JP3696979B2 - 自動ドア装置の障害物検出装置 - Google Patents

自動ドア装置の障害物検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば引き戸(スライドドア)式や開き戸(スイングドア)式等の各種自動ドア装置において、ドアの開閉時に、ドアが障害物に衝突したことを検出する障害物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動ドア装置には、モータの駆動力によりドアを開閉移動させるものがある。
このような自動ドア装置では、近年、モータの回転数、即ちドアの移動速度に比例した周波数のパルスを発生する手段を設け、このパルスからドアの移動速度やドア位置等を割り出し、これに基づいてモータを制御するものが主流となってきている。
【0003】
上記自動ドア装置において、例えば、今、ドアの移動経路上に何らかの障害物が存在しているとする。この状態で、ドアを移動させると、ドアは、当然障害物に衝突してその移動が妨げられる。この状態が続くと、例えばモータが次第に過負荷状態となるため、その度合いが大きいとモータ自体を焼損したり、また、モータ以外の部品(構成品)についても、上記衝突により機械的なストレスが掛かるものがあるので、これらを損傷する等の問題がある。それだけではなく、万一、上記障害物が人体である場合には、非常に危険である。従って、これらの問題を回避するために、ドアが障害物に衝突したとき、これを直ちに検出し、その検出結果に応じて例えばドアを停止させたり、或いは逆方向に移動させる等、その状況に応じたコントロールを行う必要がある。
【0004】
そこで、上記のようにドアが障害物に衝突したときに、これを検出する装置として、従来、例えば特公平2−28672号公報に開示されたものがある。この装置は、ドアの移動速度に比例した周波数の計測用パルスを出力する回路と、上記計測用パルスの1周期(サイクル)中に基準発振器から発振される基準パルス数をカウントするカウンタとを設けている。そして、カウンタでカウントした基準パルス数N1 と所定の基準パルス数N2 との和(N1 +N2 )と、計測用パルスの次の1周期中にカウンタでカウントした基準パルス数N1'とを比較して、N1'>(N1 +N2 )となったときに、ドアが障害物に衝突したことを検出するものである。
【0005】
即ち、ドアが障害物に衝突してドアの移動速度が低下すると、これに応じて計測用パルスの周波数も低下し、計測用パルスの周期が長くなる。従って、上記公報に開示された技術では、計測用パルスの周期(N1')が、その前のパルスの周期(N1 )よりも所定の許容誤差(N2 )を越えて長くなったことを確認することにより、ドアが障害物に衝突してドア速度が異常に減速したことを検出しており、上記計測用パルスの周期を計時するのに基準パルス数をカウントしている。
なお、上記所定の許容誤差とは、例えば風がドアに向かって吹いたり、或いはドアの駆動部分(例えば引き戸の場合にはドアの移動を案内するガイドレール上、また開き戸の場合にはドアの回転軸周囲)にゴミ等が溜まる等により、ドアの駆動抵抗(モータの負荷)が大きくなり、その結果、ドア速度が低下する等の影響を考慮したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動ドア装置においては、一般に、ドアを開閉移動させる際、ドアの位置(ストローク)に応じてドア速度を変化させていることが知られている。
そして、これらストロークとドア速度とは、殆ど全ての自動ドア装置において、例えば図2に示すような関係とされている。この図から明らかなように、ドアは、開動作のとき、閉位置CPから加速域、高速域、減速域及び低速域を経て開位置OPへと移動する。即ち、ドアは、加速域において、所定の速度v1Hに達するまで加速され、高速域において、上記速度v1Hで一定に移動し、減速域において、上記速度v1Hよりもかなり遅い速度v1Lまで減速された後、低速域において、上記速度v1Lで開位置OPまで移動し、この開位置OPに達した時点で停止される。閉動作のときも、同様に、開位置OPから加速域、高速域、減速域及び低速域を経て閉位置CPへと移動する。なお、開動作におけるドア速度v1H、v1L、及び閉動作におけるドア速度v2H(高速域)、v2L(低速域)は、それぞれ調整可能とされているが、自動ドア装置においては、通常、高速域及び低速域共に、開動作でのドア速度v1H、v1Lの方が、閉動作でのドア速度v2H、v2Lよりも速くなる(v1H>v2H、v1L>v2L)ように調整されることが多い。
【0007】
このようにドアの移動領域毎にドア速度が変化する自動ドア装置に対して、上記従来技術においては、ドア速度が異常に減速したか否かを検出するという1つの検出手段だけで、ドアが障害物に衝突したか否かを監視している。また、ドア速度が異常に減速したか否かの判断基準となる許容誤差(所定の基準パルス数N2 )についても、上記従来技術においては、全ての領域において全て同じ条件とされている。このように、ドア速度がそれぞれ異なる各領域において、全てに同じ手段かつ条件により障害物を検出しようとすると、領域によっては、障害物を確実に検出することができない。
【0008】
例えば、上述した風やゴミ等のドア速度に対する影響は、一般に、ドアが低速で移動する低速域において大きく影響し、一方、ドアが高速で移動する高速域においては、ドアの慣性が大きいために上記風やゴミ等の影響が小さいことが知られている。ここで、今、例えば上記許容誤差を、低速域に合わせて設定したとする。この場合、上記風やゴミ等の影響を防ぐために、上記許容誤差は、比較的に大きい値に設定されることになるので、風やゴミ等の影響の小さい高速域においては、上記許容誤差が過剰な値となり、その結果感度が鈍くなる。従って、ドアが障害物に衝突しても、それによるドア速度の減速の度合いが上記許容誤差に比べて小さい場合には、ドアが障害物に衝突したことを検出することができず、ドアは移動し続ける。一方、上記許容誤差を、例えば高速域に合わせて設定した場合は、許容誤差が上記とは反対に比較的に小さい値に設定されるので、低速域における感度が過剰に敏感になる。従って、上記風やゴミ等の影響を受けてドア速度が減速すると、これを障害物に衝突したものと簡単に誤検出してしまい、ドアは頻繁に停止したり或いは反転したりする。このことは、高速域及び低速域におけるドア速度の異なる開動作及び閉動作間(v1H≠v2H、v1L≠v2L)においても同様である。
【0009】
更に、減速域においては、元々ドア速度が減速されるよう構成されているので、上記従来技術のように、他の領域と同じ条件(許容誤差)の下で、ドア速度が減速したことを検出することにより、ドアが障害物に衝突したか否かを監視するのは、非常に困難であり、実質的に不可能である。
【0010】
即ち、上記従来技術によれば、ドアの全移動領域において、確実な障害物検出を実現することができないという問題がある。従って、全領域において、ドアを快適にコントロールすることもできない。
【0011】
そこで、本発明は、ドアの全領域において、常にドアを快適にコントロールできるようにするために、全領域において、確実に障害物を検出することのできる障害物検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、ドアを開閉駆動するモータと、このモータを制御する制御部と、を備えた自動ドア装置において、
上記制御部は、上記ドアを加速させる加速域と、この加速域に続いて上記ドアを高速で移動させる高速域と、この高速域に続いて上記ドアを減速させる減速域と、この減速域に続いて上記ドアを低速で移動させる低速域との、全ての領域に対して複数の異なる障害物検出手段を設け、
上記複数の障害物検出手段のうちのいずれかが、上記ドアが障害物に衝突したことを検出したとき、衝突検出信号を出力する手段を設けたものである。
【0013】
即ち、各領域に対応して複数の障害物検出手段が設けられており、これら複数の障害物検出手段のいずれかによってドアが障害物に衝突したことが検出されると、衝突検出信号が出力される。従って、ドアの全移動領域において、障害物の有無を確実に検出できる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明は、上記制御部が、上記各ドアの領域においてどれどれの上記障害物検出手段を有効とするのかを、予め、上記各ドアの領域ごとに選択して、その領域毎に上記選択した障害物検出手段を有効とする状態に構成されたものである。
【0015】
即ち、各領域に適した障害物検出手段により、障害物の検出が実行される。従って、誤検出が抑制され、より確実な障害物検出を実現できる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記複数の異なる障害物検出手段が、上記ドアが異常に減速したことを検出することにより上記障害物を検出する減速検出手段と、上記ドアの移動速度に応じた上記モータの駆動電圧が異常となったことを検出することにより上記障害物を検出する駆動電圧異常検出手段と、上記ドアの移動方向が反転したことを検出することにより上記障害物を検出する反転検出手段と、上記ドアが停止したことを検出することにより上記障害物を検出する停止検出手段と、を具備するものである。
【0017】
例えば、ドアが障害物に衝突したとき、この障害物が比較的に軽量物である場合は、ドアは、障害物を押しながら移動しようとする。また、障害物が、例えば柔らかいボールや鞄等である場合には、ドアは、これらを潰しながら移動しようとする。この場合、ドアが障害物に衝突した後のドアの移動速度は正常ではなく、即ち異常に減速する。また、これと同時に、モータに掛かる負荷も増大するため、ドアを駆動するモータの駆動電圧も上昇し、ひいては駆動電圧が異常な電圧値となる。従って、このような場合は、減速検出手段或いは駆動電圧異常検出手段によって、ドアが障害物に衝突したことが検出される。また、障害物が、例えば硬質ゴムやプラスチック等の弾性物質である場合、これにドアが衝突すると、ドアは、その移動方向とは反対側に跳ね返される。従って、この場合は、反転検出手段によって、ドアが障害物に衝突したことが検出される。更に、障害物が、例えば机やロッカー等(例えばドアを介してこれらを搬入/搬出する場合等)のように比較的に固い材質で、かつ重い物質である場合、これにドアが衝突すると、その時点でドアは停止する。従って、このような場合には、停止検出手段によって、ドアが障害物に衝突したことが検出される。なお、ドアが障害物に衝突して停止したときは、モータに掛かる負荷も増大するので、この場合においても、上記駆動電圧異常検出手段によってドアが障害物に衝突したことを検出できる。
即ち、本請求項3に記載の発明によれば、障害物の材質(例えば柔らかい、固い等)や重量に関係なく、確実に障害物を検出できる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスを出力するパルス出力手段を有し、
上記減速検出手段は、現在上記パルス出力手段から出力されているパルスの周期が、前回上記パルス出力手段から出力されたパルスの1周期に1よりも大きい値の所定の感度係数を乗算した値よりも大きくなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成されたものである。
【0019】
即ち、ドアの移動速度が速くなるほど、パルス出力手段から出力されるパルスの周期は短くなり、ドアの移動速度が遅くなるほど、上記パルスの周期は長くなる。従って、ドアが障害物に衝突し、例えばドアの移動速度が低下すると、これに応じて上記パルスの周期は長くなる。減速検出手段は、上記現在のパルスの周期(例えばこれをTとする)が、前回のパルスの周期(例えばこれをTn−1とする)に所定の感度係数(例えばこれをαとする:α>1)を乗算した値よりも大きくなったとき、即ち〔T>αTn−1〕が成立したときに、ドアが障害物に衝突したことを検出する。なお、この場合の、前回のパルス周期Tn−1に対する現在のパルス周期Tの変動の許容誤差(例えばこれをTとする)は、〔T=αTn−1−Tn−1〕となる。この式から明らかなように、感度係数αが一定の場合、パルスの周期が短くなるほど、即ちドア速度が速くなるほど上記許容誤差T小さくなり、パルスの周期が長くなるほど、即ちドア速度が遅くなるほど上記許容誤差Tは大きくなる。従って、例えば上述した風やゴミ等の影響のように、ドア速度が遅くなるほど大きく影響する誤差要因に応じて、許容誤差Tが設定されるので、ドア速度に応じた感度で障害物を検出することができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項2に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記駆動電圧異常検出手段は、上記ドアの移動速度に応じた上記モータの駆動電圧が、調整可能な所定の電圧上限値よりも高くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成されたものである。
【0021】
即ち、ドアが障害物に衝突すると、モータに掛かる負荷が増大するので、モータの駆動電圧は上昇する。駆動電圧異常検出手段は、このモータの駆動電圧が所定の電圧上限値よりも高くなったときに、ドアが障害物に衝突したことを検出する。なお、上記電圧上限値は、調整可能とされているので、ドアの各領域のうちのいずれかに合わせて上記電圧上限値を調整することにより、その領域に適した検出感度を設定できる。例えば、上述の減速検出手段の検出感度を低速域に合わせたとき、この駆動電圧異常検出手段の検出感度を例えば高速域に合わせることにより、低速域及び高速域において、それぞれに適した検出感度による障害物検出を実現できる。
【0022】
請求項に記載の発明は、請求項2に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスであってドアの移動方向に応じて位相のずれた2つのパルスを出力するパルス出力手段を有し、
上記反転検出手段は、上記ドアの移動中において、上記2つのパルスの位相関係が反転したときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成されたものである。
【0023】
即ち、ドアの移動中、パルス出力手段は、ドアの移動方向に応じた位相関係にある2つのパルスを出力する。この状態で、ドアが障害物に衝突して、例えばドアがその移動方向とは反対側に跳ね返されたとき、上記2つのパルスの位相関係が反転する。この位相関係が反転したことにより、反転検出手段は、ドアが障害物に衝突したことを検出する。なお、この反転検出手段は、ドアの移動速度に関係なく、ドアの移動方向が反転したことにより、ドアが障害物に衝突したことを検出しているので、ドアの全移動領域における障害物検出を実現できる。
【0024】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスを出力するパルス出力手段を有し、
上記停止検出手段は、上記パルスのエッジ間で計時される時間が所定の規定時間よりも長くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成されたものである。
【0025】
即ち、ドアが移動している状態においては、上記パルス出力手段から上記パルスが出力されるが、ドアが障害物に衝突し、例えばドアが停止すると、上記パルスは出力されなくなる。これにより、パルスのエッジも出力されなくなるので、パルスのエッジ間の計時は継続され、ひいては計時した時間が所定の規定時間よりも長くなる。このエッジ間の計時時間が上記所定の規定時間よりも長くなった時点で、停止検出手段は、ドアが障害物に衝突したことを検出する。なお、この停止検出手段は、ドアの移動速度に関係なく、ドアが停止したことにより、ドアが障害物に衝突したことを検出しているので、ドアの全移動領域における障害物検出を実現できる。
【0026】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置において、
上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスであって互いに位相のずれた2つのパルスを出力するパルス出力手段を有し、
上記停止検出手段は、上記2つのパルスのエッジのうち、隣接するエッジ間で計時された時間が所定の規定時間よりも長くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成されたものである。
【0027】
即ち、ドアが移動している状態においては、上記パルス出力手段から上記2つのパルスが出力されるが、ドアが障害物に衝突し、例えばドアが停止すると、上記2つのパルスは出力されなくなる。これにより、各パルスのエッジも出力されなくなるので、上記隣接するエッジ間の計時は継続され、ひいては計時した時間が所定の規定時間よりも長くなる。この隣接するエッジ間の計時時間が上記所定の規定時間よりも長くなった時点で、停止検出手段は、ドアが障害物に衝突したことを検出する。
【0028】
なお、この請求項7に記載の発明では、位相のずれた2つのパルスのエッジのうち、隣接するエッジ間の時間を計時している。従って、各パルスの周期が、上述した請求項7に記載の発明におけるパルスの周期と同等である場合は、計時の対象となるエッジ間が、上記請求項7に記載の発明におけるエッジ間よりも短くなる。よって、ドアが障害物に衝突して停止したことの判断基準となる上記規定時間についても、上記請求項に記載の発明における規定時間よりも短い時間とすることができる。これにより、ドアの全移動領域において、上記請求項に記載の発明よりも、ドアが障害物に衝突して停止したことを速く検出できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に係る障害物検出装置の実施の形態を、例えば引き戸式の自動ドア装置に応用したものについて、図1から図22、及び表1を参照して説明する。なお、本発明は、引き戸式の自動ドア装置に限らず、例えば開き戸式等の引き戸式以外の自動ドア装置にも適用できる。
【0030】
自動ドア装置の概略説明
まず、本発明に係る障害物検出装置を応用した引き戸式の自動ドア装置について、その概略を説明する。図3に、自動ドア装置全体の概略構成図を示す。同図において、2a、2bは、ドア本体で、これらドア2a、2bは、同図に示すようにドア開口を完全に閉じた閉位置と、ドア2a、2bが両側に開いてドア開口を通行者が通行できるように完全に開いた開位置との間を、図示しない例えば直線状のガイドレールに沿ってスライディング運動する。ドア2aは、例えばベルト3の上部に結合されており、ドア2bは、ベルト3の下部に結合されている。
ベルト3は、上記ガイドレールと平行を成して、従動プーリ5aと駆動プーリとの間に掛けられており、駆動プーリ5bは、モータ、例えば直流モータ4によって回転駆動される。この回転駆動によって、ドア2a、2bが、閉位置と開位置との間を互いに反対方向へ直線的に移動させられる。
【0031】
上記モータ4の制御は、制御装置1によって行われる。制御装置1は、例えば中央演算処理装置(以下、CPUと称す。)14を内蔵している。このCPU14には、制御装置1の外部、例えばドア開口の無目等に設けられたセンサ12から、このセンサ12がドア2a、2bの近辺に通行人等の物体が近づいたことを検知したときに出力する物体検知信号が、入出力インターフェースユニット(以下、I/Oユニットと称す。)13を介して供給されている。また、CPU14には、モータ4に取り付けられたエンコーダ6から出力されるエンコーダパルス(以下、単にパルスと称す。)も、I/Oユニット7を介して供給されている。
CPU14は、上記物体検知信号により、ドア2a、2b近辺における通行人等の存在を検知すると共に、上記パルスにより、ドア2a、2bの移動速度や移動方向、及び位置等を割り出し、これらの情報に基づいて、I/Oユニット11を介してモータドライブユニット10を制御している。そして、モータドライブユニット10が、CPU14による制御に応じて、上記モータ4を回転させている。
【0032】
本実施の形態においては、モータ4は、例えばパルス幅変調(PWM)制御されている。即ち、上記モータドライブユニット10には、CPU14からI/Oユニット11を介して、例えば図4に示すようなPWM制御信号が供給されている。モータドライブユニット10は、上記PWM制御信号に応じて、モータ4を駆動する状態と、制動する状態とに、交互に切り換えている。例えば、PWM制御信号がHレベルのとき、モータ4は駆動され、PWM制御信号がLレベルのとき、モータ4は制動される。従って、PWM制御信号の1周期WにおけるHレベル(またはLレベル)の期間を調整することによって、モータ4を駆動する期間と制動する期間とが調整され、これによりモータ4の回転数、ひいてはドア2a、2bの移動速度が調整される。なお、PWM制御信号の1周期Wに対するHレベルの期間の比率をデューティ比という。
【0033】
また、モータドライブユニット10には、上記PWM制御信号の他に、方向信号が、I/Oユニット11を介してCPU14から供給されている。この方向信号には、正方向信号と逆方向信号とがある。モータドライブユニット10は、正方向信号がHレベルのとき、例えばドア2a、2bを開く方向に移動させるようにモータ4を回転させる(以下、この回転を正転と称す)。また、モータドライブユニット10は、逆方向信号がHレベルのとき、ドア2a、2bを閉じる方向に移動させるようにモータ4を回転させる(以下、この回転を逆転と称す)。
【0034】
上記モータ4の制御により、ドア2a、2bは、上述した従来技術と同様に、ドア位置(ストローク)に対して、図2に示すような関係で速度を変化させながら閉位置CPと開位置OPとの間を移動する。即ち、ドア2a、2bは、閉位置CPから開動作するとき、まず加速域において、所定の速度v1Hに達するまで加速され、高速域において、上記速度v1Hで一定に移動し、減速域において、上記速度v1Hよりもかなり遅い速度v1Lまで減速された後、低速域において、上記速度v1Lで開位置OPまで移動し、この開位置OPに達した時点で停止される。閉動作のときも、同様に、開位置OPから加速域、高速域、減速域及び低速域を経て閉位置CPへと移動する。なお、開動作におけるドア速度v1H、v1L、と、閉動作におけるドア速度v2H(高速域)、v2L(低速域)とは、高速域及び低速域共に、開動作でのドア速度v1H、v1Lの方が、閉動作でのドア速度v2H、v2Lよりも速くなる(v1H>v2H、v1L>v2L)ように設定されている。
【0035】
上記CPU14の一連の動作は、メモリユニット18に記憶されたプログラムに従って実行され、CPU14は、基準パルス発振器20から出力される基準パルスに従って動作する。また、CPU14は、I/Oユニット17を介して、制御装置1の外部にあるハンディターミナル(設定装置)16にも接続されている。このハンディターミナル16は、上記ドア速度v1H、v1L、v2H及びv2Lや、上記各移動領域等、ドア2a、2bを動作させる際に必要な種々のパラメータ(条件)をCPU14に設定するものである。このハンディターミナル16の内部構成を図5に、また外観を図6に示す。
【0036】
図5に示すように、ハンディターミナル16は、内部にCPU16aを有している。CPU16aは、I/Oユニット16bを介して制御装置1に接続されており(詳しくは、制御装置1内のI/Oユニット17を介して制御装置1内のCPU14に接続されている)、ボタンスイッチ16cから入力された命令に従って、制御装置1側へ上記パラメータ等の情報を送信する。その際、操作手順等を示すメッセージが、表示装置16dに表示される。なお、このハンディターミナル16のCPU16aの一連の動作は、例えばROM16eに記憶されたプログラムに従って実行される。また、上記パラメータ等の情報は、RAM16f内に記憶されている。なお、ハンディターミナル16は、例えば自動ドア装置の施工後や自動ドア装置を修理するとき等、上記各パラメータを設定するときにCPU14(制御装置1)と接続され、自動ドア装置の通常運転されているときは、ハンディターミナル16は制御装置1から外される。
【0037】
障害物検出装置の概略説明
次に、本発明に係る障害物検出装置について、その概略を説明する。この障害物検出装置は、上述した制御装置1により構成されており、ドア2a、2bが移動中に何らかの障害物が衝突したことを、例えばドア2a、2bの移動速度(モータ4の回転数)やモータ4の駆動電圧を監視することにより検出するものである。
【0038】
本発明に係る障害物検出装置は、それぞれ異なる複数の障害物検出手段、例えば減速検出手段、駆動電圧異常検出手段、反転検出手段及び停止検出手段という4つの障害物検出手段を備えている。そして、これら4つの障害物検出手段の中から、上述したドアの各移動領域、即ち加速域、高速域、減速域、低速域毎にそれぞれに適した障害物検出手段を選択し、この選択された障害物検出手段により、各領域における障害物検出を行うものである。以下、各障害物検出手段について、その概略を説明する。
【0039】
減速検出手段について
ドア2a、2bが障害物に衝突すると、その移動が妨げられて、ドア2a、2bの移動速度が低下する。このドア速度が異常に減速したことにより、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出するのが、本減速検出手段である。
【0040】
即ち、上述したように、この自動ドア装置においては、エンコーダ6から出力されるパルスによりドア速度を割り出しているので、上記パルスの周期又は周波数の変化を監視することによりドア速度の変化を検出できる。ここでは、上記パルスの周期の変化を監視している。図7に、ドア速度が減速したときの、上記パルスのタイミングを示す。なお、この自動ドア装置においては、エンコーダ6として2出力のものを使用しているので、同図に示すように、エンコーダ6からは、互いに同じ周期でかつ位相が例えば90度ずれたA相及びB相の2つパルスが同時に出力される。また、同図は、モータ4が、例えば正転している(ドア2a、2bが開動作している)ときのタイミング図であり、この正転時においては、A相はB相よりも位相が90度進んだ状態にある。一方、モータ4が逆転したとき(ドア2a、2bが閉動作のとき)は、上記A相及びB相の位相関係は反転し、即ちA相はB相よりも位相が90度遅れる。
【0041】
エンコーダ6のパルスは、その周期がドア速度(モータ4の回転速度)の逆数に比例する(言い換えると、パルスの周波数はドア速度に比例する)ので、ドア速度が減速すると、上記パルスの周期は長くなる。従って、本実施の形態においては、エンコーダ6から現在出力されているパルスの周期が、前回のパルスの1周期に対して1よりも大きい値の所定の感度係数αを乗算した値よりも大きくなったときに、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出している。
【0042】
ただし、実際には、上記パルスの周期そのものを計測しているのではなく、上記パルスの1周期中に基準パルス発振器20から出力される基準パルス数をカウントすることにより上記パルスの周期を計測している。即ち、A相については、現在パルスが出力されている状態での基準パルスのカウント数をNanとし、前回出力されたパルスの1周期中における基準パルスのカウント数をNan-1とすると、次の数1を満足したときに、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出する。
【0043】
【数1】
an>αNan-1 但し、α>1である。
【0044】
また、B相についても、同様に、現在パルスが出力されている状態での基準パルスのカウント数をNbnとし、前回出力されたパルスの1周期中における基準パルスのカウント数をNbn-1とすると、次の数2を満足したときにドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出する。
【0045】
【数2】
bn>αNbn-1 但し、α>1である。
【0046】
なお、基準パルスのカウント、及び上記数1、数2の演算は、CPU14が実行する。また、CPU14は、A相及びB相の両方のパルスについて、上記基準パルスのカウント及び演算を行っている。
【0047】
また、上記感度係数αは、上述したハンディターミナル16により変更でき、例えば4つの値から選択できる。この場合、例えば、図8に示すように、ハンディターミナル16の表示部16dには、0乃至3の4つの数字が表示され、これらのうちの1つを選択することにより、それぞれに対応した感度係数αが設定される。ここでは、0を選択したとき、α=1.10という値が設定され、1を選択したとき、α=1.15という値が設定され、2を選択したとき、α=1.20という値が設定され、4を選択したとき、α=1.25という値が設定される。
【0048】
ここで、ドア速度vに対する、上記基準パルスのカウント数N(時間)の関係を、図9に示す。同図から明らかなように、感度係数αが一定の場合、ドア速度が速くなる(vH )ほど、例えば高速域においては、基準パルスのカウント数Nとこれに感度係数αを乗じた値との差、即ち許容誤差〔αNH −NH 〕が小さくなる。一方、ドア速度が遅くなる(vL )ほど、例えば低速域においては、基準パルスのカウント数Nとこれに感度係数αを乗じた値との差、即ち許容誤差〔αNL −NL 〕は大きくなる。このように、許容誤差は、ドア速度に応じて必然的に変化するので、例えば上述した風やゴミ等の影響のように、ドア速度が遅くなるほど大きく影響する誤差要因に応じた感度で障害物検出を行うことができる。
【0049】
なお、この減速検出手段は、障害物が、比較的に軽量物である場合や、或いは例えば柔らかいボールや鞄等である場合等、これを検出するのに適している。即ち、上記のような障害物にドア2a、2bが衝突すると、ドア2a、2bは、障害物を押しながら、或いは潰しながら移動しようとするので、ドア速度は次第に減速する。よって、このようにドア速度が減速する場合に、本減速検出手段による検出が適していると言える。なお、減速域においては、ドア2a、2bは、元々減速されるように駆動されるので、この減速域には、本減速検出手段による障害物検出はあまり適さない。従って、この減速検出手段の各領域に対する適正を整理すると、例えば表1に示すようになる。
【0050】
【表1】
【0051】
駆動電圧異常検出手段について
ドア2a、2bが障害物に衝突すると、その移動が妨げられ、これによりモータ4に掛かる負荷が増大し、モータ4の駆動電圧が上昇する。このモータ4の駆動電圧が異常に上昇したことにより、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出するのが、本駆動電圧異常検出手段である。図10に、ドア速度とモータ4の駆動電圧Vとの関係を示す。同図に示すように、ドア2a、2bが一定速度vで移動しているとき、ドア2a、2bが障害物に衝突すると、その時点からモータ4の駆動電圧Vが上昇する。よって、駆動電圧Vが、所定の電圧上限値Vよりも高くなったときに、ドアが障害物に衝突したことを検出する。
【0052】
なお、電圧上限値VL は、ドア2a、2bの開動作及び閉動作において、それぞれ異なる値とされている。そして、開動作及び閉動作が行われる度に、その前の開動作及び閉動作における駆動電圧V0 を基に、例えば次の数3に従って更新されている。
【0053】
【数3】
L =2・V0 +β・a+b
【0054】
この数1において、aはゲイン、bはオフセットで、これらゲインa及びオフセットbは固定値であり、予め実験によって求められた値とされている。一方、βは感度係数で、この感度係数βについては、上述したハンディターミナル16により変更できる。この場合も、例えば、上述した図8に示すように、ハンディターミナル16の表示部16dに、0乃至3の4つの数字が表示され、これらのうちの1つを選択することにより、感度係数βとして、0乃至3のいずれかの値が設定される。即ち、上記電圧上限値VL についても、4段階で調整可能とされている。
【0055】
このように、上記電圧上限値VL についても調整可能とされているので、ドア2a、2bの各移動領域のうちのいずれかに合わせてこの電圧上限値VL を調整することにより、その領域に適した検出感度を設定できる。例えば、上述の減速検出手段の検出感度を低速域に合わせたとき、この駆動電圧異常検出手段の検出感度を例えば高速域に合わせることにより、低速域及び高速域において、それぞれに適した検出感度による障害物検出を実現できる。また、上記電圧上限値VL は、開動作及び閉動作が行われる度に、その前の開動作及び閉動作における駆動電圧V0 を基に更新されるので、例えばモータ4の経時劣化や、駆動部分(例えばプーリ5a、5bやベルト3等)における摩擦抵抗の経時変化等の影響が吸収される。
【0056】
なお、この駆動電圧異常検出手段は、モータ4の駆動電圧Vの変動を監視することにより、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出するものなので、ドア速度が一定である高速域及び低速域には適しているが、ドア速度の変化する加速域及び減速域にはあまり適さない。従って、この駆動電圧異常検出手段の各領域に対する適正を整理すると、例えば表1に示すようになる。
【0057】
また、上述したように、モータ4はPWM制御されるので、モータ4の駆動電圧V(V0 含む)及び上記電圧上限値VL は、実際には、上述したデューティ比で表される。例えば、1つの例として、PWM制御信号の周期Wに対して、デューティ比を255ステップで変更できる場合には、上記数1のゲインa及びオフセットbには、3乃至5程度の値が代入される。なお、この数1の計算、及び上記駆動電圧Vが電圧上限値VL よりも大きくなったことの判断等は、CPU14が実行する。また、この駆動電圧異常検出手段は、PWM制御以外の制御方法により駆動されるモータについても適用できる。そして、上記のように、デューティ比を検出するのではなく、モータ4自体に掛かる電圧値Vを検出してもよい。
また、電圧上限値VL の計算は、上記数3に限らない。
【0058】
反転検出手段について
ドア2a、2bが障害物に衝突したとき、その障害物が、例えば硬質ゴムやプラスチック等の弾性物質である場合には、ドア2a、2bは、その移動方向とは反対側に跳ね返される。この跳ね返りを、エンコーダ6から出力されるA相及びB相の2つのパルスの位相関係の変化により検出するのが、本反転検出手段である。
【0059】
即ち、上述したように、エンコーダ6から出力されるA相及びB相の2つのパルスは、図11に示すように、モータ4が正転しているときと逆転しているときとで、それぞれ反対の位相関係となる。従って、ドア2a、2bが、障害物に衝突して、その移動方向とは反対側に跳ね返されると、上記A相及びB相の位相関係は、例えば図12に示すように、反転する。よって、この位相関係が反転したことにより、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出できる。なお、上記2つのパルスの位相関係については、CPU14によって判断される。
【0060】
この反転検出手段においては、ドア速度に関係なく、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出できるので、表1に示すように、ドア2a、2bの全移動領域における障害物検出を実現できる。
【0061】
停止検出手段について
ドア2a、2bが障害物に衝突したとき、その障害物が、例えば机やロッカー等の比較的に硬質で、かつ重量の大きいものである場合には、ドア2a、2bは瞬時に停止する。このように、ドア2a、2bが停止すると、上述したエンコーダ6からは、A相及びB相共にパルスは出力されなくなるので、勿論、パルスのエッジも出力されなくなる。従って、本停止検出手段では、上記パルスのエッジ間隔を計時して、その計時時間が所定の規定時間よりも長くなったことを検出することにより、上記パルスが出力されていないことを検出し、ひいてはドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出する。
【0062】
即ち、図13に示すように、A相及びB相のエッジ間、特にこれら双方のエッジのうち、互いに隣接するエッジ間隔を計時する。なお、この停止検出手段においても、上述した減速検出手段と同様に、上記エッジ間における基準パルス数Nをカウントすることにより、上記エッジ間隔を計時している。従って、上記エッジ間隔中にカウントした基準パルス数Nが、予め定めた基準パルス数Nよりも大きくなったこと、即ち数4の関係が成立したことを確認することにより、ドア2a、2bが障害物に衝突して停止したことを検出している。なお、この数4の演算は、CPU14により実行される。また、上記基準パルス数Nは、上述したハンディターミナル16により調整可能とされている。
【0063】
【数4】
N>Nt
【0064】
この停止検出手段においては、ドア速度に関係なく、ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出できるので、表1に示すように、ドア2a、2bの全移動領域における障害物検出を実現できる。また、上記A相及びB相のそれぞれのエッジ間隔を別々に計時するのではなく、これらA相及びB相の位相がずれていることを利用して、両方のエッジのうち、互いに隣接するエッジ間を計時している。従って、A相及びB相の各エッジ間を別々に計時するよりも、上記規定時間(Nt )を短縮でき、これによって、より速い障害物検出を実現できる。勿論、上記A相及びB相のそれぞれのエッジ間隔を別々に計時し、これが所定の規定時間よりも長いかを判断することにより、上記ドア2a、2bが障害物に衝突したことを検出してもよい。
【0065】
上記のように、本実施の形態においては、ドア2a、2bの各移動領域に対して複数の障害物検出手段により障害物検出が行われるので、全領域において、障害物の有無を確実に検出できる。
【0066】
プログラムについて
次に、上記各検出手段を実現するために、CPU14が実行するプログラムについて説明する。CPU14は、例えば図1に示すように、上記各検出手段を実現するためのプログラム、即ち減速検出手段を実現するための減速検出プログラム(ステップS100)、駆動電圧異常検出手段を実現するための駆動電圧異常検出プログラム(ステップS200)、反転検出手段を実現するための反転検出プログラム(ステップS300)、停止検出手段を実現するための停止検出プログラム(ステップS400)を順次実行する。なお、CPU14は、これらのプログラムの処理を終えた後、その他の処理、例えばドア2a、2bの開閉制御等の通常の処理を行い、全ての処理を終えた後、再度減速検出プログラム(ステップS100)に戻り、各処理を繰り返す。即ち、CPU14は、自動ドア装置における通常処理と同時に、上記各検出プログラムを実行している。
モード設定プログラムについて
【0067】
ところで、上述したように、上記各検出手段には、表1に示すように、ドア2a、2bの各移動領域に対して、検出動作の適、不適があるものの、全ての領域において、複数の検出手段による障害物検出が可能とされている。ここで、各領域において、それぞれ適した全ての検出手段により障害物検出を実施すると、領域によっては、過剰検出となる領域もあり、CPU14においてその検出処理を実行するだけ無駄なものもあると考えられる。従って、各領域において、どの検出手段を有効とするのか、即ちどの検出プログラムを実行させるのかを、予め選択しておくことにより、CPU14を無駄なく動作させることができ、効率のよい障害物検出を実現できる。
【0068】
各領域における検出手段(検出プログラム)の選択は、図14に示すモード設定プログラムに従って、例えばハンディターミナル16により設定する。即ち、まず加速域において、減速検出を行うか否かを選択し(ステップS2)、反転検出を行うか否かを選択し(ステップS4)、停止検出を行うか否かを選択する(ステップS6)。なお、上述したように、加速域においては、駆動電圧異常検出による障害物検出は適さないので、この加速域における検出手段の選択については、駆動電圧異常検出の選択ステップを設けていない。
【0069】
次に、高速域において、減速検出を行うか否かを選択し(ステップS8)、駆動電圧異常検出を行うか否かを選択し(ステップS10)、反転検出を行うか否かを選択し(ステップS12)、停止検出を行うか否かを選択する(ステップS14)。この高速域においては、全ての検出手段が適用できるので、全ての検出手段について、それぞれを実行するか否かの選択ステップを設けている。
【0070】
そして、減速域において、反転検出を行うか否かを選択し(ステップS16)、停止検出を行うか否かを選択する(ステップS18)。なお、上述したように、この減速域においては、減速検出及び駆動電圧異常検出による障害物検出は適さないので、これらの選択ステップを設けていない。
【0071】
最後に、低速域において、減速検出を行うか否かを選択し(ステップS20)、駆動電圧異常検出を行うか否かを選択し(ステップS22)、反転検出を行うか否かを選択し(ステップS24)、停止検出を行うか否かを選択する(ステップS26)。この低速域においては、高速域と同様に、全ての検出手段が適用できるので、全ての検出手段について、それぞれを実行するか否かの選択ステップを設けている。
【0072】
そして、これらモード設定プログラムが終了すると、他の設定プログラムへと続く。この他の設定プログラムについては、本発明に直接関係しないので、ここではその説明を省略する。
【0073】
なお、上記モード設定プログラムの実行中、例えば加速域において減速検出を行うか否かの選択ステップ(ステップS2)は、ハンディターミナル16の表示装置16dには、例えば図15に示すようなメッセージが表示される。この状態において、ボタンスイッチ16cのうちの例えば「SHIFT」ボタンを押下することにより減速検出を行う(Y)か否か(N)が選択され、「ENTRY」ボタンを押下することにより上記選択が設定されると同時に、次のステップ(ステップS4)へと自動的に進む。なお、「BACK」ボタンを押下することにより、1つ前のステップに戻ることができる。
【0074】
減速検出プログラムについて
減速検出を実現するためのフローチャートを、図16乃至図18に示す。なお、図16における記号▲2▼、▲3▼、▲4▼は、それぞれ図17の記号▲2▼、▲4▼、及び図18の記号▲3▼、▲4▼につながっている。
【0075】
今、ドア2a、2bが或る領域を移動中であり、かつ或るタイミングでエンコーダ6からA相及びB相のパルスがCPU14に供給されているとする。この状態で、減速検出プログラムが実行されると、まず、CPU14に対して、A相またはB相の立ち上がりエッジが入力されたか否かを判断する(ステップS102)。ここで、A相またはB相の立ち上がりエッジが入力されていない場合には、後述する▲3▼のルートに進み、上記立ち上がりエッジが入力された場合には、そのエッジがA相のものであるかB相のものであるかを判断する(ステップS104)。ここで、上記立ち上がりエッジがB相のものであると判断された場合には、後述する▲2▼のルートに進み、上記立ち上がりエッジがA相のものであると判断された場合には、▲1▼のルートへと進み、即ちステップS106へ進む。なお、CPU14の処理が、上記▲1▼、▲2▼、▲3▼のルートにそれぞれ進むときのA相及びB相のタイミングを図示すると、図19のようになる。
【0076】
CPU14の処理が▲1▼のルートに進んだとき、ステップS106において、上記A相の立ち上がりエッジが、現在ドア2a、2bが位置する領域において最初の立ち上がりエッジであるか否か、即ち現在の領域においてA相のパルスが少なくとも1周期分入力されたか否かを判断する。ここで、上記立ち上がりエッジが、現在の領域において最初のエッジであると判断された場合、即ち現在の領域においてA相のパルスが1周期分も入力されていないと判断された場合には、前回のA相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nan-1をクリアすると共に(ステップS108)、現在カウント中の基準パルス数Nanもクリアする(ステップS112)。一方、上記ステップS106において、上記A相の立ち上がりエッジが、現在の領域において最初のエッジでないと判断された場合、即ち現在の領域において少なくとも1周期以上のA相パルスが入力されていると判断された場合には、現在カウント中の基準パルス数Nanを、前回のA相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nan-1として代入した後(ステップS110)、この現在カウント中の基準パルス数Nanをクリアする(ステップS112)。そして、再び基準パルス数Nanのカウントを開始する(ステップS114)。
【0077】
次に、現在の領域が、上述した図14に示すモード設定において、この減速検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断する(ステップS116)。ここで、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この減速検出プログラムを抜けて次の処理、例えば駆動電圧異常検出プログラムへと進む。一方、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ステップS118へ進む。このステップS118においては、現在の領域において、前回のB相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nbn-1が存在するかを判断しており、この基準パルス数Nbn-1が存在しない場合には、この減速検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記基準パルス数Nbn-1が存在する場合は、現在カウント中のB相パルスの1周期中における基準パルス数Nbnが、上記基準パルス数Nbn-1に所定の感度係数αを乗じた値よりも大きいかを判断し、即ち上述の数2を実行する(ステップS120)。ここで、数2が成立する場合には、ドア2a、2bが障害物に衝突してドア速度が異常に減速したことが検出されるので、衝突検出信号を出力する(ステップS122)。一方、数2が成立しない場合は、ドア速度が正常であると見なされるので、この減速検出プログラムを抜けて、次の処理へと進む。
【0078】
一方、上記ステップS104において、CPU14の処理が▲2▼のルートに進んだ場合は、図17に示すステップS124に進む。そして、このステップS124において、上記B相の立ち上がりエッジが、現在ドア2a、2bが位置する領域において最初の立ち上がりエッジであるか否か、即ち現在の領域においてB相のパルスが少なくとも1周期分入力されたか否かを判断する。ここで、上記立ち上がりエッジが、現在の領域において最初のエッジであると判断された場合、即ち現在の領域においてB相のパルスが1周期分も入力されていないと判断された場合には、前回のB相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nbn−1をクリアすると共に(ステップS126)、現在カウント中の基準パルス数Nbnもクリアする(ステップS130)。一方、上記ステップS124において、上記B相の立ち上がりエッジが、現在の領域において最初のエッジでないと判断された場合、即ち現在の領域において少なくとも1周期以上のB相パルスが入力されていると判断された場合には、現在カウント中の基準パルス数Nbnを、前回のB相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nbn−1として代入した後(ステップS128)、この現在カウント中の基準パルス数Nbnをクリアする(ステップS130)。そして、再び基準パルス数Nbnのカウントを開始する(ステップS132)。
【0079】
次に、現在の領域が、上述した図14に示すモード設定において、この減速検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断する(ステップS134)。ここで、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この減速検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ステップS136へ進む。このステップS136においては、現在の領域において、前回のA相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nan-1が存在するかを判断しており、この基準パルス数Nan-1が存在しない場合には、この減速検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記基準パルス数Nan-1が存在する場合は、現在カウント中のA相パルスの1周期中における基準パルス数Nanが、上記基準パルス数Nan-1に所定の感度係数αを乗じた値よりも大きいかを判断し、即ち上述の数1を実行する(ステップS138)。ここで、数1が成立する場合には、ドア2a、2bが障害物に衝突してドア速度が異常に減速したことが検出されるので、衝突検出信号を出力する(ステップS140)。一方、数1が成立しない場合は、ドア速度が正常であると見なされるので、この減速検出プログラムを抜けて、次の処理へと進む。
【0080】
更に、上記ステップS102において、CPU14の処理が▲3▼のルートに進んだ場合は、図18に示すステップS142に進む。即ち、ステップS142において、現在の領域が、上述した図14に示すモード設定において、この減速検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断する。ここで、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この減速検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、現在の領域が、この減速検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ステップS144へ進む。ステップS144においては、現在の領域において、前回のA相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nan-1が存在するかを判断しており、この基準パルス数Nan-1が存在しない場合には、後述するステップS150へと進む。一方、上記基準パルス数Nan-1が存在する場合は、現在カウント中のA相パルスの1周期中における基準パルス数Nanが、上記基準パルス数Nan-1に所定の感度係数αを乗じた値よりも大きいかを判断し、即ち上述の数1を実行する(ステップS146)。ここで、数1が成立する場合には、ドア2a、2bが障害物に衝突してドア速度が異常に減速したことが検出されるので、衝突検出信号を出力する(ステップS148)。一方、数1が成立しない場合は、ステップS150へと進む。
【0081】
ステップS150においては、現在の領域において、前回のB相パルスの1周期中にカウントした基準パルス数Nbn-1が存在するかを判断しており、この基準パルス数Nbn-1が存在しない場合には、この減速検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記基準パルス数Nbn-1が存在する場合は、現在カウント中のB相パルスの1周期中における基準パルス数Nbnが、上記基準パルス数Nbn-1に所定の感度係数αを乗じた値よりも大きいかを判断し、即ち上述の数2を実行する(ステップS152)。ここで、数2が成立する場合には、ドア2a、2bが障害物に衝突してドア速度が異常に減速したことが検出されるので、衝突検出信号を出力する(ステップS154)。一方、数2が成立しない場合は、ドア速度が正常であると見なされるので、この減速検出プログラムを抜けて、次の処理へと進む。
【0082】
駆動電圧異常検出プログラムについて
駆動電圧異常検出を実現するためのフローチャートを、図20に示す。この駆動電圧異常検出プログラムは、上記減速検出プログラムに続いて実行されるが、今、ドア2a、2bが或る領域を、或る方向に向かって移動中であるとする。この状態で、この駆動電圧異常検出プログラムが実行されると、まず、CPU14は、現在、ドア2a、2bが位置する領域が、上述した図14に示すモード設定において、この駆動電圧異常検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断する(ステップS202)。ここで、現在の領域が、この駆動電圧異常検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この駆動電圧異常検出プログラムを抜けて次の処理、例えば反転検出プログラムへと進む。一方、現在の領域が、この駆動電圧異常検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ステップS204へ進む。
【0083】
ステップS204においては、ドア2a、2bが現在、開行程にあるか否かを判断している。なお、この判断は、上述したモータドライブユニット10に供給する方向信号(正方向信号及び逆方向信号)に応じて判断される。このステップS204において、ドア2a、2bが開行程状態にあると判断されると、次に、この自動ドア装置への電源投入後、開行程が1回以上行われたか否かが判断される(ステップS206)。ここで、電源投入後、1回も開行程が行われていないと判断されると、この駆動電圧異常検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。
一方、上記ステップS206において、電源投入後に、1回以上の開行程が行われたと判断されると、前回の開行程における駆動電圧V0 を基に、電圧上限値VL が計算され、即ち上述の数3の演算を実行する(ステップS208)。そして、このステップS208において算出された電圧上限値VL と、今回の駆動電圧Vとを比較して(ステップS210)、現在の駆動電圧Vが、上記電圧上限値VL よりも小さい場合は、駆動電圧Vは正常であると見なされるので、この駆動電圧異常検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記ステップS210において、現在の駆動電圧Vが、上記電圧上限値VL よりも大きい場合には、駆動電圧Vは異常であると見なされ、即ちドア2a、2bが障害物に衝突したことが検出されるので、衝突検出信号が出力される(ステップS212)。
【0084】
また、上記ステップS204において、ドア2a、2bが、現在、開行程でない、即ち閉行程であると判断されると、ステップS214に進む。このステップS214においては、自動ドア装置への電源投入後、閉行程が1回以上行われたか否かが判断される。ここで、電源投入後、1回も閉行程が行われていないと判断されると、この駆動電圧異常検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記ステップS214において、電源投入後に、1回以上の閉行程が行われたと判断されると、前回の閉行程における駆動電圧Vを基に、電圧上限値Vが計算され、即ち上述の数3の演算を実行する(ステップS216)。そして、このステップS216において算出された電圧上限値Vと、今回の駆動電圧Vとを比較して(ステップS218)、現在の駆動電圧Vが、上記電圧上限値Vよりも小さい場合は、駆動電圧Vは正常であると見なされるので、この駆動電圧異常検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記ステップS218において、現在の駆動電圧Vが、上記電圧上限値Vよりも大きい場合には、駆動電圧Vは異常であると見なされ、即ちドア2a、2bが障害物に衝突したことが検出されるので、衝突検出信号が出力される(ステップS220)。
【0085】
反転検出プログラムについて
反転検出を実現するためのフローチャートを、図21に示す。この反転検出プログラムは、上記駆動電圧異常検出プログラムに続いて実行されるが、今、ドア2a、2bが或る領域を、或る方向に向かって移動中であるとする。この状態で、この反転検出プログラムが実行されると、まず、CPU14は、エンコーダ6からのA相及びB相のパルスを観測する(ステップS302)。ここで、A相及びB相に関係なくパルスの立ち上がりまたは立ち下がりが入力されると、ステップS304に進むが、上記立ち上がりまたは立ち下がりが入力されていないときは、そのまま次の処理、例えば停止検出プログラムへと進む。
【0086】
上記ステップS302において、上記パルスの立ち上がりまたは立ち下がりが入力されたと判断されると、次に、ステップS304において、上記パルスがA相であるかB相であるかを判断する。ここで、上記パルスがA相であると判断されると、今度は立ち上がり及び立ち下がりのいずれが入力されたのかを判断する(ステップS306)。このステップS306において、A相の立ち上がりが入力されたと判断されると、次にB相がLレベルであるか否かを判断する(ステップS308)。即ち、A相とB相との位相関係は、正常なとき、上述の図11に示す関係にあるため、この図11の関係から明らかなように、上記ステップS308においてB相がLレベルである場合は、モータ4が正転(ドア2a、2bの開動作)していると判断され(ステップS310)、上記ステップS308においてB相がLレベルでない場合は、モータ4が逆転(ドア2a、2bの閉動作)していると判断される(ステップS312)。同様に、上記ステップS306において、A相の立ち下がりが入力されたと判断されると、次にB相がLレベルであるか否かが判断され(ステップS320)、ここで、B相がLレベルである場合は、モータ4が逆転していると判断され(ステップS322)、B相がLレベルでない場合は、モータ4が正転していると判断される(ステップS324)。
【0087】
一方、上記ステップS304において、入力された上記パルスがB相であると判断されると、ステップS326に進む。このステップS326においては、上記B相パルスのエッジが、立ち上がり及び立ち下がりのいずれであるのか判断される。ここで、B相の立ち上がりが入力されたと判断されると、次にA相がLレベルであるか否かを判断する(ステップS328)。即ち、この場合も、上記図11の関係から明らかなように、上記ステップS328においてA相がLレベルである場合は、モータ4が逆転していると判断され(ステップS330)、上記ステップS328においてA相がLレベルでない場合は、モータ4が正転していると判断される(ステップS332)。同様に、上記ステップS326において、B相の立ち下がりが入力されたと判断されると、次にA相がLレベルであるか否かが判断され(ステップS334)、ここで、A相がLレベルである場合は、モータ4が正転していると判断され(ステップS336)、A相がLレベルでない場合は、モータ4は逆転していると判断される(ステップS338)。
【0088】
上記各正転及び逆転の判断結果(ステップS310、S312、S322、S324、S330、S332、S336、S338)の後は、ステップS314へ進む。このステップS314においては、現在、ドア2a、2bの位置する領域が、上述した図14に示すモード設定において、この反転検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断している。ここで、現在の領域が、この反転検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この反転検出プログラムを抜けて次の処理、例えば停止検出プログラムへと進む。一方、現在の領域が、この反転検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ステップS316へ進む。
【0089】
ステップS316においては、上記各正転及び逆転の判断結果(ステップS310、S312、S322、S324、S330、S332、S336、S338)が、現在、モータ4を回転させている方向と異なるか否かを判断している。
即ち、このステップS316において、上記回転方向が異なる場合は、ドア2a、2bが障害物に衝突して、本来の移動方向とは反対側に跳ね飛ばされたことが検出されるので、衝突検出信号を出力する(ステップS318)。なお、上記ステップS316における回転方向が一致する場合には、そのまま次の処理へと進む。また、上記回転方向の比較は、上述した方向信号(正方向信号及び逆方向信号)を基準に行われる。
【0090】
停止検出プログラムについて
停止検出を実現するためのフローチャートを、図22に示す。この停止検出プログラムは、上記反転検出プログラムに続いて実行されるが、今、ドア2a、2bが或る領域を移動中であるとする。この状態で、この停止検出プログラムが実行されると、まず、CPU14は、A相またはB相が立ち上がったか立ち下がったかを判断することにより、A相及びB相に関係なく、またパルスの立ち上がり及び立ち下がりに関係なく、エンコーダ6からのパルスのエッジが入力されたか否かを判断する(ステップS402)。ここで、上記パルスのエッジが入力された場合、現在カウントしている基準パルス数Nをリセットした後(ステップS404)、この基準パルスNのカウントを再び開始して、この停止検出プログラムを抜ける。
【0091】
一方、上記ステップS402において、エンコーダ6からのパルスのエッジが入力されていないときは、ステップS408に進み、ここで、現在カウントされている基準パルス数Nが、所定値Nt よりも大きいか否かを判断し、即ち上述した数4の演算を実行する。このステップS408において、上記基準パルス数Nが、所定値Nt よりも小さい場合は、この停止検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、上記基準パルス数Nが、上記所定値Nt よりも大きいとされた場合は、現在、ドア2a、2bが位置する領域が、上述した図14に示すモード設定において、この停止検出プログラムを実行させる(有効とする)よう選択された領域であるか否かを判断する(ステップS410)。ここで、現在の領域が、この停止検出プログラムによる処理を無効とする領域である場合は、この停止検出プログラムを抜けて次の処理へと進む。一方、現在の領域が、この停止検出プログラムによる処理を有効とする領域である場合には、ドア2a、2bが障害物に衝突して停止したことを検出し、衝突検出信号を出力する(ステップS412)。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、全てのドア移動領域において、上述した従来技術に比べて、遙に確実な障害物検出を実現できるという効果がある。従って、本発明の障害物検出装置を自動ドア装置に適用することにより、全領域において、ドアを快適にコントロールすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る障害物検出装置の一実施の形態を示す図で、各検出手段の実行手順を示すフローチャートである。
【図2】同実施の形態の障害物検出装置を応用した自動ドア装置において、ストロークに対するドア速度の関係を示すストローク線図である。
【図3】同実施の形態の障害物検出装置を応用した自動ドア装置の全体構成図である。
【図4】同実施の形態の障害物検出装置を応用した自動ドア装置において、モータを制御するためのPWM制御信号のタイミングチャートである。
【図5】同実施の形態の障害物検出装置において、各パラメータ等を設定するためのハンディターミナルの内部構成を示すブロック図である。
【図6】上記ハンディターミナルの外観図である。
【図7】同実施の形態の障害物検出装置における減速検出手段の概略を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】上記ハンディターミナルにより、減速検出手段及び駆動電圧異常検出手段の感度を設定する際のメッセージ表示例である。
【図9】同実施の形態の障害物検出装置における減速検出手段の概略を説明するためのドア速度とエンコーダパルスの周期との関係図である。
【図10】同実施の形態の障害物検出装置における駆動電圧異常検出手段の概略を説明するための図である。
【図11】同実施の形態の障害物検出装置における反転検出手段の概略を説明するためのエンコーダパルスのタイミングチャートである。
【図12】同実施の形態の障害物検出装置における反転検出手段の概略を説明するためのエンコーダパルスのタイミングチャートである。
【図13】同実施の形態の障害物検出装置における停止検出手段の概略を説明するためのエンコーダパルスのタイミングチャートである。
【図14】同実施の形態の障害物検出装置におけるハンディターミナルによるモード設定プログラムを示すフローチャートである。
【図15】同実施の形態の障害物検出装置において、ハンディターミナルにより上記モード設定を行う際のメッセージ表示例である。
【図16】同実施の形態の障害物検出装置における減速検出手段を実現するための減速検出プログラムのフローチャートである。
【図17】上記図16につながるフローチャートである。
【図18】上記図16につながるフローチャートである。
【図19】同実施の形態の障害物検出装置における減速検出手段の概略を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】同実施の形態の障害物検出装置における駆動電圧異常検出手段を実現するための駆動電圧異常検出プログラムのフローチャートである。
【図21】同実施の形態の障害物検出装置における反転検出手段を実現するための反転検出プログラムのフローチャートである。
【図22】同実施の形態の障害物検出装置における停止検出手段を実現するための停止検出プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置
2a、2b ドア
4 直流モータ
6 エンコーダ(パルス出力手段)
10 モータドライブユニット
12 センサ
14 中央演算処理装置(CPU)
16 ハンディターミナル
20 基準パルス発振器
ステップS100 減速検出プログラムの実行
ステップS200 駆動電圧異常検出プログラムの実行
ステップS300 反転検出プログラムの実行
ステップS400 停止検出プログラムの実行
【表1】
Figure 0003696979

Claims (7)

  1. ドアを開閉駆動するモータと、このモータを制御する制御部と、を備えた自動ドア装置において、
    上記制御部は、上記ドアを加速させる加速域と、この加速域に続いて上記ドアを高速で移動させる高速域と、この高速域に続いて上記ドアを減速させる減速域と、この減速域に続いて上記ドアを低速で移動させる低速域との、全ての領域に対して複数の異なる障害物検出手段を設け、
    上記複数の障害物検出手段のうちのいずれかが、上記ドアが障害物に衝突したことを検出したとき、衝突検出信号を出力する手段を設け、
    上記制御部は、上記各ドアの領域においてどれどれの上記障害物検出手段を有効とするのかを、予め、上記各ドアの領域ごとに選択して、その領域毎に上記選択した障害物検出手段を有効とする状態に構成された自動ドア装置の障害物検出装置。
  2. 上記複数の異なる障害物検出手段は、上記ドアが異常に減速したことを検出することにより上記障害物を検出する減速検出手段と、上記ドアの移動速度に応じた上記モータの駆動電圧が異常となったことを検出することにより上記障害物を検出する駆動電圧異常検出手段と、上記ドアの移動方向が反転したことを検出することにより上記障害物を検出する反転検出手段と、上記ドアが停止したことを検出することにより上記障害物を検出する停止検出手段と、を具備する請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
  3. 上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスを出力するパルス出力手段を有し、
    上記減速検出手段は、上記パルス出力手段から出力されている現在のパルスの周期が、前回上記パルス出力手段から出力されたパルスの1周期に1よりも大きい値の所定の感度係数を乗算した値よりも大きくなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成された請求項2に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
  4. 上記駆動電圧異常検出手段は、上記モータの駆動電圧が、調整可能な所定の電圧上限値よりも高くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成された請求項2に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
  5. 上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスであってドアの移動方向に応じて位相のずれた2つのパルスを出力するパルス出力手段を有し、
    上記反転検出手段は、上記ドアの移動中において、上記2つのパルスの位相関係が反転したときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成された請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
  6. 上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスを出力するパルス出力手段を有し、
    上記停止検出手段は、上記パルスのエッジ間で計時される時間が所定の規定時間よりも長くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成された請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
  7. 上記ドアの移動速度の逆数に比例した周期のパルスであって互いに位相のずれた2つのパルスを出力するパルス出力手段を有し、
    上記停止検出手段は、上記2つのパルスのエッジのうち、隣接するエッジ間で計時された時間が所定の規定時間よりも長くなったときに、上記ドアが障害物に衝突したことを検出する状態に構成された請求項に記載の自動ドア装置の障害物検出装置。
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