JP3693312B2 - 加速電圧制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線加速管の放電検出により電子線加速電圧の印加を一旦停止し、放電消滅後に再開する電子線加速電圧の印加を急速に行うようにした加速電圧制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子線照射装置においては、高圧の直流電源が必要となっている。図4は、電子線照射装置の一例を示すブロック図である。図において、10は操作盤、20はサイリスタ電力調整器、30は直流高圧電源装置、40は電子源、50は圧力容器、60は電子線加速管、70は電圧検出装置、80は制御回路、90は放電検出装置である。圧力容器内にはSF6ガス等の絶縁ガスが大気圧以上の圧力で充填されている。直流高圧電源装置30には図示しない三相変圧器が配置されており、サイリスタ電力調整器20により調整された電力を該三相変圧器の一次巻線に入力し、二次巻線に整流器とコンデンサからなる整流回路を接続して高圧の直流電力を出力する構成としている。
【0003】
図5は、制御回路80で形成された信号によりサイリスタ電力調整器20を制御する際の、信号形成回路の一例を示す回路図である。図において、P1は電圧検出装置70で検出された電子線加速管60内の電圧を信号比較器SCに入力するフィードバック信号、P2は基準信号、P3は信号P1とP2との差の信号でサイリスタ電力調整器20の出力電圧制御信号となる。電子線加速管60内の電圧が正常状態の場合には、スイッチS1をオンにする信号Aが制御信号発生回路81から出力される。PIは比例積分回路で、電子線加速管60内の電圧が正常状態の場合にはスイッチS2をオンにする信号Bが制御信号発生回路81から出力される。
【0004】
抵抗R1とコンデンサC1は制御信号P3のホールド回路を形成しホールド回路の出力信号は差動増幅回路OPを介して抵抗R2とコンデンサC2からなるソフトスタート回路に入力される。スイッチS3はコンデンサC2の短絡用スイッチである。
【0005】
電子線加速管60内の電圧が正常状態の場合には、スイッチS1S2がオン、S3がオフとなる。この場合には、制御信号発生回路81からゲートオンの信号Dがサイリスタ電力調整器20の主サイリスタのゲート電極Gに供給される。
【0006】
放電検出装置90からの信号により電子線加速管60内での放電発生が検出されると、制御信号発生回路81からの信号A,BによりスイッチS1、S2が開放される。また、信号CによりスイッチS3がオンとなり、同時に信号Dによりサイリスタ電力調整器20の主サイリスタのゲート電極Gへの信号がオフになる。これによって、直流高圧電源装置30の動作が停止して、一旦電子線加速電圧の供給を停止する。
【0007】
電子線加速管60内で放電電圧が消失する時間のタイミングで、信号Dによりサイリスタ電力調整器20の主サイリスタのゲート電極Gにゲートパルスを供給し、信号CによりスイッチS3がオフとなりソフトスタート回路からの制御信号の供給により主サイリスタは動作を開始する。この場合の制御信号はコンデンサC1にホールドされている信号である。ソフトスタート回路の動作が終了してから、信号A、BによりスイッチS1、S2をオンする。このようにして直流高圧電源装置30を動作させて、電子線の加速電圧の供給を再開する。
【0008】
図6は、信号A,B,C,D発生のタイミングを示タイムチャートである。図において、taは電子線加速管内で放電を検出し、スイッチS1、S2がオフで、S3がオンとなり主サイリスタのゲート信号がオフとなる時間、tbは主サイリスタのゲート信号がオン、スイッチS3がオフとなる時間、tcはスイッチS1、S2がオンとなる時間である。時間tb−tc間で主サイリスタのソフトスタート制御が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、電子線加速管内で放電が発生した場合には、サイリスタ調整器の主サイリスタのゲート信号をオフにして一旦直流高圧電源装置の動作を停止し、放電消失後に直流高圧電源装置の動作を再開しているが、上記のようなソフトスタート回路は、放電消滅前に主サイリスタが動作することを防止するために設けられている。しかしながら、このソフトスタート回路は抵抗RとコンデンサCとで構成されているので、主サイリスタを動作させるための制御信号の電圧が完全に回復するまでには、図2の特性E2で示すようにCR回路の時定数で定まる一定の時間t2が必要となる。
【0010】
このため、図3の特性V2に示すように時間taで電子線加速管内で放電を検出して電子線加速電圧の印加を一旦停止から、電子線加速電圧が復帰するまでには長い時間が必要となる。CRの時定数を小さくすると放電消滅前に電子線加速電圧が印加されて再放電する場合があるので、放電消滅までの一定の時間は電子線加速電圧が印加されないような構成が必要である。
【0011】
このように、主サイリスタ動作のための電圧回復に長い時間が必要になると、電子線加速管により電子線が照射される被処理物の搬送速度を遅くしないと、被処理物に電子線の照射量が不足する部分が生じるので、電子線照射に要する時間が長くなるという問題があった。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みて、電子線加速管の放電検出により電子線加速電圧の印加を一旦停止し、放電消滅後に電子線加速電圧の印加を再開する際に、電子線加速電圧の立ち上げを急速に行うようにした加速電圧制御回路の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、サイリスタの通電制御により出力電圧が制御される直流高圧電源と、前記直流高圧電源の出力電圧が印加され、前記出力電圧による加速電圧で電子線を加速する電子線加速管と、前記サイリスタの通電をソフトスタートさせる抵抗とコンデンサとからなるソフトスタート回路と、電子線加速管の放電を検出する放電検出手段とを備え、前記放電検出手段の放電検出により前記サイリスタの通電を停止し、前記加速電圧を降下させるとともに、放電消滅後前記サイリスタを前記ソフトスタート回路のコンデンサの充電電圧に応じて通電し、前記加速電圧を前記コンデンサの充電電圧上昇速度に応じて上昇させて前記停止前の加速電圧に復帰してなる加速電圧制御回路において、前記ソフトスタート回路のコンデンサに直流電圧を供給する直流電源を設け、前記放電消滅後の前記サイリスタの通電時、前記直流電源の直流電圧を前記コンデンサに供給して前記コンデンサの充電電圧の立ち上がり部の速度を速め、前記加速電圧が前記停止前の加速電圧に到達する途中までの立ち上げ速度を速めてなる構成とすることにより達成される。
【0014】
本発明の特徴によれば、電子線加速管の放電検出により電子線加速電圧の印加を一旦停止し、放電消滅後に電子線加速電圧の印加を再開する際に、ソフトスタ−ト回路のコンデンサに対して制御信号の他に別電源からの電圧も充電に利用し、停止前の電子線加速電圧に到達する途中までの立ち上げ速度を急速に行うので、停止から元の電子線加速電圧に復帰する時間を短縮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照にして説明する。図1は、本発明の実施の形態の一例を示す回路図である。図1は図5の回路図において、ソフトスタート回路の構成を変更している。他の構成は図5の回路図のものと同じである。図に示すようにソフトスタート回路の抵抗R2とコンデンサC2との間にはダイオードDを接続し、ダイオードDとコンデンサC2との間には、直流電源DCEを抵抗R3を介して接続する。
【0016】
電子線加速管60内で放電が発生して、信号CによりスイッチS3が一旦オンになり一定時間後にオフとなって、抵抗R2と容量C2からなるソフトスタート回路が動作する際に、コンデンサC2がホールド回路のコンデンサC1にホールドされている制御信号により充電されると共に、制御信号発生回路81からの信号Eにより直流電源DCEの電圧がコンデンサC2に供給されて、主サイリスタを動作させるための制御信号の回復時間を早めるように動作する。
【0017】
図2の特性E1は、直流電源DCEを用いた場合の時間−復帰電圧(主サイリスタの制御信号)の特性を示すものであり、電圧回復時間は従来のt2からt1に短縮される。また、電子線加速電圧の特性も図3に示すようにV1で表され、放電開始時間taで一旦加速電圧の印加を停止し、再度加速電圧を印加するまでに要する時間も従来のものよりも大幅に短縮される。直流電源DCEによるコンデンサC2への印加電圧の大きさは、放電開始後再放電を開始しない程度の時間後に主サイリスタへの制御信号が回復するような値、言い替えれば再放電を開始しない電圧値に選定される。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る加速電圧制御回路は、サイリスタにより制御される直流高圧電源と、直流高圧電源の出力電圧で電子線が加速制御される電子線加速管と、電子線加速管の放電を検出する手段と、放電を検出すると電子線加速電圧の印加を一旦停止させる手段と、放電消滅後に電子線加速電圧の印加を再開させるための制御信号を形成する抵抗とコンデンサからなるソフトスタート回路と、ソフトスタート回路の動作時に前記コンデンサに直流電圧を供給する直流電源により構成している。このように、放電消滅後に電子線加速電圧の印加を再開させるための制御信号を形成するソフトスタート回路のコンデンサに対して別電源からの電圧も充電に利用し、電子線加速管の放電消滅後の電子線加速電圧の立ち上げを急速に行なっている。このため、放電検出により電子線加速電圧の印加を一旦停止する場合でも、被処理物の電子線照射に要する時間を最短の時間に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における加速電圧制御回路の回路図である。
【図2】本発明と従来例との特性を比較する特性図である。
【図3】本発明と従来例との特性を比較する特性図である。
【図4】電子線照射装置の一例を示すブロック図である。
【図5】主サイリスタ制御用の信号を形成する回路の一例を示す回路図である。
【図6】制御回路からの信号のオンオフ状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
R2 ソフトスタート回路の抵抗
C2 ソフトスタート回路のコンデンサ
S3 スイッチ
DCE 直流電源
Claims (1)
- サイリスタの通電制御により出力電圧が制御される直流高圧電源と、前記直流高圧電源の出力電圧が印加され、前記出力電圧による加速電圧で電子線を加速する電子線加速管と、前記サイリスタの通電をソフトスタートさせる抵抗とコンデンサとからなるソフトスタート回路と、電子線加速管の放電を検出する放電検出手段とを備え、前記放電検出手段の放電検出により前記サイリスタの通電を停止し、前記加速電圧を降下させるとともに、放電消滅後前記サイリスタを前記ソフトスタート回路のコンデンサの充電電圧に応じて通電し、前記加速電圧を前記コンデンサの充電電圧上昇速度に応じて上昇させて前記停止前の加速電圧に復帰してなる加速電圧制御回路において、前記ソフトスタート回路のコンデンサに直流電圧を供給する直流電源を設け、前記放電消滅後の前記サイリスタの通電時、前記直流電源の直流電圧を前記コンデンサに供給して前記コンデンサの充電電圧の立ち上がり部の速度を速め、前記加速電圧が前記停止前の加速電圧に到達する途中までの立ち上げ速度を速めてなることを特徴とする加速電圧制御回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10657497A JP3693312B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 加速電圧制御回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10657497A JP3693312B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 加速電圧制御回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10270195A JPH10270195A (ja) | 1998-10-09 |
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ID=14437016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10657497A Expired - Lifetime JP3693312B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 加速電圧制御回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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JP4823092B2 (ja) * | 2007-02-06 | 2011-11-24 | 株式会社東芝 | 粒子加速器のビーム位置モニタ |
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1997
- 1997-03-19 JP JP10657497A patent/JP3693312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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