JP3696010B2 - 転炉耐火物の補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉耐火物の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉耐火物の補修方法としては、図1〜図3に示す方法がある。
【0003】
図1は、炉体を傾動することにより、スラグをコーティングする方法を示す説明図であり、出鋼終了後に転炉内に残留させたスラグ3を、転炉1の略中心位置にあるトラニオン軸2を中心にして転炉1を傾動させることにより、転炉内壁にスラグ3をコーティングする方法である。しかしながら、トラニオン軸2と平行な炉壁内面側はコーティングができても、トラニオン軸2と直交する炉壁内面側のコーティングが困難である。
【0004】
図2は、底吹きによるスラグスプラッシュコーティング方法を示す説明図であり、転炉1の底部から底吹きにより炉内に残留させたスラグ3を吹き上げ、スプラッシュ4を発生させて転炉内部の耐火物をスラグ3でコーティングする方法である。但し、本方法によれば、吹き抜け現象等のため、発生するスプラッシュ4の制御が困難である。
【0005】
図3は、上吹きランス5によるスラグスプラッシュコーティング方法を示す概略説明図であり、図1や図2の方法に比較して、スプラッシュ4の制御が容易で、転炉内の耐火物の全面にスラグ3をコーティングすることが可能である。上記スラグスプラッシュコーティング法としては、特開平5−331518号公報,特開平8−246018号公報,特開平9−291305号公報等に開示されている。しかしながら、従来のスラグスプラッシュコーティング法では転炉の炉底耐火物が損傷することがあり、このような炉底耐火物の損傷を引き起こすことのない方法の開発が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、スラグスプラッシュの制御が比較的容易な上吹きランス等の昇降ランスによるスラグスプラッシュコーティング方法を前提として、転炉の炉底耐火物の損傷を防止することのできる転炉耐火物の補修方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明とは、出鋼終了後、転炉内に残留させたスラグに昇降ランスからガスを吹きつけ、スラグを飛散させて転炉内耐火物のコーティングを行う転炉耐火物の補修方法において、上記昇降ランスが円筒状であって、下方端側の底部の外周近傍に複数のノズル孔を有し、上記昇降ランスの軸芯とノズル孔の軸芯とがなす角度(俯角)が16°以上26°以下であるものを用い、上記昇降ランス先端とスラグ面との距離を1300〜3500mmとし、スラグを飛散させるためのガス流量を18000〜42000Nm 3 /hrとすることを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、昇降ランスによるスラグスプラッシュコーティング方法を前提として、転炉の炉底耐火物の損傷を防止することのできる転炉耐火物の補修方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ランスの軸芯とノズル孔の軸芯とがなす角度を制御することが炉底耐火物の損傷防止に非常に効果的であることを突き止め本発明に想到した。具体的には、下方端側の底部の外周近傍に複数のノズル孔を有する円筒状の昇降ランスにおいて、上記昇降ランスの軸芯とノズル孔の軸芯とがなす角度(図4参照:以下、ノズル角度αという)を16°以上にすることにより、転炉の炉底耐火物の損傷を防止できるとの知見に基づくものである。但し、上記ノズル角度αが大き過ぎると、炉壁へスラグを付着させることが困難となるので、26°以下に設定することが必要である。
【0009】
図5は、ノズル角度αとスラグ付着量の関係を示すグラフであり、転炉の炉底耐火物の損傷を防止する上では、上記角度を16°以上とし、炉壁へスラグを付着させるには上記角度を26°以下に設定すべきことが分かる。尚、上記角度は18°以上、25°以下が夫々好ましい。
【0010】
またランス先端とスラグ面との距離は、1300〜3500mmであることが望ましい。その理由は、上記距離が短過ぎると、転炉の炉底耐火物の損傷を招く恐れがあり、上記距離が長過ぎるとスプラッシュを発生させることができなくなるからである。
【0011】
更に、スラグを飛散させるためのガス流量は、18000〜42000Nm3/hrであることが望ましい。その理由は、上記ガス流量が少な過ぎると、十分なスプラッシュを発生させることができずにスラグコーティング量が少なくなり、また転炉の上部までスプラッシュを吹き飛ばすことができなくなり、一方上記ガス流量が多過ぎると、スプラッシュの発生に関する効果が飽和すると共に、無駄にガスを使用することになるからである。
【0012】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の主旨に基づいて設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲内に含まれるものである。
【0013】
【実施例】
240トン転炉で出鋼後、上吹きランスから窒素ガスを吹きつけた。ガス吹きつけ後、スラグを排出してからスラグ付着量と炉底耐火物損傷量を測定した。実施条件を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
ノズル角度が16°未満のNo.1〜3では、炉底の耐火物に損傷が見られた。これは、窒素ガスの冷却効果により、耐火物が急激に冷却されたため、スポーリングを起こし、剥離が発生したものと推定される。
【0016】
ノズル角度が26°を超えるNo.12〜13では、壁部へのスラグ付着がほとんど確認されなかった。これは、窒素ガスの衝突エネルギーが分散された為、スラグが飛散しなかったものと考えられる。
【0017】
これに対して、ノズル角度が16〜26°である本発明例No.4〜11では、炉底を損傷することなく十分なスラグを付着させることができた。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、スラグスプラッシュの制御が比較的容易な昇降ランスによるスラグスプラッシュコーティング方法において、転炉の炉底耐火物の損傷を防止することのできる転炉耐火物の補修方法が提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】炉体の傾動によりスラグコーティングを行う方法を示す説明図である。
【図2】底吹きによるスラグスプラッシュコーティング方法を示す説明図である。
【図3】上吹きランスによるスラグスプラッシュコーティング方法を示す説明図である。
【図4】ノズル角度の説明図である。
【図5】ノズル角度αとスラグ付着量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転炉
2 トラニオン軸
3 スラグ
4 スプラッシュ
5 上吹きランス
Claims (1)
- 出鋼終了後、転炉内に残留させたスラグに昇降ランスからガスを吹きつけ、スラグを飛散させて転炉内耐火物のコーティングを行う転炉耐火物の補修方法において、
上記昇降ランスが円筒状であって、下方端側の底部の外周近傍に複数のノズル孔を有し、上記昇降ランスの軸芯とノズル孔の軸芯とがなす角度が16°以上26°以下であるものを用い、上記昇降ランス先端とスラグ面との距離を1300〜3500mmとし、スラグを飛散させるためのガス流量を18000〜42000Nm 3 /hrとすることを特徴とする転炉耐火物の補修方法。
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JP32161499A JP3696010B2 (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 転炉耐火物の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32161499A JP3696010B2 (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 転炉耐火物の補修方法 |
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---|---|
JP2001140011A JP2001140011A (ja) | 2001-05-22 |
JP3696010B2 true JP3696010B2 (ja) | 2005-09-14 |
Family
ID=18134501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32161499A Expired - Lifetime JP3696010B2 (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 転炉耐火物の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113930574B (zh) * | 2020-06-29 | 2022-12-16 | 宝山钢铁股份有限公司 | 利于炉底维护的溅渣补炉方法 |
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1999
- 1999-11-11 JP JP32161499A patent/JP3696010B2/ja not_active Expired - Lifetime
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