JP3697554B2 - セルロース系繊維の風合調整法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はセルロース系繊維にソフトな風合を付与する為の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロース系繊維の風合を改良する方法として、染色の前にセルラーゼ等の酸素処理をする方法が知られている。染色布帛においては、染料の脱落に注意しながら、50〜90℃の温度の湯もみによるソフト化が知られている。
しかしながら、前者においては、処理のバラツキ、強力低下等の欠点があり、後者では、ソフト化が不充分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は超ソフトな風合で、張り・腰があり、かつ鮮明な色で、染色堅牢性にも優れるセルロース系繊維を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、セルロース結晶構造中にセルロースIII及びセルロースIの結晶構造を有し、かつセルロースIIIの全結晶中における含有率が40%以上であるセルロース系繊維を、液流染色機を用いて100〜140℃の熱水で処理し、湯もみ作用を効率的に付与する際、高温反応型反応性染料を用いて染色することを特徴とするセルロース系繊維の風合調整法であり、さらに、前記の高温反応型反応性染料が、四級化されたニコチン酸を脱離基として持つ反応性染料であることを特徴とするセルロース系繊維の風合調整法である。
【0005】
本発明におけるセルロース系繊維とは、木綿、麻等の天然セルロース繊維及びレーヨン等の再生セルロース繊維を含む。これらのセルロース系繊維の中で、木綿が本発明の効果を最もよく発揮させることが可能であり、好ましい。
【0006】
本発明におけるセルロース系繊維の結晶構造は、セルロースIII及びセルロースIが必須であり、さらにはセルロースIIの結晶構造をも有し、かつセルロースIIIの全結晶中における含有率が40%以上である。
【0007】
この結晶構造を取ることにより、セルロース系繊維中の不均一な歪が解消され、微細構造中の非晶領域におけるミクロポアの大きさがより小さく、より均一な分布に再編成される。
これらの微細構造を有するセルロース系繊維は、100℃以上の熱水により著しく膨潤する。このため、液流染色機等を用いて上記セルロース系繊維含有織編物を100℃以上の熱水で処理すると、いわゆる湯もみ作用が効率的に付与されて、超ソフトな風合で、かつ張り、腰のある独特の風合が発現される。
【0008】
また、熱水処理の際に、100℃以上の高温で反応する高温反応型反応性染料を用いて染色するのが非常に効率的である。
【0009】
即ち、高温反応型反応性染料として、例えば四級化されたニコチン酸を脱離基とした反応性染料(3−カルボキシピリジニオ−1,3,5−トリアジン反応基を有する染料、カヤセロンリアクト染料など)を含有する中性領域の染液を使用し、100〜140℃で液流染色機等を用いて吸尽染色を行なう。この際、セルロース系繊維が著しく膨潤するために、反応性染料が効率的に吸尽されて、染料の固着が促進され、かつ湯もみ作用が付与されるため、色あせがなく、染色堅牢性に優れ、かつ超ソフトで、張り、腰のある染色布帛を得ることができる。
【0010】
前記の本発明におけるセルロース系繊維の結晶構造と微細構造を得る方法としては、例えば液体アンモニアによる浸漬処理が好適である。この場合、セルロース系布帛を液体アンモニアに浸漬後5〜90秒、好ましくは5〜20秒以内にアンモニアを除去する。液体アンモニア以外にメチルアミン、エチルアミン等の低級アルキルアミンの使用も可能である。
【0011】
本発明におけるセルロース系繊維微細構造において、結晶構造中のセルロースIIIの含有率は、40%以上であり、かつ他の結晶構造のセルロースII及びセルロースIを含めた含有量は、セルロースIII>セルロースI>セルロースIIの順であり、セルロースIIは0であってもよい。セルロースIIIは、好ましくは60〜90%、より好ましくは65〜85%である。結晶部以外の非晶領域においては、直径又は幅が100nm以下の微細な空隙(ポア)であるミクロポアが多量に存在する。このため、バリウム活性価(AATCC89−1958T)は140〜180の価を示す。
【0012】
これらの微細構造のセルロース系繊維を得るための最も好ましい方法は、予めマーセル化された木綿を液体アンモニア処理する方法であり、この場合、吸尽染色処理において、染着性が一層向上する。
本発明におけるセルロース系繊維は、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維や羊毛等の天然繊維等と混紡、交撚、交編、交織等の混用物であってもよい。
【0013】
染色と風合の調整の両方を達成する場合の染色法について述べると、例えば吸尽染色法の場合、予め前記の微細構造のセルロース系繊維を含有する布帛を約50℃の温湯に浸漬し、撹拌しながら、四級化されたニコチン酸を脱離基として持つ反応性染料の所望量と芒硝を10〜100g/lの範囲で所望量添加した後に、pH調整剤でpH6〜8、好適にはpH7の染液を調整する。しかる後に1〜5℃/分、好適には1〜3℃/分で120〜140℃まで昇温後、温度を保持させながら20〜60分の液撹拌染色を行なう。
しかる後、常法の洗浄、乾燥を行なう。このようにして得られた染色布帛は、従来のシルケット処理−反応染色では到底得られないソフトで高弾撥性を有し、鮮明な色相の染色物を得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
・結晶構造はX線回折法により解析し、セルロースI〜III型の含量の求め方は、 Randy, B.G:Acta. Chem. Scand.,6(1952) P.116 および林ら、北海道大学研究報告、P.83(1974) に記載の方法によった。
【0015】
・風合の測定:
ハンドリングが特に優れているものを◎、次いで風合が悪くなる順に○>△>×で示した。
KES法:カトーテック製風合試験機により測定した。
剛軟度は数値が小さい程、ソフトであり、伸度は大きい程伸縮性があり、高弾発性があることを示す。
【0016】
実施例1及び比較例1〜3
▲1▼ 生地の準備
・綿100%の50番単糸ブロード布に通常の下晒し加工を行った後、カセイソーダ25°Beでマーセル化を行った(A布)。結晶構造は、セルロースI型が26%、セルロースII型が74%であった。
・上記A布を液体アンモニア処理して、セルロースの結晶構造のI型が27%、II型が6%、III型が67%のB布を得た。
【0017】
▲2▼ 処理法(イ)
上記A及びB布を各1kg、計2kgを浴比1:15で液流染色機に水とともに投入後、スミフィックススプラブルーBRF(住友化学社製反応染料)3%owfの1/2量と炭酸ソーダ20g/lの1/2量とを初期投入し、10分間液流昇温させ、途中40℃で染料、無水芒硝、炭酸ソーダの各残1/2量を添加後70℃にし、70℃で40分間処理した。その後常法の洗浄を行った。
【0018】
▲3▼ 処理法(ロ)
上記処理布A、Bを各1kg、計2kgを浴比1:15で、液流染色機に水とともに投入後、撹拌しながらカヤセロンブルーE−TB(日本化薬社製リアクト型反応染料)3%owfと、芒硝50g/l、カヤクバッファーP−7(日本化薬社製pH調整剤)1g/lを添加し、2℃/分で130℃に昇温させ、130℃で40分間処理後、常法で水洗した。
【0019】
次いで上記各水洗布を再度、浴比1:15、45℃の湯水条件で液撹拌しながら市販のアミノシリコーン2%owf量を10分間で吸尽させ、脱水後、120℃の熱風で幅出しテンター乾燥した。表1に2種の生地(A、B)、2種の処理法(イ、ロ)で処理した布帛の特性を比較した。
【0020】
【表1】
Figure 0003697554
【0021】
表1より明らかに本発明法のB布−(ロ)処理品の風合が超ソフトで張り・腰があり、伸縮性のあるシルキーな風合である。
【0022】
実施例2及び比較例5〜7
▲1▼ 生地の準備
・ポリエステル/綿(30/70)混、45番単糸ブロードに通常の下晒加工を行った後、常法のシルケット、ヒートセット加工を行った(C布)。木綿単繊維のセルロース結晶構造は、セルロースI型が27%、セルロースII型が73%であった。
・上記C布を液体アンモニア処理して、木綿の結晶構造がセルロースI型28%、セルロースII型4%、セルロースIII型68%のD布を得た。
▲2▼ 上記C、D布を用いて前記の処理法(イ)または(ロ)の方法で処理し仕上を行った。
【0023】
【表2】
Figure 0003697554
【0024】
表2の如く、本発明のD布−処理(ロ)品の風合が超ソフトで張り、腰があり伸縮性のあるシルキーな風合である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の処理法により得られたセルロース系繊維布帛は、従来のシルケット処理−反応染色では到底得られなかった超ソフトで、かつ高弾発性をも有する独特の風合を実現することができる。さらに染色布帛においては、鮮明で、染色堅牢度に優れた染色品を得ることができる。

Claims (2)

  1. セルロース結晶構造中にセルロースIII及びセルロースIの結晶構造を有し、かつセルロースIIIの全結晶中における含有率が40%以上であるセルロース系繊維を、液流染色機を用いて100〜140℃の熱水で処理し、湯もみ作用を効率的に付与する際、高温反応型反応性染料を用いて染色することを特徴とするセルロース系繊維の風合調整法。
  2. 高温反応型反応性染料が、四級化されたニコチン酸を脱離基として持つ反応性染料であることを特徴とする請求項1に記載のセルロース系繊維の風合調整法。
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