JP3696700B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ピストンヘッド底壁面から下方へ延びる長円状の外周壁を具備し、該外周壁内にコンロッド先端部を受け入れる空間を形成すると共に、該外周壁にピストンピン挿入用の孔を設けた内燃機関のピストンが知られている。また、軽量化の要求に応えた内燃機関のピストンが、例えば実開平6−49742号公報に開示されている。ここでは、ピストンピン挿入用の孔の両側に更に孔を設けることにより軽量化を図っている。即ち、上記ピストンは、ピストンピン挿入用孔を形成する一対のピンボス部と、ピストンピン挿入用孔の中央軸線に関して対称に互いに反対側に位置する円弧状の外壁面を有する一対の側壁とをピストンヘッド底壁面に具備し、更に、上記ピンボス部の下部から両外周壁まで延びる補強用橋絡壁を備える構造となっている。ピストンは機関本体のシリンダ内で摺動するときにシリンダ内壁面から押圧力を受けるが、上記ピストンでは、両外周壁まで延びる補強用橋絡壁を備えているため、上記押圧力に耐えられる外周壁強度が確保されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ピストンにおいても軽量化のために更なる改善の余地がある。本発明の目的は、ピストン強度を確保しつつ軽量化された内燃機関のピストンを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、ピストンピン孔を形成する一対のピンボス部と、前記ピストンピン孔に関して互いに反対側に位置する一対の側壁とをピストンヘッド底壁面に具備する内燃機関のピストンにおいて、機関爆発行程時に機関本体のシリンダ壁面から受ける押圧力が大きいほうの側壁とピンボス部下部とを橋絡する補強用橋絡壁を形成し、機関爆発行程時に機関本体のシリンダ壁面から受ける押圧力が小さいほうの側壁とピンボス部下部との間には補強用橋絡壁を形成せずに該補強用橋絡壁が設けられていないピンボス部下部の外周面を上記ピストンピン孔の中心に関して略円筒状の側壁とすると共に、前記押圧力が小さいほうの側壁の内壁面にピストンヘッド底壁面から該側壁の下部まで延びるリブを設けた。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。図1は機関爆発行程時における本発明のピストンを示している。図1において、10は本発明のピストン、12はピストン10に連結されるコンロッド、14は機関本体、16は機関本体14に形成され且つピストン10およびコンロッド12を収容するシリンダ、18は吸気ポート、20は吸気ポート18に配置された吸気弁、22は排気ポート、24は排気ポート22に配置された排気弁である。
図2は本発明のピストン10の底面図であり、図3は図2の線A−Aに沿った断面図である。本発明のピストン10はピストンヘッド底壁面26から下方へ延びる一対のピンボス部28を有する。これらピンボス部28はピストンヘッド30の中央鉛直平面P2に関して対称に互いに反対側に位置する。ピンボス部28はピストンピン孔用開口32を有し、上記中央鉛直平面P2に対し垂直方向にピストンピン孔34を形成する。また、本発明のピストン10はピストンヘッド30の周縁底壁面から下方へ延びる円弧状の外壁面を有する一対の側壁36、38を有する。これら側壁36、38はピストンピン孔34の中央軸線に関して対称に互いに反対側に位置し、機関運転時に機関のシリンダ16内で摺動する。更に、ピストン10は、各ピンボス部28の下部から各ピンボス部28に対応した一方の側壁36の部分まで延びる補強用橋絡壁40を有する。即ち、補強用橋絡壁40はピンボス部28の下部と一方の側壁(以下、橋絡側壁)36とを橋絡する。他方の側壁(以下、リブ側壁)38の内壁面には補強用のリブ42が設けられる。リブ側壁38に対面する、即ち、補強用橋絡壁40が設けられていないピンボス部28下部の外周面44は、ピストンピン孔用開口32の中心に関して円筒状の壁面とされている。言い換えれば、本発明によれば、ピストンヘッド底壁面26から下方へ延びる長円状の外周壁にピストンピン孔34を形成し、該ピストンピン孔34に隣接した外周壁部分のうち一方の側の外周壁部分を補強用橋絡壁40を残しつつくり抜き、他方の側の外周壁部分を補強用橋絡壁を残さずにくり抜く。更に、ピストンピン孔34を画定する外周壁部分のうち補強用橋絡壁が形成されていない外周壁部分の下部の外周面を滑らかな面、即ち、ピストンピン孔34の中心軸線に関して円筒状の壁面とする。尚、図2において、46は、ピンボス部28およびピストンヘッド30に潤滑油を導入するための複数のオイル孔である。
図4は図2の線B−Bに沿った断面図である。ピストンヘッド30に対して凹となる略円弧状の側壁補強用のリブ42がリブ側壁38の内壁面に所定厚さで設けられる。上記リブ42はピストンヘッド底壁面26とリブ側壁38との連結部の両端からリブ側壁38の下方中央部まで延在する。本発明に従ってリブ側壁にリブを設ける場合、強度が比較的高いピストンヘッドとリブ側壁との連結部にリブの両端部を連結し、リブ側壁においてシリンダ内壁面から最も押圧力がかかる部分にリブの少なくとも一部を通すことが重要である。従って、本実施形態のように半円弧状以外にも、V字やU字状のものも可能である。しかしながら、軽量化のために最短距離で、最も押圧力がかかる部分付近に多く存在し、湾曲半径が小さい部分がないリブとしては本実施形態のような半円弧形状のものが好ましい。
【0006】
次に、本発明の作用について説明する。上述したように、図1は機関爆発行程時におけるピストン10を示し、図5は機関圧縮行程時におけるピストン10を示している。本発明のピストン10は、クランクピンが爆発上死点または吸気上死点から回転移動したときにクランク軸を含む平面P1に関して橋絡側壁がクランクピンの反対側に位置するように配置される。図1に示した機関爆発行程時では、シリンダ内の爆発によりピストンヘッドにその軸線方向の力がかかる。しかしながら、この力を受けるコンロッドがクランク軸の回転に伴いピストンヘッド軸線に対し傾くため、上記力はコンロッドの長手軸線方向の力とピストンヘッド軸線に対し垂直な方向の力とに分割される。従って、橋絡側壁36にはシリンダ内壁面48からの反力として押圧力がかかる。それとは逆に、図2に示した機関排気行程時には、リブ側壁38にシリンダ内壁面48から押圧力がかかる。各機関運転行程におけるこれら橋絡側壁36とリブ側壁38とにかかる押圧力を図6に示した。図6の実線は橋絡側壁36にかかる押圧力、点線はリブ側壁38にかかる押圧力を示す。橋絡側壁36には吸気行程および爆発行程において押圧力がかかり、リブ側壁38には圧縮行程および排気行程において押圧力がかかる。図6に示すように、これら橋絡側壁36およびリブ側壁38にかかる押圧力は等しくなく、機関爆発行程において橋絡側壁36にかかる押圧力が最も大きい。即ち、橋絡側壁36は、機関爆発行程時における機関本体のシリンダ壁面からの大きいほうの押圧力を受けるように配置されている。本発明では、最も大きな押圧力がかかる橋絡側壁36とピンボス部28下部との間に補強用橋絡壁40を設けているため、橋絡側壁36の強度は上記大きな押圧力に耐えられるようになっている。一方、受ける押圧力が比較的小さいリブ側壁38には補強用橋絡壁40を設けないことにより、ピストン10の軽量化を図っている。また、小さな押圧力に対するリブ側壁38の補強としてリブ側壁38にリブ42を設けている。しかしながら、リブ側壁が受ける押圧力やピストン自体の構造によってはリブを設けなくてもよい。
【0007】
また、機関運転時にピストン10がシリンダ16内において上下に摺動するとき、ピストンピン50からピンボス部28に力がかかる。本発明では、補強用橋絡壁40が形成されていないピンボス部28下部の外周面44をピストンピン孔34の中心に関して円筒状の壁面としている。一般的に、部材に湾曲半径が小さな部分があるとその部分に応力が集中し、破損する原因となる。しかしながら、本発明では、ピンボス部下部の外周面に突起部や凹み等の壁面の湾曲半径が小さな部分がないため、ピンボス部下部に応力集中することが抑制される。
更に、本願では、橋絡側壁に補強用橋絡壁が設けられているため、クランク軸を含む平面P1の橋絡側壁側のピストン部分の重量がリブ側壁側のピストン部分の重量よりも重い。爆発上死点においてピストンが平面P1に関して全くの対称であり且つコンロッドの長手軸線が平面P1上にあると、爆発力がクランク軸を回転する方向に作用しないため、ピストンが上死点から下降しずらいが、本願の上記構成により、ピストンヘッドに対する爆発力の影響が平面P1の左右で異なるため、ピストンが爆発上死点から下降し易くなる。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、機関爆発行程時に機関本体のシリンダ壁面から受ける押圧力が小さいほうの側壁の内壁面にピストンヘッド底壁面から該側壁の下部まで延びるリブが設けられているので、ピストンに付加される重量を最小限に抑えつつ側壁の強度を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機関爆発行程時における本発明のピストンを示した機関断面図である。
【図2】本発明のピストンの底面図である。
【図3】図2のA−Aに沿ったピストンの断面図である。
【図4】図2のB−Bに沿ったピストンの断面図である。
【図5】機関圧縮行程時における本発明のピストンを示した機関断面図である。
【図6】各機関行程において側壁が受ける押圧力を示した図である。
【符号の説明】
10…ピストン
14…機関本体
26…ピストンヘッド底壁面
28…ピンボス部
30…ピストンヘッド
34…ピストンピン孔
36…橋絡側壁
38…リブ側壁
40…補強用橋絡壁
42…リブ
44…ピンボス部下部の外周面
Claims (1)
- ピストンピン孔を形成する一対のピンボス部と、前記ピストンピン孔に関して互いに反対側に位置する一対の側壁とをピストンヘッド底壁面に具備する内燃機関のピストンにおいて、機関爆発行程時に機関本体のシリンダ壁面から受ける押圧力が大きいほうの側壁とピンボス部下部とを橋絡する補強用橋絡壁を形成し、機関爆発行程時に機関本体のシリンダ壁面から受ける押圧力が小さいほうの側壁とピンボス部下部との間には補強用橋絡壁を形成せずに該補強用橋絡壁が設けられていないピンボス部下部の外周面を上記ピストンピン孔の中心に関して略円筒状の側壁とすると共に、前記押圧力が小さいほうの側壁の内壁面にピストンヘッド底壁面から該側壁の下部まで延びるリブを設けたことを特徴とする内燃機関のピストン。
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Publications (2)
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- 1996-09-03 JP JP23312396A patent/JP3696700B2/ja not_active Expired - Fee Related
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