JP3694128B2 - スタンプセット - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、玩具等としても最適である簡単に作成できるスタンプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自分だけのオリジナルによるスタンプは、木板やゴム板を彫刻刀などで彫って作成したり、鉄筆・サーマルヘッドなどで作画した謄写原紙をスタンプパッドに貼付したりして作成していた。
しかし、いずれの方法も時間がかかったり、装置が必要であったりして、容易にスタンプを作成することはできなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は非常に簡単な方法でオリジナルスタンプを作成することができるスタンプセットを提供する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
還元剤によって消色する染料と水を含有してなるインクを含浸させたスタンプパッドと、還元剤と水とグリセリンとを含有してなるインクを内蔵させたペンからなるスタンプセットにおいて、前記ペンで筆記した文字等の上から前記スタンプパッドを押し、前記文字等を前記スタンプパッドに転写させてスタンプとすることを特徴とするスタンプセット。
【０００５】
【作用】
還元剤と水とグリセリンを含有してなるインクを内蔵させたペンを用いて、上質紙などの紙面に文字等を筆記した後、その文字等の上から、還元剤によって消色する染料と水を含有してなるインクを含浸させたスタンプパッドを押す。そうするとスタンプパッドに文字等が転写されるが、転写された部分は還元剤の作用によって消色するので、あたかも文字等を白抜きしたようなスタンプが出来上がる。
このスタンプは、転写された還元剤がなくなるまで連続押印が可能であって、還元剤がなくなった後は新たな還元剤含有インキを転写させて異なる印面のスタンプとすることができる。
【０００６】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はスタンプパッドとペンとからなるスタンプセットである。
本発明に用いられるスタンプパッドには連続気泡を有する多孔体が用いられ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成樹脂スポンジ体や、天然ゴム、ＮＢＲ、ＳＢＲ、ＥＰＤＭ等のスポンジゴムを用いることができる。また、当該スタンプパッドに含浸させるインクには、少なくとも還元剤によって消色する染料と水とを含有してなるインクが用いられ、消色する染料としてはトリメチルメタン系染料、例えば、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ １、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｂｌｕｅ ７、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｇｒｅｅｎ ４等や、キサンテン染料、例えば、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ １０等や、シアニン染料、例えば、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｒｅｄ １４等を使用することができる。また、当該インキに還元剤で消色しない染料、例えばＣ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｙｅｌｌｏｗ ２１、Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｙｅｌｌｏｗ ２８等を含有させることもでき、その場合は消色しない色のみのスタンプが得られる。
本発明に用いられるペンは、中綿式のフェルトペン、直液式のフェルトペン、サインペン、水性ボールペン等の現在知られているほとんどの筆記具が使用できる。また、当該ペンに含浸させるインクには、還元剤と水とグリセリンを含有してなるインクが用いられ、還元剤としては亜硫酸カリウム等を使用することができる。ここで、グリセリンは、必須の構成要件であって、もしグリセリンを含有させないと、紙面等に筆記した文字等がスタンプパッドに転写せず、又は、ほとんど転写しないので、連続押印可能なスタンプを作成することができない。
実際に本発明のスタンプを作成するには、まず前記ペンを用いて、上質紙などの紙面に文字等を筆記する。次に、その文字等の上からかぶせるように、前記スタンプパッドを押しつける。そうするとスタンプパッドに文字等が転写される。
転写された部分は還元剤の作用によって消色するので、あたかも文字等を白抜きしたようなスタンプができる。
当該スタンプは、転写された還元剤がなくなるまで連続押印が可能であって、還元剤がなくなった後は新たな還元剤含有インキを転写させて異なる印面のスタンプとすることができる。
【０００７】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
（実施例１）
１はスタンプパッドであって、連続気泡を有する熱可塑性樹脂多孔体を用いている。本実施例では、エチレン−オレフィン共重合体を主材としたポリオレフィン樹脂（タフマーＡ４０９０（商品名：三井石油化学製））を使用した。当該スタンプパッドには、
Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ １ １部
精製水 ２０部
プロピレングリコール ７９部
からなるインキを含浸させてある。
２はペンであって、中綿式のフェルトペンに、
亜硫酸カリウム １０部
炭酸水素カリウム １０部
水 ６０部
グリセリン ２０部
からなるインキを内蔵させてある。
スタンプを作成するには、まず上記ペンを用いて上質紙などの紙面に文字等を筆記する。そうすると無色透明の文字等が書かれる。次に、上記紫色のインキからなるスタンプパッドを押しつける。そうするとスタンプパッドに文字等が転写され、その部分は還元剤の作用によって消色する。よって、紫色を文字等で白抜きしたようなスタンプができる。
当該スタンプは、転写された還元剤がなくなるまで約１０回ほどの連続押印が可能であって、その後、還元剤がなくなると紫色一色のスタンプパッドに戻る。
（実施例２）
スタンプパッドには、連続気泡を有する多孔性ゴムを用い、これに、
Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ １ １部
Ｃ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ ＹＥＬＬＯＷ ２１ １部
精製水 ２０部
プロピレングリコール ７８部
からなるインキを含浸させてある。
ペンには、中綿式の水性ボールペンに、
亜硫酸カリウム １０部
炭酸水素カリウム １０部
水 ６０部
グリセリン ２０部
からなるインキを内蔵させてある。
スタンプを作成するには、まず上記ペンを用いて上質紙などの紙面に文字等を筆記する。そうすると無色透明の文字等が書かれる。次に、上記紫色のインキからなるスタンプパッドを押しつける。そうするとスタンプパッドに文字等が転写され、その部分は還元剤の作用によって紫色が消色し、黄色が表われる。よって、文字等が黄色で、背景色が紫色のスタンプができる。
当該スタンプは、転写された還元剤がなくなるまで約１０回ほどの連続押印が可能であって、その後、還元剤がなくなると紫色一色のスタンプパッドに戻る。
【０００８】
【効果】
本発明のスタンプセットによれば、前準備に時間がかからず、何ら装置が必要でなく、非常に簡単な方法でオリジナルスタンプを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のペンで筆記した状態
【図２】本発明のスタンプを筆記線に押しつけた状態
【図３】本発明のスタンプ完成の状態
【符号の説明】
１ スタンプパッド
２ ペン

Claims (1)

1. 還元剤によって消色する染料と水を含有してなるインクを含浸させたスタンプパッドと、還元剤と水とグリセリンを含有してなるインクを内蔵させたペンからなるスタンプセットにおいて、前記ペンで筆記した文字等の上から前記スタンプパッドを押し、前記文字等を前記スタンプパッドに転写させてスタンプとすることを特徴とするスタンプセット。

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