JP3693816B2 - 加工用治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置によって加工が施される対象物を保持するための加工用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置等に用いられる浮上型薄膜磁気ヘッドは、一般的に、スライダの後端部に磁気ヘッド素子を設けた構成になっている。スライダは、一般的に、表面が媒体対向面(エアベアリング面)となるレール部を有すると共に、空気流入側の端部近傍にテーパ部またはステップ部を有し、テーパ部またはステップ部より流入する空気流によってレール部が磁気ディスク等の記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。
【0003】
また、薄膜磁気ヘッド素子としては、書き込み用の誘導型磁気変換素子と読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子とを積層した構造の複合型の薄膜磁気ヘッド素子が広く用いられている。
【0004】
薄膜磁気ヘッドは、一般に、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列されたウェハを一方向に切断して、スライダとなる部分が一列に配列された棒状の磁気ヘッド用素材(以下、バーと言う。)を形成し、このバーの媒体対向面に対して、ラッピング(研磨)等の加工を行い、その後、バーを切断して各スライダに分離することによって製造される。
【0005】
一般に、磁気ヘッドの出力特性を安定化させるためには、磁気ヘッドの磁極部分と記録媒体の表面との距離を、極小さな一定の値に保つことが重要である。そのためには、磁気ヘッドの媒体対向面の平面度を所定の値に精度良く収め、浮上量の安定化を図ると共に、磁気ヘッドのスロートハイトおよびMRハイトの値を所定の範囲内に収めることが、磁気ヘッドの加工における重要な要件となっている。なお、MRハイトとは、MR素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)を言う。また、スロートハイトとは、誘導型磁気変換素子における磁極部分の長さ(高さ)を言う。
【0006】
磁気ヘッドのスロートハイトおよびMRハイトの値を目標とする値となるように媒体対向面をラッピングする方法は種々あるが、高精度で行なうことができ、且つ一般的に行われている方法は、以下のような方法である。すなわち、この方法は、後述するような機能を持った加工用治具と、この治具に適度な荷重を加え、治具に接着されたバーを変形させながら、自動的にラッピングを行う機能を持ったラッピング装置とを使用する方法である。
【0007】
この方法で使用される治具は、ラッピング装置に固定される本体部と、バーを保持するための1方向に長い保持部と、保持部に連結され、保持部を変形させるための荷重が付加される複数の荷重付加部とを備えている。保持部は、外力が加えられることによってたわむ細長い梁構造になっている。この治具では、外部より荷重付加部に荷重を加えると、保持部がたわみ、この保持部のたわみにより、保持部によって保持されたバーにたわみを与えることができる。
【0008】
以下、この治具を用いたバーのラッピング方法について説明する。このラッピング方法では、まず、バーにおけるラッピングしようとする面が表側となるように、治具の保持部に対してバーを接着剤等によって固定する。
【0009】
次に、治具に固定されたバーについて、バー内の各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値を光学的あるいは電気的な方法で測定し、それらの測定値と目標値との偏差すなわち必要な研磨量を計算する。
【0010】
次に、バー内の各磁気ヘッド素子に対応するラッピング部分のうち、他の磁気ヘッド素子に対応する部分に比べて、必要な研磨量が多い部分については、より多く研磨されるようにするために、その部分における研磨面が凸状になるように荷重付加部に荷重を加えてバーを変形させる。一方、バー内の各磁気ヘッド素子に対応するラッピング部分のうち、他の磁気ヘッド素子に対応する部分に比べて、必要な研磨量が少ない部分については、なるべく研磨されないようにするために、その部分における研磨面が凹状になるように荷重付加部に荷重を加えてバーを変形させる。そして、バーを変形させた状態のまま、バーの媒体対向面を、回転するラッピングプレートに押し当てることにより、バーのラッピングが行われる。
【0011】
このように各磁気ヘッド素子におけるスロートハイトおよびMRハイトの値を測定し、それらの測定値と目標値との偏差すなわち必要な研磨量を計算し、この必要な研磨量に応じてバーを変形させてバーのラッピングを行うという一連の動作を、自動的に繰り返し実行することにより、各磁気ヘッド素子におけるスロートハイトおよびMRハイトのばらつきが修正され、最終的には各磁気ヘッド素子におけるスロートハイトおよびMRハイトが所定の範囲内に収束する。
【0012】
なお、米国特許第5,620,356号には、上述のようなバーのラッピングを行うためのラッピング装置が示されている。また、米国特許第5,607,340号には、磁気ヘッドのラッピング用の治具が示されている。また、特開平2−95572号公報には、MR素子の抵抗値を監視してスロートハイトを制御するラッピング制御装置が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前出の米国特許第5,607,340号に示されるような、保持部への曲げ荷重の付加部が3箇所ある治具を用いたラッピング方法では、スロートハイトおよびMRハイトの値の測定値に基づいて必要な研磨量を計算し、この必要な研磨量に応じて、荷重付加部に押しまたは引きの荷重を、保持部の長手方向に対して直交する方向に加えて、保持部を変形させる。そして、この状態でバーをラッピングして、各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトを許容範囲内に収めるようにしていた。
【0014】
しかし、今後ますますスロートハイトおよびMRハイトの高精度化が要求されるのに対し、前述のラッピング方法では、例えば約50mmの長さのバーをラッピングする場合に、バーの全長にわたってスロートハイトおよびMRハイトを許容範囲内に収めることが困難になるという問題点がある。
【0015】
以下、その理由について説明する。前述の治具では、保持部に変形を起こさせる荷重は、保持部の3つの荷重作用点に対し、保持部の長手方向に対して直交する方向に加えられる。すると、保持部をたわませて得られる保持部の形状としては、4次曲線に近似されるような形状しか得られない。従って、修正可能なスロートハイトおよびMRハイトの分布のパターンも、4次以下の低次数の曲線に近似されるパターンに限られる。これに対し、実際のラッピング後のバーにおける各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値は、巨視的に見ると、ほとんどの磁気ヘッド素子について許容範囲内の値となっているものの、微視的に見ると、バー内における各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値の分布は、例えば6次以上の高次曲線に近似されるような、より複雑なパターンを呈している。そのため、保持部において、前述のような高次曲線に近似されるようなスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンに対応できない部分では、スロートハイトおよびMRハイトの修正は十分に行われず、目標値との偏差も小さくならないため、スロートハイトおよびMRハイトの許容範囲から外れるものが出てくる。
【0016】
図25は、従来の治具を使用し、スロートハイトおよびMRハイトの制御を自動的に行いながら、例えば約50mmの長さのバーのラッピングを行ったときの、最終的なMRハイトMR−hのバー内分布の一例を表したものである。この図において、実線はMRハイトMR−hの分布の6次回帰曲線を表し、破線はMRハイトMR−hの分布の4次回帰曲線を表している。この図に示した例では、最終的なMRハイトMR−hのバー内分布は、6次回帰曲線に近似される。
【0017】
ラッピング前のバーにおけるMRハイトのバー内分布パターンは、6次以上の次数の曲線に回帰されるのがほとんどであるが、従来の治具では修正可能なMRハイトの分布パターンは4次以下の曲線に近似されるものに限られる。そのため、図25に示したように、ラッピング後のMRハイトのバー内分布パターンでは、高次成分が修正されないまま残ってしまう。なお、スロートハイトについても同様である。
【0018】
また、曲げ荷重の付加部の数が、2点または1点と少ない治具の場合は、修正可能なスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンは、更に低次の曲線に近似されるものに限られる。従って、このような治具を用いた場合には、ラッピング後のスロートハイトおよびMRハイトが許容範囲から外れるものの割合は、より多くなってしまう。
【0019】
なお、治具の強制的な変形によらずに、治具に固定された状態におけるバーのスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンの真直性を高める方法は、種々試みられ、改善もされてきている。しかし、今後ますますスロートハイトおよびMRハイトの高精度の仕様(例えば許容範囲が±0.01μm)が要求される中で、スロートハイトおよびMRハイトの分布パターンの真直性を、バー全長にわたって、これ程の高精度で保持することは非常に困難である。また、ラッピングプレートのラッピング面の平坦度と、ラッピングレート(除去速度)の全面均一性も、同様に高精度を要求されるが、これも実用には非常な困難さが伴う。そのため、治具の強制的な変形によらないスロートハイトおよびMRハイトの制御方法には、精度的に限界がある。
【0020】
また、バーの長さを短くし、バー内のスロートハイトおよびMRハイトのバラツキを小さく抑える方法も考えられる。しかし、この方法では、一度に処理できる磁気ヘッド数が少なくなるので、ラッピング装置の台数を増加させる必要が生じ、生産性が劣るという問題点がある。
【0021】
また、スロートハイトおよびMRハイトの分布パターンの高次成分に対応させて、治具の保持部における曲げ荷重の付加部を増やすと共に、ラッピング装置における荷重負荷機構も増やす方法も考えられる。しかし、この方法では、ラッピング装置における荷重負荷機構が大型化、複雑化するため、装置の稼働の信頼性に難点が残り、また設備コストの増加にもつながるという問題点がある。
【0022】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、1方向に長い加工対象物を保持し、加工装置に対して固定される加工用治具であって、加工対象物を複雑な形状に変形させることを可能として、加工対象物を精度よく加工できるようにした加工用治具を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の加工用治具は、1方向に長い加工対象物を保持し、加工対象物に加工を施す加工装置に対して固定される加工用治具であって、加工装置に固定される本体部と、加工対象物を保持するための1方向に長い保持部と、保持部と本体部とを連結する複数の連結部と、保持部に連結され、保持部を変形させるための荷重が付加される複数の荷重付加部とを備え、少なくとも1つの荷重付加部は、複数の自由度を持つものである。
【0024】
本発明の加工用治具では、荷重付加部に荷重が付加されると、保持部が変形し、それに伴い、保持部によって保持された加工対象物も変形する。本発明の加工用治具では、少なくとも1つの荷重付加部が、複数の自由度を持つことにより、荷重付加部が1自由度しか持たない場合に比べて、加工対象物をより複雑な形状に変形させることが可能となる。
【0025】
また、本発明の加工用治具では、複数の自由度を持つ荷重付加部は、例えば、直交する2方向と回転方向の3方向の自由度を持つ。この場合、3方向の自由度を持つ荷重付加部は、例えば、3方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形以外の形状をなす孔を有する。
【0026】
また、本発明の加工用治具では、複数の自由度を持つ荷重付加部は、例えば、直交する2方向の自由度を持つ。この場合、2方向の自由度を持つ荷重付加部は、例えば、2方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形形状をなす孔を有する。
【0027】
また、本発明の加工用治具では、更に、複数の自由度を持つ荷重付加部と保持部とを連結する腕部を備えていてもよい。この場合、腕部が、荷重付加部の中心と、この荷重付加部の変位によって保持部が回転方向に変形されるときの回転の中心とが、保持部の長手方向についてずれた位置に配置されるように、荷重付加部と保持部とを連結するようにしてもよい。
【0028】
また、本発明の加工用治具では、複数の連結部は、例えば、保持部の長手方向の両端部を本体部に連結する2つの端部連結部と、隣り合う荷重付加部の間の位置で保持部と本体部とを連結する1以上の中間連結部とを含む。この場合、中間連結部は、例えば、一端部が本体部に接続され、他端部が保持部に接続された可撓性を有する板状をなす。また、端部連結部は、例えば、一端部が本体部に接続され、他端部が保持部に接続された可撓性を有する板状をなす。端部連結部は、例えば、途中で屈曲した板状をなしていてもよいし、湾曲した板状をなしていてもよい。
また、本発明の加工用治具では、例えば、荷重付加部は3つ設けられ、中間連結部は2つ設けられ、中間連結部および端部連結部は、それぞれ、一端部が本体部に接続され、他端部が保持部に接続された可撓性を有する板状をなす。
また、本発明の加工用治具では、例えば、荷重付加部は2つ設けられ、中間連結部は2つ設けられ、中間連結部および端部連結部は、それぞれ、一端部が本体部に接続され、他端部が保持部に接続された可撓性を有する板状をなす。
【0029】
また、本発明の加工用治具では、保持部が、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有していてもよい。
【0030】
また、本発明の加工用治具では、本体部が、例えば、本体部における1箇所にのみ設けられ、本体部を加工装置に対して固定するための固定部を有している。この場合、固定部は、例えば、本体部を加工装置に対して固定するための固定具が挿通される孔である。
また、本体部が、更に、固定部を中心にして本体部が回転するのを防止するための回転防止部を有していてもよい。この場合、回転防止部は、例えば、加工装置に設けられた1以上の回転防止用部材が係合する1以上の係合部を含む。また、係合部は、例えば、固定部を中心とする回転方向については、回転防止用部材に対する本体部の位置変動を制限し、固定部を中心とする回転方向に交差する方向については、回転防止用部材に対する本体部の位置変動を所定量だけ許容する2つの平行な面を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、本発明の第1の実施の形態に係る加工用治具が使用される加工装置の一例について説明する。図3は、加工装置の概略の構成を示す斜視図である。この加工装置1は、スライダとなる部分が一列に配列された棒状の磁気ヘッド用素材であるバーをラッピングする装置である。加工装置1は、テーブル10と、このテーブル10上に設けられた回転ラッピングテーブル11と、この回転ラッピングテーブル11の側方において、テーブル10上に設けられた支柱12と、この支柱12に対してアーム13を介して取り付けられた素材支持部20とを備えている。回転ラッピングテーブル11は、バーに当接するラッピングプレート11aを有している。
【0032】
素材支持部20は、アーム13に連結された支持部本体27と、この支持部本体27の前方に配設されたベース部材22と、このベース部材22の前面に配設された治具保持部23と、この治具保持部23の前方位置に等間隔に配設された3本の荷重付加棒25A,25B,25Cとを備えている。支持部本体27、ベース部材22および荷重付加棒25A,25B,25Cの上部は、カバー21によって覆われている。ベース部材22は、図示しないアームを介して、支持部本体27内に設けられたアクチュエータに連結されており、アクチュエータを駆動することにより、上下動可能となっている。本実施の形態に係る加工用治具(以下、単に治具と言う。)50は、治具保持部23に固定されるようになっている。
【0033】
図4は、図3における治具保持部23の近傍を示す斜視図、図5は、治具保持部23に治具を固定した状態を示す正面図、図6は、図5のA−A′線断面図である。治具保持部23は、保持部本体31と、この保持部本体31の前面の下端部近傍における左右方向の中央部に、前方に突出するように設けられた治具固定用ピン32と、保持部本体31の前面の下端部近傍における左右方向の端部近傍に、前方に突出するように設けられた回転防止用部材としてのガイドピン33,33とを有している。ガイドピン33,33は、大部分が円柱形状に形成され、先端部分は、先端側ほど径が小さくなるように形成されている。治具固定用ピン32には、先端側より、雌ねじが形成されている。そして、この治具固定用ピン32に、固定具としてのボルト40によって、治具50が固定されるようになっている。
【0034】
荷重付加棒25A,25B,25Cの下端部には、直方体形状の荷重付加ブロック35A,35B,35Cが固定されている。荷重付加ブロック35A,35B,35Cの下端部近傍には、後述する荷重付加ピン36A,36B,36Cが回転自在に挿通される軸受部37が設けられている。また、荷重付加ブロック35Bには、治具固定用ピン32に対応する位置に、荷重付加ブロック35Bが上下方向および左右方向に所定の距離だけ移動可能なように治具固定用ピン32が挿通される孔38が形成されている。
【0035】
荷重付加ピン36A,36B,36Cは、それぞれ、荷重付加ブロック35A,35B,35Cの軸受部37を通って、先端側が荷重付加ブロック35A,35B,35Cの前端面より突出している。荷重付加ピン36A,36B,36Cの先端部には、それぞれ、直方体形状の頭部39A,39B,39Cが形成されている。荷重付加ピン36A,36B,36Cの後端部は、保持部本体31と荷重付加ブロック35A,35B,35Cとの間に配置されたレバー41A,41B,41Cの一端部に接合されている。レバー41A,41B,41Cの他端部は、レバー41A,41B,41Cを揺動させるためのシャフト42A,42B,42Cの下端部に、回動可能に連結されている。
【0036】
荷重付加ブロック35A,35B,35Cの上方の位置には、荷重付加棒25A,25B,25Cを上下動可能および回転可能に支持する支持部材43A,43B,43Cが設けられている。この支持部材43A,43B,43Cの後端部には、駆動棒44A,44B,44Cの先端部が接合されている。この駆動棒44A,44B,44Cは、保持部本体31に設けられた軸受部45A,45B,45Cを通って、後端側がベース部材22に導かれている。
【0037】
荷重付加棒25A,25B,25Cは、それぞれ、ベース部材22内に設けられた図示しないアクチュエータによって上下方向に駆動されるようになっている。また、駆動棒44A,44B,44Cは、それぞれ、ベース部材22内に設けられた図示しない他のアクチュエータによって、回転方向に駆動されるようになっている。また、シャフト42A,42B,42Cは、ベース部材22内に設けられた図示しない更に他のアクチュエータによって上下方向に駆動されるようになっている。
【0038】
次に、図1および図2を参照して、本実施の形態に係る治具の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る治具を表し、(a)は治具の正面図、(b)は治具の右側面図、(c)は治具の平面図、(d)は治具の底面図である。これらの図に示したように、本実施の形態に係る治具50は、例えば図3に示したような加工装置1に固定される本体部51と、1方向に長い加工対象物としてのバーを保持するための1方向に長い保持部52と、保持部52と本体部51とを連結する4本の連結部53A〜53Dと、保持部52に連結され、保持部52を変形させるための荷重が付加される3つの荷重付加部54A〜54Cと、荷重付加部54A〜54Cと保持部52とを連結する腕部55A〜55Cとを備えている。図2では、治具50における上記各部を、それぞれ異なるハッチングによって区分して表している。
【0039】
本体部51には、長手方向の中央で、且つ上下方向の中央よりも上側の位置に、本体部51を加工装置1の治具固定用ピン32に対して固定するためのボルト40が挿通される固定部としての固定用孔56が形成されている。また、本体部51には、ガイドピン33,33が係合する係合部57,57が形成されている。係合部57,57は、加工装置1の治具固定用ピン32と治具50の固定用孔56との位置を合わせたときにガイドピン33,33に対応する位置に形成されている。
【0040】
保持部52は、外力が加えられることによってたわむ細長い梁構造になっている。保持部52の下端部には、バーが固定されるバー固定部58が設けられている。バー固定部58には、バーを切断する際に、バー切断用のブレードが入り込む複数の溝が形成されている。
【0041】
治具50は、例えば、ステンレス鋼や、ジルコニア(ZrO2 ),アルミナ(Al2 3 )等のセラミックによって形成される。
【0042】
本実施の形態では、4本の連結部53A〜53Dのうち、特に、保持部52の長手方向の両端部を本体部51に連結する2つの連結部53A,53Dを端部連結部と呼び、隣り合う荷重付加部の間の位置で保持部52と本体部51とを連結する2つの連結部53B,53Cを中間連結部と呼ぶ。
【0043】
本実施の形態では、2つの荷重付加部54A,54Cは、本体部51の長手方向の両端部近傍で、且つ上下方向の略中央の位置に配置されている。他の1つの荷重付加部54Bは、本体部51の長手方向の中央で、且つ上下方向の中央よりも下側の位置に配置されている。
【0044】
ここで、図2に示したように、治具50の長手方向(左右方向)をX方向とし、治具50の長手方向に直交し、且つ治具50の前面および背面に平行な方向(上下方向)をY方向とする。また、X方向およびY方向に直交する軸を中心にして回転する方向をθ方向とする。
【0045】
両側の2つの荷重付加部54A,54Cは、それぞれ、直交するX方向およびY方向と、θ方向の3方向の自由度を持つ。すなわち、荷重付加部54A,54Cは、本体部51を基準にして、X方向、Y方向およびθ方向の3方向に移動可能である。中央の荷重付加部54Bは、Y方向のみの1方向の自由度を持つ。すなわち、荷重付加部54Bは、本体部51を基準にして、Y方向にのみ移動可能である。
【0046】
3方向の自由度を持つ荷重付加部54A,54Cは、3方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形以外の形状をなす孔を有している。本実施の形態では、この孔の断面形状を、角を丸めた矩形としている。また、荷重付加部54Bも、荷重付加部54A,54Cと同様の形状の孔を有している。
【0047】
両側の2つの腕部55A,55Cは、荷重付加部54A,54Cの中心が、この荷重付加部54A,54Cの変位によって保持部52が回転方向に変形されるときの回転の中心59A,59Bに対して、保持部52の長手方向の外側にずれた位置に配置されるように、荷重付加部54A,54Cと保持部52とを連結している。すなわち、腕部55A,55Cは、回転の中心59A,59Bに対して、保持部52の長手方向の外側にオーバーハングした(張り出した)構造になっている。
【0048】
ここで、図1(a)に示したように、荷重付加部54A,54Cの中心から連結部53B,53Cまでの距離を、腕部55A,55CのX方向の長さL1と呼ぶ。また、荷重付加部54A,54Cの中心から保持部52の下端部までの距離を、腕部55A,55CのY方向の長さL2と呼ぶ。また、荷重付加部54A,54Cの中心と、回転の中心59A,59Bとの間のX方向の距離を、オーバーハング(張り出し)長さL3と呼ぶ。
【0049】
中央の腕部55Bは、他の腕部55A,55Cに比べて、Y方向の長さが短く、保持部52の長手方向の中央部と荷重付加部54Bとを、オーバーハングせずに連結している。
【0050】
連結部53A〜53Dは、それぞれ、一端部が本体部51に接続され、他端部が保持部52に接続された可撓性を有する板状をなしている。端部連結部53Aは、一端部が本体部51に接続され、上下方向に延びる部分53Aaと、一端部が部分53Aaの他端部に接続され、他端部が保持部52の一端部に接続された、左右方向に延びる部分53Abとを有している。同様に、端部連結部53Dは、一端部が本体部51に接続され、上下方向に延びる部分53Daと、一端部が部分53Daの他端部に接続され、他端部が保持部52の他端部に接続された、左右方向に延びる部分53Dbとを有している。このように、端部連結部53A,53Dは、途中で屈曲した板状をなしている。中間連結部53B,53Cは、平板状をなしている。
【0051】
本実施の形態では、保持部52が、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有している。すなわち、保持部52は、中間連結部53B,53C間では、中間連結部53B,53Cおよび腕部55Bの近傍で最も薄く、中間連結部53B,53Cと腕部55Bの間の中央に行くほど、厚くなっている。また、保持部52は、端部連結部53Aと中間連結部53Bの間、および端部連結部53Dと中間連結部53Cの間では、中間連結部53B,53Cの近傍で最も薄く、腕部55A,55C側に行くほど厚くなる部分を有している。
【0052】
また、本実施の形態では、係合部57,57は、本体部51における端部連結部53A,53Dの上側の部分を、治具50の長手方向の内側に向けて開口するように切り欠いて形成されている。この係合部57,57の断面形状は、角を丸めた矩形となっている。この係合部57,57は、それぞれ、治具50の長手方向に平行な2つの面を有している。この2つの面の距離は、ガイドピン33,33の直径よりわずかに大きくなっている。係合部57,57には、ガイドピン33,33が、上下方向に適度のクリアランスを持って挿入されるようになっている。そして、係合部57,57は、前述の平行な2つの面によって、固定用孔56を中心とする回転方向については、ガイドピン33,33に対する本体部51の位置変動を制限し、固定用孔56を中心とする回転方向に交差する方向については、ガイドピン33,33に対する本体部51の位置変動を所定量だけ許容するようになっている。
【0053】
次に、図5および図6を参照して、加工装置1に対する治具50の固定方法について説明する。まず、治具50のバー固定部58に対して、バー70の媒体対向面が表側(下側)となるように、バー70が接着等により固定される。治具50は、荷重付加ブロック35A,35B,35Cの前方に配置される。このとき、ガイドピン33,33が、治具50の係合部57,57に係合され、荷重付加ピン36A,36B,36Cの頭部39A,39B,39Cが、それぞれ荷重付加部54A,54B,54Cに挿入される。また、治具50の固定用孔56と加工装置1の治具固定用ピン32との位置が合うように、治具50の位置が調整される。この状態で、治具50の前面側より、ワッシャ49を介して、固定用孔56内にボルト40を挿入し、このボルト40を治具固定用ピン32の雌ねじに螺合させる。これにより、ワッシャ49を介して、ボルト40の座面と治具固定用ピン32の先端面とによって治具50が挟持されて、治具50が治具固定用ピン32に固定される。
【0054】
次に、図5および図6を参照して、加工装置1および治具50を用いたバー70の研磨方法について説明する。バー70を保持した治具50は、上述のようにして加工装置1に対して固定されると、バー70の被加工面が回転ラッピングテーブル11のラッピングプレート11aに当接するように配置される。この状態で、荷重付加棒25A,25B,25Cを上下方向に駆動すると、荷重付加ブロック35A,35B,35Cが上下方向に移動し、この荷重付加ブロック35A,35B,35Cを貫通する荷重付加ピン36A,36B,36Cが上下方向に移動し、頭部39A,39B,39Cも上下方向に移動する。これにより、治具50の荷重付加部54A,54B,54Cに対して、Y方向の荷重を付加することができる。
【0055】
また、駆動棒44A,44Cを回転方向に駆動すると、駆動棒44A,44Cの軸を中心にして支持部材43A,43Cが回転され、荷重付加棒25A,25Cの下端側が、駆動棒44A,44Cを中心とする回転方向に移動する。すると、荷重付加ブロック35A,35Cが、駆動棒44A,44Cの軸を中心とする回転方向に移動する。ここで、駆動棒44A,44Cから荷重付加ブロック35A,35Cまでの距離に比べて、荷重付加ブロック35A,35Cの回転方向の移動距離は、極めて小さいので、駆動棒44A,44Cの駆動に伴う荷重付加ブロック35A,35Cの移動は、略直線的な左右方向の移動となる。荷重付加ブロック35A,35Cが左右方向に移動すると、この荷重付加ブロック35A,35Cを貫通する荷重付加ピン36A,36Cが左右方向に移動し、頭部39A,39Cも左右方向に移動する。これにより、治具50の荷重付加部54A,54Cに対して、X方向の荷重を付加することができる。
【0056】
また、シャフト42A,42Cを上下方向に駆動すると、レバー41A,41Cが揺動され、このレバー41A,41Cに連結された荷重付加ピン36A,36Cが回転する。これにより、治具50の荷重付加部54A,54Cに対して、荷重付加部54A,54Cの中心を回転中心とするθ方向のモーメント荷重を付加することができる。
【0057】
上述のようにして、治具50の荷重付加部54A,54B,54Cに対して種々の方向の荷重を付加することにより、保持部52、バー固定部58およびバー70が変形される。これにより、バー70内の各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値を目標とする値となるように制御しながら、バー70の媒体対向面をラッピングすることが可能となる。
【0058】
ところで、バー70は、薄膜が形成されたウェハを一方向に切断して形成されたものである。このバー70は、一列に配列された複数の磁気ヘッド素子を含んでいる。ここで、図7に、磁気ヘッド素子の構成の一例として、書き込み用の誘導型磁気変換素子と読み出し用のMR素子とを積層した構造の複合型の薄膜磁気ヘッド素子の例を挙げる。この例における磁気ヘッド素子71は、基板(ウェハ)72上に、下地膜73、下部シールド膜74、下部絶縁膜75、MR素子76および上部絶縁膜77、上部シールド兼下部磁極78、ギャップ層79、絶縁層80およびコイル81、上部磁極82、保護膜83を形成して構成されている。
【0059】
基板72は、例えばアルティック(酸化アルミニウム・炭化チタン;Al2 3 ・TiC)によって形成される。下地膜73、下部絶縁膜75、上部絶縁膜77、保護膜83およびギャップ層79は、例えばアルミナ(Al2 3 )によって形成される。下部シールド膜74、上部シールド兼下部磁極78および上部磁極82は、例えばパーマロイ(NiFe)によって形成される。絶縁層80は、例えばフォトレジストによって形成される。コイル81は、例えば銅(Cu)によって形成される。
【0060】
図7における磁気ヘッド素子71の下面が、図3に示した加工装置1によってラッピングされる面である。ラッピングの際、加工装置1は、バー70に含まれる各磁気ヘッド素子71におけるスロートハイトTHおよびMRハイトMR−hが全て許容誤差の範囲内となるように制御を行う。このような制御は、例えば、特開平2−95572号公報に示されるように、電気的ラッピングガイド(Electrical Lapping Guide:ELG)とMR素子76の抵抗値を監視することによって行われる。電気的ラッピングガイドは、例えば、バー70の長手方向の両端部に配置されるように、磁気ヘッド素子71の形成の際に、基板72上に形成される。
【0061】
図8は、上述のように、電気的ラッピングガイドとMR素子の抵抗値を監視してラッピングを制御する加工装置における回路構成の一例を示すブロック図である。この例の加工装置は、バー70内の電気的ラッピングガイド(図では、ELGと記す。)85とMR素子76の抵抗値を監視して、治具50の荷重付加部54A,54B,54Cに荷重を付加するための9つアクチュエータ91〜99を制御する制御装置86と、図示しないコネクタを介して、バー70内の複数の電気的ラッピングガイド85および複数のMR素子76に接続され、これらの電気的ラッピングガイド85およびMR素子76のいずれかを選択的に制御装置86に接続するマルチプレクサ87とを備えている。
【0062】
この加工装置では、制御装置86は、マルチプレクサ87を介して、バー70内の電気的ラッピングガイド85の抵抗値を監視して、アクチュエータ91〜99を制御する。制御装置86は、始めは、電気的ラッピングガイド85の抵抗値を監視することによって、粗仕上げを行い、その後、各MR素子76の抵抗値を監視することによって、各磁気ヘッド素子71におけるスロートハイトTHおよびMRハイトMR−hが全て許容誤差の範囲内となるように制御を行う。
【0063】
次に、本実施の形態に係る治具50の作用および効果について詳しく説明する。
【0064】
バー70のラッピング前において、バー70内における各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値の分布が、高次の曲線に近似されるような、複雑なパターンとなっていても、そのパターンに忠実に対応するように治具50の保持部52を変形させることができれば、バー70の全長にわたって各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトを、精度よく許容範囲内に入れることが可能となる。
【0065】
上述のように複雑なパターンに忠実に対応するように保持部52を変形させることができるように、本実施の形態に係る治具50は、大きく分けて、以下の3点の構造上の特徴を有している。第1の特徴は、治具50の保持部52に付加する荷重の数、方向、大きさを適宜に組み合わせることにより、保持部52を、高次の曲線に近似されるような複雑な形状に変形させることが原理的に可能な構造となっていることである。第2の特徴は、治具50に付加された荷重を、意図した通りに治具50の各部に有効に伝えることができ、且つ、治具50の保持部52以外の部分が保持部52の変形を極力妨げない構造となっていることである。第3の特徴は、ラッピングプレートからの反力等の外力により発生する保持部52の局部的な変形を最小限に留め、外力の影響を受けにくくする構造となっていることである。
【0066】
まず、第1の特徴、すなわち、治具50が、保持部52を複雑な形状に変形させることが可能な構造となっていることについて説明する。この特徴は、2つの荷重付加部54A,54Cが、複数の自由度、本実施の形態では直交するX方向およびY方向とθ方向の3方向の自由度を持つことによって得ることができる。米国特許第5,607,340号に示されるような従来の治具では、荷重が付加される全ての孔が上下方向にしか移動できない構造になっている。このような構造では、保持部をたわませて得られる保持部の形状としては、近似的な4次曲線の形状しか得られない。これに対し、本実施の形態では、荷重付加部54A,54CがX方向、Y方向およびθ方向の3方向の自由度を持つことにより、荷重付加部54A,54Cは、X方向、Y方向およびθ方向の3方向の荷重を受けることできるようになっている。荷重付加部54A,54Cに付加されたX方向の荷重は、保持部52に対して、保持部52の長手方向に平行な方向の引張りまたは圧縮荷重を与える。荷重付加部54A,54Cに付加されたY方向の荷重は、保持部52に対して、保持部52の長手方向と直交する方向のせん断荷重を与える。荷重付加部54A,54Cに付加されたθ方向の荷重は、保持部52に対して、保持部52を曲げる方向のモーメント荷重を与える。そして、荷重付加部54A,54Cに付加される複数の方向の荷重と、荷重付加部54Bに付加されるY方向の荷重とを組み合わせることにより、保持部52を、複雑な形状に変形させることができる。
【0067】
図9は、本実施の形態に係る治具50によって得ることのできる保持部52の形状の一例を示したものである。この図に示したように、治具50によれば、複数の荷重の方向や大きさを適度に変えることによって、保持部52の形状として、6次以上の高次の曲線に近似されるような複雑な形状を得ることができる。従って、本実施の形態に係る治具50によれば、治具50に固定されたバー70を、保持部52において形成可能な形状の範囲内で、必要な箇所を必要な量だけたわませることができ、バー70内の各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの値を高精度で制御することが可能となる。これにより、今後のスロートハイトおよびMRハイトの仕様の高精度化にも対応可能となる。
【0068】
次に、第2の特徴、すなわち、治具50が、治具50に付加された荷重を、意図した通りに治具50の各部に有効に伝えることができ、且つ、治具50の保持部52以外の部分が保持部52の変形を極力妨げない構造となっていることについて説明する。この第2の特徴には、荷重付加部の孔の形状の特徴、腕部の特徴および連結部の特徴が含まれている。
【0069】
荷重付加部の孔の形状の特徴は、3方向の自由度を持つ荷重付加部54A,54Cが、3方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形以外の形状をなす孔を有していることである。本実施の形態では、荷重付加部54A,54Cの孔の断面形状を、角を丸めた矩形としているが、孔の断面形状は、これに限らず、これと異なる四角形、長円形、十字形等、3方向の荷重を受けることの可能な形状であればよい。なお、断面が円形の孔では、θ方向の荷重を受けることができない。しかしながら、荷重付加部を、X方向とY方向の2方向の荷重のみを受けることの可能なものとする場合には、断面が円形の孔でもかまわない。
【0070】
荷重付加部54A,54Cに荷重を付加するための荷重付加ピン36A,36Cの頭部39A,39Cの断面形状は、荷重付加部54A,54Cの孔に合った形状で、且つ適度なクリアランスを持った形状になっている。従って、この荷重付加ピン36A,36Cの頭部39A,39Cを、荷重付加部54A,54Cの孔に差込み、荷重付加部54A,54Cに対して、X方向、Y方向およびθ方向の3方向の荷重を選択的に付加することができる。荷重付加部54A,54Cには、複数の方向の荷重を、大きさを独立に制御して、同時に付加することができるので、それらを適度に組み合わせることにより、保持部52の形状として、6次以上の高次の曲線に近似されるような複雑な形状を得ることができる。
【0071】
腕部の一つの特徴は、治具50が、3方向の自由度を持つ荷重付加部54A,54Cと保持部52とを連結する腕部55A,55Cを有し、この腕部55A,55CのY方向の長さL2が、ある程度長いことである。本実施の形態では、腕部55A,55CのY方向の長さL2は、腕部55A,55CのX方向の長さL1と同程度の長さとなっている。この腕部55A,55Cの特徴により、荷重付加部54A,54Cに対するX方向の荷重が小さくても、保持部52を容易に変形させることが可能となる。
【0072】
腕部の他の特徴は、腕部55A,55Cが、回転の中心59A,59Bに対して、保持部52の長手方向の外側にオーバーハングした構造になっていることである。この構造は、保持部52の両端部近傍におけるたわみを補正して、保持部52を所望の形状とする機能を持っている。すなわち、保持部52において、端部連結部53Aと中間連結部53Bの間の部分および端部連結部53Dと中間連結部53Cの間の部分が両持ち梁構造であるため、保持部52に曲げ荷重を加えたときに、中間連結部53B,53Cに近い保持部52の両端部近傍では、所望のたわみ量に対して、実際のたわみ量が不足気味になる。腕部55A,55Cのオーバーハングは、この保持部52の両端部近傍において不足するたわみ量を補うことができる。すなわち、荷重付加部54A,54Cに付加されるX方向またはY方向の荷重は、回転の中心59A,59Bを中心とするモーメント荷重に変換される。このモーメント荷重は、保持部52の両端部近傍には、たわみ量を増加させるように作用する。その結果、保持部52における端部連結部53Aと中間連結部53Bの間の部分および端部連結部53Dと中間連結部53Cの間の部分で、片持ち梁構造の場合と同等程度のたわみ量を得ることが可能となる。
【0073】
ここで、図10を参照して、腕部55A,55Cのオーバーハングの効果について、更に詳しく説明する。なお、図10では、腕部55Cについてのみ示しているが、腕部55Aについても腕部55Cと同様である。図10(a),(b)は、本実施の形態に係る治具50に対応し、図10(a)は、荷重付加部54Cに荷重を付加していない状態における腕部55Cの近傍を表し、図10(b)は、荷重付加部54Cに下向きの荷重を付加したときの腕部55Cの近傍を表している。また、図10(c)は、本実施の形態に係る治具50との比較のために、腕部55Cのオーバーハングのない治具、すなわち、オーバーハング長さL3を零にした治具を想定し、この治具において、荷重付加部54Cに図10(b)と同様の下向きの荷重を付加したときの腕部55Cの近傍を表している。
【0074】
図10(b)に示したように、腕部55Cのオーバーハングのある治具50では、荷重付加部54Cに下向きの荷重を付加すると、符号102で示した保持部52の端部近傍の部分において、表面から見て、符号101で示した中間連結部53Cの近傍の部分と同等程度の凹形状のたわみを発生させることができる。これに対し、図10(c)に示したように、腕部55Cのオーバーハングのない治具では、荷重付加部54Cに下向きの荷重を付加しても、符号104で示した保持部52の端部近傍の部分において、十分なたわみ量を得ることができない。その結果、符号104で示した部分では、表面から見て、符号103で示した中間連結部53Cの近傍の部分と同等程度の凹形状のたわみを発生させることができず、ほとんど直線的になったり、場合によっては凸形状のたわみが発生し、所望の形状を得ることができない。
【0075】
連結部の一つの特徴は、中間連結部53B,53Cが、可撓性を有する板状をなしていることから、保持部52のたわみに対して柔構造となっていることである。柔構造とは、構造物が外力に対して柔軟であるために、外部から力が加えられると容易にたわむように変形し、外力を取り除くと元の形状に戻る構造を言う。このため、中間連結部53B,53Cは、保持部52に曲げ荷重が加えられたときに、保持部52の変形を妨げにくい構造となっている。すなわち、中間連結部53B,53Cが細く長いため、保持部52はこの中間連結部53B,53Cの近傍で、回転方向とX方向にはある程度自由に変位可能になっており、これにより、中間連結部53B,53Cの近傍における保持部52の局部的な異常なたわみを防止できる。
【0076】
連結部の他の特徴は、端部連結部53A,53Dが、可撓性を有する板状をなしていることから、保持部52のねじれ剛性を大きな値に保ったまま、保持部52のたわみに対しては柔構造となって、保持部52の変形を妨げない構造となっていることである。ラッピング中は、バーとラッピングプレートとの相対運動により生じる摩擦力のため、保持部52は絶えず治具50の表面および裏面と直角の方向に荷重を受けている。この荷重は、保持部52をねじる方向に働き、その大きさは絶えず変化しているため、ラッピング後のバーの平面度には悪影響を与える。
【0077】
本実施の形態に係る治具50では、保持部52は、板状の連結部53A〜53Dによって両端支持構造となるので、ねじれに対しては剛性が高く、バーの平面度向上にとっては有利な構造となっている。一方、端部連結部53A,53Dは上下方向に延びる部分53Aa,53Daが長く、薄いことと、左右方向に延びる部分53Ab,53Dbも薄いことにより、保持部52のたわみに対しては柔構造となっている。そのため、保持部52に曲げ荷重を加えると、片持ち梁構造の場合に近いたわみ形状を得ることができる。
【0078】
ちなみに、両端部の曲げ剛性の大きな両端支持梁構造では、両端近傍でたわみ量がほとんど得られないため、梁の自由な変形が阻害される。そのため、このような構造の治具では、スロートハイトおよびMRハイトの高精度な制御は困難となる。
【0079】
これに対し、本実施の形態に係る治具50では、保持部52のねじれに対しては剛性が高く、保持部52のたわみに対しては柔構造となっているので、バーの平面度を高精度に維持したまま、バーの両端部近傍でもスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンに対応するたわみ形状を精度よく得ることができる。
【0080】
連結部の更に他の特徴は、端部連結部53A,53Dの左右方向に延びる部分53Ab,53Dbが、薄く且つある程度長いことから、同様に薄くある程度長い端部連結部53A,53Dの上下方向に延びる部分53Aa,53Daおよび中間連結部53B,53Cとの組み合わせにより、保持部52のたわみに対しては柔構造となり、保持部52の他の部分の変形を妨げない構造となっていることである。このため、保持部52に曲げ荷重を加えると、構造的には両端支持構造でありながら、実際には片持ち梁構造と同等のたわみ形状を得ることができ、バーの両端部近傍でもスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンに対応するたわみ形状を精度よく得ることができる。
【0081】
次に、第3の特徴、すなわち、治具50が、ラッピングプレートからの反力等の外力による保持部52の局部的な変形を最小限に留め、外力の影響を受けにくい構造となっていることについて説明する。この特徴は、保持部52が、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有していることによって得ることができる。
【0082】
バーのラッピングは、治具50の保持部52を介して、バーをラッピングプレートに押し当てて行われる。このことは、保持部52が、全長にわたってラッピングプレートより常に反力を受けていることを意味している。この反力のため、ラッピング中は、保持部52における隣接する連結部間の部分が、わずかではあるがラッピングプレートから逃げる方向に変形している。
【0083】
本実施の形態に係る治具50では、この問題を解決するために、上述のように、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有するように、保持部52を形成し、連結部から離れるに従って保持部52の曲げ剛性が大きくなるようにしている。そのため、保持部52において連結部から離れた部分でも、ラッピングプレートからの逃げ量を最小限に抑えることができる。その結果、保持部52のたわみ形状を、意図する形状に近づけることができ、スロートハイトおよびMRハイトの制御をより高精度に行うことができる。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態に係る治具50によれば、保持部52を、バー内の各磁気ヘッド素子のスロートハイトおよびMRハイトの分布パターンに対応する複雑な形状に精度よく変形させて、バーを精度よくラッピングすることが可能となり、バーの全長にわたってスロートハイトおよびMRハイトを許容範囲内に収めることが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態に係る治具50では、更に、以下に述べるような固定部および回転防止部の特徴により、バーの媒体対向面の平面度を向上させ、スライダの浮上量を安定させることができる。
【0086】
まず、固定部の特徴について説明する。本実施の形態に係る治具50は、本体部51の長手方向の中央の1箇所に、本体部51を加工装置1の治具固定用ピン32に対して固定するためのボルト40が挿通される固定部としての固定用孔56を有する。そして、治具50は、固定用孔56に挿通されるボルト40によって、長手方向の中央の1箇所のみで、加工装置1の治具固定用ピン32に対して固定される。
【0087】
加工装置に対する治具の固定を複数箇所で行う従来の方法では、取り付け座面に多少のうねりや段差がある場合や、取り付け座面と治具との間に異物等が挟まれている場合に、治具を固定するためのねじを締め付けると、治具が変形を起こしてしまう。このように、変形した状態で治具が加工装置に取り付けられた場合、ラッピング後に治具を加工装置から取り外すと、治具は元の無負荷の状態に戻るので、バーの媒体対向面の平面度がラッピング時とは異なってしまい、平面度が低下してしまうという問題点がある。
【0088】
これに対し、本実施の形態では、治具50を、1箇所のみで加工装置1の治具固定用ピン32に固定するようにしたので、治具50の取り付け座面が、治具固定用ピン32の先端面の小さな領域のみとなる。そのため、ボルト40を締めつけても、治具50の変形を、極めて小さな値に抑えることができる。従って、バーのラッピング後、治具50を加工装置1から取り外しても、バーの媒体対向面の平面度は、加工装置1から取り外す前とほとんど変化せず、必要な精度を維持することができる。
【0089】
ちなみに、バーの媒体対向面の平面度は、バーを分割して得られる個々のスライダの媒体対向面の平面度に影響を及ぼし、スライダの媒体対向面の平面度は、スライダの浮上量に影響を及ぼし、その結果、磁気ヘッドの特性に大きく影響を及ぼすことが分かっている。つまり、媒体対向面の平面度の高いバーを得ることは、特性の安定した磁気ヘッドを得るための重要な要件となっている。本実施の形態に係る治具50および加工装置1によれば、治具50を加工装置1に着脱する際における治具50の変形を防止でき、スライダの浮上量を安定させ、磁気ヘッドの特性を安定させることが可能となる。
【0090】
次に、回転防止部の特徴について説明する。上述のように、本実施の形態では、治具50を、1箇所のみで加工装置1の治具固定用ピン32に固定するようにしているので、ボルト40を締めつける際に、治具50に対してボルト40の回転方向に力が加わり、治具50の回転防止の機構がなければ、治具50が回転してしまう。
【0091】
本実施の形態に係る治具50では、回転防止部として、加工装置1のガイドピン33,33が係合する係合部57,57を有している。そして、この係合部57,57に、加工装置1のガイドピン33,33を、適度のクリアランスを持って挿入することで、治具50を加工装置1に固定する際における治具50の回転や位置ずれを防止することができる。
【0092】
また、係合部57,57は、それぞれ、治具50の長手方向に平行な2つの面を有している。そして、係合部57,57は、この2つの面によって、固定用孔56を中心とする回転方向については、ガイドピン33,33に対する本体部51の位置変動を制限し、固定用孔56を中心とする回転方向に交差する方向については、ガイドピン33,33に対する本体部51の位置変動を所定量だけ許容するようになっている。
【0093】
仮に、係合部57,57が、このような位置変動を許容する機能を有していないとすると、ガイドピン33,33と係合部57,57との間に位置ずれがあった場合には、変形した状態で治具50が加工装置1に取り付けられることになる。すると、ラッピング後に治具50を加工装置1から取り外すと、治具50は元の無負荷の状態に戻るので、バーの媒体対向面の平面度がラッピング時とは異なってしまい、平面度が低下してしまう。
【0094】
本実施の形態では、固定用孔56を中心とする回転方向に交差する方向について、ガイドピン33,33に対する本体部51の位置変動が所定量だけ許容されるので、治具50の変形を防止でき、バーの媒体対向面の平面度について、必要な精度を維持することができる。
【0095】
ところで、従来より、治具において加工装置と接触する面に傷や欠損等の不具合が生じることがあった。このような不具合は、治具に固定されて加工される磁気ヘッドの品質を低下させてしまう。本実施の形態に係る治具50は、左右対称な形状であり、裏表の区別がない。そのため、本実施の形態に係る治具50では、片面側に不具合が生じた場合には、反対側の面を加工装置側にして使用することができ、磁気ヘッドの品質、歩留りを向上させることが可能となると共に、治具50の耐用期間を延長させることが可能となる。
【0096】
図11は、本実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。この治具110は、図1に示した治具50に対して、係合部57,57の位置が異なるものである。すなわち、治具110における係合部57,57は、本体部51における端部連結部53A,53Dの上側の部分を、治具50の長手方向の外側に向けて開口するように切り欠いて形成されている。この係合部57,57の断面形状は、角を丸めた矩形となっている。この係合部57,57は、それぞれ、治具110の長手方向に平行な2つの面を有している。この2つの面の距離は、ガイドピン33,33の直径よりわずかに大きくなっている。なお、ガイドピン33,33は、係合部57,57に対応する位置に配置される。治具110のその他の構成、作用および効果は、治具50と同様である。
【0097】
次に、図12ないし図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る治具について説明する。図12は、本実施の形態に係る治具を示す正面図である。本実施の形態に係る治具120は、第1の実施の形態に係る治具50に比べて、上下方向の長さが長くなっている。また、治具120では、中央の荷重付加部54Bが、治具50における荷重付加部54Bの位置より上側に配置され、他の荷重付加部54A,54Cと同様に本体部51の上下方向の略中央の位置に配置されている。これに伴い、治具120の腕部55Bの長さは、治具50における腕部55Bの長さよりも長くなっている。
【0098】
本実施の形態に係る治具120では、3つの荷重付加部54A〜54Cが、全て、直交するX方向およびY方向と、θ方向の3方向の自由度を持つ。すなわち、荷重付加部54A〜54Cは、本体部51を基準にして、X方向、Y方向およびθ方向の3方向に移動可能である。
【0099】
本実施の形態に係る治具120は、例えば、図3ないし図6に示した加工装置1で使用することができる。この場合、駆動棒44Bを回転方向に駆動すると、駆動棒44Bを中心にして支持部材43Bが回転され、荷重付加棒25Bの下端側が、駆動棒44Bを中心とする回転方向に移動する。すると、荷重付加ブロック35Bが、駆動棒44Bを中心とする回転方向に移動する。これにより、荷重付加ブロック35Bを貫通する荷重付加ピン36Bが左右方向に移動し、頭部39Bも左右方向に移動する。これにより、治具120の荷重付加部54Bに対して、X方向の荷重を付加することができる。
【0100】
また、シャフト42Bを上下方向に駆動すると、レバー41Bが揺動され、このレバー41Bに連結された荷重付加ピン36Bが回転する。これにより,治具120の荷重付加部54Bに対して、荷重付加部54Bの中心を回転中心とするθ方向のモーメント荷重を付加することができる。
【0101】
本実施の形態に係る治具120では、3つの荷重付加部54A〜54Cに付加される複数の方向の荷重を組み合わせることにより、保持部52を、第1の実施の形態に係る治具50に比べて、より複雑な形状に変形させることができる。
【0102】
図13は、本実施の形態に係る治具120によって得ることのできる保持部52の形状の一例を示したものである。この図に示したように、治具120によれば、複数の荷重の方向や大きさを適度に変えることによって、保持部52の形状として、8次以上の高次の曲線に近似されるような複雑な形状を得ることができる。従って、本実施の形態に係る治具120によれば、例えば約50mmの長さのバーよりも長いバーであっても、全長にわたってスロートハイトおよびMRハイトを、高精度に制御することが可能となる。これにより、一度に多数の磁気ヘッドの加工が可能となり、生産性を向上させることができる。また、約50mmの長さのバーの場合には、第1の実施の形態に比べて、より高精度に、スロートハイトおよびMRハイトを制御することが可能となり、今後の更なるスロートハイトおよびMRハイトの仕様の高精度化にも対応可能となる。
【0103】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0104】
図14は、本実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。この治具125は、図12に示した治具120に対して、係合部57,57の位置が異なるものである。すなわち、治具125における係合部57,57は、本体部51における端部連結部53A,53Dの上側の部分を、治具50の長手方向の外側に向けて開口するように切り欠いて形成されている。この治具125における係合部57,57は、図11に示した治具110における係合部57,57と同様のものである。治具125のその他の構成、作用および効果は、治具120と同様である。
【0105】
次に、図15ないし図17を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る治具について説明する。図15は、本実施の形態に係る治具を示す正面図である。本実施の形態に係る治具130は、第1の実施の形態に係る治具50において、荷重付加部54Bおよび腕部55Bを除き、中間連結部53B,53Cを中央寄りの位置に移動させたものである。また、治具130における保持部52は、中間連結部53B,53C間では、中間連結部53B,53Cの近傍で最も薄く、中間連結部53B,53C間の中央に行くほど厚くなって、曲げ剛性が高くなっている。
【0106】
本実施の形態に係る治具130は、例えば、図3ないし図6に示した加工装置1において中央の荷重付加ピン36Bを除いた形態の加工装置で使用することができる。
【0107】
本実施の形態に係る治具130では、2つの荷重付加部54A,54Cに付加される複数の方向の荷重を組み合わせることにより、保持部52を、複雑な形状に変形させることができる。
【0108】
図16は、本実施の形態に係る治具130によって得ることのできる保持部52の形状の一例を示したものである。この図に示したように、治具130によれば、複数の荷重の方向や大きさを適度に変えることによって、保持部52の形状として、4次以上の曲線に近似されるような複雑な形状を得ることができる。従って、本実施の形態に係る治具130によれば、3つの荷重付加部を有する従来の治具に比べて、荷重付加部の数を少なくしながら、保持部52の形状として、従来の治具で可能であった4次の曲線よりも高次の曲線に近似されるような複雑な形状を得ることが可能となる。
【0109】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0110】
図17は、本実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。この治具135は、図15に示した治具130に対して、係合部57,57の位置が異なるものである。すなわち、治具135における係合部57,57は、本体部51における端部連結部53A,53Dの上側の部分を、治具50の長手方向の外側に向けて開口するように切り欠いて形成されている。この治具135における係合部57,57は、図11に示した治具110における係合部57,57と同様のものである。治具135のその他の構成、作用および効果は、治具130と同様である。
【0111】
次に、図18ないし図22を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る治具について説明する。図18は、本実施の形態に係る治具を表し、(a)は治具の正面図、(b)は治具の右側面図、(c)は治具の平面図、(d)は治具の底面図である。これらの図に示したように、本実施の形態に係る治具140では、端部連結部を、途中で2回屈曲した板状に形成している。治具140では、第1の実施の形態に係る治具50における端部連結部53A,53Dの代わりに、端部連結部153A,153Dを設けている。端部連結部153Aは、一端部が本体部51に接続され、上下方向に延びる部分153Aaと、一端部が保持部52の一端部に接続され、左右方向に延びる部分153Acと、部分153Aaと部分153Acの他端部同士を接続する、斜め方向に延びる部分153Abとを有している。同様に、端部連結部153Dは、一端部が本体部51に接続され、上下方向に延びる部分153Daと、一端部が保持部52の他端部に接続され、左右方向に延びる部分153Dcと、部分153Daと部分153Dcの他端部同士を接続する、斜め方向に延びる部分153Dbとを有している。
【0112】
以下、本実施の形態における端部連結部153A,153Dの機能について説明する。端部連結部153A,153Dは、保持部52のY方向のたわみを規制することなく、保持部52で発生したY方向のたわみを、治具140の両端部に伝え、X方向のたわみに効率よく変換する機能を有している。すなわち、端部連結部153A,153Dは、左右方向に延びる部分153Ac,153Dcと上下方向に延びる部分153Aa,153Daとを、斜め方向に延びる部分153Ab,153Dbを介して接続した構造になっている。そのため、端部連結部153A,153Dの各部分の延びる方向は段階的に変化している。従って、保持部52で発生したY方向のたわみも、段階的に方向が変化されて、治具140の両端部にある部分153Aa,153Daに伝えられ、効率よくX方向のたわみに変換される。
【0113】
また、それぞれ3つの部分153Aa〜153Ac,153Da〜153Dcからなる端部連結部153A,153Dには、急激な屈曲部や急激な厚みの変化部がないので、端部連結部153A,153D内部で、特定の箇所に応力が集中することがなく、使用中における治具140の破損を防止することができる。
【0114】
また、本実施の形態に係る治具140では、第1の実施の形態に係る治具50における荷重付加部54A〜54Cの代わりに、断面が横長の長円形形状をなす孔を有する荷重付加部154A〜154Cを設けている。また、治具140では、治具50における係合部57,57の代わりに、断面が横長の長円形の一部の形状をなす係合部157,157を設けている。
【0115】
図19(a)は、荷重付加部154A〜154Cの孔を拡大して示したものである。この図に示したように、荷重付加部154A〜154Cの孔は、治具140の長手方向に平行な2つの面155,155を有している。図19(b)に示したように、3方向の自由度を持つ荷重付加部154A,154Cの孔には、例えば、断面が横長の長円形形状をなし、孔に対して適度なクリアランスを持った荷重付加ピン136Aが挿入される。そして、この荷重付加ピン136AをX方向、Y方向、θ方向に駆動することにより、荷重付加部154A,154CにX方向、Y方向、θ方向の荷重を付加することができる。図19(c)に示したように、Y方向のみの1方向の自由度を持つ荷重付加部154Bの孔には、例えば、断面が円形形状をなし、孔に対して上下方向に適度なクリアランスを持った荷重付加ピン136Bが挿入される。この場合、荷重付加ピン136BをY方向に駆動することにより、荷重付加部154BにY方向の荷重を付加することができる。また、荷重付加部154Bの孔は、荷重付加ピン136Bの左右方向についての位置変動を所定量だけ許容する。
【0116】
図20(a)は、係合部157を拡大して示したものである。この図に示したように、係合部157は、治具140の長手方向に平行な2つの面158,158を有している。図20(b)に示したように、係合部157には、例えば、断面が円形形状をなし、係合部157に対して上下方向に適度なクリアランスを持ったガイドピン133が挿入される。この場合、係合部157は、平行な2つの面158,158によって、治具140の固定用孔56を中心とする回転方向については、ガイドピン133に対する本体部51の位置変動を制限し、固定用孔56を中心とする回転方向に交差する方向については、ガイドピン133に対する本体部51の位置変動を所定量だけ許容する。
【0117】
図21は、荷重付加部154A〜154Cの孔の形状の他の例を示したものである。この例では、荷重付加部154A〜154Cの孔は、断面が円形の2つの孔を重ねることによって形成されている。これにより、孔の作成が容易になる。この場合でも、治具140の長手方向に平行な2つの面155,155を形成するのが好ましい。
【0118】
図22は、係合部157の形状の他の例を示したものである。この例では、係合部157は、断面が円形の2つの孔を重ねることによって形成されている。これにより、係合部157の作成が容易になる。この場合でも、治具140の長手方向に平行な2つの面158,158を形成するのが好ましい。更に、凹形状の係合部157の奥側に、治具140の長手方向についてのガイドピン133の位置を決めるための、治具140の長手方向に垂直な面159を形成するのが好ましい。
【0119】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0120】
次に、図23を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る治具について説明する。図23は、本実施の形態に係る治具を示す正面図である。本実施の形態に係る治具160は、端部連結部を、湾曲した板状に形成したものである。治具160では、第4の実施の形態に係る治具140における端部連結部153A,153Dの代わりに、端部連結部253A,253Dを設けている。この端部連結部253A,253Dは、固定部51と保持部52の端部の間を滑らかに接続する湾曲した板状に形成されている。
【0121】
端部連結部253A,253Dは、第4の実施の形態における端部連結部153A,153Dと同様に、保持部52のY方向のたわみを規制することなく、保持部52で発生したY方向のたわみを、治具160の両端部に伝え、X方向のたわみに効率よく変換する機能を有している。
【0122】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第4の実施の形態と同様である。
【0123】
次に、図24を参照して、本発明の第6の実施の形態に係る治具について説明する。図24は、本実施の形態に係る治具を示す正面図である。本実施の形態に係る治具200は、第2の実施の形態に係る治具120における断面が矩形の孔を有する荷重付加部54A,54B,54Cの代わりに、X方向とY方向の2方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形の孔を有し、X方向とY方向の2方向の自由度を持つ荷重付加部254A,254B,254Cを設けたものである。
【0124】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。なお、第1、第3ないし第5の各実施の形態に係る治具における断面が円形以外の形状をなす孔を有する荷重付加部の代わりに、X方向とY方向の2方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形の孔を有し、X方向とY方向の2方向の自由度を持つ荷重付加部を設けてもよい。
【0125】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されない。例えば、複数の自由度を持つ荷重付加部は、直交する2方向と回転方向の3方向のうちのいずれか2方向の自由度を持つようにしてもよい。また、荷重付加部は、複数あればよく、そのうちの少なくとも一つが、複数の自由度を持っていればよい。最適な治具は、例えば、要求されるスロートハイトおよびMRハイトの精度と、加工装置を主とした生産システム側からの制約とを考慮し、治具に付加する荷重の数と種類の最適な組み合わせを選択して、決定するのが好ましい。
【0126】
また、実施の形態では、書き込み用の誘導型磁気変換素子と読み出し用のMR素子とを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドとを一体化した複合ヘッドの加工の場合について説明したが、本発明は、書き込みおよび読み出し用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドの加工の場合にも適用することができる。
【0127】
また、本発明は、加工として、ラッピング以外の加工、例えばポリシングや、グラインディングを行う場合にも適用することができる。
【0128】
また、本発明は、加工が施される加工対象物が磁気ヘッド以外の場合にも適用することができる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の加工用治具によれば、加工対象物に加工を施す加工装置に固定される本体部と、1方向に長い加工対象物を保持するための1方向に長い保持部と、保持部と本体部とを連結する複数の連結部と、保持部に連結され、保持部を変形させるための荷重が付加される複数の荷重付加部とを備え、少なくとも1つの荷重付加部が、複数の自由度を持つようにしたので、1方向に長い加工対象物を複雑な形状に変形させることが可能となり、その結果、加工対象物を精度よく加工することが可能となるという効果を奏する。
【0130】
また、本発明の加工用治具によれば、更に、複数の自由度を持つ荷重付加部と保持部とを連結する腕部を備えたので、更に、荷重付加部に対する荷重が小さくても、保持部を容易に変形させることが可能となるという効果を奏する。
【0131】
また、請求項記載の加工用治具によれば、腕部が、荷重付加部の中心と、この荷重付加部の変位によって保持部が回転方向に変形されるときの回転の中心とが、保持部の長手方向についてずれた位置に配置されるように、荷重付加部と保持部とを連結するようにしたので、更に、保持部の両端部近傍におけるたわみを補正して、保持部を所望の形状とすることが可能となるという効果を奏する。
【0132】
また、請求項記載の加工用治具によれば、隣り合う荷重付加部の間の位置で保持部と本体部とを連結する中間連結部が、可撓性を有する板状をなすようにしたので、更に、中間連結部が保持部の変形を妨げにくい構造になるという効果を奏する。
【0133】
また、請求項ないし10のいずれかに記載の加工用治具によれば、保持部の長手方向の両端部を本体部に連結する端部連結部が、可撓性を有する板状をなすようにしたので、更に、保持部のねじれ剛性を大きな値に保ったまま、端部連結部が保持部の変形を妨げにくい構造になるという効果を奏する。
【0134】
また、請求項11記載の加工用治具によれば、保持部が、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有するようにしたので、更に、保持部が外力の影響を受けにくい構造になるという効果を奏する。
【0135】
また、本発明の加工用治具によれば、本体部が、本体部における1箇所にのみ設けられ、本体部を加工装置に対して固定するための固定部を有するようにしたので、更に、加工対象物の被加工面の平面度を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0136】
また、本発明の加工用治具によれば、本体部が、更に、固定部を中心にして本体部が回転するのを防止するための回転防止部を有するようにしたので、更に、固定部を中心にして本体部が回転するのを防止することができるという効果を奏する。
【0137】
また、請求項14記載の加工用治具によれば、回転防止部が、加工装置に設けられた1以上の回転防止用部材が係合する1以上の係合部を含み、この係合部が、固定部を中心とする回転方向については、回転防止用部材に対する本体部の位置変動を制限し、固定部を中心とする回転方向に交差する方向については、回転防止用部材に対する本体部の位置変動を所定量だけ許容する2つの平行な面を有するようにしたので、更に、加工装置に固定したときの加工用治具の変形を防止でき、加工対象物の被加工面の平面度の低下を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る治具を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る治具における各部を区分して示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る治具が使用される加工装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図4】図3における治具保持部の近傍を示す斜視図である。
【図5】図3における治具保持部に治具を固定した状態を示す正面図である。
【図6】図5におけるA−A′線断面図である。
【図7】磁気ヘッド素子の構成の一例を示す断面図である。
【図8】加工装置における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る治具によって得ることのできる保持部の形状の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の第1実施の形態に係る治具における腕部の機能を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る治具を示す正面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る治具によって得ることのできる保持部の形状の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る治具を示す正面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る治具によって得ることのできる保持部の形状の一例を示す説明図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態の変形例に係る治具を示す正面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る治具を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る治具における荷重付加部の孔を拡大して示す説明図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る治具における係合部を拡大して示す説明図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る治具における荷重付加部の孔の形状の他の例を示す説明図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係る治具における係合部の形状の他の例を示す説明図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係る治具を示す正面図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態に係る治具を示す正面図である。
【図25】従来の治具を使用してバーのラッピングを行ったときの最終的なMRハイトのバー内分布の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
50…加工用治具、51…本体部、52…保持部、53A〜53D…連結部、54A〜54C…荷重付加部、55A〜55C…腕部、56…固定用孔、57…係合部、58…バー固定部。

Claims (14)

  1. 1方向に長い加工対象物を保持し、前記加工対象物に加工を施す加工装置に対して固定される加工用治具であって、
    前記加工装置に固定される本体部と、
    前記加工対象物を保持するための1方向に長い保持部と、
    前記保持部と前記本体部とを連結する複数の連結部と、
    前記保持部に連結され、前記保持部を変形させるための荷重が付加される複数の荷重付加部とを備え、
    少なくとも1つの荷重付加部は、複数の自由度を持ち、他の荷重付加部とは独立して複数の方向に移動可能であり、且つ前記保持部に対して複数の方向の荷重を与えることが可能であり、
    複数の自由度を持つ荷重付加部は、直交する2方向と回転方向の3方向の自由度を持ち、
    前記加工用治具は、更に、複数の自由度を持つ荷重付加部と保持部とを連結する腕部を備え、
    複数の自由度を持つ荷重付加部は、前記腕部を介して保持部にのみ連結され、
    前記本体部は、本体部における1箇所にのみ設けられ、本体部を加工装置に対して固定するための固定部と、前記固定部を中心にして本体部が回転するのを防止するための回転防止部とを有することを特徴とする加工用治具。
  2. 複数の自由度を持つ荷重付加部は、3方向の荷重を受けることの可能な、断面が円形以外の形状をなす孔を有することを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  3. 前記腕部は、荷重付加部の中心と、この荷重付加部の変位によって保持部が回転方向に変形されるときの回転の中心とが、保持部の長手方向についてずれた位置に配置されるように、荷重付加部と保持部とを連結することを特徴とする請求項1または2記載の加工用治具。
  4. 複数の連結部は、前記保持部の長手方向の両端部を前記本体部に連結する2つの端部連結部と、隣り合う荷重付加部の間の位置で前記保持部と前記本体部とを連結する1以上の中間連結部とを含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の加工用治具。
  5. 前記中間連結部は、一端部が前記本体部に接続され、他端部が前記保持部に接続された可撓性を有する板状をなすことを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  6. 前記端部連結部は、一端部が本体部に接続され、他端部が保持部に接続された可撓性を有する板状をなすことを特徴とする請求項または記載の加工用治具。
  7. 前記端部連結部は、途中で屈曲した板状をなすことを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  8. 前記端部連結部は、湾曲した板状をなすことを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  9. 前記荷重付加部は3つ設けられ、前記中間連結部は2つ設けられ、前記中間連結部および前記端部連結部は、それぞれ、一端部が前記本体部に接続され、他端部が前記保持部に接続された可撓性を有する板状をなすことを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  10. 前記荷重付加部は2つ設けられ、前記中間連結部は2つ設けられ、前記中間連結部および前記端部連結部は、それぞれ、一端部が前記本体部に接続され、他端部が前記保持部に接続された可撓性を有する板状をなすことを特徴とする請求項記載の加工用治具。
  11. 前記保持部は、隣り合う連結部間において、連結部から離れるに従って厚みが厚くなる部分を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の加工用治具。
  12. 前記固定部は、本体部を前記加工装置に対して固定するための固定具が挿通される孔であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の加工用治具。
  13. 前記回転防止部は、前記加工装置に設けられた1以上の回転防止用部材が係合する1以上の係合部を含むことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の加工用治具。
  14. 前記係合部は、前記固定部を中心とする回転方向については、前記回転防止用部材に対する前記本体部の位置変動を制限し、前記固定部を中心とする回転方向に交差する方向については、前記回転防止用部材に対する前記本体部の位置変動を所定量だけ許容する2つの平行な面を有することを特徴とする請求項13記載の加工用治具。
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