JP3693278B2 - 風呂給湯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯用熱交換器で上水を設定温度となるように加熱し、この加熱した温水を追い焚き回路の往き側を経由して浴槽に注湯してお湯張りを行い、浴槽内のお湯の追い焚きは別に設けた追い焚き用熱交換器と浴槽を結ぶ追い焚き回路を用いて行う風呂給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の風呂給湯機は、浴槽に対するお湯張りと追い焚きは別々の熱交換器を用いて行う構成となっていて、お湯張り用の給湯用熱交換器では、上水を設定温度である例えば40℃に加熱して浴槽に注湯し、お湯張りが終了して自然放熱により数℃温度が低下した分は、改めて追い焚き用熱交換器を駆動して設定温度たる40℃になるように再加熱している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の風呂給湯機の場合、お湯張りには給湯用熱交換器のみを用い、追い焚き用熱交換器は使用しないことから、水温の低い冬場などは、給湯機用熱交換器をフル運転してもお湯張りに時間がかかると云う問題がある。
【0004】
例えば、給湯能力45,000kcal/h、追い焚き能力10,000kcal/hの風呂給湯機の場合(現行の一般的な24号風呂給湯機)、冬場で水温が5℃のとき、40℃でお湯張りをすると、給湯能力をフルで運転しても、17リットル/分ずつしか湯張りできない。このため、浴槽に200リットルのお湯を張るとすると、11分以上の時間がかかることになる。
【0005】
本発明の目的は、お湯張り時間を可及的に短縮するように工夫した風呂給湯機を提供することである。
【0009】
求項に記載の発明においては、風呂給湯機において、給湯用熱交換器から出湯されたお湯を分岐して、一方を追い焚き用熱交換器を経由して追い焚き回路の往き側から浴槽内に注湯し、他方を追い焚き回路の戻り側を経由して浴槽内に注湯することができるように構成すると共に、前記往き側と戻り側を経由して注湯される夫々の分配水量を検知し、浴槽へのお湯張り時は、給湯用熱交換器の通水量を最大に制御し、給湯側のガスバーナを最大の燃焼量で燃焼させ、浴槽への落し込み温度(往き側からの注湯と戻り側からの注湯の混ざり合った温度)が風呂設定温度となるように追い焚き側のガスバーナの燃焼量を制御する電装基盤を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
求項に記載の発明においては、請求項記載の発明において、追い焚き回路の往き側と戻り側について夫々の分配水量を検知し、浴槽へのお湯張り時は、給湯用熱交換器の通水量を最大とし、追い焚き側のガスバーナを最大の燃焼量で燃焼させ、浴槽への落とし込み温度(往き側からの注湯と戻り側からの注湯の混ざり合った温度)が風呂設定温度となるように給湯側のガスバーナの燃焼量を制御することを特徴とするものである。
【0011】
求項に記載の発明においては、請求項又はに記載の発明において、追い焚き回路の往き側と戻り側に給湯用熱交換器側から送られて来た温水を分配して注湯を行う際、この分配前のラインに注湯水量センサを取り付けると共に、追い焚き回路の往き側に注湯水量検出センサを取り付けて双方のセンサで検出された値から追い焚き回路の戻り側を経由して注湯される水量値を求め、この値を基にして給湯用熱交換器のガスバーナ又は追い焚き用ガスバーナの燃焼量を制御して浴槽に対する注湯温度が設定温度になるように制御することを特徴とするものである。
【0012】
求項に記載の発明においては、請求項又はに記載の発明において、追い焚き回路の往き側と戻り側に給湯用熱交換器側から送られて来た温水を分配して注湯を行う際、この分配前のラインに注湯水量センサを取り付けると共に、追い焚き回路の戻り側に注湯水量検出センサを取り付けて双方のセンサで検出された値から追い焚き回路の往き側を経由して注湯される水量値を求め、この値を基にして給湯用熱交換器のガスバーナ又は追い焚き用ガスバーナの燃焼量を制御して浴槽に対する注湯温度が設定温度になるように制御することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
お風呂の自動運転スイッチがONに制御されると、最大水量の上水が給湯用熱交換器内に導入されてここで加熱される。但し、ここでの加熱温度は、水量が最大となっている分、設定温度までは加熱することができず、例えば設定温度が40℃のとき、給湯用熱交換器の出の温度は30℃程度となることがある。この30℃に加熱された温水は、次に追い焚き用熱交換器に導入されてここで設定温度たる40℃まで加熱され、追い焚き回路の往き側から浴槽内に注湯される。又は、上水が最大水量のとき、給湯用熱交換器側から出湯されたお湯の一部を追い焚き用熱交換器側の戻り側に流し、残量を追い焚き回路の往き側に流して双方から浴槽内に注湯する。このとき、追い焚き側のガスバーナ又は給湯側のガスバーナの一方を最大の燃焼量で燃焼させ、往き側と戻り側の双方から注湯された浴槽内のお湯の温度が設定温度になるように最大で燃焼させない側のガスバーナの燃焼量を制御する。このようにしてお湯張りが終了すると、次に追い焚き回路の循環ポンプが駆動して一旦追い焚き回路内にお湯を循環させてお湯の温度を検出し、もし設定温度より低いときには追い焚きを行って設定温度になるように再加熱を行う。
【0015】
【実施例】
図1に基づいて本発明の実施例を詳述する。この図1において、1は風呂給湯機、2は浴槽である。3は上水ライン1aから給水される上水を加熱するための給湯ユニットであって、3aは給湯用熱交換器、3bはガスバーナである。4は追い焚きユニットであって、4aは追い焚き用熱交換器、4bはガスバーナである。
5は前記給湯ユニット3の給湯ラインであって、この給湯ライン5は給湯栓6に至る出湯ライン7と、再加熱ライン8を経由して前記追い焚きユニット4の熱交換器4aの入側に至るラインに分岐されている。
【0016】
9は浴槽2と前記追い焚きユニット4間に結ばれた追い焚き回路であって、この戻り側9aは前記再加熱ライン8に結ばれ、往き側9bは前記追い焚きユニット4の熱交換器4aの出湯側に結ばれている。
10は追い焚きユニット4の入側(再加熱ライン8と戻り側9aが合流した下流側)に取り付けられた水流スイッチ、11は注湯電磁弁、12は注湯水量センサ、13は追い焚き用循環ポンプ、14は風呂サーミスタ、15は上水ライン1aと出湯ライン7を結ぶバイパス、16はバイパス水量調整弁、17は水量調整弁、18は上水ライン1aに取り付けられた注水量センサ、19は追い焚き回路9の戻り側9aに取り付けられた水量センサ、20は電装基板、21は浴室に取り付けられたリモコンであって、電装基板20により、本実施例の風呂給湯機1はその運転が制御される。
次に、自動運転例を説明する。
【0017】
・お風呂沸かし(注湯)
リモコン21により電装基板20に自動運転信号が入ると、上水ライン1aが全開し、併せて給湯ユニット3のガスバーナ3bが最大の燃焼量となって上水を加熱する。このお湯は、再加熱ライン8から追い焚き用熱交換器4aを経由して往き側9bから浴槽2内に注湯される。そして、このときのお湯の温度は風呂サーミスタ14により検出されていて、設定温度よりも低い場合は、設定温度になるように追い焚きユニット4側のガスバーナ4bを駆動する。なお、上水ライン1aからの給水量が、給湯ユニット3と追い焚きユニット4の合計合数を超えた場合には、合計合数になるように上水ライン1aからの給水量を制御する。
【0018】
設定水位まで注湯されると、一旦給湯ユニット3及び追い焚きユニット4は運転を停止し、次に追い焚き用循環ポンプ13が駆動して浴槽2内に張られたお湯を追い焚き回路9内に循環させて風呂サーミスタ14により温度を検出し、設定温度より低い場合には、再度追い焚きユニット4を運転して設定温度になるまで追い焚きを行う。
【0019】
上記運転は、浴槽2へのお湯張り時に通水量を最大に制御し、給湯ユニット3側のガスバーナ3bを最大に制御しているが、追い焚き側のガスバーナ4bを最大の燃焼量で燃焼させ、前記追い焚き用熱交換器4aの出口側の温度が風呂設定温度となるように給湯ユニット3側のガスバーナ3bの燃焼量を制御するようにしてもよい。
【0020】
又、給水量を最大に制御して給湯ユニット3のガスバーナ3bを最大の燃焼量に制御し、再加熱ライン8から送り出されたお湯を追い焚きユニット4の追い焚き用熱交換器4aの入側と戻り側9aに分流し、追い焚き回路9の往き側9bと戻り側9aの双方から注湯を可能にすると共に、この時の往き側9bと戻り側9aの分配水量を注湯水量センサ12と水量センサ19で検知し(注湯水量センサ12で検出された水量−水量センサ19で検出された水量=往き側9bの水量)、浴槽2への落し込み温度(往き側9bからの注湯と戻り側9aからの注湯の混ざり合った温度)が設定温度となるように演算を行いながら追い焚きユニット4側のガスバーナ4bの燃焼量を制御するようにしてもよい。
【0021】
又、反対に、追い焚きユニット4側のガスバーナ4bを最大の燃焼量で燃焼させ、浴槽2への落とし込み温度(往き側9bからの注湯と戻り側9aからの注湯の混ざり合った温度)が風呂設定温度となるように演算を行いながら給湯ユニット3側のガスバーナ3bの燃焼量を制御するようにしてもよい。なお、上記実施例において、水量センサ19は戻り側9aに取り付けているが、往き側9bに取り付けて往き側9bと戻り側9aの双方の水量を測定し、この値と注湯水量センサ12で検出された水量からガスバーナ3b又は4bの燃焼量を制御するようにしてもよい。
【0022】
・追い焚き
浴槽2内のお湯の温度が低下していて、追い焚きモードが設定されると、循環ポンプ13が駆動し、追い焚きユニット4が運転を開始して、浴槽2内のお湯を設定温度になるまで追い焚きを行う。このときのお湯の温度は、前記した風呂サーミスタ14で検出する。なお、この追い焚きは、保温モードの時も同様の運転となる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上のように、お湯張りに際し、給湯ユニットに加えて追い焚きユニットを併用することにより、大容量の注湯が可能となり、よってお湯張り時間を従来のものに比較して大巾に短縮することができる。
例えば、給湯能力45,000kcal/h、追い焚き能力10,000kcal/hの風呂給湯機の場合、冬場で水温が5℃のとき、40℃でお湯張りをすると、双方の給湯能力をフルで運転することにより、21リットル/分まで湯張り量を増加させることができる。この結果、浴槽に200リットルのお湯を張るとすると、従来の11分に比較して約7〜8分で済むようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明図。
【符号の説明】
1 風呂給湯機
1a 上水ライン
2 浴槽
3 給湯ユニット
3a 給湯用熱交換器
3b ガスバーナ
4 追い焚きユニット
4a 追い焚き用熱交換器
4b ガスバーナ
5 給湯ライン
6 給湯栓
7 出湯ライン
8 再加熱ライン
9 追い焚き回路
9a 戻り側
9b 往き側
10 水流スイッチ
11 注湯電磁弁
12 注湯水量センサ
13 追い焚き用循環ポンプ
14 風呂サーミスタ
15 バイパス
16 バイパス水量調整弁
17 水量調整弁
18 注水量センサ
19 水量センサ
20 電装基板
21 リモコン

Claims (4)

  1. 給湯用熱交換器から出湯されたお湯を分岐して、一方を追い焚き用熱交換器を経由して追い焚き回路の往き側から浴槽内に注湯し、他方を追い焚き回路の戻り側を経由して浴槽内に注湯することができるように構成すると共に、前記往き側と戻り側を経由して注湯される夫々の分配水量を検知して、浴槽へのお湯張り時は、給湯用熱交換器の通水量を最大に制御し、給湯側のガスバーナを最大の燃焼量で燃焼させ、浴槽への落し込み温度(往き側からの注湯と戻り側からの注湯の混ざり合った温度)が風呂設定温度となるように追い焚き側のガスバーナの燃焼量を制御する電装基盤を設けたことを特徴とする風呂給湯機。
  2. 追い焚き回路の往き側と戻り側について夫々の分配水量を検知し、浴槽へのお湯張り時は、給湯用熱交換器の通水量を最大とし、追い焚き側のガスバーナを最大の燃焼量で燃焼させ、浴槽への落とし込み温度(往き側からの注湯と戻り側からの注湯の混ざり合った温度)が風呂設定温度となるように給湯側のガスバーナの燃焼量を制御することを特徴とする請求項1記載の風呂給湯機。
  3. 追い焚き回路の往き側と戻り側に給湯用熱交換器側から送られて来た温水を分配して注湯を行う際、この分配前のラインに注湯水量センサを取り付けると共に、追い焚き回路の往き側に注湯水量検出センサを取り付けて双方のセンサで検出された値から追い焚き回路の戻り側を経由して注湯される水量値を求め、この値を基にして給湯用熱交換器のガスバーナ又は追い焚き用ガスバーナの燃焼量を制御して浴槽に対する注湯温度が設定温度になるように制御する請求項1又は2記載の風呂給湯機。
  4. 追い焚き回路の往き側と戻り側に給湯用熱交換器側から送られて来た温水を分配して注湯を行う際、この分配前のラインに注湯水量センサを取り付けると共に、追い焚き回路の戻り側に注湯水量検出センサを取り付けて双方のセンサで検出された値から追い焚き回路の往き側を経由して注湯される水量値を求め、この値を基にして給湯用熱交換器のガスバーナ又は追い焚き用ガスバーナの燃焼量を制御して浴槽に対する注湯温度が設定温度になるように制御する請求項1又は2記載の風呂給湯機。
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