JP3693511B2 - 残水排水ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築現場の床面や水槽底面の残水を排水する用途に好適な残水処理ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の残水排水用水中モータボンプの構造例を示すものである。図に於て、縦型水中モータ1の軸2の下端に羽根車3が羽根止めナット4によって取付けられており、該羽根車3を内蔵したポンプケーシング11は、例えばゴムの様な弾性体で構成されており、金属製の中間ケーシング12へ同様に金属製の底板13を介してボルト14によって取付けられている。
上記羽根車3は、ポンプケーシング11内に、前方クリアランスa、側方クリアランスb、及び後方クリアランスCの各隙間を何れも僅かにして設置されており、これによってポンプケーシング内のボリュート室空間を極力小さくするように構成されている。
又、ポンプケーシング11の底面周縁部には、該ケーシング11と一体に形成されたストレーナ兼ポンプ脚17が、1〜3mmのような僅かの高さdを保って多数形成され、これらの各脚17の間に残水の流入口18が多数形成されており、これによって、ポンプ吸込側の空間も極力小さくなるように構成されている。又、それにより、羽根車3と床面との距離fもできるだけ短く形成されている。これにより、建築現場の床面や、水槽底面の残水を効率的に排出することが可能となる。
【0003】
又、ポンプケーシング11の下面からボルト14によって締結される中間ケーシング12には、ポンプ吐出口19が設けられ、該ポンプ吐出口19には、気水分離室20aの役目を兼ねるために外気との接触面積を大きくした吐出管20が取付けられており、その上部には、ホースと接続するためのホースカップリング10が取付けられている。図中3aは羽根、21は軸封装置、eは底板13と床面との距離を示している。
【0004】
図4は、従来のポンプで、中間ケーシングを取外して示したポンプケーシングの上面図である。ポンプケーシング11の略中央から僅かに偏心した位置に羽根車3,3aを収容するボリュート室20が設けられ、ボリュート室20から中間ケ−シング12に設けられたポンプ吐出口19に連通する管部が設けられている。ネジ穴14aは床板13と中間ケーシング12とをポンプケーシング11を挾持して固定するためのネジ14Aを貫通するために配置されている。ここでホースカップリング10と吐出管20とは、ボルト及びナット14Bにより固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の残水排水用水中モータポンプの構造例に於て、ポンプケーシング11はゴムの様な弾性体で形成されており流体に含まれている土砂による摩耗に対して強い耐久性を持っている。しかしながら、長期間使用するとゴムは劣化や変形が生じ、中間ケーシング12とポンプケーシング11との接合面から漏水が生じ易い欠点があった。
【0006】
又、係る従来のポンプにおいては、吐出管20とホースカップリング10はそれぞれの取付けボルトの中心がずれており、吐出管20にホースカップリング10を取付ける際やホースカップリングにホースを取付ける際に、外力が吐出管20の取付けボルトを緩ませるよう作用し、吐出管20と中間ケーシング12間の接合面でも漏水が発生し易いという問題があった。
【0007】
更に、図3及び図4に示す構造例ではホースカップリング10の中心はストレーナ兼ポンプ脚17の外周縁よりも更に外側に位置しており、ホースをホースカップリングに取付ける際にホースを押し込むと、ポンプの座りが悪く、作業性が良くないという問題もあった。
【0008】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために為されたもので、中間ケーシングとポンプケーシング間等の接合面の漏れが発生しにくく、又、ホースの取付け作業が容易に行える残水排水用水中モータポンプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の残水排水ポンプは、縦型水中モータの軸に羽根車を取付けたモータポンプであって、該羽根車を内蔵する弾性体からなるポンプケーシングと、前記ポンプケーシングの底面に取付けられた多数の小孔を有する底板と、前記ポンプケーシングの上面に取り付けられた中間ケーシングと、該中間ケーシングに取り付けられた縦型水中モータおよびホースカップリングとを備え、前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングとがそれぞれを貫通する複数のボルトとナットによって一括挟時されていて、前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングと、前記ホースカップリングとがそれぞれを貫通する複数のボルトとナットによって一括挟時されていて、前記ポンプケーシングは、ボリュート室と前記ホースカップリングに連通する吐出部をつなぐ吐出ノズル部を狭く絞り、前記吐出部で面積を急拡大したことを特徴とするものである。
【0010】
これによって従来例にあった吐出管を無くすことが可能となり、ホースカップリング等の接続部を直接中間ケーシング上に取付けることができる。又、ストレーナ兼ポンプ脚の外周を拡大することで、ホースカップリング中心が十分にストレーナ兼ポンプ脚の外周の内側に位置するようにして、ホースをホースカップリングに嵌め込む際のポンプの安定性を高めることができる。
【0011】
又、ホースカップリングの取付けはボルト・ナットによって、ホースカップリングと中間ケーシングと弾性体製のポンプケーシングとを一体に挾持するようにしたので、ポンプケーシングと中間ケーシングの接合面はこのボルトによっても締結保持され、従来例と比較してポンプケーシングと中間ケーシング間のボルト本数を増加させることができ、この間の接合面の面圧をより均一にする事が可能になり、漏れを低減することができる。
【0012】
又、本発明はポンプケーシングのポリュート室と吐出部をつなぐ吐出ノズル部を狭く絞った形態とし、該ポンプケーシング吐出部で面積を急拡大した残水排水ポンプとすることを特徴とするものである。これにより従来の構造例で用いていた吐出管を無くし、吐出管の気水分離室としての機能をポンプケーシングの吐出部で果せるようになる。
【0013】
即ち、従来技術と同様にポンプケーシング内で羽根車を、前方クリアランス、側方クリアランス、及び後方クリアランスの各隙間を何れも僅かにして取付ける。そして、ポンプケーシング内の空間を極力小さくするように構成すると同時に、ポンプケーシングのボリュート室から吐出部へ至る吐出ノズル部も小さく絞り、ポンプケーシング吐出部の容積を急拡大することで、ポンプケーシングの吐出部を気水分離室として機能させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す水中モータポンプの構成を示し、図2は上記水中ポンプの中間ケーシングを取外して示したポンプケーシングの上面図である。尚、従来技術の図3及び図4に示す同一部分は、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0015】
これらの図に於て、縦型水中モータ1の軸2の下端に羽根車3が羽根止めナット4によって取付けられており、該羽根車3を内蔵したポンプケーシング11は、例えばゴムの様な弾性体で構成されており、中間ケーシング12へ底板13を介してボルト14Cによって取付けられている。
【0016】
中間ケーシング12の吐出部19の上面にはホースカップリング10が取付けられているが、ホースカップリング取付けボルト14Dは、ボルト・ナットで構成され、底板13を介して、ホースカップリング10、中間ケーシング12、及びポンプケーシング11を貫通孔14dを通して一括挾持している。
【0017】
上記羽根車3は、ポンプケーシング11内に、前方クリアランスa、側方クリアランスb、及び後方クリアランスcの各隙間を何れも僅かにして設置されており、これによってポンプケーシング内のボリュート室の空間を極力小さくするように構成されている。
【0018】
又、ポンプケーシング11の底面周縁部には、該ケーシング11と一体に形成されたストレーナ兼ポンプ脚17が、1〜3mmのような僅かの高さdを保って多数形成され、これらの各脚17の間に残水の流入口18が多数形成されており、これによって、ポンプ吸込側の空間も極力小さくなるように構成されている。又、それにより、羽根車3と床面との距離fもできるだけ短く形成されている。従って、残水は、ポンプケーシング11の底面外周に設けられたストレーナ兼ポンプ脚17の部分を通って、更に底板13に設けられた小孔16を通って羽根車3に吸い込まれ、羽根3a間の通路からポンプケーシング11の側方クリアランスbを通り、吐出ノズル部22、吐出部23、中間ケーシング吐出部19を通って、ホースカップリング10から排出される。
【0019】
又、ホースカップリング10の中心10cが十分にストレーナ兼ポンプ脚17の外周の内側に位置するように該ポンプケーシング11のストレーナ兼ポンプ脚17を形成している。このように、ホースカップリングを直接中間ケーシング上に取付け、ストレーナ兼ポンプ脚の径を拡大することで、ホースカップリング中心が十分にストレーナ兼ポンプ脚の径の内側に位置するようにしたので、ホースをホースカップリングに嵌め込む際に、従来のポンプの様にホースカップリング中心がストレーナ兼ポンプ脚の径よりも外側に位置するものと比較して、ポンプの状態が不安定になって嵌め込み作業が容易でない事態を改善することができる。
【0020】
又、図に示すように、ポンプケーシング11は、羽根車3,3aを収納するボリュート室20と、吐出部23と、該ボリュート室と吐出部を接続する狭く絞った吐出ノズル部22とを備えている。これにより図3に示す気水分離室20aとしての役割のために設けていた吐出管20が不要になったので、部品点数が少なくなり、シール部分が少なくなって信頼性が高まり、価格面でも有利である。即ち、図2に示すポンプケーシング11の貫通孔14cにボルト14Cを挿入して、ストレーナ兼ポンプ脚17と中間ケーシング12で挾持することにより、安定したシール面を形成できる。又、ホースカップリング10は、その円周方向の両側をポンプケーシングの貫通孔14dを介してボルト14により中間ケーシングに、ポンプケーシング11、ストレーナ兼ポンプ脚17とで固定することで、同様に安定したシール面を形成できる。
【0021】
尚、以上の説明は一実施態様を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、残水排水用水中モータポンプに於て、ポンプケーシングと中間ケーシング間の接合面の面圧をより均一にする事が可能になり、接合面のシールの信頼性を高める事ができる。
又、ホースをホースカップリングに嵌め込む際に、ポンプが力を受けて位置不安定になり嵌め込み作業が容易でないという事態を改善することができる。
又、気水分離室としての役割のために設けていた吐出管が不要になったので、部品点数が少なくなり、シール部分が少なくなって信頼性が高まり、コスト/パフォーマンスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の残水排水用水中モータポンプの縦断面図である。
【図2】図1のポンプの中間ケーシングを取外して示したポンプケーシングの上面図である。
【図3】従来の残水排水用水中モータポンプの構造例を示す縦断面図である。
【図4】図3のポンプの、中間ケーシングを取外して示したポンプケーシングの上面図である。
【符号の説明】
1 縦型水中モータ
2 軸
3,3a 羽根車
10 ホースカップリング
11 ポンプケーシング
12 中間ケーシング
13 底板
14a,14b,14c,14d 貫通孔
14A,14B,14C,14D ボルト
17 ストレーナ兼ポンプ脚
18 残水流入口
20 ボリュート室
22 吐出ノズル部
23 吐出部
Claims (2)
- 縦型水中モータの軸に羽根車を取付けたモータポンプであって、
該羽根車を内蔵する弾性体からなるポンプケーシングと、
前記ポンプケーシングの底面に取付けられた多数の小孔を有する底板と、
前記ポンプケーシングの上面に取り付けられた中間ケーシングと、
該中間ケーシングに取り付けられた縦型水中モータおよびホースカップリングとを備え、
前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングとがそれぞれを貫通する複数のボルトとナットによって一括挟時されていて、
前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングと、前記ホースカップリングとがそれぞれを貫通する複数のボルトとナットによって一括挟時されていて、
前記ポンプケーシングは、ボリュート室と前記ホースカップリングに連通する吐出部をつなぐ吐出ノズル部を狭く絞り、前記吐出部で面積を急拡大したことを特徴とする残水排水ポンプ。 - 前記ポンプケーシングは外周が略円形であり、前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングとをそれぞれ貫通する貫通孔と、前記底板と、ポンプケーシングと、中間ケーシングと、ホースカップリングとをそれぞれを貫通する貫通孔とが、略同心の同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の残水排水ポンプ。
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