセンサ60で検出される内鍋の底面温度と室温センサ62で検出される室温に基づき、炊飯ヒータ54および保温ヒータ55への通電を制御する。また、室温センサ62で検出された室温および肩センサ61で検出された肩部分の温度、即ち鍋蓋の温度に基づいて、鍋蓋温度設定手段65は保温時の鍋蓋の基準温度を設定する。蓋加熱制御手段66は、鍋蓋温度設定手段65により設定された鍋蓋の設定温度、室温センサ62により検出された室温および肩センサ61により検出された鍋蓋の温度に基づいて肩ヒータ56の通電を制御する。
【0005】
この従来の炊飯器は、室温が低い場合には低い設定温度を維持するように、また、室温が高い場合には高い設定温度を維持するようにヒータを制御する。以下に、更に詳細に保温制御動作について説明する。
【0006】
内鍋の温度が予め設定された保温温度(72℃≧t>71℃)より高いか否かを判定し、その判定結果に対応して炊飯ヒータ54、保温ヒータ55および肩ヒータ56の通電をそれぞれ制御し、次いで、室温センサ62の検出温度、即ち室温が30℃以下か否かを判定し、その判定結果が30℃以下でなければ、予め設定された保温温度(74℃≧t>73℃)を維持するよう、炊飯ヒータ54、保温ヒータ55、および肩ヒータ56の通電制御をそれぞれ繰り返す。その判定結果が30℃以下であれば、次に室温センサ62の検出温度が10℃以下か否かを判定する。
【0007】
その判定結果が10℃以下でなければ、即ち室温センサ62の検出温度が10℃を越えて30℃以下であれば、その室温の範囲に対応して予め設定された保温温度(72℃≧t>71℃)を維持するよう炊飯ヒータ54、保温ヒータ55、および肩ヒータ56の通電制御をそれぞれ繰り返す。
室温センサ62の検出温度が10℃以下の場合は、その室温の範囲に対応して予め設定された、より低い保温温度(70℃≧t>69℃)を維持するよう、炊飯ヒータ54、保温ヒータ55および肩ヒータ56の通電制御をそれぞれ繰り返す。
さらに、室温センサ62の検出温度が10℃以下でなければ室温が30℃以下か否かを判定し、その判定結果が30℃以下でなければ室温30℃以上の制御を実行し、30℃以下であれば室温10℃を越え30℃以下の制御を実行する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の炊飯器は以上のように構成されているので、室温に対応した保温温度の設定が一通りに限られ、例えば0.5L 炊き、1.0L 炊き、1.8L 炊きのように米飯の保温容量に応じて最適な保温温度の設定を行なうためには、保温容量別に制御を変え、それに対応する制御基板を用意する必要があるという問題があった。また、従来の炊飯器では、室温の微細な変化に対応できないという問題があった。
【0009】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたものであり、炊飯器の特性および室温を考慮して安定した保温状態を維持できる炊飯器、特に、炊飯器の米飯容量の異なる場合にも容易に微細な室温の変化に対応でき、安定した保温状態を維持できる炊飯器を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る炊飯器は、米飯を収容する内釜を加熱する加熱手段と、室温を検知する室温検知手段と、室温に対応した保温温度を定めた保温温度補正パターンを炊飯器の容量に応じて複数記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の保温温度補正パターンから当該炊飯器の容量に応じた1つの保温温度補正パターンを選択し当該炊飯器に最適な補正パターンを設定する補正パターン設定手段と、上記室温検知手段により検知された室温と上記補正パターン設定手段により設定された保温温度補正パターンとに基づき上記室温検知手段により検知された室温に対応する保温温度を算出する保温温度変更手段と、上記保温温度変更手段により算出された保温温度に基づき上記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態について図1及び図2を用いて説明する。図1はこの実施の形態における炊飯器の回路ブロック図、図2は炊飯器の縦断面図である。図において、1は有底筒状の本体、2は本体1に内蔵された上部にフランジ部を備えた有底筒状の外釜で、フランジ部により本体1に懸下されている。3は上部にフランジ部を備えた有底筒状の内釜で、そのフランジ部により外釜2に懸下され、外釜2との間に加熱空間部を形成している。4は内蓋5を備えた蓋体で内釜3の上部開口部を閉塞する。
【0013】
6は外釜2と内釜3の空間下部に配設した底ヒータ、7は外釜2の外周に配設した胴ヒータ、8は内蓋5に配設した蓋ヒータであり、合計3つのヒータにより内釜を加熱するように構成されている。9は内釜3の底面に当接し、内釜3の温度を検知するサーミスタから成る底センサ、10は制御基板で、室温を検知するサーミスタから成る室温検知器11と保温温度の補正パターンを選択する切替スイッチ12を配設している。この切替スイッチ12は、炊飯器の製造段階で操作され、各炊飯器に最適な補正パターンを予め設定するものである。13は炊飯をスタートさせる炊飯キー、14は保温を手動によりスタートさせる保温キー、15は炊飯保温工程を解除する取消キー、16は炊飯中のみに点灯する炊飯LED、17は保温中のみに点灯する保温LEDである。
【0014】
18は制御基板10に配設したマイクロコンピュータで、18aは切替スイッチ12の操作により、記憶手段18bに予め記憶された複数の保温温度補正パターンのうち1つを選択して設定する補正パターン設定手段、18cは所定時間毎に室温検知器11からの入力信号により室温を測定する室温測定手段、18dは予め設定された補正パターンに応じて室温測定手段18cにより測定された室温に対応する保温温度を算出し、保温温度の設定値を変更する保温温度変更手段、18eは保温温度変更手段18dで変更された保温温度に基づき保温温度を制御する保温温度制御手段、18fは保温温度制御手段18eの制御に基づき加熱手段である底ヒータ6、胴ヒータ7、および蓋ヒータ8の通電を制御する加熱制御手段、18gは室温を測定し保温温度を変更するタイミングを計時するタイマーである。
【0015】
図3はこの実施の形態1における炊飯器の回路図である。図において、19は交流電源(例えば100V)、20はリレーでその接点20aは底ヒータ6と直列に接続されている。またリレーコイル20bはトランジスタ21を介して、直流電源(5V)に接続され、その他端はGNDに接続されている。またトランジスタ21のベース端子は抵抗を介してマイクロコンピュータ18の出力ポートaに接続される。22はトライアックで一端は交流電源19に接続され、他端は並列接続された胴ヒータ7、蓋ヒータ8および底ヒータ6と直列に接続され、またゲート端子は抵抗を介してマイクロコンピュータ18の出力ポートbに接続されている。
【0016】
マイクロコンピュータ18の入力ポートc,d,eにはそれぞれ炊飯キー13、保温キー14、取消キー15が接続され、その一端は直流電源へ接続される。炊飯LED16、保温LED17はそれぞれ抵抗R1,R2を介して直流電源へ接続され、他端はマイクロコンピュータ18の出力ポートjおよびkにそれぞれ接続されている。
【0017】
底センサ9、室温検知器11、切替スイッチ12の一端は抵抗R3,R4,R5を介してGNDと接続され他端は直流電源へ接続されている。また、室温検知器11と抵抗R4との間より入力ポートfに抵抗R6を介して接続され、また底センサ9と抵抗R3との間より入力ポートgに抵抗R7を介して接続され、切替スイッチ12と抵抗R5との間より入力ポートhに抵抗R8を介して接続されている。
【0018】
尚、切替スイッチ12は3段切替えとなっており、ノッチN1には抵抗R9(1KΩ)が接続され、ノッチN2には抵抗R10(10KΩ)が接続され、ノッチN3には抵抗R11(100KΩ)が接続されている。
【0019】
次に動作について説明する。
内釜3に米と水を収納し、炊飯キー13を押圧するとその信号はマイクロコンピュータ18の入力ポートCに入力される。この入力信号によりマイクロコンピュータ18内の炊飯制御手段(図示せず)が作動し、炊飯加熱制御手段(図示せず)が動作するとトランジスタ21が閉回路を形成し、リレー20のコイル20bが励磁され、リレー接点20aを閉して底ヒータ6が通電される。これと同時にマイクロコンピュータ18の出力ポートkを経て炊飯LED16が点灯する。この底ヒータ6の加熱により内釜3内の水は温度上昇し、沸騰して米を炊飯する。沸騰が継続すると、内釜3内の水分が一部は米に吸収されその他は蒸気となって外部へ放出される。内釜3内に水分が無くなると内釜3は急激に温度上昇し底センサー9がこの温度を検知し、その検知信号をマイクロコンピュータ18の入力ポートgへ入力する。この入力信号を炊飯制御手段(図示せず)が受けると炊飯制御手段は炊飯加熱制御手段(図示せず)に信号を入力し、この入力信号により炊飯加熱制御手段(図示せず)が作動して、トランジスタ21を開路する。このトランジスタ21の開路で励磁されていたリレー20の接点が開路となり底ヒータ6への通電を停止して炊飯LED16も消灯する。
【0020】
引き続いて保温工程が実行される。図4ないし図6は保温工程を示すフローチャート図である。保温工程がスタートすると(S1)、マイクロコンピュータ18の出力ポートjを経て保温LED17が点灯する。これと同時にトライアック22が動作し、標準室温温度(20℃)に対応した保温基準温度T0(74℃)に保温するように底ヒータ6、胴ヒータ7、蓋ヒータ8への通電を始める(ステップS3)。次にステップS4で切替スイッチ12の入力がN1か否かを補正パターン設定手段18aで判定し、その判定結果がN1であれば、ステップS5で記憶手段18bから予め記憶された補正パターンAを補正パターン設定手段18aに呼び込む。
【0021】
次にステップS6でタイマー18gが時間の計測をスタートし、ステップS7でタイマー18gが予め設定された所定時間(10分)に達しているか否かを判定する。10分経過していなければ時間の計測を継続し、10分経過していればステップS8に進む。ステップS8では、室温測定手段18cが室温検知器11により検知された室温RTを入力する。次にステップS9で、室温測定手段18cはその入力信号をもとに標準室温温度(20℃)との温度差Δt (例えば、RT=10℃であれば、Δt=10℃−20℃=−10℃)を算出し、算出したΔt(−10℃)を保温温度変更手段18dに入力する。
【0022】
次にステップS10で、保温温度変更手段18dが、補正パターンAに対応して予め設定された演算式TA=T0 +0.1・Δtにより新たな保温温度TAを演算する(即ち、TA=74℃+0.1(−10℃)=73℃)。保温温度制御手段18eは、ステップS11で底センサ9で検知した検知温度Tを入力し、検知温度Tと保温温度TA(73℃)とを比較判定する。その判定の結果、検知温度Tが補正温度TAに達していれば、すなわちT≧TAであれば、加熱制御手段18dはトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をOFFし(ステップS12)、T≧TAでなければトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をONする(ステップS13)。
【0023】
その後再びタイマー18gの時間の計測をスタートさせ、上記の動作を繰り返し、図7、図8に示すように補正パターンAの室温に対応した保温温度TAを算出し、米飯温度を一定の保温温度に保持する。ここで、図7は5℃から35℃まで5℃毎に室温に対応する保温温度の補正値の例を示した表であり、図8は各補正パターンの室温と保温温度の関係を示すグラフである。
【0024】
次にステップS4で切替スイッチ12がN1でないと判定されると、ステップS14で切替スイッチ12がN2であるかを判定する。その判定がN2であれば、ステップS15で記憶手段18bから予め記憶された補正パターンBを補正パターン設定手段18aに呼び込む。
【0025】
次にステップS16でタイマー18gが時間の計測をスタートし、ステップS17でタイマー18gが予め設定された所定時間(10分)に達しているか否かを判定する。10分経過していなければ時間の計測を継続し、10分経過していればステップS18に進む。ステップS18では、室温測定手段18cが室温検知器11により検知された室温RTを入力する。次にステップS19で、室温測定手段18cはその入力信号をもとに標準室温温度(20℃)との温度差Δt (例えば、RT=10℃であれば、Δt=10℃−20℃=−10℃)を算出し、算出したΔt(−10℃)を保温温度変更手段18dに入力する。
【0026】
次にステップS20で、保温温度変更手段18dが、補正パターンBに対応して予め設定された演算式TB=T0 +0.2・Δtにより新たな保温温度TBを演算する(即ち、TB=74℃+0.2(−10℃)=72℃)。保温温度制御手段18eは、ステップS21で底センサ9で検知した検知温度Tを保温温度制御手段18eに入力し、検知温度Tと保温温度TB(72℃)とを比較判定する。その判定の結果、検知温度Tが保温温度TBに達していれば、すなわちT≧TBであれば、加熱制御手段18fはトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をOFFし(ステップS22)、T≧TBでなければトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をONする(ステップS23)。
【0027】
その後再びタイマー18gの時間の計測をスタートさせ、上記ステップS16からステップS23までの動作を繰り返し、図7、図8に示すように補正パターンBの室温に対応した保温温度TBを算出し、米飯温度を一定の保温温度に保持する。
【0028】
さらに、ステップS14で切替スイッチ12がN2でないと判定されると、ステップS24で記憶手段18bから予め記憶された補正パターンCを補正パターン設定手段18aに呼び込む。
【0029】
次にステップS25でタイマー18gが時間の計測をスタートし、ステップS26でタイマー18gが予め設定された所定時間(10分)に達しているか否かを判定する。10分経過していなければ時間の計測を継続し、10分経過していればステップS27に進む。ステップS27では、室温測定手段18cが室温検知器11により検知された室温RTを入力する。次にステップS28で、室温測定手段18cはその入力信号をもとに標準室温温度(20℃)との温度差Δt (例えば、RT=10℃であれば、Δt=10℃−20℃=−10℃)を算出し、算出したΔt(−10℃)を保温温度変更手段18dに入力する。
【0030】
次にステップS29で、保温温度変更手段18dが、補正パターンCに対応して予め設定された演算式TC=T0 +0.3・Δtにより新たな保温温度TCを演算する(即ち、TC=74℃+0.3(−10℃)=71℃)。保温温度制御手段18eは、ステップS30で底センサ9で検知した検知温度Tを保温温度制御手段18eに入力し、検知温度Tと保温温度TC(71℃)とを比較判定する。その判定の結果、検知温度Tが保温温度TCに達していれば、すなわちT≧TCであれば、加熱制御手段18fはトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をOFFさせ(ステップS31)、T≧TCでなければトライアック22で底ヒータ6と胴ヒータ7及び蓋ヒータ8から成る加熱手段をONする(ステップS32)。
【0031】
その後再びタイマー18gの時間の計測をスタートさせ、上記ステップS25からステップS32までの動作を繰り返し、図7、図8に示すように補正パターンCの室温に対応した保温温度TCを算出し、米飯温度を一定の保温温度に保持する。
【0032】
なお、上記動作の途中で取消キー15を押圧すればその信号で保温動作を終了する。また終了した後保温キー14を押圧すれば、上述した動作を再度実行する。
【0033】
以上のように、この実施の形態1における炊飯器では、保温制御のために複数の補正パターンを有し、その補正パターンを切替スイッチ12により予め選択できるようにしたので、例えば1.0L炊き,1.5 L 炊き,1.8 L 炊きというような炊飯器の容量に応じて保温温度の補正パターンを変えることで、炊飯器の容量および室温を考慮して安定した米飯の保温温度を維持することができる。すなわち、容量の大きい炊飯器の場合は、ヒータ電力も大きく、ヒータのON,OFFにより米飯の温度が大きく変化してしまうため、保温基準温度に対して保温温度の補正を大きくとる必要があり(上述した例では補正パターンC)、容量の小さい炊飯器の場合は補正は小さくて良い(補正パターンA)。
【0034】
また、製品と試作品とでは材質の違い等から温度により受ける影響が異なるため、製品の製造段階で、試作段階で設定した保温温度の補正値とは異なる補正値を設定する必要が生じる場合があるが、そのような場合にも、複数の補正パターンを設けておけば、容易にその炊飯器に最適な補正パターンを選択し設定することができる。
【0035】
さらに、この実施の形態1における炊飯器は、室温の微細な変化に対応して保温温度もきめ細かく変化させるので、より安定した保温状態を維持できる。
【0036】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、10分毎に室温を測定し、測定された室温に対応する保温温度算出し、その度に加熱手段をONまたはOFFするように制御していたが、室温の測定及び補正温度の算出は10分毎に行ない、加熱手段の制御、すなわち底センサー9の検知温度Tが設定された保温温度に達しているか否かの判定を例えば1秒毎に行なうようにしてもよい。このように制御すれば、保温温度をより正確に保持することができる。
【0037】
実施の形態3.
上記実施の形態1では切替スイッチ12により3段の補正パターンとしたが、切替スイッチ12に替わり可変抵抗器を使用し、さらに微細な変更パターンを設定すれば、よりきめ細かな保温温度の補正ができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明に係る炊飯器によれば、炊飯器の特性および室温を考慮して安定した保温状態を維持することができ、容量の異なる炊飯器であっても容易に微細な室温の変化に対応でき、安定した保温状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示す回路図である。
【図4】 本発明の一実施の形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図5】 本発明の一実施の形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図6】 本発明の一実施の形態の動作を説明するフローチャート図である。
【図7】 本発明の一実施の形態の保温温度補正値表である。
【図8】 本発明の一実施の形態の保温温度補正グラフである。
【図9】 従来の保温状態を示す模式図である。
【図10】 従来の炊飯器を示すブロック図である。
【図11】 従来の炊飯器を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 本体、2 外釜、3 内釜、6 底ヒータ、7 胴ヒータ、8 蓋ヒータ、9 底センサ、10 制御基板、11 室温検知器、12 切替スイッチ、18 マイクロコンピュータ、18a 補正パターン設定手段、18b 記憶手段、18c 室温測定手段、18d 保温温度変更手段、18e 保温温度制御手段、18f 加熱制御手段。
Claims (1)
- 米飯を収容する内釜を加熱する加熱手段と、室温を検知する室温検知手段と、室温に対応した保温温度を定めた保温温度補正パターンを炊飯器の容量に応じて複数記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の保温温度補正パターンから当該炊飯器の容量に応じた1つの保温温度補正パターンを選択し当該炊飯器に最適な補正パターンを設定する補正パターン設定手段と、上記室温検知手段により検知された室温と上記補正パターン設定手段により設定された保温温度補正パターンとに基づき上記室温検知手段により検知された室温に対応する保温温度を算出する保温温度変更手段と、上記保温温度変更手段により算出された保温温度に基づき上記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備えたことを特徴とする炊飯器。
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