JP3696641B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、バーナへの燃料の供給を行う燃料供給路に設けた制御弁を、電動モータの回転によって開閉する燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガスの燃焼によって風呂の追焚を行うガス追焚装置では、ガスの供給路に安全弁と制御弁とを直列に配置し、安全弁と制御弁の両方を開くことで、バーナにガスの供給を行っている。
燃焼装置では、電磁コイルが発生する電磁力によって安全弁を開弁保持するとともに、電動モータの回転を用いて制御弁を開閉するものがある。制御弁は、具体的に、電動モータの回転トルクを複数のギアを用いて増幅し、トルクが増大した回転力によってカムを回転駆動し、さらにカムの変移によってプッシュロッドを押圧操作して制御弁の弁体を駆動し、ガス供給路の開閉を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、電動モータを用いて制御弁を開閉制御する場合に、電動モータの故障、電動モータの被水、リード線の断線、リード線の接続ソケットの外れ等により、制御弁が開弁しない、あるいは閉弁しないなどの不具合が発生する可能性がある。
そして、電動モータの作動不良が生じた際に、制御弁が開弁状態のままで電動モータを停止すると、例えば、安全弁への通電を停止することによりガス供給路を安全弁で閉弁できるものの、安全性が低下してしまう。また、電動モータが正常であっても、制御弁の開閉状態を検出する検出スイッチが故障して、制御弁を閉弁させることができない場合もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電動モータや検出スイッチ等に作動不良が発生した場合であっても、高い安全性を確保できる燃焼装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃焼装置は、上記の目的を達成するために、次の技術的手段を採用した。
〔請求項1の手段〕
燃焼装置は、
(a)燃料の燃焼を行うバーナと、
(b)このバーナへ燃料の供給を行う燃料供給路と、
(c)電動モータの回転に応じて前記燃料供給路の開閉を行う制御弁と、
(d)前記電動モータの回転を検出する検出スイッチと、
(e)この検出スイッチの信号を基に、前記電動モータの通電制御を行う制御回路とを備える。
【0006】
そして、前記制御回路は、
(e−1)前記電動モータを作動させるように指示した際、所定の検出時間内に前記検出スイッチの作動状態が変化しない場合に、前記電動モータの作動指示を停止する異常検出手段と、
(e−2)この異常検出手段による前記電動モータの作動指示の停止後において所定の待機時間の経過後に、前記電動モータを再び作動させるように指示するリトライ手段と、
(e−3)このリトライ手段によって前記電動モータを再動させた際、前記検出時間内に前記検出スイッチの作動状態が変化した場合に、前記制御弁によって前記燃料供給路を閉じる閉弁手段とを備える。
【0007】
〔請求項2の手段〕
請求項1の燃焼装置において、
前記閉弁手段は、前記異常検出手段による前記電動モータの作動指示の停止後で、かつ前記待機時間の経過前に、前記検出スイッチの作動状態が変化した場合、前記電動モータを再び作動させて前記制御弁によって前記燃料供給路を閉じることを特徴とする。
【0008】
〔請求項3の手段〕
請求項1または請求項2の燃焼装置において、
前記電動モータおよび前記制御回路は、乾電池の電力によって作動する
ことを特徴とする。
【0009】
〔請求項4の手段〕
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃焼装置において、
前記バーナは、風呂の追焚を行う追焚用熱交換器を加熱する
ことを特徴とする。
【0010】
【作用および発明の効果】
〔請求項1の作用および効果〕
制御回路が電動モータを作動させるように指示した場合で、所定の検出時間内に検出スイッチによって制御弁の開閉状態の変化が検出できない場合は、異常検出手段が、電動モータ等に異常が生じたと判断し、電動モータの作動を停止する。
電動モータの停止後、待機時間が経過すると、リトライ手段が電動モータを再び作動させるように指示を与える。
リトライ手段によって電動モータを作動させるように指示した後、所定の検出時間内に検出スイッチによって制御弁の開閉状態の変化を検出した場合(例えば、電動モータの被水が蒸発した場合など)は、閉弁手段によって制御弁を閉弁し、燃料供給路を遮断する。
【0011】
このように、電動モータ等の異常を検出しても、待機時間の経過後に、再度電動モータの作動を試みることにより、電動モータの停止後において電動モータの作動可能になった場合に制御弁を閉弁でき、結果的に燃焼装置の安全性を高めることができる。
【0012】
〔請求項2の作用および効果〕
請求項2を採用することにより、電動モータ等の異常検出後、待機時間が経過する前に、検出スイッチの作動状態が変化した場合(接続ソケットの結合、検出スイッチの断線の解除等)は、閉弁手段によって制御弁を閉弁し、燃料供給路を遮断する。
【0013】
このように、断線解除を行った場合など、直ぐに電動モータが作動するため、使い勝手に優れるとともに、燃焼装置の信頼感が高まる。
【0014】
〔請求項3の作用および効果〕
請求項3を採用することにより、電源にかかるコストを低く抑えることができる。このため、高い安全性の燃焼装置を低いコストで提供できる。
また、電動モータ等が異常になった場合に、待機時間に亘って電動モータの作動を停止するため、乾電池の消費電力を抑えることができ、乾電池の寿命を長く延ばすことができる。
【0015】
〔請求項4の作用および効果〕
請求項4を採用することにより、電動モータによって制御弁を駆動する追焚装置の安全性を高く確保できる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の燃焼装置を、風呂のガス追焚装置に適用した実施例に基づき図面を参照して説明する。
〔実施例の構成〕
図1ないし図5は実施例を示すもので、図1はガス追焚装置の概略構成図である。
ガス追焚装置10は、大別して、ガス(燃料)の燃焼を行って浴槽(図示しない)内の水または湯を加熱する燃焼器11、この燃焼器11にガスの供給を行うガス供給手段12、およびこれらを作動させる制御回路13を備え、以下順に説明する。
【0017】
(燃焼器11の説明)
燃焼器11は、パイロットバーナ14、複数のメインバーナ15、追焚用熱交換器16、排気筒17から構成される。
パイロットバーナ14および複数のメインバーナ15は並設されるもので、ガス供給手段12から供給されたガスを多数の噴出孔から吹出し、周囲の空気によってガスの燃焼を行うブンゼンバーナである。また、パイロットバーナ14は燃焼量がやや小さく設けられ、メインバーナ15は燃焼量が大きく設けられている。
なお、パイロットバーナ14は、メインバーナ15より先に着火し、メインバーナ15に火移りさせるバーナで、パイロットバーナ14の近傍には、パイロットバーナ14への着火を行う点火プラグ18と、パイロットバーナ14の着火状態を検出するためのサーモカップル19とが設けられている。
【0018】
追焚用熱交換器16は、パイロットバーナ14およびメインバーナ15によるガス燃焼による熱と、浴槽内の水(湯)との熱交換を行って、浴槽内の水(湯)を加熱する手段で、浴槽に接続されて浴槽内の水(湯)が導かれる配管21と、熱交換効率を高めるフィン22とから構成されている。
なお、追焚用熱交換器16の配管21には、空炊きを検出する空炊き検出センサ23が取り付けられている。この空炊き検出センサ23は、配管21の温度により作動するバイメタルスイッチで、配管21の温度が所定以上に達した際にONまたはOFF して空炊きを検出するものである。
【0019】
排気筒17は、追焚用熱交換器16を通過した排気ガスを収集して、屋外に排出する筒で、排出側の端部に逆風による燃焼の悪化を緩和するためのバフラ24が取り付けられている。
なお、バフラ24の内側には第1排気サーミスタ25が取り付けられ、またバフラ24の下方には第2排気サーミスタ26が取り付けられており、第1、第2排気サーミスタ25、26の検出温度によって風による影響を検出するように設けられている。
【0020】
(ガス供給手段12の説明)
ガス供給手段12は、ガス供給路31、電磁弁32、パイロットバルブ33、メインバルブ34、ガバナ弁35から構成される。
ガス供給路31は、一端にガスの供給を受けるガスホースまたはガス管(図示しない)が接続されるホースエンド36を備える。そして、ホースエンド36から供給されるガスは、電磁弁32を介してパイロットバルブ33およびメインバルブ34に供給される。そして、ガス供給路31は、パイロットバルブ33を通過してパイロットバーナ14にガスを供給する流路径の小さいパイロット通路37と、メインバルブ34を通過してメインバーナ15にガスを供給する流路径の大きいメイン通路38とに分岐するように設けられている。なお、ガバナ弁35は、メイン通路38を流れるガスの圧力を一定に保つものである。
【0021】
電磁弁32は、ガス供給路31の上流側に設けられた安全弁である。この電磁弁32は、常閉タイプのもので、図2に示すように、バネ41によってガス供給路31を閉じる弁体42と、この弁体42を開弁させる電磁コイル43とから構成される。この電磁コイル43は、作動開始時のみに通電されて大きな電磁力を発生し、弁体42に設けられた磁性体製アーマチュア42aを鉄心43cに吸引して弁体42を開弁させる吸引コイル43aと、作動中常に通電されてアーマチュア42aを鉄心43cに着磁した状態に保ち、弁体42を開弁状態に保つ保持コイル43bとから構成される。
【0022】
パイロットバルブ33およびメインバルブ34は、ともに本発明の制御弁に相当するもので、パイロットバルブ33は、図2に示すように、バネ44によってパイロット通路37を閉じる弁体45と、この弁体45を開弁させるパイロット開弁機構46とから構成される。
【0023】
このパイロット開弁機構46は、ギヤドモータ47、カム48、プッシュロッド49から構成される。
ギヤドモータ47は、電動モータ51の発生する回転力を複数のギヤを用いたギヤ列52によってシャフト53を回転駆動するもので、ギヤ列52によって電動モータ51の発生する回転数を抑え、発生トルクを増大させるように設けられている。なお、カム48を含むシャフト53は、ギヤドモータ47によって、360°回転するように設けられている。
【0024】
カム48は、シャフト53と一体回転するように設けられており、シャフト53の回転位置に応じて、プッシュロッド49の変移位置を変化させるものである。
プッシュロッド49は、パイロットバルブ33の弁体45を直接変移させるもので、カム48によってプッシュロッド49が図2の下方へ変移することにより、弁体45がパイロット通路37を開弁するように設けられている。
なお、カム48がギヤドモータ47によって360°回転駆動される際、プッシュロッド49は、カム48の回転に伴い、図3の実線Aに示すように変移する。
【0025】
一方、メインバルブ34は、図2に示すように、バネ54によってメイン通路38を閉じる弁体55と、プッシュロッド49の変移位置に応じて弁体55を開弁させるメイン開弁機構56とから構成される。
このメイン開弁機構56は、プッシュロッド49に取り付けられた押圧桿57と、弁体55に取り付けられた受圧筒58とから構成される。この受圧筒58は、ガス供給路31内に固定された固定筒59の周囲に摺動自在に嵌め合わされたもので、周囲に押圧桿57によって押圧される環状リブ58aを備える。この環状リブ58aは、押圧桿57が図2の下方へ所定量変移した後に、押圧桿57に当接するように設けられている。
【0026】
このため、プッシュロッド49の押圧量が少ない場合(例えば、カム48の回転角が100°程)は、パイロットバルブ33→開、メインバルブ34→閉となるが、プッシュロッド49の押圧量が増加すると、(例えば、カム48の回転角が260°程)は、パイロットバルブ33→開、メインバルブ34→開となる(図3の実線B、C参照)。なお、カム48の回転角が所定角以上(例えば295°以上)になると、カム48によるプッシュロッド49の押圧力が解除され、バネ44、54の作用でパイロットバルブ33→閉、メインバルブ34→閉となる。
【0027】
一方、ギヤドモータ47には、カム48の回転位置(ギヤドモータ47の回転状態)、つまりパイロットバルブ33およびメインバルブ34の開弁状態を検出するための検出手段が設けられている。この検出手段は、マイクロスイッチよりなるパイロットスイッチPsw、メインスイッチMsw、およびシャフト53の回転位置に応じてパイロットスイッチPsw、メインスイッチMswをON-OFFさせる回転検出カム60から構成される。
【0028】
なお、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswは、本発明の検出スイッチに相当する。このパイロットスイッチPsw、メインスイッチMswは、カム48の回転位置、即ちパイロットバルブ33およびメインバルブ34の開弁状態に応じて、図3の実線D、Eに示すようにON-OFF(Hi-Low) 変化する。
具体的には、まず、パイロットバルブ33とメインバルブ34がともに閉弁状態の時にメインスイッチMswのみがHiに作動変化する。
そして、電動モータ51の作動によって、パイロットバルブ33が確実に開き、且つメインバルブ34が確実に閉じた状態で、パイロットスイッチPswもHiに作動変化する。
次いで、パイロットバルブ33とメインバルブ34が確実に開いた状態でメインスイッチMswのみがLow に作動変化する。
さらにカム48の回転が進み、パイロットバルブ33とメインバルブ34が確実に閉じた状態でパイロットスイッチPswもLow に作動変化する。
【0029】
(制御回路13の説明)
制御回路13は、図4のブロック図に示すように、ガス追焚装置10に設けられる電気機能部品(点火プラグ18、電磁コイル43の吸引コイル43aおよび保持コイル43b、電動モータ51、後述する燃焼確認ランプ66および電池確認ランプ67)を、入力信号と制御プログラムに応じて通電制御するマイクロコンピュータ61を使用した電気回路で、乾電池62の電力によって作動する。
【0030】
制御回路13は、入力信号として、上述したサーモカップル19、空炊き検出センサ23、第1排気サーミスタ25、第2排気サーミスタ26、パイロットスイッチPsw、メインスイッチMswの他に、リモートコントローラ63(以下、リモコン)に設けられた運転スイッチ64およびタイマーボリューム65からの信号を入力する。
【0031】
運転スイッチ64は、ガス追焚装置10の起動あるいは停止を指示するタクトスイッチである。
タイマーボリューム65は、追焚時間を設定するための可変抵抗体で、制御回路13は抵抗値に応じてビット数を決定するとともに、ビット数に応じて1回のカウント時間を変化させるものである。なお、制御回路13はビット数に関係なく所定回数(例えば255回)のカウントを行うもので、1回のカウント時間の変化によってタイマー時間を設定するものである。
【0032】
また、リモコン63は、浴室内に設置されて使用者によって操作されるもので、運転スイッチ64およびタイマーボリューム65の他に、燃焼状態を確認するための燃焼確認ランプ66と、乾電池62の電圧を確認するための電池確認ランプ67とが設けられている。
【0033】
乾電池62は、例えば単一乾電池を2本使用した電源で、制御回路13の作動の他に、点火プラグ18の作動、電磁コイル43の作動、電動モータ51の作動、燃焼確認ランプ66および電池確認ランプ67の作動を行う際にも使用される。
【0034】
(制御回路13の基本作動によるガス追焚装置10の作動説明)
ここで、制御回路13の基本作動を、図5のフローチャートに基づき説明する。
運転スイッチ64がONされると電源がONされる(スタート)、次にタイマーボリューム65によって追焚時間が設定されているか否かの判断を行う(ステップS1 )。この判断結果がNOの場合は、運転スイッチ64のON後、所定時間(例えば5秒)が経過したか否かの判断を行う(ステップS2 )。この判断結果がNOの場合はステップS1へ戻り、判断結果がYES の場合(運転スイッチ64がONされても所定時間タイマーの設定が行われなかった場合)は、誤作動によって運転スイッチ64がONされたとしてマイクロコンピュータ61の電源をOFF し、終了する(ステップS3 )。
【0035】
ステップS1の判断結果がYES の場合は、点火プラグ18をONさせる(ステップS4 )。続いて、パイロットバルブ33のみを開弁させるべく、電動モータ51をONさせる(ステップS5 )。次に、電動モータ51が動いてパイロットバルブ33が開弁したか、つまりパイロットスイッチPswがHiに変化したか否かの判断を行う(ステップS6 )。この判断結果がNOの場合は、ステップS6 へ戻る。ステップS6 の判断結果がYES の場合は、パイロットバルブ33が開いたと判断して、電動モータ51をOFF する(ステップS7 )。次に、電磁コイル43をONする(具体的には、初期には吸引コイル43aと保持コイル43bの両方をONし、その後吸引コイル43aのみをOFF する、ステップS8 )。
【0036】
次に、パイロットバーナ14において着火を検出したか、つまりパイロットバーナ14の近傍に設けられたサーモカップル19の起電力が所定値を越えたか否かの判断を行う(ステップS9 )。この判断結果がNOの場合は、電磁コイル43をONした後、所定時間(例えば25秒)経過したか否かの判断を行う(ステップS10)。この判断結果がNOの場合は、所定時間経過していないと判断してステップS9 へ戻る。ステップS9 の判断結果がYES の場合は、着火が確認されたと判断して、点火プラグ18をOFF する(ステップS11)。
【0037】
続いて、メインバルブ34も開弁させるべく、電動モータ51をONさせる(ステップS12)。次に、メインバルブ34が開弁したか、つまりメインスイッチMswがLow へ変化したか否かの判断を行う(ステップS13)。この判断結果がNOの場合は、ステップS13へ戻る。ステップS13の判断結果がYES の場合は、メインバルブ34も開いたと判断して、電動モータ51をOFF する(ステップS14)。
なお、このステップS13、S14の作動によって、メインバーナ15でのガスの燃焼が開始し、パイロットバーナ14およびメインバーナ15の燃焼によって、追焚用熱交換器16の配管21内に導かれた浴槽の水(湯)を加熱する。
【0038】
次に、着火検出後、タイマーボリューム65によって設定された追焚時間が経過したか否かの判断を行う(ステップS15)。この判断結果がNOの場合は、追焚時間が経過していないと判断してステップS15へ戻る。また、この判断結果がYES の場合は、追焚時間が経過したと判断して消火作動に移行する。つまり、まず電磁コイル43をOFF する(具体的には、吸引コイル43aはすでにOFF されており、保持コイル43bをOFF する、ステップS16)。
【0039】
次に、消火を検出したか、つまりサーモカップル19の起電力が所定値より低下したか否かの判断を行う(ステップS17)。この判断結果がNOの場合は、電磁コイル43をOFF した後、所定時間(例えば120秒)経過したか否かの判断を行う(ステップS18)。この判断結果がNOの場合は、消火が確認されていないと判断してステップS17へ戻る。ステップS17の判断結果がYES の場合は、消火が確認されたと判断し、パイロットバルブ33およびメインバルブ34を閉弁させるべく、電動モータ51をONさせる(ステップS19)。
【0040】
次に、パイロットバルブ33およびメインバルブ34が閉弁したか、つまりパイロットスイッチPswがLow へ変化したか否かの判断を行う(ステップS20)。
この判断結果がNOの場合は、ステップS20へ戻る。ステップS20の判断結果がYES の場合は、パイロットバルブ33およびメインバルブ34が閉じたと判断して、電動モータ51をOFF する(ステップS21)。以上によって、追焚作動が全て終了し、作動開始前の状態に戻されたため、マイクロコンピュータ61の電源をOFF し、終了する(ステップS22)。
【0041】
一方、ステップS10の判断結果がYES の場合、つまり点火開始後25秒以内に着火を検出しなかった場合は、着火ミスが生じたと判断し、点火動作を終了し、ガス追焚装置10を作動開始前に戻す作動を行う。つまり、電磁コイル43をOFF する(上述のように、吸引コイル43aはすでにOFF されており、保持コイル43bをOFF する)とともに(ステップS23)、点火プラグ18をOFF する(ステップS24)。続いて、パイロットバルブ33を閉弁させるべく、電動モータ51をONさせる(ステップS25)。その後、パイロットバルブ33が閉弁したか、つまりパイロットスイッチPswがLow へ変化したか否かの判断を行う(ステップS26)。なお、電動モータ51は、回転方向が一定であるため、パイロットバルブ33が閉弁するまでの間にメインバルブ34が閉弁する。ステップS26の判断結果がNOの場合は、ステップS26へ戻る。ステップS26の判断結果がYES の場合は、パイロットバルブ33およびメインバルブ34が閉じたと判断して、電動モータ51をOFF する(ステップS27)。以上によって作動開始前の状態に戻されたため、マイクロコンピュータ61の電源をOFF し、終了する(ステップS28)。
【0042】
また、ステップS18の判断結果がYES の場合、つまり電磁コイル43のOFF 後120秒以内に消火を検出しなかった場合は、電磁コイル43に不具合が生じて消火ができないと判断して、パイロットバルブ33およびメインバルブ34で消火を行って異常表示を行う。つまり、まずパイロットバルブ33およびメインバルブ34を閉弁させるべく、電動モータ51をONさせる(ステップS29)。次に、パイロットバルブ33およびメインバルブ34が閉弁したか、つまりパイロットスイッチPswがLow へ変化したか否かの判断を行う(ステップS30)。この判断結果がNOの場合は、ステップS30へ戻る。ステップS30の判断結果がYES の場合は、パイロットバルブ33およびメインバルブ34が閉じたと判断して、電動モータ51をOFF する(ステップS31)。そして、電磁弁32に不具合が生じた旨(エラー表示)を、リモコン63に設けられた燃焼確認ランプ66および電池確認ランプ67を用いて使用者に表示する(例えば、燃焼確認ランプ66と電池確認ランプ67をともに1秒ON、1秒OFF を繰り返して電磁弁32に不具合が生じた旨を表示する、ステップS32)。
【0043】
なお、運転開始後で、且つ運転終了前に再び運転スイッチ64がONされた場合、つまり運転停止の指示が与えられた場合、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswがともにLow であれば、そのまま電源をOFF して終了し、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswがともにLow でなければ、ステップS23へ進み、消火作動を行った後、作動開始前の状態に戻され、マイクロコンピュータ61の電源をOFF して終了するように設けられている。
【0044】
(電動モータ51を制御回路13が作動させた場合に、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswが作動変化しなかった場合、つまり電動モータ51のロックが発生した場合や、パイロットスイッチPsw、メインスイッチMswに故障が発生した場合に対応する手段の説明)
制御回路13は、運転を開始した際、上述のフローチャートで説明したように、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswからの信号を基に、電動モータ51を通電制御し、パイロットバルブ33およびメインバルブ34を開閉制御している。
【0045】
ここで、正常時のパイロットスイッチPsw/メインスイッチMswの遷移状態は、作動開始(Low /Low )→(Low /Hi)→パイロットバルブ33開(Hi/Hi)→メインバルブ34開(Hi/Low )→パイロットバルブ33およびメインバルブ34閉(Low /Low )と変化する。つまり、正常時であれば、(Low /Low )→(Low /Hi)→(Hi/Hi)→(Hi/Low )→(Low /Low )と遷移する。
【0046】
しかるに、制御回路13が電動モータ51を作動させても、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswの作動状態が変化しない可能性がある(電動モータ51の故障、電動モータ51の被水、パイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswの断線、接続ソケットの外れ等により発生)。そこで、制御回路13には、このような異常が発生した場合に対応するために、異常検出手段71、リトライ手段72、閉弁手段73が設けられている。
【0047】
異常検出手段71は、制御回路13が電動モータ51を作動させた際、所定の検出時間(例えば20秒間)内にパイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswの作動状態が変化しない「電動モータ51等の異常」を検出し、電動モータ51の作動を停止するものである。
【0048】
リトライ手段72は、異常検出手段71が「電動モータ51等の異常」を検出して、電動モータ51の作動を停止した後に作動し、電動モータ51の作動が停止してからの所定の待機時間(例えば10分間)の経過後に、電動モータ51を再び作動させるものである。
【0049】
なお、このリトライ手段72は、電動モータ51を再動させた際、所定の検出時間(20秒間)内にパイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswの作動状態が変化しなかった場合、3回までリトライを行うものであるが、4回目のリトライにおいても所定の検出時間内にパイロットスイッチPswおよびメインスイッチMswの作動状態が変化しなかった場合は、「電動モータ51等の異常」の解除ができない状態にあると判断して、マイクロコンピュータ61の電源をOFF して、作動を停止するように設けられている。
【0050】
閉弁手段73は、リトライ手段72によって電動モータ51を再動させた際、所定検出時間(20秒間)内にパイロットスイッチPswまたはメインスイッチMswの作動状態が変化した場合に、「電動モータ51等の異常」が解除されたと判断して、パイロットスイッチPswによる閉弁状態の時の信号変化(Hi→Low )を基に、パイロットバルブ33とメインバルブ34とを共に閉弁状態に設定する。なお、パイロットスイッチPswの作動状態が変化しない場合は、メインスイッチMswによる閉弁状態の時の信号変化(Low →Hi)を基に、パイロットバルブ33とメインバルブ34とを共に閉弁状態に設定する。つまり、「電動モータ51等の異常」が解除された際、ガス供給路31を閉じる。この閉弁設定後、閉弁手段73は、マイクロコンピュータ61の電源をOFF して終了する。
【0051】
また、閉弁手段73は、異常検出手段71による電動モータ51の作動停止後で、かつ待機時間(10分間)が経過する前に、パイロットスイッチPswまたはメインスイッチMswの作動状態が変化した場合に、「電動モータ51等の異常」が解除されたと判断して、電動モータ51を再び作動させる。そして、パイロットスイッチPswによる閉弁状態の時の信号変化(Hi→Low )を基に、パイロットバルブ33とメインバルブ34とを共に閉弁状態に設定する。なお、パイロットスイッチPswの作動状態が変化しない場合は、メインスイッチMswによる閉弁状態の時の信号変化(Low →Hi)を基に、パイロットバルブ33とメインバルブ34とを共に閉弁状態に設定する。つまり、リトライの待機途中であっても、パイロットスイッチPswまたはメインスイッチMswの信号が変化した場合は、電動モータ51を作動させてガス供給路31を閉じる。なお、閉弁設定後は、閉弁手段73によってマイクロコンピュータ61の電源をOFF し、終了する。
【0052】
〔実施例の効果〕
本実施例のガス追焚装置10は、上述のように、「電動モータ51等の異常」を検出した場合、「電動モータ51等の異常」が解除される可能性(例えば、電動モータ51の被水が蒸発した場合など)があるため、最大3回までリトライを行い、「電動モータ51等の異常」が解除された場合に、電動モータ51によってパイロットバルブ33とメインバルブ34とを共に閉弁状態に設定する。
【0053】
このため、ガス追焚装置10の作動中において「電動モータ51等の異常」が発生した場合であっても、電磁弁32とともに、パイロットバルブ33とメインバルブ34によって、ガス供給路31を閉じることが可能になるため、ガス追焚装置10の安全性を高めることができる。
【0054】
また、「電動モータ51等の異常」を検出した場合であっても、リトライ待機途中に接続ソケットの結合、断線の解除等によってパイロットスイッチPswまたはメインスイッチMswの信号が変化した場合、つまり正常な状態に戻された場合は、直ぐに電動モータ51が作動して、電磁弁32とともに、パイロットバルブ33とメインバルブ34によって、ガス供給路31を閉じるため、使い勝手に優れるとともに、ガス追焚装置10の信頼感が高まる。
【0055】
また、電源に乾電池62を用いることにより、例えば100Vの交流電流を変圧、整流して使用する場合に比較して、電源にかかるコストを低く抑えることができ、結果的に安全性の高いガス燃焼装置10を安価に提供できる。
さらに、電動モータ51等の異常が発生した場合、1回のリトライ待機中、10分間に亘って電動モータ51の作動を停止するため、乾電池62の消費電力を抑えることができ、乾電池62の寿命を長く延ばすことができる。
【0056】
〔変形例〕
上記実施例では、本発明をガス追焚装置に適用した例を示したが、ガス給湯器やガス暖房機等、他のガス燃焼装置に適用したり、灯油などの液体燃料による追焚装置、給湯器、暖房機など、電動モータによって作動する制御弁を備えた他の燃焼装置に全て適用可能なものである。
電動モータによって作動する制御弁を2つ備えた燃焼装置を例に示したが、電動モータによって作動する制御弁の数が1つの燃焼装置や、3つ以上の燃焼装置であっても適用可能なものである。
【0057】
電源に乾電池を使用した例を示したが、各家庭に供給される交流100Vの電源を、変圧、整流して使用しても良い。
上記実施例で示した数値は、実施例を説明する一例であって、適宜変更可能なものである。
また、上記実施例では、電磁弁を乾電池の起電力によって開弁保持させた例を示したが、熱電対の起電力により開弁保持させるように設けても良い。この場合、熱電対と電磁弁の電磁コイルとの間にスイッチ手段を設け、モータロック等の異常発生時には、スイッチ手段をOFF して電磁弁を強制的に閉弁するように設けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス追焚装置の概略構成図である(実施例)。
【図2】ガス供給手段の要部を示す断面図である(実施例)。
【図3】カムの回転角と各部の作動を示すチャートである(実施例)。
【図4】制御回路の接続状態を示すブロック図である(実施例)。
【図5】制御回路の基本作動を示すフローチャートである(実施例)。
【符号の説明】
10 ガス追焚装置(燃焼装置)
11 燃焼器
12 ガス供給手段
13 制御回路
14 パイロットバーナ
15 メインバーナ
16 追焚用熱交換器
31 ガス供給路(燃料供給路)
32 電磁弁
33 パイロットバルブ(制御弁)
34 メインバルブ(制御弁)
51 電動モータ
61 マイクロコンピュータ
62 乾電池
71 異常検出手段
72 リトライ手段
73 閉弁手段
Psw パイロットスイッチ(検出スイッチ)
Msw メインスイッチ(検出スイッチ)
Claims (4)
- (a)燃料の燃焼を行うバーナと、
(b)このバーナへ燃料の供給を行う燃料供給路と、
(c)電動モータの回転に応じて前記燃料供給路の開閉を行う制御弁と、
(d)前記電動モータの回転を検出する検出スイッチと、
(e)この検出スイッチの信号を基に、前記電動モータの通電制御を行う制御回路と
を備え、
この制御回路は、
(e−1)前記電動モータを作動させるように指示した際、所定の検出時間内に前記検出スイッチの作動状態が変化しない場合に、前記電動モータの作動指示を停止する異常検出手段と、
(e−2)この異常検出手段による前記電動モータの作動指示の停止後において所定の待機時間の経過後に、前記電動モータを再び作動させるように指示するリトライ手段と、
(e−3)このリトライ手段によって前記電動モータを再動させた際、前記検出時間内に前記検出スイッチの作動状態が変化した場合に、前記制御弁によって前記燃料供給路を閉じる閉弁手段と
を備えることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1の燃焼装置において、
前記閉弁手段は、前記異常検出手段による前記電動モータの作動指示の停止後で、かつ前記待機時間の経過前に、前記検出スイッチの作動状態が変化した場合、前記電動モータを再び作動させて前記制御弁によって前記燃料供給路を閉じることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1または請求項2の燃焼装置において、
前記電動モータおよび前記制御回路は、乾電池の電力によって作動する
ことを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃焼装置において、
前記バーナは、風呂の追焚を行う追焚用熱交換器を加熱する
ことを特徴とする燃焼装置。
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JP01931695A JP3696641B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 燃焼装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01931695A JP3696641B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 燃焼装置 |
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JPH08210632A JPH08210632A (ja) | 1996-08-20 |
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ID=11996013
Family Applications (1)
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JP01931695A Expired - Lifetime JP3696641B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 燃焼装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3696641B2 (ja) |
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-
1995
- 1995-02-07 JP JP01931695A patent/JP3696641B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH08210632A (ja) | 1996-08-20 |
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