JP3697431B2 - リニアシャトル型プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドをリニアシャトルに搭載し、リニアシャトルが所定の等速領域で等速移動する間に印字ヘッドにて印字処理を行うリニアシャトル型プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4〜図6は、所定の等速領域での等速移動とその等速領域の両外側の反転領域での反転移動とからなる往復連続動作を行うリニアシャトルに印字ヘッドを搭載して、その等速領域にて印字処理を行うように構成したリニアシャトル型プリンタの要部を示す図である。
【0003】
図4に示すように、リニアシャトル型プリンタは、印字ヘッド1を搭載するリニアシャトル2と、リニアシャトル2を駆動するリニアモータ3を有するシャトル駆動手段とを備え、シャトル駆動手段によりリニアシャトル2を所定の等速領域で等速で移動させ、その両外側の反転領域でリニアシャトル2の走行方向を反転させるようになっている。そして、リニアシャトル2が等速領域で移動する際に、印字ヘッド1とプラテン(図示せず)との間に挿通された用紙に対して印字処理がなされる。
【0004】
リニアシャトル2の下面にはヨーク30が設けられ、ヨーク30の下面に複数個の永久磁石32a, 32bが設けられている。一方、フレームにはコイルベース31が設けられ、コイルベース31上に電磁コイル33a, 33bが設けられており、これらの電磁コイル33a, 33bはリニアシャトル2側の永久磁石32a, 32bに対向している。これらの永久磁石32a, 32b及び電磁コイル33a, 33bにてリニアモータ3が構成されている。永久磁石は、両端部に位置する等速駆動用の永久磁石32a と中央部に位置する反転駆動用の永久磁石32b とに分けられ、電磁コイルも、両端部に位置する等速駆動用の電磁コイル33a と中央部に位置する反転駆動用の電磁コイル33b とに分けられる。反転駆動用の電磁コイル33b に通電すると印字ヘッド1が反転駆動用の永久磁石32b の中央に移動して反転動作が行われ、リニアシャトル2は、等速駆動用の電磁コイル33a に順方向に通電すると右方向に、電磁コイル33a に逆方向に通電すると左方向に移動する。
【0005】
また、図5に示すように、リニアシャトル2の反転領域の両外側には、リニアシャトル2の移動を緩衝させるためのダンパー4が設けられている。更に、図6に示すように、リニアシャトル2の位置検出を行うためのスリット板8がリニアシャトル2に設けられ、発光素子9a及び受光素子9bから構成される位置センサ9がフレーム側に設けられている。
【0006】
スリット板8は、図7に示すように、リニアシャトル2の位置を検出して等速駆動用の同期タイミングを得るための多数のタイミングスリットST と、等速領域の左右の端(つまり等速領域と反転領域との境界)を検出するためのエッジスリットSL 及びSR とを有する。位置センサ9がこれらのスリットを通過した光を検出する。即ち、リニアシャトル2が移動すると位置センサ9がタイミングスリットST を検出して位置検出信号を出力し、等速領域と反転領域との境界をリニアシャトル2が通過する際に位置センサ9がエッジスリットSL またはSR を検出してエッジ信号を出力するようになっている。
【0007】
次に、このような構成をなすリニアシャトル型プリンタにおけるリニアシャトル2の動作について説明する。図8は、リニアシャトル2の経時的な動作を示す説明図である。また図9は、リニアシャトル2の制御信号としての位置センサ9での検出結果を示すタイミングチャートであり、図9(a)はエッジ信号、図9(b)は位置検出信号をそれぞれ示す。
【0008】
まず、リニアシャトル2を起動する場合には、リニアシャトル2を一方(左側)のダンパー4に押し付けた後、リニアモータ3の駆動電流の極性を反転させて、リニアシャトル2をダンパー4から離す方向に駆動する(図8の▲1▼)。すると、位置センサ9が左側のエッジスリットSL を検出し、エッジ信号SL2を出力する。この位置センサ9から出力されるエッジ信号SL2に同期して、リニアモータ3の駆動電流を制御し、リニアシャトル2を一定の速度で等速領域を他方(右側)のダンパー4に向かって進ませる(図8の▲2▼)。
【0009】
リニアシャトル2が等速領域と右側の反転領域との境界を通過する時点で、位置センサ9が右側のエッジスリットSR を検出し、エッジ信号SR1を出力する。この位置センサ9から出力されるエッジ信号SR1に同期して、リニアモータ3の駆動電流の極性を反転させて、等速駆動から反転駆動に変更する。そして、リニアシャトル2は、反転領域で減速され、速度が零に到達した後に反対方向(左側のダンパー4方向)に向かって移動する(図8の▲3▼)。
【0010】
そして、リニアシャトル2が等速領域と右側の反転領域との境界を再び通過する時点で、位置センサ9がエッジスリットSR を再び検出し、エッジ信号SR2を出力する。この位置センサ9から出力されるエッジ信号SR2に同期して、リニアモータ3の駆動電流を制御し、リニアシャトル2を一定の速度で等速領域を左側のダンパー4に向かって進ませる(図8の▲4▼)。
【0011】
リニアシャトル2が等速領域と左側の反転領域との境界を通過する時点で、位置センサ9が左側のエッジスリットSL を検出し、エッジ信号SL1を出力する。この位置センサ9から出力されるエッジ信号SL1に同期して、リニアモータ3の駆動電流の極性を反転させて、等速駆動から反転駆動に変更する。そして、リニアシャトル2は、反転領域で減速され、速度が零に到達した後に反対方向(右側のダンパー4方向)に向かって移動する(図8の▲5▼)。
【0012】
リニアシャトル2が等速移動している間または反転中のリニアシャトル2の速度が零になるまでの間に、上位装置(図示せず)から次回のシャトル動作コマンド(例えば、リニアシャトル型プリンタでは次回の印字コマンド)が入力され続けると、以上のようなリニアシャトル2の等速移動と反転移動とが繰り返される。そして、リニアシャトル型プリンタでは、リニアシャトル2の等速移動時に、印字ヘッド1とプラテンとの間に挿通させた用紙に印字ヘッド1にて印字が行われる。
【0013】
ところで、上記期間に次回のシャトル動作コマンドが入力されなかった場合には、反転領域内でリニアシャトル2の速度が零になった時点で反転駆動を一旦停止させ、そこから一定時間にわたってリニアシャトル2をその反転領域の外端に移動させてダンパー4に押し付ける押し付け制御を行う(図8の▲6▼)。
【0014】
この押し付け制御中に、上位装置から次回のシャトル動作コマンドが入力されると、反転駆動を再開して、リニアシャトル2を等速領域に向けて移動させる。図10は、従来の押し付け制御中の動作手順を示すフローチャートである。押し付け制御中に次回のシャトル動作コマンドが入力されると(ステップS51:YES)、再起動が開始される(ステップS52)。そして、位置検出信号を120 回以上検出したか否かを判断する(ステップS53)。検出しない場合には(S53:NO)、エッジ信号(等速領域開始信号)を検出したか否かを判断する(ステップS54)。等速領域開始信号を検出した場合には(S54:YES)、位置検出信号を2回以上検出したか否かを判断する(ステップS55)。位置検出信号を2回以上検出した場合には(S55:YES)、リニアシャトル2の等速制御を開始する(ステップS56)。等速領域開始信号を検出しない場合(S54:NO)、及び、位置検出信号を2回以上検出しない場合(S55:NO)には、処理がS53に戻る。また、位置検出信号を120 回以上検出した場合には(S53:YES)、エラー信号を出力する(ステップS57)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような押し付け制御にあって、次回のシャトル動作コマンドが入力されて再起動が開始された直後に等速領域開始信号を検出することは、押し付け制御中のリニアシャトル2の機械的位置から判断して異常なことである。また、このような場合には、等速領域開始信号を検出した際に位置検出信号の検出回数も少ないので、従来では再起動開始直後に検出される等速領域開始信号はノイズ等の無効信号と見なしている。即ち、図10のフローチャートにおいて、等速領域開始信号を検出しても(S54:YES)、位置検出信号を2回以上検出していない場合(S55:NO)には、等速制御は開始しない。
【0016】
検出した信号が本当にノイズ等の無効信号である場合には、制御動作を続けていくと真の有効な等速領域開始信号を検出するので、なんら問題はない。しかしながら、リニアシャトル2の往復動作の継続によって、リニアモータ3の電磁コイルが発熱してリニアシャトル2に対するコイル推力が低下し、速度が零に到達する前にリニアシャトル2がダンパー4に衝突しバウンドする場合には、ダンパー4に十分に押し付けられない状態から再起動が行われることになり、再起動開始直後に等速領域開始信号を検出することが考えられる。このようなことは、リニアシャトル2またはダンパー4の取り付け誤差に伴う左右の反転領域の長さの誤差、リニアシャトル2と電磁コイルとの間隙のバラツキ等によっても発生する。
【0017】
よって、従来の制御方法では、真の等速領域開始信号をノイズ等の無効信号と見なしてしまうことがあり、これを無効信号と見なして制御を続行していくので、シャトル動作エラーが生じる。即ち、図10のフローチャートにおいて、再起動開始直後であるので真の等速領域開始信号をノイズ等の無効信号と見なして見過ごした場合(S55:NO)には、その後、等速領域開始信号を検出することがないので、処理がS53,S54のルーチンを繰り返され、リニアシャトル2が等速領域を移動する間に位置検出信号の検出回数が120 回を超えて(S53:YES)、シャトル動作エラーとなる(S57)。このようなシャトル動作エラーの発生によって、例えばリニアシャトル型プリンタの稼働率が低下するという問題がある。
【0018】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後に等速領域開始信号を検出した場合に、その信号を有効信号として制御動作を継続するか、または、その信号を無効信号として反転動作の再起動開始位置にもどすかの何れかを行うことにより、シャトル動作エラーを防止し、エラーに伴う稼働率の低下を防止できるリニアシャトル型プリンタを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るリニアシャトル型プリンタは、印字ヘッドを搭載したリニアシャトルが、所定の等速領域で等速運動を開始するための開始信号に応じて前記等速領域で等速移動し、前記等速領域の両外側の反転領域で反転し、前記反転領域で反転動作を一旦停止して前記反転領域の外側の緩衝部材を押し、前記反転領域で反転動作を再開するように、前記リニアシャトルを駆動制御するリニアシャトル型プリンタにおいて、前記リニアシャトルが前記反転領域で反転動作を再開した再起動開始後に、前記反転領域から前記等速領域へ移動しているときの位置検出信号を検出するとともに、前記リニアシャトルが前記反転領域と前記等速領域との境界を通過したときの等速領域開始信号を検出する検出手段と、前記等速領域開始信号を検出した場合には、前記位置検出信号の検出回数が所定回数未満であると、該位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段で前記位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であると判断した場合に、前記リニアシャトルを等速移動させるか、前記リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどすかの何れかの制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第1発明のリニアシャトル型プリンタでは、リニアシャトルを押し付け制御している間に次回のシャトル動作コマンドが入力されて再起動が開始された際に、その再起動開始直後(リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後)に等速領域開始信号を検出した場合、検出した等速領域開始信号を有効として、リニアシャトルのその後の駆動制御動作を継続するモード(第1制御モード)と、検出した等速領域開始信号を無効として、リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどして駆動制御動作をやり直すモード(第2制御モード)との何れかの制御モードを行う。よって、再起動開始直後に検出した等速領域開始信号をノイズ等と見なして従来のようにエラーとして駆動処理を停止するようにはしないので、エラーに伴う稼働率の低下を防ぐ。
【0021】
請求項2に係るリニアシャトル型プリンタは、請求項1において、前記制御手段にて前記リニアシャトルを等速移動させるか、前記リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどすかの何れの制御を行うかの選択入力を受け付ける受付手段を更に備えることを特徴とする。
【0022】
第2発明のリニアシャトル型プリンタでは、第1発明における第1制御モードまたは第2制御モードの何れかを、ユーザが任意に選択可能である。印字品質は少々無視しても印字速度を維持したい場合には、再起動開始後の等速領域開始信号はすべて有効とする第1制御モードを選択すれば良く、一方、印字速度は少し遅くなっても高い印字品質を維持したい場合には、リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後に等速領域開始信号を検出した際にリトライ制御を行う第2制御モードを選択すれば良い。
【0023】
請求項3に係るリニアシャトル型プリンタは、請求項1または2において、前記判断手段で前記位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であると判断した場合にインクリメントされるカウンタと、該カウンタの値が所定値以上である場合に、印刷処理を中止する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0024】
第3発明のリニアシャトル型プリンタでは、リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後に等速領域開始信号を検出することが頻繁に繰り返される場合には、印刷処理を中止する。何回も連続して再起動開始直後に等速領域開始信号を検出するような場合には、リニアシャトルが機構的に問題があると考えられるので、高い印字品質を維持するために、シャトルエラーとして印刷処理を中止する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明のリニアシャトル型プリンタの構成図である。
【0026】
本発明のリニアシャトル型プリンタは、印字ヘッド1を搭載したリニアシャトル2と、リニアシャトル2を所定の等速領域で等速駆動させると共に、この等速領域の両外側の反転領域で反転駆動させるシャトル駆動手段5と、反転領域の各外縁でリニアシャトル2の移動を緩衝する緩衝部材としての1対のダンパー4とを備える。シャトル駆動手段5は、リニアモータ3と、リニアモータ3の駆動電流のオン・オフを切り換えたり、その駆動電流の極性の正逆を切り換えたりするドライバ6と、ドライバ6を制御するドライバ制御部7とを有する。リニアモータ3は、図4に示すように、等速駆動用の永久磁石32a と等速駆動用の電磁コイル33a 、及び、反転駆動用の永久磁石32b と反転駆動用の電磁コイル33b から構成されている。
【0027】
リニアシャトル2には、その位置を検出するためにスリット板8が設けられている。スリット板8は、図7に示すように、リニアシャトル2の位置を検出するための多数のタイミングスリットST と、等速領域の左右の端を検出するためのエッジスリットSL 及びSR とを有する。また、フレーム側には、これらのスリットを通過した光を検出するための位置センサ9が設けられている。そして、位置センサ9は、リニアシャトル2の移動に伴って、図9(a)に示すようなエッジ信号と図9(b)に示すような位置検出信号とを制御手段としての印刷制御部10へ出力するようになっている。なお、これらのスリット板8及び位置センサ9にて等速領域開始信号を検出する検出手段を構成する。
【0028】
印刷制御部10は、プリンタの全体動作を制御しており、上位装置11から印字コマンドが入力される。印刷制御部10は、この印字コマンドに基づいて、印字ヘッド1の印字処理を制御すると共に、リニアシャトル2を駆動するための制御信号をドライバ制御部7へ送る。また、印刷制御部10は後述する動作プログラムを格納するROM10a,作業用のRAM10b 及び再起動開始直後のエッジ信号(等速領域開始信号)の検出回数を計数するカウンタ10c を内蔵する。
【0029】
また、上位装置11には、外部からのユーザの選択入力を受け付ける、例えばオペレータパネル,ディップスイッチ等から構成された選択入力器12が接続されており、後述する2つの制御モードの動作プログラムの何れを選択するかを受付手段としての選択入力器12を介して決定できるようになっている。
【0030】
次に、動作について説明する。なお、基本的な印刷動作は、従来例と同様である。まず、起動開始時には、リニアシャトル2を左側のダンパー4に押し付けた後、ドライバ6によりリニアモータ3(電磁コイル33b)の駆動電流の極性を反転させて、リニアシャトル2をダンパー4から離す方向に駆動する(図8の▲1▼)。そして、位置センサ9が左側のエッジスリットSL を検出したタイミングに同期して、ドライバ6によりリニアモータ3(電磁コイル33a)の駆動電流を制御し、リニアシャトル2を一定の速度で等速領域を右側のダンパー4に向かって進ませる(図8の▲2▼)。この等速移動の間に印字ヘッド1にて印字処理を行う。
【0031】
リニアシャトル2が等速領域と右側の反転領域との境界を通過して位置センサ9が右側のエッジスリットSR を検出したタイミングに同期して、ドライバ6によりリニアモータ3(電磁コイル33b)の駆動電流の極性を反転させて、等速駆動から反転駆動に変更する。リニアシャトル2は、反転領域で減速され、速度が零に到達した後に左側のダンパー4に向かって移動する(図8の▲3▼)。
【0032】
そして、リニアシャトル2が等速領域と右側の反転領域との境界を再び通過して位置センサ9がエッジスリットSR を再び検出したタイミングに同期して、ドライバ6によりリニアモータ3(電磁コイル33a)の駆動電流を制御し、リニアシャトル2を一定の速度で等速領域を左側のダンパー4に向かって進ませる(図8の▲4▼)。この等速移動の間に印字ヘッド1にて印字処理を行う。
【0033】
リニアシャトル2が等速領域と左側の反転領域との境界を通過して位置センサ8が左側のエッジスリットSL を検出したタイミングに同期して、ドライバ6によりリニアモータ3(電磁コイル33b)の駆動電流の極性を反転させて、等速駆動から反転駆動に変更する。そして、リニアシャトル2は、反転領域で減速され、速度が零に到達した後に右側のダンパー4に向かって移動する(図8の▲5▼)。
【0034】
リニアシャトル2が等速移動している間または反転中のリニアシャトル2の速度が零になるまでの間に、上位装置11から印刷制御部10へ次回の印字コマンドが入力され続けると、以上のようなリニアシャトル2の等速移動と反転移動とが繰り返され、その等速移動時に、印字ヘッド1とプラテンとの間に挿通させた用紙に対して印字ヘッド1にて印字処理が行われる。
【0035】
印刷データの転送が遅れたり、用紙送りの行数が多い場合には、リニアシャトル2が等速移動している間または反転中のリニアシャトル2の速度が零になるまでの間に、上位装置11から印刷制御部10へ次回の印字コマンドが入力されないことがある。このような場合には、リニアシャトル2の速度が零になった時点で反転駆動を一旦停止させ、そこから一定時間にわたってリニアシャトル2をその反転領域の外端に移動させてダンパー4に押し付ける押し付け制御を行う(図8の▲6▼)。この押し付け制御は、リニアモータ3(電磁コイル33a)で右側に押し付けるのであれば右方向に、左側に押し付けるのであれば左方向にパルス波形の電流を流してパルシング制御にて押し付ける。この押し付け制御中に、上位装置11から次回の印字コマンドが印刷制御部10へ入力されると、所定の時間にわたる押し付け制御の終了時に反転駆動を再開して、リニアシャトル2を等速領域に向けて移動させ、次回の印字処理を行う。
【0036】
次に、本発明の特徴部分である押し付け制御の動作について説明する。なお、本発明のリニアシャトル型プリンタにおける押し付け制御モードには、2つの制御モード(再起動開始直後であっても検出したエッジ信号(等速領域開始信号)を有効として制御動作を継続する第1制御モードと再起動開始直後に検出したエッジ信号(等速領域開始信号)は無効として制御動作をやり直す第2制御モード)がある。これらの第1,第2制御モードの何れを採用するかは、選択入力器12によって、ユーザが任意に選択できる。
【0037】
(第1制御モード)
図2は、第1制御モードに係る押し付け制御中の動作手順を示すフローチャートである。押し付け制御中に次回の印字コマンドが入力されると(ステップS1:YES)、再起動が開始される(ステップS2)。そして、位置検出信号を120 回以上検出したか否かを判断する(ステップS3)。検出しない場合には(S3:NO)、エッジ信号(等速領域開始信号)を検出したか否かを判断する(ステップS4)。
【0038】
等速領域開始信号を検出した場合には(S4:YES)、位置検出信号を2回以上検出したか否かを判断する(ステップS5)。位置検出信号を2回以上検出した場合には(S5:YES)、正常な押し付け位置から反転駆動がなされたと考えられるので、カウンタ10c のカウント値をクリアして(ステップS6)、リニアシャトル2の等速制御を開始する(ステップS7)。
【0039】
位置検出信号を2回以上検出していない場合には(S5:NO)、その検出信号が再起動開始後の等速領域開始信号であるか否かを判断する(ステップS8)。等速領域開始信号である場合には(S8:YES)、カウンタ10c のカウント値を1だけインクリメントする(ステップS9)。そして、インクリメント後のカウント値が予め設定しておいた所定値以上か否かを判断する(ステップS10)。未満である場合には(S10:NO)、リニアシャトル2の等速制御を開始する(ステップS7)。
【0040】
等速領域開始信号を検出しない場合(S4:NO)、及び、検出信号が再起動開始後の等速領域開始信号でない場合(S8:NO)には、処理がS3に戻る。また、再起動開始後に等速領域開始信号を検出しなくて位置検出信号を120 回以上検出した場合(S3:YES)、及び、カウンタ10c のカウント値が所定値以上となった場合(S10:YES)には、エラー信号を出力して印刷処理を中止する(ステップS11)。
【0041】
以上のように、第1制御モードでは、等速領域開始信号の検出タイミングが再起動開始直後(位置検出信号の検出回数が2回未満)であっても、それが再起動開始後であれば、その信号を有効として等速制御を行う。よって、従来例のように印刷動作が停止されることがなく、稼働率が低下しない。但し、再起動開始直後に等速領域開始信号が検出される状態が何回も連続して続くことは、押し付け制御時のリニアシャトル2の位置が機械的に異常であることを意味するので、高い印字品質を維持する目的で、エラーとする。
【0042】
(第2制御モード)
図3は、第2制御モードに係る押し付け制御中の動作手順を示すフローチャートである。押し付け制御中に次回の印字コマンドが入力されると(ステップS21:YES)、再起動が開始される(ステップS22)。そして、位置検出信号を120 回以上検出したか否かを判断する(ステップS23)。検出しない場合には(S23:NO)、エッジ信号(等速領域開始信号)を検出したか否かを判断する(ステップS24)。
【0043】
検出した場合には(S24:YES)、位置検出信号を2回以上検出したか否かを判断する(ステップS25)。位置検出信号を2回以上検出した場合には(S25:YES)、正常な押し付け位置から反転駆動がなされたと考えられるので、カウンタ10c のカウント値をクリアして(ステップS26)、リニアシャトル2の等速制御を開始する(ステップS27)。
【0044】
位置検出信号を2回以上検出していない場合には(S25:NO)、その検出信号が再起動開始後の等速領域開始信号であるか否かを判断する(ステップS28)。等速領域開始信号である場合には(S28:YES)、カウンタ10c のカウント値を1だけインクリメントする(ステップS29)。そして、インクリメント後のカウント値が予め設定しておいた所定値以上か否かを判断する(ステップS30)。未満である場合には(S30:NO)、電磁コイルの電源を切ってリニアシャトル2を制御開始位置に戻して制御動作を最初からやり直すリトライ制御を開始する(S31)。なお、このリトライ制御は、このように制御開始位置から始めても良いし、または、途中の制御過程からやり直すようにしても良い。
【0045】
等速領域開始信号を検出しない場合(S24:NO)、及び、検出信号が再起動開始後の等速領域開始信号でない場合(S28:NO)には、処理がS23に戻る。また、再起動開始後に等速領域開始信号を検出しなくて位置検出信号を120 回以上検出した場合(S23:YES)、及び、カウンタ10c のカウント値が所定値以上になった場合(S30:YES)には、エラー信号を出力して印刷処理を中止する(ステップS32)。
【0046】
以上のように、第2制御モードでは、等速領域開始信号の検出タイミングが再起動開始直後(位置検出信号の検出回数が2回未満)であった場合、それが再起動開始後であれば、その信号を無効としてリトライ制御を行う。よって、従来例のように印刷動作が停止されることがなく、稼働率が低下しない。但し、再起動開始直後に等速領域開始信号が検出される状態が何回も連続して続くことは、押し付け制御時のリニアシャトル2の位置が機械的に異常であることを意味するので、高い印字品質を維持する目的で、エラーとする。
【0047】
上述した第1,第2制御モードの何れの動作制御プログラムを採用するかは、選択入力器12(オペレータパネル,ディップスイッチ等)を介して任意に決定できる。印字品質は少々無視しても印字速度を維持したい場合には、再起動開始後の等速領域開始信号はすべて有効とする第1制御モードの動作制御プログラムを選択すれば良く、一方、印字速度は少し遅くなっても高い印字品質を維持したい場合には、再起動開始直後に等速領域開始信号を検出した際にリトライ制御を行う第2制御モードの動作制御プログラムを選択すれば良い。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後に等速領域開始信号を検出した場合、検出した等速領域開始信号を有効として、リニアシャトルのその後の駆動制御動作を継続する第1制御モードと、検出した等速領域の開始信号を無効として、リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどして駆動制御動作をやり直す第2制御モードとの何れかの制御モードを行うようにしたので、再起動開始直後に検出した等速領域開始信号をノイズ等と見なして従来のようにエラーとはしないため、エラーに伴う稼働率の低下を防ぐことができる。
【0049】
また本発明では、第1制御モードまたは第2制御モードの何れかを、ユーザが任意に選択することができ、ユーザの意向に即した制御モードを行うことができる。
【0050】
更に本発明では、リニアシャトルにおける位置検出信号の検出回数が所定回数未満である再起動開始直後に等速領域開始信号を検出することが頻繁に繰り返される場合には、印刷処理を中止するようにしたので、高い印字品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリニアシャトル型プリンタの構成図である。
【図2】第1制御モードにおける押し付け待機時の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】第2制御モードにおける押し付け待機時の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】リニアシャトル型プリンタの要部の斜視図である。
【図5】リニアシャトル型プリンタの要部の模式図である。
【図6】リニアシャトル型プリンタの要部の平面図である。
【図7】リニアシャトルに設けられたスリット板の平面図である。
【図8】リニアシャトルの経時的な動作を示す説明図である。
【図9】リニアシャトルのエッジ信号及び位置検出信号を示すタイミングチャートである。
【図10】従来例における押し付け待機時の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 印字ヘッド
2 リニアシャトル
3 リニアモータ
4 ダンパー
5 シャトル駆動手段
6 ドライバ
7 ドライバ制御部
8 スリット板
ST タイミングスリット
SL ,SR エッジスリット
9 位置センサ
10 印刷制御部
10c カウンタ
11 上位装置
12 選択入力器
32a, 32b 永久磁石
33a, 33b 電磁コイル
Claims (3)
- 印字ヘッドを搭載したリニアシャトルが、所定の等速領域で等速運動を開始するための開始信号に応じて前記等速領域で等速移動し、前記等速領域の両外側の反転領域で反転し、前記反転領域で反転動作を一旦停止して前記反転領域の外側の緩衝部材を押し、前記反転領域で反転動作を再開するように、前記リニアシャトルを駆動制御するリニアシャトル型プリンタにおいて、
前記リニアシャトルが前記反転領域で反転動作を再開した再起動開始後に、前記反転領域から前記等速領域へ移動しているときの位置検出信号を検出するとともに、前記リニアシャトルが前記反転領域と前記等速領域との境界を通過したときの等速領域開始信号を検出する検出手段と、
前記等速領域開始信号を検出した場合には、前記位置検出信号の検出回数が所定回数未満であると、該位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であるか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で前記位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であると判断した場合に、前記リニアシャトルを等速移動させるか、前記リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどすかの何れかの制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするリニアシャトル型プリンタ。 - 前記制御手段にて前記リニアシャトルを等速移動させるか、前記リニアシャトルを反転動作の再起動開始位置にもどすかの何れの制御を行うかの選択入力を受け付ける受付手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載のリニアシャトル型プリンタ。
- 前記判断手段で前記位置検出信号が前記再起動開始後の前記等速領域開始信号であると判断した場合にインクリメントされるカウンタと、
該カウンタの値が所定値以上である場合に、印刷処理を中止する手段とを更に備えることを特徴とする請求項1または2記載のリニアシャトル型プリンタ。
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