JP3692740B2 - スイッチング制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IGBTなどのゲート電圧制御形スイッチング素子のスイッチング制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
IGBTなどのゲート電圧制御形スイッチング素子(以後、IGBTを例とする)をゲートドライブするには、従来のゲートドライバは図12のような回路になっており、正電源電圧(Vcc)、負電源電圧(−Vee)の2種類の電圧を抵抗Rgを通してゲートに接続し、ゲート電圧を制御するようになっている。ターンオン時にはVccで、ターンオフ時には−Veeでゲートを駆動するようになっており、Vccから−Veeの間の中間的な電圧で駆動することはない。
【0003】
IGBTをスイッチング素子とする電力変換器では、IGBTがターンオフする際に生じるサージ電圧のピーク値が、利用可能な直流側電圧の低下やスイッチング損失の増加などの問題を引き起こす。このサージ電圧を軽減するためには、以下のような対策が取り入れられている。
【0004】
(A)スイッチング速度を遅くする方式。
【0005】
図12において、Rgはゲート抵抗と呼ばれる抵抗で、この抵抗によってIGBTのスイッチング速度を調整することができる。これは、IGBTのゲートがゲート容量を持ち、駆動するドライバからみるとコンデンサ(ゲート容量Cg)としてみなせることによる。
【0006】
よって、Rgを小さくしてやればコンデンサCgの電荷を素早く出し入れできるためにスイッチング速度は速くなり、逆にRgを大きくしてやると遅くなる。サージ電圧は、IGBTが急速にターンオフすることによって生じる電圧であるため、Rgを大きくしてやることによってスイッチング速度を遅くしてやれば低く抑えられる。
【0007】
(B)サージ電圧を吸収するスナバ回路を設ける方式。
【0008】
サージ電圧は、IGBT主回路の浮遊インダクタンスに蓄えられたエネルギーによって発生する。よって、このエネルギーをスナバ回路に吸収させてやれば、サージ電圧を低く抑えることができる。具体的なスナバ(サージ吸収)回路としては図13に示すようなものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記2点の対策には以下に示す問題がある。
【0010】
(A)の問題点
スイッチング速度を遅くしてやるとサージ電圧は低下するが、スイッチングにかかる時間も長くなる。スイッチング時間の増加は素子のターンオフ損失の増加につながるため、主に素子の冷却や電力変換効率に問題が生じる。よって、むやみにスイッチング速度を遅くすることはできない。
【0011】
(B)の問題点
スナバ回路が必要となる場合は、主回路構成が複雑になり、部品点数、工数の増加につながる。また、最近のIGBTのスイッチング速度はかなり高速であるため、図14に示すスナバ回路自体の持つ配線インダクタンス成分が無視できず、スナバ回路に流れるべき電流(エネルギー)がスナバ回路を流れずにIGBTに流れることが多く、スナバ回路の効果には限界がある。スナバ回路の配線長を短くするのには限界があるため、この方式はIGBTのように高速スイッチングが可能な素子の場合には効果が十分に発揮されない。
【0012】
本発明の目的は、サージ電圧を抑制した上でスイッチング遅れを最少に、さらにスイッチング損失を軽減することができるスイッチング制御回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、スイッチング過程で電圧変化率を変化させたパターン電圧でゲート電圧制御形スイッチング素子をゲートドライブするものである。また、パターン電圧としてスイッチング素子のターンオフ開始から電流遮断が始まる直前までを高速にすることでスイッチング遅れを無くしたり、電流遮断が始まってサージ電圧が上昇しようとする期間を低速にすることでサージ電圧を抑制したり、電流遮断がある程度進んでサージ電圧が低下し始めてからターンオフ終了までを高速にすることでスイッチング損失を軽減するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【0014】
(第1の発明)
ゲート電圧制御形スイッチング素子にゲートドライブ電圧を印加してスイッチング制御する回路であって、
前記スイッチング素子のターンオフ開始から終了までの期間内に電圧変化率を変化させたパターン電圧を発生するゲート電圧パターン発生器と、前記パターン電圧に従って前記スイッチング素子をターンオフ駆動するゲート電圧駆動アンプとを備え、
前記ゲート電圧パターン発生器は、前記スイッチング素子のターンオフ開始から電流遮断が始まる直前までのゲートドライブ電圧の変化を高速にするパターン部分と、電流遮断が始まってサージ電圧が上昇しようとする期間のゲートドライブ電圧の変化を低速にするパターン部分と、電流遮断が進んでサージ電圧が低下し始めてからターンオフ終了までのゲートドライブ電圧の変化を高速にするパターン部分のうち、少なくとも2つのパターン部分を有してパターン電圧を発生する構成にしたことを特徴とする。
【0016】
(第2の発明)
前記ゲート電圧パターン発生器は、前記パターン電圧のディジタルデータを時間コントロールして発生するディジタルコントローラと、前記ディジタルデータに従ってアナログパターン電圧を発生するD/Aコンバータと、前記アナログパターン電圧からパターン電圧波形の発生に必要な周波数成分以上の高周波成分を除去するフィルタ回路とを備えたことを特徴とする。
【0017】
(第3の発明)
前記スイッチング素子はゲート電圧の変動を抑えるためにゲート・エミッタ間にコンデンサを設け、前記ゲート電圧駆動アンプは電流駆動能力を高めたコレクタ接地形に構成したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、前記の図12に示すように、ゲート電圧を単なるスイッチングによって制御する従来のゲートドライバに代えて、スイッチング過程を任意の電圧に制御できるゲートドライバとする。このための回路構成を図1に示す。
【0019】
このゲートドライバ構成は、ゲート電圧パターンを発生させるゲート電圧パターン発生器Aと、ゲート電圧で実際にIGBTをドライブするゲート電圧駆動アンプBによって構成されている。ゲート信号が入力されると、パターン発生器Aが適切なゲート電圧波形を作成し、この電圧波形になるようアンプBがIGBTのゲート電圧を制御する。
【0020】
IGBTは通常、飽和領域において動作させるが、スイッチングの間は非飽和領域を通過する。ターンオフ時のゲート電圧(Vg)とIGBTのコレクタ・エミッタ間電圧(Vce)は一般的には図2のような波形となる。
【0021】
同図において、Vgが十分に高い間は飽和領域となり、電流の遮断は進行しない。Vgが低下していき非飽和領域にはいると電流の遮断が始まり、Vceが増加し始める。この時には、主回路側からの影響でVgがさらに低下する場合もある。Vgがある程度低下すると電流の遮断が完了し、Vceは阻止電圧(通常の電力変換器の場合、直流側の電圧)に戻る。ターンオン時にはVgの増加に伴い、Vceが減少していくが、複雑な波形にはならない。
【0022】
ここで問題となるのが、スイッチング開始時のVgの時間変化率である。従来のゲートドライバの場合、ゲート抵抗を小さくして急速にVgを低下させた場合、電流の遮断が急速に開始されるためにサージ電圧が高くなる。同時に、スイッチングは高速になるので損失は小さくなる。逆に、ゲート抵抗を大きくしてVgをゆっくりと低下させた場合は電流の遮断がある程度ゆるやかになるためにサージ電圧は低くなる。しかし、スイッチングは低速になるので損失が増加する。
【0023】
これに対し、本実施形態のゲートドライバは、ゲート電圧Vgの電圧波形をパターン発生器によって自由に制御し、その通りにVgを駆動してやることによって、Vgを急速に低下させて高速スイッチングかつ低損失にしたり、Vgをゆっくり低下させて低速スイッチングかつ低サージ電圧にすることを可能とする。
【0024】
このためのパターンとして、スイッチング開始から電流遮断が始まる直前までを高速に、電流遮断が始まってからしばらくの期間を低速に、電流遮断がある程度進んでサージ電圧が低下し始めてからスイッチング終了までを高速にする。この時のVgのパターンは図3のようなものになる。このスイッチングパターンにより、以下の作用効果を得る。
【0025】
(1)スイッチング開始から電流遮断直前までを高速にすることでスイッチング時間を短縮することができる。
【0026】
(2)電流遮断が始まってからしばらくの間はゆっくりとVgを駆動することでサージ電圧を抑制することができる。
【0027】
(3)サージ電圧の上昇が緩やかになってきた段階、あるいはサージ電圧自体が低下し始めた段階に到達した後、スイッチング終了まではVgを高速に駆動することでこの期間のスイッチング損失を軽減することができる。
【0028】
ここで、パターン部分(2)と(3)の間の時間を変化させると、サージ電圧とスイッチング損失の関係が変わってくる。実際にこのような駆動を行う1200V−300A級IGBT用のゲートドライバを試作し、一般的なドライバとサージ電圧−スイッチング損失のトレードオフを測定した。結果を図4に示す。
【0029】
これをみると、同じサージ電圧を許容した場合には、本実施形態のゲートドライバはスイッチング損失を低減でき、同じスイッチング損失を許容した場合には、サージ電圧を低減できることが判る。
【0030】
なお、各パターン部分(1)〜(3)は、パターン部分(1)と(2)をもつパターン波形など、サージ抑制などのゲートドライブ目的に応じて、少なくとも2つのパターン部分をもつパターン波形とすることもできる。
【0031】
例えば、電力変換器と負荷の間が離れている場合、それぞれを接続する電力ケーブルのリアクタンス成分や相間キャパシタンス成分によって、図5に示すように、負荷端でサージ電圧が生じる場合があるが、ゲート電圧パターンをゆっくりスイッチングするパターンにしてやることによってサージ電圧を抑え、負荷に必要な耐圧を下げることができる。
【0032】
また、電力変換器のスイッチング時の電圧変化が急激で、これによるEMI障害が生じるような場合に、ゲート電圧パターンをゆっくりスイッチングするパターンにしてやることによって電圧変化率を抑え、不要な輻射電磁波を少なくすることができる。
【0033】
図6は、ゲート電圧パターン発生器の構成を示す。素子のスイッチングは数マイクロ秒で完了するため、ゲート電圧パターン発生器は出力信号を高速に制御可能でなくてはならない。また、スイッチング中にVgパターンを正確にコントロールするために、時間精度が高くなくてはならない。
【0034】
そこで、ゲート電圧パターン発生器としては、高速C−MOS形TTLを用いて構成した簡易D/Aコンバータ1と、パターン電圧から高周波成分を除去する抵抗とコンデンサ構成のCRフィルタ回路2を利用し、このTTLに与えるディジタルパターンデータをディジタルコントローラ3によって制御する。
【0035】
高速C−MOS形TTLの時間遅れは10ナノ秒以下であるため、応答速度の点では全く問題ない。また、ディジタルコントローラ3を駆動するクロックとして一般的に用いられる水晶発振器4を適用することによって、時間精度も極めて高くできる。制御のパターンは、図3のような制御を考え、図7のようなパターンとした。
【0036】
この構成において、ターンオン時には、ターンオンサージ電圧が許容できる範囲の速度でVgを上昇させ、高速にターンオンさせる。IGBTは、一般的に電流の急峻な立ち上がりに対する耐量が大きい。また、一般的に主回路の配線インダクタンスなどの影響によって電流増加が制限されるため、基本的にはゲートドライブアンプの性能限界まで高速化させるのが望ましい。
【0037】
ターンオフ時には、まず、期間Aでスイッチングが始まる直前の電圧までVgを急速に低下させる。この期間のVg変動は飽和領域内であるため、主回路側の電圧、電流にはほとんど変化は生じない。次に、期間Bでスイッチングが始まる電圧までVgを下げる。この段階からターンオフが始まる。この期間Bでのゲート電圧Vgはスイッチング素子のコレクタ電流に応じて決定する。最後に、スイッチングがある程度進み、環流ダイオードなどの効果でサージ電圧が下がり始めた期間Cでは、急速にターンオフ時のVg保持電圧までVgを下げる。
【0038】
よって、D/Aコンバータ1が出力すべきパターン電圧は3種類、調整すべき期間は2種類となる。このパターンになるようにD/Aコンバータ1のTTL入力パターンを制御する。TTLの出力にはラダー形に抵抗が接続されており、一般的なD/Aコンバータとして動作するようになっている。
【0039】
このD/Aコンバータ1の出力にはフィルタ2が接続され、そのコンデンサにより出力電圧がなめらかに変化するようにする。このフィルタ回路2のカットオフ周波数は低い方が波形がなめらかになるが、低すぎると出力電圧変化が遅くなり、急速な電圧変化が要求される部分の制御ができなくなる。よって、ターンオン時、期間A、期間Cの急速な電圧変化に対応できる範囲でカットオフ周波数を低下させ、コンデンサの値を決定する。すなわち、フィルタ回路2は、パターン電圧波形の発生に必要な周波数成分以上の高周波成分を除去する。
【0040】
D/Aコンバータ3には、+Vcc、中間電圧、−Veeの3通りの電圧を作り出すディジタル信号を入力する必要があるが、これはディジタルシーケンス回路によって生成する。順序回路を組み込んだPLD(Programab1eLogicDevice)を利用する。
【0041】
図8は、ディジタルシーケンス回路のブロック図を示す。PLDには2つのカウンタ3A,3Bを組み込み、このカウンタで期間Aと、期間A+期間Bの2つの時間をカウントする。パターン発生部3Cは、D/Aコンバータが+Vcc,−Vee,中間電圧を発生するためのパターンを設ける。
【0042】
コントローラ3Dは、ターンオフスイッチング指令入力直後にはパターン発生部3Cの−Veeのパターンを選択するパターン切り替え信号を出力し、期間Aをカウントするカウンタ3Aがアンダーフローした段階、すなわち期間Aと期間Bの間で中間電圧に切り替える信号を出力する。最後に、期間A+期間Bをカウントするカウンタ3Bがアンダーフローした段階、すなわち期間Bと期間Cの間で−Veeに切り替えるパターンを出力し、ターンオフを完了する。ターンオン指令入力時には基本的には直ちに+Vccのパターンを選択する信号を出力する。
【0043】
中間電圧はターンオフがぎりぎり開始される付近に設定する。一般的なIGBTの場合、コレクタ電流の大きさによって、飽和領域と非飽和領域の境界電圧が変化し、同時にターンオフが開始されるゲート電圧が変化する。よって、主回路の電流定格とIGBTの飽和特性、フィルタ2のカットオフ周波数を考慮して中間電圧を調整する。
【0044】
なお、この例では出力電圧レベルが3レベル、調整可能な期間が2種類であるが、ディジタルシーケンス回路を図9のように拡張し、選択可能な出力電圧レベルを増やしたり、調整可能な期間の種類を増やしたりして、より一層細かい制御を行うことも可能である。また、ターンオン時の波形調整を行うことも可能である。
【0045】
次に、D/Aコンバータのゲート電圧駆動アンプの構成を説明する。ゲート電圧パターン発生器の信号に応じて実際のVgを制御するためにアンプを用意する。ゲート電圧パターンに追従できるのであれば、どのような構成を取ってもよい。ここでは、電流駆動能力を高めるために図10のようなコレクタ接地形のトランジスタアンプとした。
【0046】
このアンプは、一般的なIGBTのゲート電圧である+15Vから−10Vを対象としている。D/Aコンバータの出力はTTLを利用しているために0Vから5Vである。ここで、電圧ホロワー4Aで2.5Vを仮想的に生成したグランド(Gnd)レベルとし、このグランドレベルによりD/Aコンバータの出力は等価的に±2.5Vとなる。これを非反転増幅器4Bで5倍に増幅すると±12.5Vとなり、実際のグランドレベルからみると+15Vから−10Vとなり、これをトランジスタ増幅回路4Cで増幅することにより、IGBTの一般的なゲート電圧に対応させることができる。
【0047】
なお、IGBTなどの電圧制御形ゲートを持つ素子では、ターンオフが始まると、よりターンオフが進む方向にVgが変動し、ターンオフが加速される場合がある。スイッチング速度の高速化を狙う場合には特に注意する必要はないが、サージ電圧低減を狙う場合にはこの現象を抑えないとサージ電圧低減が実現できない。
【0048】
そこで、図11に示すように、IGBTのゲートとエミッタの間に外付けコンデンサCを追加する。IGBTのゲートは容量性であり、ここに並列に外部コンデンサCを加えてやると、ターンオフによるVgの変動幅が小さくなる。アンプB側の出力インピーダンスはそれがコレクタ接地形になるため十分小くすることができ、制御速度にはほとんど影響しない。よって、適当な大きさのコンデンサCを加えることによって、制御特性に影響を与えることなく、Vgの変動を抑え、意図しないサージ電圧の発生を抑えることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、スイッチング過程で電圧変化率を変化させたパターン電圧でゲート電圧制御形スイッチング素子をゲートドライブするようにしたため、以下の効果がある。
【0050】
(1)同じスイッチング速度又はスイッチング損失であってもサージ電圧を低減することができる。
【0051】
(2)同じサージ電圧であってもスイッチング速度を速めたり、スイッチング損失を低減することができる。
【0052】
(3)ターンオン時のスイッチング速度を自由に設定できるため、ターンオン速度を速めてターンオン損失を低減することができる。
【0053】
(4)ターンオフが始まるまでの時間を短くすることによってスイッチング遅れを低減できる。
【0054】
(5)前記(1)の利点を生かした場合、サージ電圧低減方向にゲート電圧パターンを設定すれば主回路のスナバ回路を大幅に削減(スナバレス化)できる可能性がある。また、サージ電圧が低減されればサージ電圧に対する安全率を低く設定できるようになり、素子の電圧利用率を高めることができる。また、高いサージ電圧を許容する場合は、スイッチング損失を減少させる方向に設定することによって主回路損失を低減し、より高いスイッチング周波数での動作を実現することができる。
【0055】
(6)ゲートドライバ自体はコストアップとなるうえ、ゲート電圧保持コンデンサを利用した場合にはゲートドライバ損失も増加する。しかし、ゲート回路よりも桁違いに大型、高価な主回路に効果が現れるため、ゲートドライバ+主回路のトータル範囲でみると大幅に有利となる。
【0056】
(7)電力変換器と負荷の問が離れており、その間を電力ケーブルによって接続する場合、スイッチングによる電圧変化速度か速くなると、電力ケーブルのリアクタンス成分や相間キャパシタンスの影響によって負荷端での電圧波形にサージが生じる場合があるが、ゲート電圧パターン発生器のフィルタの周波数を下げてスイッチング速度を遅くするゲート電圧パターンを用意することによって、変換器出力のPWM電圧波形の立ち上がり、立ち下がりの変化速度を抑えてやると、スイッチング損失は増加するもののサージ電圧を小さくすることができる。
【0057】
(8)変換器のスイッチングによる電磁波ノイズがEMIを発生させている場合に、スイッチング速度を遅くするゲート電圧パターンを用意することによって、変換器出力PWM電圧波形の立ち上がり、立ち下がりの変化速度を抑えてやると、スイッチング損失は増加するもののスイッチング時の電圧変化率が小さくなり、EMIを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すゲートドライバ構成。
【図2】一般的なIGBTのスイッチングパターン。
【図3】実施形態のスイッチングパターン。
【図4】実施形態におけるトレードオフの改善状況。
【図5】長距離ケーブルによるサージ電圧の発生状況。
【図6】実施形態におけるゲート電圧パターン発生回路例。
【図7】実施形態におけるゲート駆動パターン。
【図8】実施形態におけるディジタルシーケンス回路のブロック図。
【図9】他の実施形態における他のディジタルシーケンス回路のブロック図。
【図10】実施形態におけるゲート電圧駆動アンプ回路例。
【図11】実施形態におけるゲート電圧安定化のためのコンデンサ接続回路例。
【図12】従来のゲートドライバ構成。
【図13】代表的なスナバ回路。
【図14】スナバ回路自体の配線インダクタンス。
【符号の説明】
A…ゲート電圧パターン発生器
B…ゲート電圧駆動アンプ
1…D/Aコンバータ
2…CRフィルタ
3…ディジタルシーケンス回路
4…水晶発振器
Claims (3)
- ゲート電圧制御形スイッチング素子にゲートドライブ電圧を印加してスイッチング制御する回路であって、
前記スイッチング素子のターンオフ開始から終了までの期間内に電圧変化率を変化させたパターン電圧を発生するゲート電圧パターン発生器と、前記パターン電圧に従って前記スイッチング素子をターンオフ駆動するゲート電圧駆動アンプとを備え、
前記ゲート電圧パターン発生器は、前記スイッチング素子のターンオフ開始から電流遮断が始まる直前までのゲートドライブ電圧の変化を高速にするパターン部分と、電流遮断が始まってサージ電圧が上昇しようとする期間のゲートドライブ電圧の変化を低速にするパターン部分と、電流遮断が進んでサージ電圧が低下し始めてからターンオフ終了までのゲートドライブ電圧の変化を高速にするパターン部分のうち、少なくとも2つのパターン部分を有してパターン電圧を発生する構成にしたことを特徴とするスイッチング制御回路。 - 前記ゲート電圧パターン発生器は、前記パターン電圧のディジタルデータを時間コントロールして発生するディジタルコントローラと、前記ディジタルデータに従ってアナログパターン電圧を発生するD/Aコンバータと、前記アナログパターン電圧からパターン電圧波形の発生に必要な周波数成分以上の高周波成分を除去するフィルタ回路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング制御回路。
- 前記スイッチング素子はゲート電圧の変動を抑えるためにゲート・エミッタ間にコンデンサを設け、前記ゲート電圧駆動アンプは電流駆動能力を高めたコレクタ接地形に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング制御回路。
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