JP3691775B2 - 清拭用繊維構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、清拭に適した繊維構造体の新規な製造方法に関する。
本発明の清拭用繊維構造体は、スライバーパイルニットから形成されたものであって、特にキッチン用、車用、又は電子機器の表面の清拭に適する。
【0002】
【従来の技術】
天然海綿は、蛋白質よりなる海綿繊維の自己接着によって形成された網目構造が独特の保水性と柔軟弾性を有しており、これが肌への化粧料ののりを良くしている。海綿は適度の柔軟性と復元力が肌に馴染みやすく、人用あるいは各種物品表面の清拭材として最適であり、古くから重宝されてきた。しかし、海綿は天産物であり、多量の経済的な供給を求めても難しく、また、製品に加工するには熟練した技能が必要であり、多量供給用としては不向きな素材であるには適していなかった。
【0003】
上記状況下において、経済的な普及用として安定供給できる工業素材を原料として海綿の代替素材を求められている。従来、これらの原料として、セルローススポンジ、PVAスポンジ等の代替素材によって化粧用パフへの用途開発がなされたけれども、天然海綿から得られる海綿繊維が自己接着により多数のセル状気泡が形成されているのに対して、上記代替素材では、セル状構造の相違から天然海綿の機能や感触を実現することができなかった。
最近、湿熱性接着繊維成分を用いて、水中で加熱して繊維の接触点を接着させて且つ多数のセル状空隙を有する繊維集積体が得られており(特開2001-123368 号公報) 、海綿に類似の構造として注目されている。また、支持層と多数の細かいセル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる繊維複合積層体も、特開2001-129911 号公報により開発が報告されている。
【0004】
これらの実施例によれば、湿熱接着性成分を含む複合繊維150Dtex程度のフィラメントを仮撚加工をした加工糸を用いて、2.7 mmのシンカーパイル編機によりシンカーパイル編地として、その両面を起毛機によりパイル糸をかき出した後、シャーリング加工してフリース編地として、編地を沸騰水中に浸漬して多数の細かいセル状空隙部を有する多孔性繊維複合積層体を得ている。しかしながら、このようにして得られたセル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる繊維複合積層体は、表面が硬く、肌感触性の上で、そのままでは化粧用具に用いることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、支持層とその少なくとも一面に不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体も報告された(特開2001-129911 号公報)この多孔性繊維複合積層体においても、支持層と多数の細かいセル状空隙部を有する多孔性繊維層をシンカーニット生地によれば、パイル長が 2.7mmで短くてパフにはならなかった。海綿状のパイル体を得るには、少なくともパイル長は、15mm以上、好ましくは20mm以上が必要であり、さらにパイルを構成する繊維は、マルチフィラメントを使用した場合、パイル内部の繊維密度の部分的格差が大きくて柔軟なセル状空隙体が得られなかった。上記技術の繊維構造体では、本質的な問題として、湿熱処理により接着加工をする際に、生地のグランド部が熱収縮と繊維間の接着を生じて生地が硬くなって、海綿状清拭材に適さないということであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、スライバーニット機を用いてスライバーパイルニットとして、パイル長は、15mm以上、好ましくは20mm以上のパイル生地を用いる。パイル部が、エチレンビニールアルコール共重合体とポリエステルからなる湿熱接着性の複合繊維によるスライバーを用いてパイルとし、グランド部が該複合繊維よりなるマルチフィラメント50〜100 %とレギュラー合成繊維フィラメント50〜0%を用いることによって、海綿状清拭材に適する繊維構造体を得ることができた。
【0007】
パイル部に用いる該複合繊維は、単糸繊度 0.1〜10Dtezの 400〜1000Dtexのスライバーが好ましい。繊維のカット長は、40mm〜60mmで、スライバーニット機のゲージは12〜16本/インチ、度目は12〜16本/インチ、パイル長20mm〜30mmのパイル生地として用いる。この生地をシャリングして15mm以上のパイル生地とする。 グランド部に使用する繊維は、該複合繊維よりなる 100〜150Dtex 程度のマルチフィラメント50〜100%と 100〜150Dtex 程度のレギュラー合成繊維 (例えば、ナイロン、ポリエステル繊維) のフィラメント50〜0%を用いる。グランドに該複合繊維を用いる理由は、湿熱処理により海綿状の形に素材を成形するために有効である。複合繊維が50%以下では成形不良で好ましくない。レギュラー合成繊維を50%以下で混用するのは、強度物性的な補強用として用いるもので、50%以上を使用する必要がない。
【0008】
前記スライバーパイルニットを円形、楕円、その他所定の形状に裁断して、次いで裁断布2枚をパイル面を外側に重ね合わせる。湿熱によりパイルニットが収縮して硬化するのを防止するために、高反発性の弾性体を2枚の裁断布の間の中央部に設けて収縮抵抗体とする。次いで、上下2枚のパイルニットの縁を仮縫いにより縫合する。2枚のパイル生地は湿熱処理によりパイル部が接着して側面も天面と同一の状態になるので、本縫いをする必要はない。
【0009】
次いで、パイル体を水に浸漬した状態で、2400〜2500MHz、好ましくは2450MHz程度のマイクロ波を用いて加熱処理を行う。パイル内部の水の内部沸騰により多数の空隙がパイル内部に形成される。そのときに内設された高反発性の弾性体が、生地の収縮の抵抗体となって、柔軟な海綿状の繊維構造体に仕上げることができる。
エチレンビニールアルコール共重合体とポリエステルからなる複合繊維としては、鞘芯型のソフィスタ (株式会社クラレの製品、湿熱接着性繊維) を用いることができる。
【0010】
高反発性の弾性体は、生地の収縮抵抗体として用いるのであるから、ポリエステル繊維15Dtexのモノフィラメントよりなる厚さ10mm程度の不織布を用いることができる。従来、中芯として用いているポリウレタン等のスポンジは使用できない。該弾性体は、スライスバーニットの裁断寸法より小さくして内設し、複数枚重ねて使用する。
本発明において、パイル体を2450MHz のマイクロ波により加熱処理する方法は、ガラス、陶器、PP等の容器に水を入れて、パフ状体を浸漬した状態で、電子レンジを用いて3分〜5分程度、上記波長のマイクロ波により処理する。マイクロ波加熱により、パフ状体の内部より沸騰してパイル繊維の接点が接着して同時に多数の空隙が得られる。使用する水に界面活性剤、キトサン・コラーゲンによる保湿剤、親水性ポリウレタン処理剤を添加することは有効である。また、染料を添加して同時に染色することもできる。
【0011】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明の要件は実施例の記載に限定されることはない。
【実施例1】
ソフィスタ(株式会社クラレの製品、湿熱接着性繊維)単糸繊度2Dtexよりなるカット長50mmのスライバー500Dtex をパイル用繊維とし、グランド用にはソフィスタ (株式会社クラレの製品、湿熱接着性繊維) 180Dtex/60fよりなるマルチフィラメントを用いて、スライバーニット機によりゲージ14本/インチ、度目14/インチ、パイル長20mmのスライバーパイルニットを作成した。
得られたパイルニットを直径15cmの円形に裁断し、裁断布2枚の縁を合わせてパイル面を外側に重合し、2枚の間にポリエステル単糸15Dtexのモノフィラメントよりなる厚さ10mmの不織布を8枚を内設し、縁を仮縫いしてパイル体とした。次いで、パイル体をガラス容器に水を入れた中に浸漬して、電子レンジにて2450MHz のマイクロ波により5分間処理した。機器より取り出して乾燥することにより、柔軟な海綿状の清拭用繊維構造体を得ることができた。
得られた繊維構造体は、保水性、洗浄性、柔軟性、圧縮弾性、感触が海綿と同等であった。リントフリーであるので電子機器や医療分野のワイパーとして適したものである。
【0012】
【実施例2】
ソフィスタ(株式会社クラレの製品、湿熱接着性繊維)単糸繊度1Dtex/60fよりなるマルチフィラメントを70%、100Dtex/60f のナイロンフィラメントを30%用いてスライバーニット機によりゲージ12本/インチ、度目13本/インチ、パイル長25mmのスライバーパイルニットを作成した。
得られたパイルニットを長径15cm短径10cmの楕円形に裁断し該裁断布2枚の縁を合わせてパイル面を外側に重合し、2枚の間にポリエステル単糸15Dtexのモノフィラメントよりなる厚さ不織布を8枚を内設し、縁を仮縫いしてパフ状体とした。次いで、陶器容器に水、黄色の分散染料、ZPT(ジンクピリチオン) を内包した直径10μのアクリル樹脂微粒子を入れた中にパイル体を浸漬して、電子レンジにて2450MHzのマイクロ波により5分間処理した。機器より取り出して乾燥することにより、化粧用に適した柔軟で黄色の染色された清拭用の海綿状繊維構造体を得ることができた。
得られた化粧用具は、JIS L1092に規定された大腸菌と黒黴によるハロー試験方法によりハローが認められ、抗菌性を有することがわかった。
【0013】
【発明の効果】
上記のとおり、エチレンビニルアルコール共重合体が繊維の一部又は全面を構成する湿熱接着性の複合繊維を用いて、スライバーパイルニットを所定の形状に裁断して2枚を重合し、内部に高反発性の弾性体を設けることにより、マイクロ波による加熱手段により、保水性、洗浄性、柔軟性、圧縮弾性が海綿に限りなく類似の柔軟な清拭用繊維構造体を得ることができる。また容易に染色したり、抗菌処理、機能性付与を同時に得ることができる。

Claims (3)

  1. スライバーニット機により、パイル部がエチレンビニールアルコール共重合体とポリエステルからなる湿熱接着性の複合繊維によるスライバーを用いたパイル長15mm以上、グランド部が該複合繊維よりなるマルチフィラメント50〜100 %とレギュラー合成繊維フィラメント50〜0%の、スライバーパイルニット生地を編成する工程、該スライバーパイルニットを所定の形状に裁断する工程、裁断した2枚のパイル面を外側にして縁を合わせて重合し、2枚の間に高反発性の弾性体を抵抗体として内設し、上下2枚のスライバーパイルニットの縁を仮縫いする工程、次いで水に浸漬した状態でマイクロ波を用いて内部より加熱処理を行う工程よりなることを特徴とする清拭用繊維構造体の製造方法。
  2. 上記水に界面活性剤、キトサン・コラーゲン保湿剤又は親水性ポリウレタン処理剤を添加することを特徴とする請求項1の清拭用繊維構造体の製造方法。
  3. 請求項1記載の製造方法で得られたものであって、エチレンビニールアルコール共重合体とポリエステルからなる湿熱接着性の複合繊維によるスライバーニットの2枚を重合した縁のパイル接触部及び天面のパイル内部に、繊維同士が互いに接触する部分が接着して一体化されており、多数のスポンジ状気泡が形成されていて、且つ柔軟な海綿状体であることを特徴とする清拭用繊維構造体。
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