JP3695759B2 - 溶融アルミニウムめっき鋼板およびその製造方法ならびに合金層制御装置 - Google Patents

溶融アルミニウムめっき鋼板およびその製造方法ならびに合金層制御装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、自動車用排気系部材および熱器具用部材等として有用な耐熱性かつ耐食性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板およびその製造方法ならびに合金層制御装置に関し、特に、めっき金属層と母材鋼板との界面に不可避的に生成するFe−Al−Si合金層の生成層厚および断面形態の制御に関する。
背景技術
連続溶融めっき設備による溶融アルミニウムめっき鋼板の製造において、図17に示すように、母材鋼板4は、所定の浴組成および浴温度に調節されたAl−Si溶融めっき合金浴1に導入され、浴中のシンクロール2を介して浴上に導出された後、浴の直上のガスワイピング装置3によりめっき付着量(めっき層厚)が調整される。また、めっき鋼板6が上方のトップロール9に到達するまでに、めっき金属層の凝固が完了するように、浴の上部には、冷却装置5が配置され、めっき金属層に対する強制冷却(気体,気体+液体の噴射等)を行うのが通常である。
このように製造される溶融アルミニウムめっき鋼板は、母材鋼板とめっき金属層との界面の拡散反応(母材鋼板からめっき金属層へのFe原子の拡散侵入)によって、界面にFe−Al−Si合金層が不可避的に生成する。合金層は、硬く脆い層であるので、めっき鋼板のプレス加工の際にめっき層の剥離を助長する原因となる。殊に、絞り、しごき等の強加工が施される用途では、そのプレス成形加工性を確保するために、合金層厚を約5μm以下に抑制することが必要とされている(たとえば、特公昭51−46739号公報)。
前記合金層の生成、成長を抑制するためのめっき操業条件の工夫として、
(a)めっき浴を一定のAl−Si浴組成(Si含有量3〜13%)に調整するとともに、母材鋼板の浴中侵入温度(浴中侵入直前の板温)を、めっき浴金属の融点〜融点+40℃の温度域に調節する(特開平4−176854号公報)、
(b)めっき浴中から浴上に導出されためっき鋼板を、浴上の冷却装置の冷媒噴霧(液体,気体+液体等)で急冷する(特開昭52−60239号公報)、
(c)母材鋼板の表面を、事前にめっき金属より低融点の金属層で被覆しておき、めっきが終了するまでの間、鋼板温度を500℃以下に維持する(特開平1−104752号公報)、
(d)母材鋼板の浴中侵入温度を、めっき浴温より、50〜100℃低くする(特開平5−287488号公報)、
等の種々の提案がなされている。
しかしながら、めっき浴組成や浴温の調整、母材鋼板の浴中侵入温度の制御、あるいはめっき金属層の強制冷却の強化等の従来提案されているような操業条件の制御だけでは、合金層厚の充分な抑制効果を得ることは困難であり、また母材鋼板表面を特定の金属層で被覆する方法では、工数の増加とコスト増大の不利をも余儀なくされる。しかも、いずれの方法も、合金層の生成、成長速度と操業条件との定量的関係が不明であり、合金層厚を精度よく制御することができない。
本発明者等は、前記合金層の生成現象について詳細な研究を重ねた結果、合金層の生成層厚は、母材鋼板がめっき浴中に侵入し始めた時点から、浴中を通過し、鋼板表面のめっき金属層が凝固を完了する時点までの経過時間との間に定量的な相関を有し、その経過時間の調節により、合金層厚を所望の層厚(以下)に精度よく制御し得ることを見出した。
さらに、前記合金層は、めっき操業条件により、その断面形態が著しく異なったものとなること、合金層表面の凹凸が小さく、平坦性のよい断面形態であるほど、めっき層の耐剥離性が向上すること、およびその断面形態は、めっき鋼板がめっき浴上に導出された時点からめっき金属層の凝固を完了する時点までの経過時間に依存し、その経過時間の調節により、断面形態をより好ましい形態に制御することができること、という事実を見出した。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであり、めっき層の耐剥離性の優れた溶融アルミニウムめっき鋼板、合金層の生成層厚およびその断面形態を精度よく制御することを可能にした連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法ならびに合金層制御装置を提供するものである。
発明の開示
本発明は、Si含有量3〜13重量%のAl−Si浴組成を有する溶融アルミニウムめっき浴に、母材鋼板を搬送して導入し、板面にめっき金属層を形成するとともに、めっき金属層と母材鋼板との界面にFe−Al−Si合金層を形成し、浴上に配設された冷却装置によりめっき金属層を強制冷却して凝固させる連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法において、
母材鋼板が、めっき浴に侵入した時点から、浴中を通過し、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第1経過時間と、前記合金層の層厚との相関関係に基づいて、前記合金層の層厚が1〜5μmとなるように前記第1経過時間を調節し、
めっき鋼板がめっき浴上に導出された時点から、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第2経過時間と、前記合金層の層厚の最大凹凸差との相関関係に基づいて、前記合金層の層厚の最大凹凸差が0.5〜5μmを満たすように、第2経過時間を調節することを特徴とする連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法である。
本発明に従えば、溶融アルミニウムめっき鋼板のFe−Al−Si合金層の層厚およびその最大凹凸差は、ともに適正範囲1〜5μmおよび0.5〜5μmの各値を満たしている。前記合金層は非常に硬くて脆いので、その層厚およびその最大凹凸差がその上限値を超えるとめっき層の耐剥離性が低下し、プレス加工時にめっき層の剥離が発生する。また、合金層の層厚が上限値以下であっても、合金層層厚の最大凹凸差が上限値を超えると、その切欠効果によってめっき層の耐剥離性が低下し、プレス加工時にめっき層の剥離が発生する。このため、めっき層の耐剥離性を向上させるには、合金層の層厚およびその最大凹凸差をともに抑制する必要がある。本発明によって製造された溶融アルミニウムめっき鋼板は、合金層の層厚およびその最大凹凸差がともに抑制された適正範囲を満たしているので、極めて優れためっき層の耐剥離性を有している。
本発明に従えば、合理的な指標である前記各相関関係に基づいて、前記第1および第2経過時間が調節されるので、合金層の層厚および合金層の層厚の最大凹凸差を1〜5μmおよび0.5〜5μmの各目標値に精度よく制御することができる。また、これによって合金層の生成を効果的に抑制し、合金層の層厚の最大凹凸差を平坦性のよい形態に制御することができる。
また本発明は、母材鋼板の搬送速度および冷却装置の冷媒流量の少なくとも一方の調整により、第1経過時間および第2経過時間を調節することを特徴とする。
本発明に従えば、めっき層の凝固時間を変化させる搬送速度および冷媒流量の調整によって合金層の層厚およびその断面形態に対応する前記第1および第2経過時間が調節されるので、合金層の層厚および合金層の断面形態を迅速かつ確実に精度よく制御することができる。
また本発明は、Si含有量3〜13重量%のAl−Si浴組成を有する溶融アルミニウムめっき浴に、母材鋼板を搬送して導入し、板面にめっき金属層を形成するとともに、めっき金属層と母材鋼板との界面にFe−Al−Si合金層を形成し、浴上に配設された冷却装置によりめっき金属層を強制冷却して凝固させる連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置において、
めっき金属層の凝固完了位置を検出する凝固位置検出手段と、
母材鋼板の搬送速度を検出する速度検出手段と、
冷却装置の冷媒流量を検出する流量検出手段と、
冷却装置の冷媒流量を制御する流量制御手段と、
母材鋼板の搬送速度を制御する速度制御手段と、
前記合金層の層厚の1〜5μmと、前記合金層の層厚の最大凹凸差の0.5〜5μmと、めっき鋼板のめっき浴中における搬送距離と、めっき鋼板のめっき浴面から冷却装置を通過するまでの搬送距離とを設定する設定手段と、
凝固位置検出手段および速度検出手段の検出値ならびに設定手段によって設定された各搬送距離に基づき、母材鋼板がめっき浴に侵入した時点から、浴中を通過してめっき金属層の凝固を完了する時点までの第1経過時間と、めっき鋼板がめっき浴上に導出された時点から、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第2経過時間とを算出する演算手段と、
演算手段の出力に応答して、第1経過時間と前記合金層の層厚との相関関係に基づいて、第1経過時間の算出値に対応する前記合金層の層厚を算出し、第2経過時間と前記合金層の層厚の最大凹凸差との相関関係に基づいて、第2経過時間の算出値に対応する前記合金層の層厚の最大凹凸差を算出し、算出された前記合金層の層厚が設定手段によって設定された目標値1〜5μm、および算出された前記合金層の層厚の最大凹凸差が設定手段によって設定された目標値0.5〜5μmを満たすように流量制御手段および速度制御手段の少なくとも一方を制御する制御手段とを含むことを特徴とする連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置である。
本発明に従えば、合金層制御装置は、めっき金属層の凝固完了位置を検出して、凝固時間に対応する値である前記第1経過時間および第2経過時間を算出し、相関関係に基づいて第1経過時間に対応する合金層の層厚および第2経過時間に対応する合金層の層厚の最大凹凸差を算出し、各算出値が目標値を満たすように凝固時間を変化させる冷媒流量および搬送速度の少なくとも一方を制御する。このため、合金層制御装置は、合金層の層厚および合金層の層厚の最大凹凸差を目標値を満たすように精度よく制御することができる。
また、本発明の前記凝固位置検出手段は、
めっき鋼板の2次元温度分布を検出する温度分布検出手段と、
温度分布検出手段の出力に応答し、2次元温度分布を画像処理する画像処理手段と、
画像処理手段の出力に応答し、2次元温度分布を画像表示し、表示画像からめっき金属層の凝固完了位置を検出する画像表示手段とを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、凝固位置検出手段は、めっき鋼板の2次元温度分布を検出して画像表示し、表示画像からめっき金属層の最終凝固位置を求め、その位置から凝固完了位置を検出する。このように、凝固位置検出手段は、めっき鋼板の温度分布を2次元で検出しているので、最終凝固点が板幅方向および搬送方向に変動しても、その位置を確実に求めることができ、めっき層の凝固完了位置を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層の平均層厚および合金層層厚の最大凹凸差の平均値と、絞り加工時におけるめっき層の耐剥離性評価との関係を示すグラフであり、図2は、合金層の層厚の算出方法を示す説明図であり、図3は、合金層層厚の最大凹凸差の算出方法を示す説明図であり、図4は、本発明の実施の1形態である連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置の構成を簡略化して示す系統図であり、図5は、溶融アルミニウムめっき設備の主要部の構成を簡略化して示す系統図であり、図6は、温度分布検出手段および画像処理手段の構成を簡略化して示す系統図であり、図7は、凝固位置検出手段の表示画像を示すイメージ図であり、図8は、合金層制御装置の電気的構成を示すブロック図であり、図9は、第1経過時間と溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層層厚との相関関係を示す相関図であり、図10は、第2経過時間と溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層層厚の最大凹凸差との相関関係を示す相関図であり、図11は、第2経過時間と合金層の断面形態評点との相関関係を示す相関図であり、図12は、合金層の断面形態評点を示す説明図であり、図13は、合金層の成分濃度分布の説明図であり、図14は、Al−Si平衡状態図であり、図15は、めっき層中での合金層の成長過程を示す説明図であり、図16は、合金層制御装置の動作を説明するためのフローチャートであり、図17は、従来からの連続溶融めっき設備の構成を簡略化して示す系統図である。
発明を実施するための最良の形態
溶融アルミニウムめっき鋼板(以後、「めっき鋼板」と略称することがある)は、前述のように母材鋼板の表面にAl−Siめっき金属層(以後、「めっき層」と略称することがある)を有しており、母材鋼板とめっき層との界面には、Fe−Al−Si合金層(以後、「合金層」と略称することがある)が形成されている。
図1は、溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層の平均層厚および合金層層厚の最大凹凸差の平均値と、絞り加工時におけるめっき層の耐剥離性評価との関係を示すグラフである。図1における溶融アルミニウムめっき鋼板のめっき付着量は、表裏合計付着量で50〜160g/m2である。合金層の層厚は、図2のように凹凸を平坦化した仮想中心線CLと、母材鋼板との板厚方向距離Tを測定することによって求められる。図1の縦軸には、合金層平均層厚が示されており、それは合金層を走査型電子顕微鏡によって倍率2000倍で3視野観察し、各視野で前記合金層の層厚Tを求め、各合金層層厚Tを平均することによって算出される。合金層層厚の最大凹凸差は、図3(1)〜(4)のように最も合金層が成長している部分と、最も成長が遅れている部分の板厚方向距離の差Gを測定することによって求められる。図1の横軸には、合金層層厚の最大凹凸差Gの平均値が示されており、それは合金層を走査型電子顕微鏡によって倍率2000倍で3視野観察し、各視野で前記合金層の最大凹凸差Gを求め、各合金層層厚の最大凹凸差Gを平均することによって算出される。なお、図3(1)〜(4)には、4タイプの合金層断面形態における合金層層厚の最大凹凸差Gの求め方をそれぞれ示している。図1中の○印等の記号は、めっき層の耐剥離性評価を表す記号であり、その内容は表1に示すとおりである。
Figure 0003695759
図1から、合金層平均層厚が小さく、かつ合金層層厚の最大凹凸差の平均値が小さいほど、めっき層の耐剥離性が向上すること、合金層層厚の最大凹凸差の平均値が大きい場合には、合金層平均層厚が5μm以下であってもめっき層の剥離が生ずること、合金層層厚の最大凹凸差の平均値が非常に小さい場合には、合金層平均層厚が5μmを超えてもめっき層の剥離が発生しないことなどが判る。
このように、めっき層の耐剥離性に対して合金層層厚およびその最大凹凸差がともに大きな影響を及ぼすのは、合金層が非常に硬くて(ビッカース硬さ600〜800)脆いこと、およびその凹凸差が切欠きとなり加工時に応力集中をもたらすことなどによるものである。このため、溶融アルミニウムめっき鋼板のめっき層の耐剥離性を向上させるには、合金層層厚およびその最大凹凸差をともに抑制することが好ましい。また、その限定範囲としては、合金層平均層厚が1〜5μmであって、かつ合金層層厚の最大凹凸差の平均値が0.5〜5μmであることが好ましい。
この上限値の限定理由は、上限値を超えると図1から明らかなようにめっき層の耐剥離性評価が不良であり、プレス加工時にめっき層の剥離が生じるからである。下限値の限定理由は、溶融Al−Si浴中への浸漬によって合金層層厚の成長が不可避的に生ずるので、合金層平均層厚および合金層層厚の最大凹凸差の平均値を、下限値未満にすることが製造上極めて困難であるからである。さらにまた、特に好ましい限定範囲は、図1においてめっき層の剥離が全く生じない範囲であり、それは合金層平均層厚(以後、合金層層厚)が1〜3μmであって、かつ合金層層厚の最大凹凸差の平均値(以後、合金層層厚の最大凹凸差)が0.5〜3μmの範囲である。
以上述べたように、本実施の形態のアルミニウムめっき鋼板は、合金層層厚のみならず、合金層層厚の最大凹凸差をともに抑制しているので、単に合金層層厚のみを抑制している従来のアルミニウムめっき鋼板に比べて、めっき層の耐剥離性が極めて優れている。このため、需要家におけるプレス加工が絞り、しごき等の強加工であっても、めっき層の剥離の発生が確実に防止される。
図4は本発明の実施の1形態である連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置(以後、「合金層制御装置」と略称する)の構成を簡略化して示す系統図であり、図5は溶融アルミニウムめっき設備の主要部の構成を簡略化して示す系統図である。合金層制御装置11は、凝固位置検出手段13と、速度検出手段14と、流量検出手段15と、流量制御手段20と、速度制御手段21と、設定手段17と、演算手段18と、制御手段19とを含んで構成される。この装置は、溶融アルミニウムめっき鋼板28の合金層層厚Tおよびその断面形態を制御するための装置である。
母材鋼板23は、溶融アルミニウムめっき設備の還元焼鈍炉22で焼なましおよび還元清浄化された後、ホットブライドルロール31aおよびスナウト24を介して搬送され、溶融Al−Siめっき浴25中にAl点から導入される。還元焼鈍炉22には、上流側から予熱帯22a、無酸化炉22b、加熱帯22c、冷却帯22d、調整冷却帯22eがこの順序で配設されており、無酸化炉22bよりも下流側の炉内空間には還元性雰囲気ガス、たとえばAXガス(H2:75%,N2:25%)が供給されている。溶融Al−Siめっき浴25の組成は、Si含有量3〜13重量%に調節されており、浴温は融点〜融点+70℃に保持されている。めっき浴25は、鋳鉄製の、めっきポット25a中に貯留されている。めっき浴25中に導入された母材鋼板23は、浴中のシンクロール26を介して鉛直上方に搬送され、B1点から浴上に導出される。
浴中でめっきされた溶融アルミニウムめっき鋼板28は、めっき浴25の直上に配設されているガスワイピング装置27によってめっき付着量が調整され、ガスワイピング装置27の上方に配設されている冷却装置29によって冷媒、たとえば空気を噴射されて強制冷却される。冷却されためっき鋼板28のめっき層は、冷却装置29の上方の位置C1点で凝固し、C1点よりも上方に配設されているトップロール30に到達するまでには、トップロール30に凝着しない温度まで冷却される。なお、めっき鋼板28を冷却する冷媒として、液体(水)および液体と気体(水と空気)との混合流体などを用いてもよい。
トップロール30を通過しためっき鋼板28は、鉛直下方に搬送され、ブライドルロール31bを介してさらに下流側に搬送される。ブライドルロール31bには、駆動モータ32が設けられており、駆動モータ32は、めっき鋼板28の搬送速度を調節することができる。また、めっき鋼板28の張力は、ホットブライドルロール31aおよびブライドルロール31bによって調整される。なお、めっき鋼板28と、めっき浴25に導入される母材鋼板23の搬送速度は同一である。前記冷却装置29には、遠心ファン33が送風管34を介して接続されており、遠心ファン33は、冷却用空気を冷却装置29に供給している。冷却用空気の供給量、すなわち冷却装置29の冷却風量は、送風管34に設けられている流量制御弁35によって調整される。なお、めっき鋼板28のめっき浴中におけるシンクロール26を経由した搬送距離L1(前記侵入点A1〜導出点B1)およびめっき鋼板28のめっき浴面から冷却装置29を通過するまでの搬送距離L2は、溶融アルミニウムめっき設備の固有値であり、冷却装置29から凝固位置C1までの距離L3は、冷却装置29の冷却風量およびめっき鋼板28の搬送速度によって変化する変動値である。
前記凝固位置検出手段13は、めっき層の凝固完了位置を検出するための手段であり、温度分布検出手段37aと画像処理手段37bと、画像表示手段38とを含む。温度分布検出手段37aは、たとえば2次元赤外線カメラであり、視野41内のめっき層の2次元温度分布を検出し、出力信号を画像処理手段37bに送る。画像表示手段38は、画像処理手段37bの出力に応答し、めっき層の2次元温度分布を画像表示し、表示画像からめっき層の凝固位置を検出する。
図6は、温度分布検出手段および画像処理手段の構成を簡略化して示す系統図である。温度分布検出手段である赤外線カメラ37aは、赤外線フィルタ43と、集光レンズ44と、CCD(電荷結合素子)45から成り、画像処理手段37bは、レベル弁別回路46と、メモリ47とを含んで構成される。めっき鋼板28から放射される赤外線は、赤外線フィルタ43を介して集光レンズ44によって集光され、CCD45上で結像する。CCD45はマトリックス上に多数の受光素子が配置されており、各位置の受光素子は結像された画像の赤外線強度に対応した電気信号を出力する。各受光素子ごとの出力(赤外線強度LV)はレベル弁別回路46に送られ、予め定められているレベル弁別値に基づいてレベル弁別される。レベル弁別回路46には、凝固開始温度に対応した赤外線強度のレベル弁別値TS1と凝固終了温度に対応した赤外線強度のレベル弁別値TF1とが予め設定されている。このため、赤外線強度LVは下記表2に示す3つの領域(R1,R2,R3)に区分される。
Figure 0003695759
ここで、領域R1はめっき層が完全に溶融している領域であり、領域R3はめっき層が完全に凝固している領域であり、領域R2は固液共存領域である。レベル弁別された赤外線強度LVはメモリ47に送られ記憶される。記憶された赤外線強度LVは画像表示手段38に送られ、陰極線管などに後記表示画像41として表示される。
図7は、凝固位置検出手段の表示画像を示すイメージ図である。表示画像41の横軸39にはめっき鋼板28の板幅W方向位置が表されており、縦軸40にはめっき鋼板28の搬送方向位置が冷却装置29の上面を基準として表されている。このため、図7における縦軸40の紙面の最下方の位置は冷却装置29の上面位置を表しており、図7における縦軸40の紙面の上方はめっき鋼板28の搬送方向下流側を表している。
めっき鋼板28の冷却速度は、板幅方向両端部に向かうほど早くなるので、板幅Wの両端部では幅中央部よりも上流側(図7の紙面下方)で凝固する。このため、めっき層の凝固開始温度の等温線を示す曲線TSおよびめっき層の凝固終了温度の等温線を示す曲線TFは、図7において上方に凸の略放物線状の曲線となる。めっき層の凝固完了位置は、最終凝固点である曲線TFのピーク位置と一致するので、めっき層の凝固完了位置の決定はたとえば曲線TFの傾斜が零となる縦軸40方向の位置Zを微分などによって求め、画像上の距離Zを実際の距離L3に換算することによって行われる。なお、図7において前記領域R1は曲線TSよりも上流側の領域であり、領域R3は曲線TFよりも下流側の領域であり、前記領域R2は両者の中間領域である。
このように、前記凝固位置検出手段13は、2次元温度分布に基づいて凝固完了位置を検出しているので、最終凝固点が板幅W方向および搬送方向に変動しても、その位置を確実に検出することが可能であり、めっき層の凝固完了位置を正確かつ確実に検出することができる。
再び図4を参照して前記速度検出手段14は、たとえばパルスジェネレータである。パルスジェネレータ14は、前記ブライドルロール31bに設けられ、一定時間内に計数されるパルス数からめっき鋼板28の搬送速度を正確に検出することができる。前記流量検出手段15は、めっき鋼板28を冷却する空気の風量を検出する風量計である。風量計15は、前記送風管34に設けられており、流量制御弁35の冷却装置29寄りの位置で冷却風量を正確に検出することができる。前記流量制御手段20は、たとえば風量制御器であり、風量制御器20は、冷却風量指令値に基づいて冷却装置29の冷却風量を制御する。前記速度制御手段である速度制御器21は、搬送速度指令値に基づいてめっき鋼板28の搬送速度を制御する。
設定手段17は、キーボードなどであり、予め定められる設定値などを演算手段18および制御手段19に設定する。前記演算手段18は、たとえばマイクロコンピュータであり、母材鋼板23がめっき浴25に侵入した時点から、浴中を通過してめっき層の凝固を完了するまでの第1経過時間と、めっき鋼板28がめっき浴上に導出された時点から、めっき層の凝固を完了するまでの第2経過時間とを算出する。前記制御手段19は、たとえばプロセスコンピュータであり、めっき鋼板28の合金層層厚およびその断面形態に対応する値が、目標値を満たすように前記流量制御手段20および速度制御手段21を制御する。なお、断面形態に対応する値としては、後述のように合金層層厚の最大凹凸差または合金層の断面形態評点が用いられる。
図8は、合金層制御装置の電気的構成を示すブロック図である。凝固位置検出手段13は、めっき層の凝固完了位置L3を検出し、検出値を演算手段18に送る。速度検出手段14は、めっき鋼板28の搬送速度Vを検出し、検出値を演算手段18および処理回路である制御手段19に送る。設定手段17は、めっき設備の固有値である前記搬送距離L1,L2を演算手段18に設定するとともに、冷却装置29の冷却風量Fの最大値および搬送速度Vの最大値を制御手段19に設定し、さらに、需要家毎に定められる合金層層厚の目標値TAおよび合金層の断面形態に対応する値の目標値などを制御手段19に設定する。流量検出手段15は、冷却装置29の冷却風量Fを検出し、検出値を制御手段19に送る。演算手段18は、めっき層の凝固完了位置L3および搬送速度Vの検出値ならびに搬送距離L1,L2に基づき、前記第1経過時間および第2経過時間を算出して制御手段19に送る。
制御手段19は、メモリ19aと、合金層演算器19bと、比較器19cと、修正値演算器19dとを備えており、受信した各信号を処理して、制御指令信号を出力する。メモリ19aには、後記回帰式などが予め記憶されている。この回帰式は、後述するように前記第1経過時間と合金層層厚との相関関係ならびに前記第2経過時間と合金層の断面形態に対応する値との相関関係を表すものである。合金層演算器19bは、演算手段18の出力である第1経過時間および第2経過時間をメモリ19aに記憶された回帰式に代入して合金層の層厚および合金層の断面形態に対応する値をそれぞれ算出する。
比較器19cは、合金層演算器19bの算出値と設定手段17によって設定された各目標値との比較対比を行い、算出値が目標値を満たしていない場合には、さらに流量検出手段15および速度検出手段14の出力と設定手段17によって設定された冷却風量および搬送速度の最大値との比較対比を行う。その結果、冷却風量が最大値未満のときには、冷却風量の修正を行う信号を出力し、冷却風量が最大値に達しており、かつ搬送速度が最大値未満のときには、搬送速度の修正を行う信号を出力する。修正値演算器19dは、比較器19cの出力に応答して、修正冷却風量または修正搬送速度を算出し、流量制御手段20または速度制御手段21に指令信号を出力する。前記処理は、算出値が目標値を満たすまで繰返し行われる。
流量制御手段20は、制御手段19の出力に応答し、前記流量制御弁35を調整して、冷却装置29の冷却風量を指令値と一致するように制御する。速度制御手段21は、制御手段19の出力に応答し、前記ブライドルロール31の駆動モータ32を調整して、搬送速度を指令値と一致するように制御する。このように、合金層制御装置11は、合理的なアルゴリズムに基づいて作動するので、めっき鋼板28の合金層の層厚およびその断面形態に対応する値を目標値と一致するように精度よく制御することができる。
図9は、第1経過時間と溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層層厚との相関関係を示す相関図である。合金層の生成層厚は、第1経過時間の平方根と明瞭な1次の相関を有しており、その回帰式は、合金層の層厚をT、第1経過時間t1の平方根をRt1とすると、次式(1)式で表される。
T=1.02Rt1 …(1)
前記回帰式(1)の相関計数rは0.860であり、相関関係は非常に強い。このため、合金層の層厚は第1経過時間を短くする(凝固時間を短くする)ほど小さくなる。なお、回帰式(1)式は、前記制御手段19のメモリ19aに予め記憶される。合金層の生成層厚と第1経過時間との前記相関は、次のように説明することができる。
めっき鋼板の合金層の生成は、母材鋼板からめっき層内へのFe原子の拡散による。拡散の法則を表すフィックの第2法則において、拡散係数Dが位置によらず一定であれば、同法則は(2)式で示される。拡散距離が初期の濃度分布状態に対して短い(実操業においてめっき層表面まで合金層が成長することはほとんどなく、めっき層全体に対する合金層層厚は短い)ことを考慮すると、(2)式の解は、ガウスの誤差関数を利用して(3)式で表すことができる。
∂c/∂t=D・∂2c/∂x2 …(2)
(式中、c:Fe濃度,t:時間,D:拡散係数,x:界面からの距離)
(Cx−Co)/(Cs−Co)=1−erf(x/2√(Dt)) …(3)
(式中、Cs:母材鋼板とめっき層の界面のFe濃度、Cx:母材鋼板表面からの距離xの位置におけるFe濃度、Co:めっき層初期Fe濃度)。
(3)式におけるCsのFe濃度は100%、CoのFe濃度は0%とおくことができ、またCxについては、溶融アルミニウムめっき鋼板製品における合金層の成長先端部分におけるFe濃度は、約30%であることが測定されるので、Cxの値を30%として、(3)式を整理すると下式(4)式が得られる。ここで、ガウスの誤差関数を表す下記(5)式からerf(y)=0.7のyを求めると、y=0.733となり、これより(4)式を解くと、(6)式が得られる。
erf(x/(2√(D・t)))=0.7 …(4)
erf(y)=2/√π∫。yexp(−x2)dx …(5)
x=1.466×√D・√t …(6)
さらに、拡散係数D〔=Do・exp(Q/RT)〕は、温度の関数であるけれども、実操業のめっき浴は、常時一定の温度域(目標温度値±約15℃)に維持管理され、浴組成も一定に維持管理されているので、めっき層の凝固温度も略一定であり、めっき層の凝固時の平均温度は、冷却速度に関係なく一定と考えてよい。すなわち、連続溶融アルミニウムめっき操業での凝固時間のバラツキの範囲内におけるDの値は略一定で、√Dは定数とみなすことができ、したがって(6)式は、1.466×√Dを、係数αに置き換えて、次式(7)のように表される。
x=α√t
〔式中、x:合金層厚(cm),t:時間(秒),α:係数(√(cm2/秒)〕
前記(7)式は、合金層の生成層厚xが、時間の平方根√tに比例することを示している。ここで、拡散は、固体より液体中の方がはるかに急速に進行することから、連続溶融アルミニウムめっき設備のような高速、短時間処理設備における合金層の生成反応(母材鋼板からめっき層内へのFe原子の拡散侵入)は、めっき層が液相状態でいる時間(母材鋼板がめっき浴中に侵入し、浴中を通過した後、めっき金属層の凝固を完了するまでの経過時間)の平方根に比例すると考えてよい。かかる考察のもとに、実操業における製品めっき鋼板(材種:極低炭素チタン含有鋼,中炭素および低炭素アルミニウムキルド鋼,リムド鋼等,板厚:0.4〜3.2mm,めっき層厚:10〜45μm,片面)のめっき層の合金層厚を、第1経過時間の平方根で整理して得られた結果が、前記図9の相関図である((7)式におけるαは、α=1.02(√(μm2/秒)))。
なお、この結果から拡散係数Dを算出すると、D=4.98×10-9(cm2/sec)となる。一般に、面心立方格子金属の融点での自己拡散係数は、10-8〜10-9cm2/secの値をとることが知られており、上記Dの数値は妥当な値と言える。
前記図9の合金層厚と第1経過時間との相関関係は、母材鋼板の材種,板厚,板温,めっき層厚等の如何に拘わらず適用することができ、その相関関係によれば、母材鋼板の板厚や板厚と関連する冷却速度とを考慮する必要がなく、まためっき浴侵入時の板温の調節や、事前に鋼板表面を特定の金属層で被覆する等の面倒な措置の必要もなく、第1経過時間を調節するだけで、合金層の生成層厚を精度よく制御することが可能となる。
図10は、第2経過時間と溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層層厚の最大凹凸差との相関関係を示す相関図である。合金層層厚の最大凹凸差は、合金層の断面形態に対応する値の1つであり、その求め方は前記図3に示すとおりである。合金層層厚の最大凹凸差は、第2経過時間と明瞭な1次の相関関係を有しており、その回帰式は、合金層層厚の最大凹凸差をG、第2経過時間t2の平方根をRt2とすると、次式(8)式で表される。
G=1.113Rt2−0.094 …(8)
前記回帰式の相関計数rは0.758であり、相関関係は非常に強い。このため、合金層層厚の最大凹凸差Gは、第2経過時間を短くする(凝固時間を短くする)ほど小さくなり、平坦性のよい断面形態になる。
図11は、第2経過時間と合金層の断面形態評点との相関関係を示す相関図である。合金層の断面形態評点は、合金層の断面形態に対応する値の1つであり、図12(1)〜(5)に示すように、合金層の断面形態を5段階に区分し、評点化したものである。すなわち、5段階評点の評点1は合金層の断面凹凸差の最も大きい図12(1)の断面形態を示しており、評点5は合金層の断面形状の最も平坦な図12(5)の断面形態を示している。
図11から、合金層の断面形態は第2経過時間と明瞭な相関を有し、第2経過時間を短くする(凝固時間を短くする)ほど平坦性のよい断面形態に変化することが判る。このように、合金層の断面形態に対応する値である合金層層厚の最大凹凸差Gおよび合金層の断面形態評点は、いずれも第2経過時間と相関を有しているので、第2経過時間の調節によって合金層の断面形態を平坦性のよい形態に制御することができる。なお、前記回帰式(8)式および図11の相関関係は、前記制御手段19のメモリ19aに予め記憶される。前記合金層の断面形態と第2経過時間との相関は、次のように説明することができる。
図13は、合金層の成分濃度分布の説明図である。図13(1)のように、断面凹凸の大きい合金層(前記図12の評点「1」に相当)と、図13(2)のように平坦性の良好な合金層(評点「4」に相当)とについて、平坦部の合金層のFe,Siの濃度分布を比較すると、両者におけるFe濃度は約30%と差異はなく、かつ母材鋼板との界面の近傍(位置E2および位置B3)における合金層中のSi濃度も約12%前後とほぼ同じである。しかしながら、凹凸の大きい前者における凸状部先端(位置A2)のSi濃度は約17%と、後者の平坦な合金層におけるそれに比して、Siリッチの状態を呈している。
このSi濃度分布を、図14のAl−Si平衡状態図を基に考察すると、Al−Siめっき層の凝固過程では、初晶α(Siの固溶限は、1〜2重量%であり、めっき浴Si濃度より低い)が、Siを融液中に排出しながら晶出するので、最終凝固部となる融液部のSi濃度は、他の部分より高濃度となる。
前記凝固過程について、めっき層の凝固時間が充分長い場合と、短時間に凝固を完了する場合とを比較すると、凝固時間が長い場合には、Si原子が融液中を拡散移動するための時間が充分にあり、かつ初晶αと融液との間でSi原子が充分に分配されるので、図15(1)のように、初晶αは粗大に成長し、未凝固の融液LにはSiが高濃度に濃化する。そして、初晶αが母材鋼板の表面に接触している部分(固体/固体間の拡散反応となる)の合金層の成長(Fe原子の拡散)は遅延し、初晶αの接触のない部分(固体/液体間の拡散反応である)は、母材鋼板からのFe原子の拡散による合金層の成長が急速に進行する。この拡散反応の部分的な遅速の差異によって、合金層の断面形態に凹凸が生じる。その凹凸は、凝固時間が緩慢なほど、大きくなる。
これに対して、凝固時間が短い場合には、融液中および初晶α中のSi原子の拡散移動が抑制され、初晶αの核生成も多く、図15(2)のように、微細な初晶αが融液L中の全体に亘って多量にかつ均一に分布した状態で凝固が進行するので、前記の緩慢な凝固条件の場合と異なって、合金層の部分的な成長の遅速が緩和され、凹凸の少ない(凹凸が微細化された)断面形態となる。
図16は、合金層制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。図16によって、溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御方法を説明する。ステップs1では、合金層制御に先立って目標値、設備固有値および設定値などが初期設定される。前記目標値としては、合金層層厚の目標値TA、合金層層厚の最大凹凸差の目標値GAおよび合金層の断面形態評点の目標値が予め定める値に初期設定される。これらの目標値は、めっき付着量および需要家のプレス加工に要求されるめっき層の耐剥離性などに応じて定められる。前記目標値の数値は、たとえばTA:4μm,GA:5μm,断面形態評点4である。前記設備固有値としては、前記搬送距離L1,L2、冷却装置29の冷却風量の最大値FMAXおよびめっき鋼板28の搬送速度の最大値VMAXが、溶融アルミニウムめっき設備の設備仕様に基づいて初期設定される。前記設定値としては、風量修正量ΔFおよび速度修正量ΔVが、過去の操業実績に基づいて予め定める値に初期設定される。これらのうち、風量修正量ΔFおよび速度修正量ΔVは、段階的に冷却風量および搬送速度を修正する場合に用いられる単位修正量であり、本実施の形態では、後述のようにめっき層の凝固時間短縮のために増分修正量として用いられることが多い。
ステップs2では、めっき層の凝固完了位置L3、めっき鋼板28の搬送速度Vおよび冷却装置29の冷却風量Fがそれぞれ検出される。これらの検出は、前記凝固位置検出手段13、速度検出手段14および流量検出手段15によって行われる。ステップs3では、前記第1経過時間t1および第2経過時間t2が算出される。第1および第2経過時間t1,t2の算出は、演算手段18によって次式(9)式(10)式に基づいて行われる。
t1=(L1+L2+L3) V …(9)
t2=(L2+L3)/V …(10)
ステップs4では、めっき鋼板28の合金層層厚Tおよびその最大凹凸差Gが算出される。これらの算出は、前記回帰式(1)式および(8)式にステップs3で算出された経過時間t1,t2を代入することによって行われる。なお、合金層層厚の最大凹凸差Gに代わって合金層の断面形態評点を用いてもよい。この場合には、前記図11の相関関係から第2経過時間t2に対応する合金層の断面形態評点が求められる。
ステップs5では、ステップs4で算出された合金層の層厚Tが、その目標値TA以下であるか否かが判断される。この判断が肯定であればステップs6に進み、この判断が否定であればステップs7に進む。ステップs6では、ステップs4で算出された合金層層厚の最大凹凸差Gが、目標値GA以下であるか否かが判断される。この判断が肯定であれば、合金層層厚Tおよびその最大凹凸差Gがともに目標値を満たしているので、そのまま溶融めっきが継続され、ステップs13に進む。ステップs6における判断が否定であれば、ステップs7に進む。
ステップs7では、ステップs2で検出された冷却風量Fが、冷却風量の最大値FMAX未満であるか否かが判断される。この判断が肯定であれば、冷却風量を増加し、凝固時間を短縮することが可能であるので、冷却風量を修正するステップs8に進む。ステップs8では、修正冷却風量F1が求められる。修正冷却風量F1の算出は、ステップs2において検出された冷却風量Fおよびステップs1において設定された風量修正量ΔFから次式(11)式に基づいて行われる。
F1=F+ΔF …(11)
修正冷却風量F1算出後、ステップs12に進む。ステップs7における判断が否定であれば、冷却風量が最大値に達しているので、冷却風量によってはこれ以上凝固時間を短縮することができないと判断され、ステップs9に進む。ステップs9では、搬送速度Vが搬送速度の最大値VMAX未満であるか否かが判断される。この判断が肯定であれば、搬送速度を増加し、凝固時間を短縮することが可能であるので、搬送速度を修正するステップs10に進む。ステップs10では、修正搬送速度V1が求められる。修正搬送速度V1の算出は、ステップs2において検出された搬送速度Vと、ステップs1において設定された速度修正量ΔVから次式(12)式に基づいて行われる。
V1=V+ΔV …(12)
修正搬送速度V1の算出後、ステップs12に進む。ステップs12では、冷却風量Fまたは搬送速度Vの修正が行われる。すなわち、ステップs7の判断が肯定であれば冷却風量Fの修正が行われ、ステップs7の判断が否定で、かつステップs9の判断が肯定であれば、搬送速度Vの修正が行われる。冷却風量Fの修正は、冷却風量Fがステップs8で求められた修正冷却風量F1と一致するように、前記冷却装置29の流量制御弁35の弁開度を調整することによって行われる。搬送速度Vの修正は、搬送速度Vがステップs10で求められた修正搬送速度V1と一致するように、前記ブライドルロール31の駆動モータ32の回転速度を調整することによって行われる。ステップs12における修正完了後、ステップs13に進む。
ステップs9における判断が否定であれば、搬送速度が最大値に達しているので、これ以上凝固時間を短縮することができないと判断され、ステップs11に進む。ステップs11では、警報が発令される。警報は、点滅赤色表示灯などの目視表示およびブザーなどの音響表示によって発令される。警報の発令された溶融アルミニウムめっき鋼板は、合金層層厚またはその最大凹凸差が目標値よりも大きくなっている恐れがあるので、詳細な品質調査が行われ、処置が決定される。警報発令後、ステップs13に進む。
ステップs13では、合金層の制御を終了するか否かが判断される。この判断は、溶融アルミニウムめっき鋼板28のコイル尾端が、制御位置である冷却装置29に到達しているか否かによって行われる。この判断が否定であれば、制御が続行され、ステップs2に戻る。このステップs2からステップs13を経て、再度ステップs2に戻るループは、ステップs13における判断が肯定になるまで繰り返される。ステップs13における判断が肯定であれば、制御位置にコイル尾端が到達しているので、1コイル分の合金層制御が終了する。
以上述べたように、本実施の形態では、めっき層の凝固完了位置を検出して、凝固完了までの前記第1経過時間および第2経過時間を算出し、前記図9の相関に基づき、第1経過時間に対応する合金層の層厚Tを求め、前記図10または図11の相関に基づき、第2経過時間に対応する合金層層厚の最大凹凸差Gまたは合金層の断面形態評点を求め、これらの算出値が各算出値の目標値を満たすまで操業条件である冷却装置29の冷却風量Fおよび、めっき鋼板28の搬送速度Vの少なくとも一方の修正が繰り返し行われる。このように、合金層の制御がフィードバック制御によって行われるので、合金層の層厚および断面形態の的確な制御を確実に遂行することができる。すなわち、たとえば合金層を、層厚4μm以下、最大凹凸差4μm以下および断面形態評点4以下に制御することは、第1経過時間を16秒以下、第2経過時間を10秒以下とする冷却風量および搬送速度の調節操作によって可能である。また、この合金層層厚と断面形態制御の相乗効果として、めっき層の耐剥離性がより一層強化され、絞り、しごき等の苛酷なプレス成形加工に対する信頼性が一段と高められる。このため、本実施の形態に従えば、めっき層の耐剥離性の優れた溶融アルミニウムめっき鋼板を効率的かつ確実に製造することができる。
本発明の他の実施の形態として、めっき鋼板28の合金層層厚および合金層の断面形態を共に制御するのではなく、合金層層厚のみを制御して溶融アルミニウムめっき鋼板28を製造してもよい。本実施の形態における合金層制御装置は、前記合金層制御装置11と全く同一であるので、重複を避けるために図面および説明を省略する。また、本実施の形態における合金層制御装置の動作を示すフローチャートも、下記の点を除いて図16と同一であるので、重複を避けるために図面および説明を省略する。すなわち、本実施の形態におけるフローチャートは、図16に示すフローチャートのうち合金層の断面形態に関する判断ステップであるステップs6が省略され、さらにステップs1、ステップs3およびステップs4における第2経過時間および合金層の最大凹凸差に関する記載事項が省略される。
本実施の形態における合金層層厚の制御は、めっき層の凝固位置を検出して、凝固完了までの前記第1経過時間を算出し、前記図9の相関関係に基づき、第1経過時間に対応する合金層の層厚Tを求め、合金層層厚の算出値が合金層層厚の目標値を満たすまで、操業条件である冷却装置29の冷却風量Fおよびめっき鋼板28の搬送速度Vの少なくとも一方の修正が繰り返し行われる。このように、本実施の形態によれば、合金層層厚の制御がフィードバック制御によって行われるので、合金層の生成層厚を精度よく制御できる。すなわち、たとえば合金層の層厚を4μm以下に制御することは、第1経過時間を16秒以下とする冷却風量および搬送速度の調節操作によって可能である。このため、需要家におけるプレス加工に要求される耐剥離性に応じて合金層層厚を制御することができる。
本発明に使用される溶融アルミニウムめっき浴を、Si含有量3〜13重量%のAl−Si浴組成としているのは、Si添加による合金層の抑制効果を奏するためであり、それには少なくとも3重量%の含有が必要である(6重量%以上においては、浴中浸漬部材の腐食溶損の抑制効果も得られる。)。他方、13重量%を超えると、めっき金属層の耐食性、加工性が低下するので、これを上限としている。この浴組成の調整は、従来の連続溶融アルミニウムめっき操業におけるそれと特に異ならない。なお、Al−Si合金浴は、不可避的不純物として通常、約5重量%以下のFe分を付随するけれども、この不純物の混在によって発明の趣旨が損なわれることはない。
めっき浴の浴温は、融点以上に保持されることは言うまでもないけれども、めっき表面品質の安定化のために、融点+20℃以上とするのが好ましい。めっき浴温の上限を、融点+70℃に規定したのは、それを超える高温浴は、熱経済性の不利のみならず、合金層の生成を助長し、本発明の合金層の効果的な制御効果を得ることができなくなるからである。
なお本発明は、溶融アルミニウムめっきのみならず、他の連続溶融めっき(たとえば、アルミニウム−亜鉛合金めっき,亜鉛−アルミニウム合金めっき,純アルミニウムめっき等)においても、その合金層厚および合金層の断面形態の制御手段として有効であり、ことに相互に固溶限を持つ2種以上の元素から成る合金溶融めっきにおける合金層断面形態の抑制効果は大である。
(実施例)
連続溶融アルミニウムめっき設備において、母材鋼板23をめっき浴中に搬送し、浴上に導出されためっき鋼板28を冷却装置29で強制冷却して溶融アルミニウムめっき鋼板を製造した。
〔A〕供試鋼板の製造条件
(1)母材鋼板の材種
A:極低炭素チタン添加鋼板
化学組成(重量%):C≦0.005,Si≦0.10,Mn:0.10〜0.20,P≦0.020,S≦0.010,Al:0.04〜0.06,Ti:0.05〜0.07,N≦0.005。
板厚:0.4〜3.2mm
B:低炭素アルミニウムキルド鋼板
化学組成(重量%):C≦0.08,Si≦0.10,Mn:0.10〜0.40,P≦0.020,S≦0.030,Al:0.02〜0.06,N≦0.005。
板厚:0.7〜2.2mm
C:中炭素アルミニウムキルド鋼板
化学組成(重量%):C:0.12〜0.15,Si≦0.10,Mn:0.50〜1.00,P≦0.030,S≦0.030,Al:0.02〜0.06,N≦0.005。
板厚:2.4〜2.9mm
(2)めっき鋼板の搬送速度:50〜140m/min
(3)めっき付着量:15〜35μm(片面)
(4)めっき浴上冷却装置による強制冷却条件
冷 媒:空気、
噴射圧力:80〜430mmAq
噴 射 量:400〜2400m3/min
〔B〕合金層の評価
各供試めっき鋼板について、合金層の生成層厚、断面形態を走査型電子顕微鏡(倍率2000)によって図2および図3に示す方法で測定、評価した。
〔C〕プレス成形性の評価
各供試材について、下記のカップ絞りプレス成形加工(油圧方式)により、めっき層の剥離抵抗性を評価した。
ポンチ径:85mm,ブランク径:177mm,絞り深さ:40mm,ダイス肩およびポンチ肩の半径:4mm。
耐剥離性評点:sa 剥離なし,a 剥離微小,b 剥離中,c 剥離大。
表3に、各供試材の製造条件および製造結果(合金層評価、プレス加工性評価)を示す。合金層の生成層厚および断面形態は、第1経過時間および第2経過時間を短くすることによって薄くなり、かつ平坦化されている。実施例として表示しためっき鋼板における合金層の評価は、いずれも生成層厚約5μm以下、合金層層厚の最大凹凸差約5μm以下および合金層の断面形態評点「3」以上であり、特に第2経過時間をより短く調節した供試材では、合金層層厚の制御効果と併せて、より平坦性に優れた断面形態が確保されている。また、そのめっき鋼板は、合金層の層厚および断面形態の制御効果として、カップ絞りの強加工に充分耐え得る高い耐剥離性を有しており、特に断面形態の平坦性に優れた供試材(A.25,B.22,C.22)では、プレス加工においてめっき層の剥離が全く認められない。なお、めっき層はいずれも平滑美麗で、健全な表面品質(目視観察による)を有している。
これに対して、比較例として表示しためっき鋼板は、合金層の生成層厚が厚く、また断面の凹凸が大きく、プレス加工性に劣っている(供試材A.14は、第1経過時間を短く調節されていながら、合金層の層厚が厚くなっているのは、めっき浴温が高過ぎる(融点+約83℃)からである。)。
前記実施例では、第1経過時間を約20秒以下、第2経過時間を16秒以下に調節したものを発明例として表示したけれども、第1経過時間および第2経過時間の設定は、製品めっき鋼板の用途、プレス加工に要求される耐剥離性に応じて、所望の合金層層厚抑制効果を得られるように適宜設定すればよい。
Figure 0003695759
産業上の利用可能性
以上のように本発明によれば、合金層の生成層厚を効果的に抑制し、かつ合金層の層厚の最大凹凸差を平坦性のよい形態に制御することができる。さらにまた、合金層の制御においては、板厚等を考慮する必要がなく、また従来法におけるようなめっき鋼板の浴中導入板温の調節や、その板面に対する金属層の被覆処理等の繁雑な措置も不要であり、しかも従来法に比べて、極めて高精度に合金層を制御することができる。
また本発明によれば、合金層制御装置は、合金層の層厚および合金層の層厚の最大凹凸差を目標値を満たすように精度よく制御することができるので、溶融アルミニウムめっき鋼板の品質(耐剥離性)の向上を図ることができ、絞り、しごき等の苛酷なプレス成形加工に対する信頼性が向上する。
また本発明によれば、凝固位置検出手段はめっき鋼板の温度分布を2次元で検出しているので、最終凝固点が板幅方向および搬送方向に変動しても、その位置を確実に求めることができ、めっき層の凝固完了位置を正確かつ確実に検出することができる。

Claims (4)

  1. Si含有量3〜13重量%のAl−Si浴組成を有する溶融アルミニウムめっき浴に、母材鋼板を搬送して導入し、板面にめっき金属層を形成するとともに、めっき金属層と母材鋼板との界面にFe−Al−Si合金層を形成し、浴上に配設された冷却装置によりめっき金属層を強制冷却して凝固させる連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法において、
    母材鋼板が、めっき浴に侵入した時点から、浴中を通過し、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第1経過時間と、前記合金層の層厚との相関関係に基づいて、前記合金層の層厚が1〜5μmとなるように前記第1経過時間を調節し、
    めっき鋼板がめっき浴上に導出された時点から、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第2経過時間と、前記合金層の層厚の最大凹凸差との相関関係に基づいて、前記合金層の層厚の最大凹凸差が0.5〜5μmを満たすように、第2経過時間を調節することを特徴とする連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法。
  2. 母材鋼板の搬送速度および冷却装置の冷媒流量の少なくとも一方の調整により、第1経過時間および第2経過時間を調節することを特徴とする請求項1記載の連続溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法。
  3. Si含有量3〜13重量%のAl−Si浴組成を有する溶融アルミニウムめっき浴に、母材鋼板を搬送して導入し、板面にめっき金属層を形成するとともに、めっき金属層と母材鋼板との界面にFe−Al−Si合金層を形成し、浴上に配設された冷却装置によりめっき金属層を強制冷却して凝固させる連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置において、
    めっき金属層の凝固完了位置を検出する凝固位置検出手段と、
    母材鋼板の搬送速度を検出する速度検出手段と、
    冷却装置の冷媒流量を検出する流量検出手段と、
    冷却装置の冷媒流量を制御する流量制御手段と、
    母材鋼板の搬送速度を制御する速度制御手段と、
    前記合金層の層厚の1〜5μmと、前記合金層の層厚の最大凹凸差の0.5〜5μmと、めっき鋼板のめっき浴中における搬送距離と、めっき鋼板のめっき浴面から冷却装置を通過するまでの搬送距離とを設定する設定手段と、
    凝固位置検出手段および速度検出手段の検出値ならびに設定手段によって設定された各搬送距離に基づき、母材鋼板がめっき浴に侵入した時点から、浴中を通過してめっき金属層の凝固を完了する時点までの第1経過時間と、めっき鋼板がめっき浴上に導出された時点から、めっき金属層の凝固を完了する時点までの第2経過時間とを算出する演算手段と、
    演算手段の出力に応答して、第1経過時間と前記合金層の層厚との相関関係に基づいて、第1経過時間の算出値に対応する前記合金層の層厚を算出し、第2経過時間と前記合金層の層厚の最大凹凸差との相関関係に基づいて、第2経過時間の算出値に対応する前記合金層の層厚の最大凹凸差を算出し、算出された前記合金層の層厚が設定手段によって設定された目標値1〜5μm、および算出された前記合金層の層厚の最大凹凸差が設定手段によって設定された目標値0.5〜5μmを満たすように流量制御手段および速度制御手段の少なくとも一方を制御する制御手段とを含むことを特徴とする連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置。
  4. 前記凝固位置検出手段は、
    めっき鋼板の2次元温度分布を検出する温度分布検出手段と、
    温度分布検出手段の出力に応答し、2次元温度分布を画像処理する画像処理手段と、
    画像処理手段の出力に応答して、2次元温度分布を画像表示し、表示画像からめっき金属層の凝固完了位置を検出する画像表示手段とを含むことを特徴とする請求項3記載の連続溶融アルミニウムめっき鋼板の合金層制御装置。
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