JP3694344B2 - 2次元コード処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、流通業界におけるPOSシステム(販売時点情報管理システム)などへの利用に適した2次元コード処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、POSシステムで用いられるPOS端末では、予め各商品に各々付された固有の商品コードに対応して、商品名、販売価格等の商品データが設定された商品データファイル(PLUファイル)をメモリ中に備え、キーボード等の商品データ入力手段により販売商品の商品コードが入力されると、商品データファイルを検索して入力された商品コードに対応する商品名、販売価格等の商品データを読み出し、これらの商品データに基づいて商品販売データの登録処理を実行するようにしている。
【0003】
この場合、各商品に各々商品コードを示すバーコードを印刷若しくは貼付する一方、商品データ入力手段としてバーコードを読取可能なバーコードスキャナを設け、このバーコードスキャナで販売商品のバーコードを読み取ることにより、商品コードの入力作業を簡易化することも広く実施されている。
【0004】
ところで、近年のPOS端末にあっては、その店舗で扱う本来の商品データの他に、公共料金データも登録処理できるようにしたものがあり、例えば、コンビニエンスストアなどでは公共料金の振込代行業務を行うところもある。
【0005】
このため、公共料金の支払請求書の発行元では、コンビニエンスストアなどの振込代行業者の代行業務を便ならしめるために、その支払請求書(振込通知票)31には、図6に示すように、加入者名データに関するバーコード32a、通知票発行番号データに関するバーコード32b、支社・営業所番号及び請求金額のデータに関するバーコード32cなどを印字するようにしている。
【0006】
よって、顧客が支払請求書31を持ち込んだ際、その支払請求書31に印字されているバーコード32a,32b,32cのデータをバーコードスキャナで順次読み取って入力させることにより、これらの公共料金データを登録処理することができ、締め処理することによりドロワユニットが開放され、顧客から受け取った金銭の収納が可能となる。金銭を受け取った店員は、その受領証明として、支払請求書31にスタンプを押印し、店控え分は店舗で保存し、顧客分は顧客に手渡す。
【0007】
また、このような支払請求書31には、代行した振込に関して実際に振込を行う金融機関等で利用するためのデータ(払込先口座番号、顧客名、顧客番号等)はOCR文字で印字されている。よって、OCR処理によりこれらのデータを取り込み、実際の振込業務を行うようにしている。従って、OCR処理機能を備えていない通常のPOS端末では、振込処理まで行うことはできず、通常は、これらのPOS端末の上位機であって金融機関等と回線接続されたホスト機などを通して行っている。
【0008】
ここに、振込業務もPOS端末で行えるようにするには、例えば、これらの金融機関等で利用するための払込先口座番号等のデータもバーコードとして支払請求書31に印字しておけばよいと考えられる。ところが、一般に、この種の請求書は用紙のサイズが限られているので、ある程度面積を取るバーコードをこれ以上増やすのには無理がある。仮に、これらのデータに関してもバーコード印字が可能であったとしても請求書がバーコードだらけとなってしまい、体裁の悪いものとなる。さらには、バーコードスキャナによるバーコード走査の回数がその分増えてしまう。
【0009】
ところで、近年では、バーコードより情報量の多い2次元データコードや2次元バーコードといった2次元コードが注目され、バーコードに代わるものとして、流通分野等での利用が期待されている。2次元データコードは、周囲の少なくとも2辺が直線となる構成のマトリックス状にデータを配した矩形のパターンよりなるもので、また、2次元バーコードは極めて薄いバーコードを多段に積層してなるもので、双方とも、任意の大きさにてバーコードに比べかなり膨大な量のデータを持たせ得ることが知られている。
【0010】
よって、上記の支払請求書31の例でも、例えば、バーコード32a,32b,32cに含まれるデータや金融機関用の払込先口座番号等のデータを全て含むパターンとした1個の2次元コードを印字しておけば、2次元コードスキャナによる1回の読取走査で済ませられると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、2次元コードは保有すべき全てのデータに基づき作成されるものであり、読取段階ではデータを種別毎に区別できないので、一括読取を行ってデコーダにより解析し、メモリ上のバッファに展開した後、その2次元コード中に含まれていたデータを利用することになる。つまり、2次元コードの読取段階では必要なデータと不要なデータとを区別できないため、必要なデータのみを選別して読み取ることはできない。このことは、容量の大きい点を利用して2次元コード中に多くのデータを含ませておいた場合、処理業務によっては必要としないデータもその処理データ中に含まれてしまう。つまり、2次元コードの場合、データ容量の大きさとデータ選別性とが合致せず、必ずしも、1つの2次元コードに全てのデータを含ませてしまうのが得策とはいえない。
【0012】
例えば、前記支払請求書31の例であれば、振込代行業務と振込業務とでは扱うデータの種別が異なるので、2次元コードを利用するとしても、現実には、バーコード32a,32b,32cに相当する振込代行業務用の2次元コードと、全てのデータを含む振込業務用の2次元コードとを別個に印字することになり、結局、従来のバーコード方式と大差がなく、読取走査を2回必要とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の2次元コード処理装置は、2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた2次元コードのデータを展開して記憶する読取データ展開保存手段と、前記2次元コード中に含まれる複数種類の処理業務に応じて必要とするデータの種別をそれぞれの処理業務毎に予め設定した選択指定テーブルと、実行中の処理業務の種類を判定し、判定された当該実行中の処理業務に応じて必要とする種別のデータとして前記選択指定テーブルに設定された種別のデータのみを、前記読取データ展開保存手段により記憶されたデータ中から取り出すデータ選択取出手段とを備えた。
【0014】
【作用】
2次元コード読取手段により2次元コードを読み取ると、そのデータは読取データ展開保存手段により展開されて記憶される。そして、処理業務が指示されると、その処理業務に応じて必要とする種別のデータのみが選択指定テーブルの設定に従いデータ選択取出手段によって読取データ展開保存手段中から取り出されてその処理業務に供される。従って、2次元コード自身には全てのデータを含ませておいても、各処理業務ではその処理業務に必要とするデータのみを扱えばよいことになり、2次元コードに関するデータ容量の大きさとデータ選別性とが両立する。
【0015】
【実施例】
本発明の一実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施例の2次元コード処理装置は、公共料金の振込代行業務及び振込業務も取り扱うコンビニエンスストアなどにおけるPOSシステム中のPOS端末に適用したものである。そのハードウェア構成を図1により説明する。
【0016】
このPOS端末は、制御部本体としてCPU1を搭載している。このCPU1には、バスライン2を介して、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM3や、可変的なデータを一時記憶するためのRAM4が接続されている。
【0017】
また、前記CPU1には、バスライン2を介して、上位機器のホストコンピュータや外部の金融機関と回線接続するための通信回線インタフェース5、キーボード6を制御するキーボードコントローラ7、表示器8を制御する表示器コントローラ9、レシート/ジャーナル用のプリンタ10を制御するプリンタコントローラ11、2次元データコードリーダ12により読み取られた2次元データコードを入力させる2次元データコードリーダインタフェース(デコーダを含む)13、モードスイッチ14やドロワ(図示せず)を開放させるためのドロワ開放装置15に接続されたI/Oポート16等が接続されている。
【0018】
前記キーボード6は、商品の販売登録業務に必要な置数キー、小計キー、締めキー等が配列されたPOS端末専用のキーボードである。前記表示器8は、販売登録された商品の名称、販売価格や1取引の支払金額等を表示するもので、当該POS端末を操作する店員用の表示器と顧客用の表示器とを備えている。前記プリンタ10は、レシート用紙及びジャーナル用紙に1取引で販売登録された全商品の名称、販売価格や合計金額等を印字するもので、印字済みの用紙はレシート発行口により排出され1取引毎に切断されてレシートとして顧客に発行され、ジャーナル用紙はPOS端末内部にて巻き取られ、取引履歴として保管される。モードスイッチ14は、「登録」「点検」「精算」「設定」等の各種業務モードを選択するためのスイッチであり、本実施例では、「振込代行業務」「振込業務」なる業務の選択も可能とされている。
【0019】
前記2次元データコードリーダ12は、2次元コード、例えば、図2に示すように、周囲の少なくとも2片が直線となる構成のマトリックス状に各種データを配した矩形の2次元データコード17を光学的に読み取るもので、2次元データコード読取手段を構成する。
【0020】
さらに、前記RAM4中には、取引バッファ21、振込業務取引バッファ22、展開バッファ23等の記憶エリアが確保されている。前記取引バッファ21は、通常の取引処理時の各種取引データを一時的に格納するためのもので、公共料金の振替代行業務時にも使用される。前記振込業務取引バッファ22は本POS端末で振替業務を実行した際にその振替業務データを格納するためのものである。前記展開バッファ23は前記2次元データコードリーダ12で2次元データコード17を読み取った際にその読取データを展開して記憶するためのものであり、前記CPU1等とともに読取データ展開保存手段を構成する。
【0021】
一方、本実施例で取り扱う公共料金の支払請求書24上には、図3に示すように、その公共料金の支払に必要な全てのデータに基づき作成された1個の2次元データコード17が印字されている。具体的には、振替代行業務に必要な種別(伝票番号、公共料金名、支社・営業所番号、請求金額、加入者名)のデータの他に、金融機関に対する振込業務のみに必要な種別(振込先の口座番号、顧客名、顧客番号)のデータをも含めたデータに基づきパターンが作成された2次元データコード17とされている。
【0022】
さらに、前ROM3中には、図4に示すようなデータフォーマットテーブル25が設けられている。このデータフォーマットテーブル25は、前記支払請求書24の2次元データコード17中に含まれるデータの全ての種別(▲1▼振込先の口座番号、▲2▼顧客名、▲3▼顧客番号、▲4▼伝票番号、▲5▼公共料金名、▲6▼支社・営業所番号、▲7▼請求金額、▲8▼加入者名)中から処理業務(振替代行業務又は振替業務)に応じて必要とするデータの種別を予め設定したものであり、選択指定テーブルを構成する。より具体的には、振替代行業務用が選択ビット▲1▼、振替業務用が選択ビット▲2▼とされ、各々必要なデータの種別には“1”なるビットが立てられ、不要なデータの種別は“0“とされている。
【0023】
なお、後述するデータ選択取出手段の機能は、前記ROM3中に格納されたプログラムに従い、前記CPU1により実行されるように構成されている。
【0024】
次に、顧客が支払請求書24を持ち込んでその支払を行う場合の振替代行業務及び振込業務に伴う処理制御について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、支払請求書24はその請求元が請求書発行時に必要なデータの全てに基づき作成されたパターンの2次元データコード17を印字して、各顧客に発送したものである。
【0025】
まず、顧客が支払請求書24を持ち込みその支払を行おうとする場合には、店員はキーボード6の操作等により、その支払請求書24の2次元データコード17のスキャニングモードとし(ステップS1)、2次元データコードリーダ12により読取動作を行う。この際、2次元データコード17は2次元データコードリーダ12により一括読取され、2次元データコードリーダインタフェース13中のデコーダによる解析を経て、これらの読取データがバスライン2上を転送される(S2)。CPU1は転送されるこれらのデータを読み込み(S3)、得られた全ての請求書データをRAM4中の展開バッファ23中に展開して格納する(S4)。次に、行おうとしている処理業務を判断する(S5)。
【0026】
ここに、処理業務が振込代行業務の場合には、ROM3中のデータフォーマットテーブル25における選択ビット▲1▼を参照し、この選択ビット▲1▼にビット“1”が立てられている種別のデータ、具体的には、伝票番号等の▲4▼〜▲8▼の種別のデータのみを、展開バッファ23中から取り出して、RAM4中のワークバッファ等に展開する(S6)。このステップS6の処理は、データ選択取出手段により実行される。そして、ワークバッファに展開されたデータを用いて、通常の商品登録処理に準じて、振込代行業務の処理を実行する(S7)。振込代行業務が終了すると、この業務に用いたデータをRAM4中の取引バッファ21に格納し(S8)、さらに、表示器8に表示したり、必要であれば、プリンタ10で印字し(S9)、処理を終える。
【0027】
一方、処理業務が金融機関に対する振込業務の場合には、ROM3中のデータフォーマットテーブル25における選択ビット▲2▼を参照し、この選択ビット▲2▼にビット“1”が立てられている種別のデータ、具体的には、口座番号等の▲1▼〜▲8▼の全ての種別のデータを、展開バッファ23中から取り出して、RAM4中のワークバッファ等に展開する(S10)。このステップS10の処理は、データ選択取出手段により実行される。そして、ワークバッファに展開されたデータを用いて、通信回線インタフェース5等を介して金融機関に対する振込業務の処理を実行する(S11)。振込業務が終了すると、この業務に用いたデータをRAM4中の振込業務取引バッファ22に格納し(S12)、処理を終える。
【0028】
よって、公共料金の取扱に着目した場合、振込代行業務の処理段階と、振込業務の処理段階とでは、必要とするデータの種別が異なるが、本実施例によれば、全てのデータを含む2次元データコード17としておいても、1回だけの走査による一括読取により一旦展開バッファ23に展開された全てのデータ中、各処理業務に応じて必要な種別のデータのみが選択的に取り出されて各々の処理業務が実行されるので、不要なデータをワークバッファに展開して取り扱う必要がなく、処理性のよいものとなる。また、別の観点からみれば、2次元データコード17中に振込業務に必要な種別のデータも含めておけるので、ホストマシン等によらなくても、2次元バーコードリーダ12でこの2次元データコード17を読み取ることにより、POS端末においても直接振込業務も遂行できることになる。
【0029】
なお、本実施例では、2次元データコード17を取り扱う一例として、公共料金に関する支払請求書24の例で説明したが、このような適用例に限らず、2次元データコードを付与し得るもの全般に適用できる。例えば、商品を出荷するメーカ側でその商品に関する情報を極力2次元データコードとして含ませておき、その商品が納入される店舗の規模などに応じて必要とするデータの種別を予め設定しておけば、その店舗での処理業務に必要なデータのみを自動的に取り出せるようにすることができる。つまり、メーカ側で考えれば、個々の取引先等を考慮することなく、各商品毎に唯一のパターンの2次元データコードを付与しておけるソースマーキングの機能を持たせることもできる。
【0030】
また、2次元コードとして2次元データコード17への適用例で説明したが、2次元バーコードの場合にも同様に適用できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、この2次元コード読取手段により読み取られた2次元コードのデータを展開して記憶する読取データ展開保存手段と、前記2次元コード中に含まれる複数種類の処理業務に応じて必要とするデータの種別をそれぞれの処理業務毎に予め設定した選択指定テーブルと、実行中の処理業務の種類を判定し、判定された当該実行中の処理業務に応じて必要とする種別のデータとして前記選択指定テーブルに設定された種別のデータのみを、前記読取データ展開保存手段により記憶されたデータ中から取り出すデータ選択取出手段とを備えたので、処理業務に応じて必要とするデータの種別が異なっても、選択指定テーブルの設定に従うことにより、必要とする種別のデータのみが読取データ展開保存手段中から取り出されてその処理業務に供されるため、2次元コード自身には必要とする全てのデータを含ませておいても、各処理業務ではその処理業務に必要とするデータのみを扱えることになり、よって、2次元コードに関してデータ容量の大きさとデータ選別性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すPOS端末のブロック図である。
【図2】2次元データコードの一例を示す平面図である。
【図3】支払請求書の一例を示す平面図である。
【図4】データフォーマットテーブルの構成例を示す模式図である。
【図5】2次元データコードの処理制御例を示すフローチャートである。
【図6】従来の支払請求書の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
12 2次元コード読取手段
17 2次元コード
23 読取データ展開保存手段
25 選択指定テーブル
Claims (1)
- 2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、
この2次元コード読取手段により読み取られた2次元コードのデータを展開して記憶する読取データ展開保存手段と、
前記2次元コード中に含まれる複数種類の処理業務に応じて必要とするデータの種別をそれぞれの処理業務毎に予め設定した選択指定テーブルと、
実行中の処理業務の種類を判定し、判定された当該実行中の処理業務に応じて必要とする種別のデータとして前記選択指定テーブルに設定された種別のデータのみを、前記読取データ展開保存手段により記憶されたデータ中から取り出すデータ選択取出手段と
を備えたことを特徴とする2次元コード処理装置。
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