JP4823092B2 - 粒子加速器のビーム位置モニタ - Google Patents

粒子加速器のビーム位置モニタ Download PDF

Info

Publication number
JP4823092B2
JP4823092B2 JP2007027028A JP2007027028A JP4823092B2 JP 4823092 B2 JP4823092 B2 JP 4823092B2 JP 2007027028 A JP2007027028 A JP 2007027028A JP 2007027028 A JP2007027028 A JP 2007027028A JP 4823092 B2 JP4823092 B2 JP 4823092B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
amplification
electrode
position monitor
particle accelerator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007027028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008192509A (ja
Inventor
勝詞 塙
一尚 前田
直久 都築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2007027028A priority Critical patent/JP4823092B2/ja
Publication of JP2008192509A publication Critical patent/JP2008192509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4823092B2 publication Critical patent/JP4823092B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、粒子加速器のビーム軌道変位を計測する静電型ビーム位置モニタに関する。
一般に、粒子加速器のビーム位置モニタは、計測しようとするビーム軌道の断面における上下左右の4ヶ所に電極を配置し、通過したビームにより電極に誘起された電圧を計測することにより、実際のビーム軌道の中心の、設計軌道の中心からの偏差を算定する。
このビーム位置モニタにおいて、計測すべき信号は、例えば500MHzのような高周波の微小信号であり、位置情報はこの高周波信号の振幅値に含まれるため、高周波信号を増幅して振幅値を検波する回路が必要となる。
特許文献1に、複数の電極に対して電極切替方式の回路を採用したビーム位置モニタが記載されている。電極切替方式とは、回路特性のばらつきに伴って発生する計測誤差を回避するために、複数本の電極からの信号を一式の増幅・検波回路に対して入力端で切替ることにより各々入力する方式である。
このビーム位置モニタによると、ビームダクトに取り付けられた4電極から発信された信号が振幅信号としてとり出される。これら振幅信号がクロック信号により一定時間ホールドされ、これらホールドされた信号がクロック信号によって順次読み取られる。そして4電極の振幅信号が分離されてビーム軌道のビームダクト中心からの偏差が計算される。
また、特許文献2に、複数の電極の各々に対して別個のヘテロダイン方式の増幅・検波回路を接続したビーム位置モニタが記載されている。
ヘテロダイン方式とは、高周波信号の増幅のための常套手段とされる方式であり、ローカル発信信号を電極信号にミキシングして中間周波信号をつくって増幅し検波する方式である。
特許文献2のビーム位置モニタによると、ビームダクトに取り付けられた4電極から発信された各々の信号が、各々の増幅・検波回路によって同時に検波されて増幅信号として取り出され、ビーム軌道のビームダクト中心からの偏差が計算される。
特開平7−65994号公報 特開平3−103794号公報
電極切替方式の回路を採用した場合には、増幅・検波回路のばらつきの影響を回避できることに加えて、装置を小さくして製作コストを下げる利点があるが、複数の電極からの信号をシリアルに処理するため計測スピードが遅くなってしまうという問題があった。
また、ヘテロダイン回路を複数用いたビーム位置モニタでは、大型化・高価格化が避けられないという問題があった。
特に大型の粒子加速器においては、4電極のビーム位置モニタを数百箇所に分散配置するため、装置を如何に小さくかつ安価に製作することが重要となる。また、個々の回路を単純化させるとともに、その結果として生ずる回路特性を線形特性として位置計測の精度を高精度化させることが望ましい。
本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、高精度でありかつ省スペースで、従来よりも製作コストが削減された粒子加速器のビーム位置モニタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、粒子加速器のビームダクト内におけるビームの同一断面上に複数の電極が設置される粒子加速器のビーム位置モニタにおいて、前記電極からの電極信号の模擬信号である基準信号を発生する基準信号発生部を備え、通常は前記電極信号を入力信号とするが前記基準信号発生部が基準信号を発生している場合には入力信号を前記基準信号へ切り替える入力信号切替部と、前記入力信号切替部からの入力信号を増幅して検波する増幅・検波部と、前記増幅・検波部で増幅され検波された入力信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部とを、前記各々の電極に対して備えるとともに、前記基準信号を用いて前記各々の増幅・検波部の入力電圧と出力電圧の関係を示す回路特性を求める制御部と、前記制御部で求められた回路特性により、前記各々の増幅・検波部で検波された電極信号を補正して、この補正された各々の電極信号を用いてビームダクト内のビームの中心位置を計算する演算部とを備えたとを特徴とする。
本発明に係る粒子加速器のビーム位置モニタによると、粒子加速器のビームの位置計測が高精度で行われるとともに、省スペース化及び製作コストの削減が可能となる。
本発明に係る粒子加速器のビーム位置モニタの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る粒子加速器のビーム位置モニタの第1実施形態の構成図である。
第1実施形態のビーム位置モニタ1は、シンクロトロン等の粒子加速器Aのビーム軌道変位を計測する静電型ビーム位置モニタである。
例えばシンクロトロン(図示せず)は、環状、トーラス状の真空ダクトであるビームダクトD内で荷電粒子ビームB(以下、単にビームと呼ぶ。)を周回させながら、粒子を所定のエネルギーまで加速させる装置である。
ビームダクトD内のビームBはビームダクトDの外周に適宜設置された偏光電磁石によって設計軌道に沿って偏向する。この偏光電磁石の磁場強度を変化させることによって、ビームの中心軌道が常に設計軌道を通るように制御される。
ビームダクトDの内部にはビームBの位置を測定するセンサ部10が備えられる。センサ部10は、ビームダクトDの内壁付近に備えられた複数の電極11(例えば4つの電極11A〜11D)からなる。各々の電極11A〜11DをビームBの同一断面上に設置すると、ビームBが電極11A〜11D付近を通過する際に、この電極11A〜11Dにおいて、それぞれビームBとの距離に依存した高周波電圧が発生する。よって、電極11A〜11Dの各々に発生した高周波電圧の高周波信号を比較することにより、ビームBの中心位置を測定することができる。
ビーム位置モニタ1は、ビームダクトD内にてビームBの同一断面上に設置された複数の電極11A〜11Dと、電極11A〜11Dからの電極信号aの模擬信号である基準信号bを発生する基準信号発生部12と、通常は電極信号aを入力信号とするが基準信号発生部12が基準信号bを発生している場合には入力信号を電極信号aから基準信号bへ切り替える複数の入力信号切替部13A〜13Dと、入力信号切替部13A〜13Dの入力信号を増幅して検波する複数の増幅・検波部14A〜14Dと、増幅・検波部14A〜14Dで検波された入力信号をこの粒子加速器Aのシステムクロック信号cに同期させてアナログ信号からディジタル信号に変換する複数のアナログ・ディジタル変換部15A〜15Dと、アナログ・ディジタル変換部15A〜15Dでディジタル変換された入力信号に対して補正計算を行ったりビームBの中心位置計算を行ったりする演算部16と、演算部16が補正計算を行うために必要なデータを記録するメモリ17と、基準信号発生部12や入力信号切替部13A〜13D、演算部16に対して制御信号dを与える制御部18とから構成される。なお、演算部16は、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークNに接続される。
なお、ビーム位置モニタ1は、電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aが順に直列に接続される。同様に、電極11B〜11D、入力信号切替部13B〜13D、増幅・検波部14B〜14D、及びアナログ・ディジタル変換部15B〜15Dも、それぞれ、順に直列に接続される。
また、ビーム位置モニタ1は、この電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aの組と、電極11B、入力信号切替部13B、増幅・検波部14B、及びアナログ・ディジタル変換部15Bの組と・・・等が、それぞれ並列に接続される。
メモリ17には、演算部16が補正計算を行うために必要な基準特性曲線f(Vi)や、増幅・検波部14A〜14Dの回路特性を表すゲインk、オフセットm等の情報が、各々の増幅・検波部14A〜14Dについて記録される。
制御部18は、粒子加速器Aから校正データ取得指令信号eが与えられると、粒子加速器Aからの運転信号fにより粒子加速器Aのビーム運転が行われているか否かを判定し、ビーム運転が行われている場合には、入力信号切替部13は電極信号aを入力して増幅・検波部14により通常のビーム位置計測が行われる。
また、ビーム運転が行われていない場合には、制御部18は、増幅・検波部14A〜14Dの回路特性の校正データを取得する。制御部18は、始めに、基準信号発生部12に対して校正用の基準信号bを発生させるよう制御信号dを与えると、この制御信号dを取得した基準信号発生部12は基準信号bを発生する。そして制御部18は、入力信号切替部13A〜13Dに対して、入力信号を電極信号aから基準信号bに切り替えるように制御信号dを送信し、この制御信号dを受け取った入力信号切替部13A〜13Dは、基準信号bを入力して増幅・検波部14A〜14Dに出力する。
基準信号発生部12により出力された基準信号bは入力信号切替部13A〜13Dを介して増幅・検波部14A〜14Dに入力し、増幅・検波部14A〜14Dにおいて増幅されて検波され、アナログ・ディジタル変換部15A〜15Dで粒子加速器Aからのシステムクロック信号cに基づいてアナログ信号からディジタル信号にディジタル変換される。
制御部18は、演算部16を介してアナログ・ディジタル変換部15A〜15Dで変換されたディジタル信号を取得し、また、メモリ17に予め記録されている増幅・検波部14A〜14Dの回路の基準特性曲線f(Vi)を取得して、これらを比較する。
図2に、ビーム位置モニタ1の増幅・検波部14A〜14Dの回路の特性曲線の測定例を表すグラフを示す。このグラフにおいて、横軸は増幅・検波部14A〜14Dへの入力信号の振幅値Viであり、縦軸は増幅・検波部14A〜14Dからの出力信号の振幅値Voである。また、このグラフにおいて、実線は予め予測された特性曲線でありメモリ17に予め記録されている基準特性曲線f(Vi)を示し、点線は実際に基準信号bが入力した場合の特性曲線を示す。
この特性曲線は、増幅・検波部14A〜14Dにおける信号の入出力の際の回路特性を表すものである。特性曲線が線形特性を示すこと、すなわち特性曲線が直線になるよう回路を製作することが望ましい。しかし、増幅・検波部14A〜14Dの回路が簡素化されている(例えば、中間周波増幅なしで原信号を整流素子により直接検波するようにしている)場合には、図2に示すように、特性曲線は非線形特性となってしまう。
第1実施形態のビーム位置モニタ1では、増幅・検波部14A〜14Dに入力する基準信号bの振幅値Viにおける小、大の2点(例えば図2に示すVi1とVi2)を用いて、図3に示すように振幅値Vが2段階に変化する波形信号を利用する。
振幅値Vi1の基準信号bを入力した時の出力信号の振幅値Vo1と基準特性曲線f(Vi1)、及び振幅値Vi2の基準信号bを入力した時の出力信号の振幅値Vo2と基準特性曲線f(Vi2)を下記の(1)式及び(2)式に代入して、この(1)式及び(2)式を比較することにより、増幅・検波部14A〜14Dの回路のゲインkとオフセットmとを、それぞれの増幅・検波部14A〜14Dについて算定する。
[数1]
Vo1=k・f(Vi1)+m (1)
Vo2=k・f(Vi2)+m (2)
このゲインk及びオフセットmが増幅・検波部14A〜14Dの回路特性の変化を表している。
この補正された各増幅・検波部14A〜14Dのゲインk、オフセットmの値は、メモリ17に記憶され、演算部16は、実際の電極信号aの計測時に、このゲインk、オフセットmの値を用いて特性曲線の補正を行う。
図4に、ビーム位置モニタ1の演算部16による補正計算処理の流れを表す機能構成図を示す。
制御部18が校正データ取得指令信号eを受け取ると、基準信号発生部12は基準信号bを発生する。制御部18に増幅・検波部14A〜14Dからこの基準信号bが入力すると、上述したように、制御部18がメモリ17から基準特性曲線f(Vi)を取得し、この基準特性曲線f(Vi)を用いて特性補正値である増幅・検査部14A〜14Dのゲインk及びオフセットmを算出する。そして、制御部18は、算出された特性補正値をメモリ17に記録する。
また、増幅・検波部14A〜14Dが電極信号aを入力すると、演算部16は、メモリ17から特性補正値であるゲインk及びオフセットm取得して、この特性補正値を用いて(1)式及び(2)式により、各々の電極11A〜11Dからの電極信号aに対して回路の特性変化補正計算処理を行う。
次に、演算部16は、増幅・検波部14A〜14Dの特性曲線の非線形特性を補正するために、特性変化の補正計算処理がされた各々の電極11A〜11Dからの電極信号aに対して、基準特性曲線f(Vi)を直線特性になるように基準特性補正処理を行う。
そして、演算部16は、各々の電極11A〜11Dからの電極信号aの特性変化補正計算処理及び基準特性補正処理後のデータを使用して、ビームBの位置計算を行う。これにより、ビームBのビームダクトDの中心からの位置偏差が算出可能となる。
第1実施形態のビーム位置モニタ1によると、粒子加速器Aの運転を行っていない任意の時間帯に、基準信号bをもとに増幅・検波部14A〜14Dの特性変化を算定し、その結果に基づいて運転中のビーム位置モニタ1の電極信号aを補正することが可能となる。
また、第1実施形態のビーム位置モニタ1によると、簡易化された増幅・検波部14A〜14Dの回路特性を電極信号aの模擬信号である基準信号bを用いて補正することにより、ビームの位置測定の高精度化、回路の簡素化、及び製作コストの削減が同時に実現される。このビーム位置モニタ1によると、特に、一つの粒子加速器Aにおいて数百台に及ぶような多数のビーム位置モニタが配置される場合に、これらの調整等の取扱いも容易になる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係るビーム位置モニタの第2実施形態について、図5に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5は、第2実施形態のビーム位置モニタ1Aを示す構成図である。
ビーム位置モニタ1Aは、第1実施形態のビーム位置モニタ1において、周辺温度を用いて電極信号aの補正を行うものである。これは、増幅・検波部14A〜14Dにおける信号入出力の際の回路特性が周囲温度tにより変化するからである。
すなわち、ビーム位置モニタ1は、ビームダクトDの内壁にてビームBの同一断面上に設置された複数の電極11A〜11Dと、電極11A〜11Dからの電極信号aの模擬信号である基準信号bを発生する基準信号発生部12と、通常は前記電極信号aを入力信号とするが前記基準信号発生部12が基準信号bを発生している場合には入力信号を電極信号aから基準信号bへ切り替える複数の入力信号切替部13A〜13Dと、入力信号切替部13A〜13Dの入力信号を増幅して検波する複数の増幅・検波部14A〜14Dと、増幅・検波部14A〜14Dで検波された入力信号をこの粒子加速器Aのシステムクロック信号cに同期させてアナログ信号からディジタル信号に変換する複数のアナログ・ディジタル変換部15A〜15Dと、アナログ・ディジタル変換部15A〜15Dでディジタル変換された入力信号に対して補正計算を行ったりビームBの位置計算を行ったりする演算部16と、演算部が補正計算を行うために必要なデータを記録するメモリ17と、基準信号発生部12や入力信号切替部13A〜13Dや演算部16に対して制御信号dを与える制御部18と、周辺温度を測定して制御部18に周辺温度信号iを与える温度制御部19と、から構成される。
温度制御部19は、周辺温度を測定し、制御部18に対してこの周辺温度を示す周辺温度信号iを与える。このとき、温度制御部19は、温度センサ等により周辺温度として周辺の大気の温度を測定しても良いが、増幅・検波部14A〜14dの回路の温度を測定して周辺温度とすることにより、より正確な回路特性を把握することができる。
なお、第1実施形態と同様に、このビーム位置モニタ1Aは、電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aが順に直列に接続される。同様に、電極11B〜11D、入力信号切替部13B〜13D、増幅・検波部14B〜14D、及びアナログ・ディジタル変換部15B〜15Dも、それぞれ、順に直列に接続される。
また、ビーム位置モニタ1Aは、この電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aの組と、電極11B、入力信号切替部13B、増幅・検波部14B、及びアナログ・ディジタル変換部15Bの組と・・・等が、それぞれ並列に接続される。
また、制御部18は、予め、基準信号bを用いて取得された、周辺温度t1,t2,…tn,tn+1…と、この周辺温度毎の基準特性曲線f1(Vi),f2(Vi),…fn(Vi),fn+1(Vi)とを対応付けられた温度・回路特性対応表を記録している。
周辺温度信号iを取得した制御部18は、温度・回路特性対応表からこの周辺温度tに応じた基準特性曲線f(Vi)を取得して、メモリ17に記録する。そして演算部16は、この基準特性曲線f(Vi)を用いて電極信号aの補正計算を行う。
制御部18は、温度制御部19により測定された周辺温度tが、温度・回路特性対応表に記憶された周辺温度t1〜tn+1の中に存在しなかった場合、例えばtnとtn+1の間にある場合には、制御部18は、この周辺温度tにおける基準特性パターンf(Vi)を以下の(3)式を用いて計算する。
[数2]
f(Vi)=fn(Vi) + (fn+1(Vi)- fn(Vi))(t - tn)/(tn+1 - tn) (3)
制御部18は、この新たに作成した基準特性曲線f(Vi)をメモリ17に記録する。
なお、温度制御部19は、予め設定した時刻あるいは時間周期に基づいて周辺温度を測定し制御部18に周辺温度信号iを送信する。制御部18は、周辺温度信号iを取得するたびに、基準特性曲線f(Vi)を計算してメモリ17に記録する。
図6に、ビーム位置モニタ1Aの演算部16による補正計算処理の流れを表す機能構成図を示す。
制御部18は、上述したように、温度制御部19から周辺温度tの情報(周辺温度信号i)を取得するとともに、温度・回路特性対応表を用いて基準特性曲線f(Vi)を計算して、メモリ17にこの基準特性曲線f(Vi)を記録しておく。
増幅・検波部14A〜14Dが電極信号aを入力すると、演算部16は、メモリ17から基準特性曲線f(Vi)を取得して、この基準特性曲線f(Vi)を用いて各々の電極11A〜11Cからの電極信号aに対して回路の特性変化補正計算処理を行う。
次に、演算部16は、増幅・検波部14A〜14Dの特性曲線の非線形特性を補正するために、特性変化の補正計算処理がされた各々の電極11A〜11Dからの電極信号aに対して、基準特性曲線f(Vi)を直線特性になるように基準特性補正処理を行う。
そして、演算部16は、各々の電極11A〜11Dからの電極信号aの特性変化補正計算処理及び基準特性補正処理後のデータを使用して、ビームBの中心位置の計算を行う。これにより、ビームBのビームダクトDの中心からの位置偏差を算出することが可能となる。
なお、温度制御部19が周辺温度 を測定する際に、周辺温度を温度センサ等で測定する方法に限らず、ビーム位置モニタ1Aの外部で計測された周辺温度の情報を取得しても良い。
第2実施形態のビーム位置モニタ1Aによると、温度変化の影響による回路特性の変化が自動的に補正されるので、より高精度のビーム位置モニタを提供できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係るビーム位置モニタの第3実施形態について、図7及び図8に基づいて説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7は、第3実施形態のビーム位置モニタ1Bの構成図である。
ビーム位置モニタ1Bは、第1実施形態のビーム位置モニタ1において、粒子加速器Aのビーム電流値の強弱を表す運転モード信号gを用いて電極信号aの補正を行うものである。
すなわち、ビーム位置モニタ1Bは、ビームダクトDの内壁にてビームBの同一断面上に設置された複数の電極11A〜11Dと、電極11A〜11Dからの電極信号aの模擬信号である基準信号bを発生する基準信号発生部12と、通常は前記電極信号aを入力信号とするが前記基準信号発生部12が基準信号bを発生している場合には入力信号を電極信号aから基準信号bへ切り替える入力信号切替部13A〜13Dと、入力信号切替部13A〜13Dの入力信号を増幅して検波する増幅・検波部14A〜14Dと、増幅・検波部14A〜14Dで検波された入力信号をこの粒子加速器Aのシステムクロック信号cに同期させてアナログ信号からディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部15A〜15Dと、アナログ・ディジタル変換部15A〜15Dでディジタル変換された入力信号に対して補正計算を行ったりビームBの位置計算を行ったりする演算部16と、演算部16が補正計算を行うために必要なデータを記録するメモリ17と、基準信号発生部12や入力信号切替部13A〜13Dや演算部16に対して制御信号dを与える制御部18と、から構成される。
また制御部18は、粒子加速器Aから運転モード信号gを受け取り、この運転モード信号g、すなわち粒子加速器Aのビーム電流値の強弱に応じてゲイン切替信号hを増幅・検波部14A〜14Dに与える。増幅・検波部14A〜14Dは、このゲイン切替信号hを受け取ると、このゲイン切替え信号hに応じてゲインkを変更する。
なお、第1実施形態と同様に、このビーム位置モニタ1Bは、電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aが順に直列に接続される。同様に、電極11B〜11D、入力信号切替部13B〜13D、増幅・検波部14B〜14D、及びアナログ・ディジタル変換部15B〜15Dも、それぞれ、順に直列に接続される。
また、ビーム位置モニタ1Bは、この電極11A、入力信号切替部13A、増幅・検波部14A、及びアナログ・ディジタル変換部15Aの組と、電極11B、入力信号切替部13B、増幅・検波部14B、及びアナログ・ディジタル変換部15Bの組と・・・等が、それぞれ並列に接続される。
粒子加速器Aの運転モードにより、蓄積されるビーム電流値は異なるが、大幅に電流値が異なると電極信号aのレベルも大幅に変化する。例えば、ビーム電流値が低い場合は電極信号aのレベルは低く、増幅・検波部14A〜14Dのゲインkを高くしないと測定の精度が低下してしまう。
そこで、図8に示した運転モードとゲインkとの対応表30のように、制御部18は、予め基準信号bを用いて粒子加速器Aの運転モードとゲインkとを対応させておき、粒子加速器Aから受け取った運転モード信号gに対応したゲイン切替信号hを増幅・検波部14A〜14Dに送信する。そして、増幅・検波部14A〜14Dがこのゲイン切替信号hによりゲインkを設定する。
第3実施形態のビーム位置モニタ1Bによると、粒子加速器Aの運転モードの相違による電極信号aのレベルの差異を増幅度の調整により補正するので、より高精度にビームBの中心位置を測定することができる。
また、一つの粒子加速器Aにおいて、数百台に及ぶような多数のビーム位置モニタ1Bが配置される場合に、これらの調整等の取扱いが極めて容易となる。
なお、第3実施形態の構成を第2実施形態に適用することも可能であり、その場合には同様の効果が得られる。
本発明に係るビーム位置モニタの第1実施形態を示す構成図。 第1実施形態のビーム位置モニタの検波特性変化の測定例を示す図。 第1実施形態のビーム位置モニタの校正用信号及び検波信号の例を示す図。 第1実施形態のビーム位置モニタの演算部における補正計算の流れを示す機能構成図。 本発明に係るビーム位置モニタの第2実施形態を示す構成図。 第2実施形態のビーム位置モニタの演算部における補正計算の流れを示す機能構成図。 本発明に係るビーム位置モニタの第3実施形態を示す構成図。 第3実施形態のビーム位置モニタの制御部の保持する運転モードとゲインとの対応表を示す表。
符号の説明
1 ビーム位置モニタ
10 センサ部
11A〜11D 電極
12 基準信号発生部
13A〜13D 入力信号切替部
14A〜14D 増幅・検波部
15A〜15D アナログ・ディジタル変換部
16 演算部
17 メモリ
18 制御部
19 温度制御部
A 粒子加速器
B 荷電粒子ビーム(ビーム)
D ビームダクト
N ネットワーク

Claims (6)

  1. 粒子加速器のビームダクト内におけるビームの同一断面上に複数の電極が設置される粒子加速器のビーム位置モニタにおいて、
    前記電極からの電極信号の模擬信号である基準信号を発生する基準信号発生部を備え、
    通常は前記電極信号を入力信号とするが前記基準信号発生部が基準信号を発生している場合には入力信号を前記基準信号へ切り替える入力信号切替部と、
    前記入力信号切替部からの入力信号を増幅して検波する増幅・検波部と、
    前記増幅・検波部で増幅され検波された入力信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部とを、前記各々の電極に対して備えるとともに、
    前記基準信号を用いて前記各々の増幅・検波部の入力電圧と出力電圧の関係を示す回路特性を求める制御部と、
    前記制御部で求められた回路特性により、前記各々の増幅・検波部で検波された電極信号を補正して、この補正された各々の電極信号を用いてビームダクト内のビームの中心位置を計算する演算部とを備えたことを特徴とする粒子加速器のビーム位置モニタ。
  2. 前記制御部は、前記回路特性として前記各々の増幅・検波部のゲイン及びオフセットを求めて、前記演算部は、このゲイン及びオフセットを用いて電極信号を補正するように構成した請求項1記載の粒子加速器のビーム位置モニタ。
  3. 前記演算部は、前記回路特性の特性曲線が非線形であった場合には、この特性曲線が線形になるように電極信号を補正するように構成した請求項2記載の粒子加速器のビーム位置モニタ。
  4. 前記制御部は、前記回路特性として周辺温度に対する温度特性を求めて、前記演算部は、この温度特性を用いて電極信号を補正するように構成した請求項1記載の粒子加速器のビーム位置モニタ。
  5. 前記制御部は、前記回路特性として前記増幅・検波部の回路の温度に対する温度特性を求めて、前記演算部は、この温度特性を用いて前記電極信号を補正するように構成した請求項1記載の粒子加速器のビーム位置モニタ。
  6. 前記制御部は、粒子加速器のビーム電流値の強弱を示す運転モード信号に基づいて、前記各々の増幅・検波部のゲインを変更するように構成した請求項1記載の粒子加速器のビーム位置モニタ。
JP2007027028A 2007-02-06 2007-02-06 粒子加速器のビーム位置モニタ Expired - Fee Related JP4823092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007027028A JP4823092B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 粒子加速器のビーム位置モニタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007027028A JP4823092B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 粒子加速器のビーム位置モニタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008192509A JP2008192509A (ja) 2008-08-21
JP4823092B2 true JP4823092B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=39752399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007027028A Expired - Fee Related JP4823092B2 (ja) 2007-02-06 2007-02-06 粒子加速器のビーム位置モニタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4823092B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SI23620A (sl) * 2011-01-13 2012-07-31 Instrumentation@Technologies@d@d Postopek natančnega merjenja položaja in časa prihoda pospešenih delcev in naprava za izvedbo postopka

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05159898A (ja) * 1991-12-05 1993-06-25 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 粒子加速器のビーム位置モニタ
JPH05175000A (ja) * 1991-12-20 1993-07-13 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd リング状加速器のベータトロン振動計測装置
JPH08288098A (ja) * 1995-04-11 1996-11-01 Mitsubishi Electric Corp 粒子加速器
JP3693312B2 (ja) * 1997-03-19 2005-09-07 株式会社Nhvコーポレーション 加速電圧制御回路
JP3600129B2 (ja) * 2000-08-30 2004-12-08 株式会社日立製作所 高周波加速装置及び環状型加速器
JP2002246188A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd リモートコントロール装置
JP3958097B2 (ja) * 2002-04-03 2007-08-15 株式会社東芝 加速器のビーム位置計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008192509A (ja) 2008-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4896150B2 (ja) 電子式電力量計
US8272246B2 (en) Electronic self-calibration for sensor clearance
JP4757260B2 (ja) 連続校正式磁界センサー
US10444309B2 (en) Digital amplifier
JP2018538547A (ja) Cmmタッチプローブのためのセンサ信号オフセット補正システム
EP2522962B1 (en) Method and apparatus for increasing the effective resolution of a sensor
JP5520020B2 (ja) 赤外線センサ
JP4823092B2 (ja) 粒子加速器のビーム位置モニタ
CN102810494A (zh) 用于补偿磁噪声的系统与方法
JP2007078374A (ja) 直流電流計測装置および計測方法
JP2012163436A (ja) エンコーダ装置、及び駆動装置
JP6445360B2 (ja) 電流測定装置
JP2007189535A (ja) 歪補償増幅装置
JP4851363B2 (ja) インピーダンス測定装置
EP2312266B1 (en) Electronic self-calibration for turbine blade clearance sensor
JP2007121125A (ja) 電流検出装置および静電容量測定装置
CA2956948C (en) Electronic self-calibration for sensor clearance
JP2006322888A (ja) 検出装置
CN107040258A (zh) 测量机和测量机用的信号处理设备
JPH10267687A (ja) センサ出力のリニアライズ回路
JP2007088845A (ja) オフセット除去回路
WO2020250309A1 (ja) 誤差検出回路
JP3829393B2 (ja) 信号増幅装置およびその設定値調整方法
JP5507988B2 (ja) 抵抗型赤外線センサ出力の増幅装置
JP2000076000A (ja) 高速デジタイザ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090427

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees