JP3697731B2 - 排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置 - Google Patents

排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱効率の向上を図るため、発電機及び圧縮機を駆動した後のタービン排ガスを燃焼用空気の一部としてボイラへ送給し、ボイラにおける燃料の燃焼に供するようにした排気再燃型コンバインドサイクルプラントが実用化されつつあり、斯かる排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいては、プラントの出力に対応して過熱器から送出される主蒸気の温度を制御する必要があり、主蒸気温度の制御は過熱器へ導入される主蒸気に水をスプレイすることにより行っている。
【0003】
而して、斯かる排気再燃型コンバインドサイクルプラントの一例は図8に示されており、図中、1は火炉1a及び副側壁1b並に後部伝熱部1cを備えたボイラ本体、2は中途部に燃料流量制御弁3が設けられた燃料送給管4を通り送給された燃料をボイラ本体1の火炉1a内に噴射し燃焼させるため火炉1a下部に設置したバーナ、5は外気をダクト6及び風箱7を介し燃焼用空気として火炉1a内へ送給する強圧通風機、8はボイラ本体1の伝熱部で生成されて主蒸気管9を通り送給された主蒸気に水をスプレイし得るよう主蒸気管9の中途部に設けられたスプレイ部、10はスプレイ水流量制御弁11により制御されつつ送給されたスプレイ水をスプレイ部8へ送給するためのスプレイ水送給管、12はボイラ本体1の副側壁1b内に格納され、スプレイ水をスプレイされて主蒸気管9を通り送給された主蒸気を過熱させる過熱器である。
【0004】
13は、過熱器12で生成されて過熱蒸気管14を通り送給された主蒸気により駆動されると共に発電機15を駆動するようにした蒸気タービンであり、蒸気タービン13から抽気された蒸気は復水器で水に戻され、給水ポンプによりボイラ本体1の伝熱部へ循環させ得るようになっている。
【0005】
16は燃焼器17から送給された燃焼ガスにより駆動され、発電機18及び圧縮機19を駆動し得るようにしたガスタービンであり、燃焼器17では、バーナ20から噴射された燃料が圧縮機19から送給された圧縮空気と混合し、燃焼し得るようになっている。
【0006】
21はガスタービン16から排出されたタービン排ガスをダクト6へ送給し得るよう、ダクト6の中途部に接続されたダクトであり、ガスタービン16から排出されたタービン排ガスは、ダクト21からダクト6へ導入され、ダクト6、風箱7を通って火炉1a内へ送給し得るようになっている。
【0007】
上記排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいて、スプレイ部8へスプレイされるスプレイ水の流量を制御して過熱器12の出口における主蒸気温度を制御するための主蒸気温度制御装置は図7に示されている。
【0008】
図中、22は蒸気タービン出力指令PSOに対応して気力単独運転時のスプレイ水流量指令QSSを出力し得るようにした関数発生器、23は蒸気タービン出力指令PSOに対応してコンバインドサイクル運転時のスプレイ水流量指令QSCを出力し得るようにした関数発生器、24は蒸気タービン出力指令PSOの値に応じて切換り、関数発生器22からのスプレイ水流量指令QSS又は関数発生器23からのスプレイ水流量指令QSCを出力し得るようにした切換器、25はスプレイ水流量制御弁11よりもスプレイ水送給方向D1下流側に位置するよう、スプレイ水送給管10に接続されたスプレイ水流量検出器、26は過熱蒸気管14の中途部に接続された過熱蒸気出口温度検出器、27は過熱蒸気出口温度検出器26で検出した過熱蒸気の出口温度(過熱蒸気出口温度)Tと予め設定した過熱蒸気出口温度(過熱蒸気設定出口温度)TOの差をとり過熱蒸気出口温度偏差ΔTを求める減算器、28は燃焼器17から与えられた過熱蒸気出口温度偏差ΔTに基づき該偏差ΔTに略比例したスプレイ水補正流量指令QCを出力し得るようにした比例調整器、29は切換器24からのスプレイ水流量指令QSS又はQSCと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCを加算してスプレイ水修正流量指令ΣQを出力するようにした加算器、30は加算器29から与えられたスプレイ水修正流量指令ΣQとスプレイ水流量検出器25で検出したスプレイ水送給管10を流れるスプレイ水の流量(スプレイ水流量Q)の差をとってスプレイ水流量偏差ΔQを求め出力する減算器、31は減算器30からのスプレイ水流量偏差ΔQを比例積分してスプレイ水流量制御弁開閉指令Xを求め、スプレイ水流量制御弁11へ与える比例積分調節器である。
【0009】
上述の主蒸気温度制御装置の関数発生器22には、図9、図10に示すとおり気力単独運転時の蒸気タービン出力指令PSOとスプレイ水流量指令QSSの関係を示す関数F1(x)が設定され、関数発生器23には、コンバインドサイクル運転時の蒸気タービン出力指令PSOとスプレイ水流量指令QSCの関係を示す関数F2(x)が設定されている。
【0010】
上述の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいては、蒸気タービン出力指令PSOが所定の値よりも低い場合には、蒸気タービン13のみが駆動される気力単独運転が行われ、蒸気タービン出力指令PSOが所定の値よりも高い場合には、蒸気タービン13とガスタービン16の両方が駆動されるコンバインドサイクル運転が行われる。
【0011】
而して、気力単独運転の場合はガスタービン16は停止している。このため、ボイラ本体1の火炉1a内へは、強圧通風機5から吐出された空気のみがダクト6、風箱7を通って火炉1a内へ送給され、又燃料流量制御弁3から燃料送給管4を通り送給された燃料は、バーナ2から火炉1a内へ噴射されて強圧通風機5から送給された空気と混合し、燃焼する。
【0012】
燃料の燃焼により火炉1aで生成した燃焼ガスは、火炉1a内を上昇しつつボイラ本体1の伝熱管を流れる水、蒸気を加熱し、過熱器12を流れる主蒸気を過熱し、後部伝熱部1cから排ガスとして後処理工程へ向け排出される。
【0013】
ボイラ本体1の伝熱管で生成した蒸気は、主蒸気として主蒸気管9を通り、スプレイ部8でスプレイ水送給管10から送給されるスプレイ水を噴射されて温度調整され、過熱器12で所定の過熱度に過熱されて過熱蒸気管14から蒸気タービン13へ送給され、蒸気タービン13を駆動して後抽気される。又蒸気タービン13の駆動により発電機15が駆動され、発電が行われる。
【0014】
一方、気力単独運転時には、切換器24は、関数発生器22からのスプレイ水流量指令QSSが出力されるよう切換っており、蒸気タービン出力指令PSOの大きさに対応した、関数発生器22からのスプレイ水流量指令QSSは、切換器24を通って加算器29へ与えられる。
【0015】
又、過熱器12で過熱されて過熱蒸気管14へ送出された過熱蒸気の温度は過熱蒸気出口温度検出器26で検出されて過熱蒸気出口温度Tとして減算器27へ与えられ、減算器27では、過熱蒸気出口温度Tと予め設定された過熱蒸気設定出口温度TOが比較されて過熱蒸気出口温度偏差ΔT(=T−TO)が求められ、該過熱蒸気出口温度偏差ΔTは比例調節器28へ与えられ、該比例調節器28では過熱蒸気出口温度偏差ΔTを零にするために必要なスプレイ水補正流量指令QCが求められて加算器29へ与えられる。
【0016】
加算器29では、切換器24からのスプレイ水流量指令QSSと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCが加算されてスプレイ水修正流量指令ΣQ(=QSS+QC)が求められ、求められたスプレイ水修正流量指令ΣQは減算器30へ与えられ、スプレイ水流量検出器25で検出された、スプレイ水送給管10を流れるスプレイ水の流量は、スプレイ水流量Qとして減算器30へ与えられる。
【0017】
減算器30では、加算器29からのスプレイ水修正流量指令ΣQとスプレイ水流量Qの差がとられてスプレイ水流量偏差ΔQ(=ΣQ−Q)が求められ、求められたスプレイ水流量偏差ΔQは、減算器30から比例積分調節器31へ与えられ、比例積分調整されてスプレイ水流量制御弁開閉指令Xが求められ、求められたスプレイ水流量制御弁開閉指令Xはスプレイ水流量制御弁11へ与えられて該スプレイ水流量制御弁11の開度が調整される。
【0018】
このためスプレイ水流量制御弁11を通りスプレイ水送給管10からスプレイ部8へスプレイされるスプレイ水の流量は、所定の流量に制御され、その結果、過熱蒸気出口温度検出器26で検出される過熱蒸気出口温度Tは所望の温度に制御され、蒸気タービン出力PSは蒸気タービン出力指令PSOに追従する。
【0019】
コンバインドサイクル運転時には、蒸気タービン13及びガスタービン16の両方が駆動されている。このため、強圧通風機5から吐出された空気と発電機18及び圧縮機19を駆動した後ガスタービン16から排出されたタービン排ガスはダクト6の中途部で合流し、ダクト6から風箱7を経て火炉1a内へ送給され、バーナ2から噴射された燃料と混合し、燃料の燃焼が行われる。
【0020】
燃料の燃焼により火炉1aで生成した燃焼ガスの流れは、気力単独運転時と同じであり、後部伝熱部1cから排ガスとして後処理工程へ向け排出される。
【0021】
ボイラ本体1の伝熱管で生成した蒸気の流れも気力単独運転時と同じであり、主蒸気管9の通過時にスプレイ部8でスプレイ水をスプレイされて温度調整された過熱蒸気は、過熱器12へ送給され、所定の温度に過熱されて蒸気タービン13へ導入され、蒸気タービン13を介して発電機15を駆動し、発電が行われる。
【0022】
一方、コンバインドサイクル運転時には、切換器24は、関数発生器23からのスプレイ水流量指令QSCが出力されるよう切換っており、蒸気タービン出力指令PSOの大きさに対応した、関数発生器23からのスプレイ水流量指令QSCは、切換器24を通って加算器29へ与えられる。
【0023】
又加算器29から比例積分調節器31までの信号の処理は気力単独運転の場合と同様に行われ(ただし、スプレイ水流量指令QSC)、比例積分調節器31から出力されたスプレイ水流量制御弁開閉指令Xにより、スプレイ水流量制御弁11の開度が調整され、スプレイ水送給管10からスプレイ部8へスプレイされるスプレイ水の流量は所定の流量に制御され、その結果、過熱蒸気出口温度Tは所望の温度に制御される。
【0024】
上記排気再燃型コンバインドサイクルプラントで、気力単独運転からコンバインドサイクル運転に切換え、蒸気タービン出力とガスタービン出力の合計の出力を所定の値まであげる場合の手順について、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGの関係を示す図11を参照しつつ説明すると以下のようになる。すなわち、蒸気タービン13の駆動による蒸気タービン出力PSが定格出力の62%の出力PS62に上昇するまでは、図11の水平線Iに沿った気力単独運転を行い、蒸気タービン出力PSが定格出力の62%の出力PS62になったら、垂線IIに示すように蒸気タービン出力PSを定格出力の62%の出力PS62に保持した状態でガスタービン16を起動してコンバインドサイクル運転を開始し、ガスタービン出力PGを定格出力の50%の出力PG50まで上昇させ、ガスタービン出力PGが定格出力の50%の出力PG50に達したら、斜線IIIに示すごとく、蒸気タービン出力PS及びガスタービン出力PGを、蒸気タービン出力PSが定格出力の75%の出力PS75になり、ガスタービン出力PGが定格出力PG100になるまで上昇させ、ガスタービン出力PGが定格出力PG100に達したら、以後は水平線IVに示すように、蒸気タービン出力PSを定格出力PS100に達するまで上昇させる。
【0025】
而して、排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいて気力単独運転からコンバインドサイクル運転に切換える際には、蒸気タービン13とガスタービン16の単位時間当りの出力の変化の割合の相違を考慮すると、両タービン13,16の出力のバランスをとるためには、図11の線I,II,III,IVに倣って出力を増加させることが望ましく、又過熱器12から送出された過熱蒸気の過熱蒸気出口温度Tも実際の蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGが図11の線II,III,IVに沿いバランスを保って変更されるよう調整することが望ましい。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置においては、
i) コンバインドサイクル運転に移行した場合も関数発生器23から出力された、蒸気タービン出力指令PSOに対応したスプレイ水流量指令QSCを基にスプレイ水流量制御弁11の開度調整を行っているだけであり、実際の蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGとは無関係にスプレイ水流量Qを制御しているため、過熱器12出口における過熱蒸気出口温度Tの制御性が悪い、
ii) 蒸気タービン13とガスタービン16では単位時間当たりの出力の増加割合である負荷追従性能が異なるが、従来のように負荷追従性能の相違を考慮せずにスプレイを行うのでは両タービン13,16の実際の運転状態が考慮されていない、
iii) i),ii)により蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGのバランスが取りにくく、蒸気タービン13及びガスタービン16の何れも安定した定格出力に達するまでに時間が掛かる、
等の問題があった。
【0027】
本発明は、上述の実情に鑑み、コンバインドサイクル運転を行う際に蒸気タービン13の運転状態のみならず、ガスタービン16の運転状態をも考慮し、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGがバランスを保ちつつ迅速に且つ確実に定格出力に達し、しかも定格出力が安定して維持できるよう、過熱蒸気出口温度Tを制御することを目的としてなしたものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
ボイラ本体1の過熱器12により過熱された過熱蒸気により駆動され且つ発電機15を駆動し得るようにした蒸気タービン13と、
コンバインドサイクル運転時に燃焼ガスにより駆動されて発電機18を駆動すると共にタービン排ガスをボイラ本体1へ導入される燃料の燃焼に供するためボイラ本体1へ送給し得るようにしたガスタービン16と、
前記過熱器12へ送給される主蒸気に水をスプレイするスプレイ部8と、
を備えた排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいて、
蒸気タービン13の駆動により生じた蒸気タービン出力PSに対応してガスタービン出力指令PGOを出力する関数発生器32と、
該関数発生器32からのガスタービン出力指令PGOとガスタービン16の駆動により生じたガスタービン出力PGとの比をとってガスタービン出力比αを求める比率演算器33と、
該比率演算器33からのガスタービン出力比αに対応した係数βを出力する関数発生器34と、
気力単独運転時及びコンバインドサイクル運転時に蒸気タービン出力指令PSOに対応して、蒸気タービン13の駆動に伴い必要となる基準スプレイ水流量指令QAを出力する関数発生器36と、
コンバインドサイクル運転時に蒸気タービン出力指令PSOに対応して、蒸気タービン13及びガスタービン16の駆動に伴い必要となる基準スプレイ水流量指令QBを出力する関数発生器37と、
関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QA及び関数発生器37からの基準スプレイ水流量指令QBの差をとりガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGを求める減算器38と、
該減算器38からのガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGに前記関数発生器34からの係数βを掛けてガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGを求める掛算器39と、
過熱器12の出側において過熱蒸気出口温度Tを検出する過熱蒸気出口温度検出器26と、
該過熱蒸気出口温度検出器26からの過熱蒸気出口温度Tと過熱蒸気設定出口温度TOの差を取り過熱蒸気出口温度偏差ΔTを求める減算器27と、
該減算器27からの過熱蒸気出口温度偏差ΔTに対応したスプレイ水流量Qとを求める比例調節器28と、
前記関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと掛算器39からのガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCとを加算してスプレイ水修正流量指令ΣQを求める加算器40と、
前記スプレイ部8へスプレイ水を送給するスプレイ水供給管10を流れるスプレイ水流量Qを検出するスプレイ水流量検出器25と、
前記加算器40からのスプレイ水修正流量指令ΣQと前記スプレイ水流量検出器25からのスプレイ水流量Qとの差をとりスプレイ水流量偏差ΔQを求める減算器30と、
該減算器30からのスプレイ水流量偏差ΔQを比例積分してスプレイ水流量制御弁開閉指令Xを求め、該スプレイ水流量制御弁開閉指令Xをスプレイ水送給管10に設けたスプレイ水流量制御弁11へ与え、スプレイ水流量制御弁11の開度を調整する比例積分調節器31
とを備えたものである。
【0029】
又、本発明では、関数発生器34と掛算器39との間に変化率制限器35を設けると良い。
【0030】
【作用】
コンバインドサイクル運転時には、関数発生器32では、蒸気タービン13の駆動により得られた蒸気タービン出力PSからガスタービン出力指令PGOを求め、比率演算器33出は、ガスタービン16の駆動により得られたガスタービン出力PGとガスタービン出力指令PGOとの比をとってガスタービン出力比αを求め、減算器38では、蒸気タービン出力指令PSOから関数発生器36,37において求めた基準スプレイ水流量指令QA,QBの差をとってガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGを求め、掛算器39では、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGに関数発生器34からの係数βを掛けてガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGを求め、比例調節器28では、過熱蒸気出口温度検出器26で検出した過熱蒸気出口温度Tと過熱蒸気設定出口温度TOとの差である過熱蒸気出口温度偏差ΔTに対応してスプレイ水補正流量指令QCを求め、加算器40では、関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと掛算器39からのガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCを加算してスプレイ水修正流量指令ΣQを求め、比例積分調節器31ではスプレイ水修正流量指令ΣQとスプレイ水流量検出器25で検出したスプレイ水流量Qの差である、減算器30で求めたスプレイ水流量偏差ΔQを比例積分してスプレイ水流量制御弁開閉指令Xを求め、該スプレイ水流量制御弁開閉指令Xによりスプレイ水流量制御弁11の開度を調整する。
【0031】
このため、コンバインドサイクル運転時には、蒸気タービン13とガスタービン16の実際の運転状態を考慮して過熱蒸気出口温度Tが制御されるため、過熱蒸気出口温度Tの制御性が良好であり、その結果、負荷追従性の異なる蒸気タービン13とガスタービンの出力PS,PGは予め設定した関数に従って容易且つ迅速にバランスし、蒸気タービン13及びガスタービン16が定格出力に達するまでの時間も短時間で良い。
【0032】
係数βを変化率制限器35を通して掛算器39に与える場合には、ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGは徐々に変化するため、過熱蒸気出口温度Tの制御性はより一層良好となり、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGをより一層確実にバランスさせることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1〜図6は本発明の一実施例であり、本実施例における排気再燃型コンバインドサイクルプラント自体は図8に示す従来のものと同じである。しかし、本実施例においては、図2に示すように、発電機15から蒸気タービン出力PSを出力し得るようになっており、発電機18からガスタービン出力PGを出力し得るようになっている。
【0035】
又、本実施例における主蒸気温度制御装置は、図1に示され、図中、32は発電機15からの蒸気タービン出力PSに対応してガスタービン出力指令PGOを出力し得るようにした関数発生器、33は関数発生器32からのガスタービン出力指令PGOにより発電機18からのガスタービン出力PGを除算してガスタービン出力比αを求める比率演算器、34は比率演算器33からのガスタービン出力比αに対応した非線形補償係数βを求める関数発生器、35は関数発生器34から与えられる非線形補償係数βの単位時間当りの変化率が予め定めた所定の変化率よりも大きい場合にその変化率を制限して非線形補償係数βを出力し得るようにした変化率制限器である。
【0036】
36は気力単独運転時及びコンバインドサイクル運転時の両方において、蒸気タービン13の駆動に伴い必要となる蒸気タービン出力指令PSOに対応した基準スプレイ水流量指令QAを出力する関数発生器、37はコンバインドサイクル運転時に蒸気タービン13及びガスタービン16の駆動に伴い必要となる基準スプレイ水流量指令QBを出力する関数発生器、38は関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと関数発生器37からの基準スプレイ水流量指令QBの差をとり、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGを求める減算器、39は関数発生器34からのガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGと関数発生器34から変化率制限器35を経て与えられた非線形補償係数βを掛けることにより、ガスタービン出力指令PGOと実際のガスタービン出力PGの違いに対応して、ガスタービン16の駆動により増加する必要のあるガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGを求める掛算器、40は関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと、掛算器39からのガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGと、従来の場合と同様、減算器27で求められた過熱蒸気出口温度偏差ΔTに対応して比例調節器28から与えられたスプレイ水補正流量指令QCとを加算してスプレイ水修正流量指令ΣQを求める加算器であり、加算器40で求めたスプレイ水修正流量指令ΣQは、従来の場合と同様、減算器30に与え得るようになっている。
【0037】
又、減算器30からは、加算器40で求めたスプレイ水修正流量指令ΣQとスプレイ水流量検出器25で検出したスプレイ水流量Qとの差であるスプレイ水流量偏差ΔQを求めて比例積分調節器31へ与え得るようになっており、比例積分調節器31からは、スプレイ水流量制御弁開閉指令Xをスプレイ水流量制御弁11へ与え得るようになっており、過熱蒸気出口温度検出器26で検出した過熱蒸気出口温度Tは過熱蒸気設定出口温度TOが設定される減算器27へ与え得るようになっており、これらのことも従来の場合と同じである。
【0038】
上記の主蒸気温度制御装置の関数発生器32,34,36,37には、図3、図4、図5、図6に示すごとき関数F3(x),F4(x),F5(x),F6(x)が設定してある。而して、図3に示す関数F3(x)は、コンバインドサイクル運転を行う際に両タービン13,16の出力のバランスや負荷追従性の相違を考慮して決定した蒸気タービン出力PSと蒸気タービン出力PSに対応したガスタービン出力指令PGOとの関係を表わすものであり、図4に示す関数F4(x)は、ガスタービン出力指令PGO及び実際のガスタービン出力PGの比であるガスタービン出力比α=PG/PGOと、該出力比αにより定まる非線形補償係数βの関係を表わすものであり、図5に示す関数F5(x)は、気力単独運転時或いはコンバインドサイクル運転時において、蒸気タービン出力指令PSOと、蒸気タービン13の運転に伴い必要となる蒸気タービン出力指令PSOに対応した基準スプレイ水流量指令QAの関係を表わすものであり、図6に示す関数F6(x)は、蒸気タービン出力指令PSOと、気力単独運転或いはコンバインドサイクル運転に伴い必要となる、蒸気タービン出力指令PSOに対応したプラント全体の基準スプレイ水流量指令QBの関係を表わすものである。なお、図3中、PS62は蒸気タービン出力PSの定格出力PS100の62%の出力、PS75は同定格出力PS100の75%の出力、PGO50はガスタービン出力指令PGOの最大値PGO100の50%の出力指令を表わしている。
【0039】
本実施例の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいては、蒸気タービン13のみが駆動される気力単独運転の場合も、蒸気タービン13及びガスタービン16が駆動されるコンバインドサイクル運転の場合も、空気、燃料、燃焼ガス、蒸気、タービン排ガス等の流れは図8に示す従来の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0040】
而して、気力単独運転時には、所定の値の蒸気タービン出力指令PSOが関数発生器36,37に与えられ、関数発生器36からは、蒸気タービン出力指令PSOに対応した基準スプレイ水流量指令QAが出力されて加算器40及び減算器38に与えられるが、関数発生器37からは、基準スプレイ水流量指令QBが出力される。このため、減算器38では、QB−QAが求められるが、気力単独運転時はQA=QBであり、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQG=0となり、掛算器39へは、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGは与えられない。なお、QA=QBとなるのは、基準スプレイ水流量指令QA,QBは何れも気力単独運転時において蒸気タービン13だけを駆動した場合のスプレイ水流量指令となるためである。
【0041】
一方、蒸気タービン13により駆動される発電機15の出力は蒸気タービン出力PSとして、関数発生器32に与えられるが、気力単独運転時には、関数発生器32からは何等指令が出力されない。又ガスタービン16は駆動されていないため発電機18からはガスタービン出力PGは出力されず、比率演算器33で演算されるガスタービン出力比αは、PG/PGO=0/0=0であり、関数発生器34から何等指令は出力されない(β=0)。従って、掛算器39では、ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QG(=0×0)=0となり、掛算器39から加算器40へガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGが出力されることはない。
【0042】
過熱器12で過熱されて過熱蒸気管14へ送出された過熱蒸気の温度は、過熱蒸気出口温度検出器26で検出され、過熱蒸気出口温度Tとして減算器27へ与えられ、減算器27では、過熱蒸気出口温度Tと予め設定された過熱蒸気設定出口温度TOが比較されて過熱蒸気出口温度偏差ΔTが求められ、該過熱蒸気出口温度偏差ΔTは比例調節器28へ与えられ、該比例調節器28では過熱蒸気出口温度偏差ΔTを零にするために必要なスプレイ水補正流量指令QCが求められて加算器40へ与えられる。
【0043】
加算器40では、関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCが加算されてスプレイ水修正流量指令ΣQ(=QA+QC)が求められ、該スプレイ水修正流量指令ΣQは減算器30へ与えられ、スプレイ水流量検出器25で検出された、スプレイ水送給管10を流れるスプレイ水の流量は、スプレイ水流量Qとして減算器30へ与えられる。
【0044】
減算器30では、加算器40からのスプレイ水修正流量指令ΣQとスプレイ水流量Qの差がとられてスプレイ水流量偏差ΔQが求められ、該スプレイ水流量偏差ΔQは減算器30から比例積分調節器31へ与えられ、比例積分調整されてスプレイ水流量制御弁開閉指令Xが求められ、求められたスプレイ水流量制御弁開閉指令Xはスプレイ水流量制御弁11へ与えられてスプレイ水流量制御弁11の開度が調整される。
【0045】
このため、スプレイ水流量制御弁11を通り、スプレイ水送給管10からスプレイ部8へスプレイされるスプレイ水の流量は、所定の流量に制御され、その結果、過熱器12出側における過熱蒸気出口温度Tは所望の温度に制御され、蒸気タービン出力PSは蒸気タービン出力指令PSOに追従する。
【0046】
コンバインドサイクル運転時には、蒸気タービン13及びガスタービン16の両方が駆動されている。このため、蒸気タービン13により駆動される発電機15の出力は蒸気タービン出力PSとして関数発生器32へ与えられ、ガスタービン16により駆動される発電機18の出力はガスタービン出力PGとして比率演算器33へ与えられる。
【0047】
而して、関数発生器32からは、図3に示すごとく蒸気タービン出力PSに対応したガスタービン出力指令PGOが出力されて比率演算器33に与えられ、比率演算器33では、発電機18からのガスタービン出力PGがガスタービン出力指令PGOにより除算されてガスタービン出力比αが求められ、求められたガスタービン出力比αは関数発生器34へ与えられる。
【0048】
関数発生器34では、図4に示すごとく、ガスタービン出力比αに対応してすなわち、ガスタービン出力指令PGOと実際に発生したガスタービン出力PGの違いに対応して、非線形補償係数βが求められ、該非線形補償係数βは変化率制限器35を介して掛算器39へ与えられる。変化率制限器35においては、単位時間当りの変化率は予め定めてあるため、非線形補償係数βは急激に変化することはない。
【0049】
又、蒸気タービン出力指令PSOは、関数発生器36,37に与えられ、関数発生器36からは図5に示すごとく蒸気タービン出力指令PSOに対応した基準スプレイ水流量指令QAが出力されて減算器38及び加算器40に与えられ、関数発生器37からは、図6に示すごとく、蒸気タービン出力指令PSOに対応した基準スプレイ水流量指令QBが出力されて減算器38に与えられ、減算器38では、基準スプレイ水流量指令QBとQAの差がとられて、コンバインドサイクル運転時に蒸気タービン13を駆動することにより増加しなければならないスプレイ水の流量指令が、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQG(=QB−QA)として求められ、該ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGは掛算器39に与えられる。
【0050】
掛算器39では、ガスタービン駆動スプレイ水流量指令ΔQGと非線形補償係数βが掛けられて、ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QG(=β・ΔQG)が求められ、該ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGは加算器40に与えられる。
【0051】
過熱蒸気出口温度検出器26で検出された、過熱蒸気管14内を流れる過熱蒸気の温度は、過熱蒸気出口温度Tとして減算器27へ与えられ、減算器27では、過熱蒸気出口温度Tと予め設定されている過熱蒸気設定出口温度T0との差がとられて過熱蒸気出口温度偏差ΔTが求められて比例調節器28へ与えられ、比例調節器28では、過熱蒸気出口温度偏差ΔTに対応して増減すべきスプレイ水補正流量指令QCが求められて加算器40へ与えられる。
【0052】
加算器40では、関数発生器36からの基準スプレイ水流量指令QAと掛算器39からのガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGと比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCを加算してスプレイ水修正流量指令ΣQ(=QA+QG+QC)が求められ、求められたスプレイ水修正流量指令ΣQは減算器30に与えられ、又スプレイ水流量検出器25により検出された、スプレイ水送給管10内を流れるスプレイ水の流量は、スプレイ水流量Qとして減算器30に与えられる。
【0053】
減算器30では、加算器40からのスプレイ水修正流量指令ΣQと、スプレイ水流量検出器25からのスプレイ水流量Qの差がとられてスプレイ水流量偏差ΔQが求められ、該スプレイ水流量偏差ΔQは比例積分調節器31で比例積分されてスプレイ水流量制御弁開閉指令Xが求められ、求められたスプレイ水流量制御弁開閉指令Xはスプレイ水流量制御弁11へ与えられて該制御弁11の開度が所定の開度に調整される。
【0054】
このため、スプレイ水流量制御弁11を通り、スプレイ水送給管10からのスプレイ部8へスプレイされるスプレイ水の流量は、所定の流量に制御され、その結果、過熱器12出側における過熱蒸気出口温度Tは所望の温度に制御され、蒸気タービン出力PSは蒸気タービン出力指令PSOに、又ガスタービン出力PGはガスタービン出力指令PGOに、夫々追従する。
【0055】
本実施例の排気再燃焼型コンバインドサイクルプラントにおいて気力単独運転からコンバインドサイクル運転に切換える際には、ガスタービン出力PGは成り行き任せではなく、関数発生器32に設定してある図3に示す関数F3(x)に基づき制御されることになる。すなわち、検出された蒸気タービン出力PSが定格出力PS100の62%よりも少い出力PS62の場合には、関数発生器32からはガスタービン出力指令PGOは出力されないが、蒸気タービン出力PSが定格出力PS100の62%の出力PS62に達すると、ガスタービン出力指令PGOとしてはPGO50が関数発生器32から出力され、比率演算器33に与えられる。
【0056】
しかるに、気力単独運転から、コンバインドサイクル運転に切換った直後には、ガスタービン16の駆動により発電機18から取出されるガスタービン出力PGは低いため、比率演算器33で演算されたガスタービン出力比α=PG/PGOは小さい値となり、非線形補償係数βは大きくなる。従って、非線形補償係数βを変化率制限器35を通さずに直接掛算器39に与えると、ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令QGが急激に大きくなり、延いては、スプレイ水修正流量指令ΣQ、スプレイ水流量偏差ΔQ、スプレイ水流量制御弁開閉指令Xも急激に大きくなる結果、スプレイ水流量制御弁11が急激に開いてスプレイ水流量も急激に増加し、又スプレイ水流量が急増すれば過熱蒸気出口温度Tが急激に低下して減算器27の過熱蒸気出口温度偏差ΔTが減少若しくはマイナスとなる。
【0057】
又、過熱蒸気出口温度偏差ΔTが減少し若しくはマイナスになると、比例調節器28からのスプレイ水補正流量指令QCは減少し、延いてはスプレイ水修正流量指令ΣQ、スプレイ水流量偏差ΔQ、スプレイ水流量制御弁開閉指令Xも低下してスプレイ水流量制御弁11が急激に閉止し、スプレイ水流量Qも急激に減少することになり、過熱蒸気出口温度Tは急激に上昇する。このため、過熱蒸気出口温度T延いては蒸気タービン出力PS及びガスタービン出力PGを迅速に安定するような制御を行うことができない。
【0058】
しかるに、変化率制限器35から出力される非線形補償係数βの変化率を制限しているため、究極的には、スプレイ水流量制御弁開閉指令Xの急激な変化が防止され、スプレイ水流量制御弁11の開閉は徐々にゆっくりと行われることになる。従って、過熱蒸気出口温度Tの変動も大きくならず、迅速に安定した過熱蒸気出口温度Tを得ることができ、蒸気タービン出力PS及びガスタービン出力PGも迅速に安定するよう、制御が行われる。従って、ガスタービン出力PGが定格出力PG100の50%に到達するまでは、図11の直線IIに沿ってガスタービン出力PGは増加する。
【0059】
又、例えばガスタービン出力PGが定格出力PG100の50%の出力PG50に到達すると、蒸気タービン出力指令PSOは更に高い値に切換えられ、蒸気タービン出力PSはその蒸気タービン出力指令PSOに対応して増加し、又ガスタービン出力指令PGOも図3の関数F3(x)に示すように増加するが、変化率制限器35を設けて上述のように制御を行うことにより、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGは図11の線III,IVに沿って変更される。
【0060】
本実施例においては、コンバインドサイクル運転を行う場合に、蒸気タービン出力指令PSO及びガスタービン出力指令PGOに基いた実際の蒸気タービン出力PS及びガスタービン出力PGに従い、スプレイ部8にスプレイするスプレイ水流量を制御し、過熱蒸気出口温度Tを制御しているため、過熱蒸気出口温度Tの制御性が良好であり、実際の運転状態を考慮して制御を行っているため、バランスのとれた運転を行うことができる。従って、容易に蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGのバランスをとることができ、迅速に蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGを安定させることができる。
【0061】
なお、本発明の実施例では、スプレイ部8を1段とする場合について説明したが多段としても実施できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0062】
【発明の効果】
本発明の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置によれば、請求項1の場合には、コンバインドサイクル運転を行う際に、実際の蒸気タービン出力PS及びガスタービン出力PGを基に過熱蒸気出口温度Tの制御を行っているため該温度Tの制御性が良好であり、又実際の運転状態を考慮しているため、容易且つ迅速に過熱蒸気出口温度Tを所望の温度にでき、延いては、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGをバランスをとりつつ迅速に安定させることができ、請求項2の場合には、過熱蒸気出口温度Tの制御性はより一層良好となり、蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGをより一層確実にバランスさせることができる、等種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置の一実施例のブロック図である。
【図2】図1の主蒸気温度制御装置が適用される排気再燃型コンバインドサイクルプラントの概略配置図である。
【図3】図1の関数発生器32に設定される蒸気タービン出力PSとガスタービン出力指令PGOとの関係を表わすグラフである。
【図4】図1の関数発生器34に設定されるガスタービン出力比PG/PGO=αと非線形補償係数βとの関係を表わすグラフである。
【図5】図1の関数発生器36に設定される蒸気タービン出力指令PSOと基準スプレイ水流量指令QAとの関係を表わすグラフである。
【図6】図1の関数発生器37に設定される蒸気タービン出力指令PSOと基準スプレイ水流量指令QBとの関係を表わすグラフである。
【図7】従来の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置の一例のブロック図である。
【図8】図7の主蒸気温度制御装置が適用される排気再燃型コンバインドサイクルプラントの概略配置図である。
【図9】図7の関数発生器22に設定される気力単独運転時の蒸気タービン出力指令PSOとスプレイ水流量指令QSSとの関係を表わすグラフである。
【図10】図7の関数発生器23に設定されるコンバインドサイクル運転時の蒸気タービン出力指令PSOとスプレイ水流量指令QSCとの関係を表わすグラフである。
【図11】蒸気タービン出力及びガスタービン出力を上昇させる場合の蒸気タービン出力PSとガスタービン出力PGとの関係を表わすグラフである。
【符号の説明】
1 ボイラ本体
8 スプレイ部
10 スプレイ水送給管
11 スプレイ水流量制御弁
12 過熱器
13 蒸気タービン
15 発電機
16 ガスタービン
18 発電機
25 スプレイ水流量検出器
26 過熱蒸気出口温度検出器
27 減算器
28 比例調節器
30 減算器
31 比例積分調節器
32 関数発生器
33 比率演算器
34 関数発生器
35 変化率制限器
36 関数発生器
37 関数発生器
38 減算器
39 掛算器
40 加算器
SO 蒸気タービン出力指令
T 過熱蒸気出口温度
O 過熱蒸気設定出口温度
ΔT 過熱蒸気出口温度偏差
C スプレイ水補正流量指令
ΣQ スプレイ水修正流量指令
Q スプレイ水流量
X スプレイ水流量制御弁開閉指令
ΔQ スプレイ水流量偏差
GO ガスタービン出力指令
S 蒸気タービン出力
G ガスタービン出力
GO ガスタービン出力指令
α ガスタービン出力比
β 非線形補償係数(係数)
A 基準スプレイ水流量指令
B 基準スプレイ水流量指令
ΔQG ガスタービン駆動スプレイ水流量指令
G ガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令

Claims (2)

  1. ボイラ本体(1)の過熱器(12)により過熱された過熱蒸気により駆動され且つ発電機(15)を駆動し得るようにした蒸気タービン(13)と、
    コンバインドサイクル運転時に燃焼ガスにより駆動されて発電機(18)を駆動すると共にタービン排ガスをボイラ本体(1)へ導入される燃料の燃焼に供するためボイラ本体(1)へ送給し得るようにしたガスタービン(16)と、
    前記過熱器(12)へ送給される主蒸気に水をスプレイするスプレイ部(8)と、
    を備えた排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおいて、
    蒸気タービン(13)の駆動により生じた蒸気タービン出力(PS)に対応してガスタービン出力指令(PGO)を出力する関数発生器(32)と、
    該関数発生器(32)からのガスタービン出力指令(PGO)とガスタービン(16)の駆動により生じたガスタービン出力(PG)との比をとってガスタービン出力比(α)を求める比率演算器(33)と、
    該比率演算器(33)からのガスタービン出力比(α)に対応した係数(β)を出力する関数発生器(34)と、
    気力単独運転時及びコンバインドサイクル運転時に蒸気タービン出力指令(PSO)に対応して、蒸気タービン(13)の駆動に伴い必要となる基準スプレイ水流量指令(QA)を出力する関数発生器(36)と、
    コンバインドサイクル運転時に蒸気タービン出力指令(PSO)に対応して、蒸気タービン(13)及びガスタービン(16)の駆動に伴い必要となる基準スプレイ水流量指令(QB)を出力する関数発生器(37)と、
    関数発生器(36)からの基準スプレイ水流量指令(QA)及び関数発生器(37)からの基準スプレイ水流量指令(QB)の差をとりガスタービン駆動スプレイ水流量指令(ΔQG)を求める減算器(38)と、
    該減算器(38)からのガスタービン駆動スプレイ水流量指令(ΔQG)に前記関数発生器(34)からの係数(β)を掛けてガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令(QG)を求める掛算器(39)と、
    過熱器(12)の出側において過熱蒸気出口温度(T)を検出する過熱蒸気出口温度検出器(26)と、
    該過熱蒸気出口温度検出器(26)からの過熱蒸気出口温度(T)と過熱蒸気設定出口温度(TO)の差を取り過熱蒸気出口温度偏差(ΔT)を求める減算器(27)と、
    該減算器(27)からの過熱蒸気出口温度偏差(ΔT)に対応したスプレイ水流量(Q)とを求める比例調節器(28)と、
    前記関数発生器(36)からの基準スプレイ水流量指令(QA)と掛算器(39)からのガスタービン駆動補正スプレイ水流量指令(QG)と比例調節器(28)からのスプレイ水補正流量指令(QC)を加算してスプレイ水修正流量指令(ΣQ)を求める加算器(40)と、
    前記スプレイ部8へスプレイ水を送給するスプレイ水供給管10を流れるスプレイ水流量Qを検出するスプレイ水流量検出器25と、
    前記加算器(40)からのスプレイ水修正流量指令(ΣQ)と前記スプレイ水流量検出器(25)からのスプレイ水流量(Q)との差をとりスプレイ水流量偏差(ΔQ)を求める減算器(30)と、
    該減算器(30)からのスプレイ水流量偏差(ΔQ)を比例積分してスプレイ水流量制御弁開閉指令(X)を求め、該スプレイ水流量制御弁開閉指令(X)をスプレイ水送給管(10)に設けたスプレイ水流量制御弁(11)へ与え、スプレイ水流量制御弁(11)の開度を調整する比例積分調節器(31)
    とを備えたことを特徴とする排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置。
  2. 関数発生器(34)と掛算器(39)との間に変化率制限器(35)を設けた請求項1に記載の排気再燃型コンバインドサイクルプラントにおける主蒸気温度制御装置。
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