JP3691533B2 - 抗動脈硬化ペプチド - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は粥状動脈硬化に起因する疾病の治療、予防に有用なペプチド並びに該ペプチドを含有する抗動脈硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術並びに発明が解決しようとする課題】
今日、先進国では虚血性心疾患及び虚血性脳疾患等の虚血性疾患が癌と並んで死因の大きな部分を占めている。虚血性疾患の大部分は粥状動脈硬化を基盤として発症しているので、そのため粥状動脈硬化の治療に有効な薬剤の開発が望まれている。粥状動脈硬化の発生のメカニズムはRussel Rossの"Injury to Response"説が今日広く受け入れられている(Ross R., Nature,362,p.801-(1993))。即ち、血管の内皮細胞は障害を受けたり、あるいは高脂血症、ウイルス感染、高血圧などの刺激を受けると平滑筋の増殖を促進する種々のgrowth factorを産生する。その結果、平滑筋が増殖して内膜の肥厚を生ずる。さらに内皮細胞はモノサイトやT細胞の接着因子を発現させて内皮下へそれらの細胞を呼び入れる。内皮下へ入ったモノサイトはマクロファージとなり、スカベンジャーレセプターを発現して、変性した低密度リポ蛋白質(Low Density Lipoprotein (以下、LDLと称することがある))コレステロールを無制限に取り込み、泡沫細胞となって粥状動脈硬化の病巣を形成する。粥状動脈硬化が冠状動脈にできた場合、内腔を狭窄して狭心症を引き起こし、また粥状動脈硬化巣が破綻すれば血栓を形成して不安定狭心症や心筋梗塞などの重篤な疾病を招来する。脳動脈に粥状動脈硬化が発生した場合には脳梗塞あるいは脳内出血を起こす原因となる。また、下肢支配動脈(腎下部大動脈から大腿動脈)の場合は閉塞性動脈硬化症を引き起こす。このように粥状動脈硬化は重大な疾病の原因となっている。
【0003】
血清のコレステロールは主に2種類のリポ蛋白質によって運搬されている。1つは肝臓で合成されたコレステロールや食事由来のコレステロールを末梢組織に運ぶLDLであり、2つ目は末梢組織で余剰となったコレステロールを肝臓に運ぶ高比重リポ蛋白質(High Density Lipoprotein(以下、HDLと称することがある))である。肝臓に戻されたコレステロールは胆汁酸として排泄される。LDLによって運ばれるコレステロールをLDLコレステロール、HDLによって運ばれるコレステロールをHDLコレステロールと呼んでいる。粥状動脈硬化の発生と進展にはLDLコレステロールが密接に関係しており、一方HDLコレステロールは粥状動脈硬化巣に蓄積しているコレステロールを引き抜いて肝臓へ送る役割をしていることから、抗粥状動脈硬化的に作用するとされている(Philips M.C. et al. Biochem. Biophys. Acta, 906:p.223- (1987))。疫学的にも血清コレステロール量と心疾患の発生率が相関すること(Kannel W. B., et al. The Framingham Study. Ann. Intern. Med., 74:p.1-, (1971))及びHDLコレステロール量と心疾患の発生率は逆相関すること(Miller N. E., et al. Lancet, 2:p.965-,(1977))が知られている。
【0004】
このことより虚血性疾患の発症を予防する方法として、まず血清コレステロールを低下させることが考慮され得るが、それには種々の方法が知られている。例えば、生体内でのコレステロールの合成を阻害するHMG-CoA還元酵素の阻害剤、胆汁酸の再吸収を阻害してコレステロールから胆汁酸への転換を亢進させるイオン交換樹脂剤、LDLを生成するVLDLの合成を阻害するニコチン酸剤等がある。また、酸化LDLの生成を抑制するプロブコール等の薬剤も使われている。これらの薬剤の組み合わせによりLDLコレステロールを低下させて退縮が認められたとの報告もあるが(Brown G., et al. N. Engl. J. Med., 323:p.1289-, (1990))、これらの薬剤は作用メカニズムとして粥状動脈硬化巣に直接作用するものではないので、期待し得る効果としては粥状動脈硬化の進展の抑制である。一方、粥状動脈硬化は前述したコレステロールの他に糖尿病、高血圧、喫煙及び肥満等もリスクファクターに挙げられている。粥状動脈硬化の進展の抑制を図るには上述した薬剤によるコレステロールの管理だけでは不十分である。
【0005】
粥状動脈硬化の最も望ましい治療法は病巣を退縮させることである。粥状動脈硬化巣はコレステロールを低下させると退縮が起こることが知られている(Blankenhorn D. H., et al. JAMA, 257:p.3233-,(1987))。このことからLDLコレステロールを選択的に体外循環によって取り除くLDLアフェレーシス療法が開発されている。この療法は冠動脈狭窄や下肢動脈の狭窄、閉塞を退縮に導く治療法として認められている。しかしながらLDLコレステロールをほとんど無になるまで下げてもリバウンド(rebound)が起こって、3週間で元のレベルに戻ってしまうので、2週間に1回の反復施行が必要であり、さらに退縮を生じさせるには年単位の施行期間が必要であるため、患者の負担が極めて大きい治療法である。
【0006】
粥状動脈硬化の望まれている治療法は薬剤の投与によって非観血的に病巣の治癒を導くことである。この方法としてHDLの抗粥状動脈硬化作用が注目されている。Badimonらは高脂食を投与して粥状動脈硬化を作らせたウサギにHDLを静脈内注射して粥状動脈硬化巣を退縮させたことを報告している(Badimon J.J., et al. J. Clin. Invest., 85:p.1234-,(1990))。また、HDLを構成する主要なアポ蛋白であるapolipoprotein A-I(apoA-I)を使って人工HDLを調製し、抗動脈硬化剤とする方法が試みられている(特許公報 特開昭61-152632)。さらに、高脂食を与えて動脈硬化を作らせたウサギにapoA-Iを静脈内注射して動脈硬化の進行を抑制する試みが行なわれている(Maciejko J. J., et al. Arteriosclerosis, 2:p.407a-,(1982))。
【0007】
これに対して、HDLの抗粥状動脈硬化作用については生理学的な面から疑問視する意見が出されている。即ち、HDLコレステロールの低下ないし欠損する遺伝性疾患の全てが冠状動脈疾患を高率に発症するわけではないこと(Durrington P. N., Lancet, 342:p.1315-,(1993))、高HDLコレステロール血症でも冠状動脈疾患を認める症例が報告されていること(山下静也ほか 動脈硬化 13:p.981-,(1985))、apoA-Iノックアウトマウスでも動脈硬化は必ずしも進展するわけではないこと(Li H., et al. Arterioscler. Thromb., 13:p.1814-,(1993))等の知見があるためであり、これらはHDL及びapoA-I共に粥状動脈硬化の防御に直接関係していないことを示していると考えられるからである。これによれば、HDLコレステロールは心疾患の疫学上の単なるマーカーに過ぎないことになる。このようにHDLの抗粥状動脈硬化作用のメカニズムについては現在のところ不明な点が多い。
【0008】
本発明はHDLの抗動脈硬化作用の機序を明らかにすべく、特にapoA-Iの抗粥状動脈硬化作用の役割について鋭意検討した結果、驚くべきことにapoA-IのC末端ペプチドが完全分子型のapoA-Iでは効果がない場合でも著しい抗粥状動脈硬化作用を示し、さらに、完全分子型のapoA-Iでは認められないHDLコレステロールの上昇も引き起こすことを見出し、該知見を基に本発明を完成するに至った。従って、本願発明の目的は、粥状動脈硬化の進展を抑制し退縮を促進させることによって、粥状動脈硬化を基盤として発病する疾病を治療する薬剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上述の目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、下述する知見を得、該知見に基づいて更なる研究の結果、本願発明の完成に至ったものである。
即ち、本発明者は高脂食を投与して高脂血症状態を作らせたウサギに遊離の完全分子型ウサギapoA-Iを静脈内に注射した時、接種したapoA-Iが血清中で分解を受けることを見出した。そこでapoA-Iの分解物の抗動脈硬化作用を調べたところ、apoA-IのC末端領域のペプチドが著しい抗粥状動脈効果作用を示すことを見出し、これらの知見に基づき本願発明を完成した。
該ペプチドは化学合成によって、または大腸菌、酵母等の微生物あるいはCHO細胞等の動物細胞を宿主として用いた遺伝子組換え技術によって得ることができる。さらに、完全分子型apoA-Iを適当なプロテアーゼで処理して、apoA-Iより切り出された該ペプチドを採取して得ることもできる。apoA-Iを構成するアミノ酸のうちアミノ酸番号227番目から243番目までの配列に対応する17個のアミノ酸を含むペプチドまたはその類似体は、いずれも抗粥状動脈硬化作用を期待しうるが、ヒトに用いる場合には、下記のアミノ酸配列で示されるアミノ酸よりなるペプチドが特に好ましい。
【0010】
ヒト ペプチドA(Peptide A) VSFLSALEEYTKKLNTQ
ヒト ペプチドB(Peptide B) VSFKSAKEETTKKLNTQ
式中、記号は次のように定義される。[D:アスパラギン酸、N:アスパラギン、T:トレオニン、S:セリン、E:グルタミン酸、Q:グルタミン、P:プロリン、G:グリシン、A:アラニン、V:バリン、M:メチオニン、I:イソロイシン、L:ロイシン、Y:チロシン、F:フェニルアラニン、K:リジン、H:ヒスチジン、R:アルギニン、W:トリプトファン]
【0011】
薬効を調べるためにウサギ動脈硬化症モデルを作製して検討を行なった。この動物実験ではウサギapoA-Iの227番目から243番目のアミノ酸配列に対応する下記のアミノ酸配列を有するペプチドを用いた。
ウサギ ペプチドC(Peptide C) ASVQNLVDEATKKLNTQ
なお、ヒト、ウサギ、イヌ及びラットのそれぞれのapoA-Iのアミノ酸配列を比較すると、C末端領域の237番目から243番目までが4種ともに完全に一致している。従って、apoA-IのC末端領域の237番目から243番目に対応するペプチドに抗動脈硬化作用の本態が存在することが推定される。
これらのペプチドを含有する薬剤は薬学的に有効な担体等と調合されて好適に製剤化され、静脈注射剤、経口剤、経皮薬及び経粘膜薬として用いることができる。
【0012】
【発明の作用並びに効果】
本願発明によってもたらされるペプチドの作用は以下の方法で確認した。
ペプチドCをウサギ体重あたり50μg/kg〜5mg/kg、好ましくは1mg/kgを投与して、高脂食例えば0.5%コレステロールを添加した飼料等で飼育して大動脈等の動脈に生じる粥状動脈硬化の発生を抑えること、及びHDLコレステロールが上昇することを指標として確認することができた。また、高脂食を与えて飼育して予め粥状動脈硬化を作らせたウサギにペプチドCを50μg/kg〜5mg/kg、好ましくは1mg/kg投与して、大動脈及び冠状動脈を摘出し、それらにできた粥状動脈硬化の病巣が退縮することから確認することができた。
さらに、動物の動脈例えばウサギの頸動脈をバルーンカテーテルで障害したPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)後の再狭窄モデルを作製し、次いでペプチドC 50μg/kg〜5mg/kg、好ましくは1mg/kgをウサギのPTCA後再狭窄モデルに投与して、バルーンによる障害を受けた頸部動脈を摘出し、内膜の肥厚を測定することによって確認し得た。
従って、本願発明によってもたらされるペプチドを本態とする抗動脈硬化剤並びにPTCA後の再狭窄予防薬によって、完全分子型apoA-I等従来の薬剤で達成することのできなかった驚くべき効果を期待することができる。
【0013】
以下に実施例により本発明を詳述するが、本発明は該実施例によって限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
実施例
(ペプチドの調製 1)
請求項1に記載のペプチドを以下に示す方法で合成した。ペプチドの合成はアプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)社製 430A Peptide Synthesizerを用い、t-Bocアミン酸の対称性無水物で合成を行なった。次に、アニソール・ジメチルサルファイド・パラチオクレゾール中に溶かした合成ペプチドを0〜5℃のフッ化水素酸の存在下で1時間反応させて脱保護を行なった。この方法は、S. Sakakibaraによる方法 (Ball. Chem. Soc. Jpm. 40: p.2164-, (1967))である。この粗結晶を2N酢酸に溶解して抽出し、凍結乾燥を行なった。これをアプライドバイオシステムズ社製Brownleeカラム(直径10mm、長さ250mm)を用い、0.1% Trifluoroacetic acid(TFA)溶液と0.09%TFAを含む70%アセトニトリル(Acetonitrile)溶液でグラジエント(0→100%)をかけることによって精製した。この時のペプチドA、ペプチドB及びペプチドCのクロマトグラフを第1図に示す。
【0015】
実施例
(ペプチドの調製 2)
ファルマシア社製のCNBr-activated Sepharose 4Bを用いて、エラスターゼ(Elastase)をリガンドとしたElastase-Sepharose 4Bを作製した。即ち、10mgのElastase(シグマ社)を0.5M NaClを含む0.1Mの炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH 8.3)50mlに溶解し、CNBr-activated Sepharose gel 10mlを加えて室温で1時間カップリングさせて作製した。このElastase-Sepharose 4B gel 10mlに0.01M リン酸緩衝化生理食塩水(phosphate buffered saline:PBS)(pH 7.4)でウサギapoA-Iを5mg/mlの濃度に溶解した溶液100mlを混合し、37℃で3日間ローテーターで攪拌した。3000rpmで10分間遠心処理してゲルを分離し、この上清をPoly LC社のpoly hydroxyethyl aspartamideカラムに通液し、10mM Triethylamine Phosphateを含む70%アセトニトリル緩衝液と10mM Triethylamine Phosphateを含む40%アセトニトリル緩衝液のグラジエント(5%→100%)で分離精製を行なった。ピーク3がペプチドCで、ピーク4がC末端側のペプチドが欠損したdegraded apoA-I(以下、D.apoA-Iと称することがある)である。
【0016】
実施例
(粥状動脈硬化の進展の抑制)
ニュージーランドホワイト種の雄性ウサギ(n=10)にペプチドCを体重1kgあたり1mgの割合で、2日に1回、計30回静脈内注射した。また、遊離のウサギapoA-Iを体重1kgあたり5mg、2日に1回、計30回静脈内注射した。対照群として生理食塩水を接種した。接種開始と同時に0.5%コレステロールを含む日本農産固型RG-RO飼料を150g/日/匹投与して、60日間飼育した。また、15日毎に採血して血清総コレステロール量及びHDLコレステロール量を測定した。飼育60日目に解剖して胸部腹部大動脈を摘出した。胸部腹部大動脈は10%中性ホルマリンで1晩固定した後、SudanIVにて脂質染色を行なった。SudanIVで染色された領域を画像解析装置(エプソン社)を使って面積を測定した。その結果ペプチドC接種群は対照群よりも有意(p<0.05)に病変面積が小さく、ペプチドCの接種によって動脈硬化の発生と進展が抑制されることが判った。一方、遊離の完全分子型apoA-I接種群では病変面積は対照群と差は観られず、抗粥状動脈硬化作用は認められなかった(以上表1参照)。
さらに、ペプチドC接種群は対照群に比べて有意(p<0.05)にHDLコレステロールの上昇が認められ、血清総コレステロールでは、対照群よりも有意(p<0.05)に低いことが明らかとなった。これに対して遊離のapoA-IはHDLコレステロール量及び血清総コレステロール量共に対照群との間に差は認められなかった

【0017】
【表1】
Figure 0003691533
【0018】
実施例
(粥状動脈硬化の退縮作用)
ニュージーランドホワイト種の雄性のウサギに0.5%コレステロールを含むRG-RO飼料を150g/日/匹、105日間投与した。106日目より正常食に替えて飼育し、165日目からペプチドC、遊離のウサギapoA-I、ウサギD.apoA-Iを接種した。ペプチドCの場合は体重1kgあたり1mg、apoA-Iの場合は体重1kgあたり5mg、D.apoA-Iの場合は体重1kgあたり1mgの割合で2日に1回、計30回耳静脈内注射を行なった。飼育225日目に解剖して、胸部腹部大動脈を摘出し、10%ホルマリンにて1晩固定した。この後SudanIVにて粥状動脈硬化巣を染色し、染色された領域を画像解析装置で面積の測定を行なった。その結果、ペプチドC接種群は胸部腹部大動脈に於いて対照群よりも有意に病変面積が小さく粥状動脈硬化の退縮を引き起こしていることがわかった。一方、遊離のapoA-I及びD.apoA-I接種群では対照群と差は認められなかった(表2参照)。
【0019】
【表2】
Figure 0003691533
【0020】
実施例
(PTCA後の再狭窄に対する効果)
体重2.5〜3.0kgのニュージーランドホワイト種の雄性ウサギの外頸動脈より、Baxter社製2Fr.Fogarty Catheterを総頸動脈に向けて挿入し、400mmHgの圧力でバルーンを膨らませて3回擦過することにより血管内皮を剥離してPTCA後の再狭窄動物モデルを作製した。バルーン処置直後からペプチドCを体重1kgあたり1mgを毎日耳静脈へ注射した。14日目に総頸動脈を3%グルタルアルデヒド液で潅流固定した後摘出し、Resorcin-Fuchsin染色した病理組織標本を作製して内膜の肥厚を測定した。ペプチドC接種群は対照群よりも内膜の肥厚が少なく、PTCA後の再狭窄の予防に効果のあることが判明した(表3参照)。
【0021】
【表3】
Figure 0003691533
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成ペプチドの精製に関するもので、化学合成したペプチドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製のクロマトグラフを示す図である。Aのpeak2がペプチドA、Bのpeak1がペプチドB、Cのpeak1がペプチドCを示す。
【図2】 apoA-Iからの本願発明のペプチドの精製に関するもので、peak3が分子量2,000のペプチドC、peak 4が分子量26,000のD.apoA-Iを示す。
【図3】 ウサギ血清中のHDLコレステロール量(mg/dl)の経日変化を示す。
【図4】 ウサギ血清中の総コレステロール(mg/dl)の経日変化を示す。

Claims (4)

  1. アポリポ蛋白A-I(以下、apoA-Iと称することがある)を構成するアミノ酸のうちアミノ酸番号227番目から243番目までの配列に対応する17個のアミノ酸よりなる抗動脈硬化ペプチド。
  2. 式:VSFLSALEEYTKKLNTQ、または式:VSFKSAKEETTKKLNTQ[式中の各構成要素は、D:アスパラギン酸、N:アスパラギン、T:トレオニオン、S:セリン、E:グルタミン酸、Q:グルタミン、P:プロリン、G:グリシン、A:アラニン、V:バリン、M:メチオニン、I:イソロイシン、L:ロイシン、Y:チロシン、F:フェニルアラニン、K:リジン、H:ヒスチジン、R:アルギニン、W:トリプトファン]で示されるアミノ酸配列を有する請求項1記載の抗動脈硬化ペプチド。
  3. 請求項1または請求項2に記載のペプチドを含有する抗動脈硬化剤。
  4. 請求項1または請求項2に記載のペプチドを含有する経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:以下、PTCAと称することがある)後狭窄予防薬。
    以上
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