JP3698914B2 - 金属缶ラミネート用樹脂組成物、それを被覆した金属板及び金属缶 - Google Patents

金属缶ラミネート用樹脂組成物、それを被覆した金属板及び金属缶 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属缶のラミネート材、そのラミネート材を被覆した金属板及び金属缶に関する。更に詳しくは、損失弾性率が特定温度で単一のピークを示す金属缶ラミネート用ポリカーボネート樹脂組成物、その樹脂組成物を被覆した金属板及び金属缶を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲料、食品等の容器として金属缶が広く使用されている。この金属缶の腐食防止等のために、金属缶内面にはエポキシ樹脂によるコーティング加工が施されている。しかしながら、エポキシ樹脂によるコーティング加工の場合には、コーティングに伴う廃液の処理が必要であったり、また高速製缶加工が困難であるという問題があった。
【0003】
そのため、エポキシ樹脂によるコーティング加工に代わってポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系材料を金属缶にラミネートする方法が提案されている。
【0004】
具体的には、特開昭64−22530号公報、特開平1−192545号公報、特開平6−320699号公報等に記載されているように、二軸延伸されたポリエステルを薄い金属板に高温でラミネート加工し、金属に接触するポリエステル層は非晶性に、また金属から離れた層は結晶性にすることによりラミネート材であるポリエステルと金属間の接着性を維持すると共に飲料等の内容物のフレーバーの変化を防止する方法が提案されている。
【0005】
しかし、ポリエステル系ラミネート材単独でのラミネート加工の場合には、製缶加工時あるいは製缶後の外部からの衝撃によりポリエステル層にクラックが発生し、内容物がこのクラックを通して金属缶を腐食するといった問題があった。
【0006】
最近、このクラックの発生を防止するために、金属缶のラミネート材として耐衝撃性ポリマーであるポリカーボネート樹脂単独、あるいはこれとポリエステルとのブレンド物からなる樹脂組成物を使用する方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開平7−252414号公報、特開平6−255022号公報および特開平8−323922号公報ではPETまたはポリエチレンテレフタレートイソフタレート(PETI)をポリカーボネート樹脂にブレンドして、これをラミネート材として使用し製缶加工後のラミネート層の耐衝撃性を改良する方法が、また特開平7−227850号公報では先ずポリエステルを金属に接触するラミネート層に使用し、次いでポリカーボネート樹脂/ポリエステル組成物をその上のラミネート層とすることにより耐衝撃性の改良と共に金属への接着性を改善する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル組成物を金属缶のラミネート材として使用した場合には、ラミネートされた金属板の製缶加工の一工程である深絞り加工や延伸加工の際に該組成物のラミネート層が部分的に白化するという現象が発生する。
【0009】
本発明者らは、この白化部分の電子顕微鏡による観察、ならびに白化部分と正常部分との密度の差を測定することにより、この白化はボイドが生成することにより引き起こされることを究明した。ラミネート層に発生するこのボイドは、金属缶の内容物による金属缶の腐食および外部からの衝撃によるラミネート層の剥離を促進するため、深絞り加工および延伸加工時に白化を起こさないラミネート材が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、エステル交換反応触媒の存在下、ポリカーボネート樹脂にエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂を添加し反応させ、ポリカーボネート樹脂の損失弾性率のピークを特定の温度に設定することにより、ラミネート層の白化が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の請求項1に記載の金属缶ラミネート用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)、これとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)およびテトライソプロピルチタネート、サマリウムトリアセチルアセトネートまたはランタントリアセチルアセトネートから選択される1種もしくは2種以上のエステル交換反応触媒の存在下、(A)と(B)をエステル交換反応させて得られる反応生成物(C)からなる樹脂組成物であり、
前記エステル交換反応触媒の添加量を、
ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物100重量部に対し0.005〜0.1重量部とし、
該樹脂組成物の50〜160℃における損失弾性率のピークが単一であり、かつそのピークが142℃以下としたことを特徴とする。
請求項2に記載の金属缶ラミネート用樹脂組成物は、請求項1において、熱可塑性樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の樹脂被覆金属板は、ポリカーボネート樹脂(A)、これとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)およびテトライソプロピルチタネート、サマリウムトリアセチルアセトネートまたはランタントリアセチルアセトネートから選択される1種もしくは2種以上のエステル交換反応触媒の存在下、(A)と(B)をエステル交換反応させて得られる反応生成物(C)からなる樹脂組成物であり、
前記エステル交換反応触媒の添加量を、
ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物100重量部に対し0.005〜0.1重量部とし、
該樹脂組成物の50〜160℃における損失弾性率のピークが単一であり、かつそのピークが142℃以下とした樹脂組成物を製缶用金属板に被覆したことを特徴とする。
請求項4に記載の樹脂被覆金属板は、請求項3において、熱可塑性樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする。
請求項5に記載の金属缶は、請求項1または2の樹脂組成物を被覆した金属缶であることを特徴とする。
請求項6に記載の金属缶は、請求項5において、金属缶がスチール缶であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の金属缶ラミネート用樹脂組成物につき、詳細に説明する。
【0013】
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、好適には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が用いられる。
【0014】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0015】
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0016】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
【0017】
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
【0018】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10,000〜100,000、好ましくは15,000〜30,000である。かかるポリカーボネート樹脂(A)を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0019】
ポリカーボネート樹脂(A)とエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)としては、下記一般式(1)または(2)に示されるポリエステル樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート・ブタンジオール・ポリエチレンアジペートジオール付加ポリマー等の熱可塑性ポリウレタン等があげられる。
【0020】
一般式(1)
【化1】
Figure 0003698914
【0021】
一般式(2)
【化2】
Figure 0003698914
一般式(1)または(2)において、R1は炭素数2〜10のアルキレン基、R2は炭素数2〜24のアルキレン基またはアリーレン基、nは繰り返し数を表わす。
【0022】
ポリカーボネート樹脂(A)とエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)として、好適には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂等が用いられる。また、これらのポリエステル樹脂においては、第三成分を共重合させたものを用いてもよい。かかる第三成分としては、例えば酸成分では、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げることができ、アルコール成分ではジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;ビスフェノールAを挙げることができる。これらは、単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることが出来る。
【0023】
これらの熱可塑性樹脂(B)は、ポリカーボネート樹脂(A)と加熱溶融、例えば押出機にて溶融混練することによりエステル交換反応を起こすが、この反応はエステル交換反応触媒を存在させることにより促進される。
【0024】
本発明にて使用されるエステル交換反応触媒は、テトライソプロピルチタネート、サマリウムトリアセチルアセトネートまたはランタントリアセチルアセトネートから選択される1種もしくは2種以上の化合物である。添加量としては、ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物100重量部に対し0.005〜0.1重量部である。好適には、0.01〜0.05重量部の範囲である。
【0025】
エステル交換反応触媒の添加により、ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物のエステル交換反応は著しく加速され、ポリカーボネート樹脂(A)の損失弾性率のピークが低下すると共に該混合物として単一の損失弾性率のピークを呈するようになる。
【0026】
本発明の金属缶ラミネート用樹脂組成物の50〜160℃における損失弾性率のピークは、単一であり、かつそのピークは142℃以下である。当該ピークが単一でない場合や当該ピークが142℃を超えるとラミネート層に白化が生じ、好ましくない。好適には、当該ピークが単一で80〜125℃の範囲である。
【0027】
また、本発明の金属缶ラミネート用樹脂組成物は、それ単独で、あるいは本発明の効果を阻害しない範囲にて、更にPET、PBT等のポリエステル樹脂を含有あるいは配合してもよい。
【0028】
本発明の金属缶ラミネート用樹脂組成物からなるラミネート材あるいはこれを含むラミネート材の使用形態としては、製缶用金属板に単独で直接ラミネートする形態、または該金属板に直接ラミネートする層にはPET、難結晶性のポリエステル(例えば、PETI等)または非晶性のポリエステルを使用しその上層に本発明の前記ラミネート材を使用する形態、あるいは前記2層からなるラミネート層に更に下層に用いられた様なポリエステル材を上層として使用する(即ち、本発明のラミネート材をポリエステル材でサンドイッチする)形態が挙げられ、何れも使用することができる。
【0029】
製缶用金属板にラミネート加工されるラミネート材の厚みは、特に制限はないが、前記の何れの使用形態においてもラミネート材全体として10〜100μmミクロンの範囲である。
【0030】
また、金属缶の材料としては、スチール、アルミニウム等を挙げることができる。この中で、スチールが好適に用いられる。
【0031】
本発明のポリカーボネート樹脂(A)、これとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)およびエステル交換反応触媒の混合方法には、特に制限はなく公知の混合機、例えばタンブラー、リボン・ブレンダー等により混合した後に、押出機等で溶融混練する方法が挙げられる。
【0032】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、混合時に各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染顔料等を必要に応じて配合しても良い。
【0033】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、「部」及び「%」は重量基準に基づく。
【0034】
(実施例1)
・ペレットの製造
固有粘度が0.6(溶媒=塩化メチレン;濃度=0.5g/l;温度=20℃;粘度形=キャノンフェスケ型)であるビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂(住友ダウ社製カリバー200−3)70%および固有粘度が1.0(溶媒=フェノール/テトラクロロエタン=6/4(容量比);濃度=5g/l;温度=20℃;粘度形=ウベローデ型)であるポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチック社製ジュラネックス600FP)30%をスーパーフローターにて乾式混合し、更にテトライソプロピルチタネート(和光純薬工業社製試薬)200ppmを添加して混合する。次いで、2軸押出機(神戸製鋼社製KTX−37、軸直径=37mm)を用いて280℃の温度条件下溶融混合した。溶融混合された樹脂はストランド状に押出され、水槽により急冷したものをペレタイザーを用いてストランドペレットに加工した。
【0035】
・フィルムの製造
改めて乾燥した上記のブレンド樹脂ペレットを二軸押出機に供与し、270℃の温度で溶融し、溶融状態の樹脂を60m/minで回転する冷却ロールにより、厚み25μmの積層フィルムを作成した。
【0036】
・金属缶ラミネート用フィルムの製造
上記で作成したフィルムを誘導ロールで260℃に加熱した帯状TFS板(金属クロム量105mg/m、クロム水和酸化物量にクロムとして17mg/m、板厚0.18mm、板幅25cm)の片側に、TiOを30%含む10モル%イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるホワイトフィルムを前記のTFSの他の面に、表面温度90℃の一対積層ロールを用いて、80m/minの速度で同時に積層し、直ちに水中に浸漬冷却し、両面樹脂被覆金属板を得た。
【0037】
・製缶加工
得られた樹脂被覆金属板を、以下に示す成形加工条件で薄肉化深絞り缶に加工し、ドーミング、ネックイン加工後、フランジングを施した。
[成形加工条件]
A 絞り行程
ブランク径:187mm
絞り比 :1.50
B 再絞り工程
第一次再絞り比:1.29
第二次再絞り比:1.24
第三次再絞り比:1.20
再絞り工程のダイスのコーナー部の曲率半径:0.4mm
再絞り工程のしわ押さえ荷重:6000kg
C 缶胴部の平均薄肉化率
成形前の樹脂被覆金属板の厚さに対して−20%
D ネックイン加工
ネックイン前の缶口径/ネックイン後の缶口径:1/0.86
【0038】
・評価
製缶加工後のフィルムの白化の状態を目視により観察し、下記の基準により評価を行った。
○:白化が認められない。
×:缶内円周方向を中心に白化が認められる。
さらに、用いた樹脂ペレットの損失弾性率がどの温度でどの様なピークを示すか測定した。それぞれ結果を表1に示す。
尚、損失弾性率の測定方法は、以下のとおり。
(株)オリエンテックの動的粘弾性測定装置(RHEOVIBRON DDV−25FP)を用い、予めプレス成型機を用いてブレンド樹脂ペレットから作成した長さ約40mm、幅約5mm、厚さ約1mmの成型サンプルの動的粘弾性挙動を測定することにより、損失弾性率の温度特性を求めた。予めプリロード荷重として100gfの引張負荷をかけ、測定温度 0℃〜170℃、昇温速度10℃/min、測定インターバル2℃で測定した。加振幅は25μとし、周波数10Hzの単一波を用いて加振した。得られた温度−弾性率のグラフから50℃〜160℃の間の損失弾性率のピークを求めた。
【0039】
・評価結果
表1に示すとおり、樹脂ペレットの損失弾性率のピークは125℃の一点のみが観測され、製缶加工後の缶内面の白化は認められなかった。
【0040】
【表1】
Figure 0003698914
【0041】
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂およびポリブチレンテレフタレートの混合比率をそれぞれ90%、10%と変更する以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、140℃にて単一の損失弾性率のピークが観測され、製缶加工後の缶内面の白化は認められなかった。
【0042】
(実施例3)
ポリブチレンテレフタレートに代えて固有粘度0.78のポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製ポリエステルNES−2040)を使用し混合比率をポリカーボネート樹脂/ポリエチレンテレフタレート=50%/50%とし、かつテトライソプロピルチタネート200ppmに代えてサマリウムトリアセチルアセトネート400ppm(関東化学社製試薬)を使用する以外は、全て実施例1と同じ操作を行った。尚、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度の測定条件は実施例1のポリブチレンテレフタレートの条件を準用した。(以下、同じ。)結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、109℃にて単一の損失弾性率のピークが観測され、製缶加工後の缶内面の白化は認められなかった。
【0043】
(実施例4)
サマリウムトリアセチルアセトネートに代えてランタントリアセチルアセトネート(アルドリッチ社製試薬)を使用する以外は実施例3と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、111℃にて単一の損失弾性率が観測され、製缶加工後の缶内面の白化は認められなかった。
【0044】
(比較例1)
テトライソプロピルチタネートを添加しないこと以外は実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、樹脂ペレットに2点の損失弾性率のピークが観測され、製缶加工後の缶内面の白化が認められた。
【0045】
(比較例2)
ポリカーボネート樹脂およびポリブチレンテレフタレートの混合比率をそれぞれ95%、5%と変更する以外は、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、樹脂ペレットに143℃にて単一の損失弾性率のピークが観測されたが、製缶加工後の缶内面の白化が認められた。
【0046】
(比較例3)
サマリウムトリアセチルアセトネートを添加しないこと以外は実施例3と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
・評価結果
表1に示すとおり、樹脂ペレットに2点の損失弾性率のピークが観測され、製缶加工後の缶内面の白化が認められた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の金属缶ラミネート用樹脂組成物によれば、ラミネートされた金属板を製缶加工の一工程である深絞り加工や延伸加工に供してもラミネート層に白化を起こさない。この白化の防止により、金属缶の内容物による金属缶の腐食や外部からの衝撃によるラミネート材の剥離といった懸念が解消される。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)、これとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)およびテトライソプロピルチタネート、サマリウムトリアセチルアセトネートまたはランタントリアセチルアセトネートから選択される1種もしくは2種以上のエステル交換反応触媒の存在下、(A)と(B)をエステル交換反応させて得られる反応生成物(C)からなる樹脂組成物であり、
    前記エステル交換反応触媒の添加量を、
    ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物100重量部に対し0.005〜0.1重量部とし、
    該樹脂組成物の50〜160℃における損失弾性率のピークが単一であり、かつそのピークが142℃以下としたことを特徴とする金属缶ラミネート用樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートである請求項1の金属缶ラミネート用樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂(A)、これとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)およびテトライソプロピルチタネート、サマリウムトリアセチルアセトネートまたはランタントリアセチルアセトネートから選択される1種もしくは2種以上のエステル交換反応触媒の存在下、(A)と(B)をエステル交換反応させて得られる反応生成物(C)からなる樹脂組成物であり、
    前記エステル交換反応触媒の添加量を、
    ポリカーボネート樹脂(A)およびこれとエステル交換反応する他の熱可塑性樹脂(B)からなる混合物100重量部に対し0.005〜0.1重量部とし、
    該樹脂組成物の50〜160℃における損失弾性率のピークが単一であり、かつそのピークが142℃以下とした樹脂組成物を製缶用金属板に被覆したことを特徴とする樹脂被覆金属板。
  4. 熱可塑性樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートである請求項3の樹脂被覆金属板。
  5. 請求項1または2の樹脂組成物を被覆した金属缶。
  6. 金属缶がスチール缶である請求項5の金属缶。
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CN102212255A (zh) * 2011-05-12 2011-10-12 深圳市科聚新材料有限公司 一种阻燃聚对苯二甲酸乙二醇酯复合材料及其制备方法

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CN102212255A (zh) * 2011-05-12 2011-10-12 深圳市科聚新材料有限公司 一种阻燃聚对苯二甲酸乙二醇酯复合材料及其制备方法
CN102212255B (zh) * 2011-05-12 2013-09-11 深圳市科聚新材料有限公司 一种阻燃聚对苯二甲酸乙二醇酯复合材料及其制备方法

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