JP3696792B2 - 人工的換気装置および二酸化炭素の再呼吸を制御する装置 - Google Patents
人工的換気装置および二酸化炭素の再呼吸を制御する装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一局面においては、哺乳動物に呼吸ガスを吸入させ、また呼気ガスを排出するための人工的な換気装置に係わり、これらは患者を麻酔しおよび患者に酸素を投与する際に使用する方法並びに装置を包含し、またより詳しくは、低炭酸ガス症および低酸素症を回避する呼気ガスの再呼吸を調節できる人工的呼吸装置に関するものである。
本発明は、もう一つの局面は、呼気並びに呼気管から成る、二重管構造(unilimb)の呼吸回路デバイスに関するものであり、該デバイスは、1またはそれ以上の環状導管を有する共通のインターフェース部において着脱自在で、該インターフェースは、場合によりガス流動を調節し、かついくつかの異なる機能をもつ装置に動作可能に接続するように配慮されている。
【0002】
【発明の背景】
呼吸回路は、麻酔器等の吸気ガス源からの吸気ガスを患者に導き、かつ該患者からの呼気ガスを導くのに利用されている。該ガスは、2以上の導管を介して導かれ、また一般的には該呼気ガスの少なくとも一部は、二酸化炭素の除去後に、該患者に再循環される。公知技術および本発明の説明を簡略化するために、導管の患者側の端部を遠位端部と呼び、また導管の吸気ガス源に面するまたはこれに接続した端部を近位端部と呼ぶ。同様に、該呼吸回路の遠位端部における、例えば該患者の気道管理備品(airway devices)(即ち、気管内チューブ、喉頭用マスクまたは顔面(口)マスクと接続したまたはこれらに導かれる、取り付け具および端子を、遠位取り付け具または端子と呼び、かつ該呼吸回路の近位端部における取り付け具および端子を、近位取り付け具および端子と呼ぶこととする。呼吸装置、並びに麻酔および換気技術に関する更なる情報については、以下の文献を参照のこと。米国特許第3,556,097 号、同第3,856,051 号、同第4,007,737 号、同第4,188,946 号、同第4,232,667 号、同第5,284,160 号、オーストリア特許第93,941号、Dorsch, J.A. & Dorsch, S.E.,麻酔装置の会得:構造、管理および複雑さ(Understanding Anesthesia Equipment: Construction, Care and Complications), Williams & Wilkins Co., バルチモア(1974)(特に、第5-7 章)、およびAndrews, J.J.,「吸入麻酔薬投与装置(Inhaled Anesthetic Delivery Systems)」,Anesthesia, 第4版, Miller, Ronald, M.D.編, Churchill Livingstone Inc.,N.Y.(1986)(特に、第203-207 頁)。該参考文書中に引用された文書を含む、ここに引用した全文書の内容(本文)は、以下に完全に再現されているものとして、本発明の参考とする。
【0003】
フクナガに付与されたU.S.特許 No. 4,265,235は種々の型の呼吸装置で使用するための、多用途用の二重管構造デバイスを記載しており、これは従来の装置を越える多くの利点を与える。このフクナガの装置は、場所をとらない同軸状の、即ちチューブ内チューブを利用しており、吸気ガスを与え、かつ呼気ガスを除去するように設計されている。一般的に、その内側チューブは、その近位端部において新鮮な吸気ガス源に接続されており、一方でその外側チューブの近位端部は、排気口および/または二酸化炭素吸収装置(これは、循環式呼吸回路系で用いる場合には、少なくとも呼気ガスの一部は該吸気ガス源にもどされる)に接続されている。患者近傍のチューブの数を減らすことにより、該患者に接続する該呼吸装置の小型化に加えて、このフクナガの装置は、人工鼻(該二重管構成のデバイスにおいては、該対向する2つの流路を同軸状としたので、吐き出される空気は吸入される空気を温めかつ湿らせる)として機能する等の、付随的な利点を有する。
【0004】
このフクナガの回路は、また従来の同軸状装置よりも安全である。というのは、該内側チューブの遠位端部が、該外側チューブの遠位取り付け部に接続されておらず、従って該外側チューブは、該内側チューブの該近位端部、該吸気ガス源から離脱することなしに、該内側チューブに対して、軸方向に伸びるからであり、またこの安全特性を利用して、該内側チューブおよび外側チューブの該遠位端部間の死腔を増大し、しかも結果として該患者が再吸収する呼気の量を調節することを可能とする。死腔とは、本明細書では、該患者の外部にある該呼吸回路の一部分と定義されるが、この空間は、呼気終期に呼気ガスで満たされ、次の吸気時に再び吸入される(一般的に、この死腔内の呼気ガスは、ガス源から供給される酸素および/または他のガスと併合される)。
【0005】
このフクナガの二重管構成のデバイスの一態様は、米国、インディアナ州、ノーブルビルのKing Systems社により、UNIVERSAL FTMとして工業的に生産されている。このデバイスは、3つの連通口をもつ、中空でT-字型のハウジングを備えた近位端子を含む。この3つの連通口とは、吸気ガス口、該吸気ガス口に対して直交する呼気ガス口および第三の「患者」に通じる連通口である。この近位端子は、該近位端子へおよびこれからガスを搬送する、外側チューブおよび同軸状の内側チューブと接続している。該外側チューブは、可撓性の蛇腹状管(蛇管チューブ)であり、透明な(または半透明な)材料で作成される。該外側チューブの近位端部は、該近位端子の該患者側連通口に気密接続かつ結合されている。暗色の可撓性内側チューブの近位端部は、該吸気連通口と気密接続かつ結合されており、該T-文型ハウジングを介して、該患者側連通口外に伸びており、かつ該外側チューブの軸方向の長さの殆どを通っている。該内側チューブが暗色であることは、ユーザーが該外側チューブを介して肉眼観察して、該内側チューブが適正に接続されているか否かを決定することを可能ならしめる。
【0006】
該外側チューブの内径を、該内側チューブの外径よりも十分に大きくして、患者が十分に呼吸することを可能とする。該外側チューブの遠位端部は、遠位端子を構成する、環状ハウジングの外部と気密接続かつ結合されている。該遠位端子の該環状ハウジングは、該内側チューブの遠位端部が、該外側チューブの遠位端部を越えて伸びることのないように設計されている。
該UNIVERSAL F TMデバイスは、従来の二本管および二重管構成の麻酔回路、および呼吸補助デバイスを越える多大な利点をもたらす。しかしながら、この装置全体の製造は、幾つかの複雑な段階を必要とし、かつその製造作業においては、該内側および外側チューブが適切に封止され、かつその近位端部において、該近位端部口と堅固に密着して結合するように、注意する必要がある。該内側チューブが吸気ガスを搬送する場合には、該内側チューブの近位端部が、該近位端子としっかり接続していることが特に重要である。というのは、使用中の離脱は、十分な酸素および/または麻酔ガスを患者に送ることを不可能とし、このことは全く望ましからぬことであるからである。
【0007】
一方で、フクナガに付与されたU.S.特許 No. 4,265,235は、このような二重管構成のデバイスの該チューブと端子とが相互に分離可能であることを教示しているが、実際には該内側チューブの近位端部は、吸気口にしっかり結合されている。というのは、該内側チューブの近位端部が、圧嵌め(または摩擦嵌合)のみを使用している場合には、使用中に、該吸気口から外れる危険性があるからである。該内側チューブの離脱が検出された場合においてさえ、この従来の二重管構成のデバイスの設計では、該近位端子の該吸気口への、該内側チューブの再結合を困難にする。これは、該内側中部の近位端部を、該患者の連通口を介して該近位端子の長さに渡り貫通させ、結果として該吸気口に達せしめ、かつこれと接続できるようにする必要があることによる。かくして、通常使用されている二重管構成のデバイスは、一般的に一体式に接続された内側チューブおよび外側チューブをもつ近位端部を含んでいる。
【0008】
二重管構成のデバイスは、ただ一回使用のために設計されているので、該遠位端子、近位端子、内側チューブおよび外側チューブを包含する該デバイス全体は、一回の使用後に、通常患者ノズルと接続されている多数のデバイス、例えばCO2モニター(カプノメーター(capnometer)) 温度および湿度調節並びに監視デバイス、O2調節並びに監視デバイス、および感染防止デバイス(例えば、フィルタ)と共に棄却される。従って、該患者のノズルまたは遠位端子におけるこれら付随的なデバイスの取り付け具(またはこれらを収容するハウジング)を必要とするという不便さに加えて、一回の使用後に、これら取り付け具、チューブ系およびデバイスの入替えは、経費増を招き、しかもこれまで以上に絶えることのない廃棄物の増加をももたらし、しばしば投棄場所を探すことを困難にする。前記特許に記載されている全ての装置システムには、同様の欠点がある。従って、コストを節減し、かつ廃棄物の量を減らすことにより、環境保全に寄与する、改良された二重管構成のデバイスおよび換気装置が要求される。また、このようなデバイスの構造を単純化し、かつ該デバイスの安全性、有効性および信頼性を高める必要もある。
【0009】
呼吸システムは、一般的に患者に酸素を供給し、一方で該患者の発生する二酸化炭素を除去する。例えば、麻酔中または集中治療中の患者は、人工的な呼吸環境におかれ、この際に医師は該患者にガス混合物を供給する。酸素並びに種々の気化された麻酔剤の患者への供給に加えて、医師は、該患者が幾分かの呼気ガスの再呼吸を可能とすることができる。再呼吸とは、単に一回吐き出された、二酸化炭素を含有するガスを再び吸入することからなる。しかしながら、患者に対する補助的呼吸/換気は安全でなければならず、また低酸素症(即ち、患者の酸素欠乏症)を回避する必要がある。従って、一般的に吸気ガスは十分に高い圧、一回換気量および呼吸数(過換気)にて与えて、低酸素症および無気肺(肺胞の潰れ)を確実に回避する。
【0010】
かくして、患者には、低酸素症を回避するために、極めて高い濃度の酸素が与えられるが、不幸なことに、該患者はしばしば異常に低い二酸化炭素濃度(即ち、低炭酸ガス血症または低炭酸ガス症)に罹り、また不十分な二酸化炭素濃度は、重要臓器(例えば、脳、心臓、内臓組織等)に好ましからぬ影響を与える可能性がある。しかしながら、多くの医師には、(例えば、再呼吸量を増大することによる)該患者により呼吸される二酸化炭素量の増加のために、患者の動脈血中の二酸化炭素分圧(Pa CO2 、これはまた動脈血中の二酸化炭素分圧とも呼ばれ、しばしばmmHg単位で示される)の増大を招き、これが低酸素症を引き起こすものと信じられている。従って、この二酸化炭素分圧の増加が低酸素症と関連していると考えられているが故に、補助呼吸中の高炭酸ガス症は、有害であると信じられた。更に、低炭酸ガス症は有害である可能性があるが、低酸素症よりも有害性の程度は低いと考えられていた。従って、重要臓器組織における循環または酸素化を犠牲にすることなしに(即ち、低酸素症を回避しつつ)、低炭酸ガス症を調節治療または回避する、改善された人工的な換気方法に対する需要が残されている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の局面においては、多腔管構造の呼吸導管および近位端子を含み、該呼吸導管が遠位端部および近位端部を有し、かつ該近位端子が、近位端部と遠位端部とを有する、患者に吸気ガスを供給し、かつ患者からの排出ガスを受け取る呼吸デバイスであって、該呼吸導管の遠位端部は、ユーザーが使用時に動作可能な状態で患者に接続し、かつ患者から取り外すことができ、該呼吸導管の該近位端部は、ユーザーが使用時に動作可能な状態で該近位端子に接続し、かつ該近位端子から取り外すことができ、該近位端子は、第一および第二流路を有し、該第一および第二流路は、相互に独立しており、かつその各々は遠位端部および近位端部を有し、該独立した流路の該遠位末端は、該近位端子の遠位端部において収斂しており、該呼吸導管の該近位端部と動作可能な状態で同時に接続でき、かつ該近位端子における該第一および第二流路は、該近位端子の該遠位端部近傍で、相互に分岐して、該第一流路の該近位端部は独立して動作可能な状態で、吸気ガス源の入口と接続でき、一方該第二流路の該近位端部は独立して動作可能な状態で、排気出口と接続でき、かつ該呼吸導管は、使用後に廃棄または滅菌のために、該近位端子から動作可能な状態で取り外すことができることを特徴とする、上記呼吸デバイスである。
【0012】
第2の局面においては、該呼吸導管が二重管構造であって、第三の流路および第四の流路を含み、該第三の流路および第四の流路は、相互に独立しており、かつその各々は遠位端部および近位端部を有し、該導管のそれぞれが同時に、着脱自在の動作可能な状態で該近位端子と接続している場合には、該第三流路の該近位端部は、該第一流路の該遠位端部と流体接続関係にあり、かつ同時に該第四流路の該近位端部は、該第二流路の該遠位端部と流体接続関係にあり、該第三流路は、該近位端子を介して、動作可能な状態で吸気ガス源に接続することができ、一方該第四流路は、該近位端子を介して、動作可能な状態で、排気出口と接続できるデバイスである。
【0013】
第3の局面においては、更に、フィルタ手段および第三のチューブを含み、該第三チューブは遠位端部および近位端部を有し、該第三チューブの該近位端部および該フィルタ手段は、該呼吸導管の該遠位端部と動作可能に接続でき、かつ該第三チューブの該遠位端部は、哺乳動物に動作可能に接続でき、該第三チューブの該近位端部および該フィルタ手段が、該呼吸導管の該遠位端部と動作可能に接続している場合には、該呼吸導管の該近位端部は、吸気ガス源に動作可能に接続されており、吸気ガスおよび排気ガスは該フィルタ手段を通り、かつ吸気ガスおよび排気ガスは該第三チューブ内で混合される呼吸導管である。
【0014】
第4の局面においては、該第一流路および該第二流路が、その遠位端部において遠位的に合体して、共通の流路を形成し、該共通の流路は、該呼吸導管と動作可能な流体接続状態に置くことができるデバイスである。
【0015】
第5の局面においては、該第一流路および該第二流路が、該近位端子の該遠位端部において、同軸状にあり、かつ該第三および第四流路が、同軸チューブで構成されるデバイスである。
【0016】
第6の局面においては、患者に吸気ガスを供給し、かつ患者からの排出ガスを受け取る二腔管構造の呼吸導管および近位端子を含み、該呼吸導管は近位端子と共に使用され、該近位端子は吸気および排気流路を有し、該流路は、相互に独立しており、かつ該近位端子の遠位端部において収斂しており、かつ該近位端子の遠位端部近傍において、相互に分岐して、該近位端子の該吸気流路が独立に動作できる状態で、吸気ガス源用の入口と接続でき、かつ該近位端子の該排気流路が、排気出口と独立に動作できる状態で接続することができ、該呼吸導管が、
第一の通路および第二の通路を含み、該第一および第二通路は、相互に独立であり、該呼吸導管は遠位端部および近位端部を有し、該呼吸導管の該遠位端部は、ユーザーが使用時に、動作できる状態で患者に接続しかつ患者から取り外すことができ、かつ該導管の該近位端部は、近位端子に対して、動作可能な状態で着脱可能であり、
該導管が近位端子に動作できる状態で接続されている場合に、該第一通路は、該吸気流路と流体接続状態にあり、かつ該第二通路は、該排気流路と流体接続状態にあり、該第一通路は、該近位端子を介して、吸気ガス源用の入口と動作可能な状態で接続でき、一方該第二通路は、該近位端子を介して、排気ガス出口と動作可能な状態で接続でき、該呼吸導管は、使用後に廃棄または滅菌を行うために、該近位端子から、動作可能な状態で取り外すことができる、ことを特徴とする上記呼吸デバイスである。
【0017】
第7の局面においては、二腔管構造の可撓性呼吸導管を、麻酔装置または呼吸器型のデバイスに、動作可能な状態で結合するためのインターフェースデバイスであって、内部に第一および第二の流路を持つハウジングを含み、該第一および第二流路は各々独立であり、かつその各々は遠位端部と近位端部とを有し、該独立した流路の該遠位端部は、該近位端子の遠位端部において収斂して、同時に動作可能な状態で、二腔管構造の可撓性呼吸導管と接続でき、かつ該ハウジング内の該第一および第二流路は、該ハウジングの該遠位端部近傍において、相互に分岐して、該第一流路の該近位端部は、吸気ガス源用の入口と、独立に動作可能な状態で、接続することができ、しかも該第二流路の該近位端部は、排気出口と、独立に動作可能な状態で、接続することができ、二腔管構造の可撓性呼吸導管は、使用のために該ハウジングに動作可能な状態で取り付けることができ、かつ使用後に廃棄または滅菌を行うために、該ハウジングから取り外すことができることを特徴とする上記インターフェースデバイスである。
【0018】
第8の局面においては、該インターフェースデバイスの該近位端子が、麻酔装置または呼吸器型のデバイスに、永続的に接続されており、呼吸導管が使用した後に、廃棄または滅菌のために、該麻酔装置または呼吸器型のデバイスとから動作可能な状態で取り外すことができるデバイスである。
【0019】
第9の局面において、二重管構造の人工呼吸デバイスにおいて使用するための近位端子であって、剛性材料で作られた単一のハウジングを含み、該ハウジングは、第一開口部、第二開口部、第三開口部、第四開口部、外側チューブおよび内側チューブを含み、
該内側チューブは、少なくとも部分的に該外側チューブ内に配置されており、該外側チューブおよび内側チューブ各々は、第一端部および第二端部を有し、該内側チューブの該第二端部の外径は、該外側チューブの該第二端部の内径よりも小さく、該内側チューブの該第二端部は、該外側チューブの該第二端部内部に配置されていて、該内側チューブの該第二端部の内部に、内側吸気または排気流路を形成し、かつ該内側チューブの外部と、該外側チューブの該第二端部内部との間に、外側吸気または排気流路を形成し、
該外側チューブの該第二端部は、該第一開口部に接続されており、該内側チューブの該第二端部は、該第二開口部に接続されており、該内側チューブの該第一端部は、該第三開口部と接続されており、かつ該外側チューブの該第一端部は、該第四開口部と接続されており、該第三および第四開口部は、異なる位置において該ハウジング内に入り、該第三開口部に入る流体は、該内側チューブを介して該内側吸気または排気流路を通り、かつ該第二開口部を介してのみ流出でき、該第四開口部に入る流体は、該外側吸気または排気流路を通り、かつ該第一開口部を介してのみ流出できることを特徴とする上記近位端子である。
【0020】
第10の局面においては、該第一開口部を形成する、該外側チューブの該第二端部が、第一の面を画成し、かつ該第二開口部を形成する、該内側チューブの該第二端部が、第二の面を画成し、該第一および第二の面が、実質的に同一平面にある近位端子である。
【0021】
第11の局面においては、哺乳動物に、ガス、例えば呼吸ガスまたは麻酔ガスを供給し、かつ該動物からの該ガスを排気するために、該哺乳動物で使用するシステムに組み込まれ、該システムが、請求項9記載の近位端子を含み、かつ
第一の呼吸導管が、哺乳動物に呼吸ガスを供給し、かつ該動物から該ガスを排気するための、近位端部および遠位端部を有し、該第一の呼吸導管は、伸縮可能の可撓性であり、かつ該近位端子と動作可能な状態で接続でき、
該第一の呼吸導管は、廃棄または滅菌のために、該近位端子と着脱自在の動作可能な状態で接続できる近位端子である。
【0022】
第12の局面においては、更に、廃棄または滅菌のために該近位端子から取り外すことのできる、第二の呼吸導管を含み、該第二の呼吸導管が、遠位端部および近位端部をもち、該第二の呼吸導管は、該第一の呼吸導管の径よりも小さな径を持つものであり、該第二呼吸導管の該近位端部は、該第二開口部と、動作可能な状態で接続状態に置くことができ、該第二の呼吸導管が、該第二の開口部と機能可能に接続され、かつ該第一の呼吸導管が、該第一の開口部と接続されている場合、該第二の呼吸導管の遠位端部は、該第一の呼吸導管内にあり、かつ該導管と流体接続状態にあるシステムである。
【0023】
第13の局面においては。該第一および第二呼吸導管が、該近位端子に動作可能な状態で接続されている場合に、該第一呼吸導管の該遠位端部と、該第二呼吸導管の該遠位端部との間に、死腔が形成されており、該死腔のサイズが、異なる長さをもつ第二呼吸導管を使用することによって、変えることができ、あるいは該第一呼吸導管は伸縮可能な可撓性であり、該死腔のサイズを、該第一呼吸導管を伸縮することによって変えることができるシステムである。
【0024】
第14の局面においては、前記呼吸デバイスと共に使用する、多腔式フィルタデバイスであって、該多腔式フィルタデバイスは、
近位端部と遠位端部とを持つフィルタハウジングを含み、ここで該フィルタハウジングは、第一フィルタチャンバーおよび第二フィルタチャンバーと、該第一フィルタチャンバー内の第一フィルタ手段と該第二フィルタチャンバー内の第二フィルタ手段とを含み、
該フィルタハウジングは、該フィルタハウジングの該近位端部に、近位第一内腔および近位第二内腔を有し、該近位第一内腔は、近位吸気流路を形成し、かつ該近位第二内腔は、近位排気流路を形成し、該近位第一内腔は、該第一フィルタチャンバーと流体接続関係にあり、
該フィルタハウジングは、その遠位端部に、遠位第一内腔と遠位第二内腔とをもち、該遠位第一内腔は、遠位吸気流路を形成し、かつ該第一フィルタチャンバーと流体接続関係にあり、かつ該遠位第二内腔は、遠位排気流路を形成し、かつ該第二フィルタチャンバーと流体接続関係にあり、該近位第一内腔と該遠位第一内腔との間を通る流体は、該第一フィルタチャンバー内の該第一フィルタ手段を通る必要があり、かつ該近位第二内腔と該遠位第二内腔との間を通る流体は、該第二フィルタチャンバー内の該第二フィルタ手段を通る必要があることを特徴とする上記フィルタデバイスである。
【0025】
第15の局面において、患者に吸気ガスを供給し、かつ患者からの排気ガスを受け取る呼吸導管であって、該呼吸導管はフィルタデバイスと共に使用され、該フィルタデバイスの該近位吸気流路が、吸気ガス源用の入口と、かつ該近位排気流路が排気開口部と、それぞれ請求項1、2及び6記載の呼吸デバイスの近位端子を介して、同時着脱の動作が可能な状態で接続されているフィルタデバイスである。
【0026】
第16の局面においては、低炭酸ガス症および低酸素症を回避する哺乳動物の人工呼吸補助換気装置であって、該哺乳動物の該呼吸補助換気装置を介する呼吸動作において、該哺乳動物の動脈血中の二酸化炭素分圧を約35mmHg〜約95mmHgの範囲内とするのに十分な量の呼気ガスを該哺乳動物に再吸入させる呼気ガス再吸入量調節手段を含むことを特徴とする伸縮可能の可撓性チューブ呼吸回路装置である。
【0027】
第17の局面においては、前記呼気ガス再吸入量調節手段が、該哺乳動物の動脈血中の二酸化炭素分圧を約35mmHg〜約45mmHgの範囲内とするのに十分な量の呼気ガスを該哺乳動物に再吸入させる伸縮可能の可撓性チューブ呼吸回路装置である。
【0028】
第18の局面においては、補助換気装置で使用するための単一導管チューブを包含する一本管呼吸回路であって、該単一導管チューブは一本の伸縮可能の可撓性チューブから成り、該伸縮可能の可撓性チューブは近位端部と遠位端部をもち、該近位端部を呼吸ガス源と流体接続状態で配置し、該遠位端部を患者と流体接続状態に配置することによって、患者に低炭酸ガス症および低酸素症を回避する吸気ガス用導管および呼気ガス用導管を与えることを特徴とする一本管呼吸回路である。
【0029】
第19の局面においては、前記伸縮可能の可撓性チューブが、さらに生物学的な汚染を防止するためのフィルターデバイス、保温・保湿用の人工鼻デバイス等を含み、該伸縮可能の可撓性チューブ装置の近位端部側が吸気ガス源と着脱自在であって、遠位端部側が患者接続部材と着脱自在であることを特徴とする一本管呼吸回路装置である。
【0030】
【発明の効果】
従って、本発明は単純な人工的換気装置を提供し、該装置は従来の装置よりも製造が容易で、安価であり、またその使用が容易で、安全で、しかも経費を必要とせず、また改善された特徴を与える。更に、本発明は、同時に低酸素症および低炭酸ガス症を回避する手段および方法を提供することにより、より安全な人工的換気の実施を可能とする。本発明の更なる詳細並びに利点は、以下に示される例示的態様に係わる図面および説明を参照することにより、明らかとなろう。
【0031】
【実施形態】
従来の基本的な人工換気装置および二重管式デバイスの簡単な説明は、本発明の説明を容易にするであろう。第1図を参照すると、二重管式呼吸(吸気および呼気ガス)導管を使用した、循環回路型の人工換気装置の模式的な図が示されている。二重管式呼吸導管1は、出口2(あるいはノズルまたは遠位端子とも呼ばれる)において、患者の気管内チューブまたは顔面マスクに取り付けることができる。呼吸回路1は、外側チューブ4および内側チューブ5から形成される。矢印7は、該装置を通るガス流動の好ましい方向を示し、例えば呼気空気は患者から、内側チューブ5と外側チューブ4との間の環状の空間を介して運ばれる。吸気ガスは、ガス源8から、一方向性バルブ9を通して、内側チューブ5に供給される。内側チューブ5は、近位端子のハウジング11の壁を貫通し、ハウジング11は、本質的に外側チューブ4内に屈曲部を含み、またチューブ5の外部壁はこれと一体的に封止されている。
【0032】
二酸化炭素吸収剤13を使用して、これを通過する呼気ガスから二酸化炭素を除去することができ、またこのように濾過されたガスは、ガス源8からの新鮮な吸気ガスと併合される。呼気ガスは、患者出口2から、外側チューブ4、次に一方向性バルブ15を介して、再循環されもしくは排出口17にて排気される。
【0033】
図2を参照すると、フクナガの二重管式デバイス、例えば米国特許第4,265,235 号に記載されたデバイスが示されている。このデバイスは、T-字型の近位端子20、遠位端子30、可撓性内側チューブ40および可撓性外側チューブ50を含む。内側チューブ40の径は、外側チューブ50の径よりも小さく、環状空間41がこれらチューブ間に形成される。外側チューブ50の遠位端部51は、遠位端子30に接続されており、該端子は手段31を含み、該手段は内側チューブ40の遠位端部42が遠位端子30を越えて伸びるのを防止している。遠位端部42は、端子30および外側チューブ50に対して自由な状態にある。
【0034】
近位端子20の該T-字型ハウジングは、吸気口22、呼気口24および患者側連通口26を含む。内側チューブ40は、その近位端部において吸気口22と接続しており、また近位端子20を貫通し、かつ患者側連通口26から逸れる。実際に、吸気口22の患者側連通口26から離れた位置は、内側チューブ40の近位端部28を吸気口22に気密接続するのに望ましく、あるいは場合によっては、内側チューブ40の連続した長さは、吸気口22の近傍にまで、かつ外側チューブ50(外側チューブ50は、吸気口22との交叉部において、該吸気口を封止するように機能し、もしくは該吸気口と密に結合される)の遠位端部51にあるいはその近傍にまで、患者連通口26の遠位方向に伸びている。同様に、該内側チューブ40が吸気口22から、製造中にこれと結合した後に、はずされる危険性を減じるためには、外側チューブ50を、その近位端部52において患者側連通口26の外部壁29と結合し、かつその遠位端部51において遠位端子30と結合する。
【0035】
(新規近位端子)
図3を参照すると、新規且つ改善された近位端子60が図示され、該端子は二重管式デバイスで使用されている従来の近位端子を越える多くの驚嘆すべき利点を有している。第2図に示された近位端子20のように、3つの連通口をもつ代わりに、近位端子60は4つの連通口を有し、従来の人工的換気装置では実現不可能な利点並びに特徴を与える。近位端子60は、吸気口62をもつ剛性の単一のT-字型ハウジング、呼気口64、第一の呼吸口66、および第二の呼吸口68を含む。吸気口62は、大径の近位端部63から小径の遠位端部65への、段階的なテーパー部をもつが、該テーパー部は平滑で連続であるか、または他の形状をもつことができる。近位端部71と遠位端部72とをもつ内側導管70は、取り付け具74における吸気口62と、気密接続かつ結合される。好ましい態様において、内側導管70の外径部は、吸気口62の遠位端部65と、一体化するように気密結合される。一体式の環状壁75が吸気口62の遠位端部65を形成する。
【0036】
第一の呼吸口66および第二の呼吸口68は、軸線78の回りに、好ましくは内側導管70の軸線78と直交する、同一面内に同心状の開口をもつ同心状の連通口を形成する。第一の呼吸口66内で、軸方向に中心をもち、あるいは同心状態で示された、第二の呼吸口68は、軸線78に対して偏心していてもよい(但し、これは、少なくとも内側導管70の一部も同様に、軸線78に対して偏心していることを要求する)ことに注意すべきである。別の態様において、内側導管70が、僅かに第一の呼吸口66から、軸方向に外側に伸びていて、チューブと第二の呼吸口68との接続を一層容易にすることが可能である。場合により、フランジ76を、第二の呼吸口68および/または第一の呼吸口66に設けて、該フランジに取り付けることのできる、着脱式の環状取り付け具のネジ山またはフランジと嵌合することができる。
【0037】
可撓性の管を、圧嵌めまたは摩擦係合により、第一および第二の呼吸口と接続する場合には、該ハウジング60の壁を、十分に剛性のものとして、堅固な気密接続を可能とすべきである。該新規な近位端子は、例えば典型的に人工的換気装置との剛性結合において使用されているような、剛性のプラスチックで形成することができる。該新規な近位端子は多用途用に設計されているので、これは金属、例えばステンレススチール等で作成することもできる。該端子がプラスチック製(例えば、該UNIVERSAL FTM近位端子で使用されているように)である場合には、この端子は透明、半透明または不透明であり得る。該連通口またはその近傍における該近位端子のハウジングの壁に、十分な剛性を与えて、患者側呼吸導管チューブ等の導管、および該吸気および呼気口と接続されている導管との接続を可能とすることは、重要である。
【0038】
(新規なインターフェースを組み込んだ、新規な二重管式人工換気装置)
図4を参照すると、図3に示した本発明の新規な近位端子60を使用した補助換気装置の分解平面図が示されている。図4の態様には、インターフェース80のブロック図が示されている。近位端子60は、従来の二重管式デバイスのように、製造の際に可撓性呼吸導管と一体的に結合されるのではなく、寧ろ患者に導かれる可撓性の呼吸導管とは独立の部品として、製造並びに輸送されるものである。従って、これは一回の使用後に棄却または再度の滅菌処理を必要とせず、またインターフェース80等の単一の装置内に、単純化のために本明細書ではブロック図で示された、他の機能性のデバイス81、82、83および84と共に組み込むことができ、あるいはインターフェース80の前または後に配置することができる。この新規な近位端子60は、インターフェース80内に、並びに随意位置60A に、ブロックとして示してある。4つの機能的デバイス81-84 が、インターフェース80に組み込まれているが、この数以上またはそれ以下の機能性デバイスを使用することも可能である。
機能性デバイスは、容易に着脱できるモジュールであり得、従ってこの換気装置は、ユーザーの要求を満たすように容易に改良することができる。更に、近位端子60または60A の近位および遠位端部両者に、変えることのできる数の随意機能性デバイス、例えばデバイス85、86、87、88および89を、この装置に組み込むことができる。
【0039】
図4に示した態様において、同軸状の呼吸導管100(以下により詳細に説明する)は、その近位端部において、機能性デバイス85および86と接続されており、これらデバイスはまた生物学的フィルタ90に接続されている(そのもう一つの態様は、以下により詳しく記載する)。吸気および呼気ガスを、フィルタ90に通す必要があり、かくしてインターフェース80およびフィルタ90の近位に接続された他の装置部品が、導管100 により導かれる患者の呼気ガスによる汚染(感染)から隔離される。
【0040】
一態様においては、デバイス85および86は、O2制御装置(空気で希釈するための)およびCO2 制御装置(例えば、再呼吸分路孔)を備えていてもよい。呼吸バッグ(患者の搬送および/または蘇生中に有用である)を、フィルタ90の遠位または近位部分に接続することができる。デバイス81-84 、87-89 は、同様に制御および/または監視機能を果たすこともできる。例えば、モジュラー型のデバイスを取り付けて、酸素を酸素センサーにより追跡し、また空気希釈用のバルブでこれを調節することができ、二酸化炭素をカプノメーターにより追跡し、かつ再呼吸分路孔により制御することができ、麻酔ガスをセンサーにより追跡し、かつ麻酔装置により制御することができ、また温度および湿度を適当なデバイスで監視し、かつ人工鼻により制御することができる。
【0041】
(新規な患者用呼吸導管)
図5を参照すると、図3の近位端子と共に使用される、患者呼吸導管のもう一つの態様が図示されている。呼吸導管100 は可撓性内側チューブ110 と可撓性外側チューブ120 とからなり、これら両者は近位取り付け具130 と接続している。内側チューブ110 および外側チューブ120 は、その取り付け具130 との近位接続部において、間隔を開けた同軸状の関係に維持されている。取り付け具130は、半径方向のフランジ132 をもち、該フランジは剛性の内側パイプ134 を剛性の外側パイプ136 と接続しているが、これとは隔置された状態に維持している。場合により、ネジ山またはフランジを、内側パイプ134 および/または外側パイプ136 に設けて、第二の呼吸口68および/または第一の呼吸口66におけるネジ山またはフランジと嵌合することができ、あるいはフィルタデバイスとの接続を可能とし、また該デバイスも、順次第二の呼吸口68および/または第一の呼吸口66と接続している。
【0042】
外側チューブ120 の遠位端部122 は、剛性で環状の遠位端子124 と接続している。可撓性内側チューブ110 の遠位端部112 が、遠位端子124 または外側チューブ120 の遠位端部122 を越えて、軸方向に伸びることはない。可撓性内側チューブ110 の遠位端部112 は、場合により遠位端子124 または外側チューブ120 の遠位端部122 と接続することができ、あるいは自由であって、チューブ120 内で軸方向に移動できる。可撓性内側チューブ110 の遠位端部112 と可撓性外側チューブ120 の遠位端部122 との間の距離が、死腔138 を画成する。呼吸導管100 の一態様においては、変動する長さをもつ可撓性内側チューブ110 および/または可撓性外側チューブ120 を使用して、所定の容積まで該死腔のサイズを変える。もう一つの態様においては、外側チューブ120 は、調節可能な長さをもつチューブで作成され、従って該死腔は該外側チューブの軸方向の長さを伸縮させることにより、調節できる。該外側チューブは、透明または半透明材料から作成でき、また計量マークを該チューブ上に設けて、内側チューブ110 の遠位端部112 と該マークとを整列させることにより、死腔容積を測定することが可能である。
【0043】
好ましい態様において、可撓性チューブ110 および120 は、取り付け具130 に対して容易に着脱でき、また可撓性チューブ120 は、遠位端子124 から容易に着脱できる。一態様においては、可撓性チューブ110 を使用せず、従ってチューブ120 の全長が死腔を構成する。もう一つの態様において、チューブ110 および/またはチューブ120 は、インターフェースと直接接続しており、該インターフェースは近位端子60と組み合わされ、生物学的フィルタが、該近位端子とチューブ110 および120 との間に配置される。
【0044】
(新規な同軸状フィルタ)
図6を参照すると、新規な同軸状のフィルタデバイス140 の好ましい態様が示されており、これは二重管式デバイスで使用することができる。フィルタ140は、内側ハウジング150 および外側ハウジング160 を含む。内側ハウジング150は、フィルタチャンバー156 内の対向する開口と接続された、環状導管152 および154 で構成される。該チャンバーは、第一または第二フィルタ158 を含む。外側ハウジング160 は、フィルタチャンバー166 内の対向する開口と接続された、環状導管162 および164 で構成される。このチャンバーは、第二または外側フィルタ168 を含む。1以上の該環状導管の端部153 、155 、163 および165 において、フランジまたはネジ山を設けて、該フィルタを、他の環状取り付け具に、軸方向に揃った関係で取り付けることができる。
【0045】
好ましい一態様においては、フィルタデバイス140 は、図3の近位端子60等の近位端子と接続され、結果として内側の環状導管152 が該第二の呼吸口と密に接続され、かつ外側の環状導管162が該第一の呼吸口と気密接続される。好ましい一態様においては、吸気ガスは環状導管152 を通り、フィルタ158 を通過し、環状導管154 を出て、図5に示した呼吸導管100 等の呼吸導管に入り、患者まで導かれる。呼気ガスは、呼吸導管から出て、外側の環状導管164 と内側の環状導管154 との間の環状空間を通り、次いで該呼気ガスは、フィルタ168 を通って環状導管162 に入り、次に該近位端子に入り、該近位端子の該呼気連通口、例えば第3図の近位端子60内の連通口64から出てくる。このガス流動パターンは、必要ならば逆にすることができる。
【0046】
別の態様(図示せず)においては、フィルタ158 および168 は同一平面内に存在することができ、また該外側フィルタチャンバーの内壁から、該内側フィルタチャンバーの壁を通る、単一のフィルタディスクで構成することも可能である。更に別の態様においては、内側環状導管152 は軸方向に環状導管162の端部163から延びていてもよく、環状導管152 の伸長は、十分に長いものであって、従来の近位端子の該吸気口に達し、かつこれと気密接続する。該従来の近位端子は、本発明の新規な近位端子の該内側導管をもたない。該同軸状フィルタの利点の一つは、2つのフィルタデバイスではなく、単一のフィルタデバイスを使用していることにあり、そのため輸送、使用および棄却の際に場所をとらない。
【0047】
図5を参照すると、随意の環状延長部135 が分解図として示されており、また内側パイプ134 の端部137 と接続できる。延長部135 は、端部137 と接続した場合に、十分な長さをもっていて、従来の近位端子の該吸気口に達し、かつこれと気密接続する。該従来の近位端子は、本発明の新規な近位端子の該内側導管をもたない。
【0048】
好ましい一態様において、該患者側または呼吸導管は、22mm〜28mmの範囲内の径および100 cm〜1.5mの範囲内の長さをもつ可撓性チューブを含む。内側チューブを上記のチューブと共に使用した場合には、その径(即ち、D)は、好ましくは11mm〜15mmの範囲内にある。単一の環状呼吸導管を使用する場合、成人に対して使用する際には、径22mmが望ましく、小児用途に対しては、径15mmが望ましい。同軸状導管を使用する場合、径28mmの外側チューブおよび径15mmの内側チューブを使用することが好ましい。チューブ内の死腔の容積VD は、以下の関係式によって決定される:
VD = Π(D/2)2×L
ここで、Lは該死腔管の長さであり、またDは該外側導管チューブの径である。好ましい一態様において、該近位端子の該第一(外側)および第二(内側)呼吸口は、それぞれ該外側チューブおよび内側チューブの内径にほぼ等しい、内径を有する。同様に、該同軸状フィルタの該対向する端部における、該内側および外側導管は、好ましくはそれぞれ該外側および内側チューブの内径にほぼ等しい内径をもち、かつ該近位取り付け具の該内側および外側環状体は、好ましくはそれぞれ該外側および内側チューブの内径にほぼ等しい内径をもつ。
【0049】
かくして、本発明者は、新規な二重管式人工換気装置を説明してきたが、該装置は新規な患者側導管、新規な同軸状フィルタ、および新規な近位端子を含み、これらは新規な多機能インターフェースに組み込むことができる。これらの発明の種々の利点および特徴は、当業者には容易に理解されるであろう。非−限定的な例を挙げると、これらの新規なデバイスは、製造コストが低く、容易に使用でき、従来の装置に比して、広範な用途および構成をもち、これら新規なデバイスは、より多くの部品を再利用できるので、医療廃棄物の量を減じることができ、しかもこれらデバイスは、該患者側端子において必要とされる装備を減じたことに基づいて、安全に使用でき、しかもより一層多くの監視および制御が可能となる。
【0050】
(低酸素症および低炭酸ガス症を回避する人工的換気)
本発明の二重管式人工換気デバイスは、患者に人工的な換気を与えるのに理想的な装置であり、該患者において、低酸素症が回避され、一方で安全に低炭酸ガス症を回避し、もしくは中等度高炭酸ガス症状態をもたらすことさえ可能である。驚いたことに、正常な二酸化炭素濃度(炭酸ガス正常状態)または中等度高炭酸ガス症状態でさえも、ヒト被検者からの広範なデータにより立証されるように、低酸素症を引き起こすことなしに、安全に誘発しおよび/または患者内で維持することができることを見出した。これらデータは、この驚くべき発見を、また該二重管の死腔容積をどのように調節すれば、低酸素症を引き起こすことなしに、炭酸ガス正常状態または中等度高炭酸ガス症状態を達成できるかを、顕著に例証している。
【0051】
(実施例)
大きな一回換気量(VT > 10 ml/kg) および呼吸数(f > 10-12回/分)を使用する、伝統的な人工的過換気法は、必然的に動脈血中の二酸化炭素分圧(PaCO2) の顕著な低下をもたらし、即ち低炭酸ガス症を発症し、また重度の有害な副作用を招来する。
低炭酸ガス症の有害な作用としては、a)低炭酸ガス症が脳、心筋および内臓の血流を減らし、酸素解離曲線を左方にシフトし、酸素の該組織への放出を困難にしていることに起因する、重要臓器組織の虚血/低酸素症の発症、b)低炭酸ガス症は、心拍出量の低下を起こし、結果として酸素配送量(即ち、該組織への酸素の供給量およびその利用性)を減じ、c)低炭酸ガス症は、幾つかの組織、例えば皮膚等に重度の血管収縮を引起し、d)低炭酸ガス症は血液および組織に、生化学的な異常を引き起こす。例えば、嫌気性代謝は、血中の乳酸濃度を増大し、また血漿中の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム等)の濃度変化は、心不整脈、代謝性アシドーシス、テタニー等を引き起こす。
【0052】
そこで、麻酔中の患者で、換気装置の死腔(VD ) が、動脈血中の二酸化炭素分圧(PaCO2、“Pa"は“P a "と互換的に使用できる)および酸素圧(PaO2)に及ぼす影響を検討するための、研究を行った。施設の承認および患者の承諾を得た後、全体で301 名の、外科手術の予定が組まれた健康な(ASAクラスI)成人の患者について研究した(これら患者を、241 名の患者からなる研究1および60名の患者からなる研究2に分割した)。麻酔状態は、チオペンタールの催眠量の投与により誘発し、1mg/kg のサクシニルコリンを使用して、気管内(ET)挿管を容易にした。麻酔状態は、公知の炭酸ガス吸収手段を備えた、公知の循環式麻酔回路装置を使用して、酸素と60-70%の笑気、および0.5-1.0%のハロタン、または0.8-1.5%のエンフルランにより維持した。手術中の筋肉弛緩は、必要に応じて臭化パンクロニウムの間欠的な投与により達成した。
【0053】
患者の肺は、本研究中一定の換気条件設定に従って、伝統的な間欠的陽圧呼吸(IPPV)モードにて、機械的に換気した。一回換気量(VT =10 ml/kg)、呼吸数(f=10-12回/分)および吸気/呼気比(I:E比= 1:2)に維持した。VT はETチューブ部に設けられた、ライト(Wright)換気量計により測定した。吸気酸素濃度の割合(Fi O2=0.3-0.4) は、酸素分析計(日本国、リケン(Riken) のOX-160)により追跡した。呼気終末CO2 濃度は、赤外線CO2 分析計(日本国、アイカ(AIKA)の RAS-41)により追跡した。伝統的な換気モード(死腔なし、または10ml以下の患者外死腔)によって、心肺機能の安定化を図った後に、とう骨動脈から血液を採取し、コントロール値について、直ちに該血液サンプルの分析を、ABL2血中ガス分析計(コペンハーゲンのラジオメーター(Radiometer)社)を使用して実施した。コントロール値を得た後に、所定の死腔容積VDの160 、200 、350 、510 および550 (ml)から、一つまたは二つを無作為に選択し、該呼吸回路に組み込み、一方で同一の人工換気設定条件を30分間維持した。
その後、血中ガス濃度測定を、比較のために繰り返し、また統計的分析を行った。241 名の患者からなる研究Iの結果を、表1にまとめ(群A、60kg±17;群B、65kg±9および群C、90kg±8に分割した)、また60名の患者からなる研究IIの結果を図7ないし図10に与えた。
【0054】
表1の結果は、装置死腔をもたないIPPVを使用する、該伝統的なモードの人工的な換気は、必然的に動脈血中の二酸化炭素分圧(PaCO2) 即ち低炭酸ガス症の顕著な減少をもたらすことを立証している。死腔の付加VD =160-200ml、VD =350mlおよびVD =550mlは、群A、BおよびCの患者の何れにおいても、実質的なPaO2の減少、即ち低酸素症を示すことなしに、それぞれ炭酸ガス正常状態および中等度高炭酸ガス症レベルまで、該PaCO2 を有意に増大した。研究IIは、種々の死腔容積を使用した人工換気中に、60名の患者(120サンプル)から得た、該血液ガスデータの数学的な回帰分析を示す。即ち、該呼吸回路内での所定容積の死腔の設定が、図7ないし図10および表1に示したように、人工換気中に、低酸素症を引き起こすことなしに、PaCO2 の値を有意に調節できることを立証している。炭酸ガス正常状態レベルの維持が、麻酔中の患者および/または人工的な換気中の、例えばICU 治療中の患者にとってはきわめて望ましく、また有利である可能性がある。
【0055】
表1:装置死腔の存在下または不在下での、人工的な換気中の、241 名の麻酔下の患者(318サンプル)から得た、動脈血液ガスデータ(研究I)
【0056】
図7は、患者の体重1キログラム当たりのミリリットル単位(ml/kg、または体重1kg当たりの立方センチメートル,cc3/kg) で測定した死腔容積VD と、患者の動脈血中二酸化炭素圧PaCO2(mmHg単位で測定)における観測された結果との間の関係をグラフで示したものであり、線形回帰分析曲線をも含み、該分析は0.671 なる相間係数rを与え、またPaCO2 の変化に関する予想された値は、2.621とVD との積に1.766 を加えた値、即ち
ΔPaCO2(mmHg) = (2.621VD (ml/kg)) + 1.766
に等しい。このことは、PaCO2 の変動(Δ)が、VD の関数として(VD が患者の体重1kg当たり0〜8mlまたはcc3/kgである場合) 、容易に予測できることを意味する。
【0057】
図8は、VD が約0〜8 ml/kgの範囲で変動した場合の、PaO2の独立性をグラフ表示した図であり、テストした範囲内の2つの変数間に、有意な相間がない(rは僅かに0.074)ことを示す線形回帰分析曲線を含む。かくして、死腔容積がPaCO2 を15mmHgだけ増大するのに十分に大きい場合(図7参照)においてさえ、PaO2における有意な減少は観測されない。
図9は、PaCO2 が0〜25mmHgの範囲内で変動した場合の、PaCO2 およびPaO2の変化の独立性をグラフ表示した図であり、0.153 なる相間係数rを有する、線形回帰分析曲線を含み、このことはPaCO2 の0〜25mmHgの範囲内での増加が、PaO2に対して有意な影響をきたさないことを示している。
【0058】
図10に示した表は、研究IIに関する図7のグラフに示されたデータから得た結果である。
かくして、本発明の人工的換気方法は、患者外の該死腔容積を増大させて、低酸素症を回避しつつ、炭酸ガス正常状態または中等度高炭酸ガス症状態を誘発および/または維持する。本発明を任意の特定の動作理論に制限するつもりはないが、例えば上部気道(即ち、鼻、口、喉頭腔)、気管および気管支樹状構造により形成されるものを包含する、患者の気導呼吸器官に存在する解剖学的な死腔、少なくとも部分的に気管内挿管デバイスにより減少される。このように、該解剖学的な死腔からの再呼吸量が減じられる。更に、従来技術における低酸素症および無気肺を回避するために、吸気酸素を高圧にて、大きな一回換気量でかつ高い呼吸数で供給し、結果として過換気および動脈血中の二酸化炭素濃度の大幅な低下をもたらす。
【0059】
好ましい一態様においては、二重管式患者側呼吸導管内の該死腔容積を、少なくとも10ml(cc3) 、あるいは別の態様では、少なくとも30mlに調節し、またこれを150 mlまたはそれ以上に調節することもできる。使用した該二重管式患者呼吸導管は、本明細書に記載した何れかの導管またはこれらに改良を施した導管であり得る。本明細書に記載したデバイスは、上記の人工的な換気方法に対して使用することが好ましいが、十分な酸素が供給されている限り、高い二酸化炭素濃度が必ずしも低酸素症を発症しないという発見は、低炭酸ガス症または低酸素症を生ずることなしに、人工的な換気を行う他のデバイスの使用を可能とすることも示している。
【0060】
例えば、外部源からの二酸化炭素を、該吸気ガスと併合することができ、また追加の二酸化炭素ガスを患者に供給する、従来の二本管を使用する装置を使用することも可能である。例えば、図11を参照すると、Y-字型の取り付け具180 が示されており、これは吸気連通口182 、排気連通口184 および呼吸連通口186 を有する。取り付け具180 は、その遠位端部において、フィルタデバイス190 と接続している。一方向性バルブ(図示せず)が、連通口182 および184の近傍にあり、間欠的な陽圧呼吸を保証している。可撓性チューブ200 が、その近位端部202 においてフィルタデバイス190 の遠位端部と接続している。かくして、フィルタデバイス190 とチューブ200 の全内部容積が、死腔として機能する。チューブ200 の長さおよび径は、所定の死腔を形成するように選択できる。
【0061】
このように、低酸素症および低炭酸ガス症を回避する、本発明の補助換気方法は、幾つかの例においては、旧来の補助換気装置によっても達成可能であるが、この場合にも、依然として吸気および呼気ガス用に、単一のチューブを使用するという利点を有している。チューブ200 およびフィルタデバイス190 は、一緒に気密接続することができ、あるいは着脱可能な部品として容易に分離することもできる。チューブ200 は、規定の死腔容積を得るために、一定の径をもつ変動する長さのチューブであり得、またチューブ200 は軸方向に調節可能な長さをもつことができ、またその対向する端部に計量用のマークを付すことができ、該マークの遠位および近位間の予め計算された間隔が、所定の死腔容積を与える(一態様においては、遠位計量マークは、該包囲する可撓性のヒダ付きチューブが軸方向に伸長された際にのみ見ることができ、また該包囲するチューブのヒダが重なりあって軸方向に収縮した状態にある場合には、読み取ることはできない)。
【0062】
好ましい一態様においては、十分な人工的な換気を哺乳動物(例えばヒト)に施して、低酸素症を回避し、一方で該哺乳動物の呼気ガスの十分な量を再呼吸させて、該哺乳動物の動脈血中二酸化炭素分圧を、約35mmHg〜約95mmHgの範囲内の値とし、またもう一つの態様においては、該哺乳動物の動脈血中二酸化炭素分圧を、約35mmHg〜約45mmHgの範囲(即ち、炭酸ガス正常状態)に維持する。
【0063】
以上、本発明の好ましい態様について、添付図および上記説明において詳細に例証し、かつ説明してきたが、これらは本発明を例示するものであり、何等限定するものではないと理解すべきである。例えば、円形断面をもつチューブを使用したが、種々の断面形状をもつ環状導管も使用でき、また同軸状チューブの内側チューブは、その外側チューブ内で、軸方向に中心が揃っていても揃っていなくてもよく、あるいは該内側チューブの一部のみが、該外側チューブ内で軸方向に整合した中心をもち、一方他の部分は偏心していてもよい、ことが予想される。本発明では、該近位端子が、2以上の貫通する導管をもつことができ、該導管は2以上の内腔を有する可撓性呼吸導管と接続できることをも意図している。従って、好ましい態様のみがここに提示され、かつ説明されているのであり、また本発明の精神の範囲内に入るあらゆる変更並びに改良について、保護を望むものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、二重管構造の吸気および呼気ガス導管を使用した、従来の補助換気装置の平面図および部分断面図である。
【図2】図2は、米国特許第4,265,235 号に記載されている、フクナガの二重管構造の吸気および呼気ガス導管および近位端子の断面図である。
【図3】図3は、本発明の新規な近位端子の断面斜視図であり、該端子は第二の呼吸口と接続した内側導管を含む。
【図4】図4は、本発明による、随意構成を含む補助換気装置の分解平面図であり、これはインターフェースおよび患者呼吸導管を含む。
【図5】図5は、図4に示したような、本発明による補助換気装置で使用するための、患者側の着脱式同軸状呼吸導管の一態様に係わる、場合により近位での伸長を含む、断面図である。
【図6】図6は、本発明による補助換気装置で使用するための、同軸状フィルタデバイスの一態様の、部分断面斜視図である。
【図7】図7は、死腔容積VD と患者動脈血中の二酸化炭素分圧Pa CO2 との間の関連性を、グラフで表示したものであり、0.671 なる相間係数rおよびVD と2.621との積に1.766 を加算したものに等しい、Pa CO2 の変化に関する予想値を与える、線形回帰分析曲線をを含み、このグラフは該Pa CO2 の変化が、(VD が0〜8 ml/kgまたはcc3/kgの範囲内にある場合に)VD の関数として高信頼度で予想できることを示している。
【図8】図8は、VD が0〜8 ml/kgの範囲内で変動した際の、Pa O2の独立性をグラフ表示した図であり、テストした範囲内におけるこれら2つの変数間には、有意な相間がないことを示す、線形回帰分析曲線を含む。
【図9】図9は、Pa CO2 が0〜25mmHgの範囲内で変動した際の、Pa CO2 およびPa O2の変動における独立性をグラフで示す図であり、0.153 なる相間係数rをもつ線形回帰分析曲線を含み、従ってPa CO2 の0〜25mmHgの範囲内での増加は、Pa O2には何の有意な作用をもたないことを示している。
【図10】図10は、再呼吸回路装置の死腔との関連で、動脈血中の二酸化炭素分圧の増加を評価した表である。
【図11】図11は、従来技術の二本管呼吸回路の患者例取り付け具(Y型コネクター)に単一フィルタを介して一本管呼吸導管に接続された補助呼吸回路装置の平面図である。
Claims (5)
- 患者に吸気ガスを供給し、患者からの排出ガスを受け取る呼吸デバイスであって、
遠位端部と近位端部とを有する呼吸導管、及び、
近位端部と遠位端部とを有する近位端子、
を備え、
前記呼吸導管の前記遠位端部は、取外し可能に患者に接続でき、
前記呼吸導管は、該呼吸導管を前記近位端子に取外し可能に接続するための取り付け具を前記近位端部に備えており、
前記近位端子は、相互に独立した第一及び第二流路を有し、
前記第一及び第二流路の各々は、その遠位端部が前記近位端子の前記遠位端部に位置しており、
前記第一及び第二流路の各々における前記遠位端部は、前記呼吸導管の前記取り付け具により該呼吸導管が前記近位端子に取り付けられるとき、前記呼吸導管の前記近位端部に同時に接続されるようになっており、
前記近位端子における前記第一流路の近位端部は吸気ガス源の入口と接続でき、
前記第二流路の近位端部は排気出口と接続できる、
ことを特徴とする呼吸デバイス。 - 前記呼吸導管が相互に独立した第三の流路及び第四の流路を備える二重管構造であり、前記第三の流路及び第四の流路の各々は遠位端部及び近位端部を有し、前記呼吸導管が前記取り付け具により前記近位端子に接続されるとき、前記第三流路の前記近位端部が前記近位端子における前記第一流路の前記遠位端部と、前記第四流路の前記近位端部が前記近位端子における前記第二流路の前記遠位端部とそれぞれ流体接続関係になって、前記第三流路が前記近位端子を介して前記吸気ガス源に接続され、前記第四流路が前記近位端子を介して前記排気出口と接続されるようになった請求項1に記載の呼吸デバイス。
- 前記第一流路及び該第二流路が、その遠位端部において合流して共通の流路を形成し、該共通の流路が前記該呼吸導管に流体接続関係に接続できるようになった請求項1記載の呼吸デバイス。
- 前記第一流路及び該第二流路が前記近位端子の前記遠位端部において同軸状に配置され、前記第三及び第四流路が同軸チューブにより構成された請求項2記載の呼吸デバイス。
- 患者に吸気ガスを供給し患者からの排出ガスを受け取る二腔管構造の呼吸導管と、近位端子とを含み、
前記近位端子は、該近位端子の遠位端部に位置する相互に独立した吸気流路及び排気流路を有し、
前記近位端子の前記吸気流路が吸気ガス源と接続でき、
前記近位端子の前記排気流路が排気出口に接続され、
前記呼吸導管は相互に独立した第一の通路及び第二の通路を含み、
前記呼吸導管は遠位端部及び近位端部を有し、該呼吸導管の該遠位端部は、取外し可能に患者に接続でき、該呼吸導管は、該呼吸導管を前記近位端子に取外し可能に取り付けるための取り付け具を前記近位端部に備え、
前記呼吸導管が前記取り付け具により前記近位端子に取り付けられた状態で、前記第一通路が前記吸気流路と流体接続状態になり、前記第二通路が前記排気流路と流体接続状態になって、前記第一通路が前記近位端子を介して前記吸気ガス源と接続され、前記第二通路が前記近位端子を介して前記排気ガス出口と接続される、
ことを特徴とする呼吸デバイス。
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