JP3695692B2 - ロール紙製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原反として幅広の連続紙を保持する原反保持部、原反を所定幅にスリットする縦方向スリッタ、スリットされた所定幅の連続紙を長さ方向の一端側からロール状に巻き上げる巻き取り部、巻き上げた連続紙を所定の長さでカットするカッタ機構等を備え、巻き取り部でロール状に巻き上げた長尺状の連続紙を所定の長さでカットすることによりロール紙を製造するようにしたロール紙製造装置がある。
【0003】
このようなロール紙製造装置には、例えば生産量の少ないロール紙を製造する場合等において、巻き取り部で巻き上げた連続紙を、オペレーターが手動でカットするようなことがなされているものがある。
【0004】
上述のようなロール紙製造装置によって製造されたロール紙は、例えばチケットプリンタ等に使用される。チケットプリンタとは、チケットを専用に発行するプリンタであり、搬送経路中を搬送されるロール紙に対して印字動作を行い、印字後のロール紙を全て一定長となるような位置で切断する。
【0005】
チケットプリンタに使用されるロール紙には、発行されるチケットに関して印字位置と切断位置との位置関係の正確さが求められるため、切断位置の判断の基準となるブラックマークと称されるマーキングが施されているものがあり、このようなロール紙を使用するチケットプリンタでは、反射型光センサでブラックマークの位置を検出し、検出されたブラックマークの位置を基準として、印字位置と切断位置とを設定することにより、印字位置や切断位置の正確性を確保するようにしている。
【0006】
加えて、ロール紙を使用するチケットプリンタには、ロール紙の先端を一部引き出した状態でセットさせる投げ込み方式を採用したチケットプリンタがある。このようなチケットプリンタでは、ロール紙のセット時に、初期フィードを行うようにすることが従来からなされている。
【0007】
ここで、初期フィードとは、ロール紙がセットされてから最初のブラックマークを検出するまで印字動作を行わずに連続紙を搬送し、ブラックマークを検出した時点でカッタ機構を駆動して連続紙を切断する動作である。
【0008】
初期フィードを行うことにより、次回のチケット発行に際して、印字位置と切断位置との位置関係を良好に維持することができる。
【0009】
また、チケットプリンタに使用されるロール紙には、発行後の使用態様を考慮して、使用時に容易に切り離すことができるようなミシン目が予め付されているものがある。これによって、発行されたチケットの取り扱いを容易にすることが可能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなロール紙製造装置では、カッタ機構の精度によっては、切断位置にばらつきを生じてしまうことが懸念される。これにより、ロール紙の長さが、不揃いとなってしまう。
【0011】
この対策として、精度の高いカッタ機構を用いることが考えられるが、高精度なカッタ機構を使用する場合、装置のメンテナンスを頻繁に行わなくてはならず、作業性が劣る。
【0012】
また、ロール紙の巻き終わりをオペレーターがカッタ等を使用して手動で切断する場合には、作業が煩雑となる。加えて、ロール紙の巻き終わりをオペレーターがカッタ等を使用して手動で切断する場合、ロール紙の巻き終わりをオペレーターが無作為に切断するため、製造されたロール紙の切断位置にばらつきが生じる。
【0013】
投げ込み方式を採用しているチケットプリンタでは、上述したような構造上の理由から、ロール紙をセットする際に引き出した部分は初期フィードの際に廃棄される。このため、ロール紙の長さにばらつきがある場合には、廃棄される部分が必要以上に多くなってしまうことが考えられ、ロール紙を有効に活用することができない。このことは、投げ込み方式を採用しているチケットプリンタにおいて、印字位置が厳密に規定されるミシン目が形成されているロール紙をセットした場合に、より顕著に表れる。
【0014】
また、上述したようなロール紙製造装置では、ロール紙の切断位置が不揃いとなることによりロール紙の巻き始めの位置も不揃いとなるため、チケットプリンタでの使用に際して、有効に使用することができず、印字されずに残ってしまうロール紙が発生してしまう。
【0015】
本発明は、長さ寸法に関して、精度の良好なロール紙製造方法、ロール紙製造装置およびロール紙を得ることを目的とする。
【0016】
本発明は、切断位置を厳密に調整する必要なく、長さ寸法に関して、精度の良好なロール紙製造方法、ロール紙製造装置およびロール紙を得ることを目的とする。
【0017】
本発明は、チケットプリンタでの使用に際して、印字されずに残される部分を必要最少限とし、最大限有効に活用することができるロール紙製造方法、ロール紙製造装置およびロール紙を得ることを目的とする。
【0018】
本発明は、投げ込み方式を採用しているチケットプリンタでの使用に際して、初期フィードにかかる無駄を必要最少限とすることができるロール紙製造方法、ロール紙製造装置およびロール紙を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のロール紙製造装置は、長尺状の連続紙を所定量巻き上げたロール紙を製造するロール紙製造装置において、余券部、本券部、半券部で一単位とされた繰り返し単位が長さ方向に沿って連続し、少なくとも前記余券部と前記本券部とがミシン目によって分割された長尺状の前記連続紙を前記余券部、前記半券部、前記本券部の順で引き出し自在に保持する原反保持部と、前記連続紙を前記余券部から長さ方向に沿ってロール状に巻き上げる巻き取り部と、前記原反保持部から前記巻き取り部へ至る案内経路に位置する2対のローラと、これらの2対の案内ローラに挟まれるように設けられ前記連続紙を切断する切断部材と、を備え、前記切断部材は、前記巻き取り部によって前記連続紙を前記所定量巻き上げた時点で、前記余券部と前記本券部とを分割するための前記ミシン目から切断する。
【0022】
したがって、原反保持部に保持された連続紙が、巻き取り部によって余券部からロール状に巻き上げられ、所定量巻き上げられた時点で、切断機構によって余券部と本券部とを分割するミシン目で切断される。これによって、カッタ機構によって切断される切断位置の精度を厳密に調整する必要なく、切断位置を常に一定に維持することが可能になるので、長さ寸法に関しての寸法精度を良好に維持することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の一実施の形態のチケットロール紙について図1および図2を参照して説明する。本実施の形態のチケットロール紙は、POS端末等のホスト機に接続して使用され、ホスト機からの印字データに応じて印字がなされたチケットを発行するチケットプリンタ17(図4参照)等に使用される。
【0026】
図1は本発明の一実施の形態のチケットロール紙1の巻き始め側を示す斜視図および平面図であり、図2はチケットロール紙1の巻き終わり側を示す斜視図および平面図である。ロール紙としてのチケットロール紙1は、熱エネルギーが印加されることにより発色する発色特性を有する感熱発色層(図示せず)が一面側に形成されている長尺状の連続紙としての感熱紙1aが、長さ方向の一端部側からロール状に巻き上げられたロール体形状を有している。
【0027】
感熱紙1aは、図1(b),図2(b)に示すように、長さ方向に沿って連続する余券部2,本券部3,半券部4で一単位とされる複数の繰り返し単位5が長さ方向に沿って連続している。また、感熱紙1aは、後述するチケットプリンタ17に使用されてチケットとして発行される際の使用態様から、本券部3と半券部4,本券部3と余券部2とが、それぞれミシン目6によって分割されている。
【0028】
本券部3には、後述するチケットプリンタ17で使用されてチケットとして発行される際に、コンサート名や席順等が印字されるメイン印字領域3aが設けられている。また、半券部4には、後述するチケットプリンタ17で使用される際に、メイン印字領域3aに印字される内容とほぼ同様の内容が印字されるサブ印字領域4aが設けられている。さらに、余券部2には、後述するチケットプリンタ17で使用される際に、例えばチケットの発行を指示したPOS端末の識別番号等の、印字データの出力元を特定する情報等が印字される識別情報印字領域2aが設けられている。
【0029】
特に図示しないが、感熱紙1aの感熱発色層が形成されている側の面(以降、被印字面とする。)の裏面側には、後述するチケットプリンタ17に使用されてチケットとして発行される際に、印字位置および切断位置の基準となるブラックマークが、所定の間隔毎に付されている。本実施の形態のチケットロール紙1には、余券部2と本券部3と半券部4とが連続する単一の繰り返し単位5毎にブラックマークが付されている。
【0030】
チケットロール紙1は、図1に示すように、繰り返し単位5の連続が、余券部2から巻き始められており、巻き終わりは本券部3と余券部2とを分割するミシン目6によって切断された本券部3とされている。チケットロール紙1の巻き終わりを本券部3と余券部2とを分割するミシン目6によって切断された本券部3とすることにより、切断位置を常に一定に維持することが可能になるので、長さ寸法に関しての精度が良好なチケットロール紙1を提供することができる。
【0031】
次に、上述したチケットロール紙1を製造するロール紙製造装置について図3を参照して説明する。図3は、ロール紙製造装置におけるロール紙巻き取り機構を概略的に示す側面図である。ロール紙製造装置7は、ロール状の幅広の感熱紙1b(以降、原反とする。)を回転自在に保持する原反保持部9、原反1bを長さ方向の先端からロール状に巻き上げる巻き取り部10、原反保持部9と巻き取り部10との間で原反保持部9から巻き取り部10へ至る案内経路11等を備える。
【0032】
原反保持部9に保持される原反1bは、複数本のチケットロール紙1に相当する幅を有しており、長さ方向の一端部側から巻き上げられたロール体形状をしている。また、原反保持部9に保持される原反1bは、長さ方向の一端部側から余券部2、本券部3、半券部4の順で引き出されるようにして取り付けられている。原反1bは、チケットロール紙1として製造された際に、本券部3,半券部4,余券部2となる各部のうち、本券部3と半券部4,本券部3と余券部2とが分割される位置に、予めミシン目6が形成されている。
【0033】
巻き取り部10には、一方向に回転自在な巻き取り軸12が設けられている。後述するロール紙の製造時においては、この巻き取り軸12にロール芯12aが取り付けられる。
【0034】
案内経路11には、案内経路11中の用紙を張るための複数対(本実施の形態では4対)のローラ13a,13b,13c,13dが設けられている。また、案内経路11には、原反保持部9から巻き取り部10へ向けて案内される原反1bを所定の幅にカットする縦方向スリッタ14が、原反1bの軸方向に沿って複数個設けられている。さらに、案内経路11には、2対のローラ13c,13dに挟まれるようにして、感熱紙1aを切断するための切断機構15が設けられている。
【0035】
切断機構15は、図3中において案内経路11より上側に、紙面上方から案内経路11を横切るようにして下方へ移動する切断部材16を備えている。
【0036】
加えて、特に図示しないが、ロール紙製造装置7は、巻き取り軸12、縦方向スリッタ14、切断部材16等のロール紙製造装置7内の各部を駆動制御する制御部を有している。制御部は、各部を集中的に駆動制御するCPU、制御プログラム等の固定的データを予め格納するROM、可変的なデータを書き換え自在に格納するRAMを接続することにより構成されている。RAMには、例えば連続紙の巻き取りに際しての、巻き取り軸12の回転数にかかるデータ等が記憶されている。巻き取り軸12の回転数は、目的とする長さの感熱紙1aを巻き上げた時点で、余券部2と本券部3とを分割する位置となるミシン目6が2対のローラの間13c,13dに位置するように設定されている。
【0037】
このような構成において、チケットロール紙1を製造する際の、各部の動作について説明する。チケットロール紙1の製造に際しては、まず、原反1bの長さ方向の先端を引き出して、縦方向スリッタ14を介して、被印字面が外周側に向くようにして余券部2を巻き取り軸12に取り付けられたロール芯12aに固定する。
【0038】
なお、固定に際しては、粘着テープによって余券部2をロール芯12a(図1(a)参照)に固定してもよいし、糊や接着剤等によって余券部2をロール芯12aに固定してもよい。
【0039】
また、余券部2をロール芯12aに固定する粘着テープ、糊、接着剤等の接着力は、例えば後述するチケットプリンタ17(図4参照)での使用に際して、プラテン23等の搬送機構による搬送力によって容易に引き剥がすことが可能な程度とされている。
【0040】
さらに、本実施の形態では、有芯のチケットロール紙1としたが、これに限るものではなく、無芯のチケットロール紙1としてもよい。
【0041】
加えて、本実施の形態では、原反1bが縦方向スリッタ14を介することで目的とするチケットロール紙の幅にスリットされた時点から以降を、感熱紙1aとする。
【0042】
次いで、原反保持部9から連続する感熱紙1aのうち先端となる余券部2を巻き取り軸12に固定した状態で、巻き取り軸12を回転させる。
【0043】
これにより、原反1bが縦方向スリッタ14により連続的に所定の幅にスリットされ、スリット後の感熱紙1aがロール状に巻き上げられる。
【0044】
巻き取り軸12を予め設定された所定数だけ回転させると、巻き取り軸12の回転を停止させ、切断部材16を下降させる。
【0045】
巻き取り軸12の回転数は、巻き取り軸12の回転を停止させた時点で、余券部2と本券部3とを分割するミシン目6が2対のローラの間に位置するように調整されているため、切断に際して切断部材16を案内経路11を横切るようにして下方へ移動させると、2対のローラの間の感熱紙1a紙に対して作用する下方への押圧力によって、感熱紙1aはミシン目6から切断される。
【0046】
これによって、切断機構15の切断位置の精度を格別厳密に調整する必要なく、2対のローラの間に切断したいミシン目6が位置するようにするだけで、切断位置を常に一定にして、長さ寸法の精度の良好なチケットロール紙1を製造することができる。また、精度の高いカッタを必要としないため、整備等のメンテナンスが容易になり、これによって作業効率を向上させることができる。
【0047】
次に、上述したチケットロール紙1を使用し、チケットを専用に発行するチケットプリンタ17について図4を参照して説明する。本実施の形態のチケットプリンタは、上述したように、POS端末等のホスト機に接続して使用され、ホスト機からの印字データに応じて印字がなされたチケットを発行する。
【0048】
図4は、チケットプリンタ17の概略を示す断面図である。チケットプリンタ17は、プリンタ本体18と、プリンタ本体18に対して支軸19を中心に開閉自在に支持されているヘッドカバー20とを備えている。
【0049】
ヘッドカバー20には、後述するプラテン23に対向接触して感熱紙1aに所定事項をプリントするサーマルヘッド21が設けられている。サーマルヘッド21は、複数の発熱抵抗体(図示せず)がライン状に配列された構造を有している。また、ヘッドカバー20には、後述する連続紙収納部24の円弧形状に連続的な円弧状カバー部22が形成されている。
【0050】
プリンタ本体18には、ローラ構造のプラテン23と円弧状の連続紙収納部24とが設けられている。プラテン23は、搬送モータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、感熱紙1aを所定方向へ搬送する搬送機構としても機能する。連続紙収納部24には、上述したチケットロール紙1が収納保持される。
【0051】
ところで、連続紙収納部24に収納保持するチケットロール紙1の被印字面(図示せず)が片面のみに形成されている場合、その巻回方向には、被印字面が外周側とされた外巻と、被印字面が内周側とされた内巻とがあるが、本実施の形態では、被印字面が外周側とされた外巻の感熱紙1aが使用される。
【0052】
チケットロール紙1は、例えばチケットロール紙1の交換等に際して、ヘッドカバー20を解放させ、被印字面側を上側に向けて、プラテン23の上を通るように引き出された状態で、連続紙収納部24にセットされる。
【0053】
ヘッドカバー20が閉じられた状態では、連続紙収納部24からサーマルヘッド21および後述するカッタ機構29を経てチケット発行口25につながる案内経路31が形成される。また、ヘッドカバー20が閉じられた状態では、案内経路31を介して、サーマルヘッド21がプラテン23に所定の加圧力で当接される。これによって、サーマルヘッド21とプラテン23とによって印字部26が形成される。
【0054】
また、ヘッドカバー20が閉じられた際には、サーマルヘッド21がプラテン23に所定の加圧力で当接されるため、サーマルヘッド21とプラテン23とによって感熱紙1aを狭持して搬送することが可能になる。
【0055】
案内経路31の下側は、プリンタ本体18において連続紙収納部24に連続させて一体的に形成された下側ガイド板27によって支持されている。この下側ガイド板27には、検知センサ28が設けられている。検知センサ28は、光を発光する発光素子(図示せず)と、発光素子で発光した光の反射光を受光する受光素子(図示せず)とを備える反射型光センサであり、受光素子での受光量に応じて、出力が変化する。
【0056】
案内経路31の印字部26よりチケット発行口25側には、カッタ機構29が設けられている。このカッタ機構29は、ともに平板長板状の固定刃29aと可動刃29bとを組み合わせてなり、固定刃29aに対してカッタモータ30によって可動刃29bを摺動させることにより案内経路31を搬送される感熱紙1aを切断する構造のものである。
【0057】
特に図示しないが、チケットプリンタ17は、チケットプリンタ17内の各部を駆動制御する制御部を内蔵している。制御部は、サーマルヘッド21、図示しない搬送モータ、カッタモータ30等を駆動制御する。また、制御部は、検知センサ28の出力変化に基づいて、ブラックマークの有無を判断する。本実施の形態では、余券部2と本券部3と半券部4とが連続する単一の繰り返し単位5毎にブラックマークが付されているため、チケットプリンタ17は余券部2と本券部3と半券部4とが連続する単一の繰り返し単位5の形態を1枚のチケットとして発行する。
【0058】
加えて、チケットプリンタ17は、POS端末等のホスト機(図示せず)から出力される印字データを受信するための図示しない通信インターフェイスを備えている。
【0059】
このような構成において、チケットプリンタ17では、チケットロール紙1の交換、補充等に際して、開放されていたヘッドカバー20が閉じられたことを検出すると、初期フィードを行う。
【0060】
初期フィードに際しては、まず、連続紙収納部24にチケットロール紙1がセットされてから最初のブラックマークを検出するまで、印字部26を駆動させずに、搬送モータのみを駆動する。これにより、感熱紙1aがプラテン23によって搬送される。
【0061】
また、プラテン23によって感熱紙1aが搬送されて検知センサ28の上側をブラックマークが通過することによる検知センサ28の出力変化の有無を判断する。
【0062】
検知センサ28の出力変化に基づいて、ブラックマークの通過を判断すると、ブラックマークの通過を判断してから所定量だけ感熱紙1aを搬送した時点でカッタモータ30を駆動し、可動刃29bを摺動させて、感熱紙1aを切断して、初期フィードを終了する。本実施の形態では、ブラックマークの通過を判断してから所定量だけ感熱紙1aを搬送した時点でカッタモータ30を駆動することにより、図1(b)または図2(b)において細線cで示す余券部2半券部4とを分割する位置で切断される。
【0063】
初期フィードを行うことにより、新しいチケットロール紙1をセットした場合にも、以降、チケットを発行する際に、正確な印字位置から印字を開始することができる。
【0064】
ところで、本実施の形態のチケットプリンタ17のように、チケットロール紙1のセット方法に上述した投げ込み方式を採用しているプリンタでは、半券部3だけを引き出した状態では、プラテン23とサーマルヘッド21との当接部と連続紙収納部24との間の間隔の長さよりも半券部3の長さ方向における長さが短いために、ヘッドカバー20が閉じられた場合にプラテン23とサーマルヘッド21との間に感熱紙1aを狭持させることができず、プラテン23によって感熱紙1aを搬送することができない。一方で、プラテン23とサーマルヘッド21との間に感熱紙1aを狭持させるために十分な長さの感熱紙1aを引き出した場合には、チケットロール紙1を連続紙収納部24にセットする時点で、最初のブラックマークが検知センサ上を通過してしまうため、初期フィードに際して、最初にブラックマークを検出するまでには、不必要に多くの感熱紙が無駄に廃棄される。
【0065】
本実施の形態のチケットロール紙1は、巻き終わりが本券部3とされているため、上述のようにして初期フィードを行うことができる必要分を引き出してセットした場合に、最初にブラックマークを検出するまでに搬送されて廃棄される部分は、最初の本券部3と半券部4のみとなる。これによって、チケットロール紙1の補充に際して廃棄される感熱紙1aの無駄を必要最少限とすることができる。
【0066】
次に、チケットの発行に際して制御部に駆動制御される各部の動作について説明する。チケットプリンタ17では、POS端末等のホスト機から伝送されたプリントデータを通信インターフェイスによって受信すると、受信した印字データに基づいてサーマルヘッド21の各抵抗発熱体(図示せず)を駆動することにより感熱紙1aに対して所定の印字エネルギーを印加する。感熱紙1aは、所定の印字エネルギーが印加されることにより、印加されたエネルギーに応じてドット単位で発色する。これにより、感熱紙1aに所定事項が印字される。
【0067】
印字に際しては、受信した印字データに基づいて1ライン分の印字データ毎に印字を行い、1ライン分の印字データを印字する毎に図示しない搬送モータを駆動してプラテン23を回転させ、1ライン分のプリント領域に相当する長さだけ感熱紙1aを搬送する。
【0068】
搬送モータにより回転されるプラテン23によって搬送される感熱紙1aに付されたブラックマークが検知センサ28上を通過すると、検知センサ28において出力変化が生じる。
【0069】
制御部は、検知センサ28の出力変化をブラックマークとして検出した場合に、カッタモータ30を駆動して可動刃29bを摺動させる。これにより、感熱紙1aが、図1(b)または図2(b)に細線cで示す位置で切断されたチケットが発行される。
【0070】
本実施の形態では、余券部2がロール芯12aに固定された有芯のチケットロール紙1を使用しているが、チケットロール紙1の使用が進み使用の終了位置が近づくと、プラテン23の搬送力によって感熱紙1aはロール芯12aから容易に引き剥がされる。引き剥がされた感熱紙1aの巻き始め部分は、ロール芯12aから離れて搬送される。
【0071】
なお、無芯のチケットロール紙1を使用している場合には、チケットロール紙1の使用が進み使用の終了位置が近づくと、感熱紙1aの巻き始め部分は、ロール芯12aから離れて搬送される。
【0072】
余券部2と本券部3と半券部4とが連続する単一の繰り返し単位5の形態でチケットを発行するチケットプリンタ17では、巻き始めが余券部2とされているチケットロール紙1を使用することにより、最後に残る部分を余券部2だけとすることができる。これによって、廃棄する部分を必要最少限として、ロール紙を有効に使用することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のロール紙製造装置によれば、長尺状の連続紙を所定量巻き上げたロール紙を製造するロール紙製造装置において、余券部、本券部、半券部で一単位とされた繰り返し単位が長さ方向に沿って連続し、少なくとも前記余券部と前記本券部とがミシン目によって分割された長尺状の前記連続紙を前記余券部、前記半券部、前記本券部の順で引き出し自在に保持する原反保持部と、前記連続紙を前記余券部から長さ方向に沿ってロール状に巻き上げる巻き取り部と、前記原反保持部から前記巻き取り部へ至る案内経路に位置する2対のローラと、これらの2対の案内ローラに挟まれるように設けられ前記連続紙を切断する切断部材と、を備え、前記切断部材は、前記巻き取り部によって前記連続紙を前記所定量巻き上げた時点で、前記余券部と前記本券部とを分割するための前記ミシン目から切断することにより、2対のローラの間に切断したいミシン目が位置するようにするだけで、カッタ機構によって切断される切断位置の精度を厳密に調整する必要なく、切断位置を常に一定に維持することが可能になるので、長さ寸法に関しての寸法精度を良好に維持することができる。これによって、メンテナンスにおける切断機構等の切断位置の精度を調整する際の作業を容易にして、作業効率の向上を図ることができる。また、切断位置の精度が厳密に調整されたカッタ機構を備える必要がないので、実用上安価な装置によってロール紙を製造することができる。加えて、このロール紙製造装置によって製造されたロール紙を、例えば、構造上の理由からロール紙のセットに際して先端を引き出さなくてはならない投げ込み方式を採用しているチケットプリンタにセットする際に、切断の基準となるブラックマークを最初に検出する前に、プラテン等の搬送機構に連続紙を到達させることができ、初期フィードにかかる無駄を必要最少限に抑えることができる。また、巻き始めを余券部とすることにより、余券部と本券部と半券部とを単一の繰り返し単位とするチケットを発行するチケットプリンタでの使用に際して、印字されずに残される部分を余券部のみとして、連続紙を最大限有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のチケットロール紙の巻き始め側を示す斜視図および平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態のチケットロール紙の巻き終わり側を示す斜視図および平面図である。
【図3】ロール紙製造装置におけるロール紙巻き取り機構を概略的に示す側面図である。
【図4】チケットプリンタの概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロール紙
1a 連続紙
2 余券部
3 本券部
4 半券部
5 繰り返し単位
6 ミシン目
7 ロール紙製造装置
9 原反保持部
10 巻き取り部
15 切断機構
Claims (1)
- 長尺状の連続紙を所定量巻き上げたロール紙を製造するロール紙製造装置において、
余券部、本券部、半券部で一単位とされた繰り返し単位が長さ方向に沿って連続し、少なくとも前記余券部と前記本券部とがミシン目によって分割された長尺状の前記連続紙を前記余券部、前記半券部、前記本券部の順で引き出し自在に保持する原反保持部と、
前記連続紙を前記余券部から長さ方向に沿ってロール状に巻き上げる巻き取り部と、
前記原反保持部から前記巻き取り部へ至る案内経路に位置する2対のローラと、
これらの2対の案内ローラに挟まれるように設けられ前記連続紙を切断する切断部材と、
を備え、
前記切断部材は、前記巻き取り部によって前記連続紙を前記所定量巻き上げた時点で、前記余券部と前記本券部とを分割するための前記ミシン目から切断することを特徴とするロール紙製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000233911A JP3695692B2 (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | ロール紙製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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