JP3600129B2 - 高周波加速装置及び環状型加速器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は荷電粒子ビームを捕獲し加速する高周波加速装置及びそれを用いたシンクロトロンや蓄積リングのような環状型加速器に係わり、特に、空間電荷効果が問題となる大強度で低エネルギーのイオンビームを効率良く捕獲し安定に加速できる高周波加速装置とそれを用いたシンクロトロンや蓄積リングのような環状型加速器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波加速装置及びそれを用いた環状型加速器の動作原理について図17を用いて説明し、本発明に係わる従来技術について説明する。
【0003】
高周波線形加速器や静電加速器などの前段加速器201からシンクロトロンへ入射したビームは、まず、進行方向に一様連続なビームとして周回する。加速空胴6に高周波電圧を印加すると進行方向の集束力により、ビーム粒子は高周波電圧のある位相を中心とした安定領域に集群(バンチ)する。入射直後はビーム粒子を正味加速せず、進行方向の安定領域に捕獲する。これを高周波捕獲という。
【0004】
その後、バンチ重心が加速位相にずれるように高周波電圧の周波数(加速周波数)を上昇させ、周回ビームのエネルギー増加とともに上昇する周回周波数に同期して加速周波数を制御する。これらの制御は制御装置208の指令に基づき実行される。
【0005】
シンクロトロンを周回するビームは偏向電磁石204で軌道を曲げられ、四極電磁石205で水平および垂直方向に集束力を与えられる。ここで、加速中は周回ビームのエネルギー増加とともに偏向電磁石204の励磁を強め、ビーム中心軌道が設計軌道を維持するように制御する。また、周回ビームに対して一定の集束力を与えるために、四極電磁石205の励磁を偏向電磁石204の励磁に比例して強める。ビーム粒子は設計軌道のまわりを水平および垂直方向に振動しながら周回している。これらをベータトロン振動といい、リング1周あたりの振動数をそれぞれ水平および垂直チューンという。
【0006】
なお、蓄積リングでは周回ビームをバンチ状に高周波捕獲したまま正味加速を行わず、入射ビームを所望のビーム強度に達するまで蓄積する。したがって、高周波電圧の周波数、偏向電磁石と四極電磁石の励磁量が一定である点だけはシンクロトロンと異なる。
【0007】
ところで、シンクロトロンや蓄積リングを構成する偏向電磁石や四極電磁石には少なからず誤差磁場や設置誤差が存在する。その結果、水平および垂直チューンの組合せで決まる空間上にベータトロン振動が不安定となる領域が存在する。四極電磁石の励磁量は、水平および垂直チューンがその不安定領域からできるだけ離れるように設定される。
【0008】
ところが、空間電荷力で周回ビームに発散力が作用するとチューンが低下する。これによりベータトロン振動が不安定化しビーム損失が生じる可能性がある。入射ビームのエネルギーが低い場合や周回ビームの強度が大きい場合には問題となる。特に、入射ビームがバンチしピーク電荷密度が高くなる高周波捕獲段階および加速初期が深刻である。チューンの低下が0.25に達すると、空間電荷の非線形発散力が励起する不安定性で加速不能になると考えられている。
【0009】
空間電荷効果の緩和方法の一つとして、周回ビームに作用する加速電圧の波形を制御し、バンチ形状を平坦化してピーク電荷密度を低減する方法が用いられる。その場合の高周波加速装置としては、基本波加速電圧を発生する加速空胴以外に2倍高調波電圧を発生する加速空胴と3倍高調波電圧を発生する加速空胴をそれぞれ別々に設け、環状型加速器に各種複数台の加速空胴を設置している。このことは、例えば、A. Hofmann, 「Bunches with Local Elliptic Energy Distribution」(IEEE, NS−26, No.3, 1979, p.3526)に記載されている。
【0010】
そのような高周波加速装置では各周波数帯域ごとに独立に高周波信号の制御が可能なため、フィードバック制御により容易に高周波電圧の振幅や位相を制御できる。しかし、必要な加速空胴や電力増幅器の台数が増加してコスト高や環状型加速器の大型化を招くという欠点を有する。
【0011】
この欠点を解決するために、例えば、特開平9−219300号公報に記載のごとく広帯域動作の加速空胴を用い、1台の加速空胴に基本波加速電圧と同時に高調波電圧を重畳する方法がある。広帯域動作の加速空胴としては、特開平9−167699号公報に記載されているような装荷磁性体に新素材を用いた加速空胴が採用できる。
【0012】
ところが、このような高周波加速装置では高周波電圧の振幅や位相のフィードバック制御を実施する際、基本波からその高調波にわたる広帯域の信号処理が不可欠となる。従来、この広帯域信号処理は困難と考えられ、高周波電圧の振幅や位相はプレプログラミングによる調整が考えられてきている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
周回ビームの空間電荷効果を緩和するために最適な加速電圧波形を図12に示す。加速電圧波形に平坦部を生成しバンチビームに作用する進行方向の集束力を弱め、バンチビームを進行方向に引き伸ばして電荷密度を平坦化する。1台の加速空胴に基本波加速電圧とその高調波電圧を印加する場合には、図12に示すような電圧波形を加速空胴に発生させる必要がある。
【0014】
そのためには基本波加速電圧とその高調波電圧の振幅と位相をそれぞれ2%以内及び2度以内の精度で設定する必要がある。設定誤差が大きいとバンチビームの電荷密度の平坦部が無くなり、ピーク電荷密度が増加して空間電荷効果が緩和できなくなる。
【0015】
上述の特開平9−219300号公報に記載の従来技術(図16、図17参照)では、発振器1の出力信号の振幅と位相を振幅調整器2と位相調整器3のプレプログラミング制御208により調整し、基本波とその高調波の合成信号を電力増幅器5で増幅したのち広帯域動作の加速空胴6に供給している。
【0016】
その場合、電力増幅器5での利得と遅延の周波数特性、加速空胴6のインピーダンスの周波数特性、さらには制御系に使用される回路素子の周波数特性を考慮して振幅と位相をプレプログラミングする必要があり極めて多くの時間を要する作業になる。その上、一度、最適値に設定した後でも、周囲温度による電力増幅器5での利得や遅延の変化により、加速空胴6に印加すべき最適な電圧波形が維持できなくなる。
【0017】
また、周回ビームの強度が大きい場合には、バンチビームが加速空胴6に誘起する高周波電圧が無視できず、周回ビームの強度が変化すると加速空胴の電圧波形が変化する。特に、前段加速器201からの入射ビームの強度が変化すると問題となる。なお、特開平9−219300号公報にはビームモニタ13の検出信号に基づくフィードバック制御が示唆されてはいるが、加速空胴6に発生する実際の電圧波形に基づきフィードバック制御を実施しないかぎりは、振幅と位相の設定精度が悪く所望の電圧波形を維持できないという問題点を有している。
【0018】
本発明の目的は、加速空胴に実際に発生する電圧波形から基本波電圧とその高調波電圧の振幅と位相をそれぞれ高精度で検出し、その検出信号に基づき発振器の出力信号の振幅と位相をフィードバック制御できる高周波加速装置、及びそれを用いた環状型加速器を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号の振幅と位相を調整して加速空洞に加え、加速空洞に高周波電圧を発生させるようにした高周波加速装置において、加速空胴に発生した高周波電圧を基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する分波手段を設け、分波手段により分離して検出された基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に基づき加速空胴に加える高周波電圧波形をフィードバック制御することにある。
【0020】
具体的に高周波加速装置は、加速周波数の基本波信号とその整数倍の周波数の高調波信号を発生する発振器、その出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器と位相調整器、その出力信号を増幅する電力増幅器、増幅された高周波電力を入力し加速電圧を発生する広帯域動作の加速空胴、加速空胴に発生した電圧波形を検出する電圧モニタ、その出力信号を各周波数成分(基本波信号と高調波信号)に分離する分波器、各周波数成分の振幅と位相を検出する振幅検出器と位相検出器、それらの出力信号を設定値と比較して振幅調整器と位相調整器に制御信号を出力する比較器とから構成する。
【0021】
さらに望ましくは、周回するバンチビームの電荷密度を検出するビームモニタ、その出力信号を各周波数成分に分離する分波器とを設け、ビームモニタの出力信号を位相検出器の位相基準信号に用いて、各周波数成分ごとに加速電圧の位相を測定する(図13参照)。
【0022】
環状型加速器が蓄積リングや加速周波数の変化が小さいシンクロトロンの場合、分波器として各周波数成分ごとの帯域通過フィルタを用いた高周波加速装置が適用できる。一方、環状型加速器が加速周波数の変化が大きいシンクロトロンの場合、振幅と位相の検出精度向上の観点から、各周波数成分の振幅と位相の情報を維持したまま一定周波数の信号に変換する信号処理が必要である。
【0023】
分波器での信号処理にヘテロダイン方式を用いる場合(図14参照)には、加速周波数と一定の関係にある高周波信号が必要となる。この場合、発振器の出力信号から分波用高周波信号を生成する周波数変換器を設けてその出力信号を分波器に供給する高周波加速装置、あるいは発振器自体で分波用高周波信号を発生し分波器に供給する高周波加速装置が適用できる。
【0024】
また、分波器での信号処理に複素信号処理方式を用いる場合(図15参照)には、基本波と高調波のそれぞれの周波数において互いに位相が90度ずれた2信号が必要になる。この場合、発振器の出力信号から分波用高周波信号を生成する90度分配器を設けてその出力信号を分波器に供給する高周波加速装置、あるいは発振器自体で分波用高周波信号を発生し分波器に供給する高周波加速装置が適用できる。なお、90度分配器は、入力信号を同相及び90度ずれた2信号に分配して出力する高周波機器である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関する実施例を説明する。
【0026】
(実施例1)
図6に本発明の第1の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
【0027】
図6において、高周波加速装置160は、基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号を発生する発振器1、発振器の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その複数の周波数の出力信号を合成する合成器4、合成波信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタの出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8a、分波器8aの出力信号の振幅と位相を検出する振幅検出器9と位相検出器11、振幅検出器と位相検出器の出力信号をそれぞれ設定値と比較して振幅調整器2と位相調整器3に制御信号を出力する比較器10とから構成される。
【0028】
また、環状型加速器を周回する荷電粒子ビームの電荷密度を検出するビームモニタ13、ビームモニタの出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8bとを設け、その分波器8bの出力信号を位相検出器11の位相基準信号として用いる。
【0029】
分波器8a、8bで精度よく基本波信号及び各高調波信号を分離するため、分波器8a、8bでの信号処理にヘテロダイン検波方式あるいは複素信号処理方式を用いる。信号変換器14では発振器1の出力信号から分波器での信号処理に必要な高周波信号を生成し、分波器8a、8bに出力する。
【0030】
以下、ヘテロダイン検波方式と複素信号処理方式について簡単に説明する。
【0031】
ヘテロダイン検波方式では、信号変換器14として周波数変換器を用いる。例えば、加速周波数の基本波信号が0.5−5MHz、2倍高調波信号が1−10MHz、3倍高調波信号が1.5−15MHzの場合を想定する。分波器8a、8bでの信号処理で各周波数帯域の高周波信号を一定周波数50MHzに変換する場合、周波数変換器14ではそれぞれ50MHzだけずれた周波数である50.5−55MHz、51−60MHz、51.5−65MHzの高周波信号を生成する必要がある。
【0032】
電圧モニタ7から分波器8aへの入力信号はこれらの高周波信号とのミキシングで、それぞれ分離した50MHzの高周波信号に変換できる(図14参照)。50MHzの各高周波信号はそれぞれ電圧モニタでの検出信号の基本波信号、2倍高調波信号、3倍高調波信号の振幅と位相の情報を有している。
【0033】
一定周波数の高周波信号に変換した後の信号処理は容易であり、同期検波方式や包絡線検波方式を用いた振幅検出器9でそれそれの振幅を検出できる。また、バンチビームに対する加速電圧の位相を検出するため、ビームモニタ信号を同様に分波器8bで信号処理し、位相検出器11では各周波数成分ごとに(電圧モニタ信号の位相)−(ビームモニタ信号の位相)を演算する。
【0034】
一方、複素信号処理方式では、発振器1の出力信号を入力しその位相に対して同相及び90度だけずれた位相の2つの高周波信号に分配する90度分配器14を設け、その90度分配器の出力信号を分波器8での信号処理に用いる。すなわち、図15に示すように、基本波と高調波のそれぞれの周波数において互いに位相が90度ずれた2信号が必要になる。図6では簡略化のため各周波数成分ごとに1本の信号線で示しているが、実際は互いに位相が90度ずれた2信号が90度分配器14から分波器8に伝送される。
【0035】
電圧モニタ7から分波器8aへの入力信号は互いに位相が90度ずれた2信号とのミキシングで、各周波数成分ごとに正弦波成分と余弦波成分に直交分解できる。直交分解された2信号の絶対値(各振幅値の2乗和の平方根)はその周波数成分の振幅を表し、振幅検出器9では各周波数成分ごとに上記演算を実施する。一方、直交分解された2信号の振幅値の比はその周波数成分の位相を表す。バンチビームに対する加速電圧の位相を検出するため、ビームモニタ信号を同様に分波器8bで信号処理し、位相検出器11では各周波数成分ごとに(電圧モニタ信号の位相)−(ビームモニタ信号の位相)を演算する。
【0036】
次に、加速電圧の振幅と位相に関するフィードバック制御について、図18を用いて原理を説明する。なお、基本波成分と複数の高調波成分が本発明の分波器で完全に分離でき、それぞれ独立に制御可能なので、図18では一周波数成分についてのみ概念を示している。
【0037】
比較器10の振幅と位相の設定値は、加速空胴に発生する電圧の振幅と位相がそれぞれ設計値と一致するように与えられる。図18(a)に示すように何らかの外乱で振幅と位相が設計値からずれると、その誤差を補正するように比較器10の出力信号は振幅調整器2と位相調整器3を駆動する。そのフィードバックにより発振器1の出力信号の振幅と位相は調整され、加速空胴に発生する電圧の振幅と位相の誤差は瞬時に修正される。
【0038】
図18(b)に振幅と位相に関するブロックダイアグラムを示している。例えば、外乱として電力増幅器5での利得や位相の温度ドリフト、周回ビームが加速空胴6に誘起する高周波電圧がある。外乱で加速空胴6に発生する電圧の振幅が低下しようとすると、振幅調整器2での利得が上がり自動的に補正される。同様に、外乱で加速空胴6に発生する電圧の位相が遅れようとすると、位相調整器3での位相が進み自動的に補正される。
【0039】
本実施例では、分波器8a、8bでの信号処理にヘテロダイン検波方式あるいは複素信号処理方式を用いることで、環状型加速器として加速周波数の変化が大きいシンクロトロンにも適用できる。また、加速電圧の振幅と位相の両者をフィードバック制御することで、加速空胴6に発生する電圧波形(基本波成分+高調波成分)をより精度良く安定に調整できる。
【0040】
(実施例2)
図1に本発明の第2の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図1において、高周波加速装置110は、基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号を発生する発振器1、発振器1の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その出力信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器5の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴6に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタ7の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8、分波器8の出力信号の振幅を検出する振幅検出器9、振幅検出器9の出力信号を設定値と比較して振幅調整器2に制御信号を出力する比較器10とから構成される。
【0041】
本実施例の分波器8としては、例えば、各周波数成分ごとの帯域通過フィルタを用いることができる。ただし、この場合は基本波信号と高調波信号の各周波数帯域が分離されていることが必要条件である。したがって、環状型加速器が蓄積リングや加速周波数の変化が小さいシンクロトロンの場合に適用できる。例えば、基本波信号の周波数帯域が1.8−2.2MHz、2倍高調波信号の周波数帯域が3.6−4.4MHz、3倍高調波信号の周波数帯域が5.4−6.6MHzの場合には、分波器として(中心周波数±帯域幅)がそれぞれ(2±0.6)MHz、(4±0.8)MHz、(6±1)MHzの帯域通過フィルタが採用できる。
【0042】
(実施例3)
図2に本発明の第3の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図2において、高周波加速装置120は、基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号を発生する発振器1、発振器1の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その出力信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器5の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴6に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタ7の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8、分波器8の出力信号の位相を検出する位相検出器11、位相検出器11の出力信号を設定値と比較して位相調整器3に制御信号を出力する比較器10とから構成される。
【0043】
本実施例では、発振器1の出力信号を入力し各周波数成分ごとの位相基準信号を生成する移相器12を設け、位相検出器11ではその位相基準信号を用いて各周波数成分ごとに加速電圧の位相を測定している。これにより簡単なシステムで位相検出器11を動作させることができる。
【0044】
また、図1に示す第2の実施例と同様に本実施例の分波器8として、例えば、各周波数成分ごとの帯域通過フィルタを用いることができ、環状型加速器が蓄積リングや加速周波数の変化が小さいシンクロトロンに適用できる。
【0045】
(実施例4)
図3に本発明の第4の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図3において、高周波加速装置130は、基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号を発生する発振器1、発振器1の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その出力信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器5の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴6に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタ7の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8、分波器8の出力信号の振幅と位相を検出する振幅検出器9と位相検出器11、振幅検出器9と位相検出器11の出力信号をそれぞれ設定値と比較して振幅調整器2と位相調整器3に制御信号を出力する比較器10とから構成される。
【0046】
本実施例では振幅と位相の両者をフィードバック制御することで、加速空胴6に発生する電圧波形をより精度良く安定に調整できる。図1に示す第2の実施例と同様に本実施例の分波器8として、例えば、各周波数成分ごとの帯域通過フィルタを用いることができ、環状型加速器が蓄積リングや加速周波数の変化が小さいシンクロトロンに適用できる。また、図2に示す第3の実施例と同様に本実施例では、発振器1の出力信号を入力し各周波数成分ごとの位相基準信号を生成する移相器12を設け、位相検出器11ではその位相基準信号を用いて各周波数成分ごとに加速電圧の位相を測定している。これにより簡単なシステムで位相検出器を動作させることができる。
【0047】
(実施例5)
図4に本発明の第5の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図4において、高周波加速装置140は図3に示す第4の実施例の構成に加え、環状型加速器を周回する荷電粒子ビームの電荷密度を検出するビームモニタ13、ビームモニタの出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8bとを設け、その分波器分波器8bの出力信号を位相検出器11の位相基準信号として用いる。
【0048】
本実施例では図3に示す第4の実施例と同様に振幅と位相の両者をフィードバック制御することで、加速空胴6に発生する電圧波形をより精度良く安定に調整できる。特に本実施例では、ビームモニタ13の出力信号を位相検出器11の位相基準信号に用いることで、環状型加速器を周回する実際のバンチビームに対する加速電圧の位相を精度よく検出できる。
【0049】
(実施例6)
図5に本発明の第6の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図5の第6の実施例における高周波加速装置150は、図1の第2の実施例の構成に加え、発振器1の出力信号を入力しその周波数に対して一定周波数だけずれた周波数の高周波信号を生成する周波数変換器14を設け、その周波数変換器14の出力信号を分波器8での信号処理に用いている。本実施例は、分波器8での信号処理にヘテロダイン方式を用い、加速電圧の振幅のフィードバック制御を実施する場合である。
【0050】
本実施例は環状型加速器として、加速周波数の変化が大きいシンクロトロンにも適用できる。例えば、加速周波数の基本波信号が0.5−5MHz、2倍高調波信号が1−10MHz、3倍高調波信号が1.5−15MHzの場合を想定する。分波器8での信号処理で各周波数帯域の高周波信号を50MHzに変換する場合、周波数変換器14ではそれぞれ50MHzだけずれた周波数である50.5−55MHz、51−60MHz、51.5−65MHzの高周波信号を生成する必要がある。
【0051】
電圧モニタ7から分波器8への入力信号はこれらの高周波信号とのミキシングで、それぞれ分離した50MHzの高周波信号に変換できる。50MHzの各高周波信号はそれぞれ電圧モニタ7での検出信号の基本波信号、2倍高調波信号、3倍高調波信号の振幅と位相の情報を有している。一定周波数の高周波信号に変換した後の信号処理は容易であり、同期検波方式や包絡線検波方式を用いた振幅検出器9でそれそれの振幅を検出できる。
【0052】
(実施例7)
図7に本発明の第7の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図7において、高周波加速装置170は、分波器8での信号処理に必要な周波数の高周波信号を発生する発振器1、発振器1の出力信号から基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号を生成する周波数変換器15、周波数変換器15の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その出力信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器5の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴6に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタ7の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8a、分波器8aの出力信号の振幅と位相を検出する振幅検出器9と位相検出器11、振幅検出器9と位相検出器11の出力信号をそれぞれ設定値と比較して振幅調整器2と位相調整器3に制御信号を出力する比較器10とから構成され、発振器1の出力信号を分波器8a、に入力しヘテロダイン方式の信号処理を実施する。
【0053】
また、本実施例では図4に示す第5の実施例と同様に、環状型加速器を周回する荷電粒子ビームの電荷密度を検出するビームモニタ13、ビームモニタ13の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8bとを設け、その分波器8bの出力信号を位相検出器11の位相基準信号として用いている。
【0054】
本実施例では振幅と位相の両者をフィードバック制御することで、加速空胴6に発生する電圧波形をより精度良く安定に調整できる。
【0055】
また、第1の実施例(図1)、第6の実施例(図5)と同様に環状型加速器として、加速周波数の変化が大きいシンクロトロンにも適用できる。例えば、加速周波数の基本波信号が0.5−5MHz、2倍高調波信号が1−10MHz、3倍高調波信号が1.5−15MHzの場合を想定する。分波器8での信号処理で各周波数帯域の高周波信号を50MHzに変換する場合、発振器1ではそれぞれ50MHzだけずれた周波数である50.5−55MHz、51−60MHz、51.5−65MHzの高周波信号を発生する必要がある。
【0056】
電圧モニタ7から分波器8aへの入力信号はこれらの高周波信号とのミキシングで、それぞれ分離した50MHzの高周波信号に変換できる。50MHzの各高周波信号はそれぞれ電圧モニタでの検出信号の基本波信号、2倍高調波信号、3倍高調波信号の振幅と位相の情報を有している。一定周波数の高周波信号に変換した後の信号処理は容易であり、同期検波方式や包絡線検波方式を用いた振幅検出器9でそれそれの振幅を検出できる。
【0057】
一方、バンチビームに対する加速電圧の位相を検出するため、ビームモニタ信号を同様に分波器8bで信号処理し、位相検出器11では各周波数成分ごとに(電圧モニタ信号の位相)−(ビームモニタ信号の位相)を検出する。図5に示す第6の実施例と比較して、本実施例の発振器1は発振周波数が高くなるため高価となるが、周波数変換器15に関しては高域から低域に周波数変換する本実施例のほうが製作は容易である。
【0058】
(実施例8)
図8に本発明の第8の実施例である高周波加速装置の構成を示す。
図8において、高周波加速装置180は、基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号と分波器8での信号処理に必要な高周波信号を発生する発振器1、発振器1の出力信号の振幅と位相を制御する振幅調整器2と位相調整器3、その出力信号を増幅する電力増幅器5、電力増幅器5の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する広帯域動作の加速空胴6、加速空胴6に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタ7、電圧モニタ7の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8a、分波器8aの出力信号の振幅と位相を検出する振幅検出器9と位相検出器11、振幅検出器9と位相検出器11の出力信号をそれぞれ設定値と比較して振幅調整器2と位相調整器3に制御信号を出力する比較器10とから構成され、発振器1の出力信号を分波器8aに入力しヘテロダイン方式あるいは複素信号処理方式の信号処理を実施する。
【0059】
また、本実施例では図4に示す第5の実施例と同様に、環状型加速器を周回する荷電粒子ビームの電荷密度を検出するビームモニタ13、ビームモニタ13の出力信号を基本波信号及びその整数倍の周波数の高調波信号に分離する分波器8bとを設け、その分波器8bの出力信号を位相検出器11の位相基準信号として用いている。
【0060】
分波器8での信号処理がヘテロダイン方式の場合、発振器1では分波器での信号処理に必要な周波数の高周波信号を別途発生する必要がある。一方、分波器8での信号処理が複素信号処理方式の場合、発振器1では基本波と高調波のそれぞれの周波数において互いに位相が90度ずれた2信号を発生する必要がある。デジタル発振器には互いに位相が90度ずれた正弦波信号と余弦波信号の2信号が出力可能なものがあり、それを採用することができる。なお、分波器8、振幅検出器9、位相検出器11での信号処理は実施例1、実施例6、実施例7に記載したことと同様である。
【0061】
(実施例9)
図9に本発明の第9の実施例である環状型加速器の構成を示す。
図9において、環状型加速器310は、荷電粒子ビームを発生する前段加速器201、荷電粒子ビームを入射する入射器202、荷電粒子ビームが内部を周回する真空ダクト203、荷電粒子ビームを偏向し周回させる偏向電磁石204、荷電粒子ビームを収束させる四極電磁石205、荷電粒子ビームを集群し加速する高周波加速装置206、荷電粒子ビームを出射する出射器207、偏向電磁石の磁場強度に対応した設定データを高周波加速装置206に出力する制御装置208とから構成される。
【0062】
本実施例では環状型加速器に加速空胴6を1台設置している。加速空胴6の1台当たりの高周波電圧は1−20kVであり、蓄積リングや入射・捕獲・加速・出射の運転サイクルが数Hz以下の小型シンクロトロンではこれで十分である。医療用イオンシンクロトロンは後者の例である。
【0063】
加速空胴6を1台設置した高周波加速装置として、蓄積リングや加速周波数の変化が小さいシンクロトロンの場合には実施例1乃至実施例8に記載の高周波加速装置110〜180が適用できる。一方、加速周波数の変化が大きいシンクロトロンの場合には実施例1、実施例6乃至実施例8に記載の高周波加速装置150〜180が適用できる。
【0064】
本実施例では偏向電磁石204の磁場強度を検出し、制御装置208は偏向電磁石の磁場強度に対応した設定データを高周波加速装置206に出力する。設定データとしては基本波信号とその高調波信号の周波数、振幅、位相の設定値が含まれ、それぞれ発振器1、振幅調整器2、位相調整器3に転送される。ただし、フィードバック制御する制御量に関しては設定値を比較器10に転送する。
【0065】
シンクロトロンの運転サイクル(入射・捕獲・加速・出射)における設定データの例を図11に示す。
【0066】
空間電荷効果が大きい低エネルギー領域(捕獲・加速初期)において、基本波加速電圧に重畳して2倍高調波電圧と3倍高調波電圧を加速空胴に印加する。振幅値の比として1:1:0.4程度で空間電荷効果を緩和するために最適な電圧波形を生成できる。2倍高調波電圧と3倍高調波電圧の位相は周回するバンチビームに対して0度に維持し、正味加速・減速しないように設定する。
【0067】
一方、基本波加速電圧の振幅と位相は入射ビームを効率良く捕獲し加速できるように設定する。本実施例では検出した偏向電磁石の磁場強度に対応して制御装置208から高周波加速装置206に設定データを転送しているが、制御装置208の内部クロックに同期して設定データを時系列に高周波加速装置に転送する運転も可能である。
【0068】
(実施例10)
図10に本発明の第10の実施例である環状型加速器の構成を示す。
図10に示す実施例の環状型加速器320の構成は基本的には実施例9と同様であるが、環状型加速器320に加速空胴6を複数台設置し高い加速電圧を実現している。例えば、入射・捕獲・加速・出射の運転サイクルが10Hz以上の物理研究を目的とした大型シンクロトロンがこれに当てはまる。
【0069】
複数台の加速空胴6が発生する高周波電圧に対して周回ビームが最大加速電圧を受けるためには、加速空胴6の設置位置に応じて高周波電圧の位相を設定する必要がある。制御装置208は実施例9と同様に、各高周波加速装置206a、206bに設定データとして基本波信号とその高調波信号の周波数、振幅、位相の設定値を出力する。
【0070】
本実施例では別途加速空胴6の設置位置に応じた位相を位相調整器3の初期設定値として出力する。位相調整器3の設定値は加速空胴6に発生する高周波電圧の位相を検出してフィードバック制御により補正する。本実施例では高周波加速装置の低コスト化と位相制御の容易さを考慮し、各高周波加速装置206a、206bで1台の発振器を共有している。
【0071】
以上のようにして加速空洞に加える高周波電圧波形をフィードバック制御するのであるが、加速空胴に発生した高周波電圧を基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する分波手段を設け、分波手段により分離して検出された基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に基づき加速空胴に加える高周波電圧波形をフィードバック制御しているので加速空胴の電圧波形を高精度で制御できる。
【0072】
また、本発明の高周波加速装置では、1台の加速空胴に基本波加速電圧とその高調波電圧を高精度で重畳でき、かつ、安定に周回ビームの空間電荷効果を緩和できる。したがって、本発明の高周波加速装置を用いた環状型加速器では、リングの大型化やコスト高を招くことなく、大強度で低エネルギーのイオンビームを効率良く捕獲し安定に加速できる。特に、本発明の環状型加速器は医療用に好適であり、前段加速器を含む加速器システムの小型化と低コスト化、出射ビームの安定かつ大強度化が実現できる。
【0073】
なお、上述の実施例1から10では高調波として2倍高調波と3倍高調波を用いる場合を例として示したが、実際は任意次数の高調波を任意に組み合わせてもよい。また、必ずしも全ての周波数成分について振幅と位相をフィードバック制御する必要はなく、どれか1つだけをフィードバック制御するだけでも効果はある。
【0074】
さらに、フィードバック制御としては必ずしもリアルタイムで実施する必要はなく、環状型加速器の運転サイクル(入射・捕獲・加速・出射)ごとに振幅と位相の補正量を検出し、次の運転サイクルの振幅と位相の設定値にその補正量を反映したり、数回の運転サイクルにわたる平均的な補正量を演算して定期的に振幅と位相の設定値を補正する運転も考えられる。また、実施例1から10の説明では発振器、振幅調整器、位相調整器と機能ごとに分離して機器構成を記載したが、振幅調整や位相調整の機能を有した発振器を代用してもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、加速空胴に発生する電圧波形から基本波加速電圧とその高調波電圧の振幅と位相を高精度で検出でき、その検出信号に基づき発振器の出力信号の振幅と位相をフィードバック制御することで、加速空胴の電圧波形を高精度で制御できる。これにより、周囲温度による電力増幅器の利得や遅延の変化、周回ビームの強度変化などの外乱を補償し、周回ビームの空間電荷効果を緩和するために最適な電圧波形を安定に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第3の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図3】本発明の第4の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図4】本発明の第5の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図5】本発明の第6の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第1の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図7】本発明の第7の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図8】本発明の第8の実施例である高周波加速装置の構成を示す図。
【図9】本発明の第9の実施例である環状型加速器の構成を示す図。
【図10】本発明の第10の実施例である環状型加速器の構成を示す図。
【図11】本発明の高周波加速装置を用いた環状型加速器の運転方法を示す図。
【図12】高調波電圧重畳による空間電荷効果緩和の原理を示す図。
【図13】加速電圧とバンチビームの各周波数成分の位相関係を示す図。
【図14】本発明に係わる分波器でのヘテロダイン信号処理方式の原理を示す図。
【図15】本発明に係わる分波器での複素信号処理方式の原理を示す図。
【図16】従来技術の高周波加速装置の構成を示す図。
【図17】従来技術の環状型加速器の構成を示す図。
【図18】本発明に係わる加速電圧の振幅と位相に関するフィードバック制御の説明図。
【符号の説明】
1…発振器、2…振幅調整器、3…位相調整器、4…合成器、5…電力増幅器、6…加速空胴、7…電圧モニタ、8…分波器、9…振幅検出器、10…比較器、11…位相検出器、12…移相器、13…ビームモニタ、14…信号変換器(周波数変換器あるいは90度分配器)、15…周波数変換器、100…従来の高周波加速装置、110〜180…本発明の高周波加速装置、201…前段加速器、202…入射器、203…真空ダクト、204…偏向電磁石、205…四極電磁石、206…高周波加速装置、207…出射器、208…制御装置、300…従来の環状型加速器、310〜320…本発明の環状型加速器

Claims (9)

  1. 基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号の振幅と位相を調整して加速空洞に加え、前記加速空洞に高周波電圧を発生させるようにした高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する分波手段を設け、前記分波手段により分離して検出された前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に基づき前記加速空胴に加える高周波電圧波形をフィードバック制御することを特徴とする高周波加速装置。
  2. 基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号の振幅と位相を調整して荷電粒子ビームを加速する加速空洞に加え、前記加速空洞に高周波電圧を発生させるようにした高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する分波手段を設け、前記分波手段により分離して検出された前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に基づき前記加速空胴に加える高周波電圧の振幅と位相をフィードバック制御することを特徴とする高周波加速装置。
  3. 基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号の振幅と位相を調整して荷電粒子ビームを加速する加速空洞に加え、前記加速空洞に高周波電圧を発生させるようにした高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する分波手段を設け、前記分波手段により分離して検出された前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に基づき前記加速空胴に加える高周波電圧の振幅と位相の一方をフィードバック制御することを特徴とする高周波加速装置。
  4. 基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号の振幅と位相を調整して荷電粒子ビームを加速する加速空洞に加え、前記加速空洞に高周波電圧を発生させるようにした高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する第1の分波手段と、前記荷電粒子ビームを前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離して検出する第2の分波手段とを設け、前記第2の分波手段の出力信号を位相基準信号として第1の分波手段で検出した前記前記加速空胴の高周波電圧の位相を検出し前記加速空胴に加える高周波電圧の位相をフィードバック制御することを特徴とする高周波加速装置。
  5. 基本波信号と整数倍周波数の高調波信号を発生する発振手段と、前記発振手段の出力信号の振幅を制御する振幅調整手段と、前記発振手段の出力信号の位相を制御する位相調整手段と、前記振幅調整手段で振幅を、あるいは前記位相調整手段で位相を調整された前記発振手段の出力信号を増幅する電力増幅手段と、前記電力増幅手段の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する加速空胴とから構成される高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタと、前記電圧モニタの出力信号を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離する分波手段と、前記分波手段の出力信号の振幅あるいはの位相を検出する検出手段とを具備し、前記検出手段の検出信号に基づき前記加速空胴に加える高周波電圧波形をフィードバック制御することを特徴とする高周波加速装置。
  6. 基本波信号と整数倍周波数の高調波信号を発生する発振手段と、前記発振手段の出力信号の振幅を制御する振幅調整手段と、前記発振手段の出力信号の位相を制御する位相調整手段と、前記振幅調整手段で振幅を、あるいは前記位相調整手段で位相を調整された前記発振手段の出力信号を増幅する電力増幅手段と、前記電力増幅手段の高周波電力を入力し高周波電圧を発生する加速空胴とから構成される高周波加速装置において、前記加速空胴に発生した高周波電圧を検出する電圧モニタと、前記電圧モニタの出力信号を前記基本波信号とその整数倍周波数の高調波信号に分離する分波手段と、前記分波手段の出力信号の振幅を検出する振幅検出手段あるいは前記分波手段の出力信号の位相を検出する位相検出手段と、前記振幅検出手段および/または前記位相検出手段の出力信号を設定値と比較して前記振幅調整手段および/または前記位相調整手段に制御信号を出力する比較手段とを具備することを特徴とする高周波加速装置。
  7. 請求項6において、環状型加速器を周回する荷電粒子ビームの電荷密度を検出するビームモニタと、前記ビームモニタの出力信号を基本波信号及びその整数倍周波数の高調波信号に分離する分波手段とを設け、前記分波手段の出力信号を前記位相検出器の位相基準信号として用いたことを特徴とする高周波加速装置。
  8. 請求項6において、前記発振手段の出力信号、あるいは前記発振手段の出力信号の周波数に対して一定周波数だけずれた周波数の高周波信号、もしくは前記発振手段の出力信号の位相に対して一定位相だけずれた位相の高周波信号のうち、少なくとも1つを前記分波手段での信号処理に用いることを特徴とする高周波加速装置。
  9. 荷電粒子ビームを発生する前段加速器と、該荷電粒子ビームを入射する入射器と、該荷電粒子ビームが内部を周回する真空ダクトと、該荷電粒子ビームを偏向し周回させる偏向電磁石と、該荷電粒子ビームを収束させる四極電磁石と、該荷電粒子ビームを集群し加速する高周波加速装置と、該荷電粒子ビームを出射する出射器とから構成される環状型加速器において、前記高周波加速装置として、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の高周波加速装置を用いたことを特徴とする環状型加速器。
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