JP3693592B2 - データ再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルデータが記録された記録媒体から読み出して誤り訂正するデータ再生装置、データ再生方法、及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタル記録媒体からデータを再生する装置の消費電力の低減に関する文献としては、例えば、特開平5−258460号公報がある。
【0003】
まず、この文献に基づいて第1の従来の技術を説明する。
【0004】
この文献では、デジタル記録媒体に対するアクセス動作中(シーク動作に対応)において、デジタル信号を信号処理するデジタル信号処理回路のうち、位置指標データを取り扱う回路部分は必要であるが、メインデータを取り扱う回路部分は不必要であることに着目している。
【0005】
ここで、CDの場合について説明すると、メインデータとは、音楽データそのものである。また、位置指標データとは、経過時間などの再生位置を示すデータである。
【0006】
具体的には、位置指標データとして、まず、リードインエリアに記録されているTOCと呼ばれる索引情報がある。この索引情報は、音楽用CDの場合には各曲の開始位置や総曲数や総演奏時間等の情報である。また、位置指標データとして、再生により1/75秒の周期で1ブロックが完成される際に記録されるサブコード信号がある。このサブコード信号はP〜Wチャンネルの8チャンネルから構成され、音楽用CDにおいてはその中のPチャンネルに信号トラックの視点からの絶対経過時間、各曲の経過時間、曲番、インデックスを示すデータが記録されている。
【0007】
すなわち、データを再生するためにCDなどのデジタル記録媒体に対してアクセス動作中(シーク動作中)には、デジタル信号を信号処理するデジタル信号処理回路のうち、位置指標データを取り扱う回路部分は、音楽データの再生位置を常に把握しておく必要があるので、必要である。しかし、アクセス動作中(シーク動作中)には音楽データそのもの等であるメインデータは入力されてこないので、メインデータを取り扱う回路部分は不必要になる。
【0008】
そして、デジタル記録媒体には、一般的にメインデータの誤り検出・訂正を行う為の誤り検出・訂正用データ(パリティ)がメインデータに付加されて記録されており、メインデータの誤り検出・誤り訂正が行える様になされている。
【0009】
しかし一般に、デジタル信号処理において、このパリティを用いてメインデータの誤り検出・訂正を行うための回路部分で多くの電力が消費される。従って、アクセス動作中(シーク動作中)において、不必要な誤り検出・訂正の為に多くの電力を消費するという問題がある。
【0010】
このような問題を考慮し、第1の従来の技術では、デジタル記録媒体へのアクセス動作中(シーク動作中)には、前記位置指標データを取り扱わない回路の動作を停止させる制御を行う制御手段を備えることによって、アクセス動作中(シーク動作中)に、前記位置指標データを取り扱わない回路の動作を停止するようにして、電力の消費を低減させている。すなわち、この制御手段は、誤り検出・訂正を行う回路部分が動作するためのクロックを誤り検出・訂正を行う回路部分に供給することを停止するよう制御して、電力の消費を低減させている。
【0011】
次に、第2の従来の技術として、この文献の他の部分について説明する。すなわち、この文献の他の部分には、デジタル記録媒体から、デジタルデータを検出するデータ検出部と、誤り検出・訂正を行う誤り検出・訂正回路と、前記誤り検出・訂正回路で、誤り訂正が不可能なメインデータをその前後に得られたメインデータに応じて補間する補間回路とを備える構成が開示されている。
【0012】
この場合、前記誤り検出・訂正回路から訂正不可信号が発せられ、前記訂正不可信号が前記補間回路の補間能力以上発生すると、メモリへのデータ書き込みを中止し、前記メモリへの書き込みの中止に応じて、アクセス動作(シーク動作)を行い、アクセス動作中(シーク動作中)には、前記位置指標データを取り扱わない回路の動作を停止するようにして、電力の消費を低減させていた。
【0013】
また、第3の従来の技術として、誤り検出・訂正回路で誤り訂正が不可能な場合にその前後に得られたメインデータに応じて補間する補間回路を備えていない構成について説明する。第3の従来の技術は上記文献とは別の例である。この場合には、デジタル記録媒体から読み出されたメインデータは、メインデータの誤り検出・訂正を行う為の誤り検出・訂正用データ(パリティ)を用いてメインデータの誤り検出・訂正を行うための回路部分で誤り検出・訂正が行われる。そしてパリティを用いて誤り検出・訂正を行うための回路部分で誤りが検出され、誤り訂正を行っても誤り訂正が不可能な場合は、誤り訂正が不可能であったメインデータの部分を再度デジタル記録媒体から読み出す処理を行っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第2の従来の技術では、誤り訂正不能であることの検知は前述の様に誤り検出・訂正の回路で行われるため、訂正不能信号を発した時には、誤り訂正回路は動作しており、データ品質が悪く訂正できるはずも無い場合でも、誤り訂正回路が動作し、消費電力の低減が十分行われていなかった。
【0015】
また、第1の従来の技術や第3の従来の技術では、データの品質が悪く誤り訂正を行っても訂正できるはずも無い場合でも、誤り訂正できないことを検出するまでは、パリティを用いて誤り検出・訂正を行う回路部分が誤り検出・訂正のために動作する。従って、誤り訂正が不可能な場合には、この誤り検出・訂正を行う回路部分は無駄な動作をしており、消費電力の低減が十分行われていない。
【0016】
すなわち、データが記録されているデジタル記録媒体からデータを読み取って再生する場合には、そのデータに記録時に付加されたパリティなどの誤り訂正符号を用いて誤り検出・訂正を行う回路は、読み出されたデータが誤り訂正不可能な場合であっても誤り検出・訂正のために動作するのでその分消費電力の低減が行えない。
【0017】
すなわち、誤り検出・訂正を行う回路は、デジタル記録媒体から読み取られたデータが誤り訂正不可能な場合であっても、データとともに記録された誤り検出・訂正用データ(パリティ)を用いて誤り検出・誤り訂正を行うので、消費電力の低減が十分行われていないという課題がある。
【0018】
本発明は、上記課題を考慮し、消費電力を低減することが出来るデータ再生装置、データ再生方法、及びプログラムを提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、第1の本発明(請求項1に対応)は、デジタルデータが記録された記録媒体から読み出された信号を前記デジタルデータに復号するリードチャネル部と、
読み出された前記信号の状態を検出する信号状態検出手段と、
復号された前記デジタルデータの誤り訂正を行う誤り訂正部と、
検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態かどうかを判断する訂正不能判断手段と、
検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、少なくとも前記誤り訂正部へクロックを供給しないまたは前記誤り訂正部へ供給するクロックの時間間隔を所定の時間間隔より遅くするよう制御する制御手段とを備え、
前記リードチャネル部は、前記信号をパーシャルレスポンス等化する等化器を有し、
前記信号状態検出手段は、前記パーシャルレスポンス等化した多値信号のレベルを判別し、前記判別したレベルの時系列に連続するパターンと予め定められたパターンとが一致するか否かを判定した結果を前記訂正不能判断手段に出力し、
前記訂正不能判断手段は、前記信号状態検出手段から入力される判定結果に基づいて前記信号が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態かどうかを判断する、データ再生装置である。
【0020】
また、第2の本発明(請求項2に対応)は、前記制御手段は、検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、前記制御を行うとともに、読み出された前記信号のうち前記誤り訂正不可能な状態であると判断された部分に対応する前記デジタルデータの部分を読み出された前記信号として前記記録媒体から再度読み出すよう制御し、その再度読み出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であるとは判断されなかった際、前記誤り訂正部へ前記クロックを供給するまたは前記誤り訂正部へ供給する前記クロックの時間間隔を所定の時間間隔にするよう制御する、第1の本発明のデータ再生装置である。
【0021】
また、第3の本発明(請求項3に対応)は、前記制御手段は、検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、前記制御を行うとともに、読み出された前記信号のうち前記誤り訂正不可能な状態であると判断された部分に対応する前記デジタルデータの部分の次に読み取るべき部分を次に読み出された前記信号として前記記録媒体から読み出すよう制御し、次に読み出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であるとは判断されなかった際、前記誤り訂正部へ前記クロックを供給するまたは前記誤り訂正部へ供給する前記クロックの時間間隔を所定の時間間隔にするよう制御する、第1の本発明のデータ再生装置である。
【0023】
また、第4の本発明(請求項4に対応)は、読み出された前記信号の状態を検出するとは、前記検出したレベルの連続するパターンが予め定められたパターンと異なることを読み出された前記信号の状態が不良であるとして検出することであり、
前記訂正不能判断手段は、前記信号状態検出手段が所定の期間に前記信号の状態が不良であることを検出した検出数をカウントし、前記検出数が所定の基準値を上回った場合、前記誤り訂正部で誤り訂正不可能と判断する、第1〜3の本発明のいずれかのデータ再生装置である。
【0025】
また、第5の本発明(請求項5に対応)は、前記信号状態検出手段は、前記デジタルデータの記録符号と前記パーシャルレスポンスの組合せによって決定されるパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号が不良であることを検出する、第4の本発明のデータ再生装置である。
【0026】
また、第6の本発明(請求項6に対応)は、前記信号状態検出手段は、予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号が不良であることを検出する、第4の本発明のデータ再生装置である。
【0032】
また、第7の本発明(請求項7に対応)は、前記信号状態検出手段は、前記デジタルデータの記録符号と前記パーシャルレスポンスの組合せによって決定されるパターンを検出することによって及び/または予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号の不良を検出する、第4の本発明のデータ再生装置である。
【0038】
このように本発明は、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、少なくとも前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することが出来る。
【0039】
また、本発明は、前記制御部は、前記訂正不能判断手段での訂正不能判断と、前記誤り検出部での誤り検出との結果を観察し、誤り訂正可能な、または誤り訂正可能な確率が高い時のみ前記誤り訂正部を動作させ、消費電力を低減することが出来る。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0041】
本発明のデータ再生装置は、一例として、記録媒体から再生された信号をデジタルデータに復調するリードチャネル部と、前記再生された信号の状態を検出する信号状態検出手段と、誤り訂正を行う誤り訂正部と、前記信号状態検出手段により検出された信号の状態が、前記誤り訂正部の誤り訂正能力を上回るか否かを判断する訂正不能判断手段とを備え、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0042】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、復調されたデータに誤りがあるか否かを検出する誤り検出部と、少なくとも前記誤り訂正部の停止、起動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記誤り検出部により誤りが検出され、さらに前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断されなかった場合に前記誤り訂正部を起動し、前記誤り検出部により誤りが検出されなかった場合、または前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合に前記誤り訂正部が起動している時、前記誤り訂正部による誤り訂正が終了した後、少なくとも前記誤り訂正部を停止することにより、必要な時のみ前記誤り訂正部を動作させ、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0043】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記訂正不能判断手段が前記信号状態検出手段の一定期間の検出数をカウントし、前記検出数が前記誤り訂正部の誤り訂正能力を上回った場合、訂正不能と判断し、前記読み出された信号の状態と、前記誤り訂正能力との比較を確実に行うことができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0044】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記信号状態検出手段がリードチャネル部での信号処理過程または信号処理結果から信号の状態を検出し、早い時期での検出を可能とし、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0045】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記信号状態検出手段が予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンを検出する手段であり、簡単な構成で読み出された信号の状態を検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0046】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記再生された信号をパーシャルレスポンス等化する等化器を備え、前記信号状態検出手段が予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出する手段であり、簡単な構成で読み出された信号の状態を検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0047】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記信号状態検出手段が前記リードチャネル部で用いているPLLのアンロック検出であり、PLLの不安定さを検出し、読み出された信号の状態を検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0048】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、上記発明で記載されている信号状態検出手段のうち、複数により信号状態を検出し、より確実に読み出された信号の状態を検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0049】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記読み出された信号を2値データへ復号する復号器をリードチャネル部に備え、前記復号器は予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンを復号しない制約を設けていないものであって、前記信号状態検出手段は、前記復号器の復号結果から予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンを検出する手段であり、確度の高い信号の状態検出をすることができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0050】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記信号状態検出手段が、前記読み出された信号をレベル検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路の出力から予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンを検出するパターン検出回路とを備えるものであって、小規模な回路で信号の状態検出をすることができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0051】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記信号状態検出手段が、前記読み出された信号をレベル検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路の出力から予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出するパターン検出回路とを備えるものであって、小規模な回路で信号の状態検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0052】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記再生された信号をパーシャルレスポンス等化する等化器をリードチャネル部に備え、上記発明に記載されたレベル検出回路は同一の回路であって、前記信号状態検出手段は、前記レベル検出回路と、前記レベル検出回路の出力から予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンと、予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出するパターン検出回路とを備え小規模な回路でより確実に読み出された信号の状態を検出することができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0053】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、前記アンロック検出は、PLLの位相比較器の出力である位相誤差の大きさまたは前記位相誤差の大きさの一定期間の平均が、外部から設定できる設定値を超えた時アンロックを検出でき、前記設定値を変えることにより、自由度の高い信号の状態検出ができ、前記訂正不能判断手段により誤り訂正不能と判断された場合、前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0054】
また、本発明のデータ再生装置は、一例として、上記発明において、PLLのアンロックが検出され、その検出結果によって前記訂正不能判断手段が訂正不能と判断し、記録媒体から訂正不能と判断されたデータを再度読み出すリトライ処理を行う場合、PLLのループゲインまたは、初期周波数の設定を変化させて前記リトライ処理を行い、前記リトライ処理によって信号を読み出す時に、PLLがアンロックする確率を減少させ、訂正不能となった場合には前記誤り訂正部を停止することにより、消費電力を低減することを実現しうるものである。
【0055】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1を図1〜6を用いて説明する。
【0056】
図1において、11は記録媒体から読み出した信号を2値データに復号するまでの信号処理を行うリードチャネル部である。12は前記2値データの復調、誤り訂正、データ転送を行うフォーマッター部である。13はホストコンピュータ、14はCPUである。
【0057】
1101は波形等化を行うイコライザーである。1102はAD変換器である。1103はFIRフィルターである。1104はFIRフィルター1103の係数を演算するフィルタ係数演算部である。1105は最尤復号を行うビタビ復号器である。1106はPLLで用いる位相比較器である。1107はPLLで用いるループフィルタである。1108はDA変換器である。1109は電圧制御オシレーター(VCO)である。
【0058】
記録媒体から読み出された信号は、アンプ等を通して、イコライザー1101に入力される。イコライザー1101でパーシャルレスポンス等化された信号は、AD変換器1102でデジタル変換されFIRフィルター1103に入力される。前記FIRフィルター1103とフィルタ係数演算部1104による適応等化により、さらに等化を調整し、ビタビ復号器1105によって、最尤復号され2値データとなる。
【0059】
以上のパーシャルレスポンス方式PRと、ビタビ復号(最尤復号)MLとを組み合わせる方式は、PRML方式と呼ばれ、記録媒体への記録密度が向上してきた最近では、よく用いられるものである。パーシャルレスポンス方式PRには様々な方式があり、方式の違いによってビタビ復号器MLの構造も変化する。PRML方式を用いた記録媒体から読み出された信号の2値化について、磁気記録媒体から読み出された信号にPR(1,0,−1)方式とビタビ復号器MLを組み合わせたPR(1,0,−1)ML方式を用いた場合を例にとって説明する。
【0060】
磁気記録媒体から磁気ヘッドを使って読み出された信号が、PR(1,0,−1)の特性から外れていた場合、イコライザー1101によってPR(1,0,−1)の特性になるように等化される。このイコライザー1101には予め、記録媒体と磁気ヘッド等の特性に応じてイコライザー1101の出力がPR(1,0,−1)等化されるように設定されている。図2に記録データ”1”に対するPR(1,0,−1)等化後の波形の例を示す。
【0061】
すなわち、図2の(a)は、記録データ”1”を磁気記録媒体に記録するために磁気ヘッドに流れる記録電流波形である。また、図2の(b)は、(a)の電流波形によって磁気記録媒体に記録された記録データ”1”を、磁気ヘッドから読み出した信号をイコライザー1101によって等化した波形である。
【0062】
前記イコライザー1101でほぼPR(1,0,−1)等化された信号は、AD変換器1102によって、適切な位置でサンプリングされデジタル変換される。デジタル変換された信号は、FIRフィルター1103に入力される。FIRフィルター1103の目的は、これもPR(1,0,−1)等化である。前述したようにイコライザー1101の特性は予め設定されており、固定である。よって、記録装置の違いによる記録特性の差異、記録媒体のむら、イコライザー1101の温度特性などさまざまな要因で、イコライザー1101の出力信号の等化がずれることは大いに考えられる。そこでFIRフィルター1103とフィルタ係数演算部1104によって、適応的に等化を行っている。ここで、LMSアルゴリズムを用いた適応等化について簡単に述べる。
【0063】
LMSアルゴリズムの式は
【0064】
【数1】
h(n+1)=h(n)+(1/2)*μe(n)u(n)
h(n):適応前のフィルタ係数ベクトル
h(n+1):適応後のフィルタ係数ベクトル
μ:ステップサイズパラメター
e(n):n番目の繰り返し時の誤差信号
u(n):n番目の繰り返し時のタップ入力ベクトル
となる。また誤差信号e(n)は
【0065】
【数2】
e(n)=d(n)−uT(n)h(n)
d(n):望みの応答
uT(n):タップ入力ベクトルの転置
となる。
【0066】
LMSアルゴリズムを動作させると誤差信号e(n)が最小つまり等化の誤差を最小にするように係数ベクトルh(n)が最適値h0に近づいていく。FIRフィルター1103のフィルタ係数はこの様な適応アルゴリズムによって、最適値h0に収束していき、信号の等化は調整される。なお、ここではLMSアルゴリズムの説明を行ったが、フィルタ係数演算部1104は他の適応アルゴリズムを用いても良い。
【0067】
次にビタビ復号器1105であるが、前記イコライザー1101と、前記FIRフィルター1103、フィルタ係数演算部1104とによって等化された信号を入力とし、最尤復号する。最尤復号は復号器入力信号系列の間に相関性がある時に特性改善が得られ、最も確からしいデータを復号するものである。この例ではPR(1,0,−1)方式を適用することによって入力信号系列に間に相関性がもたらされているので、ビタビ復号器1105で2値データに復号することにより、特性改善が得られる。
【0068】
PR(1,0,−1)ML方式の例を用いて、PRMLについて簡単に述べる。図3に示すのは、PR(1,0,−1)方式の状態遷移図と呼ばれるものであって、PR(1,0,−1)等化された信号は必ずこの図の状態遷移をする。例えば、現在状態S0にあるとして、次の復号器への入力信号のレベルが1,0,−1の3値のうち0のレベルだと”0”、1のレベルだと”1”が復号される。状態S0の時、次の復号器への入力信号のレベルが−1になることはありえない。
【0069】
ビタビ復号器を構成する要素には、パスメトリックと呼ばれる、ある時それぞれの状態である確率がどの程度かをあらわすものと、ブランチメトリックと呼ばれる、それぞれの状態から次の状態に遷移する時どの程度の確率で遷移するのかをあらわすものがあり、ある時のそれぞれの状態に到るまでのブランチメトリックの合計がパスメトリックである。
【0070】
図3で説明すると、ある時にS0、S1、S2、S3のそれぞれの状態にある確率を表すのがパスメトリック、それぞれの状態から出ている矢印をどの程度の確率で通るのかを表すのがブランチメトリックである。これらの演算によって、最も確からしいデータを復号していく。
【0071】
一方、AD変換器1102による適切な位置でのサンプリングはPLL回路を用いることによって行われている。位相比較器1106によって、サンプリングされた信号から位相誤差を検出する。位相誤差を検出する方法はいくつかあるが1つ例を取ると、図4の様にサンプリングされた信号の0クロス点の信号の符号、大きさ、傾を見ることによって、位相誤差の大きさと方向を決める方法がある。
【0072】
前記位相誤差をループフィルタ1107に通してリードクロックのコントロール信号を生成する。DA変換器1108でアナログ変換された前記コントロール信号は、VCO1109に入力され、リードクロックを調整する。このようにして適切なサンプリングポイントでサンプリングを行っている。なお、このPLLの構成は本実施の形態の一つであって、他の構成を用いても良い。
【0073】
以上の様にして、リードチャネル部11では記録媒体から読み出された信号から2値データを得ている。
【0074】
リードチャネル部11から出力された2値データは、復調、誤り訂正、ホストコンピュータ13へのデータ転送を行うフォーマッター部12へ入力される。121は記録符号の復調を行う復調部である。122は復調されたデータを書き込むメモリである。125は復調されたデータから誤りを検出する誤り検出部である。126は復調されたデータの誤りを訂正する誤り訂正部である。124はホストコンピュータ13へデータを転送するホストインターフェースである。123は各ブロックからのメモリ122へのアクセスを調停するメモリマネージャである。128はシステムへクロックを供給するクロック発生装置である。127はシステムへの制御命令を行うCPU14とシステムとのインターフェースである。129はフォーマッター部12の各ブロックへの制御を行う制御部である。
【0075】
フォーマッター部12へ入力された2値データは、まず復調部121によって記録符号の復調が行われる。復調されたデータはメモリマネージャ123を介してメモリ122に書き込まれ、同時に誤り検出部125でシンドローム計算を行い、誤りを検出する。誤りが検出された場合、その旨を制御部129に伝え、制御部129は誤り訂正部126を起動し、誤り訂正部126は誤り訂正を行う。誤りが検出されなかった場合には、誤り訂正部126は起動しない。誤りを訂正されたデータはホストインターフェース124によって、ホストコンピュータ13へ転送される。
【0076】
ただし、この例は誤りが少なく、誤り訂正を行わなくとも読めるデータが多い場合の構成であって、誤りが必ずといっていいほどあり、誤り訂正処理をほとんど起動している場合には、誤り検出部125は必要ない。図1の例のように、誤り検出を、前もって行うのは、誤り検出部125で誤りが検出されなかった場合、誤り訂正部126を起動しなくとも良いという利点があるからである。
【0077】
以上の様にして、リードチャネル部11で2値化されたデータは、フォーマッター部12で、復調、誤り訂正、ホストコンピュータ13への転送をされる。
【0078】
次に、リードチャネル部11において記録媒体から読み出された信号の状態を検出する手段として信号状態検出部1110がある。この例では、信号状態検出部1110への入力として、AD変換器1102の出力をとっている。この場合、信号状態検出部1110では以下の様にして信号の状態を検出する方法がある。
【0079】
記録媒体にデータが記録される時、データは特定の変調方式、符号化方式を用いられている。例えば2HDのフロッピーディスク等に使用されているMFM変調方式である。MFM変調方式には制約があり、変調されたデータは2Tから4Tまでのデータしか存在しなくなる。この制約が予めわかっているので、1Tまたは5T以上の信号または復号データ検出すれば良い。
【0080】
例を図5に示す。この例はPR(1,0,−1)等化された信号をサンプリングした時の例である。図5に示す様に1、0、−1の3値のレベル検出を用いて、存在し得ないパターンを検出することができる。図5の(a)の例において、(a−1)に示すAD変換器1102の出力に対して、(a−2)では、しきい値を引いて信号を1、0、−1の3値にレベル検出している。また、(a−3)は、レベル検出された信号を復号したデータを示している。ここで、PR(1,0,−1)方式の場合、1Tが存在しないときは、3値の1や−1のレベルが単独で存在することは有り得ず、必ず2つ連続している。例をあげると、レベル0の次にレベル1となったらその次は必ずレベル1である。このように単独で存在しているレベル1、−1を検出することによって存在し得ないパターンである1Tを検出する方法がある。
【0081】
また、図5の(b)の例において、(b−1)に示すAD変換器1102の出力に対して、(b−2)では、しきい値を引いて信号を1、0、−1、の3値にレベル検出している。また、(b−3)はレベル検出された信号を復号したデータを示している。図5の(b)の例では、5Tを検出している。3値レベルのレベル0が3つ以上連続で存在する為には、5T以上のデータもしくは1Tの連続でしか有り得ない。よって、レベル0が3つ以上連続で存在する場合を検出する方法があり、これらは簡単な回路で実現できる。
【0082】
また、この例の様にイコライザー1101によって記録媒体から読み出された信号を特定の周波数成分に等化し、符号間干渉を適用するパーシャルレスポンス方式を用いているリードチャネル部11では、前述したように、その時用いているパーシャルレスポンス方式特有の状態遷移をするという制約がある。例えばPR(1,0,−1)方式を用いている場合には図3に示すような状態遷移をすることが予めわかっている。よって、構成としては図6の様にレベル検出を用いて3値化し、図3の状態遷移図を回路化したものに入力することによって、存在し得ないパターンがあるとそれを検出することが容易にできる。
【0083】
上記を具体的に説明すると、AD変換器1102の出力を上記のレベル検出を用いて3値化したデータが図6の(a)のようになったとする。この場合、まず先頭の信号は−1であり、2番目の信号は0である。従って、図3の状態遷移図では、先頭の信号が入力された時点で、状態S3に遷移した(可能性1)かまたは状態S0に遷移した(可能性2)かの2つの可能性がある。次に2番目の信号である0が入力された時点で、可能性1については、さらに状態S3から状態S1に遷移した可能性(可能性1−1)がある。また、可能性2については、2番目の信号である0が入力された時点で、さらに状態S0から状態S0に遷移した可能性(可能性2−1)がある。次に、3番目の信号である0が入力された時点で、可能性1−1については、さらに状態S1から状態S3に遷移した可能性(可能性1−1−1)がある。また、可能性2−1については、さらに状態S0からS0に遷移した可能性(可能性2−1−1)がある。次に4番目の信号である0が入力された時点で、可能性1−1−1については、さらに状態S3から状態S1に遷移した可能性(可能性1−1−1−1)がある。また、可能性2−1−1については、さらに状態S0から状態S0に遷移した可能性がある。ところが、5番目の信号である−1が入力される際には、可能性1−1−1−1では、状態S1にいる可能性があり、この状態で−1が入力されることはあり得ない。従って、可能性1から1−1−1−1までの可能性はすべてあり得ないことになる。また、可能性2−1−1−1では、状態S0にいる可能性があり、この状態で−1が入力されることはあり得ない。従って、可能性2から可能性2−1−1−1までの全ての可能性はあり得ないことになる。このようにして状態S0または状態S1で入力信号レベルが−1になることがあり得ないことを検出することによって、存在し得ないパターンを検出することが出来る。
【0084】
また、AD変換器1102の出力を上記のレベル検出を用いて3値化したデータが図6の(b)のようになったとする。この場合には上記と同様にして、状態S2で信号レベルが1になることはあり得ないことを検出することによって、存在し得ないパターンを検出することが出来る。
【0085】
また前述したレベル検出を利用したパターン検出は、予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンと、予め定められた記録符号のパターンと異なるパターンとを、両者同時に検出する場合には、回路を一体化し、回路規模の削減と、検出の精度とを向上させうる。
【0086】
以上の検出方法を用いて、信号の異常状態を検出し、訂正不能判断部1111で、誤り訂正部126での訂正能力を上回るか否かを判断する。判断の方法としては、信号状態検出部1110での検出数をカウントし、その検出数が、126の誤り訂正部での訂正能力を確実に上回る場合に訂正不能信号を出力する方法がある。なお、ここでは信号状態検出部1110と訂正不能判断部1111はリードチャネル部11に存在しているが、これらが存在する場所はリードチャネル部11でなくともよく、本実施の形態に限定される物ではない。
【0087】
前記訂正不能信号は、フォーマッター部12の制御部129に入力され、前記制御部129は誤り訂正部126へ誤り訂正不能になったデータブロックの誤り訂正を行わないように制御信号を発する。また、誤り検出部125等も、誤り検出する必要が無い為停止することができる。クロック発生装置128は、誤り訂正部126が誤り訂正処理をしていない時、誤り訂正部に供給される不必要なクロックの供給を停止することができ、その他のブロックへのクロック供給も必要に応じて停止できる構成となっている。
【0088】
さらに、制御部129は、訂正不能信号を受けた場合に上記のようにクロックの供給を停止するよう制御するとともに、訂正不能になったデータブロックを読み出し信号として再度読み出し、上記の処理を繰り返す。
【0089】
なお、本実施の形態では、制御部129は、訂正不能信号を受けた場合に訂正不能になったデータブロックを読み出し信号として再度読み出すよう制御するとして説明したが、これに限らず、制御部129は、訂正不能信号を受けた場合に訂正不能になったデータブロックの次に読み取るべきデータブロックを読み出し信号として読み出しても構わない。例えば途切れなく連続転送することが非常に重要なAVデータを読み出す場合には、このようにすればAVデータを途切れなく読み出すことが出来る。
【0090】
なお、本実施の形態で誤り訂正部126を起動している状態とは、上記のように誤り訂正部126が動作するためのクロックを誤り訂正部126に供給していることを意味しており、また本実施の形態で誤り訂正部126を停止している状態または起動していない状態とは、誤り訂正部126が動作するためのクロックを誤り訂正部126に供給していない状態を意味する。
【0091】
なお、本実施の形態では、誤り訂正が不可能であることが解った時点で、誤り訂正部126などが動作するためのクロックを誤り訂正部126などに供給しないとして説明したが、誤り訂正が不可能であることが解った時点で、誤り訂正部126などが動作するためのクロックの時間間隔を所定の時間間隔より遅くしても構わない。このようにクロックの時間間隔を所定の時間間隔より遅くすることによってに消費電力の低減を実現することが出来る。
【0092】
なお図1のリードチャネル部11はPRML方式を用いたものであるが、例えば、パーシャルレスポンス方式とピーク検出を組み合わせたものと位相同期回路などでも良く、本実施の形態に限定される物ではない。同様にフォーマッター部12の構成も本実施の形態に限定される物ではなく、例えば、クロック発生装置128やCPUインターフェイス127などが存在するのはフォーマッター部12でなくとも良い。
【0093】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図5、図7、図8を用いて説明する。なお、前述した実施の形態と同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0094】
図7において、71は記録媒体から読み出した信号を2値データに復号するまでの信号処理を行うリードチャネル部である。72は前記2値データの復調、誤り訂正、データ転送を行うフォーマッター部である。
【0095】
713は予め定められた記録符号と異なるパターンを復号しない制約を設けていないビタビ復号器である。711はリードチャネル部71において記録媒体から読み出された信号の状態を検出する信号状態検出部である。この例では、信号状態検出部711への入力として、ビタビ復号器713の出力と、位相比較器1106の出力をとっている。この場合、信号状態検出部711では以下の様にして信号の状態を検出する方法がある。
【0096】
まず信号状態検出部711への入力として、ビタビ復号器713の出力がある場合、例として記録符号がMFM変調の時は、図5の(a)の例における(a−3)及び(b)の例における(b−3)に示すように、復号結果である2値データから、MFM変調に有り得ないパターン1Tまたは5T以上を検出することは容易であり、ここで検出された情報は確実なものである。
【0097】
次に信号状態検出部711への入力として、位相比較器1106の出力がある場合、信号状態検出手段としては図8のような構成が考えられる。81は整流回路である。82は平滑回路である。83は比較器である。位相誤差は、整流回路81、平滑回路82を通って位相誤差量となり、比較器83によって、予め設定しておいた設定値と比較される。比較器83は設定値より位相誤差量の方が大きい場合アンロックであると判定する。この構成は、位相誤差量がPLLロック時にはアンロック時と比較して小であることを利用したアンロック検出回路である。この検出方法は前記設定値を変えることによって、自由度の高い検出が行える。無論、他のアンロック検出の構成でも良い。
【0098】
以上の2つの信号状態検出手段を用いる場合、訂正不能判断部712は、前述の信号状態検出手段と後述の信号状態検出手段とによる検出数をそれぞれカウントし、前述信号状態検出手段による検出数が最大誤り訂正数を上回る場合に訂正不能信号Aを、後述の信号状態検出手段による検出数が誤り訂正能力を確実に上回る場合には訂正不能信号Bを出力する。
【0099】
前記訂正不能信号Aと前記訂正不能信号Bは、フォーマッター部72の各ブロックの制御を行う制御部721に入力される。2本の訂正不能信号のうちどちらか一方でも検知すると、制御部721は、誤り訂正部126を起動しない。また、2本の訂正不能信号のうちどちらも検知しない場合には、誤り検出部125によって、誤りが検知された時のみ誤り訂正部126を起動する。このように、読み出された信号の状態を複数の検出方法で検出することによって、より確実に訂正不能になることを検知することができる。
【0100】
前記2本の訂正不能信号のうちどちらか一方でも検知すると、誤り訂正不能であるので、制御部721は誤り訂正不能であったデータを記録媒体から再度読み出すリトライ処理を行う為、フォーマッター部72の各ブロックの準備を整えるように制御する。
【0101】
前記訂正不能信号Bが検知されると、すなわちPLLがアンロック状態であるということである。このままリトライ処理を行ったとしても、PLLがアンロック状態である可能性が高いので、前記訂正不能信号Bが検知されてからリトライ処理を行うまでの間に、CPU14がPLLの初期周波数またはループゲインの設定を変化させることによって、リトライ処理時、PLLがロックする確率を向上させることができる。
【0102】
無論リトライ処理を行っている間に、訂正不能信号が検出されると、前記誤り訂正部は起動せず、消費電力の低減が成されている。なお図7のリードチャネル部71はPRML方式を用いたものであるが、例えば、ピーク検出と位相同期とを用いた検出方法でも良く、本実施の形態に限定される物ではない。同様にフォーマッター部72の構成も本実施の形態に限定される物ではなく、例えば、クロック発生装置128やCPUインターフェイス127などが存在するのはフォーマッター部72でなくとも良い。
【0103】
このように本実施の形態は、再生データの品質が悪い場合に、誤り訂正不能であることを早い時期に検知でき、すくなくとも誤り訂正部を停止し、消費電力を低減することが出来るというすぐれた特徴を有する。
【0104】
なお、本実施の形態では、記録符号がMFM変調の場合に記録符号にはあり得ないパターンを検出する例について説明したが、これに限らない。記録符号がCD−ROMやDVD−ROMなどに記録するための他の変調方式で変調されている場合についても、上記実施の形態と同様にして記録符号にはあり得ないパターンを検出することが出来る。従って、本実施の形態の記録媒体として、フロッピーデスクのみならず、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどに記録されているデータを再生する場合にも本実施の形態を適用することにより、データ再生装置の消費電力を低減することが出来る。
【0105】
さらに、本実施の形態では、誤り訂正が不可能であると判断された場合には、誤り訂正が不可能であると判断されたデータの部分を再度読み出すリトライを行うとして説明したが、これに限らない。映像音声データ(AVデータ)等を再生する場合には、誤り訂正が不可能であると判断された場合には、引き続き継続して誤り訂正が不可能であると判断された部分の次に読み出すべきデータを読み出しても構わない。このようにすれば本実施の形態と同様に消費電力を低減することが出来るとともに、AVデータを途切れることなく連続的に再生することが出来る。
【0106】
なお、本実施の形態の信号状態検出部は本発明の信号状態検出手段の例であり、本実施の形態の訂正不能判断部は本発明の訂正不能判断手段の例であり、本実施の形態の制御部は本発明の制御手段の例である。
【0107】
以上のように、本実施の形態のデータ再生装置によれば、記録媒体から読み出される信号の状態を記録符号による制約違反、パーシャルレスポンス方式による制約違反、PLLのアンロック等から検出することができ、信号の状態が悪く誤り訂正不能となることを早い時期に検知でき、誤り訂正不能と判断された場合、誤り訂正部は停止し消費電力を低減するデータ再生装置を提供することが可能となる。
【0108】
なお、本発明は、上述した本発明のデータ再生装置の全部または一部の手段(または、装置、素子、回路、部等)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0109】
なお、本発明の一部の手段(または、装置、素子、回路、部等)とは、それらの複数の手段またはステップの内の、幾つかの手段またはステップを意味し、あるいは、一つの手段またはステップの内の、一部の機能または一部の動作を意味するものである。
【0110】
また、本発明のプログラムを記録した、コンピュータに読みとり可能な記録媒体も本発明に含まれる。
【0111】
また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0112】
また、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0113】
また、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
【0114】
また、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
【0115】
なお、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明は、消費電力を低減することが出来るデータ再生装置、データ再生方法、及びプログラムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデータ再生装置の回路図
【図2】実施形態にあってパーシャルレスポンス方式を説明するための図
【図3】実施形態にあってパーシャルレスポンス方式の状態遷移を説明するための図
【図4】実施形態にあって位相比較器での位相誤差の検出を説明するための図
【図5】実施形態にあって記録符号の制約違反を検出するレベル検出を説明するための図
【図6】実施形態にあってパーシャルレスポンス方式の制約違反を検出するレベル検出を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態2におけるデータ再生装置の回路図
【図8】実施形態にあってPLLのアンロック検出の構成図
【符号の説明】
11 リードチャネル部
12 フォーマッター部
13 ホストコンピュータ
14 CPU
1101 イコライザー(等化器)
1102 AD変換器
1103 FIRフィルタ(等化器)
1104 フィルタ係数演算部
1105 ビタビ復号器
1106 位相比較器
1107 ループフィルタ
1108 DA変換器
1109 VCO
1110 信号状態検出部(信号状態検出手段)
1111 訂正不能判断部(訂正不能判断手段)
121 復調回路
122 メモリ
123 メモリマネージャ
124 ホストインターフェース
125 誤り検出部
126 誤り訂正部
127 CPUインターフェース
128 クロック発生装置
129 制御部
71 リードチャネル部
72 フォーマッター部
711 信号状態検出部(信号状態検出手段)
712 訂正不能判断部(訂正不能判断手段)
713 ビタビ復号器
721 制御部
81 整流回路
82 平滑回路
83 比較器
Claims (7)
- デジタルデータが記録された記録媒体から読み出された信号を前記デジタルデータに復号するリードチャネル部と、
読み出された前記信号の状態を検出する信号状態検出手段と、
復号された前記デジタルデータの誤り訂正を行う誤り訂正部と、
検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態かどうかを判断する訂正不能判断手段と、
検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、少なくとも前記誤り訂正部へクロックを供給しないまたは前記誤り訂正部へ供給するクロックの時間間隔を所定の時間間隔より遅くするよう制御する制御手段とを備え、
前記リードチャネル部は、前記信号をパーシャルレスポンス等化する等化器を有し、
前記信号状態検出手段は、前記パーシャルレスポンス等化した多値信号のレベルを判別し、前記判別したレベルの時系列に連続するパターンと予め定められたパターンとが一致するか否かを判定した結果を前記訂正不能判断手段に出力し、
前記訂正不能判断手段は、前記信号状態検出手段から入力される判定結果に基づいて前記信号が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態かどうかを判断する、データ再生装置。 - 前記制御手段は、検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、前記制御を行うとともに、読み出された前記信号のうち前記誤り訂正不可能な状態であると判断された部分に対応する前記デジタルデータの部分を読み出された前記信号として前記記録媒体から再度読み出すよう制御し、その再度読み出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であるとは判断されなかった際、前記誤り訂正部へ前記クロックを供給するまたは前記誤り訂正部へ供給する前記クロックの時間間隔を所定の時間間隔にするよう制御する、請求項1記載のデータ再生装置。
- 前記制御手段は、検出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であると判断された場合、前記制御を行うとともに、読み出された前記信号のうち前記誤り訂正不可能な状態であると判断された部分に対応する前記デジタルデータの部分の次に読み取るべき部分を次に読み出された前記信号として前記記録媒体から読み出すよう制御し、次に読み出された前記信号の状態が前記誤り訂正部で誤り訂正不可能な状態であるとは判断されなかった際、前記誤り訂正部へ前記クロックを供給するまたは前記誤り訂正部へ供給する前記クロックの時間間隔を所定の時間間隔にするよう制御する、請求項1記載のデータ再生装置。
- 読み出された前記信号の状態を検出するとは、前記検出したレベルの連続するパターンが予め定められたパターンと異なることを読み出された前記信号の状態が不良であるとして検出することであり、
前記訂正不能判断手段は、前記信号状態検出手段が所定の期間に前記信号の状態が不良であることを検出した検出数をカウントし、前記検出数が所定の基準値を上回った場合、前記誤り訂正部で誤り訂正不可能と判断する、請求項1〜3のいずれかに記載のデータ再生装置。 - 前記信号状態検出手段は、前記デジタルデータの記録符号と前記パーシャルレスポンスの組合せによって決定されるパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号が不良であることを検出する、請求項4記載のデータ再生装置。
- 前記信号状態検出手段は、予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号が不良であることを検出する、請求項4記載のデータ再生装置。
- 前記信号状態検出手段は、前記デジタルデータの記録符号と前記パーシャルレスポンスの組合せによって決定されるパターンを検出することによって及び/または予め定められたパーシャルレスポンスのパターンと異なるパターンを検出することによって、読み出された前記信号の不良を検出する、請求項4記載のデータ再生装置。
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