JP3698762B2 - N−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性モノマーとして有用なN−ビニル化合物の中間原料であるN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、N−ビニル化合物は、重合・反応性に富むことから種々のポリマー原料あるいはUV硬化性樹脂組成物に使用され、工業的に極めて重要な反応性モノマーとして知られている。
【0003】
例えば、下記構造式
【化5】
で示されるN−ビニル−2−ピロリドンは代表的水溶性高分子であるポリビニルピロリドンの原料モノマーとして、使用されている他、UV硬化性樹脂組成物としても有用である。
【0004】
これらのN−ビニル化合物の製造法については、以前より種々の提案がなされている。
例えば、N−ビニル−2−ピロリドンを例にとると(1)高圧下、酸あるいはアルカリの存在下でアセチレンと2−ピロリドンを反応させる方法(USP 280 6847 、FP 1340350)、(2)水銀塩やパラジウム化合物の存在下、ビニルエーテルあるいはカルボン酸ビニルと2−ピロリドンとを反応させる方法(特公昭 38-4882、特公昭 47-8302、特公昭 47-8303、特公昭 47-2083、特公昭 47-2001号各公報)、(3)N−(α−ヒドロキシエチル)ピロリドンあるいはN−(α−アルコキシエチル)ピロリドンを熱分解させる方法(FP 1534369号、FP 1421336号)、(4)N−(β−ヒドロキシエチル)ピロリドンあるいは、N−(β−アセトキシエチル)ピロリドンを熱分解させる方法(特公昭48−44251 号公報、USSRP 125、507 号)等の合成法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の製造法のうち(1)の方法はすでに実用化されているが、この方法は、高圧下での反応である為、製造装置のコストが高く、又、危険性も大きいという問題がある。
又、それ以外の方法も最終生成物に到るまでの収率が低く、高収率とする為には過酷な反応条件が必要であり、あるいは原料または触媒が高価である等の問題があり実用性に乏しいものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者等は上記課題に鑑み、これらの問題点を解決し且つ実用性のあるN−ビニル化合物の製造法について種々検討した結果、N−(α−アシルオキシエチル)化合物が、温和な条件で熱分解し、高収率でNビニル化合物となること及びそのN−(α−アシルオキシエチル)化合物がNH基含有化合物とカルボン酸ビニルとの付加反応により、高収率で得られることを確認し、結果として、N−(α−アシルオキシエチル)化合物がN−ビニル化合物を製造するための有用な中間生成物であることを見出し、本発明に到ったものである。
【0007】
本発明は、下記一般式(化6)、(化7)(式中R1 は水素原子またはメチル基、R2 はメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、フェニル基を示し、R3はメチル基、エチル基、フェニル基を示し、p は0または1であり、またnは1〜10の整数を表わす)のいずれかで表わされるN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法に関するものである。
【化6】
【化7】
【0008】
上記N−(α−アシルオキシエチル)化合物(化6)、(化7)はぞれぞれ下記一般式(化8)、(化9)(式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R3はメチル基、エチル基、フェニル基を示し、p は0または1であり、nは1〜10の整数を表わす)のいずれかで表わされるNH基含有化合物と一般式 R2C0OCH=CH2(式中、R2はメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、フェニル基を示す)で表わされるカルボン酸ビニルとを、アルカリ存在下で付加反応させることによって例えば下記反応式(化10)の如く、容易にかつ収率よく合成することができるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【化8】
【化9】
【化10】
【0009】
ここで使用されるNH基含有化合物としては、例えば前記一般式(化1)で示されるものとして、β−プロピオラクタム、2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、γ−バレロラクタム、2−ピペリドン、ε−カプロラクタム、2−アザシクロノナノン、2−アザシクロデカノン、ラウロラクタム等、一般式(化2)で示されるものとして、2−オキサゾリドン、5−メチル−2−オキサゾリドン等、一般式(化3)で示されるもとして、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、アセトアニリド等をそれぞれ挙げることができる。又、カルボン酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
【0010】
本発明で使用されるアルカリ物質としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Ba等のアルカリ金属及びアルカリ土金属の単体あるいはその水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アルコラートを挙げることができる。
【0011】
カルボン酸ビニルの添加量は理論上、NH基含有化合物に対し、当量でよいが、生成物であるN−(α−アシルオキシエチル)化合物の粘性あるいは融点が高い場合あるいはカルボン酸ビニルが反応中に一部分解する場合には、カルボン酸ビニルの割合を多くする等、適宜選定すれば良いが、概ねNH基含有化合物1モルに対し1〜2モル程度添加すれば良い。
【0012】
アルカリ物質の添加量についても特に制限はないが、NH基含有化合物1モルに対し、0.0001〜 0.2モル程度使用すればよい。本発明の付加反応の際の反応温度についても特に制限はないが、反応温度が高すぎると、副反応が起こりやすくなる傾向があるので、反応は−60℃〜60℃、さらに好ましくは−30℃〜30℃の範囲の比較的低温で行ったほうが良い。
【0013】
次に反応の具体的操作法について述べるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
予めNH基含有化合物にアルカリを添加し、必要に応じて加温することにより、両者を反応、溶解させた後、水が副生する場合は副生した水を除去し次いでこれをカルボン酸ビニルと混合し、所定の温度で反応を行う。
この場合必要に応じて、ヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの原料、触媒、生成物に対し不活性な有機溶媒を用いて、反応液を希釈してもよい。
【0014】
反応終了後、反応液から減圧蒸留等の方法により、未反応原料、副生成物、溶媒等の低沸点物を除去した後、残渣は精密蒸留、再結晶、液体クロマトグラフィー等適当な精製方法により、分離、精製される。なお本発明のN−(α−アシルオキシエチル)化合物は80℃〜150 ℃程度の温和な条件で熱分解され、工業的に重要なN−ビニル化合物を収率よく与えることから、N−ビニル化合物を製造する際の有用な中間生成物として、工業的利用価値が大きい。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
2−ピロリドン 85g(1モル)に水酸化セシウム 0.45g(0.003 モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により副生した水を除去し、室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル103g(1.2 モル)中に、撹拌しながら15分間で滴下して反応させた。反応中は反応に伴う発熱を除き、且つ液温が−20℃〜10℃の範囲となるように反応系を冷却した。
滴下終了後、反応液を60℃まで昇温させ、減圧蒸留で未反応酢酸ビニル等の低沸点不純物を除去し、生成物164g(収率96%)を得た。次にこの生成物について、下記条件でNMR分析、 質量分析、IR分析を行った。
【0016】
結果は次の通りであった。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数 172)のピークが確認され、分子量が 171であることが判明した。
(IR分析)
1,740cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,703cm-1 (炭素5のカルボニル基由来)
1,220cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の通りであった。
【0017】
【表1】
以上より、この生成物は、下記構造式
【0018】
【化11】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−2−ピロリドンであることが確認された。
【0019】
(実施例2)
酢酸ビニルの代りにn−酪酸ビニル114g(1モル)を使用する以外は、実施例1と同様に処理を行い生成物181g(収率91%)を得た。次にこの生成物について、実施例1と同じ条件でNMR分析、質量分析、IR分析を行い、次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法によりM+1の擬分子イオン(質量数 200)のピークが確認され、分子量が 199であることが判明した。
(IR分析)
1,738cm-1 (炭素4のカルボニル基由来)
1,705cm-1 (炭素7のカルボニル基由来)
1,174cm-1 (炭素4のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の通りであった。
【0020】
【表2】
以上よりこの生成物は、下記構造式
【0021】
【化12】
を有するN−(α−ブチリルオキシエチル)−2−ピロリドンであることが確認された。
【0022】
(実施例3)
酢酸ビニルの代りにピバリン酸ビニル128g(1モル)を使用、水酸化セシウムを 0.75g(0.005 モル)使用する以外は実施例1と同様に処理を行い、生成物207g(収率97%)を得た。次にこの生成物について、実施例1と同じ条件で、NMR分析、質量分析、IR分析を行い、次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数214 )のピークが確認され、分子量が 213であることが判明した。
(IR分析)
1,724cm-1 (炭素3のカルボニル基由来)
1,697cm-1 (炭素6のカルボニル基由来)
1,155cm-1 (炭素3のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の如くであった。
【0023】
【表3】
以上より、この生成物は下記構造式
【0024】
【化13】
を有するN−(α−ピバロイルオキシエチル)−2−ピロリドンであることが確認された。
【0025】
(実施例4)
酢酸ビニルの代りに安息香酸ビニル148g(1モル)を使用し水酸化セシウムを1.05g (0.007 モル)使用する以外は、実施例1と同様に処理し、生成物203g(収率87%)を得た。
次にこの生成物について、実施例1と同じ条件で、質量分析、IR分析を行い、次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数 234)のピークが確認され、分子量が 233であることが判明した。
(IR分析)
1,718cm-1 (炭素5のカルボニル基由来)
1,664cm-1 (炭素8のカルボニル基由来)
1,246cm-1 (炭素5のC−O結合に由来)
以上よりこの生成物は下記構造式
【0026】
【化14】
を有するN−(α−ベンゾイルオキシエチル)−2−ピロリドンであることが確認された。
【0027】
(実施例5)
δ−バレロラクタム 99g(1モル)に水酸化セシウム4.5g(0.03モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により副生した水を除去し、次にテトラヒドロフラン120ml を加えて、室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル103g(1.2 モル)に撹拌しながら滴下すること以外は、実施例1と同様にして生成物159g(収率86%)を得た。次にこの生成物について、実施例1と同じ条件で、NMR分析、質量分析、IR分析を行い次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数 186)のピークが確認され、分子量が 185であることが判明した。
(IR分析)
1,740cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,659cm-1 (炭素5のカルボニル基由来)
1,213cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の如くであった。
【0028】
【表4】
以上よりこの生成物は下記構造式
【0029】
【化15】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−δ−バレロラクタムであることが確認された。
【0030】
(実施例6)
ε−カプロラクタム113g(1モル)に水酸化セシウム2.25g(0.05モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により副生した水を除去し、次にベンゼン150ml を加えて室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル120g(1.42モル)中に撹拌しながら滴下すること以外は実施例1と同様にして、生成物179g(収率90%)を得た。次にこの生成物について実施例1と同じ条件でNMR分析、質量分析、IR分析を行い次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法によりM+1の擬分子イオン(質量数 200)のピークが確認され、分子量が 199であることが判明した。
(IR分析)
1,740cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,660cm-1 (炭素5のカルボニル基由来)
1,236cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の如くであった。
【0031】
【表5】
以上よりこの生成物は下記構造式
【0032】
【化16】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−ε−カプロラクタムであることが確認された。
【0033】
(実施例7)
2−オキサゾリドン 87g(1モル)に水酸化セシウム3g (0.02モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により副生した水を除去し、次にテトラヒドロフラン300 mlを加えて室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル86g(1モル)中に撹拌しながら滴下すること以外は実施例1と同様にして、生成物139g(収率80%)を得た。次にこの生成物について実施例1と同じ条件でNMR分析、質量分析、IR分析を行い、次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法によりM+1の擬分子イオン(質量数 174)のピークが確認され、分子量が 173であることが確認された。
(IR分析)
1,765cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,225cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
(NMR分析)
NMRスペクトル帰属は下表の如くであった。
【0034】
【表6】
【0035】
以上より、この生成物は、下記構造式
【化17】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−2−オキサゾリドンであることが確認された。
【0036】
(実施例8)
N−メチルアセトアミド 73g(1モル)に水酸化カリウム 1.03g(0.018 モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により、水を除去し、次にベンゼン20mlを加えて室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル95g(1.1 モル)中に撹拌しながら滴下すること以外は実施例1と同様に処理を行い、さらに生成物を単蒸留して精製し、生成物132g(収率83%)を得た。次にこの生成物について実施例1と同じ条件で 1H−NMR分析、質量分析、IR分析を行い次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数 160)のピークが確認され、分子量が 159であることが確認された。
(IR分析)
1,741cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,649cm-1 (炭素6のカルボニル基由来)
1,232cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
( 1H−NMR)
NMRスペクトル帰属は下表の如くであった。
【0037】
【表7】
【0038】
以上よりこの生成物は下記構造式
【化18】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−N−メチルアセトアミドであることが確認された。
【0039】
(実施例9)
N−エチルアセトアミド 87g(1モル)に水酸化セシウム6g (0.04モル)を加え、加温して溶解させた後、減圧蒸留により、副生した水を除去し、次にテトラヒドロフラン40mlを加え、室温まで冷却した。次にこの液を酢酸ビニル86g(1モル)中に撹拌しながら滴下すること以外は実施例1と同様に処理を行い、さらに生成物を単蒸留して精製し、生成物145g(収率84%)を得た。次にこの生成物について実施例1と同じ条件で 1H−NMR分析、質量分析、IR分析を行い次の様な結果を得た。
(質量分析)
イソブタンを反応ガスとする化学イオン化法により、M+1の擬分子イオン(質量数 174)のピークが確認され分子量が 173であることが判明した。
(IR分析)
1,740cm-1 (炭素2のカルボニル基由来)
1,662cm-1 (炭素7のカルボニル基由来)
1,219cm-1 (炭素2のC−O結合に由来)
( 1H−NMR)
NMRスペクトル帰属は下表の如くである。
【0040】
【表8】
以上よりこの生成物は、下記構造式
【0041】
【化19】
を有するN−(α−アセトキシエチル)−N−エチルアセトアミドであることが確認された。
【0042】
(実施例10)
フラスコ、充填塔、冷却器を備えたガラス製減圧蒸留装置に実施例1で調整したN−(α−アセトキシエチル)−2−ピロリドンを200g仕込み、加熱し、反応液温が80℃〜 150℃で熱分解生成物が留出する様に、真空度を調整したところ30分以内に蒸留が完了した。
留出した熱分解生成物をさらに減圧蒸留したところ主要留分として酢酸と下記構造式
【0043】
【化20】
のN−ビニル−2−ピロリドンを得ることができた。なお、N−ビニル−2−ピロリドンの生成については、NMRにより確認した(表9参照)。
【0044】
【表9】
【0045】
(実施例11)
実施例3で調製したN−(α−ピバロイルオキシエチル)−2−ピロリドンを実施例10と同様にして熱分解させたところ、主要分解生成物として、ピバリン酸とN−ビニル−2−ピロリドンが得られた。N−ビニル−2−ピロリドンの生成についてはNMRにより確認した(表9参照)。
【0046】
(実施例12)
実施例5で調製したN−(α−アセトキシエチル)−δ−バレロラクタムを実施例10と同様にして、熱分解させたところ、主要生成物として、酢酸と下記構造式
【0047】
【化21】
のN−ビニル−δ−バレロラクタムが得られた。なお、N−ビニル−δ−バレロラクタムの生成については、NMRにより確認した(表10参照)。
【0048】
【表10】
【0049】
(実施例13)
実施例6で調製したN−(α−アセトキシエチル)−ε−カプロラクタムを減圧蒸留装置に仕込み、加熱し、反応液温が80℃〜 150℃で熱分解生成物が留出する様に真空度を調整したところ、30分以内に蒸留が完了した。次に留出した熱分解生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和処理、減圧蒸留したところ、主要留分として下記構造式の
【0050】
【化22】
のN−ビニル−ε−カプロラクタムを得ることができた。なお、N−ビニル−ε−カプロラクタムの生成については、NMRにより確認した(表11参照)。
【0051】
【表11】
【0052】
実施例14
実施例7で調製したN−(α−アセトキシエチル)−2−オキサゾリドンを実施例10と同様にして熱分解させたところ、主要生成物として、酢酸と下記のN−ビニル−オキサゾリドンが得られた。なおN−ビニル−オキサゾリドンの生成については、NMRにより確認した(表12参照)。
【0053】
【化23】
【0054】
【表12】
【0055】
(実施例15)
実施例8で調製したN−(α−アセトキシエチル)−N−メチルアセトアミドを減圧蒸留装置に仕込み、加熱し反応温度が80〜150 で熱分解生成物が留出するように真空度を調整したところ、30分以内に蒸留が完了した。 次に留出した熱分解生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和処理、減圧蒸留したところ、主要留分として下記のN−ビニル−N−メチルアセトアミドを得た。なおN−ビニル−N−メチルアセトアミドの生成については、NMRにより確認した(表13参照)。
【0056】
【化24】
【0057】
【表13】
【0058】
(実施例16)
N−(α−アセトキシエチル)−N−エチルアセトアミドを使用する以外は実施例13と同様に処理したところ、下記のN−ビニル−N−エチルアセトアミドを得た。なおN−ビニル−N−エチルアセトアミドの生成については、NMRにより確認した(表14参照)。
【0059】
【化25】
【0060】
【表14】
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、N−ビニル化合物の有用な原料である新規なN−(α−アシルオキシエチル)化合物を高収率で得ることができる。この化合物は温和な条件で熱分解し、この熱分解反応により、高収率でN−ビニル化合物が得られる。
Claims (6)
- 下記一般式(化3)、(化4)(式中、R 1 は水素原子またはメチル基、R 3 はメチル基、エチル基、フェニル基を示し、 p は0または1であり、nは1〜 10 の整数を表わす)のいずれかで表わされるNH基含有化合物と一般式 R 2 C0OCH=CH 2 (式中、R 2 はメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、フェニル基を示す)で表わされるカルボン酸ビニルとを、アルカリ存在下で付加反応させることを特徴とする、それぞれ、下記一般式(化1)または(化2)(式中、R 1 は水素原子またはメチル基、R 2 はメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、フェニル基、R 3 はメチル基、エチル基、フェニル基を示し、 p は0または1であり、nは1〜 10 の整数を表わす)で示されるN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
- アルカリがアルカリ金属及びアルカリ土金属の単体あるいはその水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アルコラートであることを特徴とする請求項1記載のN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
- アルカリの添加量がNH基含有化合物1モルに対し、 0.0001 〜 0.2 モルであることを特徴とする請求項1記載のN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
- カルボン酸ビニルの添加量がNH基含有化合物1モルに対し、1〜2モルであることを特徴とする請求項1記載のN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
- NH基含有化合物とカルボン酸ビニルとの付加反応を− 60 ℃〜 60 ℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1記載のN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
- 予め、アルカリをNH基含有化合物に添加し、必要に応じて加温することにより、反応、溶解させた後、水が副生する場合は、副生した水を除去したものをカルボン酸ビニルと混合し、付加反応を進行させることを特徴とする請求項1記載のN−(α−アシルオキシエチル)化合物の製造方法。
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