JP3696937B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像が形成された記録材のカールの補正機能を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式を用いている画像形成装置においては、一般に感光ドラムに形成されたトナー像を用紙に転写し、熱ローラを用いて、記録材としての用紙にトナーを定着する方法が採用されている。また、このような画像形成装置にソータ等の用紙後処理装置を接続して、用紙のソート(丁合い)やステイプル等の後処理を実行させる装置も提供されている。これら後処理装置を使用する場合には、特に用紙のカール状態が用紙の積載性能や整合性能に影響するため、カール補正装置を組み合わせて使用する装置も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、カール補正装置による補正が不可能なカールが用紙に生じた場合に、カールの補正が不充分な用紙がソータ等の後処理装置に送られることがあった。例えば、用紙の正カール(下に凸)のみの補正が可能な一般的なカール補正装置を備えた画像形成装置において、逆カール(上に凸)が生じる可能性のある用紙の表裏両面の画像形成時に、その逆カールが補正されないままの用紙がソータに送られて、用紙の整合不良、それに伴うステイプル位置の精度不良やステイプル不良が生じるおそれがあった。なお、カール補正装置を正カールと逆カールの両方の補正が可能な構成とした場合には、画像形成装置全体の大型化や高価格化を招くという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、カール補正が不可能なカールが記録材に生じた場合に、記録材に対する記録動作を停止させて、カール補正が不充分な記録材の排出の続行を回避することができる画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成可能な画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された前記記録材のカールを補正可能なカール補正手段と、前記記録材のカールの発生要因となる前記画像形成手段の処理量を検出する検出手段と、前記カール補正手段によりカール補正された記録材に、複数種類の後処理から選択的に後処理を行う後処理手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記記録材に生じるカールが前記カール補正手段によって補正可能であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記カール補正手段による補正が不可能であると判断された場合、前記後処理手段で行う後処理の種類に応じて、前記画像形成手段による新たな画像の形成動作を禁止するか所定枚数の画像の形成動作の続行を許可するかを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の画像形成装置は、記録材に画像を形成可能な画像形成手段と、前記記録材に転写したトナー像を定着させる熱ローラと、前記画像形成手段によって画像が形成された前記記録材のカールを補正可能なカール補正手段と、前記記録材のカールの発生要因となる前記記録材の表面および裏面のそれぞれに定着されるトナー量の差を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記記録材に生じるカールが前記カール補正手段によって補正可能であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記カール補正手段による補正が不可能であると判断されたことに応じて前記画像形成手段による画像の形成動作を停止させる制御手段と、有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0008】
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例としてのカラー画像形成装置の概略断面図を示す。
【0009】
本例では、上部にデジタルカラー画像リーダ部201(以下、「リーダ部」と略す)、下部にデジタルカラー画像プリンタ部202(以下、「プリンタ部」と略す)、リーダ部201とプリンタ部202の間に画像処理部203を有する。
【0010】
リーダ部201において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像を、レンズ33によりRGB3色分解フィルタと一体形成されたフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像アナログ信号を得る。カラー色分解画像アナログ信号は、図示しない増幅回路を経てデジタル化され、そして画像処理部203にて処理を施されてから、プリンタ部202に送出される。
【0011】
プリンタ部202において、像担持体である感光ドラム1は矢印方向に回転自在に担持され、その感光ドラム1の周りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、現像装置4(現像器4y,4c,4m,4Bk)、ドラム上光量検知センサ13、転写装置5、クリーニング器6が配置されている。
【0012】
レーザ露光光学系3において、リーダ部201からの画像信号は、レーザ出力部(不図示)にて光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3b及びミラー3cを通って、感光ドラム1の面に投影される。
【0013】
プリンタ部202による画像形成時には、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1を帯電器2により一様に帯電させてから、各分解色ごとに光像Eを照射して潜像を形成する。
【0014】
次に、所定の現像器を動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に、樹脂を基体としたトナー画像を形成する。現像器は、偏心カム24y,24c,24m,24Bkの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近させるようにしている。
【0015】
感光ドラム1上の現像されたトナー画像は、記録材カセット7a,7b,7c、中間トレイ22または記録材トレイ7mから搬送系及び転写装置5を介して感光ドラム1との対向位置に供給された記録材に転写される。本例の転写装置5は、記録材保持手段としての転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材を静電吸着させるための吸着帯電器5cと対向する吸着ローラ5g、内側帯電器5d、外側帯電器5eとを有し、回転駆動されるように軸支された転写ドラム5aの周面開口域には誘電体からなる記録材担持シート5fが円筒状に一体的に張設されている。記録材担持シート5fとしては、ポリカーボネートフィルム等の誘電体シートが使用されている(以下、「転写シート5f」という)。
【0016】
本実施例では、記録材担持手段として静電吸着を用いているため、転写シート5fの全周の1/2以下の記録材(250mm)の場合には、2枚の記録材に対して同時に画像形成可能である。この2枚の記録紙を同時に画像形成する場合を以下「2枚貼り制御」といい、また転写シート5fに1枚の記録材を静電吸着して画像形成を行う場合を「1枚貼り制御」という。
【0017】
ドラム状とされる転写装置つまり転写ドラム5aを回転させるに従って、感光ドラム1上のトナー像は転写帯電器5bにより転写シート5fに担持された記録材上に転写される。このようにして、転写シート5fに吸着搬送される記録材には、所望数の色画像が転写され、フルカラー画像が形成される。フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の転写が終了した記録材は、転写ドラム5aから分離爪8a、分離押し上げコロ8b及び分離帯電器5hの作用によって転写シート5fから分離され、熱ローラ定着器9を介して、後述する排紙カール補正部500に排紙される。そして、記録材は、カール補正手段としてのカール補正部500でカール補正制御された後、図22に示す排紙後処理部600へ送られてから、所望の丁合い、ステイプル等の後処理がなされる。カール補正部500と排紙後処理部600については後述する。
【0018】
他方、転写終了後の感光ドラム1は、表面の残留トナーがクリーニング器6で清掃された後、再度画像形成工程に供される。
【0019】
記録材の両面に画像を形成する場合には、一方の面に画像を形成した記録材を定着器9から排出した後、すぐに搬送パス切替ガイド19を駆動して、その記録材を搬送縦パス20を経て、反転パス21aに一旦導いてから、反転ローラ21bの逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして送り込まれた方向と反対向きに退出させ、中間トレイ22に収納する。その後、再び上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を形成する。このように記録材の表裏両面に画像を形成する場合、その記録材の最初に画像が形成される第1の面を「両面1面目」、次に画像が形成される第2の面を「両面2面目」という。
【0020】
また、転写ドラム5aの記録材担持シート5f上における粉体の飛散付着、記録材上における後述のオイルの付着等を防止するために、記録材担持シート5fを介して対向するファーブラシ14およびファーバックアップブラシ15や、記録材担持シート5fを介して対向するオイル清掃ローラ16およびオイル清掃バックアップブラシ17や、記録材担持シート5fを介して対向する研磨ローラ18および研磨ローラバックアップブラシ19を用いて、清掃を行なう。このような清掃は画像形成前もしくは後に行ない、またジャム(紙づまり)発生時には随時行なう。
【0021】
また、本例においては、所望のタイミングで偏心カム25を動作させ、転写ドラム5aと一体化しているカムフォロア5iを作動させることにより、記録材担持シート5fと感光ドラム1とのギャップが任意に設定可能な構成となっている。例えば、スタンバイ中または電源オフ時には、転写ドラム5aと感光ドラム1の間隔を離す。
【0022】
次に、現像装置4におけるトナー濃度制御について説明する。マゼンタ現像器4m、シアン現像器4c、イエロー現像器4y内のそれぞれのトナーは波長約960nmの近赤外光に対して反射することから、その特性を利用して、現像時それぞれの現像器内に配置されている現像剤濃度検知部780(図2参照)でこの反射光を検知し、A/Dコンバータ752(図2参照)でトナー濃度信号に変換し、トナー濃度信号に対するトナーを不図示のホッパから現像器に補給する。
【0023】
これに対し、ブラックトナーは波長約960nmの近赤外光を吸収してしまうため、ブラック現像器4Bk内でのトナー濃度検知は行わず、感光ドラム1上に現像されたブラックトナー像に対して波長約960nmの近赤外光を照射し、感光ドラム1面上の反射成分とブラックトナーによる吸収成分の比率から現像されたブラックトナー濃度を検知し、これから現像器内トナー濃度を算出する。
【0024】
ドラム上光量検知センサ13はブラック現像器4Bkと転写帯電器5bの間に配置されて、ブラック現像器4Bkで現像されたブラックトナー像を転写前に検知できる構成になっており、転写動作によるトナー濃度変動がない状態で検知可能である。
【0025】
次に、熱ローラ定着器9の詳細な説明を行う。熱ローラ定着器9は、定着上ローラ9a、定着下ローラ9b、定着ウェッブ9c、定着オイル塗布9dを有している。
【0026】
熱ローラ定着器9は、定着ローラ9a,9bの熱エネルギーによって記録材上のトナーを溶融し、定着ローラ9a,9b間の圧力によって溶融したトナーを記録材とを定着させる。なお、定着上ローラ9a、定着下ローラ9bの表面は、その略中心部に組み込まれた定着上ヒータ9e、定着下ヒータ9fと、それぞれのローラ表面温度を検知する定着上サーミスタ781、定着下サーミスタ782とにより、独立に最適な表面温度になるように制御される。
【0027】
定着ウェッブ9cは、定着上ローラ9a上の汚れ、あるいはオフセットしたトナーを除去すべく必要時に定着上ローラ9aに当接する。その際、定着ウェッブ9cに内蔵されている巻き取り装置により、定着ウェッブ9cの新しい面を定着上ローラ9aに当接させてクリーニング性能を向上できるようにもなっている。また、このクリーニングされた定着上ローラ9aの面に対してシリコンオイルを供給する定着オイル塗布ローラ9dが用意されており、記録材上のトナーが定着上ローラ9aに付着しないように、必要時にシリコンオイルが定着上ローラ9aに塗布される。
【0028】
また、熱ローラ定着器9は、図1には不図示の定着駆動モータにより定着ローラ9a,9bと記録材搬送部9gを駆動する。定着駆動モータは定着駆動モータドライバ761(図2参照)により駆動される。本実施例では、記録材の種類による定着性の差異をなくすため、4種類の記録材に対応した定着スピードを実現できるように構成されている。
【0029】
具体的な感光ドラム1の画像形成時の周速をVP(以下、「プロセススピード」という)とすると、普通紙定着スピードVFN=VPであり、両面2面目用の定着スピードVFDはVFNより小さく、厚紙用定着スピードVFTはVFDより小さく、OHP用定着スピードVFOはVFTより小さい。したがって、VP=VFN>VFD>VFT>VFOの関係が成立し、この4種類の定着スピードが実現できるように定着駆動モータドライバ761(図2参照)が構成されている。なお、記録材搬送部9gの搬送スピードは定着ローラ9a,9bの周速と同一になるように設定されている。また、両面2面用の定着スピードVFDは2色以上のトナーを定着させる両面2面目用に使用され、両面2面目でも1色のトナーしか定着させない単色モードでは使用せず、この場合は普通紙定着スピードVFNで定着動作を行う。
【0030】
次に、カール補正手段としてのカール補正部500と、後処理手段としての排紙後処理部600についての説明を行う。
【0031】
電子写真方式で画像形成されたトナー像を用紙に定着させる際、記録材としての用紙がカールすることが知られている。このカールは、排紙後処理を行う際に整合品質に悪影響を与えることも周知の事実である。このため、本実施例ではカール補正部500でカールを補正し、排紙後処理部600に悪影響がないようにしてから用紙を後処理する構成になっている。
【0032】
(カール補正部500について)
図23は、図1および図22に示されるカール補正部500の主要部を示したものである。図23において、カール付け部501は、シリコンスポンジ等の弾性体からなる軟質の大径上ローラ502と、金属性の硬質の小径下ローラ503とにより構成されている。そして、金属下ローラ503を弾性上ローラ503を弾性上ローラ502に押し付けることにより、金属下ローラ503の外径に沿う上に凸状のニップ部を形成し、そのニップ部を通過する用紙Pの正カール(下に凸状のカール)の修正を行う。
【0033】
カール補正部500のカール修正能力は、弾性上ローラ502に対する金属下ローラ503の侵入量xを変えることにより、調整可能であり、侵入量xの変化は、金属下ローラ503を支持している加圧アーム504を、支軸505を中心に偏心カム506の回転によって揺動させることにより行う構成になっている。偏心カム506の回転駆動のためには、ステッピングモータ等で構成される偏心カムモータ507を駆動する。
【0034】
(排紙後処理部600について)
次に、排紙後処理部600についての説明を行う(以下、「ソータ」と略す)。ソータ部600は、図22に示されるように大きく2つの部分から構成される。1つはノンソートビン601であり、丁合い動作が不必要な用紙を排出するときに使用される。もう1つはソートビン602であり、丁合い動作時には20ビンあるソートビン602を利用して、各ソートビン602に順に出力することで、丁合いされた紙束を得ることができる。603は、ノンソートビン601とソートビン602に対しての排出力先を切り替えるソートフラッパである。このフラッパ603により、用紙はノンソートパス604とソートパス605に振り分けられ、それぞれノンソートビン601とソートビン602に排出される。ノンソートビン601はソートビン602に比べ、大容量の用紙を排出可能な構成になっている。
【0035】
次に、図24を使用して、ソータ部600による整合動作とステイプル動作の簡単な説明を行う。図24はソータ600の斜視図であり、20ビンあるソートビン602は説明を解りやすくするために、本図では1ビンのみ示してある。ソートビン602に蓄積された用紙は、整合棒606と整合補助棒607により、整合動作が行われる。整合動作は用紙サイズによって異なるため、整合センサ608と整合モータ609により、用紙サイズにより整合棒606の動作位置を制御しながら実行される。このためソートビン602には切り欠き602aと602bが形成され、一定の範囲内での棒606,607の移動を許容する構成になっている。またソートビン602には、ステイプル用切り欠き602cと602dが形成され、不図示のステイプル部が用紙のステイプルが可能な構成になっている。
【0036】
次に図25から図27を用いて、自動原稿送り装置400(以下、「RDF」と略す)とソータ600との組み合わせによる周知の丁合い動作について簡単に説明する。図25(a)と(b)において、説明の不用なノンソートビン601については図示していない。またソートビン602に蓄積されている出力用紙についている数字はRDF400にセットされた原稿順を示している。
【0037】
本実施例では、丁合い動作を行わないノンソートモード以外に、ソートモードとグループモードという2種類の丁合いモードが用意されている。したがって、ソータ600には合計3種類の積載形態が選択実行可能な構成になっている。
【0038】
図25(a)はソートモード時の積載形態を示したものである。ソートビン602に積載されている出力用紙の横の数字は対応原稿番号を示すものとする。RDF400はセットされた原稿を下から送る構成のため、ソートビン602には数字4が示された用紙が一番下に積載される。この動作を図25(a)では3ビン分繰返し、次原稿である数字3が示された用紙がその上に積載される。
【0039】
図25(b)はグループモード時の積載形態を示したものである。ソードビン602に積載されている出力用紙の横の数字は対応原稿番号を示すものとする。グループモードでは原稿に対応した出力用紙が各ソートビン602に積載される。
【0040】
これに加え、本実施例におけるソータ600はステイプル機能を有しており、そのステイプル機能は前記ソートモードの積載形態時にのみ実行可能なように制御されている。
【0041】
図26(a),(b),(c)は、原稿台ガラス31に載置された原稿30上でのステイプル位置を模式的に表したものである。図26(a)におけるコーナーとじ(ステイプル)では、出力用紙は天地逆に出力されるため、ソータ600では手前側がステイプルされる。図27(a),(b),(c)は、RDF400に原稿をセットした状態を上から見たときの原稿上でのステイプル位置を模式的に表したものである。
【0042】
図26,図27のいずれの場合も、不図示のステイプル部がステイプル用切り欠き602cと602dを利用してステイプルするようになっている。具体例を挙げれば、図26(a)と図27(a)の両方のコーナーとじは、切り欠き602dを利用してステイプルするように制御される。
【0043】
図2は、本発明の一実施例のカラー画像形成装置における制御系のブロック図である。カラー画像形成装置では制御上大きく2つのブロックに分けられる。1つは、主に、リーダ部201および画像処理部203の制御を行うリーダコントローラ700であり、他の1つは、プリンタ部202の制御を行うプリンタコントローラ701である。
【0044】
702は、走査ミラー32a,32b,32cと露光ランプ32を移動させる不図示の光学モータを駆動するための光学モータドライバ、703は、原稿を自動的に交換する自動原稿送り装置RDF400を制御するためのRDFコントローラ、704はカラー画像形成装置の動作モードを設定するための操作部、705はリーダコントローラ700の制御プログラムが格納されたROM、706は制御値等のデータを格納しておくRAM、707は露光ランプ32等の負荷を駆動するためのI/Oである。また、RAM706は、電源を切ってもデータが保持できるように電池でバッテリバックアップされている。
【0045】
次に、プリンタコントローラ701の周辺制御部について説明する。750はプリンタコントローラ701の制御プログラムを格納するROM、751は制御値等のデータを格納しておくRAM、752は電位センサ12およびドラム上光量検知センサ13等からのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ、753はアナログ設定値を高圧制御部770等に出力するD/Aコンバータ、754はモータおよびクラッチ等の負荷を駆動するI/Oである。
【0046】
708はソータコントローラであり、プリンタコントローラ701と通信を行い、操作部704で設定されたノンソートモードやソートモードやグループモードの積載形態指示に従って積載制御や、同じくステイプル指示に応じたステイプル制御を行う。
【0047】
763はカールモータドライバであり、不図示のカール補正部500の駆動源であるカールモータや図23に示されている偏心カムモータ507を駆動する。
【0048】
図3は、本実施例における画像処理部203の構成例を示すブロック図である。図3において101はCCD読み取り部であり、前述のフルカラーセンサ34(図1参照)から入力されたアナログRGB信号をそれぞれ増幅するためのアンプ、アナログRGB信号を例えば8ビットのデジタル信号へ変換するためのA/Dコンバータ、公知のシェーディング補正を行うためのシェーディング補正回路などで構成され、原稿画像のデジタルRGB画像信号を出力する。
【0049】
102はシフトメモリであり、リーダコントローラ700からのシフト量制御信号に応じて、CCD読み取り部101から入力されたRGB画像信号の例えば色間、画素間のずれを補正する。103は補色変換回路であり、シフトメモリ102から入力されたRGB画像信号をMCY画像信号へ変換する。104は黒抽出回路であり、リーダコントローラ700から入力された黒抽出信号に応じて、補色変換回路103から入力されたMCY(マゼンタ、シアン、イエロー)画像信号から画像の黒色領域を抽出し、抽出した黒色領域に対するBk(ブラック)画像信号を出力する。
【0050】
105はUCR回路であり、黒抽出回路104から入力されたBk画像信号とリーダコントローラ700から入力されたUCR量制御信号とに応じて、補色変換回路103から入力されたMCY画像信号に下色除去(UCR)処理を施す。すなわち、黒抽出回路104とUCR回路105は、抽出した黒色領域をMCY3色のトナーを重ねるのではなく、Bkトナーに置き換えて画像形成を行うことで色再現性の向上を図るものである。
【0051】
黒抽出回路104から出力されるBk画像信号は下式(1)によって決定される。
【0052】
【数1】
BK=A・min(C2,Y2,M2) …(1)
なお、(1)式において、Aは黒抽出係数、C2,Y2,M2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号である。黒抽出係数Aは、リーダコントローラ700から指定される黒抽出量制御信号によって決定される。
【0053】
また、UCR回路105から出力されるMCY画像信号は下式(2)によって決定される。
【0054】
【数2】
M1=B1・(M2−D1・Bk)
C1=B2・(C2−D2・Bk) …(2)
Y1=B3・(Y2−D3・Bk)
なお、(2)式においてM2,C2,Y2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されるMCY画像信号であり、係数B1,B2,B3,D1,D2,D3はリーダコントローラ700からUCR量制御信号によって決定される。
【0055】
次に、106はマスキング回路であり、使用するトナーの濁り成分の除去やCCDのRGBフィルタ特性の補正をするために、リーダコントローラ700から入力されたマスキング係数制御信号に応じて、UCR回路105から入力されたMCY画像信号にマスキング処理を施す。マスキング回路106から出力されるMCY画像信号は下式(3)によって表現される。
【0056】
【数3】
【0057】
なお、(3)式においてa11〜a33はマスキング係数、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されたMCY画像信号、M0,C0,Y0はマスキング回路106から出力されるMCY画像信号であり、マスキング係数a11〜a33はリーダコントローラ700から指定されるマスキング係数制御信号によって決定される。
【0058】
107はセレクタであり、リーダコントローラ700から選択端子Sへ入力された色選択信号に応じて、マスキング回路106と黒抽出回路104から入力されたM、C、Y、Bkの画像信号の中から1色の画像信号を選択して画像信号V1を出力する。
【0059】
108はリーダ階調補正回路であり、セレクタ107から入力された画像信号V1に図4に示すような階調補正を施して、画像信号V2を出力する。例えば、リーダ階調補正回路108は、リーダコントローラ700から指定された階調補正選択信号に基づいて選択された図4の変換特性a〜eの何れかによって、画像信号に濃度補正を施す。このリーダ階調補正回路108での設定は、後述する操作部の画像濃度設定によって決定される。
【0060】
109はプリンタ階調補正回路であり、プリンタ部202の出力特性を各色ごとリニアにするために、プリンタコントローラ701から入力されたプリンタ色選択信号に応じて、図5に一例を示すガンマ変換特性のM,C,Y,bkの何れかを選択して画像信号に補正を施す。
【0061】
110はレーザドライバであり、前述のレーザ露光光学系3(図1参照)に含まれる。レーザドライバ110は、プリンタ階調補正回路109から入力された画像信号V3に基づいて半導体レーザを変調駆動することにより、感光ドラム1上に潜像を形成する。
【0062】
図6は、本発明のカラー画像形成装置の操作部を示したものである。図6において351はテンキーであり、画像形成枚数の設定やモード設定の数値入力に使用する。352はクリア/ストップキーであり、設定された画像形成枚数や画像形成動作の停止を行うために使用する。353はリセットキーであり、設定された画像形成枚数や動作モードや選択給紙段等のモードを規定値に戻すためのものである。354はスタートキーであり、このスタートキー354の押下により画像形成動作を開始する。
【0063】
369は液晶等で構成される表示パネルであり、詳細なモード設定を容易にすべく、設定モードに応じて表示内容が変わる。本実施例では、カーソルキー366〜368で表示パネル369のカーソルを移動させ、OKキー364によって設定を決定させる。このような設定方法はタッチパネルで構成することも可能である。
【0064】
371は紙種設定キーであり、標準より厚い記録材へ画像形成を行うときに設定する。紙種設定キー371によって厚紙モードが設定されると、LED370が点灯するように制御される。本実施例では、厚紙モードの設定のみ可能であるが、必要に応じて、OHPやその他の特殊用紙用のモードの設定が可能となるように機能を拡張することもできる。
【0065】
375は両面モード設定キーであり、例えば、片面原稿から片面出力を行う「片−片モード」、片面原稿から両面出力を行う「片−両モード」、両面原稿から両面出力を行う「両−両モード」、両面原稿から2枚の片面出力を行う「両−片モード」の4種類の両面モードの設定が可能である。LED372〜374は、設定された両面モードに応じて点灯し、「片−片モード」ではLED372〜374はすべて消灯し、「片−両モード」ではLED372のみが点灯、「両−両モード」ではLED373のみが点灯、「両−片モード」ではLED374のみが点灯するように制御される。
【0066】
(画像形成の具体例)
以下、具体例として、自動原稿送り装置RDF400を使用しない「片−片モード」で、厚紙モードの設定がされていない普通紙に対しての4色の画像形成動作について説明を行う。
【0067】
この場合、画像形成を行う記録材が普通紙であるため、定着駆動モータドライバ761に対してのスピード設定は感光ドラム1の画像形成スピード(プロセススピード)VPと同じVFNとなるように設定する。
【0068】
オペレータがテンキー351によって画像形成枚数を設定した後、用紙選択キー303で給紙段を選択し、スタートキー354で動作スタートを指示すると、プリンタコントローラ701は、画像形成に必要な駆動モータ、例えば、感光ドラム駆動モータ、定着駆動モータ、給紙駆動モータ、およびメイン駆動モータの各ドライバに駆動を指示する。次に、それらの駆動モータの駆動状態が安定化してから、指定された給紙段(記録材カセット7a、7bなど)から記録材Pの給紙動作を開始する。このとき、略同時にリーダ部201は、4色モードの第1色目の現像色であるマゼンタ用の画像信号を生成できるように、前述のシフト量、黒抽出量、UCR量、およびリーダ色選択信号等を画像処理部203の各ブロックに設定する。また、リーダ階調補正回路108は、操作部704の濃度キー304,306の指定内容に対応した図4に示すa〜eの変換特性のいずれかを選択する。また、プリンタ階調補正回路109には図5に示すmの変換特性が選択される。
【0069】
指定給紙段から給紙された記録材Pは、レジストローラ50によって、リーダ部201の光学スキャン動作とタイミングを合わせるようにして送られ、吸着帯電器5cと対抗電極である吸着ローラ5gにより転写シート5fに吸着される。
【0070】
また、リーダ部201で読み取られた原稿情報は、画像処理部203で処理され、そして帯電器2により一様に帯電された感光ドラム1に、レーザー光として照射されて潜像を成し、まずはマゼンタ現像器4mにより現像される。現像された画像情報は、先ほど吸着された記録材P上に転写帯電器5bにより転写される。このM(マゼンタ)原稿読み取り、潜像形成、現像、転写の画像形成動作は、感光ドラム1と転写ドラム5aが1回転する間に実行され、同様に、残りの3色のC(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の各色についても実行する。また、このとき画像処理部203に対しての設定は画像形成ごとに行うものとする。
【0071】
このように4色の画像が転写された記録材Pは転写シート5fから分離される。その際、分離帯電器5hにより転写シート5fと記録材Pの吸着力を弱め、分離押し上げコロ8bにより転写シート5fを変形させて曲率分離を行い、分離爪8aにより転写シート5fから記録材Pを分離する。
【0072】
このように分離された記録材Pは、転写ドラム5aと同一のスピード(VP)で搬送動作する記録材搬送部9gにより、熱ローラ定着器9に搬送され、そして定着スピードVFN=VPで定着されてから、排紙カール補正部500でカール補正された後、ソータ600に排出される。
【0073】
次に、オイル清掃部材のための制御について詳細に説明する。オイル清掃制御は、定着スピードが異なると制御方法が異なるため、はじめに普通紙でのオイル清掃制御について説明する。
【0074】
最初に、普通紙モードでのオイル清掃部材の非動作時の制御(オイル清掃不実施時の制御)について説明し、その後に普通紙モードでのオイル清掃部材の動作時の制御(オイル清掃実施時の制御)について説明する。
【0075】
(普通紙モードでのオイル清掃不実施の制御)
図7は、最終紙(同一原稿の画像が形成される複数枚の用紙の内の最終のもの)に対する最終色の転写動作開始から画像形成動作停止までの制御を示したフローチャートであり、通常、このような制御は「後回転制御」といわれる。この後回転制御により、記録材把持手段である転写ドラム5aの「通常清掃制御」が実行される。その通常清掃制御は、後述するようにファーブラシ14とファーバックアップブラシ15を用いた通常の清掃制御である。
【0076】
図8は、図7のフローチャートにおいて、転写ドラム5aが2枚貼り制御可能サイズであるときに後述する「定着(N)回転制御」によって1枚貼り制御を行ったときのタイミングチャート、図9は、図7のフローチャートにおいて、後述する「定着(N+1)回転制御」によって1枚貼り制御または2枚貼り制御を行ったときのタイミングチャートである。
【0077】
図7の後回転制御のフローチャートにおいて、色モードによって決定される画像形成色の最終色の転写が開始されると(ステップS1000)、まず、同一原稿に対する最終用紙つまり最終紙であるか否かを判断する(ステップS1001)。これにより、転写終了後、後回転制御を行うかどうかを判断する。最終用紙に対する画像形成(以下、「最終画像形成」という)でない場合は画像形成動作を続行し(ステップS1002)、本制御は終了する(ステップS1003)。
【0078】
最終画像形成である場合には、記録材の搬送方向のサイズと、転写位置から転写シート清掃位置までの距離LTCLNとを比較する(ステップS1004)。これは、転写位置と転写シート清掃位置の両方に記録材がかった場合(本実施例では転写位置から転写シート清掃位置までの距離LTCLNは250mm)、その記録材に対する転写中に転写ドラム5aの清掃動作や記録材の分離動作を行うと画像乱れが発生することを防止するためであり、転写位置と転写シート清掃位置の両方に記録材がかかる場合には、転写動作を終了させるべく転写ドラム5aを1回転だけ空回転させて(ステップS1005)後に、分離動作(ステップS1006)と清掃動作(ステップS1008)を行う。
【0079】
ステップS1007での通常清掃制御では、ファーブラシ14を不図示のモータで回転させ、かつこのファーブラシ14に対向するファーバックアップブラシ15を有効にして、ファーブラシ14を転写シート5fに当接させればよい。このときは、1枚貼り制御や2枚貼り制御の如何にかかわらず、転写ドラム5aの1周分の転写シート5fの清掃を行い、転写シート5fの清掃動作を終了する(ステップS1009)。その後、動作中のモータ等の負荷や高圧を停止し(ステップS1009)、画像形成動作を終了する(ステップS1010)。
【0080】
(普通紙モードでのオイル清掃実施時の制御)
普通紙の両面に単色画像を形成する際における両面2面目の画像形成時(以下、「普通紙単色両面2面時」ともいう)には、以下のように転写シート5fのオイル清掃動作を実行する。
【0081】
いずれかのカセットから給紙され1面目に画像が形成された記録材は、一旦、中間トレイ22に格納されてから再給紙される。再給紙された記録材は、2面目の画像形成のために転写ドラム5aに担持される。このとき、記録材の転写シート5fの表面は記録材の1面目の画像形成面に接しており、その1面目の画像形成時に定着器9において付着したオイルが転写シート5fの表面に再付着することになる。このオイルが感光ドラム1に付着することは避けなければならず、そのためには、両面2面目の画像形成中の転写シート5fが転写位置を通過するときに、その転写位置を通過する転写シート5fの表面を事前にオイル清掃するか、あるいは転写シート5fと感光ドラム1の間に記録材を存在させるように制御しなくてはならない。定着スピードがプロセススピードと同じ普通紙単色両面2面時では、連続的に複数の記録材に画像形成しているときの転写位置において、転写シート5fと感光ドラム1との間に記録材が常に存在するため、例えば、前述の後回転制御時にのみオイル清掃を行えば足りる。
【0082】
ところで、両面2面目の画像形成の記録材は、中間トレイ22から給紙される場合と、記録材トレイ7mから給紙される場合とが考えられる。記録材トレイ7mには、ユーザが画像形成し終えた記録材を両面画像出力するために再セットする場合があり、この場合には、中間トレイ22からの給紙と同じように、1面目に画像が形成されている両面2面目用の記録材が存在するとして制御する。
【0083】
次に、具体的なオイル清掃制御を図10のフローチャートにより説明する。この図10は、両面2面目時にオイル清掃と通常清掃とを実施し、それ以外の時は通常清掃のみを実施する場合の例を示す。
【0084】
転写ドラム清掃開始し(ステップS1500)、給紙位置が中間トレイ22もしくは記録材トレイ7mである場合には、ステップS1501において両面2面目の画像形成であると判断し、オイル清掃動作を行うために、オイル清掃バックアップブラシ17を有効にし(ステップS1502)、オイル清掃ローラ16を駆動して、転写シート5fに当接させる(ステップS1503)。オイル清掃ローラ16はオイルを吸い取る材質で構成されているため、転写シート5fに当接することにより、その転写シート5f上に付着したオイルを除去する。次に、通常清掃を行うために、ファーバックアップブラシ15を有効にし(ステップS1504)、ファーブラシ14を駆動して、それを転写シート5fに当接させて(ステップS1505)清掃動作を終了する(ステップS1506)。また、ステップS1501において、給紙位置が中間トレイ22もしくは記録材トレイ7mではない場合には、オイル清掃が不要なためファーブラシ14のみを駆動して通常清掃制御をする(ステップS1504,S1505)。
【0085】
ところで、図10のステップS1500〜S1506を図7中の転写ドラム清掃制御(ステップS1007)にて実行した場合には、後回転制御において、必要に応じてオイル清掃を実施することができる。また、図10のステップS1500〜S1506を図7中のステップS1001とステップS1002との間にて実行した場合には、記録材を転写ドラム5aから分離する毎に必要に応じてオイル清掃や通常清掃を実施することができる。さらに、図10のステップS1500〜ステップS1503を図7中のステップS1001とステップS1002との間にて実行した場合には、記録材を転写ドラム5aから分離する毎に必要に応じてオイル清掃のみを実施することができる。
【0086】
(厚紙モードでの定着スピードの特殊性)
厚紙上にトナーを定着させるためには、普通紙に比べてより多くのエネルギーが必要となるため、定着スピードを普通紙に比べて遅くして、単位面積/時間当たりのエネルギーを増やすことで厚紙の定着性を確保している。その場合、従来では、分離爪8aから上下定着ローラー9a、9bの当接位置までの距離を厚紙の画像形成可能最大サイズより大きくすることにより、画像形成スピード(プロセススピード)VPである転写ドラム5aの周速を一定にしたまま、記録材搬送部9gにて、記録材を転写ドラム5aのスピードとは異なる定着スピードVFに減速し、その記録材搬送部9gを速度変換領域として使用していた。このためには、厚紙の画像形成可能最大サイズに相当する大きさの記録材搬送部9gを確保しなくてはならず、装置が大型化するという欠点があった。
【0087】
そこで、本実施例では、転写ドラム5aのスピードを定着スピードと同様に可変できる構成とし、定着スピードVFを画像形成スピードVPより遅くしなくてはならないときには、最終色の転写終了後は、転写ドラム5aのスピードを定着スピードにまで減速する。これにより、記録材搬送部9gに速度変換領域としての大きさを確保する必要をなくして、装置の大型化を回避する。
【0088】
ところで、図1における転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTCがよりも記録材の搬送方向サイズが大きい場合には、転写ドラム5aの定着スピードまでの減速が次の記録材の分離動作のタイミングに間に合わない。このような場合には、転写ドラム5aを余分に1回転させ、その後の分離動作のタイミングで記録材の分離動作をする。このように、厚紙モードでの最終色の転写終了後に転写ドラム5aをもう1回転させてから分離動作を行い、さらに定着を行う制御を以下では「定着厚紙(N+1)回転制御」という。また、転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTC、もしくは記録材搬送部9gが速度変換領域として使用できる場合、つまり転写ドラム5aを余分に1回転させる必要のない時の制御を以下では「定着厚紙(N)回転制御」という。
【0089】
ここで、説明を分かりやすくするために、図1における転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTCを250mmであるとすると、代表的な記録材サイズによる厚紙モードでは以下に示すように制御される。
【0090】
A4横送りサイズ(送り方向210mm)1枚貼り:定着厚紙(N)回転制御
A4縦送りサイズ(送り方向297mm)1枚貼り:定着厚紙(N+1)回転制御
A3縦送りサイズ(送り方向420mm)1枚貼り:定着厚紙(N+1)回転制御
A4横送りサイズ(送り方向210mm)2枚貼り:定着厚紙(N+1)回転制御
(厚紙モードでのオイル清掃の特殊性)
次に、このように定着スピードを遅くする必要のある厚紙モードでのオイル清掃制御について説明する。
【0091】
前述したように、普通紙のオイル清掃制御の場合には、転写ドラム5aの画像形成終了後、転写ドラム5aのスピードを変えないため、連続的に画像形成動作が実行でき、オイル清掃制御は、原稿に対する最終紙の画像形成動作終了時に実施するだけでよい。
【0092】
これに対し、厚紙モードでは、定着制御のために転写ドラム5aと感光ドラム1のスピードを定着スピードVFTと同じにするため、次の用紙の画像形成のためには、転写ドラム5aと感光ドラム1を元のスピードVPに再び戻さなくてはならず、記録材が異なると連続的な画像形成動作ができなくなる。そのため、厚紙の2面目の画像形成を行っている場合に、転写位置において、転写シート5f上の付着オイルが感光ドラム1に付着することになってしまい、各記録材に対する最終色の転写動作終了ごとにオイル清掃制御が必要になる。そこで、厚紙モードでの画像の形成時には、以下のように、各記録材に対する最終色の転写動作終了毎にオイル清掃制御を実施する。
【0093】
(厚紙モードでの画像の形成制御)
以下に、厚紙モードでのカラー画像の形成制御を図11のフローチャートを参照しながら説明する。図11のフローチャートは厚紙モード、普通紙モード、OHPモードの全ての記録材に対応するものとなっている。そこで図11では、定着厚紙(N+1)回転制御、および定着厚紙(N)回転制御に相当する制御を定着(N+1)回転制御、および定着(N)回転制御として、全ての記録材に共通するものとして表している。
【0094】
前述したように、給紙、吸着を含む潜像、現像、転写動作(ステップS2000)を、最終色を転写するまで繰り返す(ステップS2001)。最終色の転写後は、定着スピードVFと画像形成スピードVPとを比較する(ステップS2002)。ここで、厚紙モードの場合は、定着スピードVFが厚紙用の遅い定着スピードVFTであって、その定着スピードVFが画像形成スピードVPとは異なるため、ステップS2002からステップS2003へ移行する。
【0095】
ステップS2003では、転写シート5fに対して複数枚の記録材を保持するモードか否かの判断を行う。本実施例では、記録材担持手段として静電吸着を用いているため、転写シート5fの全周の1/2以下の記録材の場合には、2枚の記録材に対して同時に画像形成が可能である。本例では、2枚の記録材に同時に画像形成する場合(2枚貼)には、その2枚の記録材を、それらの紙間距離を含む1枚の記録材として扱うため、その1枚の記録材として扱った記録材搬送方向サイズよりも、転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTCが小さくなり、転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTCが速度変換領域として使用できなくなるものとする。そこで、この場合には、「定着(N+1)回転制御」を行う(ステップS2006)。
【0096】
次に、転写シート5fに記録材を1枚だけ担持して画像形成動作を行う場合(1枚貼)には、転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離LTCと記録材の記録材搬送方向のサイズPXを比較する(ステップS2004)。そのサイズPXが距離LTCより大きい場合には、転写位置から記録材搬送部9gの先端位置までの距離を定着スピードの変換領域として使用することができないため、「定着(N+1)回転制御」を行う(ステップS2006)。逆に、サイズPXが距離LTCより小さい場合には(ステップS2004)、「定着(N)回転制御」を行う(ステップS2005)。
【0097】
本例では、距離LTCと記録材の搬送方向サイズを比較するが、ドラムモータの性能などのために速度変化に時間がかかる場合には、その速度変化に要する時間を考慮するように判断ステップ(ステップS2003,ステップS2004)を改良することも可能である。また、定着(N)回転制御において、記録材の分離動作と略同時に転写シート5fの清掃を行う場合には、転写シート5fの清掃動作が転写中の記録材に悪影響を与える可能性があるため、記録材搬送方向サイズと転写位置から転写シート清掃位置までの距離によっては制御を変える必要がある。なお、本実施例では、距離LTCと、転写位置から転写シート清掃位置までの距離LTCLNは、それぞれ250mmで等しく設定されている。
【0098】
(厚紙モードでの定着(N)回転制御)
以下、図12のタイミングチャートにより、厚紙モードでの定着(N)回転制御について説明する。図12において、Cはシアン、Yはイエロー、Kはブラックの画像に対応し、また転写ドラムの基準信号は、転写ドラム5aの回転速度に対応する間隔となり、感光ドラムスピードは転写ドラムスピードと同様に変化する。
【0099】
定着(N)回転制御(ステップS2005)は、最終色転写開始(ステップS2001)後に動作が開始される。分離動作は、厚紙モードではない普通紙モードの場合と同じである。すなわち、分離動作開始タイミングt1になるまで待ち、その分離開始タイミングt1になったときに、分離爪8a、分離押し上げコロ8bを動作させて、分離動作を開始する。
【0100】
次に、記録材の搬送方向サイズPXから決定される転写終了タイミングt2になるまで待つ。その転写終了タイミングt2になったときに転写帯電器の出力をOFFに設定し、感光ドラムモータドライバ760に対して、転写ドラム5aの周速を厚紙用の定着スピードVFTと同じにするような設定を行う。その後、分離動作終了タイミングt3になるまで待ち、分離爪8aをOFFして分離動作を終了する。
【0101】
ところで、このような転写が厚紙モードでの両面2面目である場合には、前述したように、分離後の転写シート5fの表面に記録材の1面目の定着オイルが付着することになるため、図11のステップS2008においてオイル清掃が必要と判断し、その定着オイルが付着した転写シート5fの領域が再び転写位置に到達する前にオイル清掃制御を行う(ステップS2009)。そのオイル清掃は、前述した図10のステップS1502、S1503と同様に、オイル清掃バックアップブラシ17を有効にして、オイル清掃ローラ16を駆動して転写シート5fに当接させる制御である。結局、厚紙モードでの両面2面目時には、記録材を分離する毎にオイル清掃制御が行われることになる。
【0102】
そして、厚紙用の定着スピードVFTで駆動されている記録材搬送部9gに記録材の先端が到達する前に、転写ドラム5aの周速が定着スピードVFTと同じとなって、記録材が正常に分離、搬送され、厚紙用の定着スピードVFTで定着される。そして、その記録材の排紙終了まで待った後(ステップS2010)、次の記録材に対する画像形成のために、ドラムモータのスピードで決定される転写ドラム5aのスピードを画像形成用であるスピードVPに設定する(ステップS2011)。
【0103】
このような動作を設定枚数分行った後(ステップS2012)、画像形成動作を終了する。
【0104】
(厚紙モードでの定着(N+1)回転制御)
以下、図13のタイミングチャートにより厚紙モードでの定着(N+1)回転制御について説明する。図13は2枚貼のときの例であり、同図において、K1は1枚目の記録材に対するブラックの画像に対応し、Y2とK2は2枚目の記録材に対するイエローとブラックの画像に対応する。
【0105】
この定着(N+1)回転制御は、前述したように、記録材の搬送方向サイズが転写位置から記録材搬送部先端までの距離LTC(=250mm)より大きく、この間の距離を定着スピードの速度変換領域として用いることができない場合に、転写動作の終了後、転写ドラム5aを1回転させてから分離動作を行うものである。
【0106】
このため、2枚貼の記録材の2枚目における最終色の転写終了時t11になるまで待ち、その転写終了タイミングt11になったときに転写帯電器の高圧をOFFし、転写動作を終了する。次に、転写ドラム5aの周速を厚紙用の定着スピードVFTと同じになるように設定し、この定着スピードVFTのまま次の回転における分離開始タイミングt12になるまで待つ。分離開始タイミングt12になったときに分離動作を行い、分離動作終了後、分離爪8aをOFFし、動作を終了する。
【0107】
ところで、このような転写が厚紙モードでの両面2面目である場合には、前述したように、分離後の転写シート5fの表面に記録材の1面目の定着オイルが付着することになるため、図11のステップS2008においてオイル清掃が必要であると判断し、その定着オイルが付着した転写シート5fの領域が再び転写位置に到達する前にオイル清掃制御を行う(ステップS2009)。結局、厚紙モードでの定着(N+1)回転制御における両面2面目時には、記録材を分離する毎にオイル清掃制御が行われることになる。
【0108】
このようにして、転写ドラム5aが余分に1回転することによって速度変換領域を構成することになり、通常動作の画像形成最大サイズまでの記録材に対しての厚紙モードでの定着動作が可能となる。また、2枚貼りの動作でも厚紙モードの実現が可能となる。
【0109】
そして、記録材の排紙終了まで待ったのち(ステップS2010)、次の記録材に対する画像形成のために、転写ドラム5aのスピードを画像形成用のスピードVPに設定する(ステップS2011)。
【0110】
このような動作を設定枚数分行ってから(ステップS2012)、画像形成動作を終了する。
【0111】
(普通紙モードでの定着通常回転制御)
前述した厚紙モードに対して普通紙モードの場合には、画像形成スピードVPと定着スピードが等しいため、図11のステップS2002からステップS2007へ移行し、「定着通常回転制御」を行う(ステップS2007)。この定着通常回転制御では、定着スピードが画像形成スピードVPと等しいため、転写シート5fに対して連続的に画像形成が行われ、両面2面目の画像形成であってもオイル清掃制御は設定枚数分の画像形成終了後に実行される(ステップS2013〜S2015)。
【0112】
このような制御を前述した厚紙モードの場合の図12、図13と対比して表現したものが図14,図15のタイミングチャートである。図14は、前述した図12の厚紙モードの場合と同様の1枚貼、図15は、前述した図13の厚紙モードの場合と同様の2枚貼のときのタイミングチャートである。
【0113】
普通紙では、設定枚数分の画像形成後のステップS2014においてオイル清掃が必要であると判断したときに、オイル清掃制御(ステップS2015)を行ってから制御を終了する。そのオイル清掃は、前述したように中間トレイ22または記録材トレイ7mから給紙された両面2面目時に必要と判断される。
【0114】
ところで、厚紙モードとは定着スピードが異なるOHPシートに対する記録モード(OHPモード)では、定着スピードをVFOに設定すれば、厚紙の場合と同様にOHP用紙に対しての適用も可能である。また、両面2面目で単色モードでない場合には、定着スピードVFDがプロセススピードVPと異なるため、厚紙モード両面2面目と同様なオイル清掃制御を行えばよい。
【0115】
また、記録材の1面目に付着したトナーなどが2面目の定着時に及ぼす影響を考慮し、両面2面目時には両面1面目時よりも定着スピードを遅らせるように制御してもよい。このような制御は、普通紙モード、厚紙モード、あるいはOHPモードの如何に拘わらず実行することができる。
【0116】
(リカバリ制御)
次に、このように実現した画像形成装置における紙づまり検知(以下、「ジャム検知」と略す)後のリカバリ制御について図16のフローチャートを用いて説明する。公知のようにジャムが発生したときは(ステップS3000)、記録材の搬送を停止し、操作部にジャムの発生を表示する(ステップS3001)。
【0117】
その後、つまった記録材を取り除くために開かれるドアが開閉されたならば(ステップS3002,S3003)、不図示の用紙搬送センサにより記録材が用紙搬送路または転写ドラムから取り除かれたか否かを確認する(ステップS3004)。取り除かれた記録材に、両面2面目の用紙が含まれているときは、停止時の転写シート5fの表面に、記録材の1面目に形成された画像上の定着オイルが付着している。そこで、この場合には、ステップS3005からステップS3006に進み、オイル清掃制御を行いかつ転写シート5fの清掃動作を行う。一方、両面2面目の用紙が含まれない場合には、オイル清掃制御を行わず、ファーブラシ14とファーバックアップブラシ15のみによる転写シート5fの清掃を行って(ステップS3007)、その後、リカバリ動作するように制御する(ステップS3008,ステップS3009,ステップS3010)。
【0118】
また、ステップS3005での判断はオイル清掃制御が必要かどうかの判断でもよく、オイル清掃制御が必要な用紙ジャム検知があった場合は、リカバリ制御前にオイル清掃制御を行うことによって、リカバリ制御時の定着オイルの感光ドラム1への付着を防止できる。本実施例では、定着スピードや給紙場所に応じてオイル清掃制御の有無を決定しているため、これらの判断条件を拡張することによって、全ての場合におけるリカバリ制御前のオイル清掃制御が可能となる。
【0119】
(研磨ローラ18の制御)
次に、研磨ローラ18の制御について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
研磨ローラ18は、対向する研磨ローラバックアップブラシ19と共に動作する。研磨ローラ18は、ファーブラシ14で清掃しても取れないトナーや用紙からの付着物を削り落とすために用いられる。そのため、研磨ローラ18の外周には紙やすりと同様な効果を果たす部材が巻き付けられており、この部材により、ファーブラシ14で清掃できない付着物を削り落とすことが可能となる。研磨ローラ18の動作は転写シート5aの寿命に関係するため、例えば、2000枚の画像形成動作ごとに研磨制御が行われるように制御されている。
【0121】
本実施例における研磨制御は、研磨ローラ18と研磨ローラバックアップブラシ19を駆動し、転写ドラム5aを20回転分回転させることで実現している。そのため、約数分間の実行時間がかかり、この間の画像形成動作は実行できなくなる。そこで、ユーザを拘束する画像形成動作禁止時間を増加させないように、電源投入直後(ステップS4000)の定着ローラが冷えている場合に、この研磨制御を行うように制御している。このことにより、定着ローラの温度が画像形成するために必要な温度となる間に研磨制御を行って、画像形成動作禁止時間の短縮を図っている。
【0122】
具体的には、定着上サーミスタ781と定着下サーミスタ782で検出したそれぞれの定着ローラ(9a,9b)の検知温度が両方とも100度以下の場合に、前述した研磨制御を行う(ステップS4001,S4002)。なお、電源投入時に研磨制御を実行するか否かの判断は、これだけに限定されるものではなく、定着ローラの検知温度と研磨実行後の枚数等により研磨制御の有無を決定すればよい。
【0123】
定着ローラが加熱されて、画像形成動作が可能になり、そして操作部より所望のモード設定がされて、スタートキー354が押されると(ステップS4003)、前述の画像形成動作を開始する(ステップS4004)。用紙1枚ごとの画像形成動作終了時には、研磨制御用カウンタがディクリメントされる(ステップS4005)。この動作を設定枚数分繰り返し(ステップS4006)、自動原稿送り装置RDFを使用している場合には、最終原稿に対する設定枚数分の画像形成動作を繰り返す(ステップS4007,ステップS4008)。この時点では、全ての画像形成動作が終了しているため、画像形成動作に合わせてディクリメントされた研磨制御用カウンタをチェックする(ステップS4006)。このカウンタが0になっている場合には、前回の研磨動作から所定枚数分の画像形成がされており、研磨動作が必要であることを意味している。そこで、そのカウンタが0となっている場合には、研磨動作を行うための研磨制御を行う(ステップS4009,S4010)。研磨制御中の画像形成動作はできないため、操作部にその旨のメッセージを表示しておく。このようにすれば一連の画像形成動作として研磨制御をユーザに提供できる。
【0124】
次に、ステップS4010での研磨制御の内容について、図18のフローチャートを用いて説明する。研磨制御が開始されたならば(ステップS4100)、ファーブラシ14だけで転写ドラム5aの1回転分の清掃を行い、転写シート5f上のトナーを清掃する(ステップS4101)。その後、研磨ローラ18と研磨バックアップブラシ19を駆動し(ステップS4102)、転写シート5fが所定回転分(本例では20回転分)だけ回転する毎の研磨動作を行う(ステップS4103)。このような所定回転分毎の研磨動作の終了後は、研磨ブラシ18と研磨バックアップブラシ19の駆動を停止し(ステップS4104)、再び転写ドラム5aの1回転分のファーブラシ14のみによる清掃を行い(ステップS4105)、研磨動作によって生じた削り粉を清掃する。その後、枚数管理用の研磨制御用カウンタに初期値である数(本例では2000)を設定し(ステップS4106)、研磨制御を終了する(ステップS4107)。
【0125】
ところで、本例では、前回からの研磨制御時からの記録材の枚数管理を行うが、前述のファーブラシ清掃やオイル清掃の場合にもこのような枚数管理のためのカウンタを独立に設けることによって、用紙の種類を設定する際におけるユーザの設定ミスや、出力済み用紙をカセットへ追加することによるオイル付着のような操作ミス等による装置への悪影響も防止可能となる。
【0126】
(転写ドラムに対する清掃動作)
次に、操作部からの転写ドラムに対する清掃動作の実行について説明する。本実施例では、ユーザではなくサービスマンのみが実行できる環境を提供するが、必要に応じてユーザからも実行できるようにしてもよい。
【0127】
操作部704を所定操作することによって、サービスマンのみが使用するサービスモードの入力画面が表示パネル369に表示される。転写ドラムに対する清掃動作関連のサービスモードを表示している状態を図19に示す。この状態でカーソルキー(365,366,367,368)とOKキー364を用いて清掃モードを選択し、実行する。図19ではオイル除去モードが選択されているため、この状態でOKキー364を押すとオイル除去モードが実行される。
【0128】
以下、図20のフローチャートを用いて転写ドラムに対する清掃関連のサービスモードについて説明する。まず、サービスモードであり、かつそれが図19に示されている転写ドラム清掃関連サービスモードであるか否かをチェックする(ステップS5000)。それが肯定されたときには、OKキー364の入力を監視し(ステップS5001)、それが入力された時点で清掃モードが確定する。そして、選択された清掃モードの種類を判定し(ステップS5002,S5003)、クリーニングが選択された場合には、からステップS5006に進み、オイル除去なしの転写クリーニングを実行する。これは、前述した図16におけるステップS3007と同じ制御であり、ファーブラシ14とファーバックアップブラシ15のみによる転写シート5fの清掃を行う。一方、オイル除去が選択された場合には、ステップS5003からステップS5005に進み、オイル除去あり転写クリーニングを実行する。これは、前述した図16におけるステップS3006と同じ制御であり、ファーブラシ14とファーバックアップブラシ15に加え、オイル清掃バックアップブラシ17、およびオイル清掃ローラ16を駆動して、転写シート5fの清掃を行う。
【0129】
また、前記2つ以外の清掃モードが選択された場合には研磨制御を実行する(ステップS5004)。これは、前述した図18に示したオイル除去制御そのものを実行することになる。
【0130】
このように、サービスモードによって選択的に転写ドラムに対する清掃動作を実行することにより、サービス作業の短縮、効率の向上、および品質の高い画像を形成できることになる。
【0131】
(カール補正部500とソータ600の動作)
次に、本実施例におけるカール補正部500とソータ600についての制御方法の詳細説明を行う。まず最初に、カール補正部500におけるカール補正制御の概要について説明し、その詳細はフローチャートを用いて説明を行う。
【0132】
片面出力された記録材としての用紙は、図23に示されるように、正カール(下に凸状のカール)の状態で熱ローラ定着器9から排出されることが多い。この用紙の正カールは、熱ローラ定着器9で加熱、溶融されたトナーが排出後の空冷により収縮することに起因していることがわかっている。また、そのカール量は、画像濃度(トナー量)、用紙の種類(材質、剛性、厚み、サイズ、すき目方向等)、および周囲の温湿度環境により変化し、前述の変化要因との間に相関性があることもわかっている。本実施例では、カールの発生要因となる画像形成装置の処理量としてトナー量を検出し、その検出量等を用いてカールの補正量を制御する。カールの発生要因となる画像形成装置の処理量としては、トナー量の他、カールの発生要因となる種々の処理量を検出してカールの補正量の制御に役立てることができる。
【0133】
まず、カール発生の具体例として、同一の画像濃度でのA4サイズの用紙の送り方向を変えた場合のカールの成長方向について説明する。A4横送りサイズ(送り方向210mm)の場合には、図23に示すように用紙搬送方向に対して直交する辺に平行にカールが成長し、これに対してA4縦送りサイズ(送り方向297mm)の場合には、用紙搬送方向に平行な辺にカールが成長する。これは、前述の用紙のすき目の影響であると考えられる。
【0134】
本例では、このようなカール成長の要因に加えて、ソータ600の動作モードやステイプルの有無と、部分的な画像濃度(トナー量)を総合的に判断し、最適なカール補正制御を行うことで、結果的に出力用紙の最終形態での品質の向上を達成するものである。また、用紙サイズから予想されるすき目も考慮してカール補正制御を行い、カールが完全に除去できないと判断した場合には、ステイプル動作を禁止することでステイプル不良を防止するものである。
【0135】
まず最初に、本実施例における部分画像濃度(トナー量)の算出方法について説明する。その説明を簡単にするため、部分画像濃度(トナー量)は用紙搬送方向に2分割して算出する例として説明し、カール補正量を決定する図23中における侵入量Xは、3段階に切り替え可能なものとして説明を行う。
【0136】
以下は、図28のフローチャートと図29を用いて説明を行う。図28はカール補正制御のフローチャートであり、最終色の画像形成が終了した時点で制御が開始される(S6000)。
【0137】
画像濃度(トナー量)の算出に際しては、まず、電位センサ12で画像形成時の電位をサンプリングし、これを平均化し、その後、実験から得られた電位量とトナー量の関係からトナー量に変換される。ここでいうトナー量は単位面積当たりのトナー量で、均一な濃度であれば、用紙サイズが変わっても同一の数値を示すものとする。カラー画像(4色)を形成する場合には、トナー量は、マゼンタトナー量、シアントナー量、イエロートナー量、ブラックトナー量の総和で表現される。このトナー量算出の動作は最終色であるブラックの画像形成終了後に行い、かつ用紙搬送方向前半の前半平均トナー量(TNRtop)、用紙搬送方向後半の後半平均トナー量(TNRbottom)、用紙搬送方向全域の全平均トナー量(TNRtotal)の3つのトナー量を計算しておく(S6001)。
【0138】
次に、ソータ600に対する積載モードにより、計算したトナー量を選択的に使用する。すなわち、ノンソートビン601に排出を行うノンソートモードである場合には、整合動作もないため、積載品質よりも積載量が重要視され、ビンの形状もソートビン602と異なっている。このため、ノンソートモードでは、侵入量Xを決定するためのトナー量として全平均トナー量を用いる。(S6004)。
【0139】
また、ソートモードでかつジョブ終了時にステイプルを行うステイプルソートモードでは、ステイプルする部分は用紙後半であるため、後半平均トナー量を侵入量Xを決定するためのトナー量として用いる(S6005)。
【0140】
また、ノンソートモードでもなくステイプルソートモードでもない場合、すなわちソートビン602に排出を行うソートモードまたはグループモードである場合には、積載品質向上のために、前半平均トナー量と後半平均トナー量の値の大きい方を侵入量Xを決定するためのトナー量として用いる(S6006)。このようにした場合には、特にトナー量に片寄りがある場合のカール補正品質が、全平均トナー量を用いた場合に比べて格段に向上する。
【0141】
以上のようにして、カール補正性能を決定する侵入量Xを決定するために用いるトナー量が決定する。次に、そのトナー量に応じた侵入量Xの決定方法について、図29を用いて説明する。
【0142】
本実施例では侵入量Xは3段階に切り替え可能であり、これを「侵入量小」と「侵入量中」と「侵入量大」と表現することにする。カール量は前述したように、トナー量に比例するため、横軸に総和トナー量をとった場合、侵入量小と侵入量中の切り替え点データ1と侵入量中と侵入量大の切り替え点データ2が存在する。また、カール量は用紙サイズやすき目にも依存するため、各用紙サイズに応じたデータ1とデータ2が決定している。これを表現したものが、下表1である。なお、カール量は用紙種類や厚さ等にも依存しているため、画像形成可能な普通紙、OHPシート、または厚紙等の記録材の種類毎に、下表1に対応するデータを用意する。
【0143】
【表1】
【0144】
この表1から、用紙サイズ毎の侵入量切り替えデータ1,2を決定し、前述した侵入量決定用トナー量から侵入量Xを決定する(S6007)。決定した侵入量Xは、用紙がカール補正部500を通過毎に設定し、各用紙に対してカール補正制御を行う(S6008)。
【0145】
その後、ステイプルソートであるかどうかをチェックする(S6009)。ステイプルソートモードでかつA4縦送りサイズ(送り方向297mm)またはB5縦送りサイズ(送り方向257mm)でない場合には、最終原稿でかつ最後用紙であることを条件として、ステイプルを実行する。
【0146】
一方、ステイプルソートモードでかつA4縦送りサイズまたはB5縦送りサイズである場合には(S6010)、ステイプル禁止判断用として全平均トナー量を記憶しておく(S6011)。本実施例のように用紙搬送方向に対してカール補正を行う機構では、全体のトナー量が多くかつA4縦サイズまたはB5縦サイズの場合、カール補正制御が用紙に充分にかかりずらいことがあるため、ここでは、全平均トナー量をステイプル禁止判断用のデータとして記憶する。
【0147】
その後、最終原稿でかつ最終用紙である場合、すなわちステイプル実行可能タイミングである場合には(S6012)、先ほど記憶した全平均トナー量の内の1枚でも所定値を越えているか否かをチェックする(S6013)。それが所定値を越えている場合には、ステイプルの品質が保証できないため、ユーザに対して、図30に示されるようにステイプルを実行しない旨を表示パネル369に表示し(S6014)、ステイプルを実行せずに動作を終了する。
【0148】
なお、本実施例では、A4縦サイズまたはB5縦サイズのステイプル禁止判断のために、1枚の用紙でも全平均トナー量が所定値を越えるかどうかを判断したが、ステイプルする用紙束の内、トナー量が所定値を越える用紙の枚数が所定枚数を越えるか否かで判断する方法や、ステイプルする用紙束の内、トナー量が所定値を越える用紙の枚数が占める割合で判断する方法でも、同様な効果を得ることが可能である。
【0149】
(両面画像形成時のカール補正制御)
次に、両面画像形成動作を含めたカール補正制御について、図31から図33のフローチャートを用いて説明する。前述した図28のフローチャートと同様の部分については説明を省略する。
【0150】
本実施例では、図23に示したように、正カール(下に凸)が予測される出力用紙に対して上に凸になる方向のカール補正のみが可能な構成となっている。両面に画像を形成して出力する両面出力時において、両面1面目のトナー量が多くて両面2面目のトナー量が少ない場合、すなわち両面2面目の画像を定着器9で定着するときに、用紙の下側(両面1面目画像)に多くトナーがのり、かつ用紙の上側(両面2面目画像)に少なくトナーがのる場合には、逆カール(上に凸)状態の用紙がカール補正部500に送られることになり、その逆カールはソータ600に対しての用紙の積載に悪影響を及ぼす。
【0151】
そこで、このような逆カールが発生して用紙の積載に悪影響を及ぼす場合であって、例えばソートモードのときには、画像形成動作を停止し、ソータ600内の用紙の取り除きをまってから動作を再開するように制御する。
【0152】
図31から図33は、この両面画像形成による逆カール発生時の対応も含めたカール補正制御のフローチャートであり、前述した図28のフローチャートを包含する。したがって、図28の場合と同様に、最終色の画像形成が終了した時点で制御が開始される(S7000)。
【0153】
まず、前述した図28にて説明した前半平均トナー量TNRtop、後半平均トナー量TNRbottom、全平均トナー量TNRtotalの3つのトナー量を計算しておく(S7001)。
【0154】
次に、自動両面1面目であるか否かの判断をする(S7002)。ここで、自動両面とは、中間トレイ22(図1参照)を用いて両面画像を形成する場合をいう。本実施例の画像形成装置では、中間トレイ22を用いる以外に、片面に画像形成済の用紙を記録材トレイ7mにセットすることでも両面画像が形成可能なようになっている(以下、「手動両面」という)。
【0155】
S7002において、自動両面1面目である場合には、両面1面目の画像が形成された用紙がカール補正部500を通過することなく、中間トレイ22に格納されるため、カール補正制御は行わない。しかし、この用紙が中間トレイ22から給送されて、両面2面目の画像が形成された後には、カール補正制御を行うため、その制御のために自動両面1面目の画像の全平均トナー量TNRtotalを記憶しておく(S7003)。
【0156】
次に、ソータ600に対する積載モードにより、計算したトナー量を選択的に使用する。すなわち、ノンソートビン601に排出を行うノンソートモードである場合には、整合動作もないため積載品質よりも積載量が重要視され、ビンの形状もソートビン602と異なっている。このため、ノンソートモードでは、侵入量Xを決定するためのトナー量として全平均トナー量TNRtotalを用いる(S7007)。
【0157】
また、ソートモードでかつジョブ終了時にステイプルを行うステイプルソートモードでは、ステイプルする部分は用紙後半であるため、後半平均トナー量TNRbottomを侵入量Xを決定するためのトナー量として用いる(S7008。
【0158】
また、ノンソートモードでもなくステイプルソートモードでもない場合、すなわちソートビン602に排出を行うソートモードまたはグループモードである場合には、積載品質向上のために、前半平均トナー量TNRtopと後半平均トナー量TNRbottomの値の大きい方を侵入量Xを決定するためのトナー量として用いる(S7009)。
【0159】
これらS7007,S7008、およびS7009にて侵入量Xの決定用としたトナー量は、後述する自動両面2面目時において両面1面目のトナー量を用いた補正計算を行う可能性があるため、あくまでも暫定的な侵入量Xの決定用トナー量としておく。
【0160】
次に、S7010において、自動両面2面目であるか否かを判定する。先に、自動両面2面目でない場合について説明する。
【0161】
自動両面2面目でない場合、すなわち片面出力や記録材トレイ7mを使用した手動両面の場合には、S7007,S7008、およびS7009の各ステップで暫定的に決定した侵入量Xの決定用トナー量に対して、後述する自動両面2面目の補正が不必要なため、正式な侵入量Xの決定用トナー量として採用し(S7012)、図33のS7013からS7022にて、前述した図28のフローチャートにおけるS6007からS6016と同じ制御を行う。記録材トレイ7mを使用した手動両面の両面2面目の画像形成動作の場合は、両面画像ではあるが両面1面目のトナー量を記憶しておく方法がないため、片面と同じ制御すなわち両面2面目画像のみによるトナー量算出でカール補正制御を行う。
【0162】
S7010において自動両面2面目である場合には、両面2面目時にソータ600の動作モードに応じてS7007,S7008,またはS7009にて暫定的に決定したトナー量から、S7003で記憶した両面1面目のトナー量を減算し、これを侵入量Xの決定用トナー量とする(S7011)。
【0163】
これは、両面に画像形成したときのカール成長量が両面1面目と両面2面目のトナー量の差に比例することが実験的に確認されているためである。分りやすい具体例を挙げれば、両面1面目と両面2面目のトナー量が等しい場合には、ほとんどカールが成長しないことが確認されている。また、両面1面目のトナー量が多く、両面2面目が少ない場合は、前述したように逆カール(上に凸)状態でソータ600に排出される。このような両面出力時の逆カール(上に凸)がソータ600の積載性や整合動作影響を与える場合には、ソータ600の動作モードに応じて処理内容を変更し、画像形成動作を続行させたり、ソートビン602内の用紙がいったん取り除かれることをまってから、画像形成動作を再開するような処置を行う。
【0164】
すなわち、まずS7023において、逆カール(上に凸)による整合不良が発生するかどうかのチェックを行う。図35に、逆カールによる整合不良と自動両面2面目における侵入量Xの決定用トナー量の関係を示す。図35は、前述した図29にマイナスデータを加えた形態になっており、S7011で決定されるトナー量は、両面1面目のトナー量に応じて、プラスデータとマイナスデータの両方を取り得る。S7011で決定されるトナー量がマイナスデータであり、かつ図35に示すデータ3よりも小さい場合には、逆カール量が多く、前述のようにカール補正制御も有効に機能しないため、このような場合には、S7023にて整合不良を発生する可能性があると判断する。逆にデータ3よりも大きい場合には用紙が逆カール状態でも正常に整合動作やステイプル動作は可能であるため、図33のS7013からS7022にて、前述した図28のフローチャートにおけるS6007からS6016と同じ制御を行う。
【0165】
また、トナー量がデータ3より小さくとも、ノンソートビンに用紙を出力するノンソートモードである場合には、整合棒による整合動作もないため、このまま、ステップS7024から画像形成動作を実行する(ステップS7013からS7022)。
【0166】
次に、ソータ600の動作モードがグループモードであるか否かを判定する(S7025)。それがグループモードである場合には、同一ソートビン602に同一画像(トナー量)の用紙が積載されて、これから積載する用紙も同様に逆カールによる整合不良が予測されるため、給紙済の用紙に対しては画像形成を保証し、表示パネル369(図6参照)に、図34(b)に示すようなメッセージを表示して(S7030)、まだ給紙していない用紙は画像形成を禁止して動作を終了する(S7031)。
【0167】
S7025にて、ソータ600の動作モードがグループモードでない場合、すなわちソートモードかステイプルソートモードである場合には、逆カールによる整合不良が予測される出力用紙がソートビン602に1枚ずつ積載されるため、この出力が各ソートビン602に積載されるまで画像形成動作を続行する(S7026)。その後、表示パネル369に、図34(a)に示すようなメッセージを表示して(S7027)、用紙をソートビン602から取り除くことをユーザに通知する。
【0168】
そのメッセージの表示後、ソータ600の不図示のソートビン内のセンサによって、ソートビン602から用紙が取り除かれたことが検出されることをまって(S7028)、再び画像形成動作を再開する(S7029)。このときには、逆カールによる整合不良が予測される用紙がソートビン602内に存在しないため、正常積載動作が可能となる。
【0169】
な、本実施例では、S7023において逆カールによる積載不良を判断するために、図35におけるデータ3を用いたが、このデータ3を用紙サイズや用紙種類に応じて変えることにより、より正確な判断が可能になる。
【0170】
[第2の実施例]
第1の実施例では、OHPモードでもオイル清掃制御が行われるが、両面の画像形成が考えにくいOHP用紙ではオイル清掃を行わないようにすることも可能である。
【0171】
[第3の実施例]
第1の実施例では、記録材搬送部9gが定着スピードと同一の搬送スピードであるが、その記録材搬送部9gの搬送スピードを転写ドラム5aの周速と同一となるように構成しても、本発明の目的は達成可能である。
【0172】
この場合には、第1の実施例における記録材の記録材搬送方向サイズPXと比較する距離LTCを、転写位置から定着ローラまでの距離LTFに置き換えることで実現できる。
【0173】
[第4の実施例]
第1の実施例では、4色モードでかつ厚紙モードの場合を示したが、1色・2色・3色モードのいずれかでかつ厚紙モードの場合でも実現可能である。
【0174】
また、記録材に供給する単位時間熱エネルギーが比較的小さくてもよい1色モードでかつ厚紙モードの場合に、定着スピードを低下させなくても定着性が保証された画像を出力可能であるときは、1色モードのときにだけ定着スピードを低下させないで動作させることも可能であり、この場合には、オイル清掃制御は普通紙と同様の制御で実現すればよい。
【0175】
[第5の実施例]
第1の実施例では、記録材担持手段として吸着手段を用いたが、公知のグリッパ手段で構成することも可能である。
【0176】
[第6の実施例]
第1の実施例では、記録材の種類を設定キーなどを用いて設定するが、図1のOHP検知センサ51やOHP検知センサ52を用いることによって、記録材がOHPであるか否かを検知するこも可能である。これら2つのOHP検知センサ51、52は、両方とも発光部と受光部とを有しており、それらの発光部と受光部との間が記録材によって遮光されることによって、その記録材の通過を検知するものであり、OHPは、その構成上、その先端部のみが遮光をして途中からは遮光をしないようになっているため、このような特性を利用してOHPであるか否かの検知が可能である。本実施例の画像形成装置で使用されるOHPを図21に示す。図21においてSは遮光帯である。このように、OHPの特性を利用することによって、OHP検知によるオイル除去制御や画像形成制御が自動的に実行できることになる。
【0177】
[第7の実施例]
第1の実施例で示したコーナー綴じや、ダブル綴じや、シングル綴じ等、ステイプルの種類に応じて、トナー量の算出領域を用紙搬送方向の前半と後半の2つ以上さらに増加させたり、用紙送り方向だけでなく、用紙送り方向と直交する方向における部分のトナー量を算出できる構成とすることにより、ステイプルの種類に応じたより正確なカール補正の制御が可能になる。
【0178】
[第8の実施例]
第1の実施例では電位センサ12の表面電位量からトナー量を算出する方法を示したが、トナー量を算出する方法として、ドラム上光量検知センサ13や、図3におけるプリンタ階調補正回路109の後の画像信号を加算してトナー量に変換することも可能である。
【0179】
なお、前述した実施の形態では、図28のステップS6013において、A4縦サイズ、B3縦サイズいずれの場合でもそれぞれのトナー量を所定値と比較しているが、A4縦サイズのトナー量は第1の所定値と比較し、B5縦サイズのトナー量は第2の所定値と比較することにより、それぞれのサイズの特性に合わせてカール量を予測してステイプルの実行の可否を制御しても良い。
【0180】
また、前述した実施の形態では、どのようなモードにおいても表1に基づいて侵入量Xを決定したが、ノンソートモード、ステイプルソートモード、ソートモード、グループモードのそれぞれの特性に対応する表(用紙サイズ別のデータ1,データ2)を用意して、これらの表に基づいて侵入量Xを決定しても良い。
【0181】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、記録材に定着されるトナー量等の画像形成手段における処理量に基づいて、カール補正が不可能なカールが記録材に生じた否かを判断し、カール補正が不可能なカールが記録材に生じたときに記録動作を自動的に停止させるため、カール補正が不充分な記録材の排出の続行を回避することができる。
【0182】
この結果、例えば、ソータ等の後処理手段における記録材の積載不良や整合不良等を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としてのカラー画像形成装置の概略断面図である。
【図2】図1のカラー画像形成装置の制御系のブロック図である。
【図3】図2に示す画像処理部の詳細な制御ブロック図である。
【図4】図3のリーダ階調補正回路における入力/出力信号の一例を示す階調補正特性図である。
【図5】図3のプリンタ階調補正回路における入力/出力信号の一例を示す階調補正特性図である。
【図6】図2に示す操作部の概略平面図である。
【図7】図1に示すカラー画像形成装置における最終紙の最終色転写動作開始から画像形成動作停止までの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートにおいて定着(N)回転制御によって1枚貼り制御を行ったときのタイミングチャートである。
【図9】図7のフローチャートにおいて定着(N+1)回転制御によって1枚貼り制御または2枚貼り制御を行ったときの制御タイミングチャートである。
【図10】図7のフローチャートにおいて適用可能な転写ドラム清掃動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1のカラー画像形成装置における定着制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートにおいて厚紙モードでの定着(N)回転動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】図11のフローチャートにおいて厚紙モードでの定着(N+1)回転動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】図11のフローチャートにおいて普通紙モードでの定着(N)回転動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】図11のフローチャートにおいて普通紙モードでの定着(N+1)回転動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】図1のカラー画像形成装置におけるジャム時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】図1のカラー画像形成装置における研磨制御処理を示すフローチャートである。
【図18】図1のカラー画像形成装置における研磨制御を説明するためのフローチャートである。
【図19】図1のカラー画像形成装置におけるサービスモード時の表示パネルの表示例を説明するための概略平面図である。
【図20】図1のカラー画像形成装置における転写ドラム清掃モードの処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】図1のカラー画像形成装置において使用可能なOHP用紙の平面図である。
【図22】図1のカラー画像形成装置に接続されるカール補正部および排紙後処理部の概略断面図である。
【図23】図22のカール補正部の要部の斜視図である。
【図24】図22の排紙後処理部の要部の斜視図である。
【図25】図22の排紙後処理部の動作モードの説明図である。
【図26】図22の原稿台ガラスにセットされた原稿とステイプル位置との関係の説明図である。
【図27】図22の自動原稿送り装置にセットされた原稿とステイプル位置との関係の説明図である。
【図28】図22のカール補正部と排紙後処理部の制御を説明するためのフローチャートである。
【図29】図22のカール補正部の制御量とトナーの検出量との関係の説明図である。
【図30】図28中のステップにおいてステイプルできない旨を表示する場合の表示例の説明図である。
【図31】図22のカール補正部と排紙後処理部の制御の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図32】図22のカール補正部と排紙後処理部の制御の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図33】図22のカール補正部と排紙後処理部の制御の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図34】図32および図33中のステップにおいてメッセージを表示する場合の表示例の説明図である。
【図35】図31中のステップにおいて求める侵入量決定用トナー量とカールとの関係の説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
4 現像装置
5 転写装置
5f 記録材担持シート(転写シート)
7 記録材カセット
8a 分離爪
8b 分離押し上げコロ
9 熱ローラ定着器
14 ファーブラシ
15 ファーバックアップブラシ
16 オイル清掃ローラ
17 オイル清掃バックアップブラシ
18 研磨ローラ
19 研磨ローラバックアップブラシ
202 プリンタ部
203 画像処理部
369 表示パネル
500 カール補正部
600 排紙後処理部
Claims (13)
- 記録材に画像を形成可能な画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された前記記録材のカールを補正可能なカール補正手段と、
前記記録材のカールの発生要因となる前記画像形成手段の処理量を検出する検出手段と、
前記カール補正手段によりカール補正された記録材に、複数種類の後処理から選択的に後処理を行う後処理手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記記録材に生じるカールが前記カール補正手段によって補正可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記カール補正手段による補正が不可能であると判断された場合、前記後処理手段で行う後処理の種類に応じて、前記画像形成手段による新たな画像の形成動作を禁止するか所定枚数の画像の形成動作の続行を許可するかを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段は、前記記録材の所定領域毎に前記処理量を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、後処理がグループモードである場合は新たな画像の形成動作を禁止し、後処理がソートモード或いはステイプルソートモードである場合は所定枚数の画像の形成動作の続行を許可し、その後停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録材に画像を形成可能な画像形成手段と、
前記記録材に転写したトナー像を定着させる熱ローラと、
前記画像形成手段によって画像が形成された前記記録材のカールを補正可能なカール補正手段と、
前記記録材のカールの発生要因となる前記記録材の表面および裏面のそれぞれに定着されるトナー量の差を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記記録材に生じるカールが前記カール補正手段によって補正可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記カール補正手段による補正が不可能であると判断されたことに応じて前記画像形成手段による画像の形成動作を停止させる制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記カール補正手段は、前記記録材の表面に凸となるカールおよび裏面に凸となるカールのうちいずれか一方のカールのみを補正可能であることを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
- 前記カール補正手段は、軟質ローラと硬質ローラとの間に前記記録材を通すことによって、該記録材のカールを補正可能であることを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
- 前記判断手段の判断結果を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
- 前記カール補正手段によってカールが補正された前記記録材を処理する後処理手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記判断手段は、前記後処理手段の動作モードに基づいて判断基準を変更することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、所定枚数の画像の形成動作を続行し、その後画像の形成動作を停止させた場合、前記後処理手段から前記記録材が取り除かれたときに前記画像形成手段による画像の形成動作を再開させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記後処理手段は、前記記録材を複数のトレイ上に仕分け可能なソータであることを特徴とする請求項1または4に記載の画像形成装置。
- 前記ソータは、前記トレイ上に集積された前記記録材をステイプル可能なステイプラを有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記表示手段は、前記判断手段によって前記カール補正手段による補正が不可能であると判断された場合、警告を発する警告手段を備え、前記後処理手段で行う後処理の種類に応じて、警告内容と警告のタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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